JP2003294596A - 混合機構 - Google Patents

混合機構

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JP2003294596A
JP2003294596A JP2002096772A JP2002096772A JP2003294596A JP 2003294596 A JP2003294596 A JP 2003294596A JP 2002096772 A JP2002096772 A JP 2002096772A JP 2002096772 A JP2002096772 A JP 2002096772A JP 2003294596 A JP2003294596 A JP 2003294596A
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Koji Shimoide
浩治 下出
Naoya Yabiku
直也 屋比久
Masahiro Tsukamoto
雅弘 塚本
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機構が平易で小型且つ低コストであると共
に、POC分析等をはじめとする種々の分析を行う分析
装置に好適な混合機構を提供すること。 【解決手段】 3個の液体槽A,B1,B2内の液体を、
各液体槽に連結された搬送用流路a,b1,b2を介し、
それらに連結された混合用流路abに送って混合する混
合機構であって、液体槽Aに希釈検体,液体槽B1,B2
に試薬溶液を充填し、搬送用流路b1,b2に同じ試薬溶
液を搬送させ、それらの搬送用流路b1,b2を、希釈検
体を搬送する搬送用流路aに対して両側から混合用流路
abに連結した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微量試料の分析や
検出を簡便に行うことができる分析装置に好適な混合機
構に関する。
【0002】
【従来の技術】医療診断に必要な測定を患者近傍で行う
ベッドサイド診断用の分析(POC(point of care)
分析)や、河川や廃棄物中の有害物質の分析を河川や廃
棄物処理場等の現場で行うこと(POU(point of us
e)分析)や、食品の調理,収穫,輸入の各現場におけ
る汚染検査等の、分析・計測が必要とされる現場もしく
は現場の近傍で分析・計測を行うこと(以下、「POC
分析等」と総称する)の重要性が注目されており、近
年、このようなPOC分析等に適用される検出法や装置
の開発が重要視されつつある。そして、このようなPO
C分析等は、簡便に短時間で、且つ低コストで行われる
ことが要求される。
【0003】従来、微量分析には、試料をキャピラリガ
スクロマトグラフィー(CGC),キャピラリ液体クロ
マトグラフィー(CLC)等で分離した後、質量分析計
で定量するGC−MS装置やLC−MS装置が広く使用
されてきた。しかしながら、これらの分析装置は質量分
析計が大型であることと操作が煩雑であることから、患
者のベッドサイドや汚染河川,廃棄物処理場近辺等の現
場での測定に使用するのには適していない。さらに、血
液等を試料とする医療診断用途の分析装置は、試料が触
れる部分を使い捨てにすることが望ましい。
【0004】そこで、これらの問題点を解決するため
に、従来利用されてきた分析装置を小型化し、極微量の
液体試薬を反応させるμTAS(micro total analysis
system)の技術をPOC分析等へ応用する検討が進ん
できた。μTASでは、血液に限らず検体量を微量にす
るために、10cmから数cm角程度以下のガラスやシ
リコン製のチップの表面に溝を形成して、その溝中に試
薬溶液や検体を流して分離,反応を行って、微量試料の
分析を行っている(特開平2−245655号公報、特
開平3−226666号公報、特開平8−233778
号公報、 Analytical Chem. 69, 2626-2630 (1997) Acl
ara Biosciencesなど)。この技術においては、検体
量,検出に必要な試薬量,検出に用いた消耗品等の廃棄
物,廃液の量がいずれも少なくなる上、検出に必要な時
間もおおむね短時間で済むという利点がある。
【0005】本願出願人も、特願平10−181586
号明細書(「混合分析装置及び混合分析方法」)、特開
2000−2675号公報(「キャピラリ光熱変換分析
装置」)、特開2000−2677号公報、国際公開W
O99/64846号公報(「分析装置」)、特願平1
1−227624号明細書、国際公開WO01/131
27号公報(「分析用カートリッジ及び送液制御装
置」)等のμTAS関係の発明を出願している。
【0006】これらの公報又は出願明細書には、チップ
として樹脂製のマイクロチップを用いることや、微量成
分の検出法として熱レンズ検出法を用いることなども記
載されている。熱レンズ検出法は、励起光で液体中の試
料を励起して、いわゆる熱レンズを形成させ、検出光で
その熱レンズの変化を測定する光熱変換検出法であり、
その原理等は以前から知られている(特開昭60−17
4933号公報、A.C.Boccara et.a
l.,Appl.Phys.Lett.36,130,
1980、J. Liquid Chromatography 12, 2575-2585(1
989) 、特開平10−142177号公報、特開平4−
369467号公報、ぶんせきNo.4,280−28
4,1997、M.Harada,et.al.,An
al.Chem.Vol.65,2938−2940,
1993、川西,他 日本分析化学会第44年会講演要
旨集,p119,1995など)。
【0007】キャピラリ中の成分を測定する方法として
は、熱レンズ検出法の他に蛍光法や吸光度法等も用いる
ことができるが、蛍光標識物質の導入などの操作をする
ことなく高い感度が実現できるので、熱レンズ検出法が
適している。一方、チップ内の液体を移動させる技術、
すなわち送液方法としては、チップ外の送液ポンプ又は
吸引ポンプを用いて、チップのキャピラリ内の送液を行
う方法が一般的である(例えば、S.Shoji,e
t.al.,Sensors&ActuatorsB
8,205−208,1994、ぶんせきNo.4,2
80−284,1997、M.Harada,et.a
l.、Anal.Chem.Vol.65,2938−
2940,1993、川西,他 日本分析化学会第44
年会講演要旨集,p119,1995等)。
【0008】しかしながら、この外部ポンプを用いる方
法では、制御の即応性,連続的な変化,耐久性,医療現
場においては重要な静粛性等の点で問題がある。また、
送液ポンプ,吸引ポンプを用いるため装置全体が大型に
なることや、チップと外部ポンプとの接続部分で漏れが
生じるおそれもある。さらに、外部ポンプを用いた装置
等のように外部との液の流通が必要な装置では、チップ
外部に廃液溜,試薬溶液溜,緩衝液溜等を設ける必要が
あり、液の補給,廃棄,清掃など、その液溜のメインテ
ナンスが必要になる。このことは、POC分析等におい
て簡便性を著しく損なうことになる。
【0009】一方、チップ中で、キャピラリ電気泳動そ
のものや、電気浸透流を用いて電圧をかけることによっ
て送液する方法も提案されている(国際公開WO96/
04547号公報、S.C.Jakobson,et.
