JP2005030999A - 反応機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】 微量試料の分析,検出を簡便且つ安価に行う分析装置等に好適であり、構造が単純な反応機構を提供する。
【解決手段】 チップには、流路A,B1,B2を合流させて、各流路を流れる液体を混合し反応させる反応機構が備えられている。流路A,B1,B2が合流してなる合流路には、合流した液体を均一に混合する混合領域Mと、混合領域Mで混合した液体の反応を所定の程度まで進行させる反応領域Rと、が連続的に形成されている。
そして、混合領域Mの断面積及び長さは、合流した液体が混合領域Mを通過するために要する時間が、合流した液体が拡散現象によって均一に混合するために必要な時間と同じかそれよりも長くなるように設定されており、反応領域Rの断面積及び長さは、混合領域Mで混合した液体が反応領域Rを通過するために要する時間が、液体の反応を所定の程度まで進行させるために必要な時間と同じかそれよりも長くなるように設定されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液体の混合及び反応を行うことが可能な反応機構に係り、特に、微量試料の分析,検出を簡便に行う分析装置等に好適な反応機構に関する。
医療診断に必要な測定を患者近傍で行うベッドサイド診断用の分析(POC(point of care )分析)や、河川や廃棄物中の有害物質の分析を河川や廃棄物処理場等の現場で行うこと(POU(point of use)分析)や、食品の調理,収穫,輸入の各現場における汚染検査等のような、分析・計測が必要とされる現場もしくは現場の近傍で分析・計測を行うこと(以下、「POC分析等」と総称する)の重要性が注目されている。そして、近年、このようなPOC分析等に適用される検出法や装置の開発が重要視されつつある。このようなPOC分析等は、簡便に短時間で、且つ低コストで行われることが要求される。
従来、微量分析には、試料をキャピラリガスクロマトグラフィー(CGC),キャピラリ液体クロマトグラフィー(CLC)等で分離した後、質量分析計で定量するGC−MS装置やLC−MS装置が広く使用されてきた。しかしながら、これらの分析装置は質量分析計が大型であることと操作が煩雑であることから、患者のベッドサイドや汚染河川,廃棄物処理場近辺等の現場での測定に使用することには適していない。さらに、血液等を試料とする医療診断用途の分析装置は、試料が触れる部分を使い捨てにすることが望ましい。
そこで、これらの問題点を解決するために、従来利用されてきた分析装置を小型化し、極微量の液体試薬を反応させるμTAS(micro total analysis system )の技術をPOC分析等へ応用する検討が進んできた。μTASでは、血液に限らず試料量を微量にするために、10cmから数cm角程度以下のガラス製やシリコン製のチップの表面に溝を形成して、その溝中に試薬溶液や試料を流して分離,反応を行って、微量試料の分析を行っている(特開平2−245655号公報、特開平3−226666号公報、特開平8−233778号公報、 Analytical Chem. 69, 2626-2630 (1997) Aclara Biosciences等)。この技術においては、試料量,検出に必要な試薬量,検出に用いた消耗品等の廃棄物,廃液の量がいずれも少なくなる上、検出に必要な時間もおおむね短時間で済むという利点がある。
本願出願人も、特願平10−181586号明細書(「混合分析装置及び混合分析方法」)、特開2000−2675号公報(「キャピラリ光熱変換分析装置」)、国際公開WO99/64846号公報(「分析装置」)、国際公開WO01/13127号公報(「分析用カートリッジ及び送液制御装置」)等のμTAS関係の発明を出願している。
これらの公報及び出願明細書には、チップとして樹脂製のマイクロチップを用いることや、微量成分の検出法として熱レンズ検出法を用いることなども記載されている。
熱レンズ検出法は、励起光により液体中の試料を励起して、いわゆる熱レンズを形成させ、検出光によりその熱レンズの変化を測定する光熱変換検出法であり、その原理等は以前から知られている(特開昭60−174933号公報、A.C.Boccara et.al.,Appl.Phys.Lett.36,130,1980 、J.Liquid Chromatography 12, 2575-2585(1989) 、特開平10−142177号公報、特開平4−369467号公報、ぶんせきNo.4,280-284,1997、M.Harada,et.al.,Anal.Chem.Vol.65,2938-2940,1993 、川西,他 日本分析化学会第44年会講演要旨集,p119,1995等)。
キャピラリ中の成分を測定する方法としては、熱レンズ検出法の他に蛍光法や吸光度法等も用いることができるが、光路長が短いキャピラリでは、蛍光標識物質の導入等の操作を行うことなく高い感度が実現できるので、熱レンズ検出法が適している。
一方、平板型キャピラリチップ上で微量試料の分析等を行う場合には、試料,試薬の定量的な取り扱い手段のうち、混合・反応などのような液体同士を混ぜ合わせて必要な反応を行わせる技術も重要な技術の一つである。
従来、試料や試薬の混合・希釈は、必要量を量り取って混合槽に相当する流路内に導入し、送液を止め拡散により液体を均一化する方法や、機械的攪拌により液体を均一化する方法等により行われていた。特に、機械的に攪拌する方法(例えば、磁力で攪拌バーを回転させることにより撹拌する方法)は、均一化に時間を要しないので好ましかった。しかし、幅及び深さが数十μm以下である流路内での機械的撹拌は、現実的には困難が伴う。また、超音波振動子等を用いてチップ外部から流路内の液体を能動的に動かして撹拌する方法や、磁気ビーズを外部の磁石等で移動させることによって撹拌する方法等が提案されているが、それぞれ駆動回路及び流路内へのビーズの封入等が必要となる。
また、2液の混合を一定の比率で精密且つ継続的に行うためには、様々な困難を伴う。例えば、量り取った2液を混合する場合には、それぞれ量り取った液体を混合槽に導入する必要があるが、その際に周辺流路との間で漏れ込みや漏れ出しなどが発生して、混合比率の精密さが低下する可能性が高い。周辺からの漏れ込みや漏れ出しを防ぐ目的で、キャピラリ内の試料,試薬の前後を空気層で区切り、液プラグの形状を保ったまま空気圧により移動させた後、混合させる手段も提案されているが(T. S. Sammarcoら,Analytical Methods&Instrumentation. Special Issue μTAS '96, p150-152 )、液プラグ同士を合体させるタイミング合わせや、液プラグ間の空気を除去するためのT字型エアベント流路(R.C. Anderson ら,Technical Digest of Solid-State Sensor and Actuator Workshop(1998)p7-10 )の問題に加え、複雑な手順を要するなど欠点も多い。また、混合槽を用いずにダブルT流路等を用いて量り取った液体同士を混合するため、量り取った液体同士が混合の行われる流路内に同時に導入される必要があり、タイミング合わせ等が難しく、技術的困難を伴う。従来、サンプルの分取は、試料に含まれる微量成分の分離のために電気泳動等によって行われることが多く、精密な混合を行うために行われる例は一般的でないのが実状である。
