JP2007225438A - マイクロ流体チップ - Google Patents

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Kusunoki Higashino
楠 東野
Yasuhiro Santo
康博 山東
Akihisa Nakajima
彰久 中島
Yoichi Aoki
洋一 青木
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Abstract

【課題】複数の流体の混合を効率的に実現するマイクロ流体チップを提供する。
【解決手段】複数の流路ならびに該流路から送液される2以上の液体が合流して混合される合流部とを有するマイクロ流体チップであって、合流する流路と該合流部との間に介在し、それらと連通する撥水バルブがそれぞれに設けられ、それらの撥水バルブは、繋がる流路よりも流路断面積が小さく、送液圧力が予め決められた圧力以下では液体の通過を遮断し、該圧力を超える送液圧力が加わると液体を通過させる送液制御通路であり、該撥水バルブが該合流部と直結されている。該合流部が、合流する流路よりも大きい空間からなり、直結された前記撥水バルブとを結ぶ各直線上のすべての点を含み、かつ、隣接する撥水バルブ間の距離の1/2よりも、撥水バルブから該送出流路の始点までの距離の方が長くなっている形状が好ましい。
【選択図】図1

Description

近年、マイクロマシン技術および超微細加工技術を駆使することにより、従来の試料調製、化学分析、化学合成などを行うための装置、手段(例えばポンプ、バルブ、流路、セ
ンサーなど)を微細化して1チップ上に集積化したシステムが開発されている(特許文献
1)。これは、μ−TAS(Micro total Analysis System)、バイオリアクタ、ラブ・
オン・チップ(Lab-on-chips)、バイオチップとも呼ばれ、医療検査・診断分野、環境測定分野、農産製造分野でその応用が期待されている。現実には遺伝子検査に見られるように、煩雑な工程、熟練した手技、機器類の操作が必要とされる場合には、自動化、高速化および簡便化されたミクロ化分析システムは、コスト、必要試料量、所要時間のみならず、時間および場所を選ばない分析を可能とすることによる恩恵は多大と言える。
各種の分析、検査ではこれらの分析用チップにおける分析の定量性、解析の精度、経済性などが重要視される。そのためにはシンプルな構成で、高い信頼性の送液システムを確立することが課題である。精度が高く、信頼性に優れるマイクロ流体制御素子が求められている。これに好適なマイクロポンプシステムおよびその制御方法を本発明者らはすでに提案している(特許文献2〜4)。
上記ミクロ化分析システムにおいて、複数の液体、例えば試薬、試料をチップ内の微細流路で混合することが、ほとんど例外なく必要な工程として組み込まれる。従来、2以上の液体を所定の混合比で混合させる場合、混合比を安定化させ、均一な混合を速やかに達成することが必要とされる。
高い信頼性の送液システムを確立するためには、精度が高く、信頼性に優れるマイクロポンプの使用とともに、混合流路内において気泡の発生を抑制でき、その介入を最小限に留めることが必須であり、そのための送液技術の開発が要請されている。
特開2004-28589号公報 特開2001-322099号公報 特開2004-108285号公報 特開2004-270537号公報
複数の液体を混合する場合、一方の液体を他方の液体に合流させるとその際に気泡が混入しやすい。合流部の少し手前で、例えば両液を撥水バルブでそれぞれ止めて、マイクロポンプで同時に合流部へ送液したとしても、撥水バルブの形状精度、濡れ性のばらつきなどの影響を受けて合流のタイミングがずれてしまうということが起こる。いずれの場合にも合流部に気泡が溜まってその気泡が送液と混合を妨害するという問題点があった。
