JP2010096655A - 流体制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】流体の流量の制御を簡単な構造で実現でき、故障が少なく、安価で、かつ装置を微少化することができる流体制御方法を提供する。
【解決手段】ポンプ16を作動させ、容器11内の液体をチューブ17内に導入し、容器12内の液体をチューブ18内に吸引する。温度調整部13,14の設定温度を調整してチューブ17,18内を流れる液体の粘度を調整することによりチューブ17,18内を流れる液体の流量を制御する。これにより、合流部19で容器11,12内の液体を所望の混合比で混合する。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体制御方法に関し、特に、流体が通過する流路内における流体制御方法に関するものである。例えば、マイクロマシニング技術により作製される統合型小型分析システム(μTAS)のマイクロ流体デバイス内で、主に液体の流速や流量を制御する方法について用いられる。
様々な産業プロセスにおいて、気体や液体の流速や流量を制御する技術は必要不可欠である。一般的には、流路に設置された比例弁の開き具合を調整して、その流速または流量を調整する。比例弁の大きさが日常的なもの、例えばミリオーダー以上であれば、その構造は流体の通過する断面積を変化させる機械的な構造で十分満足できる。
ところが、マイクロマシニング分野での、ミクロンオーダー領域やサブミクロンオーダー領域では、そのような比例弁を作製することが非常に困難になる。マイクロオーダー以下の流路における流体を制御する方法として、例えば非特許文献1〜4に開示された方法がある。
非特許文献1には、刺激応答性ゲルを利用した方法が開示されている。この方法は、ゲルの膨張と収縮を利用して、弁の開閉を行なう。ゲルの膨張と収縮は、温度やpHの刺激に応答して体積を変化させることによって行なわれる。
非特許文献2には、電気化学反応を利用した方法が開示されている。この方法は、電気化学反応により流路に気泡を発生させ、バルブ機能を作り出す方法である。
非特許文献3には、流路を変形させる方法が開示されている。この方法は、空気圧で流路を物理的に変形させて、流量を変化させる方法である。
非特許文献4には、流路に機械的にピンを設置する方法が開示されている。この方法は、点字ディスプレーを用いて、流路にピンを押し出して、流路を物理的に塞ぎ、流量を変化させる方法である。
また、微少な流体を扱う装置として、特許文献1や特許文献2に開示されたものがある。特許文献1には、複数流体の混合比を安定化させるマイクロ総合分析システムが開示されている。特許文献2には、マイクロ流体デバイスの温度制御システムが開示されている。
特開2006−266923号公報 特開2008−157932号公報 Nature,2000年,404巻,p.588−590 Anal.Chem.,2002年,74巻,p.6392−6396 Science,2000年,288巻,p.113−116 Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2004年,101巻,p.15861−15866
非特許文献1に開示された刺激応答性ゲルを利用した方法は、ゲルと化学反応しない流体に限られるという問題があった。また、この方法は、100%開、100%閉のバルブを実現できても、一定の開度を制御するという場合、ゲルの膨張収縮再現性、刺激に対する再現性に問題があり、安定制御が困難であるという問題があった。
非特許文献2に開示された電気化学反応を利用した方法は、上記の刺激応答性ゲルを利用した方法と同じく、100%開、100%閉のバルブを実現できても、一定の開度を制御するという場合、安定制御が困難であるという問題があった。また、発生した気泡が消滅するのには時間がかかるし、気泡を再現性よく消失させることができないという問題もあった。また、電気化学反応に応じる流体しか適用できないという問題もあった。
非特許文献3に開示された流路を変形させる方法は、上記の刺激応答性ゲルを利用した方法と同じく、100%開、100%閉のバルブを実現できても、一定の開度を制御するという場合、安定制御が困難であるという問題があった。また、流路を圧力により変形させる場合、流路が圧力によって撓む材料に限定されることと、長年の撓み動作が、内部に疲労を生じさせ、寿命が短いという問題があった。また、撓む材料は、本質的に他の要因でも撓む。例えば流体自体の圧力や、環境温度変動、環境大気圧変動が流量制御誤差の要因となる。
非特許文献4に開示された流路に機械的にピンを設置する方法は、上記の刺激応答性ゲルを利用した方法と同じく、100%開、100%閉のバルブを実現できても、一定の開度を制御するという場合、安定制御が困難であるという問題があった。また、流体は、ピンの材料と化学反応しないものに限定されるという問題があった。さらに、ピンの押出し機構は、微細な機械的機構であり、高価かつ複雑であり、長期信頼性に欠けるという問題もあった。さらに、ピンの押出し機構部と接液部とのシール性が悪く、液漏れの問題もあった。
このように、非特許文献1に開示された方法は、特殊な材料や特殊な構造体を用いてそれを実現している。さらにその機能は、流量を流す又は止めるというオン又はオフの制御しかできない単なる弁の機能しか実現できないものもある。また、これらの方法の短所は、構造が複雑なところから、故障頻度が高く長期使用の信頼性がないこと、同時に作製コストの高いことがある。また、特殊な材料を使用している場合は、その材料と流体との親和性や耐久性が問題になることが多く、対象流体が制限されることがある。総合的に、何年にもわたって、確実に所望の流速、流量を制御できる構造体として、未だ使用に耐えないものばかりである。
特許文献1にはマイクロ総合分析システムが開示されている。特許文献1に記載されている分野が、本発明が一番活躍する領域であるため、あえてこの従来技術の問題点を明かしておきたい。
特許文献1のマイクロ総合分析システムは、流体を合流して混合する場合、流路抵抗、具体的には流路断面積、流路長さを、混合比に応じて変えて検査チップを作製する。混合比を安定化させる必要性、背景は、特許文献1の段落[0001]〜[0004]に記載されている。ただ、その解決方法が、課題の本質的な解決になっていない。その課題は、流量が目標値からずれてくるという問題で、その原因は、特許文献1の段落[0003]に記載されている。ここで記載されている方法でも、マイクロポンプの能力の経時変化、流体の物性変化、流路の形状の経時変化、環境変化により時間とともに流量が変化する。
微細流路が設けられた検査チップ内で検体液と反応試薬液を混合する場合、微細流路に液体同士の混合する箇所が設けられている。検体液と反応試薬液の混合比はそのプロセスにより様々である。微細流路内に液体を流す方法は、検査チップ内に設けられたマイクロポンプを用いたり、検査チップへの所定箇所へ圧力を加えたり、検査チップの所定箇所から吸引したりする方法がある。どの方法でも、圧力と流路の抵抗により流速や流量が決まる。従来技術では、液体同士の混合比は、流路の抵抗がおよそその値になるように設計している。しかし、転写形成時の誤差による流路サイズ誤差に伴う流量誤差や流速誤差、環境温度変動による流路サイズ誤差、流体粘度変化などに起因して、混合比は必ずしも初期設計値にはならない。このようなことから、検体液と反応試薬混合による化学反応は常に安定している状況ではなく、検査チップが誤判定になるという問題があった。
また、特許文献2にはマイクロ流体デバイスの温度制御システムが開示されている。流体の温度を制御する場合の従来方法の問題点が、特許文献2の段落[0006]〜[0011]に記載されている。マイクロ流体デバイスは、数cm(センチメートル)×数cm程度の大きさであり、流路サイズは200μm(マイクロメートル)以下である。そのような微細な構成で、各部分の温度管理は非常に重要なことであるが、特許文献2に開示された方法も含めてよい方法がない。また、非特許文献1〜4及び特許文献1に開示された流体の流量や流速の制御方法は、流路の温度制御と密接にかかわっているため、特許文献2の段落[0006]〜[0011]に記載された問題が発生する。