2液の混合を混合槽を用いることなく行う手段としては、例えばS.C. Jacobson ら(Anal. Chem, 70, 158-162, 1998 )が示したような流路内での拡散による混合が一般的であり、本願出願人出願の国際公開WO99/64846号公報においても同様の手法が用いられている。2液間の拡散を用いて混合を行う場合には、後述するように拡散距離に対する時間の影響が大きいので、拡散のみにより大量の液体同士の混合を行うことは困難であり、その場合は検出法にも様々な制約が発生する。
2液を流路内での拡散を用いて混合する方法として、A. Manz ら(Proceedings of the μTAS'98 Workshop,p235-240(1998)(Kluwer Academic Publishers))は、2液を合流させるためのY字流路を多数並列に並べ、その最下流側に全てのY字合流後の流路が一体となる形の流路を構成し、最終的に2液が横方向に短い距離で互い違いに流れるようにすることにより、拡散距離を短く且つ液量を増やすことを実現している。
しかしながら、上記のような流路構成では、液の導入のためにチップ上で流路を立体的に形成することが必要となるので、チップの製作が複雑となる。さらに、この構成では、3液以上の多種類の液体を混合させるチップの構造はさらに複雑になってしまい、実用に適するチップを製作することは現実的ではない。
また、流路の幅を比較的広くし、混合する2液のうち1液は予め流路内を一定速度で流し、他の1液は流路途中の底面に開けられたスリット又は多数開けたれた孔から導入し、流路の深さ方向に2液を平行に流すことによって拡散する方法が提案されている(例えば、A. Yotsumoto他、Proceedings of the μTAS'98 Workshop,p185-188(1998)(Kluwer Academic Publishers))。しかし、この場合も流路の底面から液を導入する手段を設けなければならないため、チップ構造が複雑となる。
さらに、キャピラリ内での混合を拡散により行う場合には、時間当たりの拡散距離を考慮する必要がある。拡散は、t=L2 /D(t:拡散時間、L:拡散距離、D:拡散係数)という式で表わされるように濃度勾配の関数であり、距離の二乗に反比例するとともに分子量が大きいものほど一般に拡散速度が遅い。例えば、アセトンのように比較的小さい分子が200μm拡散するために必要な時間は10秒以下程度であり、500μm拡散する場合でも流速を選べば100秒程度であるから、チップ上で混合を実現することは十分に可能である。しかしながら、血液に含まれる分子としては比較的大きいウレアーゼが同じ200μm拡散するためには数百秒(キャピラリ内での濃度分布が何%以下であれば均一であると考えるのかでこの値は変化するが、ここでは5%以下とした)が必要とされ、このような場合には、自然の拡散にまかせて混合を行うことは現実的とは言えないことは明らかである。
また、2液を混合する場合に平板型チップを用いている従来技術では、その混合比率が1:1又はそれに近い低い混合比率であることが通常である。特に、拡散のみによって混合を行う場合には、前述のように流路幅に制約があることから流路長が長くなるので、チップの面積に制限がある場合などには高い混合比率は適さない。しかし、実際の医療診断用試薬等の試料においては、1:10、1:20、又はそれ以上の混合比率で混合が行われることもあるので、このような混合比率で合流・拡散のみのよって混合を行うことを考えると、試料用流路幅100μmに対して、合流時の流速を同じに保つとすると試薬用流路幅が1000〜2000μm又はそれ以上となり、合流後の流路幅をそれぞれの合計にすることは拡散に要する時間を考えると現実的なものとは言えない。
また、流路幅を拡散での混合にとって現実的な100〜300μmとした場合は、流速がそれに応じて早くなるため、拡散混合そして反応まで完了させるには必要な流路長を長くすることが必要となる。限られたチップ面積の中に長い流路を設けることは困難であるだけでなく、細く長い流路に液体を流すことに対して圧損が高くなるので、液送りに必要な装置、デバイスに大きな負担を強いることとなり好ましくない。
特に、ここで求められている一定の比率で混合・希釈を行う手段における液送り方法については、シリンジポンプなど従来の液送り法が使用可能である。しかし、POC分野で利用されるようなμTASに適用するには、構造上の複雑さがなく実現のためのコストが安い上なお高精度を保てることが必須である。従来は、例えばE.M.J. Verpoorteら(J. Micromech. Microeng., 4,246-256(1994)) が示しているように、外部ポンプを用いて所定液量を流路内に導入した後に、混合に必要な流路を提供し、その後に測定を実施することが一般的である。そのことを考慮しても、液送り装置に負担を掛けることなく、拡散混合を実現するとともに、チップ面積を有効に活用できる手段が強く求められる。
特開平2−245655号公報 特開平3−226666号公報 特開平8−233778号公報 特願平10−181586号明細書 特開2000−2675号公報 国際公開WO99/64846号公報 国際公開WO01/13127号公報 特開昭60−174933号公報 特開平10−142177号公報 特開平4−369467号公報 Analytical Chem. 69, 2626-2630 (1997) Aclara Biosciences A.C.Boccara et.al.,Appl.Phys.Lett.36,130,1980 J.Liquid Chromatography 12, 2575-2585(1989) ぶんせきNo.4,280-284,1997 M.Harada,et.al.,Anal.Chem.Vol.65,2938-2940,1993 川西ら,日本分析化学会第44年会講演要旨集,p119,1995 T.S.Sammarcoら,Analytical Methods&Instrumentation. Special Issue μTAS '96, p150-152 R.C.Andersonら,Technical Digest of Solid-State Sensor and Actuator Workshop(1998)p7-10 S.C.Jacobsonら,Anal. Chem, 70, 158-162, 1998 A.Manzら,Proceedings of the μTAS'98 Workshop,p235-240(1998)(Kluwer Academic Publishers) A.Yotsumoto 他,Proceedings of the μTAS'98 Workshop,p185-188(1998)(Kluwer Academic Publishers) E.M.J. Verpoorteら,J. Micromech. Microeng., 4,246-256(1994)