本発明はこれらの実状に鑑みてなされたものであり、2種類以上の液体を所定の混合比で混合させる場合に、それぞれの液体を送出するマイクロポンプの駆動電圧を変えることなく、正確に2液体の安定的な混合比を確保できることを課題とする。
本発明のマイクロ流体チップは、合流する複数の流路ならびに該流路から送液される2以上の液体が合流して混合される合流部を有するマイクロ流体チップであって、合流する流路と該合流部との間に介在し、それらと連通する撥水バルブがそれぞれに設けられ、
それらの撥水バルブは、繋がる流路よりも流路断面積が小さく、送液圧力が予め決めら
れた圧力以下では液体の通過を遮断し、該圧力を超える送液圧力が加わると液体を通過させる送液制御通路であり、
該撥水バルブが該合流部と直結されていることを特徴としている。
合流した液体をさらに下流に送出するための送出流路が前記合流部に直結されており、該合流部が、合流する流路よりも大きい空間からなり、直結された前記の各撥水バルブの出口点の間を結ぶ直線上のすべての点を含み、かつ、隣接する撥水バルブ間の距離の1/2よりも、撥水バルブから該送出流路の始点までの距離の方が長くなっている形状が好ましい。
前記の複数の流路は、前記チップとは別途のマイクロポンプとそれぞれ個別に連通しており、マイクロポンプを駆動することによりそれぞれの流路から合流部へ各液体が送液され、
そのマイクロポンプが、
流路抵抗が差圧に応じて変化する第一流路と、
差圧の変化に対する流路抵抗の変化の割合が該第一流路よりも小さい第二流路と、
該第一流路および該第二流路に接続された加圧室と、
該加圧室の内部の圧力を変化させるためのアクチュエータと
を備えたピエゾポンプであること望ましい。
上記マイクロ流体チップは、前記撥水バルブのうちの少なくとも一つのバルブから、該バルブに連結する流路からの液体を前記合流部が埋まらない程度の量だけ送出し、その後に別の流路から合流部へ送液を行なうようにしたものであってもよい。
また、前記の複数の流路が直線流路と分岐流路とからなり、分岐流路と直線流路との間に介在する撥水バルブが直線流路の側壁に直接接続しており、
分岐流路の液体が該撥水バルブまで送液された後、直線流路の液体が該撥水バルブ部を超える位置まで送液され、次いで直線流路と分岐流路の双方から同時に送液して合流混合させるようにしたマイクロ流体チップであってもよい。
本発明の方法は、合流する複数の流路が直線流路と分岐流路とからなり、分岐流路と直線流路との間に介在する撥水バルブが直線流路の側壁に直接接続しているマイクロ流体チップにおいて、
分岐流路の液体が該撥水バルブまで送液された後、直線流路の液体が該撥水バルブ部を超える位置まで送液され、次いで直線流路と分岐流路の双方から同時に送液することにより、両流路からの液体を該直線流路の下流で混合させる方法である。
あるいは、合流する複数の流路ならびに該流路から送液される2以上の液体が合流して混合される合流部を有しており、さらに該合流部に直結する撥水バルブを合流する流路と該合流部との間に介在させているマイクロ流体チップにおいて、
該撥水バルブのうちの少なくとも一つのバルブから、該バルブに連結する流路からの液体を前記合流部が埋まらない程度の量だけ送出し、その後に別の流路から合流部へ送液を行なうことにより、両流路からの液体を該合流部の下流で混合させる方法でもよい。
本発明のマイクロ分析システムは、
マイクロポンプに連通させるための流路開口を有するポンプ接続部と、該ポンプ接続部を介してマイクロポンプの働きにより液体が流通する複数の流路と、2以上の該流路から送液されて来た液体が合流する合流部とが少なくとも設けられ、さらに該合流部に直結する撥水バルブを合流する流路と該合流部との間に介在させているマイクロ流体チップと、
システム本体と、
を備え、そのシステム本体は、少なくとも
ベース本体と、
そのベース本体内に配置され、該チップに連通させるための流路開口を有するチップ接続部と、複数のマイクロポンプとを含むマイクロポンプユニットと、
検出処理装置と、