そこで本発明は、従来技術と比較して、流体の流量の制御を簡単な構造で実現でき、故障が少なく、安価で、かつ装置を微少化することができる流体制御方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、流路内を流れる流体の温度を変化させることにより、上記流体の粘度を変化させ、上記流路内での上記流体の流量を変化させる流体制御方法である。
本発明にかかる流体制御方法は、流体の粘度がその温度により変化するという物理現象を立脚点にしている。一般に、温度が上がれば、液体は粘度が下がり、気体は逆に粘度が上がる。これは分子の力学的な振る舞いから説明できる現象である。従来は、この温度変化による粘度の変化が流体制御の邪魔になる要因として、それがないように流体温度を一定に制御したり、粘度の多少の変化が流体制御に影響を及ぼさないような構造したりすることが提案されていた。本発明は、逆にこの邪魔な要因を積極的に使用して、流体の流量の制御を行なう。ここで、本発明は、流体の流量を制御するとともに、流体の流速も制御できる。
代表的な流体である水の温度と粘度の変化の関係を示すグラフを図18に示す。図18において、横軸は温度(℃(摂氏温度))を示し、縦軸は粘度Pa・s(パスカル秒)を示す。
0.1MPa(メガパスカル)の大気圧において、0℃から100℃までが液体として存在するので、その温度範囲にて水の流量や流速の制御が可能である。一定温度で一定圧力の水は一定流量流れる。ここで、水の温度を上げると、流量は上昇し、水の温度を下げると流量が減る。これは、水は温度が上がる粘度が減少して流れやすくなるためである。厳密には細管の温度も流体の温度にともなって変化し、温度上昇とともに膨張する材質(一般的な物質はこれに従う)であるならば、細管の径が増加して流体が増加する効果もある。
本発明の流体制御方法では、流体の温度による粘度変化という物理現象を利用するために、細管径の温度変化はなるべく少ないものを利用することが好ましい。特に気体を扱う場合は、この現象は温度と流量の関係を打ち消し合う方向になるので、熱膨張係数の小さい材質を使うことが望ましい。
本発明の流体制御方法において、流路内の流体の温度を変化させる手段として、流路の温度を変化させることを挙げることができる。具体的には、流路の温度を変化させることにより、流路内の流体の温度を変化させてその流体の粘度を変化させ、流体の流量を変化させる。ただし、流路内の流体の温度を変化させる手段はこれに限定されるものではない。例えば、流路に供給される流体が収容された容器内で流体の温度を制御することによって、容器から流路に供給された流体の流路内での温度を制御することができる。
本発明の流体制御方法において、上記流体は液体でも気体でもよい。
上記流体が液体である場合、上記流路の温度を下げて上記液体を固体化させることによって上記流路を詰まらせて上記液体の流量を遮断するようにしてもよい。さらに、上記流路の温度を元に戻して又は上昇させて、固体化された上記液体を液体化させて上記流路を開通させることもできる。
また、上記流路は、ガラス部材、半導体部材又は金属部材の一部分がエッチング技術によって除去されて形成されたものである例を挙げることができる。また、上記流路はフォトリソグラフィ技術を用いて形成されたものである例を挙げることができる。
また、上記流路はマイクロ流体デバイス内に形成されたものである例を挙げることができる。ここでマイクロ流体デバイスとは、少なくとも2つの基材を用い、一方の基材の表面又は両方の基材の表面に溝を形成しておき、それらの基材を貼り合わせることによって2つの基材の接合面に流路を形成したものである。また、表面から裏面に貫通する溝を形成した基材を2つの基材で挟み込んで内部に形成したマイクロ流体デバイスもある。マイクロ流体デバイスは例えば特許文献2に開示されている。
また、上記流路はチューブによって形成されている例を挙げることができる。
本発明の流体制御方法において、流路の温度を変化させる熱源として、例えば、ペルチェ素子、ヒーター、流路に光を照射するための光源を挙げることができる。
上記ヒーターの一例として半導体素子を挙げることができる。ただし、ヒーターは他の構造からなるものであってもよい。
また、上記流路に光を照射するための光源として、例えばLED(Light Emitting Diode)、半導体レーザーを挙げることができる。ただし、上記光源はこれらに限定されるものではない。また、光源と光ファイバーを用い、上記光源から上記光ファイバーの入射端に入れた光を上記光ファイバーの出射端から出射させて上記流路に光を照射するようにしてもよい。
上記流路がマイクロ流体デバイス内に形成されたものである場合、上記流路の温度制御を上記マイクロ流体デバイスに2次元配列配置したヒーター、ペルチェ素子又はLEDで行なう例を挙げることができる。
また、上記流路の内部に障害物が設置されているようにしてもよい。
また、上記流路は曲線上に設置されているようにしてもよい。
また、上記流路は、温度制御される部分の流路断面積が他の部分の流路断面積に比べて小さく形成されているようにしてもよい。
本発明の流体制御方法において、上記流路の配管長さと、上記流路内を流れる上記流体の流速、密度及び粘度を調整して、上記流体が層流状態又は乱流状態に切り替わる境界条件に設定しておき、上記流路又は上記流体の温度変化で上記流体の粘度を変化させて流体を層流状態から乱流状態へ、又はその逆に変化させることによって上記流体の流量を変化させる例を挙げることができる。
また、上記流路又は上記流体の設定温度と上記流体の流量との関係を予め取得しておき、その関係を示すデータに基づいて所望の流量を得るようにしてもよい。
また、下流側の合流部で合流する複数本の上記流路を用い、それらの流路の温度を制御してそれらの流路内を流れる流体の流量を制御することによって複数本の上記流路から上記合流部に供給される流体の比率を制御するようにしてもよい。
本発明の流体制御方法では、流体が通過する流路の温度を変化させて、上記流体の温度を変化させることにより、上記流体の粘度を変化させ、上記流体の流量を変化させるようにしたので、従来技術と比較して、簡単な構造で流体の制御を実現できる。これにより、故障が少なく、安価で、かつ装置を微少化することができる。さらに、従来技術では、安定した流量の可変制御が困難であったが、本発明の流体制御方法はそれを実現できる。
また、流路内を流れる流体が液体である場合、流路の温度を下げて液体を固体化させることによって流路を詰まらせるようにすれば、液体の流量を遮断することができる。さらに、上記流路の温度を元に戻して又は上昇させて、固体化された上記液体を液体化させて上記流路を開通させることもできる。このように、流路の温度を変化させることにより、流路内の液体を凝固させ、また、凝固した液体を融解させることにより、流路に複雑な構造を設けることなく流路自体をバルブとして機能させることができる。
また、本発明の流体制御方法において、流路がマイクロ流体デバイス内に形成されたものであり、マイクロ流体デバイスでの流体の温度を制御する場合、マイクロ流体デバイスに、2次元配列したヒーター又はペルチェ素子を貼り付けることによって、マイクロ流体デバイス内で、温度制御したい部分のヒーター又はペルチェ素子に通電することにより、局所的に温度の上昇、下降の制御ができる。これにより、マイクロ流体デバイス内の、複数ある混合部、反応部、分析部などの箇所を独立に温度制御することもできる。ヒーターの機能は加温だけであるが、マイクロ流体デバイス各部のサイズが小さいため放熱速度も速く、ヒーターをオフすることにより、すぐにマイクロ流体デバイスが設置されている環境温度になる。ペルチェ素子は、ペルチェ素子に流れる電流を反転させることにより加温と冷却が可能であり、2次元配列したペルチェ素子群は、マイクロ流体デバイス各部を独立に温度制御可能である。
また、流路の内部に障害物が設置されていたり、流路が曲線上に設置されていたり、温度制御される部分の流路断面積が他の部分の流路断面積に比べて小さく形成されていたりするようにすれば、流体の流量が流体の粘度の影響を受けやすくなり、流体の流量の制御性を向上させることができる。
