JP2007229631A - マイクロリアクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】板状のチップの少なくとも一面に流路を設けるとともに、前記流路の一部に、撥水バルブを構成する送液制御部を備え、これにより前記流路内の液体の送液速度、送液タイミングの制御がなされるマイクロリアクタであって、前記送液制御部は、その上流側の前記流路の断面積よりも小さな断面積を有する上流側接続口と、その下流側の前記流路の断面積よりも小さな断面積を有する下流側接続口と、前記上流側接続口と前記下流側接続口とを連通する接続口連通部と、を有し、前記接続口連通部は、断面積が連続的に変化するように構成されている。
【選択図】図3
Description
ンサーなど)を微細化して1チップ上に集積化したシステムが開発されており、このよう
な技術が既に特許文献1などによって開示されている。
このような試薬収容部114内には予め試薬116が封入されており、試薬116は試薬収容部114の両端部に設けられた撥水バルブ100、100によって、試薬収容部114外へと流れ出ないようになっている。
さらに、空気抜き用流路128から空気を追い出しながら分岐流路126に駆動液122が充填されると、空気抜き用流路128は、撥水性により駆動液122の通過を遮断するか、あるいは高い流路抵抗が負荷された状態で微量の駆動液122を流すようになる。
と試薬116との間の空間130に、小さな気泡132が生じてしまう場合がある。
送液のタイミング制御は、制御流路下流側端部110で試薬116が停止していることを前提になされており、このように本来と異なる箇所で試薬116が停止して気泡132が生ずると、送液のタイミングが遅れてしまい正確な送液が行えない問題が生じてしまう。
板状のチップの少なくとも一面に流路を設けるとともに、前記流路の一部に、撥水バルブを構成する送液制御部を備え、これにより前記流路内の液体の送液速度、送液タイミングの制御がなされるマイクロリアクタであって、
前記送液制御部は、
その上流側の前記流路の断面積よりも小さな断面積を有する上流側接続口と、
その下流側の前記流路の断面積よりも小さな断面積を有する下流側接続口と、
前記上流側接続口と前記下流側接続口とを連通する接続口連通部と、を有し、
前記接続口連通部は、断面積が連続的に変化するように構成されていることを特徴とする。
さらに、接続口連通部の断面積が連続的に変化しているため、液体をスムーズに送液することができ、接続口連通部内で試薬や検体などの液体が停止してしまうことを確実に防止することができる。
前記上流側接続口が、
前記下流側接続口の断面積よりも大きな断面積となるように構成されていることを特徴とする。
前記マイクロリアクタが、
試薬または検体を貯蔵する貯蔵部を備え、
前記貯蔵部の一方側と他方側のそれぞれに、前記送液制御部が設けられていることを特徴とする。
<マイクロリアクタ10>
図1は、本発明の実施例におけるマイクロリアクタの上面図、図2は、本発明の実施例におけるマイクロリアクタのチップ面と垂直な部分断面図である。
なお、試薬30は、試薬供給孔11より供給されたものであり、マイクロリアクタ10内に試薬30を供給すると、試薬30は各々の撥水バルブ21、21の直前まで充填されることとなる。
このような微細流路15の下流には、検体収用部(図示せず)が設けられ、この検体収用部(図示せず)に収用された検体と、微細流路15を通過する複数の試薬30が混合された液体とが、さらに混合されるよう構成されている。
そして、マイクロリアクタ10の貯蔵部29の上流には、マイクロポンプユニット50のチップ接続部88と接続するためのポンプ接続部94が設けられている。
チレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネートなどが挙げられる。
マイクロリアクタ10は、流路12が両面に設けられ、両面の流路12が基材14に形成され貫通孔20を介して互いに連通されている。
流路12の高さは、上記の微細流路と、それよりも広幅の流路とに関わらず目的に応じて適宜設定されるが、例えば10μm〜1000μmである。
<撥水バルブ21>
図3は、本発明の実施例における撥水バルブを示した図であり、図3(a)は上面図、図3(b)は図3(a)のX−X線による断面図、図4は、本発明の他の実施例における撥水バルブを示した図であり、図4(a)は上面図、図4(b)は図4(a)のX−X線による断面図、図5は、本発明の実施例におけるマイクロリアクタの貯蔵部および貯蔵部の両端部に設けられた撥水バルブを示した概略上面図である。