少なくとも該マイクロポンプユニットの機能と該検出処理装置の機能とを制御する制御装置と、
を備え、
該チップ上で、2以上の液体を該合流部で混合させることを特徴としている。
複数の液体を複数の流路から合流させて混合する場合、液体の先頭部を合わせて合流部へ同時に送液しても、合流のタイミングがずれることにより合流部に気泡が溜まり、その気泡が送液と混合を妨害するという問題があった。本発明のマイクロ流体チップでは、合流部に気泡を混入させないようにし、液体の混合に空気が絡んでくることがないので混合がうまく行なわれる。混合の妨げとなる気泡の介入を防ぐ結果、送液安定性が向上し、混合流路の全域において均一な濃度となる混合を実現することができる。特に混合比が1:1からかけ離れた高い比率であっても、混合流路全域にわたって2液体の安定的な混合を達成できる。
本発明により、シンプルな構成で、複数液体の安定的かつ精度の高い混合を実現し、効率良く迅速な分析のためのマイクロ分析システムを提供する。
〔発明の詳細な説明〕
本明細書において「流路」とは、マイクロ流体チップ内に形成された微小な管状流路のことであり、「微細流路」ということもある。試薬類などの収容部、反応部位もしくは検出部位が、広幅の液溜め状に形成されている場合にも、これらを含めて「流路」ということもある。かかる流路を流通する液体として、各種の試薬類、試料液、変性剤液、洗浄液、駆動液などが該当する。
・マイクロ流体チップ
本発明のマイクロ流体チップは、一般にマイクロリアクタ・チップ、分析チップなどとも称されるものと同等である。本マイクロ流体チップは、化学分析、各種検査、試料の処理・分離、化学合成などに利用される。そのチップは、縦横のサイズが、通常、数十mm、高さが数mm程度であり、微細加工技術によりマイクロオーダーサイズの幅および高さを有する微細流路をその上に溝状に形成したものである。
チップの材料として、様々な成形材料が使用可能であり、個々の材料特性に応じて使用される。本発明のマイクロ流体チップの基本構造は、プラスチック樹脂、ガラス、シリコンなどの1以上の成形材料を適宜組み合わせて作製され、少なくとも2つの基板で本体が構成されるチップタイプのマイクロリアクタである。本発明のチップにおける好ましいその構造は、溝形成基板および被覆基板なる基本的基板を用いて、チップエレメントとして、ポンプ接続部、弁基部および液溜部(例えば、試薬収容部、検体収容部、反応部、廃液貯留部)などの構造部を形成するとともに、微細流路が少なくとも該溝形成基板上に形成されている。該溝形成基板における、少なくともこれらの構造部、流路、さらに必要であれば検出部を、(少なくとも検出部では光透過性である)被覆基板を密着させて覆う。
・流路
マイクロ流体チップの流路は、基板上に目的に応じて予め設計された流路配置に従って、形成される。液体が流れる流路は、例えば幅および深さが数10十〜数百μm、好ましくは幅50〜200μm、深さ25〜300μm程度に形成されるマイクロメーターオーダー幅の微
細流路である。流路幅が50μm未満であると、流路抵抗が増大し、液体の送出および検出上不都合である。幅500μmを超える流路ではマイクロスケール空間の利点が薄まる。
その形成方法は、従来の微細加工技術による。典型的にはフォトリソグラフィ技術による感光性樹脂による微細構造の転写が好適であり、その転写構造を利用して、不要部分の除去、必要部分の付加、形状の転写が行われる。チップの構成要素を型どるパターンをフォトリソグラフィ技術により作製し、このパターンを樹脂に転写成形する。したがって、マイクロ流体チップの微細流路を形成加工する基本的基板の材料は、サブミクロンの構造も正確に転写でき、吸水による流路の変形などが起こりにくく、機械的特性の良好なプラスチックが好ましい。例えばポリスチレン、ポリジメチルシロキサンなどは形状転写性に優れる。必要であれば射出成形、押し出し成形などによる加工も使用してもよい。