また、本発明の流体制御方法において、流路の配管長さと、流路内を流れる流体の流速、密度及び粘度を調整して、流体が層流状態又は乱流状態に切り替わる境界条件に設定しておき、流路又は流体の温度変化で流体の粘度を変化させて流体を層流状態から乱流状態へ、又はその逆に変化させることによって流体の流量を変化させるようにすれば、流体の流量を急激に変化させることができる。例えば、流体を層流状態から乱流状態にさせることにより、極端に流量を減少させることができる。液体温度と流量には直線的な、可逆的な関係が成り立たないために、細かな流量制御には使えないが、液体の流量をある条件のときに緊急に極端に減少させたいような場合、例えば緊急時のエンジンへの燃料補給減少装置などに特に有効である。
また、上記流路又は上記流体の設定温度と上記流体の流量との関係を予め取得しておき、その関係を示すデータに基づいて所望の流量を得るようにすれば、流体の流量の制御性を向上させることができる。
また、下流側の合流部で合流する複数本の上記流路を用い、それらの流路の温度を制御してそれらの流路内を流れる流体の流量を制御することによって複数本の上記流路から上記合流部に供給される流体の比率を制御するようにすれば、例えば液体や気体を所望の比率に混合することができる。また、流路の温度を変化させることにより、混合する流体の比率を変化させることもできる。
実施例1:日常サイズの実施例:アンモニア水の水希釈例
アンモニア水と純水の混合について、行なった結果を載せる。純水で希釈されたアンモニア水は、例えば半導体業界においてシリコンウェハの洗浄に使われる液である。このアンモニア水をシリコンウェハの洗浄に用いる場合、パーテイクル混入や微量な金属混入が嫌われるが、この実施例では、純水及びアンモニア水の接液部はフッ素樹脂のみであり、アンモニア水の清浄度を十分に保つことができる。
図1はこの実施例で用いる装置の全体構成を示す概略図である。
純水の入った容器11と、アンモニア水26wt%(重量パーセント)の入った容器12が設けられている。
純水の入った容器11にPFA(tetra fluoro ethylene-PerFluoro Alkylvinyl ether copolymer)チューブ17の一端が接続されている。PFAチューブ17はPFAチューブ17内の液温度を調整するための温度調整部13に導かれている。チューブ17の他端は合流部19に接続されている。
アンモニア水の入った容器12にPFAチューブ18の一端が接続されている。PFAチューブ18はPFAチューブ18内の液温度を調整するための温度調整部14に導かれている。チューブ18の他端は合流部19に接続されている。
図2は図1に示した装置の温度調整部の側面図と底面図を示す図である。温度調整部13,14は同じ構造をもつ。
例えば外形が3mm(ミリメートル)、内径が2mmのPFAチューブ17(18)が直径60mmのボビン1に15回巻き付けられている。ボビン1に巻き付けられている部分のPFAチューブ17(18)の長さは、約2.8mである。ボビン1の上面にペルチェ素子プレート3が取り付けられている。ペルチェ素子プレート3のボビン1とは反対側の面に放熱フィン4が取り付けられている。ペルチェ素子プレート3へ流す電流で、ペルチェ素子の一方の面は冷却され、他方の面は熱せられる。電流の強弱で、その冷却温度と加熱温度の強弱が決まる。ペルチェ素子プレート3へ流す電流方向を逆にすると、加熱側と冷却側のプレート面が入れ替わる。
図1に戻って説明を続ける。PFAチューブ17,18が接続された合流部19にPFAチューブ19の一端が接続されている。PFAチューブ19は、PFAチューブ19内の液体を混合するためのミキサー15を介してポンプ16に導かれている。ポンプ16は接液部がPTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)製の無脈流ポンプである。
容器11内の純水と容器12内のアンモニア水を希釈する動作について説明する。
ポンプ16を作動させると、容器11内の純水がPFAチューブ17内に吸引され、容器12内のアンモニア水がPFAチューブ18内に吸引される。PFAチューブ17内に吸引された純水は温度調整部13を介して合流部19に導かれる。合流部19に到達した純水及びアンモニア水はPFAチューブ20内に導かれる。PFAチューブ20内に導かれた純水及びアンモニア水は、ミキサー15で完全に混合された後、ポンプ16を介してPFAチューブ20の出口側端部に導かれる。PFAチューブ20の出口側端部から希釈されたアンモニア水が吐出される。
図1に示した装置を用い、温度調整部13,14の設定温度を変化させて、純水とアンモニア水の混合比について調べた結果を表1及び表2に示す。表1は希釈されたアンモニア水のアンモニア濃度、表2は流量(cc/秒)を示す。ここでは、純水の温度を調整するための温度調整部13とアンモニア水の温度を調整するための温度調整部14をそれぞれ0℃から80℃の間で変化させた。また、ポンプ16の吸引力は0.001MPaであった。この流量であると、温度調整部13,14におけるペルチェ素子温度が、温度調整部13,14を通過した液の温度と見なしてよい。流量はポンプ吸引力に比例する。ペルチェ素子温度=液温度が成り立つ流量においては、アンモニア濃度はポンプ吸引力の影響を受けない。
Figure 2010096655
Figure 2010096655
この構成では、表1から、アンモニア水側の温度0℃(凍結なし条件)と純水側の温度80℃との条件におけるアンモニア濃度4.1%から、アンモニア水側の温度80℃と純水側の温度0℃(凍結なし条件)との条件におけるアンモニア濃度20.9%の間でアンモニア濃度を変化させることができる。
これらは、ポアズイユの法則に従っている。
水側流量:Q1
水側チューブ内半径:r1
水側チューブ側長さ:L1
水の粘度:η1
ΔP:水側チューブの入口と出口の圧力降下
Q1=π×r14×ΔP/(8×η1×L1)
アンモニア側流量:Q2
アンモニア側チューブ内半径:r2
アンモニア側チューブ側長さ:L2
アンモニアの粘度:η2
ΔP:アンモニア側チューブの入口と出口の圧力降下
Q2=π×r24×ΔP/(8×η2×L2)
アンモニア原液濃度をaとすると、アンモニア濃度(容積比)Cは、
C=a×Q2/(Q1+Q2)
である。η1とη2は、液温度の関数であるため、アンモニア濃度Cは温度により変化する。
以上の例は、層流を条件としているが、レイノルズ数Re(=(速度×長さ)/(粘度×密度))が高くなる設定では、乱流になる。
図1に示した装置の構成で、液体の流速、温度調整部13,14における配管長さ、送液する液の密度及び粘度を調整して、層流と乱流の切り替わる境界条件に設定しておき、液の温度を上昇させ、粘度を減少させて、層流状態から乱流状態にさせることにより、極端に流量を減少させることができる。液温度と流速には直線的かつ可逆的な関係が成り立たないために、細かな流量制御には使えないが、液体の流量をある条件のときに緊急に極端に減少させたいような場合、例えば緊急時のエンジンへの燃料補給減少装置などに使用できる。
また、緊急時の液の遮断方法として、温度調整部におけるペルチェ素子温度を零下に設定し、配管を凍らせて、液の流れを遮断してもよい。
実施例2:mmサイズの実施例:メタノール希釈例
燃料電池で、携帯機器向けの小型のものとして、直接メタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)が注目されている。DMFC型燃料電池の燃料供給には、メタノール濃度3〜5%の濃度のメタノール水溶液が用いられる。メタノール濃度が高いと、メタノールが燃料極で未反応なものが、電解質膜を透過して空気極へ到達するクロスオーバー現象が発生して、発電効率が低下するという問題が発生する。メタノール濃度が低くても、発電効率が落ちる。したがって、常に最適なメタノール濃度を供給することが望まれる。また、濃度の濃いメタノールを、水で最適な濃度に希釈して使用することができれば、DMFC型燃料電池内に収容しておくメタノール燃料の体積を減少することができ、DMFC型燃料電池をより小型にすることができる。希釈に必要な水は、空気極側で発生する水を用いてもよいし、空気中の湿度分を捕集してもよい。