なお送液制御部22は、上流側の流路23の断面積よりも小さな断面積を有する上流側接続口26と、下流側の流路24の断面積よりも小さな断面積を有する下流側接続口27と、上流側接続口26と下流側接続口27とを連通する接続口連通部25からなるものである。
接続口連通部25がこのような形状であれば、上流側の流路23の液体28は、上流側接続口26より接続口連通部25内に流入し易くなるため、液体28を上流側接続口26付近で停止させてしまうことなく、確実に下流側接続口27付近で停止させることができる。
<マイクロリアクタ10の製造方法>
図6は、本発明の実施例におけるマイクロリアクタを成形する金型の部分断面図、図7は、本発明の実施例におけるマイクロリアクタを成形する金型の接続口連通部相当部分を示した部分上面図である。
このような金型は、例えばフォトリソグラフィ技術を用いた微細加工で作製した流路を母型として、ニッケル電鋳等で作製される。
また、比較的に流路幅の太い流路パターンは、硬質の金属材料、好ましくは金型鋼を通常の機械加工、例えば数値制御による切削加工などを用いて形成することができる。
本発明においては、図7に示したように、金型における撥水バルブ21の接続口連通部相当部分34の幅t1が30μm〜1000μm、好ましくは40μm〜300μmであるため、樹脂が接続口連通部相当部分34の端部までしっかりと充填されるようになって
いる。
<マイクロポンプユニット50>
図8は、本発明の実施例におけるマイクロリアクタと接続されるマイクロポンプユニットの一例を示した斜視図、図9は、本発明の実施例におけるマイクロリアクタと接続される図8に示したマイクロポンプユニットの断面図である。
例えば、マイクロポンプユニット50およびその制御装置、反応検出用の光学検出装置、温度制御装置、駆動液を収容した駆動液タンクなどを備えた装置本体と、予め試薬を封入したマイクロリアクタ10と、から試料検査装置を構成する場合が挙げられる。
シリコン製基板52と第1ガラス製基板54、および第1ガラス製基板54と第2ガラス製基板56はそれぞれ、陽極接合、拡散接合、熱溶着、接着などによって接合されている。
シリコン製基板52は、シリコンウエハをフォトリソグラフィ技術により所定の形状に加工したものである。
印加された所定波形の電圧により圧電素子70が振動するとともに、加圧室60の位置
におけるシリコンダイヤフラムが振動し、これによって加圧室60の体積が増減する。
例えば、圧電素子70に対する制御電圧を調整することにより、加圧室60の内部へ向かう方向へ素早くシリコンダイヤフラムを変位させて大きい差圧を与えながら加圧室60の体積を減少させ、次いで加圧室60からその外側へ向かう方向へゆっくりシリコンダイヤフラムを変位させて小さい差圧を与えながら加圧室60の体積を増加させると、駆動液は図9において左から右へ向かう方向へ正方向に送液される。
第2ガラス製基板56には、流路72がパターニングされている。一例として、流路72の寸法および形状は、幅が150μm程度、深さが300μm程度の断面矩形状である。
流路72の上流側は、第1ガラス製基板54の貫通孔76を介して、シリコン製基板52に設けられた流路を通りマイクロポンプ58に連通されている。
<マイクロ総合分析システム82>
図10は、本発明の実施例におけるマイクロリアクタを用いたマイクロ総合分析システムの一例を示した斜視図、図11は、図10に示したマイクロ総合分析システムにおけるシステム本体の内部構造図である。
と分析が行われる。このシステム本体84とマイクロリアクタ10とによりマイクロ総合分析システム82が構成される。
この収納体86の内部には、図11に示したように、マイクロリアクタ10に連通させるための流路開口を有するチップ接続部88と、複数のマイクロポンプ(図示せず)とが設けられたマイクロポンプユニット50が配置されている。
収納体86の内部には、所定位置に装着されたマイクロリアクタ10を局所的に加熱もしくは冷却するための加熱・冷却ユニット(ペルチェ素子96、ヒーター98)が設けられている。
マイクロリアクタ10の好ましい一態様では、一つのチップ内において、
・検体もしくは検体から抽出したアナライト(例えば、DNA、RNA、遺伝子)が注入される試料受容部
・検体の前処理を行う検体前処理部
・プローブ結合反応、検出反応(遺伝子増幅反応または抗原抗体反応なども含む)などに用いる試薬が収容される試薬収容部(貯蔵部)
・ポジティブコントロールが収容されるポジティブコントロール収容部
・ネガティブコントロールが収容されるネガティブコントロール収容部
・プローブ(例えば、遺伝子増幅反応により増幅された検出対象の遺伝子にハイブリダイズさせるプローブ)が収容されるプローブ収容部
・各収容部に連通する微細流路
・各収容部および流路内の液体を送液する別途のマイクロポンプに接続可能なポンプ接続部