al.,Anal.Chem.Vol.66,4127
−4132,1994、J. Liquid Chromatography 12,
2575-2585(1989) 、特開平10−142177号公
報、特開平4−369467号公報など)。
【0010】しかしながら、電気泳動も電気浸透流も、
チップ内の液体に電極を介して電圧をかけるため、電極
表面で測定試薬や測定試料の電気分解が生じて、試薬組
成や試料組成が変化してしまうことがある。また、試薬
や試料の電気分解生成物がキャピラリの内面に付着し
て、キャピラリ表面のゼータ電位を変えてしまい、送液
速度が変化するといった現象が起こる場合もある。
【0011】また、カートリッジ内に凍結乾燥した固体
試薬を入れておき、カートリッジ内に封入した溶解希釈
液で血液検体を希釈し、さらに該希釈検体液で前記固体
試薬を溶解して、分析反応を行い定量する方法が開示さ
れている(特表平10−501340号公報,特表平9
−504732号公報等)。この方法では、送液は遠心
力により行われているため、送液方向は常に遠心力の働
く方向、つまり、円形カートリッジの円の中心から外方
に向かう方向である。固体試薬はカートリッジ中の流路
末端に位置する、円周沿いの小部屋内に置かれており、
希釈された検体が各小部屋に流入して、固体試薬を溶解
し反応して吸光度に変化を来すようになっている。
【0012】しかしながら、カートリッジの構造上、固
体試薬は流路の最終点におかれているため、1試薬によ
る1段反応の検出反応しか行えないこととなり、検出項
目によっては、検査センターや病院の臨床検査室などで
行われている、学会や官庁などで定められた推奨法によ
る検出反応とは異なる反応及び試薬組成を採用せざるを
得ない。そのため、従来の検査データとの相関性が低い
場合がある。さらに、検査項目によっては、このような
円形カートリッジの反応様式では分析が困難な場合も考
えられる。
【0013】さらに、遠心力による送液の他の方法とし
て、細くされた溝に生じる表面張力を利用して流路を閉
鎖するバルブや、ワックスを利用して流路を塞ぐバルブ
を流路途中に設けて、送液を制御する技術も知られてい
る(国際公開WO98/53311号公報,国際公開W
O97/21090号公報等)。しかしながら、表面張
力を利用したバルブでは、界面活性剤を含む試薬溶液で
は容易にバルブが開状態となってしまうので、送液の制
御が難しいという問題がある。また、ワックスを利用し
たバルブでは、流路が太くなる,ワックスを融解する加
熱機構が必要になる,液体中の成分がワックスに吸着さ
れる等の問題がある。さらに、これらのバルブは、一旦
開状態とすると再度閉状態とすることができないという
問題点を有している。
【0014】さらにまた、チップ外部の吸排気ポンプに
よってチップ内の血漿を移動させる方法も開示されてい
る(特開平9−196920号公報(免疫項目),特開
平8−114539号公報(生化学項目),特開平9−
196739号公報(溶解液先端検知),特開平9−1
38195号公報(多孔性材料の透過光測定による分
析)など)。
【0015】この方法では、血漿そのもので付着試薬を
溶解しながら同時に反応を行う構成になっているが、主
たる送液方法としては、流路終端からの減圧吸引・加圧
が採用されている。そして、空気を介してチップ内の送
液が調節されるため、チップ外部と送液のための液体を
やりとりする必要がない。しかしながら、チップ外に送
液用の吸排気ポンプを必要とすること、及びチップと吸
排気ポンプとのインターフェース(漏れのない接続部構
造)が必要であるという問題がある。
【0016】これに対して、密閉カプセル内での気泡に
よる送液方法が報告されている。これには、気泡の熱膨
張による送液と電解ガスの発生による送液とがある。前
者は、密閉されたチャンバーと加熱材料及び充填液とに
より行われる。加熱された気泡の膨張は高い圧力を発生
し、早い送液が可能である。例えばNaruse Yoshihiroら
の方法は、液が充填されたチャンバー内に吸光発熱材料
を封入しておき、ガラスファイバーでレーザー光をチャ
ンバー内に導くと、吸光発熱材料の発熱によりチャンバ
ー内の気泡が膨張して送液が行われるというものである
(USP5210817号明細書)。
【0017】一方、後者は、密閉されたチャンバーとそ
の中に充填された電解液とチャンバーに挿入された一対
の電極とにより行われる。電極に電圧を印加することに
よる電解ガスの発生で圧力が生じ、送液が行われるとい
うものである。例えば、D.A.Hopkins,Jr(USP567
1905号明細書)やC.R.Neaguら(C.R.Neagu, J.G.E.
Gardeniers, M.Elwenspoek, J.J.Kelly, Journal of Mi
cro Electro Mechanical Systems, 5,1, 2-9,(1996))
が報告しているものがある。
【0018】しかしながら、気泡は被圧縮性で弾性を有
するので、細いキャピラリ流路中に液を送る場合は圧力
損失が大きい。よって、いずれの方法においても、液の
流れが始まってから安定するまでに長い時間が必要であ
る。また、場合によっては、液が流れ方向に振動して、
送液がまったく安定しないという問題が発生するおそれ
がある。
【0019】さらにまた、気泡を使用することなく充填
液を外部から押して液を送る方法が提案されており、例
えば圧電素子による送液があげられる。圧電素子は、比
較的少量のエネルギーで大きな力を発生させることが可
能である。しかしながら、圧電素子が単一の結晶で構成
されていると、極小さい距離しか液を押し動かすことが
できない。ストロークを大きくするには通常は複数の結
晶で圧電素子を構成するが、そうすると多くの部品が必
要になり、結局コストがかさんでしまう。
【0020】また、圧電素子は小さい電流で駆動するが
高い電圧を必要とするため、必ずしも今日の半導体回路
に適応しているとは言えない。さらに、伸張係数の異な
る材料を積層して圧電素子を構成する必要があり、しか
も積層に際しては正確なクリアランスが要求されるた
め、微小サイズ化することが難しい。さらに、振動によ
る往復運動であるため、送液に適した一方向の力に変換
するためには、逆止弁機能を有する複数のバルブを必要
としたり、複数のポンプに位相差を付ける電気的制御を
必要としたりするので、システム全体が非常に複雑にな
るという問題があった。ディフューザーなど整流効果の
あるモジュールを流路内に設置することにより送液を行
うことも可能であるが、その構造上の特性により、高流
速でないと整流効果は期待できない。低流速の場合には
流路幅を細くすることにより高速化することも可能では
あるが、この方法では流路での圧力損失が大きくなる,
チップの製作精度や流量制御精度を高める必要がある,
高コストにつながる等の理由により、実用的なシステム
を組むことが困難になってくる。
【0021】また一方、チップ内の液体を混合させる技
術、すなわち混合方法としては、試料や試薬の必要量を
量り取って、混合槽に相当する流路に導入し、それらの
液体を機械的攪拌や拡散等で均一化する方法が一般的で
ある。しかしながら、攪拌バー等を流路内に入れてお
き、その攪拌バーを磁力等で回転させて液体を攪拌する
構造にあっては、当該液体を迅速に均一化できるもの
の、幅や深さが数十μm以下である流路内に構成するに
は困難を伴う。また、超音波振動子等でチップ外から流
路内の液体を動かして攪拌を促進させる方法、磁気ビー
ズを流路内に入れておき、その磁気ビーズを外部磁石等
で移動させることによって攪拌を行う方法等が提案され
ているが、それぞれ駆動回路や流路内へのビーズ封入等
が必要となり高コストにつながる。
【0022】また、一定の比率での二液間の混合を精密
且つ継続的に実現するためには様々な困難を伴う。例え
ば量り取った二液を混合する場合、それらの液体を混合
槽に導入する必要があるが、その際、周辺流路との間で
漏れ込み・漏れ出しなどが発生し、混合比率の精密さに
欠ける可能性が高い。周辺からの漏れ込み・漏れ出しを
防ぐためにキャピラリ内の試料や試薬を空気層で区切
り、液プラグの形状を保ったまま空気圧で移動させる方
法も提案されている(T. S. Sammarcoら、Analytical Me
thods&Instrumentation. Special IssueμTAS'96, pp15
0-152)。しかしながら、液プラグを合体させるときのタ
イミング合わせや、液プラグ間の空気の除去(R.C. Ande
rsonら、Technical Digest ofSolid-State Sensor and
Actuator Workshop (1998) pp7-10)等に複雑な手順を要
するといった欠点も多い。また、この方法では、混合槽
を使用せずに、ダブルT流路などを用いて液体を混合す
るため、量り取った二液を混合の行われる流路内に同時
に導入する必要があり、そのタイミング合わせなどに技
術的困難を伴う。
【0023】また、従来サンプルを流路内で量り取る技
術は、電気泳動等を実施して当該サンプルに含まれる微
量成分を分離,検出するために実施されるのが一般的で
あり、精密な混合のために実施される例は一般的に見ら
れないのが現状である。また、混合槽を用いずに二液を
混合する方法としては、流路内での拡散を利用する方法
が一般的であり(例えばS.C. JacobsonらAnal. Chem, 7