図3はこの実施例で用いる装置の全体構成を示す概略図である。
濃度が30%のメタノールの入ったタンク101と、水の入ったタンク102が設けられている。
メタノールの入ったタンク101にチューブ104の一端が接続されている。チューブ104の他端は調液部103に接続されている。水の入ったタンク102にチューブ105の一端が接続されている。チューブ105の他端は調液部103に接続されている。調液部103には、チューブ104,105からのメタノール及び水が混合された希釈メタノールを流すためのチューブ108も接続されている。チューブ108はポンプ109に接続されている。
図4は図3に示した装置の調液部の平面図と側面図を示す図である。
調液部13は、ガラスのエッチングで内部に流路が形成されたガラス部111と、ガラス部111を支持するための金属製の枠部110と、チューブ104,105,108をガラス部111に接続するための継ぎ手112,113,114を備えている。ガラス部111はマイクロ流体デバイスである。
ガラス部111の平面サイズは12.5mm×39mm、厚みは2.2mmである。枠部110の外周平面サイズは19mm×46mm、内周平面サイズは13mm×40mm、厚みは4.2mmである。枠部110には、ネジで継手112,113,114が差し込まれている。枠部110の内側に配置されたガラス部111は継手112,113,114によって押さえ込まれることによって固定されている。ガラス部111は、側面に継手112,113,114に対応する位置に、ガラス部111内部の流路につながるテーパー形状の凹部を備えている。継手112,113,114の先端がガラス部111側面の凹部に差し込まれることによって流路がシールされて液漏れを防止している。
ガラス部111は、流路を形成するための溝が形成されたガラス板を2枚のガラス板で挟み込んだ3層構造になっている。溝を構成するガラス板の厚みは0.2mmである。そのガラス板を挟むための2枚のガラス板の厚みはそれぞれ1mmである。
図5は、ガラス部111の流路パターンを示す平面図である。
図4に示すチューブ104,105が接続される2つの流路125,126にそれぞれ流量制御部115が設けられている。流量制御部115は直列に接続された4つの渦巻状の流路を備えている。流量制御部115の流路幅、すなわち断面積は、ガラス部111の他の流路部分に比べて小さく形成されている。流路125と流路126は流量制御部115よりも下流側で合流されて流路127に接続されている。流路127の下流側にミキシング部116が設けられている。
図6は、ミキシング部116内における液体の流れを矢印で示す平面図である。
ミキシング部116は2つの広い箇所123,124を備えている。上流側の広い箇所123と下流側の広い箇所124は2本の流路128,129で接続されている。
上流側の広い箇所123には流路127が接続されている。広い箇所123の近傍で流路127に流路の細い箇所120が設けられている。広い箇所123と124を接続する2本の流路128,129の上流側の端部は、細い箇所120の両隣の箇所で広い箇所123に接続されている。
下流側の広い箇所124には下流側の流路130が接続されている。広い箇所123と124を接続する2本の流路128,129の下流側の端部は、流路130の両隣の箇所で広い箇所124に接続されている。広い箇所124の近傍で流路128,129に流路の細い箇所121,122が設けられている。
流路127から細い箇所120を介して広い箇所123に導入された液体は、細い箇所120で流速が早くなるので、広い箇所123内で渦を発生する(矢印を参照)。広い箇所123から、広い箇所123と124を接続する2本の流路128,129及び流路の細い箇所121,122を介して広い箇所124に導入された液体は、細い箇所121,122で流速が速くなるので、広い箇所124内で渦を発生する(矢印を参照)。これらの渦により、液体の混合が促進される。
図5に示すように、ミキシング部116は2段に設けられているので、図6に示した混合パターンを2段繰り返すことにより、液体は完全に混合される。
図7は、ガラス部111におけるペルチェ素子及び測温体の配置を説明するための平面図と側面図を示す図である。
ガラス部111の上面に2つのペルチェ素子118,119が貼り付けられている。ペルチェ素子118はメタノールが流される流量制御部115の上に配置されている。ペルチェ素子119は水が流される流量制御部115の上に配置されている。
ガラス部111の下面に2つの測温体132,133が貼り付けられている。測温体132,133は例えば白金からなる。測温体132はメタノールが流される流量制御部115の下に配置されている。測温体133は水が流される流量制御部115の下に配置されている。
図4ではペルチェ素子118,119及び測温体132,133の図示は省略されている。
図3,図4及び図7を参照してメタノールを希釈する動作について説明する。
ポンプ109を作動させると、容器101内のメタノールがチューブ104内に吸引され、容器102内の水がチューブ105内に吸引される。チューブ104内に吸引されたメタノール及びチューブ105内に吸引された水は調液部103に導かれる。調液部103に導かれたメタノール及び水はそれぞれガラス部111の流量制御部115を通過した後に合流し、ミキシング部116に導かれて混合されて希釈メタノールとなる。希釈メタノールはガラス部111からチューブ108に導かれ、ポンプ109を介して吐出される。
希釈されたメタノールの濃度が4%よりも濃い場合は、水側の流量を増加させ、メタノール側の流量を減少させるように制御する。具体的には、水側のペルチェ素子119の温度を上昇させることによって、水の粘度を低下させて流量を増加させる。さらに、メタノール側のペルチェ素子118の温度を下降させることによって、メタノールの粘度を上昇させ、流量を減少させる。それぞれのペルチェ素子118,119の温度は測温体132,133で計測している。
この方法により得られる、メタノール温度と水温度とメタノール濃度の関係を表3に示す。
Figure 2010096655
メタノール温度はメタノール側ペルチェ素子118の測温体132の計測値と近く、水温度は水側ペルチェ素子119の測温体133の計測値と近いので、表3のメタノール温度と水温度は、測温体132,133の計測値で代用できる。
これにより、水側ペルチェ素子119と、メタノール側ペルチェ素子118の各温度を調整することにより、メタノール濃度を4%に制御することができる。
この実施例では、液温度を変化させる材料としてペルチェ素子を用いたが、ヒーターを用いてもよい。その場合は、ガラス部11の流量制御部115上にそれぞれに独立した温度制御可能な面ヒーターが貼り付けられる。ガラス部11の下面にはヒートシンクに設置する。ヒーターのONとともに流量制御部115の温度が上昇して、流量制御部115を流れる液の温度も上昇する。面ヒーター近辺には測温体を設置しておき、測温体からの温度情報に基づいてヒーターをフィードバック制御する。ヒーターに流す電流を下げれば、放熱により、ヒートシンク温度になじむように温度が下がる。サイズがミリオーダーになると、物体の表面積と体積の比率で表面積側が圧倒的に大きくなるため、放熱スピードは日常レベルと比較して非常に早い。そのため、ヒーターによる加温素子のみでも、十分に温度制御が可能である。
この実施例では、ミキシング部116は、迷路のようなパターンを通過させることにより行なったが、ミキシング方法として、流路に障害物を配置する方法や超音波素子による超音波を液に照射して混合する方法などもある。
実施例3:ミクロンサイズの実施例:マイクロリアクタ(マイクロ流体デバイス)としての検査チップ
マイクロリアクタによる分析システムで本発明の流体制御方法を使用した実施例を記載する。検査チップの流路は、基板上に目的に応じて形成される。流体としてはここでは液体である。検査チップに形成されている流路は幅と深さが50〜200μm程度の微細流路である。その流路の形成方法は、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によって形成された型を樹脂に転写形成することにより大量に作製できる。樹脂は例えばポリスチレンやポリジメチルシロキサンなどが用いられる。