が設けられている。
PCR増幅法においては、3つの温度間で昇降させる温度管理が必要になるが、マイクロリアクタに好適な温度制御を可能とする流路デバイスが、すでに本発明者らにより提案されている(特開2004−108285号)。
これにより、熱サイクルが高速に切り替えられ、微細流路を熱容量の小さいマイクロ反応セルとしているため、DNA増幅は、手作業で行う従来の方式よりはるかに短時間で行うことができる。
マイクロリアクタ10の微細流路における反応部よりも下流側には、アナライト、例えば増幅された遺伝子を検出するための検出部が設けられている。少なくともその検出部分は、光学的測定を可能とするために透明な材質、好ましくは透明なプラスチックとなっている。
(1a) 検体もしくは検体から抽出したDNA、あるいは検体もしくは検体から抽出し
たRNAから逆転写反応により合成したcDNAと、5’位置でビオチン修飾したプライマーとを、これらの収容部から下流の微細流路へ送液する。
(1b) 検体に存在する抗原、代謝物質、ホルモンなどのアナライトに対する特異的な抗体、好ましくはモノクローナル抗体を含有する試薬を検体と混合する。その場合、抗体は、ビオチンおよびFITCで標識されている。したがって抗原抗体反応により得られる生成物は、ビオチンおよびFITCを有する。
(2) 上記微細流路内にFITCに特異的に結合する抗FITC抗体で表面を修飾した金コロイド液を流し、これにより固定化したアナライト・抗体反応物のFITCに、あるいは遺伝子にハイブリダイズしたFITC修飾プローブに、その金コロイドを吸着させる。
(3) 上記微細流路の金コロイドの濃度を光学的に測定する。
11・・・試薬供給孔
12・・・流路
13・・・合流部
14・・・基材
15・・・微細流路
16・・・被覆基材
18・・・被覆基材
20・・・貫通孔
21・・・撥水バルブ
22・・・送液制御部
23・・・上流側の流路
24・・・下流側の流路
25・・・接続口連通部
26・・・上流側接続口
27・・・下流側接続口
28・・・液体
29・・・貯蔵部
30・・・試薬
34・・・接続口連通部相当部分
50・・・マイクロポンプユニット
52・・・シリコン製基板
54・・・第1ガラス製基板
56・・・第2ガラス製基板
58・・・マイクロポンプ
60・・・加圧室
62・・・第1流路
64・・・第2流路
66・・・第1液室
68・・・第2液室
70・・・圧電素子
72・・・流路
74・・・開口
76・・・貫通孔
80・・・開口
82・・・マイクロ総合分析システム
83・・・表示部
84・・・システム本体
85・・・搬送トレイ
86・・・収納体
87・・・挿入口
88・・・チップ接続部
90・・・光源
92・・・検出器
94・・・ポンプ接続部
96・・・ペルチェ素子
97・・・駆動液
98・・・ヒーター
99・・・駆動液タンク
t1・・・接続口連通部相当部分の幅
100・・・撥水バルブ
102・・・上流側の流路
104・・・下流側の流路
106・・・送液制御流路
108・・・制御流路上流側端部
110・・・制御流路下流側端部
112・・・液体
114・・・試薬収容部
116・・・試薬
118・・・開口
120・・・流路
122・・・駆動液
124・・・分岐点
126・・・分岐流路
128・・・空気抜き用流路
130・・・空間
132・・・気泡
200・・・金型
202・・・送液制御流路相当部分
204・・・先端部
300・・・樹脂
Claims (3)
- 板状のチップの少なくとも一面に流路を設けるとともに、前記流路の一部に、撥水バルブを構成する送液制御部を備え、これにより前記流路内の液体の送液速度、送液タイミングの制御がなされるマイクロリアクタであって、
前記送液制御部は、
その上流側の前記流路の断面積よりも小さな断面積を有する上流側接続口と、
その下流側の前記流路の断面積よりも小さな断面積を有する下流側接続口と、
前記上流側接続口と前記下流側接続口とを連通する接続口連通部と、を有し、
前記接続口連通部は、断面積が連続的に変化するように構成されていることを特徴とするマイクロリアクタ。 - 前記上流側接続口が、
前記下流側接続口の断面積よりも大きな断面積となるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロリアクタ。 - 前記マイクロリアクタが、
試薬または検体を貯蔵する貯蔵部を備え、
前記貯蔵部の一方側と他方側のそれぞれに、前記送液制御部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロリアクタ。
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