さらに微細空間では、流路内面が疎水性である流路が液体の流れを止めたり、緩めたりなどする液体運動の制御に好都合である。そこで微細流路を形成する基板に、微量の検体液が途中でロスすることなく送液されるように、疎水性、溌水性のプラスチック樹脂を使用すれば、流路内を特に撥水コーティングは必要ない。このような材質には、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンビニルアルコール、ポリカーボネートなどの樹脂が例示される。
マイクロ流体チップ上の流路配置では、ポンプ接続部、試薬収容部、反応(検出)部などの構造部が流路で接続されている。さらに複数の流路が互いに結合することにより、複数の液体が合流して混合される。複数の流路の合流部が形成されるほか、複数の流路に分岐する流路もある。
・合流部
本発明のマイクロ流体チップにおいて、複数の流路から送液されてきた複数の液体が、合流部で合流し、この合流部およびそれより下流の送出流路で混合される。これらの複数流路はそれぞれ本チップとは別途のマイクロポンプに個別に連通されており、該マイクロポンプを駆動することによりそれぞれの流路から合流部へ各液体が送液される。各流路から送液されてきた液体は、通常、それぞれ当該合流部に流入する直前で撥水バルブにより止められ、マイクロポンプの作用により所望のタイミングで合流部に送り込まれる。
撥水バルブでそれぞれ止められていた液体を、マイクロポンプで同時に合流部へ送液したとしても、撥水バルブの形状精度、濡れ性のばらつきなどの影響を受けて合流のタイミングがずれてしまうということが起こる。そうした場合に合流部に気泡が溜まってその気泡が送液と混合を妨害するという問題点があった。
本発明のマイクロ流体チップでは、そうした気泡の妨害を受けることなく、2以上の液体を合流部へ流入させ、均一な混合を短時間で達成できる流路の構成を有する。すなわち、本発明のマイクロ流体チップは、
合流する複数の流路ならびに該流路から送液される2以上の液体が合流して混合される合流部を有するマイクロ流体チップであって、合流する流路と該合流部との間に介在し、それらと連通する撥水バルブがそれぞれに設けられ、
それらの撥水バルブは、繋がる流路よりも流路断面積が小さく、送液圧力が予め決められた圧力以下では液体の通過を遮断し、該圧力を超える送液圧力が加わると液体を通過させる送液制御通路であり、
該撥水バルブが該合流部と直結されていることを特徴としている。
上記の合流する複数の流路、合流部、それらの間に介在し該合流部と直結された撥水バルブならびに送出流路の構成を、図1〜図4(流れに平行な断面図)に模式的に示す。
図1は、3液が合流する場合の合流部の態様を示し、3つの流路がそれぞれ撥水バルブを介して共通の合流部に接続している。図2は、2液合流の場合を示す態様である。同様の合流部形状で、2液がうまく合流できる。
図1および図2に示される合流部の形状および構造は、特に限定されないが、好ましくは次のような形状を有することが望ましい。
合流した液体をさらに下流に送出するための送出流路が前記合流部に直結されており、該合流部が、合流する流路よりも大きい空間からなり、直結された前記の各撥水バルブの出口点の間を結ぶ直線上のすべての点を含み、かつ、隣接する撥水バルブ間の距離の1/2よりも、撥水バルブから該送出流路の始点までの距離の方が長くなっている形状である。
「直結された前記の各撥水バルブの出口点の間を結ぶ直線上のすべての点を含み、かつ、隣接する撥水バルブ間の距離の1/2よりも、撥水バルブから該送出流路の始点までの距離の方が長くなっている形状」とは、図1または図2に示す形状が該当するのである。具体的には、各撥水バルブの出口点の間を通る直線がすべて合流部空間内に収まっている。すなわちマイクロ流体チップにおいては、液体が撥水バルブのような狭い流路から広い空間に出てくるときには、液体表面はその流路の出口から等方的に広がって出てこようとする特徴がある。そのため、合流部に直結された各撥水バルブの出口点の間を相互に結ぶ直線がすべて合流部空間内に収まっていれば、それぞれの撥水バルブから送出された液体同士は、たとえ送出タイミングが多少ずれたとしても、概ねその直線上のいずれかの点で最初に接触して合流するので、それらの間に気泡が溜まらないように合流できる。合流部は各撥水バルブ出口点の間を結ぶ各直線上のすべての点を含むために、送液を妨げるような気泡が発生しにくく、また合流部に気泡が溜まりにくい。