0, 158-162, 1998等)、本出願人もPCT/JP99/
03158号明細書(「分析装置」)で同様の手法を用
いている。しかしながら、二液の混合を拡散により行う
場合、時間当たりの拡散距離を考慮する必要がある。つ
まり、拡散は式t=L2/D(t:拡散時間、L:拡散距離、D:
拡散係数)で表わされるように濃度勾配の関数であり、
拡散時間tは拡散距離Lの二乗に比例し、且つ、拡散速
度は分子数が大きいものほど遅い。例えばアセトンのよ
うに比較的小さい分子が200μm拡散するのに必要な
時間は10秒程度であるが、血液に含まれる分子として
は比較的大きいウレアーゼが同じ200μm拡散するた
めには数百秒が必要とされ、このような場合、単に自然
の拡散にまかせて混合を行うのは現実的でないことは明
らかである。
【0024】それゆえ例えばA. Manzら(Proceedings o
f the μTAS'98 Workshop, pp235-240 (1998)(Kluwer A
cademic Publishers))は、二液を合流させるためのY
字流路を多数並列に並べて、最下流で全てのY字合流後
の流路が一体となるように流路構成を形成し、二液が横
方向に短い距離で互い違いに流れるようにすることで、
拡散距離を短くし且つ液量を増やすことを実現してい
る。しかしながら、上記構成を実現するためには、チッ
プ上に立体的な流路を形成することが必要となり、チッ
プ製作が複雑となる。さらに、この構成で多種類の液体
を同時に混合させるには、チップの構造がさらに複雑に
なってしまうので、そのような流路構成を実際形成する
のは現実的でない。
【0025】また、流路の幅を比較的広く取り、混合す
る二液のうち一液を予め流路内に一定速度で流してお
き、もう一液を流路途中の底面に設けられたスリット若
しくは多数の孔から導入し、流路の深さ方向に二液を平
行に流すことで拡散を行う方法が提案されている(例え
ばA. Yotsumoto他、Proceedings of the μTAS'98 Work
shop, pp185-188 (1998)(Kluwer Academic Publisher
s))。しかしながら、この方法では、流路の底面に液体
を導入する手段を設けねばならず、この場合もチップ構
造が複雑となる。
【0026】また一方、チップ内の液体を適切な混合比
で混合する技術としては、前述の従来送液方法を使用す
る方法が一般的である。しかしながら、POC分野で利
用されるμTASに適用するには構造上の複雑さがな
く、実現のためのコストが安い上でなお高精度を保てる
ことが必須である。例えばE.M.J. Verpoorteら(J. Micr
omech. Microeng. 4(1994) 246-256)は、混合が行われ
る流路部分を設け、外部ポンプを用いて所定液量を当該
流路内に導入し、その後測定を実施している。しかしな
がら、液送りに外部ポンプを使用するため、前述のよう
に装置全体並びに接続部分の複雑さ等に加え、混合比率
の精度そのものがポンプの能力そのものに律速されるの
で、その精度を高く保つためには能力の高いポンプを使
用する必要があり、コストの点で不利となる。
【0027】また、電気浸透流など電気的手段で液送り
を行う場合、電極表面、流路表面などに経時変化が発生
すると、異なる流路間で高い精度の一定比率の混合は期
待できない。同様に、前述の電気分解や他の手段により
発生する気体などを使用する場合には、それぞれの気体
間で膨張・圧縮のアンバランスが発生して、複数流路内
で精密な比率を維持しながらの液送りに困難を伴うこと
は明らかである。
【0028】さらに、遠心力を利用した液送りの場合で
も、チップ表面に異物が付着したり、混合する液の間で
流れのアンバランスが発生したりすると、混合比率が異
なる値になる可能性、若しくは脈動を起こし不安定にな
る可能性があり、混合比率の精度を高く維持するには困
難を伴う。また、試料と試薬をそれぞれ液プラグの形に
し、空気圧で移送する手段についても、タイミングを計
る手段、空気圧を送るためのポンプ、接続部など複雑な
要素が多くPOC分野等への適用には困難が多いといえ
る。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】このように、POC分
析等を行う機器へ提供する混合技術として多くの提案が
あるが、多項目,小型,簡便,短時間,低コストという
我々の目指す機器の要求全てに適合するものは未だ提案
されていない。具体的には、装置が小型で平易に製造で
きるもの、操作が煩雑でなく簡単に測定ができるもの等
の多くの必要条件を満たすことのできる混合機構が求め
られている。
【0030】そこで、本発明は、上記のような従来技術
が有する問題点に鑑みて、その機構が平易で小型且つ低
コストであると共に、POC分析等をはじめとする種々
の分析を行う分析装置に好適な混合機構を提供すること
を課題とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発
明に係る請求項1の混合機構は、複数の搬送用流路を介
して複数の液体を送り、それらの搬送用流路に連結され
た混合用流路で当該複数の液体を混合する機構であっ
て、前記搬送用流路のうち少なくとも2つの搬送用流路
に同じ液体を搬送させ、それら少なくとも2つの搬送用
流路を、別の液体を搬送する他の搬送用流路を基準とし
て異なる側から当該混合用流路に連結したことを特徴と
する。なお、前記同じ液体を搬送する少なくとも2つの
搬送用流路は、別の液体を搬送する他の搬送用流路を基
準として異なる側から前記混合用流路に連結してあれば
よく、それらは同一平面上になくてもよい。
【0032】このような構成であれば、請求項3に記載
されているように、前記複数の液体を前記搬送用流路に
連結された複数の液体槽に収納しておき、その複数の液
体槽に収納された液体が混合用流路に送られると、その
混合用流路上では前記同じ液体の間に別の液体が挟まれ
ることになり、それらの液体を混合するために、当該液
体中に溶解している検体や試薬を拡散させる距離が小さ
くて済み、それらの液体の混合に要する時間が短くて済
むので、混合用流路の長さを短くでき、平易で小型且つ
低コストに形成することができる。
【0033】また、本発明に係る請求項2に記載の混合
機構は、請求項1に記載の混合機構において、前記同じ
液体を搬送する少なくもと2つの流路を、前記混合用流
路を挟むように異なる側から当該混合用流路に連結した
ことを特徴とする。混合用流路を挟むように異なる側と
は、混合用流路を真中にして相対する側を意味し、例え
ば混合用流路の断面が四角形状であるときには、混合用
流路の左側と右側もしくは上側と下側を意味する。また
前記同じ液体を搬送する少なくとも2つの搬送用流路を
連結する位置としては、当該搬送用流路を介して混合用
流路に送られる液体が混合用流路に同時に合流するよう
な位置であってもよいし、それらの液体のうち一方が先
に合流するような位置であってもよい。
【0034】このような構成であれば、請求項3に記載
されているように、前記複数の液体を前記搬送用流路に
連結された複数の液体槽に収納しておき、その複数の液
体槽に収納された液体が混合用流路に送られると、その
混合用流路上では前記同じ液体の間に別の液体がより確
実に挟まれることになり、それらの液体を混合するため
に、当該液体中に溶解している検体や試薬を拡散させる
距離がより小さくて済み、それらの液体の混合に要する
時間が短くて済むので、混合用流路の長さをより短くで
き、より平易で小型且つ低コストに形成することができ
る。
【0035】さらに、本発明に係る請求項4の混合機構
は、請求項3に記載の混合機構において、前記液体槽を
形成する壁体の少なくとも一部を、前記液体槽の内部に
向かって突出するように変形可能な弾性を有する隔壁で
構成し、その隔壁で前記液体槽の容積を変化させること
によって、当該液体槽内の液体を当該液体槽に連結され
た搬送用流路に送ることを特徴とする。
【0036】このような構成であれば、外側から隔壁に
押圧力が加えられると、その隔壁が変形して液体槽の内
部に押し込まれ、この隔壁の変形によって液体槽の容積
が減少することになり、その液体槽内の液体が前記容積
変化分だけ搬送用流路に押し出されるというように、内
部で所望の送液を行うことができ、配管の接続口等の専
用の設備を設ける必要がないため、簡便に低コストで作
製することができる。
【0037】さらに、本発明に係る請求項5の混合機構
は、請求項4に記載の混合機構において、前記複数の液
体槽の隔壁のそれぞれを押圧して変形させる複数の隔壁
変形手段と、それら複数の隔壁変形手段を一体的に動く
ように連結する連結手段と、を備えたことを特徴とす
る。このような構成であれば、例えば1つの隔壁変形手
段が動かされると、複数の隔壁に押圧力が同時に加わ
り、それらの隔壁が変形して液体槽の内部に押し込まれ
て、この隔壁の変形によって液体槽の容積が減少するこ
とになり、その液体槽内の液体が前記容積変化分だけ搬
送用流路に押し出されるというように、液体槽内の液体
を同時に押し出すことができる。
【0038】さらに、本発明に係る請求項6の混合機構
は、請求項5に記載の混合機構において、前記同じ液体
が収納された少なくとも2つの液体槽を、任意の軸を挟
んで異なる側に配し、それぞれの側に配された液体槽に
おける隔壁の実効的重心位置を該任意の軸に対して対称