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、微量試料の分析,検出を簡便且つ安価に行う定量的化学反応システムを備える小型分析装置(例えばPOC分析等を行う分析装置)等に好適であり、構造が単純な反応機構を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のような構成からなる。すなわち、本発明に係る請求項1の反応機構は、液体が流れる流路の複数を合流点で合流させ、前記合流点で合流した液体を、前記合流点の下流に延びる1本の合流路に一定の流量で流しながら混合して反応させる反応機構であって、前記合流路には、前記合流点で合流した液体を均一に混合する混合領域と、前記混合領域で混合した液体の反応を所定の程度まで進行させる反応領域と、が連続的に形成されていて、前記混合領域の断面積及び長さは、前記合流した液体が前記混合領域を通過するために要する時間が、前記合流した液体が拡散現象によって均一に混合するために必要な時間と同じかそれよりも長くなるように設定されており、前記反応領域の断面積及び長さは、前記混合領域で混合した液体が前記反応領域を通過するために要する時間が、前記混合領域で混合した液体の反応を所定の程度まで進行させるために必要な時間と同じかそれよりも長くなるように設定されていることを特徴とする。
すなわち、本発明は、複数の流路を合流させることによって少なくとも2種の液体を合流させ、合流した液体を下流の合流路に流しながら混合し、さらに液体に含まれる成分同士の反応を行わせる反応機構である。
合流した液体が拡散現象によって均一に混合するためには、液体が合流してから所定の時間(液体の種類や性状等によって決定される)が必要となるが、合流した液体が混合領域を通過するために要する時間が前記所定の時間以上となるように、液体の種類や性状等に応じて混合領域の断面積及び長さが設定されているので、合流した液体は混合領域を通過する間に均一に混合される。
このように、混合領域には、合流した液体が十分に均一に混合するような形状であることが求められ、特に拡散のみによって混合が行われる場合は、流路幅が拡散距離に相当し、液体の流速と拡散に必要な時間とによって決まる流路長をもって混合領域が形成される。
また、混合領域で混合した液体の反応を所定の程度まで進行させるためには、所定の時間(反応する成分の種類や温度等によって決定される)が必要となるが、混合領域で混合した液体が反応領域を通過するために要する時間が前記所定の時間以上となるように、反応する成分の種類や温度等に応じて反応領域の断面積及び長さが設定されているので、混合領域で混合した液体は反応領域を通過する間に、所定の程度まで反応が進行する。
反応領域に導入される液体は、混合領域によって既に十分に混合されているので、反応領域の流路幅や流路断面積に対する制約は混合領域に比べると小さい。よって、反応領域の流路幅や流路断面積は、反応領域を設ける部分の面積,形状に応じて選択することが可能であり、反応を所定の程度まで進行させるためには、選択した流路断面積に対する流速に応じて流路長を設定すればよい。
このような本発明の反応機構は、構造が単純であることに加えて液体の混合及び反応を精密に行うことができるので、微量試料の分析,検出を簡便且つ安価に行う小型分析装置(例えばPOC分析等を行う分析装置)等に好適である。
なお、反応する成分の種類等によっては、液体が合流した直後に反応が開始するので、混合領域においても反応が一部進行する場合もある。しかし、合流した液体が完全に均一に混合されるまでは(すなわち混合領域においては)、混合することを目的とした流路形状とし、それ以降の反応領域においては、混合を考慮する必要がないので、混合領域で混合した液体が反応領域を通過するために要する時間が前記所定の時間以上となるような流路形状とすればよい。すなわち、流路形状(例えば断面積)を自由に設定できるため、スペースをより有効に利用できるように反応領域を形成することが容易となり、流路形状を自由に設定できない場合と比べて有利である。
また、本発明に係る請求項2の反応機構は、請求項1に記載の反応機構において、前記反応領域の平均断面積は前記混合領域の平均断面積よりも大きいことを特徴とする。
すなわち、反応領域では拡散による混合を考慮する必要がないため、混合領域よりも大きな断面積の流路とすることができる。そうすれば、不要な圧損の上昇が抑制されるので、送液装置に対する負担の軽減が可能となる。さらに、流路を広げることによって、微細流路に液体を流す際に問題となる、放物線状の流速分布の影響の低減も期待できる。なお、平均断面積とは、所定の領域における平均的な断面積を意味し、具体的には、所定の領域内の多数の断面を用いて算出した断面積の平均値を意味する。
さらに、本発明に係る請求項3の反応機構は、請求項1又は請求項2に記載の反応機構において、前記反応領域、又は、前記反応領域の下流に延びる流路に、前記反応の結果を測定する測定領域を有することを特徴とする。
このような構成であれば、液体の混合,反応,測定という一連の操作を連続的に行うことができる。よって、微量試料の分析,検出を簡便且つ安価に行う小型分析装置等に、より好適である。
さらに、本発明に係る請求項4の反応機構は、請求項1〜3のいずれかに記載の反応機構において、前記混合領域の幅及び深さは、いずれも500μm以下であることを特徴とする。
混合領域の幅及び深さが500μm超過であると、拡散による混合に長時間を要するという問題や、長い流路が必要となるという問題が生じる場合がある。
さらに、本発明に係る請求項5の反応機構は、請求項1〜4のいずれかに記載の反応機構において、前記複数の流路及び前記合流路は、少なくとも一方がその板面に溝を備えた一対の平板状部材を、前記溝を備えた板面を内側にして貼り合わせることにより形成されることを特徴とする。
このような構成であれば、POC分析等を行う分析装置のような、微量試料の分析,検出を簡便に行う分析装置等に、より好適である。
本発明の反応機構は、混合領域と反応領域と備えており、混合領域の断面積及び長さは、合流した液体が混合領域を通過するために要する時間が、合流した液体が拡散現象によって均一に混合するために必要な時間と同じかそれよりも長くなるように設定されており、また、反応領域の断面積及び長さは、混合領域で混合した液体が反応領域を通過するために要する時間が、混合領域で混合した液体の反応を所定の程度まで進行させるために必要な時間と同じかそれよりも長くなるように設定されている。よって、本発明の反応機構は、構造が単純であることに加えて、液体の混合及び反応を精密に行うことができ、微量試料の分析,検出を簡便且つ安価に行う小型分析装置(例えばPOC分析等を行う分析装置)等に好適である。
本発明に係る反応機構の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。各図においては、同一又は相当する部分には同一の符号を付してある。
POC分析等を行う分析装置に用いるチップは、試料,試薬等の液体が流れる複数の流路を内部に有しており、これらの流路が合流することによって前記液体が混合,反応されるようになっている。このチップは一対の平板状部材から構成されており、一対の平板状部材のうち少なくとも一方には板面に溝が形成されていて、この平板状部材の前記溝を内側にして2つの平板状部材を貼り合わせることによって、流路をなすキャピラリがチップの内部に形成される。
このようなチップは、シリコン,ガラス等の無機材料や有機ポリマーで製造することができる。また、チップの製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、国際公開WO99/64846号公報に記載されている方法を用いることができる。なお、本実施形態においては、流路がチップ内に形成された反応機構について説明するが、本発明の反応機構は、チップ内に形成されたキャピラリで構成されるものに限定されるものではなく、例えば、チップ外に存在するチューブ等の管状部材で構成されるものでもよい。