図8は検査チップの流路パターンを示す平面図である。
検査チップ300に形成されている流路パターンにおける流量制御部は、図5に示したガラス部111の流路パターンをもっと微細化して大規模化したものである。このような場合、それぞれの流量制御部に、温度を変化させるためのペルチェ素子やヒーターを設けていてもよい。
しかし、このような検査チップは大量生産によるコスト低減が要求されるため、検査チップの種類毎に流路パターンが変わり、ペルチェ素子やヒーターの位置も変わるために、その都度、ペルチェ素子やヒーターの配置を設計したのではコスト高になる。
そこで、ペルチェ素子又はヒーターを二次元配列した温度制御部材を作成した。温度制御部材は、検査チップサイズ面積と同じか、少し大きい、又は少なくとも検査チップにおける温度制御したい部分の面積と同じか、少し大きい平面サイズをもつ。そして、温度制御部材を検査チップに貼り付ける。温度制御部材を貼り付けた後、検査チップ内の流量制御部と、温度制御部材におけるペルチェ素子又はヒーターとの位置関係を顕微鏡等の検査治具により求める。求めたアドレスデータを例えば検査チップ内蔵のマイクロコンピュータメモリに記憶させる。マイクロコンピュータはそのデータをもとに温度制御部材の所望の箇所、ひいては検査チップの所望の箇所の温度を制御する。
図9は温度制御部材のヒーター配列を概略的に示す平面図である。図10は温度制御部材のヒーター配列及びヒーターを制御するためのトランジスタの配置を示す回路図である。
ヒーター及びトランジスタが二次元配列された温度制御部材388は、シリコン基板に半導体装置製造プロセスを用いて形成される。例えば、X軸方向に64個、Y軸方向に64個で、計4096個のヒーターr1−1〜r64−64の配列389が形成されている。ヒーターは、シリコンに金属不純物を添加して半導体にし、そこに電流を流すことにより作製できる。それぞれのヒーターのオン/オフを制御するために、トランジスタをそれぞれのヒーターごとに設けている。
図10に示す回路の動作は、電極h1から、電極h2へと順番に、トランジスタt0−1,t0−2のベース(又はゲート)に電圧を加えて、トランジスタをオンしていく。そして、電極502には、各ヒーターri−j(iは1〜64、jは1〜64)に電流を流すための電源電圧が加えている。電極h1に1ミリ秒だけ5V電圧を加え、それを0Vにした後、電極h2に1ミリ秒だけ5V電圧を加える。同じことを電極h2,h3,・・・h64と繰り返し、電極h64まで行なった後、電極h1に戻り、そのサイクルを繰り返す。
電極501には、トランジスタti−j(iは1〜64、jは1〜64)をオンするための電圧が加えられている。電極h1に電圧が印加されてトランジスタt0−1がオンしているとき、トランジスタti−1(iは1〜64)が制御対象になる。
電極rei(iは1〜64)はトランジスタtri−0(iは1〜64)のベースにつながっており、これに電圧を加えるかどうかでトランジスタtri−0(iは1〜64)のオン/オフが決定する。
電極vi(iは1〜64)は、トランジスタti−0(iは1〜64)のベースにつながっており、これに電圧を加えるかどうかでトランジスタti−0(iは1〜64)のオン/オフが決定する。
例えば、ヒーターr1−1に電流を流したい場合は、トランジスタt0−1がオンしている期間だけ、トランジスタtr1−0をオフ、トランジスタt1−0をオン、トランジスタt1−1をオンにする。そしてヒーターr1−1に流れている電流を切りたい場合は、トランジスタtr1−0をオン、トランジスタt1−0をオフ、トランジスタt1−1をオフにする。
このような動作により、各ヒーターri−j(iは1〜64、jは1〜64)のオン/オフを制御できる。各ヒーターri−j(iは1〜64、jは1〜64)のオン時間とオフ時間の比率を変えることにより、ヒーターri−j(iは1〜64、jは1〜64)への電力供給量を制御でき、ヒーターri−j(iは1〜64、jは1〜64)の温度を個別に制御できる。これにより、温度制御部材388のヒーター配列389中の所望の箇所、ひいては検査チップの所望の箇所の温度を制御できる。
ヒーターri−j(iは1〜64、jは1〜64)をペルチェ素子やLEDに置き換えれば、図9及び図10を参照して説明したのと同様にして、二次元配列されたペルチェ素子やLEDのオン/オフを個別に制御できる。この場合も、温度制御部材の所望の箇所、ひいては検査チップの所望の箇所の温度を制御できる。
図11は、検査チップ300の流路パターンに温度制御部材388を貼り付けた状態を示す平面図である。図11では温度制御部材388についてヒーター配列389のみを図示している。
大量生産で検査チップ300に温度制御部材388を貼り付けた後、顕微鏡による検査工程で、流路パターンの流量制御部と重ね合わさった箇所のヒーターのアドレスを求める。そのアドレスデータは付随するマイクロコンピュータのメモリに格納される。マイクロコンピュータは、アドレス指定されたヒーターだけをオン/オフ制御するようにプログラミングされている。流量制御部上に配置されていないヒーターは無駄になる。しかし、トータル費用として設計費及び初期費が軽減できる。さらに、この方法の方が流量制御部ごとにヒーターを配置する場合に比べて検査チップを安く生産できる。
検査チップにおいて温度制御を必要とする箇所が流量制御部だけならば、二次元配列されたヒーターのうち温度制御部上には配置されてないヒーターは無駄になる。しかし、マイクロ流体デバイスでは、温度管理の必要な箇所が多々ある。例えば、マイクロ流体デバイス内部に設けられた、核酸配列を検出するためのマイクロリアクタ(微少反応容器)内では、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が行なわれる。その場合、まず、酵素とプライマーを検体液に混ぜ合わせ、マイクロリアクタに収容する。そしてマイクロリアクタ内部を94℃で1分間だけ加熱した後、60℃程度に急速冷却してアニーリングする。その後、マイクロリアクタ内部を65℃に加熱して1分間保ち、再度94℃に戻す温度制御サイクルを20回程度繰り返す。一つの検査チップ内に複数個のマイクロリアクタを設置して、並列で反応を進行させる。酵素、プライマーと検体液の混合比率は、本発明の流体制御方法で確実に行なうことができる。さらに、ヒーター等が二次元配列された温度制御部材をマイクロリアクタ上にも配置しておけば、PCRの温度管理も温度制御部材を用いて行なうことができる。
また、ヒーターをペルチェ素子に変えてもよい。ペルチェ素子を用いた場合はペルチェ素子に流す電流を反転させることによって冷却することも可能となる。この場合、検査チップにおいて完全に閉じてしまいたい流路は、その流路内の液体を氷結させることによって実現できる。
また、ヒーター配列をLED配列にしてもよい。この場合、温度を上昇させたい流体に吸収がある波長の光を発光するLEDを使用し、検査チップの基材である樹脂としてLEDが発光する波長の光をあまり吸収しないものを用いることにより、効率的な熱伝達が可能となる。
この実施例では、ペルチェ素子による冷却による液の凍結による、流路の閉鎖処理を積極的に使用する。ペルチェ素子は、電流反転で加熱と冷却を一つの素子で実現可能である。しかし、ペルチェ素子を二次元配列する場合に一つのペルチェ素子に加熱機能及び冷却機能をもたせようとすると回路が複雑になる。そこで、この実施例では、加熱用ペルチェ素子と冷却用ペルチェ素子を二次元配列した温度制御部材を用いる。ただし、一つのペルチェ素子に加熱機能及び冷却機能をもたせるように回路を形成してもよい。
図12は温度制御部材におけるヒーター配列を概略的に示す平面図である。図13は温度制御部材におけるペルチェ素子配列を概略的に示す平面図である。