の位置に配したことを特徴とする。なお、実効的重心位
置が任意の軸に対して対称の位置にあるとは、液体槽に
形成された隔壁が同じ面積で且つ任意の線に対して対称
に配置されることのみを言うのではなく、それぞれの液
体槽がさらに複数に分割され、その各々が液移動のため
の隔壁を備える場合においても、それぞれの隔壁が隔壁
変形手段により移動することで液体槽より移動する液の
総量が任意の軸に対して対称であり、且つ、その重心位
置が同一の任意の軸に対して対称であることも含むもの
とする。なお、隔壁は実効的重心位置が任意の軸に対し
て対称の位置にあればよく、隔壁変形手段の形状や液体
槽の形状等によって、各隔壁の面積等が異なっていても
問題ない。
【0039】このような構成であれば、例えば1つの隔
壁変形手段が動かされたときに、前記連結手段が傾い
て、前記同じ液体が収納された液体槽の隔壁に押圧量の
差が生じたとしても、それらの液体槽のうち一方の側に
ある液体槽から押し出される液量が少なくなった分だ
け、他方の側にある液体槽から押し出される液量が多く
なり、結果として混合用流路に押し出される液体の量を
一定に保つことができる。
【0040】さらに、本発明に係る請求項7の混合機構
は、請求項1乃至6のいずれかに記載の混合機構におい
て、前記混合用流路は、前記液体槽から送られた液体の
均一な混合を促進する混合促進手段を備えたことを特徴
とする。混合促進手段としては、邪魔板のようなものを
設けたり、流路の幅や深さなどに変化を与えたりする
等、液体の流れを流路の構造変化で意図的に乱すもの
や、回転する微小な棒磁石や磁気ビーズなどを外部より
操作する等、能動的に液体を攪拌する手段を設けるな
ど、液体の均一な混合を促進できるものが挙げられる。
また、混合用流路の幅を十分に狭く保つことも、液体の
均一な混合を促進するための有効な手段となる。そし
て、このような混合促進手段を備える構成にすること
で、液体の均一な混合を短時間に確実に行うことができ
る。
【0041】さらに、本発明に係る請求項8の混合機構
は、請求項1乃至7のいずれかに記載の混合機構におい
て、前記液体槽、搬送用流路及び混合用流路は一対の平
板状部材が貼り合わされて構成されており、この一対の
平板状部材のうち少なくとも一方は板面に溝を備え、前
記溝を備えた板面を内側にして貼り合わせることにより
前記搬送用流路及び混合用流路が形成されていることを
特徴とする。
【0042】このような構成であれば、分析上必要な液
体の混合,希釈等の操作を、チップ内で自由に行うこと
ができ、より低コストで簡便に作製することができる。
以下に、本発明の混合機構について、図面を参照しなが
ら詳細に説明する。 〔チップについて〕本発明の混合機構を構成するチップ
は、前述のように液体が充填される液体槽と微量の液体
の送液や反応が行われる搬送用流路及び混合用流路とを
備えている。そして、これらの流路は板面に溝を備える
一対の平板状部材を貼り合わせることにより形成するこ
とが好ましい。すなわち、図1に示すように、板面に溝
10aを備える平板状部材10の前記溝10aを備えた
板面10bに、例えば樹脂製のカバーシート11を接着
剤,粘着テープ等を介して貼り合わせると、搬送用流路
や混合用流路となるキャピラリ12を有するチップ1が
形成される。また、チップ1は加工生産性の点から、貫
通溝をもつ平板を、他の平板2枚で挟んで溝を形成させ
て3枚構成とすることも可能である。
【0043】この溝は、金型による成形やエンボス等の
技術によって形成することができる。溝の形状,寸法に
ついては特に限定されるものではないが、現状の成形技
術の観点からは、流路の幅と深さとの比が0.3〜10
程度で、且つ、幅,深さはそれぞれ0.5μm以上が好
ましく、必要とする試料,試薬の量の観点からは、幅,
深さはそれぞれ500μm以下であることが好ましい。
なお、溝の断面形状は、どのようなものであってもよ
く、例えば四角形や三角形等の多角形、半円形、半楕円
形等であってもよい。また、1つの平板状部材10上に
何種類かの異なった形状の溝を形成してもよく、溝10
aの上面(開放面)の幅は、溝10aの下面(底)の幅
と同じであってもよいし広くてもよい。
【0044】なお、後述する光熱変換法に基づく検出手
段をより簡便に精度よく行うためには、溝の断面形状が
四角形であることが望ましい。この溝10aは、小さす
ぎると液体中の微粒子により流れが乱れる原因となり、
大きすぎると平板状部材10の面積が大きくなるという
問題や、拡散時間の増大という問題を生じる。平板状部
材10の材質として樹脂を採用する場合は、成形加工性
が良好であることと、光学測定を実施する場合には透明
であることが要求されるので、透明な熱可塑性樹脂を使
用することが好ましい。平板状部材10の材質としてガ
ラスを採用することも可能であるが、コストを考慮する
と樹脂の方が好ましい。
【0045】具体的には、ポリスチレン、スチレン−ア
クリロニトリル共重合体等のスチレン系樹脂、ポリメチ
ルメタクリレート、メチルメタクリレート−スチレン共
重合体等のメタクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、
ポリアリレート、ポリメチルペンテン、1,3−シクロ
ヘキサジエン系重合体などがあげられる。また、これら
の共重合体やブレンド品を用いることも可能である。ま
た、樹脂の材質については本出願人によるPCT/JP
99/03158号明細書(「分析装置」)に詳述され
ている。
【0046】樹脂製の平板に微細な溝を形成する方法と
しては、切削加工やレーザー等によるエッチング加工、
型内でのモノマーやマクロモノマーのUV硬化や熱硬
化、熱可塑性樹脂の溶融加工や塑性加工等の方法を挙げ
ることができる。また、それらのうち熱可塑性樹脂の溶
融加工や塑性加工によれば、溝を有する平板を大量に且
つ安価に成形加工できるので好ましい。また同様に、金
型を用いた熱可塑性樹脂の射出成形法や圧縮成形法、エ
ンボス成形法等を用いるようにしてもよい。
【0047】また、カバーシート11の材料は、前記溝
を有する平板に用いられる材料の中から選ぶことがで
き、同じ材料であってもよいし、異なる材料であっても
よい。厚みは、特に限定されるものではないが、検出の
障害にならないように、0.05〜数mm程度が好まし
い。また、平板状部材10にカバーシート11を貼り合
わせる方法としては、超音波融着、熱融着、アクリル系
光硬化性接着剤、ホットメルト接着剤やUV接着剤等の
接着剤による接着、粘着剤による粘着、直接又は薄い弾
性シート、両面テープ等を介しての圧接等が挙げられ
る。
【0048】〔隔壁及び送液機構について〕図2の
(a)に示すように、液体槽14は平板状部材10に設
けられた貫通孔により形成され、その開口部を覆うよう
に弾性を有するダイアフラム膜15が取り付けられてい
る。ダイアフラム膜15は柔軟性を有していて変形可能
であるので、図2の(b)に示すようにチップ1の外側
からダイアフラム膜15に押圧力を作用させると、ダイ
アフラム膜15が変形して液体槽14の内部に押し込ま
れる。
【0049】そうすると、このダイアフラム膜15の変
形によって液体槽14の容積が減少するので、液体は非
圧縮性であることから、図2の(b)に矢印で示すよう
に、液体槽14内の液体Lが前記容積変化分だけキャピ
ラリ12に押し出される。これにより液体槽14内の液
体Lを移動させることができる。このようなダイアフラ
ム機構を利用して送液を行えば、外部から配管を繋ぐよ
うな複雑な機構,設備等を用いなくても、チップ内で所
望の送液を行うことができる。また、チップに配管の接
続口等の専用の設備を設ける必要がないため、簡便に低
コストでチップを作製することができる。
【0050】ダイアフラム膜15は、柔軟性を有してい
て、小型の機構で変形可能なシート状のものであれば特
に限定されるものではないが、空気は透過し液体は透過
しない(撥水性によりはじかれてしまう)性質の膜でダ
イアフラム膜15を形成することが好ましい。ダイアフ
ラム膜15は通気性を有し且つ液体槽14が液体で満た
された際には耐水性を有する機能膜になるので、空の液
体槽14内にキャピラリ12から液体Lを導入すると、
液体槽14内の空気は液体Lが充填されるにしたがって
押し出されてダイアフラム膜15を透過して抜けていく
が、ダイアフラム膜15の撥水性によって液体Lが透過
して抜けていくことはないので、液体槽14内を液体L
で完全に満たされた状態にすることができる。
【0051】ダイアフラム膜15の素材としては様々な
多孔膜が使用可能である。液体槽14内に満たす液体が
水溶液の場合、疎水性の有機ポリマーや無機素材からな
る平板などに数μmから1mm程度の小さな穴をあけた構
造のものでもよい。この場合は、水の表面張力のために
小さな穴に液は入っていかないが、気体は通ることにな
る。逆に、液体槽14内に満たす液体が疎水性の有機溶
媒の場合は、親水性の非常に高い素材からなる平板など
に小さな穴をあけた構造のものがダイアフラム膜15と
して機能することになる。
【0052】医療診断における分析では、液体槽内14
内に満たす液体は基本的に水を主成分とするので、本発
明に用いるダイアフラム膜15は、製造上の点、および
漏れの恐れがきわめて小さい点からも、疎水性の膜を用
いることが好ましい。特に、GOT/GPTやコレステロール
量などの生化学分析においては、一般には血漿蛋白の吸
着防止などのために、試薬に界面活性剤を添加すること