平板状部材の板面に形成されている溝の断面形状は、特に限定されるものではないが、四角形,三角形等の多角形の形状、半円形、半楕円形等があげられる。また、チップが、何種類かの異なった形状の溝を組み合わせてなる流路を有していてもよい。さらに、溝の上面(開放面)の幅は、溝の下面(底)の幅と同じであるか、又は広くてもよい。
なお、後述する光熱変換法による検出手段による検出を、より簡便に精度良く行うためには、溝の断面形状は四角形であることが好ましい。また、溝の断面の大きさが小さすぎると、微粒子によって液体の流れが乱れるおそれがあることに加えて、圧損が高くなり送液の際に問題が生じるおそれがある。逆に大きすぎると、多くの流路を1つの平板状部材の板面に形成する場合に、平板状部材の板面の面積を大きくしなければならないことに加えて、拡散による混合を行う場合に拡散距離の点で問題が生じる。
チップにおいては、平板状部材に溝を形成する際の加工性も重要な要素である。従来は、平板型のキャピラリチップの基材としてシリコン,ガラス等が使用されて来たが、これはLSIに代表される半導体加工技術をそのまま流用できることに負うところが多い。さらに、近年はシリコン,ガラスに加えて有機ポリマーも基材として使用されるようになってきている。チップに使用される有機ポリマーの種類は特に限定されるものではないが、本出願人出願の国際公開WO99/64846号公報に記載されているものが好適である。
前述のような、溝を有する有機ポリマー製の平板状部材は、平板からの切削加工やレーザー等によるエッチング加工、型内でのモノマーやマクロモノマーのUV硬化や熱硬化、熱可塑性樹脂の溶融加工や塑性加工等の方法により成形できる。良好に使用できる成形加工法としては、前記平板状部材を大量に且つ安価に成形加工できることから、熱可塑性樹脂の溶融加工や塑性加工があげられる。より良好に使用できるのは、金型を用いた熱可塑性樹脂の射出成形法及び/又は圧縮成形法、エンボス成形法である。
また、チップは2枚の平板状部材を貼り合わせて製造するが、その際には、超音波融着、熱融着、ホットメルト接着剤やUV接着剤等の接着剤による接着、粘着剤による粘着、直接圧接、薄い弾性シート,両面テープ等を介しての圧接等の方法により、2枚の平板状部材を一体化する。
2枚の平板状部材のうち少なくとも一方は前述のような溝を有していて、該溝を有する板面を内側にして他方の平板状部材と貼り合わせるが、溝を有していない平板状部材(以降は、カバーシートと記すことがある)の材質は、溝を有する平板状部材に用いられる材質の中から選ぶことができる。2つの平板状部材の材質は、同じでもよいし異なっていてもよい。
平板状部材の厚さは、検出の障害にならなければ特に限定されるものではないが、0.05mmから数mm程度までが好ましい。
また、チップの構成は、加工生産性の点からは、前述のように2枚の平板状部材からなり、その少なくとも一方は溝を有していて、該溝を有する板面を内側にして他方の平板状部材と貼り合わせた構成をとることが好ましいが、貫通溝を有する平板状部材を、他の平板状部材2枚で挟んで溝を形成させた3枚構成とすることも可能である。
空気抜きのための小穴や、液体の導入孔及び導出孔は、前記カバーシートや溝を有する平板状部材に貫通孔を設けることで形成するとよい。特に、カバーシートや溝を有する平板状部材が数mm程度の厚さを有する場合には、該貫通孔が液溜めとなる。
試料と希釈溶液との混合、又は、試料と試薬との反応等をチップ内で行う際には、希釈溶液や試薬溶液はチップの外部から供給してもよい。あるいは、希釈溶液や試薬溶液を封入した袋等の小さい容器(材質はポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエステル,ポリアミド,ポリ塩化ビニル等の樹脂であり、試薬と相互作用しないもの)をチップ内にセットしておき、チップ内に配置した針を袋に外側から押しつけるなどして該袋を破って、希釈溶液や試薬溶液を液溜めに移送してもよい。さらには、固体状の試薬をチップ内に封入しておき、チップ内又は外部の液溜めからの水又は緩衝液を、試薬の封入箇所に所定量導入して溶解し、所定の濃度の試薬溶液とする方法もある。
また、試料はそのままチップに入れてもよい。また、河川の汚濁分析や尿分析等においては、分子量により分画可能な膜フィルター等を用いた試料の濃縮を前処理として行ってもよい。また、チップにフィルターを設け、試料中のゴミや血球などを除去してから、試料をキャピラリに導いてもよい。
チップ内のキャピラリは、試薬や試料の混合,反応を主な目的とした流路部分であるが、チップ全体としての流路構成は、一定量の試料のサンプリングを主な目的とした流路部分、試薬や試料の移送を主な目的とした流路部分、検出を行う流路部分など、部分毎に異なった操作を主な目的とした流路部分からなる。すなわち、本実施形態のチップは、混合・希釈及び反応という操作を主な目的とする流路部分のみを有していてもよいが、各々異なった操作を主な目的とする複数の流路部分を有していてもよい。このことにより、単なる定性分析ではなく、定量分析や反応などを伴うような高度な分析が可能となる。
特に、生化学検査項目のように、試料と試薬とを反応させた後に分離することなく検出ができる場合は、分離のために一定量を秤取することなく混合から反応,検出まで一貫した流路で連続的に処理することが可能である。例えば、吸収波長の関係で検出すべき成分を他の夾雑物の妨害なく検出できる場合や、試料中の水酸基を酸化して生成したカルボニル基を分光光度計で検出するなどのように、検出する物質が変化する場合においては、一般に、分離することなく所定の流量比での混合,反応から検出まで一貫した流路で処理することができる。
また、本発明のような試料や試薬の混合や希釈を主な目的とする流路の形状としては、1本の流路に複数の他の流路を合流させた形状や、複数本の流路を同時に合流させた形状等をあげることができる。1本の流路に他の流路を合流させたり、複数の流路を合流させ一本の流路とすることにより、流路形状のみによって混合操作や希釈操作を行うことができる。
また、合流させる際に各々の液体の流量を変えることにより、異なった比率での混合や希釈を行うことが可能である。この場合に、合流部分に邪魔板構造を設けたり、能動的に液体を均一化するような構造を有する流路を設けたりすると、混合が促進されるため好ましい。ただし、チップの構造が複雑になるという欠点がある。
このような特別のことを行うことなく混合を行わせる手段としては、拡散による混合が最も簡易であるが、前述のように流路幅が広いと均一に混合されるまでに長い時間を要するため、流路を細くする必要がある。そして、細い流路のままで反応まで実施しようとすると、流路全体が長くなってしまう欠点があることも前述の通りである。しかし、一旦均一に混合されれば、その後に流路を広げてもその均一な混合状態には変化がないだけでなく、流速も下がり結果的にチップ面積を有効に利用することが可能である。
それと同時に、流路幅が広くなることで圧損を小さく抑えることが可能であり、さらには微細流路で特に大きな問題となる、壁面近傍で流速が下がることによる流路断面での速度分布(通常は放物線状になる)の影響も、流路断面積を大きくすることによって相対的に抑制することができる。
ただし、合流した後に流路幅を狭い状態にする場合には、流路を細くすることにより流速が早くなる効果を勘案して流路長を設定しないと、流路内で十分均一に混合されない状態で流路幅が広い領域に入ってしまい、正しい混合比率の下での反応を行うことができなくなってしまう点に注意する必要がある。