図13に示すように、図12のヒーター配列の1箇所分511に、冷却側ペルチェ素子512と、加熱側ペルチェ素子513を設置する。この場合、冷却側ペルチェ素子512及び加熱側ペルチェ素子513を制御するための回路は、図10に示した回路と同様のものを2つ用いる。この温度制御部材は、図11に示した温度制御部材388と同様にして、検査チップ300に貼り付けられる。
図14は検査チップの流路プレート304の流路パターンを示す平面図である。図15は検査チップの回転子プレート305の流路パターンを示す平面図である。
図8に示した検査チップ300は、大きく分けて、図14に示す流路プレート304と図15に示す回転子プレート305と、図9に示す温度制御部材388によって構成されている。
流路プレート304の内部に、液体や気体を流したり収容したりするための流路及び空間が形成されている。回転子プレート305は流路プレート304の一表面に貼り付けられる。流路プレート304の裏面には、図11に示した温度制御部材388と同様にして、冷却側ペルチェ素子及び加熱側ペルチェ素子が二次元配列された温度制御部材が貼り付けられる。
流路プレート304において、空間319,335,351,367に試薬類が液体として封入されている。流路317,320,336,352,368,333,349,365は、狭い流路で長さを稼ぐために一定のパターン、ここでは渦巻状の流路パターンになっている。これは上記の実施例2の流量制御部115と同様であり、これらの位置に対応するペルチェ素子の設定する温度で、この流路を通過する流体の粘度を変化させ、流速を制御する。初期状態では、水が封入されている。
流路プレート304の空間321,337,353,369は撹拌部である。それらの内部には微小な樹脂コートされた磁石棒が封入されている。
回転子プレート305に、空間321,337,353,369の位置に対応して回転子収容部330,346,362,378が設けられている。それらの内部にガス流で回転する磁石付きの回転子329,345,361,377が収容されている。回転子収容部330,346,362,378には、ガス流入側流路328,344,360,376と、ガス排出側流路331,347,363,379が接続されている。ガス流入側流路328,344,360,376は流路プレート304の流路327,343,359,375に接続されている。ガス排出側流路331,347,363,379は合流されてガス排出口332に接続されている。磁石付きの回転子329,345,361,377が回転することにより、空間321,337,353,369内に収容された磁石棒が回転して、空間321,337,353,369内の液を撹拌する。
流路プレート304において、流路314,322,338,354,370,386は前後の流路より狭くなっている。流路314,322,338,354,370,386は、これらの流路の位置に対応するペルチェ素子の冷却により、流路内の流体を凍結させ、流路を閉じる部分である。
符号316,318,324,326,334,340,342,350,356,358,366,372,374は、初期状態で流路を閉じているバルブである。
図16は流路プレートのバルブを説明するための図である。
符号400はボールである。流路401からボール400が収容されている部分に圧力がかけられた状態で、ボール400は樹脂の爪で止められる。これにより、ボール400は流路を塞いでいる。この状態がバルブの初期状態になる。ボール400の真下にあるペルチェ素子を加熱動作させることにより、樹脂の爪が軟化し、圧力におされてボール400が空間405へ移動する。空間405に3本の流路402,403,404が接続されている。流路402,403,404は下流側の流路406で合流されている。これにより、ボール400が空間405内でどの位置にあろうと、流体は流路401から流路405側に流れる構造になっている。
流路プレート304のガス流入口302からは、加圧ガスが入れられる。これは、高圧空気ボンベからの供給でもよいし、エアーポンプからの供給でもよいし、発泡性液体、例えば、炭酸水などを封入した容器からの炭酸ガス供給でもよい。
図17は検査チップの使用時の状態を示す平面図と側面図である。
検査チップ300の一側面にマイクロコンピュータ521が取り付けられている。流路プレート304の一表面に回転子プレート305が貼り付けられている。流路プレート304の裏面に温度制御部材388が貼り付けられている。
マイクロコンピュータ521を含む検査チップ300の平面サイズは22mm×20mmである。温度制御部材388において冷却側ペルチェ素子及び加熱側ペルチェ素子の二次元配列389の平面サイズは11mm×11mmである。
検査チップ300を用いて検体の核酸配列検査を行なう例を説明する。
(1)核酸配列検出にあたって、スィッチにより、マイクロコンピュータ521が作動する。マイクロコンピュータ521により、流路プレート304の流路317に対応する位置のペルチェ素子が冷却動作される。これにより、流路317内の水が凍結し、流路317は閉じられる。
(2)流路プレート304の符号301は注射器の針の挿入口である。注射器により採取した血液サンプルを挿入口301の穴に差し込み、血液サンプルを注入する。符号307はニトリルゴムにより形成されたチェックバルブである。符号306はカラス口のようになっていて、符号306から流路308の方向に液は進行するが、逆は進まない。血液サンプルは、空間309、流路310及び空間311を通過し、さらに狭い流路314を通過した後、空間315に入る。空間309には、予め血液凝固防止剤が封入されている。空間315には液吸着樹脂が封入されている。空間315は排気口303により大気と通じている。血液サンプルは、空間315内の樹脂に吸着され余分な液体は、外部には漏れださないようにしている。流路プレート304は内部を目視可能な程度に透明であるので、オペレータは血液の注入状況を目視で確認できる。空間309,311が血液の赤色に置き換われば、血液サンプル注入は成功したことが判断できる。
(3)空間319には前処理試薬として界面活性剤が封入されている。検査チップ300が使用される際、空間319は予め加温又は冷却されている。それは、空間319内の液体が流路320に導入される前に、予め空間319内の液体の温度を制御して粘度を調整しておくためである。空間319から流路320に導入される液体の流量を少なくする場合は空間319を冷却しておく。また、その流量を多くする場合は空間319を加温しておく。
(4)流路314,333に対応する位置のペルチェ素子を冷却して、流路314,333内の流体を凍結させて流路314,333を閉状態にする。
(5)流路317に対応する位置のペルチェ素子を常温にして、流路317を開状態にする。
(6)バルブ316,318に対応する位置のペルチェ素子を加温して、バルブ316,318を開状態にする。ガス流入口302から加圧ガスが流れ、バルブ316、流路312を介して空間311内が加圧される。空間311内の血液は、流路313,317を流れて撹拌321に流れ込む。また、空間319内の試薬は、流路320を通過して、撹拌321に流れ込む。血液と試薬の余分な液体は、流路322,323を通過して、空間315に入り、液体吸着樹脂に吸着される。ここでチェックバルブ307は逆流防止機能を有するので、空間311内の血液は、流路310側に逆流しない。また、流路314は凍結して閉状態であるため、空間311内の血液は、空間315側にも行かない。また、流路317,320に対応する位置のペルチェ素子の温度を制御して、試薬と血液の混合比が所定の比になるように制御する。
(7)流路317,320に対応する位置のペルチェ素子を冷却して、流路317,320内の流体を凍結させて流路を閉状態にする。
(8)バルブ326に対応する位置のペルチェ素子を加温して、バルブ326を開状態にする。加圧ガスがバルブ326を介して流路327の穴を通過して、回転子プレート305のガス流入側流路328に到達する。ガス流入側流路328から回転子収容部330に流れ込んだガスは回転子329を右回りに回転させる。そして、ガスはガス排出側流路331を通過してガス排出口332から大気に放出される。
(9)回転子329には、磁石が埋め込まれているので、回転子329が回転することにより空間321内に収容された微小棒磁石が回転される。これにより、空間321内の液体と試薬が撹拌される。