が多いので、その場合は、より疎水性の強い膜が必要と
なる。
【0053】特に、PTFE(四フッ化エチレン)多孔
膜であれば、ごく一般的に市販されているものでも10
数気圧程度の耐水圧を持つものは容易に入手でき、十分
な性能を備えているものを容易に構成することが可能で
ある。疎水性の有機ポリマーは、臨界表面張力が20℃
で約0.04N/m以下であることが好ましく、例とし
ては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、シリ
コン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポ
リエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリメチルペン
テン、1,3−シクロヘキサジエン系重合体等があげら
れる。
【0054】セルロースアセテート膜のようなものでも
使用できる場合もあるが、界面活性剤が添加された試薬
液の場合は、PTFE,シリコン,ポリエチレン等の疎
水性の強い膜の方が液体の透過を防ぐ耐水圧が大きいの
で好ましい。試薬の乾燥固着の工程を考慮すると、界面
活性剤入りの試薬に対して、形状がより安定なPTFE
膜など、疎水性の高いダイアフラム膜15がさらに好ま
しい。
【0055】また、耐水圧が大きいほど高い圧力で送液
できるので、耐水圧は大きいほど好ましいが、本発明の
チップに使用できる膜の耐水圧は、発明の実施の形態の
項で後述するような流路構成では0.1kg/cm2以
上、好ましくは1.0kg/cm2以上、さらに好まし
くは3.0kg/cm2以上が好ましい。膜の平均孔径
は0.1μmから約5μmのものが使用できるが、孔径
が小さいほど耐水圧が高く透過空気量が僅かであること
を考慮すると、0.1μm程度が最も好ましい。膜厚は
100〜300μmのものが好ましい。
【0056】〔混合機構について〕このような原理を利
用すれば、図3の模式図に示すような搬送用流路及び混
合用流路を有するチップ1を形成することができる。こ
のチップ1は複数の液体槽(A槽,B1槽,B2槽、W
槽)を有していて、A〜B2槽の開口部は前述のダイア
フラム膜15で覆われている。また、A〜B2槽には、
ダイアフラム膜15を押圧し変形させてA〜B2槽の容
積を変化させる機構(図示せず)、すなわち、A〜B2
槽内の液体を送液する機構も備えている。
【0057】例えば、A槽に分析する試料検体液、B
1,B2槽に同じ反応試薬液が満たされているとすると、
A〜B2槽に容積変化を加えることにより検体及び試薬
が押し出される。押し出された検体は試薬と合流点mで
合流し、試料検体液が反応試薬液で挟まれて拡散混合さ
れ、廃液溜であるW槽に送られる。このように、例えば
一般的な生化学測定のプロセスで必要となる検体と試薬
との送液が、簡易なダイアフラム構造とキャピラリ流路
のみをチップに設けることによって実現することができ
る。また、反応試薬溶液を合流点mに2つの搬送用流路
から送り出すため、同量の反応試薬溶液を1つの搬送用
流路で送り出す方法に比べて、その流路幅は半分で済
み、それらの液体の拡散混合が完了するまでに要する時
間が1/4程度で済むので混合用流路の長さを短くでき
る。このような送液システムは、POC分析等を行う小
型で廉価な分析装置に用いる基本的要素として適してい
る。なお、混合用流路として下流で流路幅を絞る構造の
ものを用いるときにも有効である。
【0058】
【発明の実施の形態】本発明に係る混合機構の実施の形
態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実
施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は
本実施形態に限定されるものではない。図4に、生化学
測定用の分析装置の構成を説明する模式図を示す。この
分析装置は、複数の液体槽(A槽,B1槽,B2槽,C1
槽,C2槽,W槽)と、該液体槽を連通する流路とを有
するチップ40を備えており、A槽に連結されている搬
送用流路aに対して両側から、搬送用流路b1及びb2を
介してB1槽及びB2槽がそれぞれ連結され、さらに搬送
用流路c1及びc2を介してC1槽及びC2槽がそれぞれ連
結されている。また、各液体槽A槽,B1槽,B2槽,C
1槽,C2槽,W槽の開口部には疎水性のダイアフラム膜
41が取り付けられている。
【0059】また、A槽は希釈検体、B1,B2は第1
の試薬溶液、C1,C2は第2の試薬溶液を充填する液体
槽であり、B1槽とB2槽とは、A槽に連通する搬送用流
路aに対して前記ダイアフラム膜41の重心点が対称と
なる位置に配されている。また同様に、C1槽とC2槽
も、A槽に連通する搬送用流路aに対して前記ダイアフ
ラム膜41の重心点が対称となるように配されている。
【0060】また該チップ40は、貫通孔と溝とを備え
る平板状部材にカバーシートを貼り合わせることにより
構成されている。平板状部材の溝を備えた板面にカバー
シートを貼り合わせることによって液体の流路が形成さ
れ、貫通孔によって液体槽が形成される。なお、平板状
部材及びカバーシートは、透明な熱可塑性樹脂で構成さ
れている。
【0061】このチップ20の制作方法については、本
出願人がPCT/JP99/03158号明細書に詳述
している。つまり、平板状部材23はメタクリル樹脂
(旭化成工業製デルペット 80NH)を射出成形する
ことで成形される。射出成形の方法としては、金型キャ
ビティへの樹脂の充填工程中に炭酸ガスを存在させ、金
型に接する樹脂表面の固化温度を低下させつつ射出成形
する射出成形法(特公平10−128783号公報、特
公平10−50719号公報)を用いる。その際、ガス
としては純度99%以上の二酸化炭素を使用し、成形機
としては住友重機械工業製SG50を使用する。
【0062】ここで、金型は表面に微細な形状を加工し
たスタンパーで形成する。スタンパーは、次のようにし
て作成することができる。即ち、射出成形によって溝を
形成できるパターンのマスクを、シリコンウェハー上に
50μmの厚みでコートしたドライフィルムレジスト
(DFR)に乗せて露光し、シリコンウェハー上にDF
Rのパターンを形成し、このシリコン/DFRに対して
ニッケル電鋳を行い、さらに電鋳品の厚みや幅、長さ
を、金型にはまるように微調整(ヤスリで研磨)してス
タンパーを得る。その際、金型表面状態の転写性は、光
学顕微鏡による観察、レーザー顕微鏡による形状測定で
評価する。また、成形品も、光学顕微鏡による観察、切
断断面の溝形状の光学顕微鏡や電子顕微鏡での観察、レ
ーザー顕微鏡による形状測定等で観察する。
【0063】そして、金型キャビティの表面温度を80
℃とし、二酸化炭素を1MPaの圧力で満たしてから、
樹脂温度240℃のメタクリル樹脂を射出し、シリンダ
内樹脂圧力80MPaで10秒間保圧し、さらに20秒
間冷却して表面に溝を有する平板を成型する。なお、金
型に満たした二酸化炭素は、樹脂充填完了と同時に大気
中に開放する。この成形品に対してドリルで必要サイズ
の貫通孔を設け、十分にバリ取りを施した後、溝が形成
されている側に300μm厚みのメタクリル樹脂シート
をカバーシート24として、メタアクリレートモノマー
で溶解したアクリル系光硬化性接着剤で貼合わせて、複
数の液体槽と流路とを有するチップ20を構成する。
【0064】また疎水性多孔質膜41が取り付けられて
いるA〜C2槽の近傍には、当該疎水性多孔質膜41を
直線運動しつつ押圧する複数のプランジャーを備える隔
壁変形装置が配されており、その隔壁変形装置は、前記
プランジャーで対応する液体槽A〜C2の疎水性多孔質
膜41を押圧することで、疎水性多孔質膜41を液体槽
A〜C2の内部に向かって突出するように変形させて、
液体槽A〜C2の容積を減少させ、液体槽A〜C2内の希
釈検体及び試薬溶液を搬送用流路a〜c2に押し出すよ
うになっている。
【0065】そして、A槽から押し出された希釈検体
は、混合用流路abでB1,B2槽から押し出された第1
の試薬溶液に挟まれて混合され、さらに下流の混合用流
路abcでC1,C2槽から押し出された第2の試薬溶液
に挟まれて混合され、光学的な方法(例えば色素による
光学的吸収率など)等によって反応の程度が測定可能と
なる。そして、反応後の混合液は廃液溜めであるW槽に
送られるが、W槽には全ての混合液が送られるから、W
槽は十分な容量を有している必要がある。
【0066】なお、図4に示した流路構成は一例であっ
て、搬送用流路aにその他の搬送用流路b1〜c2内の液
体が順次合流する図4のような構造に限らず、図5に示
すように、搬送用流路a内の液体に搬送用流路b1,c
2内の液体が合流してから搬送用流路c1,b2内の液
体が合流する構造など、その構造は所望により自由に設
計可能である。多種類の液体を混合する等の用途によっ
ては、混ぜ合わせ順序を工夫することで、液体同士の混
合進行の程度を調整できる。
【0067】さらに、試薬溶液等を長期にチップ内に保
持しておくことが必要な場合には、予めビニル袋(材質
はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイ
ロン、塩化ビニル等であって、試薬と相互作用しないも
の)などの保存用容器に入れ、チップ40に装着してお
くとよい。そして、分析時に保存用容器から取り出せる
ような機構を設けておけば、分析装置の外部から緩衝液