合流した液体を均一化する流路の形状としては、直線状,蛇行状,渦巻き状等があげられる。加えて、混合した液体が所定の程度まで反応するために必要且つ十分な時間が確保される必要があるが、合流点から次の合流点又は検出部に至るまでの流路の距離を、流路幅を広くすることにより得られる流速に応じて適切に設定することにより、反応時間を計測する手段を別途用いることなく必要な反応を行うことができる。
もちろん、液体の流れを停止させて反応に必要な時間を確保することによっても、必要な反応を行うことは可能であるが、液体の流れを停止させている時間を何らかの手段で測る必要が生じる。なお、液体の流れを停止して反応,測定を行う場合においても、反応領域の流路幅を広くすれば、外乱による液体の振動等による流路内の液体の動きが、流路を狭いままに保つ場合よりも小さいというメリットが得られる。
本実施形態のチップにおいては、試料は適当な手段により制御されて、希釈や他の試薬との反応が行なわれる。また、これらの液体の合流などの操作は、通常は、そのタイミングも精度良く制御しなければならない。これらの操作を精度良く簡便に且つ外部タイマー等の追加の装置を用いることなく行うことを、それぞれの液体を所定の流量比で混合,反応させること、及び、所定の流速で流れる合流後の液体を、混合,反応に必要な時間を確保するために必要且つ十分な長さのキャピラリに流すこと、によって実現できる。なお、本発明においては、流量とは、キャピラリ中を一定時間内に移動する液体の量(体積)を意味する。
バッチ反応における混合比率は、流量比に置き換えることができる。流量比は、例えば液体を押し流す圧力が一定であるならば、溝の圧損を調整することにより制御可能であり、溝の断面積と長さとを変える等の手段により容易に設計できるので好ましい。溝があまり細いと、平板状部材の貼り合わせの際に接着剤等が溝内に入って流路が閉塞したり、小さな不溶物や気泡によって液体の流れが乱れたりするので好ましくない。また、溝の長さも、チップの面積から自ずと限界が生じる。
このようなチップの流路内に所定量の液体を流す方法は、特に限定されるものではないが、例えば、従来から使用されているシリンジポンプに加えて、特願2001−367325号公報に記載の方法、すなわち、液体槽の壁体の一部を構成するダイアフラム膜をプランジャー等で押圧して液体槽の容積を変化させることによって、液体槽に満たされた液体を液体槽に連結された流路に送って流路内の液体を流す方法を採用することも可能である。
このような変形用隔壁膜(ダイアフラム膜)を用いたダイアフラム機構による送液方法について、図1を参照しながら説明する。貫通孔及び溝を有する平板状部材とカバーシートとが貼り合わされて、貫通孔からなる液体槽及び溝からなる流路を有するチップが構成されている。そして、液体槽の開口部は変形用隔壁膜で覆われている(図1の(a)を参照)。変形用隔壁膜を液体槽に向く方向に押圧すると、その変形により液体槽の容積が減少するので、それに伴って生じた圧力が流路内の液体に伝達される。液体は非圧縮性であるため、容積変化の分だけ液体が液体槽から押し出されることとなる(図1の(b)を参照)。
変形用隔壁膜を押圧するシステムとしては、例えば、図2のようなものがあげられる。すなわち、貫通孔の径に見合った直径のプランジャーが固定されたアームを、ダイアフラム膜に対して垂直方向に駆動するシステムである。このようなシステムにより、ダイアフラム膜を変形させて、送液を行うことが可能である。このようなシステムを用いれば、微量ポンプや配管等をチップに接続するというような複雑な機構を採用することなく、チップ内において所望の送液を行うことが可能である。また、チップに配管の接続口など専用の設備を設ける必要がないため、簡便且つ低コストでチップを作製することができる。
また、ダイアフラム膜を、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)製の多孔膜で構成することが好ましい。PTFE製の多孔膜は、空気は透過し液体はその撥水性によって弾くので、ダイアフラム膜が通気性及び耐水性を有する機能膜となる。よって、チップ内に最初に液体を充填する際には、流路内の空気は液体の流入にしたがってダイアフラム膜を透過してチップ外に抜けていく。そして、液体が液体槽に入って完全に満たされた後は、その撥水性により液体がダイアフラム膜を通過することはなく、チップ内に完全に充填された状態にすることができる。ごく一般的に市販されているPTFE製多孔膜の中にも、十数気圧程度の耐水圧を持つものは多いので、十分な性能を備える微量送液機構を構成することは容易である。
このような送液方法によれば、多数の液体槽を有するチップにおいて、全ての液体槽において均等な送液を行うことや、一部の液体槽においてのみ送液を行うことが可能である。
ここで、2種類の液体を混合し反応させる反応機構の一例を、図3を参照しながら説明する。図3においては、アルファベットの大文字によって流路の種類を示し、小文字によってその流路を流れる液体の流量を示す。なお、送液方法は、前述のダイアフラム膜を押圧する方法でもよいし、シリンジポンプを用いる方法のような従来から慣用される方法でも差し支えない。
図3の反応機構は、液体αが流量aで流れる流路Aと、液体βが流量b/2で流れる流路B1及び流路B2と、を合流させて、合流した液体を一定の流量で流しながら、液体αと液体βとを混合し反応させるものである。まず、流路Aと流路B1と流路B2とが合流点Pにおいて合流して、1本の合流路となる。この合流路には混合領域Mが形成されていて、合流した液体αと液体βとが混合領域Mにおいて均一に混合される。さらに、合流路には、混合領域Mの下流側端部に連続して反応領域Rが形成されていて、混合領域Mで均一に混合された液体が反応領域Rにおいて反応する。
混合領域Mの流路形状は、図3のような湾曲状部分と直線状部分とを組み合わせた形状が好適であり、その幅は100μmとなっている。混合領域Mの長さは、液体α,βの種類と混合領域M内での液体の流速とによって決定される。すなわち、液体α,βに含まれる物質の拡散係数を基づいて、拡散による均一な混合に要する時間が求められ、この時間を前記流速で除することによって混合領域Mの長さが求められる。
また、反応領域Rは、図3から分かるように、混合領域Mよりも幅が広く平均断面積が大きい。このことにより、反応領域R内での液体の流速が小さくなるので、混合領域Mのように長い流路としなくても、混合液が反応領域Rを通過するために要する時間を、反応に必要な時間以上となるように設定することができる。
このように、液体を混合する領域と、混合された液体に含まれる成分同士に必要な反応を行わせる領域とを、連続的に配置することに加えて、各領域の形状や長さをその目的に応じたものとすることによって、反応機構を設けるために必要となる面積の低減、送液機構にかかる負担の軽減、及び測定系に与える悪影響の低減が実現される。
次に、2種類の液体を混合し反応させる反応機構の別の例を、図4を参照しながら説明する。図3の反応機構との相違点は、反応領域Rの下流に、反応の結果を測定する測定領域Dが設けられている点である。このような構成により、液体の混合,反応,分析という一連の操作をチップ上で連続的に行うことができる。