(10)空間321に対応する位置のペルチェ素子を加温して1分間98℃に加熱する。ここで白血球中のDNAが抽出され、1本鎖となる。その後、25℃にする。
(11)空間335には反応増幅試薬として塩化マグネシウムなどの触媒とリン酸塩バッファーなどの緩衝液と増幅に必要な核酸塩基の混合液が封入されている。検査チップ300が使用される際、空間335は予め加温又は冷却されている。それは、空間335内の液体が流路336に導入される前に、予め空間335内の液体の温度を制御して粘度を調整しておくためである。空間335から流路336に導入される液体の流量を少なくする場合は空間335を冷却しておく。また、その流量を多くする場合は空間335を加温しておく。
(12)流路322,349に対応する位置のペルチェ素子を冷却して、流路322,349内の流体を凍結させて流路349を閉状態にする。
(13)流路333に対応する位置のペルチェ素子を常温にして、流路333流路を開状態にする。
(14)バルブ324,334に対応する位置のペルチェ素子を加温して、バルブ324,334を開状態にする。ガス流入口302から加圧ガスが流れ、バルブ324、流路325を介して空間321内が加圧される。空間321内の液体は、流路333を流れて空間337に流れ込む。空間335内の試薬は、流路336を通過して、空間337に流れ込む。それぞれの余分な液体は、流路338,339を通過して、空間315に入り、液体吸着樹脂に吸着される。流路333,336に対応する位置のペルチェ素子温度を制御して、空間335内の試薬と空間321内の液体の混合比が所定の比になるように制御する。
(15)流路336,333に対応する位置のペルチェ素子を冷却して、流路333,336内の流体を凍結させて流路333,336を閉状態にする。
(16)バルブ342に対応する位置のペルチェ素子を加温して、バルブ342を開状態にする。加圧ガスが流路343の穴を通過して、回転子プレート305のガス流入側流路344に到達する。ガス流入側流路344から回転子収容部346に流れ込んだガスは回転子345を右回りに回転させる。そして、ガスはガス排出側流路347を通過してガス排出口332から大気に放出される。
(17)回転子345には、磁石が埋め込まれているので、回転子345が回転することにより空間337内に収容された微小棒磁石が回転される。これにより、空間337内の液体と試薬が撹拌される。
(18)空間337に対応する位置のペルチェ素子の温度調節をして空間337内の温度を25℃状態にする。
(19)空間351には酵素として耐熱性DNAポリメラーゼが封入されている。検査チップ300が使用される際、空間351は予め加温又は冷却されている。それは、空間351内の液体が流路352に導入される前に、予め空間351内の液体の温度を制御して粘度を調整しておくためである。空間351から流路352に導入される液体の流量を少なくする場合は空間351を冷却しておく。また、その流量を多くする場合は空間351を加温しておく。
(20)流路338,365に対応する位置のペルチェ素子を冷却して、流路338,365内の流体を凍結させて流路365を閉状態にする。
(21)流路349に対応する位置のペルチェ素子を常温にして、流路349を開状態にする。
(22)バルブ340,350に対応する位置のペルチェ素子を加温して、バルブ340,350を開状態にする。バルブ340からの加圧ガスが流れ、バルブ340、流路341を介して空間337内が加圧される。空間337内の液体は、流路349を流れて空間353に流れ込む。空間351内の試薬は、流路352を通過して、空間353に流れ込む。それぞれの余分な液体は、流路354,355を通過して、空間315に入り、液体吸着樹脂に吸着される。流路352,349に対応する位置のペルチェ素子温度を制御して、空間351内の試薬と空間337内の液体の混合比が所定の比になるように制御する。
(23)流路349,352に対応する位置のペルチェ素子を冷却して、流路349,352内の流体を凍結させて流路349,352を閉状態にする。
(24)バルブ358に対応する位置のペルチェ素子を加温して、バルブ358を開状態にする。加圧ガスが流路359の穴を通過して、回転子プレート305のガス流入側流路360に到達する。ガス流入側流路360から回転子収容部362に流れ込んだガスは回転子361を右回りに回転させる。そして、ガスはガス排出側流路363を通過してガス排出口332から大気に放出される。
(25)回転子361には、磁石が埋め込まれているので、回転子361が回転することにより空間353内に収容された微小棒磁石が回転される。これにより、空間353内の液体と試薬が撹拌される。
(26)空間353に対応する位置のペルチェ素子の温度調節をして空間353内の温度を25℃状態にする。
(27)空間367にはターゲットDNAのプライマーが封入されている。検査チップ300が使用される際、空間367は予め加温又は冷却されている。それは、空間367内の液体が流路368に導入される前に、予め空間367内の液体の温度を制御して粘度を調整しておくためである。空間367から流路368に導入される液体の流量を少なくする場合は空間367を冷却しておく。また、その流量を多くする場合は空間367を加温しておく。
(28)流路354に対応する位置のペルチェ素子を冷却して、流路354内の流体を凍結させて流路354を閉状態にする。
(29)流路365に対応する位置のペルチェ素子を常温にして、流路365を開状態にする。
(30)バルブ356,366に対応する位置のペルチェ素子を加温して、バルブ356,366を開状態にする。バルブ356からの加圧ガスが流れ、バルブ356、流路357を介して空間353内が加圧される。空間353内の液体は、流路365を流れて空間369に流れ込む。空間367内の試薬は、流路368を通過して、空間369に流れ込む。それぞれの余分な液体は、流路370,371を通過して、空間315に入り、液体吸着樹脂に吸着される。流路368,365に対応する位置のペルチェ素子温度を制御して、空間367内のプライマーと空間353内の液体の混合比が所定の比になるように制御する。
(31)流路365,368に対応する位置のペルチェ素子を冷却して、流路365,368内の流体を凍結させて流路365,368を閉状態にする。
(32)バルブ374に対応する位置のペルチェ素子を加温して、バルブ374を開状態にする。加圧ガスが375の穴を通過して、回転子プレート305のガス流入側流路376に到達する。ガス流入側流路376から回転子収容部378に流れ込んだガスは回転子377を右回りに回転させる。そして、ガスはガス排出側流路379を通過してガス排出口332から大気に放出される。
(33)回転子377には、磁石が埋め込まれているので、回転子377が回転することにより空間369内に収容された微小棒磁石が回転される。これにより、空間369内の液体と試薬が撹拌される。
(34)空間369に対応する位置のペルチェ素子の温度調節をして空間369内の温度を94℃に1分間した後、60℃程度に急速冷却してアニーリングする。その後、65℃にして1分間保ち、再度94℃に戻す温度制御サイクルを例えば20回繰り返す。その後、25℃にする。
(35)流路370に対応する位置のペルチェ素子を冷却して、流路370内の流体を凍結させて流路370を閉状態にする。
(36)バルブ372に対応する位置のペルチェ素子を加温して、バルブ372を開状態にする。バルブ372からの加圧ガスが流れ、バルブ372、流路373を介して空間369内が加圧される。空間369内の液体は、流路386を通過して空間387に入る。余分な液体は、空間315に入り、液体吸着樹脂に吸着される。空間387には、予め蛍光試薬が封入されている。この蛍光試薬は、ターゲットDNAがあれば、その蛍光が抑止されるものである。
(37)空間387で490nmの波長光を照射し、520nmの蛍光強度を測定することにより、ターゲットDNAの増幅があるかないかを検知する。
これにより、核酸配列検査が完了する。