を供給することなしに、チップ40だけで必要な反応を
行うことができる。また、試薬を乾燥固体としてチップ
40内に封入しておき、チップ40内の水、又は緩衝液
槽からの水や緩衝液を、試薬固体封入場所に所定容積導
入して、所定濃度の試薬とする方法などもある。
【0068】このような構成であれば、外部から微量ポ
ンプや配管を繋ぐような複雑な機構設備などがなくて
も、チップ40内で所望の送液を行うことができる。ま
た、チップ40に配管の接続口など専用の設備を設ける
必要がないため、簡便に低コストでチップ40を作成す
ることができる。さらに、外部から試薬等の液体を供給
することなく反応を実行でき、また、反応後の液体もチ
ップ40内に格納できるから、廃液用の容器等を用意す
る必要がなく、よって、コンタミネーションの防止や分
析装置のメンテナンスフリー化のために有効である。
【0069】また、血液などの試料検体などは、そのま
まチップ40に入れてもよいが、河川の汚濁分析や尿分
析等では、前処理として分子量で分画可能な膜フィルタ
ーなどを用いて濃縮してもよい。また、チップ40にフ
ィルターを設け、試料中のゴミや、血球等を除去してか
ら搬送用流路b1〜c2に導くようにしてもよい。本発
明は、チップ40上に設けられた混合用流路ab,ac
で試薬や試料を混合する流路構成等に関する技術を開示
するものであるが、同一チップ上に、一定量の試料のサ
ンプリングを目的とした流路、単に試薬や試料またはそ
の混合物を移送することのみを目的とした流路、検出を
行うための流路など、異なった操作を主な目的とした流
路を同時に設けても構わない。すなわち、本発明で使用
されるチップ40は、流路が、本実施形態で開示される
ような混合・希釈といった1つの操作を主な目的とした
流路部分から構成されるものであってもよいが、複数の
異なった操作を主な目的とした流路部分を組み合わせて
構成されるものであってもよい。このことにより、単な
る定性分析ではなく、定量分析や反応などを伴うような
高度な分析が可能な装置とすることができる。
【0070】特に生化学検査項目のように、試料と試薬
とを反応後、分離の必要なく検出ができる場合は、分離
のために一定量秤取することなく混合から反応、検出ま
で一貫した流路で連続的に処理が可能である。一般に、
例えば吸収波長の関係で検出すべき成分が他の夾雑物の
妨害なく検出できるときや、試料中の水酸基を酸化して
生成したカルボニル基を分光光度計で検出するときな
ど、検出する物質が変化するときには、分離することな
く、所定の流量比での混合から検出まで一貫した流路で
処理することができる。
【0071】また、本発明のように試料や試薬の混合等
を主な目的とした流路の形状としては、例えば1本の流
路に複数の他の流路を順次合流させる形状としてもよ
く、それらの流路を同時に合流させる形状としてもよ
い。1本の流路に他の流路又は複数の流路を合流させ一
本の流路とすることにより、流路形状のみで混合操作や
希釈操作等を行うことができる。また、各流路の流量を
変えることにより、異なった比率での混合や希釈も可能
であり、その際、合流部分に邪魔板構造を設けたり、合
流部の後に拡散により液を均一化する流路を設けること
が望ましい。液体を均一化する流路部分の形状として
は、直線状の形状、蛇行状や渦巻状に曲げられた形状な
どの形状を挙げることができる。加えて、混合した液体
が所定の反応を行うのに必要かつ十分な時間を確保する
必要があるが、混合後の流速に応じて、合流点から次の
合流点もしくは検出部に至るまでの流路の距離を設定す
ることで、別途反応時間を計測する手段を用いることな
く必要な反応が行える。もちろん、反応に必要な時間に
応じて、液の流れを停止することでも必要な反応を行う
ことも可能であるが、停止させる時間を何らかの手段で
測る必要が生じる。
【0072】さらに、1本の流路が多数本に別れる流路
(分岐)を追加することにより、分流を行うことも可能
であり、希釈や反応を行った後の混合溶液の分配を行う
ことができる。本発明に係る分析装置のチップにおいて
は、試料は適当な手段により制御されて、希釈や他の試
薬との反応が行われる。また、これらの液体の合流など
の操作は、通常タイミングも精度良く制御しなければな
らない。これらの操作を精度良く、簡便に、かつ外部タ
イマーなど余分な装置を用いることなく行うことを、そ
れぞれの液体を所定の流量比率で混合、反応させること
と、所定の流速で流れる合流後の液体に、混合、反応に
必要な時間流動するのに必要かつ十分な長さの混合用流
路ab,abcを与えることとで実現できる。
【0073】バッチ反応での混合比は、流量比に置き換
えることができる。流量比は、例えば液を押し流す圧力
が一定であるなら、溝の圧損を調整することで制御で
き、溝の断面積と長さを変えるなどで容易に設計できる
ので好ましい。溝があまり細いと、貼合わせの際に接着
剤により溝がつぶれたり、小さな不溶物や気泡により送
液が乱されるので好ましくない。また、溝の長さも、チ
ップの面積から自ずと限界はある。
【0074】さらに、液体同士の混合に伴う希釈や反応
の程度を検出する方法としては、光熱変換法の他にも、
蛍光法、吸光度法、化学発光法等の光学的検出方法や、
検出用電極を用いた電気化学的方法等を用いることがで
きる。例えば光学的検出方法においては、測定部の溝の
幅、深さが1-1000μm程度の場合、チップの上下方向の
光路長、つまり液体の流れと垂直または斜め方向の光路
長は溝の深さ程度しか取れないので、光路長が直接感度
に影響する吸光度法を用いるのは有利ではなく、光熱変
換法や蛍光法、化学発光法などが適している。一般に吸
光度法は感度が低いが、十分高濃度のものは、溝の深さ
程度の光路長でも検出可能であるし、またキャピラリの
直線部分などを直接光路として利用することができれ
ば、1-10mm程度の光路長を得ることも可能となり、低濃
度物質でも検出可能である。電気化学的方法としては、
グルコース電極などの物質特異的な酸化還元電位を利用
した電極が用いられる。
【0075】特に、光熱変換法とりわけ熱レンズ法を用
いれば、この程度の光路長でも十分高感度で対象物質の
検出が可能である。光熱変換法は、光路長を長くとるた
めの複雑な流路構造を作る必要がなく安価なチップを用
い、半導体レーザーとフォトダイオードの組み合わせな
ど安価で簡単な光学系の検出装置で検出が可能であり、
好ましい実施態様の一つである。
【0076】以上説明したこの実施形態の分析装置を用
いれば、医療現場でのベッドサイド診断や、外来患者に
受診当日にその日の検査結果を知らせることが可能とな
るため、その結果に基づく治療薬、治療方法の選択を迅
速に行うことができる。また、河川の汚濁、廃棄物中の
有害物質の定量定性分析等も、汚染現場で容易に行うこ
とができる。さらには、輸入食品の通関時の汚染検査
や、調理現場での即時的な分析も可能となる。
【0077】検出対象物質は、化学物質、蛋白、核酸な
ど特に問わないが、環境汚染化学物質、血液・髄液・唾
液や尿中に含まれる生体成分、臓器・組織・粘膜由来の
生体成分、感染源となる菌やウィルスなどの蛋白、DN
A、RNA、アレルゲン、種々の抗原等が対象となりうる。 (実施例1)以下に実施例をあげて、本発明をより具体
的に説明する。
【0078】図6に、チップ,送液用アクチュエータユ
ニット,光学的検出装置など、試料の分析に必要な全て
の装置・機器の全体構成を説明する概念図を示す。図6
は、光学的検出装置のステージ上に前述のような構成の
チップが載置して、チップ上に送液用アクチュエータユ
ニットが装着した状態である。送液用アクチュエータユ
ニットは、ダイアフラム膜を押圧するダイアフラム変形
機構と、ダイアフラム膜を通じた液体槽から外部への気
体の透過を制御する機構とを備えている。そして、図示
しない制御CPUにより制御回路及び駆動回路を介して
送液用アクチュエータユニットの作動を自在に制御し
て、チップ内の液体の送液を行うようになっている。
【0079】また、チップ内での生化学反応過程をモニ
タリングできるように、光熱変換法により濃度検出を行
う検出装置が備えられており、チップにおける液体槽
(試薬用液体槽,検体用液体槽等)や流路の配置がどの
ようなものであっても、送液及び測定が速やかに行える
ようになっている。図7,8に、血液検体と測定用試薬
とを使用して生化学測定項目(コレステロール,グルコ
ースなど)を分析するためのチップ80の流路構成を示
す。
【0080】このチップ80の平板上部材81は、PM
MA(ポリメチルメタクリレート、アクリル樹脂)の射
出成形で製造し、矩形の平板状部材81(厚さ2mm,
縦100mm,横150mm)の一方の面に、深さ50
μm,幅100〜400μmの溝81aを形成した。な
お、平板状部材81の材質としては、PMMAに限られ
るものではなく、ポリカーボネート樹脂やガラスでもよ
い。ガラスの場合は、溝81aはエッチング等により形
成することができる。
【0081】この平板状部材81には、液体槽83を形
成する貫通孔をドリルで設け、また平板状部材81の溝
81aを有する板面に約0.3mmの樹脂製のカバーシ
ート82を貼りつけて、液体Lが通る流路84を形成し
た。カバーシート82を貼りつける際には、接着剤とし
て紫外線硬化樹脂86を用いた。光学的な測定を行うこ
とを考慮すると、光波長,屈折率,透過率等の光学性能
が測定方式に適した材質の接着剤を用いることが好まし
いので、平板状部材81と同じ材質であるアクリル系の