また、反応領域Rの平均断面積が混合領域Mの平均断面積よりも大きいことにより、反応領域Rにおいて液体の流速が低減されるので、流速が速いことに起因する測定誤差も低減されることとなる。なお、測定領域Dを配置する位置は、以下の通りである。例えば、行われるべき反応が測定時にはほぼ終了している反応系(エンドポイント法と総称される)については、行われるべき反応が完了するのに必要な時間が経過した後に液体が測定領域Dに到達するように、流速を考慮して反応領域Rの長さを決めて、反応領域Rの下流に測定領域Dを配置すればよい。また、酵素の活性の測定のようなレートアッセイと呼ばれる反応系については、得られる信号値の変化を測定する必要があるため、測定時に液体の流れを停止する必要がある。しかし、その場合でも測定領域Dに達するまでには試薬系の要求する時間は反応させる必要があるため、混合領域Mに加えて必要な形状を有する反応領域Rを設ける必要がある。
液体同士の混合に伴う希釈,反応の程度を検出する方法としては、光熱変換法,蛍光法,吸光度法,化学発光法等の光学的検出方法や、検出用電極を用いた電気化学的方法などを用いることができる。
光学的検出方法においては、チップ面の上下方向(角度は必ずしもチップ面に垂直である必要はない)の光路長、つまり液体の流れ方向に対して垂直方向又は斜め方向の光路長は、流路の深さ程度しか取れないので、測定部の流路の幅及び深さが1〜1000μm程度の場合は、光熱変換法,蛍光法,化学発光法等が適している。吸光度法は一般には感度は低いが、十分高濃度のものであれば、流路の深さ程度の光路長(チップ面に垂直方向の光路など)でも検出可能である。また、液体の流れ方向に光路をとれば(チップ面内での光路)、1〜10mmの光路長を確保できるので、低濃度物質でも検出可能である。
電気化学的方法においては、グルコース電極等の物質特異的な酸化還元電位を利用した電極が用いられる。
前述したように、流路の幅及び深さが1〜1000μm程度の場合は、チップ面の上下方向(角度は必ずしもチップ面に垂直である必要はない)の光路長、つまり液体の流れ方向に対して垂直又は斜め方向の光路長は、流路の深さ程度までしか取れないが、光熱変換法、特に熱レンズ法を用いれば、この程度の光路長で十分高感度に対象物質の検出が可能である。光熱変換法は、光路長を長く取るための複雑な流路構造を採用する必要がないので、チップを安価に製造することができる。また、半導体レーザーとフォトダイオードとの組み合わせなど、安価で簡単な光学系の検出装置で検出が可能である。
以上説明した本実施形態のチップを用いれば、医療現場でのベッドサイド診断が可能となり、また、外来患者に受診当日に検査結果を知らせることが可能となる。よって、治療薬及び治療方法の選択を迅速に行うことができる。また、河川の汚濁の分析や、廃棄物中の有害物質の定量定性分析等も、汚染現場において容易に行うことができる。さらには、輸入食品の通関時の汚染検査や、調理現場での即時的な分析も可能となる。
検出対象物質は特に限定されるものではなく、化学物質,蛋白,核酸等があげられるが、環境汚染化学物質、血液,髄液,唾液,尿に含まれる生体成分、臓器,組織,粘膜由来の生体成分、感染源となる菌,ウィルス等の蛋白、DNA、RNA、アレルゲン、種々の抗原等が対象となりうる。
以下に、さらに具体的な実施例を示して、本発明を説明する。
〔実施例1〕
本実施例においては、反応機構を備えるチップ内においてコレステロール量を測定した例を説明する。送液手段としては、変形用隔壁膜を使用したダイアフラム機構を用い、検出手段としては、微小領域での検出に優れる熱レンズ法を用いた。
(チップの作製について)
板面に溝を有する平板状部材を、メタクリル樹脂(旭化成株式会社製デルペット 80NH)を射出成形することにより成形した。
射出成形の方法としては、樹脂を金型キャビティへ充填する工程中に、キャビティー内に炭酸ガスを存在させ、金型に接する樹脂表面の固化温度を低下させつつ射出成形する射出成形法(特開平10−128783号公報、特開平10−50719号公報を参照)を用いた。ガスとしては、純度99%以上の二酸化炭素を使用した。成形機は、住友重機械工業株式会社製SG50を使用した。
金型表面は、入れ子又はスタンパーで形成され、該入れ子又はスタンパーの表面には微細な溝の形状が加工されている。このスタンパーは、以下のようにして作製したものである。すなわち、必要とする溝を射出成形した際に形成できるパターンのマスクを、シリコンウェハー上に50μmの厚みでコートしたドライフィルムレジスト(DFR)に乗せて露光し、シリコン上にDFRのパターンを形成した。このシリコンウェハーに対してニッケル電鋳を行い、得られた電鋳品をヤスリで研磨して、電鋳品の厚さ,幅,及び長さを金型内に収まるように微調整した。
金型の表面状態の転写性は、光学顕微鏡による観察及びレーザー顕微鏡による形状測定で評価する。また、成形品も、光学顕微鏡による観察、切断断面の溝形状の光学顕微鏡や電子顕微鏡での観察、レーザー顕微鏡による形状測定等で評価する。
チップの構成部材である、板面に溝を有する平板状部材は、以下のようにして射出成形により成形した。金型キャビティの表面温度が80℃の金型内に、二酸化炭素を満たし(圧力は1MPa)、樹脂温度240℃のメタクリル樹脂を射出した。そして、シリンダ内樹脂圧力80MPaで10秒間保圧し、20秒間冷却した後、成形品を取り出した。金型に満たした二酸化炭素は、樹脂充填完了と同時に大気中に開放した。
(反応機構の構造及び液体槽の形成について)
前記チップに備えられた反応機構は、図5に示すように、2本の流路を合流させて各流路を流れる液体を混合して反応させる操作を2回繰り返す構造である。すなわち、液体槽11から延びる流路21と液体槽12から延びる流路22とが、第一合流点P1において合流して1本の第一合流路となり、この第一合流路には混合領域M1及び反応領域R1が連続的に形成されている。そして、反応領域R1の下流の第二合流点P2において、液体槽13から延びる流路23が第一合流路に合流して1本の第二合流路となり、この第二合流路には混合領域M2及び反応領域R2が連続的に形成されている。
ここで、チップに形成された貫通孔(チップの両板面を貫通している孔)からなる液体槽(液溜め)の直径は、液体槽11が500μmで、液体槽12,13が1000μmである。また、各流路の幅は、流路21が100μm、流路22が200μm、第一合流路のうちの混合領域M1が100μmである。さらに、各流路21,22及び混合領域M1の深さは、全て50μmである。この時、流路21,22における液体の流速が同じ値であったとしても、混合領域M1においては同じ幅を有する流路21の3倍の容積の液体が流れるため、流速も3倍となる。よって、この点を考慮して、拡散に必要な時間を合流後に十分に確保できるように、混合領域M1の長さを設定する必要がある。
また、混合領域M1の下流側端部T1において流路幅が拡張され、反応領域R1の幅は300μmとなる。反応領域R1における液体の流速は50μm/sであり、反応領域R1の長さは、反応領域Rを通過する間に液体の反応が所定の程度進行するように設計されている。必要な第一の反応が終了した後、第一合流路は第二合流点P2において流路23と合流して第二合流路となる。流路23は幅200μm、深さ50μmであり、第二合流路に形成された混合領域M2は、幅100μm、深さ50μmである。