以上、本発明の実施例を説明したが、材料、形状、配置等は一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施例では、流路の温度を変化させる熱源として、ペルチェ素子やヒーターを用いているが、流路に光を照射することによって流路の温度を変化させてもよい。流路に光を照射するための光源として、例えばLEDや半導体レーザーを挙げることができる。また、光源と光ファイバーを用い、光源から光ファイバーの入射端に入れた光を光ファイバーの出射端から出射させて流路に光を照射して流路の温度を変化させるようにしてもよい。
本発明の一実施例で用いる装置の全体構成を示す概略図である。 図1に示した装置の温度調整部の側面図と底面図を示す図である。 本発明の他の実施例で用いる装置の全体構成を示す概略図である。 図3に示した装置の調液部の平面図と側面図を示す図である。 図4に示した調液部のガラス部の流路パターンを示す平面図である。 図5に示したガラス部のミキシング部内における液体の流れを矢印で示す平面図である。 図5に示したガラス部におけるペルチェ素子及び測温体の配置を説明するための平面図と側面図を示す図である。 本発明のさらに他の実施例で用いる検査チップの流路パターンを示す平面図である。 図8に示した検査チップに貼り付ける温度制御部材のヒーター配列を概略的に示す平面図である。 図9の温度制御部材のヒーター配列及びヒーターを制御するためのトランジスタの配置を示す回路図である。 検査チップの流路パターンに温度制御部材を貼り付けた状態を示す平面図である。 温度制御部材におけるヒーター配列を概略的に示す平面図である。 温度制御部材におけるペルチェ素子配列を概略的に示す平面図である。 検査チップの流路プレートの流路パターンを示す平面図である。 検査チップの回転子プレートの流路パターンを示す平面図である。 図14の流路プレートのバルブを説明するための図である。同実施例の測定部の平面図である。 検査チップの使用時の状態を示す平面図と側面図である。 水の温度と粘度の変化の関係を示すグラフである。
符号の説明
3 ペルチェ素子プレート
11 純水の入った容器
12 アンモニア水の入った容器
13,14 温度調整部
17,18 PFAチューブ(流路)
19 合流部
111 ガラス部(マイクロ流体デバイス)
115 流量制御部(流路)
118,119 ペルチェ素子
300 検査チップ(マイクロ流体デバイス)
310,314,317,320,322,333,336,338,349,352,354,365,368,370,386 流路
389 ヒーター又はペルチェ素子の二次元配列

Claims (25)

  1. 流路内を流れる流体の温度を変化させることにより、前記流体の粘度を変化させ、前記流路内での前記流体の流量を変化させる流体制御方法。
  2. 前記流路の温度を変化させることにより、前記流体の温度を変化させて前記流体の粘度を変化させ、前記流体の流量を変化させる請求項1に記載の流体制御方法。
  3. 前記流体が液体である請求項1又は2に記載の流体制御方法。
  4. 前記液体の温度を下げて前記液体を固体化させることによって前記流路を詰まらせて前記液体の流量を遮断する請求項3に記載の流体制御方法。
  5. 前記流体が気体である請求項1又は2に記載の流体制御方法。
  6. 前記流路は、ガラス部材、半導体部材又は金属部材の一部分がエッチング技術によって除去されて形成されたものである請求項1から5のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  7. 前記流路はフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術によって形成された型を樹脂に転写形成することによって形成されたものである請求項1から5のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  8. 前記流路はマイクロ流体システム内に形成されたものである請求項1から7のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  9. 前記流路はチューブによって形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  10. ペルチェ素子を用いて前記流路の温度を変化させる請求項1から9のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  11. ヒーターを用いて前記流路の温度を変化させる請求項1から9のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  12. 前記ヒーターは半導体素子によって形成されている請求項11に記載の流体制御方法。
  13. 前記流路に光を照射することによって前記流体又は前記流路の温度を変化させる請求項1から9のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  14. LEDを用いて前記流路に光を照射する請求項13に記載の流体制御方法。
  15. 半導体レーザーを用いて前記流路に光を照射する請求項13に記載の流体制御方法。
  16. 光源と光ファイバーを用い、前記光源から前記光ファイバーの入射端に入れた光を前記光ファイバーの出射端から出射させて前記流路に光を照射する請求項13に記載の流体制御方法。
  17. 前記流路はマイクロ流体デバイス内に形成されたものであり、前記流路の温度制御を前記マイクロ流体デバイスに2次元配列配置したヒーターで行なう請求項1から7のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  18. 前記流路はマイクロ流体デバイス内に形成されたものであり、前記流路の温度制御を前記マイクロ流体デバイスに2次元配列配置したペルチェ素子で行なう請求項1から7のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  19. 前記流路はマイクロ流体デバイス内に形成されたものであり、前記流路の温度制御を前記マイクロ流体デバイスに2次元配列配置したLEDで行なう請求項1から7のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  20. 前記流路の内部に障害物が設置されている請求項1から19のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  21. 前記流路は曲線上に設置されている請求項1から19のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  22. 前記流路は、温度制御される部分の流路断面積が他の部分の流路断面積に比べて小さく形成されている請求項1から21のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  23. 前記流路の配管長さと、前記流路内を流れる前記流体の流速、密度及び粘度を調整して、前記流体が層流状態又は乱流状態に切り替わる境界条件に設定しておき、前記流路又は前記流体の温度変化で前記流体の粘度を変化させて流体を層流状態から乱流状態へ、又はその逆に変化させることによって前記流体の流量を変化させる請求項1から22のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  24. 前記流路又は前記流体の設定温度と前記流体の流量との関係を予め取得しておき、その関係を示すデータに基づいて所望の流量を得る請求項1から23のいずれか一項に記載の流体制御方法。
  25. 下流側の合流部で合流する複数本の前記流路を用い、それらの流路の温度を制御してそれらの流路内を流れる流体の流量を制御することによって複数本の前記流路から前記合流部に供給される流体の比率を制御する請求項1から24のいずれか一項に記載の流体制御方法。
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