接着剤を用いた。
【0082】また、液体槽83の開口部は、柔軟性,通
気性,耐水性を有するダイアフラム膜85(ポアサイズ
約0.1μm、耐水性10MPaの多孔質PTFE膜
(ADVANTEC社製))で覆われている。ダイアフ
ラム膜85はゴム,ベント膜,樹脂膜等で構成すること
ができるが、空気を透過する性質と液体を透過しない性
質との両方を有する必要がある。このような性質を有し
ていないと、液体槽83の内部に空気が混入するおそれ
があり、ダイアフラム膜85の変形による圧力が混入し
た空気の圧縮に消費されて、精密な送液ができなくなる
という不具合が生じる恐れがあるためである。
【0083】図9に、チップ80に取り付けられたダイ
アフラム膜85を変形させるためのダイアフラム変形機
構を示す。このダイアフラム変形機構は、直線運動して
各ダイアフラム膜85を押圧する複数のプランジャー9
0と、それらのプランジャー90を一体的に動くように
連結する連結部材91と、その連結部材91を押し下げ
る回転モーター92と、その回転モーター92の回転運
動を連結部材91の直線的な上下動に変換するボールね
じ93とを備えている。
【0084】回転モーター92の種類は特に限定される
ものではないが、今回はステップモーター(VEXTA
Model C7214−9015,Oriental
Motor Co.,Ltd.)を使用した。モーター
性能については、本実施形態では、1〜10N程度の推
力を発生することができるならば十分であった。また、
ボールねじ93による変換機構を備えているため、増力
効果及び変位縮小効果が期待でき、高い制御精度は必要
なく、小型であるならば市販のもので問題なく使用でき
る。ボールねじ93による変換機構は、ステッピングモ
ータ駆動用のドライバー(Stepping Moto
r Controller,ModelD70, Sur
uga Seiki)で回転モーター92を駆動する
際、ドライバーからの1パルス信号当たり深さ方向に
0.01μm押し込むことができるよう設計した。
【0085】また、各プランジャー90の直径は、液体
槽83の開口部の直径よりも若干小さく設計しておくと
よい。そうすれば、仮にプランジャー90が液体槽83
の中心位置からずれてセッティングされたとしても、ダ
イアフラム膜85の変形による送液量が変動することは
なく、正確な送液を行うことができる。次に、図9に示
すダイアフラム変形機構を用いて図10のチップ80内
において送液,混合及び分析を行う手順を説明する。
【0086】まず、図10に示すチップ80のA槽に希
釈検体、B1,B2槽に同じ試薬溶液を充填すると共に、
それらA〜B2槽に、図9に示すダイアフラム変形機構
のプランジャー90をそれぞれ配してから、プランジャ
ー90の連結部材91を押し下げた。すると、連結部材
91で連結されているプランジャー90が、複数の隔壁
に押圧力を同時に加え、A〜B2槽のダイアフラム膜8
5が押圧されて、A〜B2槽から希釈検体と試薬溶液と
が押し出され、混合比率が精度よく保たれる。
【0087】ここで、プランジャー90を押し下げたと
きに、図9(b)に示すように、プランジャー90の連
結部材91が傾き、B1槽とB2槽との押圧量に差を生じ
たとする。すると、それらB1,B2槽のうち一方の液体
槽から押し出される液量が減少した分だけ、他方の液体
槽から押し出される液量が増加し、結果として押し出さ
れる試薬溶液の合計量は一定に保たれ、試薬と検体との
混合比は一定に保たれる。それゆえ、本実施形態では、
最大応力が作用するプランジャー90の連結部材91と
ボールねじ93との結合部を、十分な強度を保つために
大きくせずに済み、重くならずに済む。
【0088】また、混合用流路abでは試薬溶液の間に
希釈検体が挟まれて拡散混合され、混合用流路abで検
体と試薬との反応が起こることによって、濃度測定を行
える混合溶液になり、同量の試薬溶液を1つの搬送用流
路で送り出す方法に比べて、それらの液体の拡散混合が
完了するまでに要する時間が1/4程度で済み混合用流
路abが短くて済む。
【0089】そして、図6で説明したような光学測定装
置で濃度測定が行われ、濃度測定が行われた混合液は、
W槽(廃液槽)へ到達し廃液として貯留され、濃度測定
の後のチップ80はそのまま使い捨てにすることができ
るので、分析作業者に検体由来の感染等が発生すること
がない分析システムを構築することが可能である。次
に、実際に検体の分析を行った結果を説明する。検体と
してはキシレンシアノールを用い、PBSで200μm
に希釈したものをサンプルとして用いた。また、試薬溶
液としてはPBSを使用し、図10のチップのB1槽,
B2槽に封入した。なお、ダイアフラム膜85にはPT
FE膜を用い、プランジャー90でPTFE膜を押圧す
ることにより送液を行った。
【0090】また、検出装置としてはステージ上での試
料の取扱いの容易さを勘案し倒立型顕微鏡(IX70、Olym
pus製)を使用した。これは別に落射型の顕微鏡であっ
ても構わない。この顕微鏡は、顕微鏡外の光学系で同軸
にされたレーザー光を導入できるよう改造を加えてあ
る。レーザーは、励起用にはHe−Neレーザー(63
3nm、10mW、エドモントサイエンティフィック
製)を、検出用のプローブ光には半導体レーザー(78
5nm、50mW(PS026−00)、フォトテクニ
カ製)をペルチェ付LDマウント(TC−05、日本科
学エンジニアリング製)に組み込み使用した。ミラー、
ビームエクスパンダー等の光学系はメレスグリオ社製品
で統一した。
【0091】これらレーザーは使用する試薬、生成する
反応物の吸収スペクトルにより適当な周波数のものを利
用すればよい。またレーザーはガス、固体、半導体など
の種類を選ばない。励起用のレーザー光はライトチョッ
パーにより変調された後、ダイクロイックミラーにより
検出用レーザーと同軸にされ、顕微鏡に導かれ試料に照
射される。測定試料を照射した後、同軸にされたレーザ
ー光のうち、励起光のみを選択的にフィルターにより除
去しフォトセンサーに導く。レーザー光受光部分の素子
には、取扱いの簡便性を考えファイバー付きのフォトセ
ンサーアンプ(C6386、浜松ホトニクス社製)を使
用した。このフォトセンサー受光部はピンホールを持つ
カバーで覆われている。フォトセンサーおよびセンサー
アンプからの出力は低雑音プリアンプ(LI−75A、
エヌエフ回路ブロック社製)で増幅した後、ロックイン
アンプに導かれ信号処理が行われる。
【0092】本検出系を用いた検出の手順は以下であ
る。溝パターンを形成してあるチップを倒立顕微鏡のス
テージ上に置く。対物レンズの焦点合わせは励起用レー
ザーを使用しモニター画面を参照しつつ溝パターンの上
辺、下辺の位置での焦点合わせを実施したのちその中間
点をもって溝の中心位置とした。焦点合わせを実施した
後、上記に詳述したような試料と検出用試薬との反応を
行わせ、反応生成物を含む溶液を検出部分に導く。励起
用レーザーはライトチョッパーにより1095Hzに変調
され、溝パターン内反応生成物を励起し発熱過程を生じ
させる。このライトチョッパーによる変調の周波数はSN
比等の影響により変更することも有り得る。この発熱過
程により発生した熱レンズにより検出用レーザーの焦点
位置がずれ、それによりピンホールを通してフォトセン
サーの受光量が発熱量に応じ変化する。測定時、試料の
流れは停止させても、流した状態でも構わないが、本実
施例では流している状態で測定を行った。フォトセンサ
ーからの信号はロックインアンプにより処理されるがこ
こでは時定数として1秒を用い、ライトチョッパーと同
じ周波数1095Hzの信号のみ選択的に出力として用い
た。ロックインアンプの出力電圧は励起光により励起さ
れる反応生成物濃度に比例するため反応生成物の定量化
が可能である。
【0093】さらに、チップの検体用の搬送用流路を幅
100μm、試薬用の搬送用流路を幅400μm、合流
後の混合用流路は幅100μm、それらの流路を深さ5
0μmとし、検体の希釈率の設計値を9.0とした。ま
た、検体用の液体槽の直径は500μm、試薬溶液用の
液体槽の直径は1000μmである。なお、図9に示す
ように、混合用流路cは、搬送用流路b1,b2の合流
した直後の流れの乱れを抑えるため徐々に流路幅を狭め
て、最終的に一定幅となるようにした。
【0094】また、実験系の初期状態として、貫通孔A
に試料(キシレンシアノール)、貫通孔B1,B2にバッフ
ァーを充填する必要があるが、Waste用貫通孔側よりバ
ッファーを導入するとA,B1,B2全てにPBSが充填され
てしまうため、実際の実験系で用いた流路には、貫通孔
Aより延びる流路aとは別に流路dがありシリンジポンプ
に接続されている。流路aを通して他貫通孔にXCが流
れないよう注意しながら流路dを通して貫通孔AにXCを
充填した後、Waste側貫通孔より希釈バッファーである
PBSを残りの流路ならびに貫通孔に充填した。バッフ
ァーでの希釈の程度を調べるために、PBSで希釈され
る前のXCの熱レンズ信号を測定した。その結果は10
4mVであった。
【0095】次に、前述のダイアフラム膜変更のプラン
ジャーをステッピングモータで0.5μm/secで押
し下げた。混合された溶液が測定点に十分到達するに必
要な時間経った後で熱レンズにより測定を行い、その結
果として11.5〜12.0mVが得られた。この分析
の結果、キシレンシアノールの希釈率は8.67〜9.