流路23における流速は50μm/sであるが、合流によって流量が5倍になるため、混合領域M2における流速は250μm/sと5倍になる。混合領域M2の長さは、拡散混合に必要な距離に設定され、混合領域M2の下流側端部T2において流路幅が拡張され、反応領域R2の幅は500μmとなる。反応領域R2において必要な反応が行われた後、測定領域Dにおいて後述する検出手段により液体の測定が行われ、所定の反応が行われたか否かが評価される。
このような構成の反応機構を備えるチップは、板面に溝を有する平板状部材とメタクリル樹脂シートとを、溝を有する板面を内側にして貼り合わせることにより得られる。この平板状部材は、前述の射出成形法で成形される。そして、ドリル等を用いて前記貫通孔を形成し、十分にバリ取りを施した後に、厚さ300μmのメタクリル樹脂シートを、メタアクリレートモノマーで溶解したアクリル系光硬化性接着剤を用いて接着してチップを完成した。
(送液手段について)
本実施例においては、送液手段としてダイアフラム機構を採用した。完成したチップの貫通孔の開口部を、ベント膜であり且つ前述の送液のための変形用隔壁膜であるダイアフラム膜で覆った。このダイアフラム膜には、孔径が0.1μmである多孔質のPTFE膜(ADVANTEC社製)を使用した。
チップには、ダイアフラム膜を変形させる装置が取り付けてある。この装置は、回転モータからなる動力部と、ダイアフラム膜を押圧するシリンダ機構部と、で構成されており、このシリンダ機構部は、ダイアフラム膜を押圧して変形させるプランジャーと、回転モータの回転をプランジャーの直線運動に変換するボールねじからなる変換機構と、を備えている。
回転モータには、ステッピングモータ(OrientalMotor Co., Ltd.製のVEXTA Model C7214−9015)を用いた。モータ性能については、1〜10N程度の推力が発生すれば十分であり、ボールねじによる変換機構を備えているので、高精度のものは必要ない。よって、なるべく小型のものを選んだ。
また、ボールねじによる変換機構は、ステッピングモータ駆動用のドライバー(Suruga Seiki社製のStepping Motor Controller,Model D70)でモータを駆動する際に、ドライバーからの1パルス信号当たり深さ方向にプランジャーを0.01μm押し込むことができるように設計した。プランジャーの駆動のためのドライバーからのパルスは、20パルス/s=0.2μm/sに設定して、送液を実施した。送液を連続的に行うことにより送液速度が一定となり、それにより液体が流路内を通過する時間が一定となるため、反応の進行の程度が安定する。
なお、本実施例では、液体槽の径の違いによる効果を見るため、できる限り液体槽の径に近い直径を有するプランジャーを使用した。よって、プランジャーの位置が液体槽の開口部からずれないように、注意深くプランジャーを設置した。ただし、プランジャーの直径を液体槽の開口部の直径よりも小さく設計しておけば、仮にプランジャーが液体槽の中心からずれて設置されたとしても、ダイアフラム膜の変形による送液量が変動することはなく、正確な送液が行われる。
(光熱変換検出系の構成)
図6に、測定に使用した光熱変換原理に基づく検出系の構成を示す。
顕微鏡は、ステージ上での試料の取り扱いの容易さを勘案し、倒立型顕微鏡(オリンパス光学工業株式会社製IX70)を使用したが、落射型の顕微鏡であっても差し支えない。この顕微鏡は、顕微鏡外の光学系で同軸にされたレーザー光を導入できるように改造を施してある。レーザーは、励起用にはHe−Neレーザー(633nm、10mW、エドモントサイエンティフィック製)を、検出用のプローブ光には半導体レーザー(780nm、50mW、フォトテクニカ株式会社製PS026−00)を採用し、ペルチェ付LDマウント(日本科学エンジニアリング株式会社製TC−05)に組み込んで使用した。ミラー,ビームエクスパンダー等の光学系は、メレスグリオ株式会社製品で統一した。
これらのレーザーの周波数は、使用する試薬や生成する反応物の吸収スペクトルによって適宜選択すればよい。また、レーザーの種類は特に限定されるものではなく、ガスレーザー,固体レーザー,半導体レーザー等があげられる。
励起用のレーザー光はライトチョッパーにより変調された後、ダイクロイックミラーにより検出用のレーザー光と同軸にされ、顕微鏡に導かれ試料に照射される。試料に照射した後、同軸にされたレーザー光のうち励起光のみを選択的にフィルターで除去しフォトセンサーに導く。
レーザー光受光部分の素子には、取り扱いの簡便性を考えて、ファイバー付きのフォトセンサーアンプ(浜松ホトニクス株式会社製C6386)を使用した。このフォトセンサーの受光部は、ピンホールを有するカバーで覆われている。フォトセンサー及びフォトセンサーアンプからの出力は、低雑音プリアンプ(株式会社エヌエフ回路ブロック製LI−75A)で増幅した後、ロックインアンプに導かれ信号処理が行われる。
このような光熱変換検出系により分析を行った。その手順は以下の通りである。前述のチップを倒立顕微鏡のステージ上に載置した。そして、対物レンズの焦点合わせは、励起用レーザーを使用し、モニター画面を参照しつつ、流路の上辺,下辺の位置での焦点合わせを実施した後に、その中間点を流路の中心位置として行った。
焦点合わせを実施した後、チップ内において前述の試料と検出用試薬とを反応させ、反応生成物を含有する液体を測定領域に導いた。そして、ライトチョッパーにより1095Hzに変調された励起用のレーザー光を、測定領域の液体に照射して、液体中の反応生成物を励起し発熱を生じさせた。このライトチョッパーによる変調の周波数は、SN比等の影響により変更することも有り得る。
この発熱により発生した熱レンズによって検出用のレーザー光の焦点位置がずれるため、その結果ピンホールを通したフォトセンサーの受光量が、発熱量に応じて変化することとなる。測定は、液体の流れを停止させた状態で行ってもよいし、流れている状態で行ってもよいが、本実施例では流れている状態で測定を行った。フォトセンサーからの信号はロックインアンプにより処理されるが、ここでは時定数として1秒を用い、ライトチョッパーと同じ周波数1095Hzの信号のみを選択的に出力として用いた。ロックインアンプの出力電圧は、励起光により励起される反応生成物の濃度に比例するため、反応生成物の定量が可能である。
(測定結果について)
288mg/dlの濃度でコレステロールを含有する標準試料溶液を液体槽11に、コレステロールを検出するための試薬溶液1及び試薬溶液2を液体槽12及び液体槽13に、それぞれピペッターを用いて注意深く充填した。そして、各液体槽11,12,13の開口部を覆うように、PTFE膜をチップに接着した。
前述の送液機構を用いて各液体槽11,12,13内の液体を送液し、各液体を混合し反応させて、熱レンズ法により試料と試薬との反応を分析した。その結果、測定領域Dにおける熱レンズの信号値は7.1mVであった。
次に、144mg/dlの濃度でコレステロールを含有する標準試料溶液を液体槽11に充填した以外は、上記と同様に測定を行った。その結果、測定領域Dにおける熱レンズの信号値は3.5mVであった。先の測定値の約50%の数値であることから、チップに設けられた反応機構において必要な反応が行われたことが確認された。
〔実施例2〕
本実施例においては、喘息薬テオフィリンの測定例を説明する。この喘息薬テオフィリンは、副作用の発生等を防ぐために血中濃度を測定される場合がある。なお、送液手段,検出手段,及びチップの作製方法については、実施例1において使用したものと全く同様である。
(反応機構の構造及び液体槽の形成について)