04であった。この結果から、該チップにより生化学的
測定が実施可能であることが明白となった。 (実施例2)次いで、検出手段としてGC(ガスクロマ
トグラフィー)を用いて分析を行った結果を説明する。
【0096】実験に用いたチップの流路ならびに貫通孔
については、サンプルの採取量を増加させるため、図1
1に示すような構成とし、貫通孔Aの直径は2mm、貫
通孔B1,B2の直径は3mmとして、理論的な希釈率を
4.5倍とした。GCで分離可能な2種類の化合物とし
てエチレングリコール(EG)とプロピレングリコール
(PG)を使用した。EGを貫通孔A、PGを貫通孔B1,
B2にそれぞれ5%(Vol/Vol)水溶液として導入した。ま
た、濃度換算用標準試料としては、EG、PGとも1%
(Vol/Vol)水溶液を用いてGC測定を行った。なお、G
C装置にはHP社6890Aを使用した。実験手順は熱
レンズ法を用いたときと同じであるが、貫通孔のサイズ
が大きくなった分、プランジャーの押し下げ量に対して
押し出される液体の量が増えるので、ステッピングモー
タで押し下げる速度を0.2μm/secとした。その
結果はピーク面積比がEG16.8%に対しPG83.
2%が得られた。これを標準試料でのピーク面積比で補
正すると、絶対量換算体積比EG23.4%、PG7
6.6%となり、混合比は4.35倍であった。この結
果から、該チップにより生化学的測定が実施可能である
ことがより明白となった。
【0097】なお、上記実施の形態は本発明の混合機構
の一例を示したものであり、その構成等を限定するもの
ではない。例えば、上記実施の形態では、板状の部材上
に液体槽や搬送用流路等を形成する例を示したが、例え
ば各々の液体槽が板状の部材と無関係に独立して存在す
るものであってもよく、且つ、その液体槽より延びる搬
送用流路もチューブ状のものであってもよい。
【0098】また、上記実施の形態では、ダイアフラム
膜85を押圧する複数のプランジャー90の連結部材9
1として、図9に示すような棒状の部材を用いた例を示
したが、液体槽の配置等に応じて、例えば図12に示す
ようなT字状の部材を用いてもよく、図13に示すよう
なV字状の部材を用いてもよい。また、図7に示すよう
に、棒状の部材で3個のプランジャー90を連結する例
を示したが、プランジャー90の数を限定するものでは
なく、図14に示すように、液体槽の数に応じて4個以
上のプランジャー90を連結するようにしてもよい。そ
の際、中央に配されている液体槽の位置を基準として、
対称となる位置に当該液体槽を分割して配することで、
押し出される試薬溶液等の量を一定に保つことができ、
試薬溶液と希釈検体との混合比を一定に保つことができ
る。
【0099】
【発明の効果】以上のように、本発明の混合機構は、P
OC分析等をはじめとする種々の分析を行う分析装置に
好適で、小型且つ低コストである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混合機構のチップの構成を説明する断
面図である。
【図2】本発明の混合機構において採用されるダイアフ
ラム機構を説明する断面図である。
【図3】本発明の混合機構のチップの流路構成を説明す
る模式図である。
【図4】実施の形態のチップの構成を説明する模式図で
ある。
【図5】実施の形態のチップの変形例を説明する模式図
である。
【図6】実施の形態の分析装置の全体構成を説明する概
念図である。
【図7】実施例のチップの流路構成を説明する模式図で
ある。
【図8】実施例のチップの構成を説明する断面図であ
る。
【図9】実施例のダイアフラム変形機構の構成を説明す
る断面図である。
【図10】実施例のチップの流路構成を説明する模式図
である。
【図11】実施例のチップの流路構成を説明する模式図
である。
【図12】実施例のダイアフラム変形機構の変形例を説
明する断面図である。
【図13】実施例のダイアフラム変形機構の変形例を説
明する断面図である。
【図14】実施例のダイアフラム変形機構の変形例を説
明する断面図である。
【符号の説明】
1,40,80 チップ 10,81 平板状部材 10a,81a 溝 10b 板面 11,82 カバーシート 12,84 キャピラリ 14,83 液体槽 15,85 ダイアフラム膜 L 液体 90 プランジャー 91 連結部材 92 回転モーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塚本 雅弘 静岡県富士市鮫島2番地の1 旭化成株式 会社内 Fターム(参考) 2G052 AA06 AA28 AA30 AA32 AA39 AB16 AB17 AB22 AD26 AD29 AD46 AD49 CA03 CA04 CA20 FB03 FD01 GA00 GA11 GA23 GA27 GA28 GA29 GA32 HC08 HC29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の搬送用流路を介して複数の液体を
    送り、それらの搬送用流路に連結された混合用流路で当
    該複数の液体を混合する機構であって、 前記搬送用流路のうち少なくとも2つの搬送用流路に同
    じ液体を搬送させ、それら少なくとも2つの搬送用流路
    を、別の液体を搬送する他の搬送用流路を基準として異
    なる側から当該混合用流路に連結したことを特徴とする
    混合機構。
  2. 【請求項2】 前記同じ液体を搬送する少なくもと2つ
    の流路を、前記混合用流路を挟むように異なる側から当
    該混合用流路に連結したことを特徴とする請求項1に記
    載の混合機構。
  3. 【請求項3】 前記複数の液体を、前記搬送用流路に連
    結された複数の液体槽に収納したことを特徴とする請求
    項1又は請求項2に記載の混合機構。
  4. 【請求項4】 前記液体槽を形成する壁体の少なくとも
    一部を、前記液体槽の内部に向かって突出するように変
    形可能な弾性を有する隔壁で構成し、その隔壁で前記液
    体槽の容積を変化させることによって、当該液体槽内の
    液体を当該液体槽に連結された搬送用流路に送ることを
    特徴とする請求項3に記載の混合機構。
  5. 【請求項5】 前記複数の液体槽の隔壁のそれぞれを押
    圧して変形させる複数の隔壁変形手段と、それら複数の
    隔壁変形手段を一体的に動くように連結する連結手段
    と、を備えたことを特徴とする請求項4に記載の混合機
    構。
  6. 【請求項6】 前記同じ液体が収納された少なくとも2
    つの液体槽を、任意の軸を挟んで異なる側に配し、それ
    ぞれの側に配された液体槽における隔壁の実効的重心位
    置を該任意の軸に対して対称の位置に配したことを特徴
    とする請求項5に記載の混合機構。
  7. 【請求項7】 前記混合用流路は、前記液体槽から送ら
    れた液体の均一な混合を促進する混合促進手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記
    載の混合機構。
  8. 【請求項8】 前記液体槽、搬送用流路及び混合用流路
    は一対の平板状部材が貼り合わされて構成されており、
    この一対の平板状部材のうち少なくとも一方は板面に溝
    を備え、前記溝を備えた板面を内側にして貼り合わせる
    ことにより前記搬送用流路及び混合用流路が形成されて
    いることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか
    に記載の混合機構。
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