チップに備えられた反応機構は、図7に示すように、3本の流路を合流させて各流路を流れる液体を混合して反応させる操作を2回繰り返す構造である。すなわち、液体槽15から延びる流路25と、液体槽16Aから延びる流路26Aと、液体槽16Bから延びる流路26Bとが、第一合流点P1において合流して1本の第一合流路となり、この第一合流路には混合領域M1及び反応領域R1が連続的に形成されている。そして、反応領域R1の下流の第二合流点P2において、液体槽17Aから延びる流路27Aと液体槽17Bから延びる流路27Bとが第一合流路に合流して1本の第二合流路となり、この第二合流路には混合領域M2及び反応領域R2が連続的に形成されている。
ここで、チップに形成された貫通孔(チップの両板面を貫通している孔)からなる液体槽(液溜め)の直径は、液体槽15,16A,16B,17A,17Bいずれも2000μmである。また、各流路の幅は、流路25,26A,26B,27A,27B、及び、第一合流路のうちの混合領域M1いずれも100μmである。さらに、各流路25,26A,26B,27A,27B及び混合領域M1の深さは、全て50μmである。この時、流路25,26A,26Bにおける液体の流速が同じ値であったとしても、混合領域M1においては同じ幅を有する流路25の3倍の容積の液体が流れるため、流速も3倍となる。よって、この点を考慮して、拡散に必要な時間を合流後に十分に確保できるように、混合領域M1の長さを設定する必要がある。
また、混合領域M1の下流側端部T1において流路幅が拡張され、反応領域R1の幅は300μmとなる。反応領域R1における液体の流速は50μm/sであり、反応領域R1の長さは、反応領域Rを通過する間に液体の反応が所定の程度進行するように設計されている。必要な第一の反応が終了した後、第一合流路は第二合流点P2において流路27A,27Bと合流して第二合流路となる。流路27A,27Bは幅100μm、深さ50μmであり、第二合流路に形成された混合領域M2は、幅100μm、深さ50μmである。
流路27A,27Bにおける流速は50μm/sであるが、合流によって流量が5倍になるため、混合領域M2における流速は250μm/sと5倍になる。混合領域M2の長さは、拡散混合に必要な距離に設定され、混合領域M2の下流側端部T2において流路幅が拡張され、反応領域R2の幅は500μmとなる。反応領域R2において必要な反応が行われた後、測定領域Dにおいて後述する検出手段により液体の測定が行われ、所定の反応が行われたか否かが評価される。
(測定結果について)
テオフィリンを含有する標準試料溶液を液体槽15に、テオフィリンを検出するための試薬溶液1及び試薬溶液2を液体槽16A,16B及び液体槽17A,17Bに、それぞれピペッターを用いて注意深く充填した。そして、各液体槽15,16A,16B,17A,17Bの開口部を覆うように、PTFE膜をチップに接着した。そして、前述の送液機構を用いて各液体槽15,16A,16B,17A,17B内の液体を送液し、各液体を混合し反応させて、熱レンズ法により試料と試薬との反応を分析した。
なお、プランジャーの駆動のためのドライバーからのパルスは、50パルス/s=0.5μm/sに設定して、送液を実施した。そして、本実施例においては、液体の流れを停止させた状態で測定を行った。すなわち、測定を行うタイミングでプランジャーの駆動を停止して、測定領域Dに滞留する液体の測定を行った。
また、前記試薬には、デイドベーリング社のエミット2000テオフィリンアッセイを用いた。その測定原理は、ホモジニアスエンザイムイムノアッセイである。テオフィリンと試薬とが反応すると、酵素反応により色素が発生し、発生する色素の量はテオフィリン量に比例するので、必要な反応の後に色素量を測定することによりテオフィリン量が測定できる。
液体中の色素量を熱レンズ検出系により測定したところ、得られた熱レンズの信号値は図8のグラフのように変化した。そこで、送液を停止してから送液を再開するまでの間の任意の2分間における信号上昇量を検出値として採用した。
図9は、上記のようにして得た信号値(測定波形)のうち、送液停止の後に信号が上昇した部分のみを抜き出したグラフである。テオフィリン濃度が異なる3種の標準試料溶液(0,10,20μg/ml)について測定を行ったところ、図9から分かるように、テオフィリン濃度に比例して信号値の上昇量が高まった。この結果から、チップに設けられた反応機構において必要な反応が行われたことが確認された。
本発明は、POC分析等に適用可能である。
ダイアフラム膜を用いたダイアフラム機構による送液方法を説明する図である。 ダイアフラム膜を押圧するシステムを説明する図である。 本発明に係る反応機構の一実施形態の構成を説明する図である。 本発明に係る反応機構の別の実施形態の構成を説明する図である。 実施例1のチップに備えられた反応機構の構成を説明する図である。 実施例において分析に使用した光熱変換検出系の構成を示す図である。 実施例2のチップに備えられた反応機構の構成を説明する図である。 実施例2において得られた熱レンズ信号を示す模式図である。 実施例2において得られた熱レンズ信号を示すグラフである。
符号の説明
11,12,13 液体槽
15 液体槽
16A,16B 液体槽
17A,17B 液体槽
21〜23 流路
25 流路
26A,26B 流路
27A,27B 流路
A,B1,B2 流路
P,P1,P2 合流点
M,M1,M2 混合領域
R,R1,R2 反応領域
D 測定領域

Claims (5)

  1. 液体が流れる流路の複数を合流点で合流させ、前記合流点で合流した液体を、前記合流点の下流に延びる1本の合流路に一定の流量で流しながら混合して反応させる反応機構であって、
    前記合流路には、前記合流点で合流した液体を均一に混合する混合領域と、前記混合領域で混合した液体の反応を所定の程度まで進行させる反応領域と、が連続的に形成されていて、
    前記混合領域の断面積及び長さは、前記合流した液体が前記混合領域を通過するために要する時間が、前記合流した液体が拡散現象によって均一に混合するために必要な時間と同じかそれよりも長くなるように設定されており、
    前記反応領域の断面積及び長さは、前記混合領域で混合した液体が前記反応領域を通過するために要する時間が、前記混合領域で混合した液体の反応を所定の程度まで進行させるために必要な時間と同じかそれよりも長くなるように設定されていることを特徴とする反応機構。
  2. 前記反応領域の平均断面積は前記混合領域の平均断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の反応機構。
  3. 前記反応領域、又は、前記反応領域の下流に延びる流路に、前記反応の結果を測定する測定領域を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反応機構。
  4. 前記混合領域の幅及び深さは、いずれも500μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反応機構。
  5. 前記複数の流路及び前記合流路は、少なくとも一方がその板面に溝を備えた一対の平板状部材を、前記溝を備えた板面を内側にして貼り合わせることにより形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反応機構。
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