ただし、撥水バルブから送出された液体同士が接触するより前にいずれかの液体が送出流路に到達してしまうと、合流部に気泡が溜まってしまうので好ましくない。これを防ぐためには、各撥水バルブから送出流路の始点までの距離は、隣接する撥水バルブ間の距離の1/2よりも長いことが求められる。より好ましくは、各撥水バルブから送出流路の始点までの距離は、隣接する撥水バルブ間の距離よりも長くすると、より確実で効果的である。このように隣接する撥水バルブ間の距離の1/2よりも、撥水バルブから該送出流路の始点までの距離の方が長くなっている構造とすることで、該送出流路は撥水バルブから充分に離れており、合流部に大きな空気が溜まったまま液体だけが先に送出流路に流れ込む可能性は低い。大きな空気が合流部に溜まったままであると、その後の送液が有効に行なわれなくなる危険がある。
このような形状の合流部は、合流する複数の流路と直結せず、それらの間に撥水バルブが介在している構造であること、ならびに複数の流路から送液される液体を収容し、混合するために適切な空間を有することが、合流をうまく行なわせ、混合の妨げとなる気泡の介入を防ぐという利点がある。
本発明において2以上の流路が接続する合流部として、図1および図2に示される合流部の形状は好ましい形態の一例に過ぎず、気泡の発生を抑制し、溜まりにくい構造であれば他の態様もとり得る。
図3は、図1および図2の態様の変形であり、一方の流路(直線流路)に他方の流路(分岐流路)が撥水バルブを介在させて接続しており、その直線流路では、分岐流路と接続する部位以降が、合流部と送出流路を兼ねている形態である。すなわち、合流される流路(直線流路)には明確な区分がなされていないが、機能面から当該撥水バルブの接続部以降で合流部を形成し、その下流側が送出流路となる。図4の形態は、図3に示す構造の変
形例であり、直線流路の分岐流路と接続する部位より下流側に、さらに撥水バルブを設けて、合流部と送出流路とを区別した構造になっている。いずれの場合でも撥水バルブは直線流路の側壁に直接接続する形態となっている。
なお、図3および図4では、1個の分岐流路が直線流路に接続する形態であるが、図1
に対応して、2個以上の分岐流路が、撥水バルブを介在させて直線流路に接続する形態で
あってもよい。この場合でも、その撥水バルブは直線流路の側壁に直接接続している。また、必要に応じて合流部の管径を分岐流路の管径より大きくするなどして、該合流部が、合流する分岐流路よりも大きい空間からなるようにする。
図1〜図4に示される合流部の形態と撥水バルブを合流部に直結させることにより、液体の混合は気泡の妨害作用から回避されるが、気泡が発生しても流路から除去するために適当なところに気泡抜きを設置することが望ましい。
・撥水バルブ
前記合流部に直結される撥水バルブは、合流部に繋がる流路の各々に、その合流部との間に介在する形で設けられる。その構造は、図5に示したような送液制御用の通路であり、正方向への送液圧力が所定圧に達するまで液体の通過を遮断し、所定圧を超える送液圧力を加えることにより液体の通過を許容する。
図5(a)、(b)に示したように、撥水バルブ13は、流路径を絞った部分からなり、これにより、一端側からこの絞り流路(細流路)51に達した液体が、他端側へ通過することを規制している。この絞り流路51は、例えば、両側に直列に連結された縦横が150μm×150μmの流路に対して、縦横が30μm×30μm程度となるように形成される。
液体を、細径の絞り流路51の端部51aから太径の流路15へ押し出すには、表面張力のために所定の送液圧力を要する。したがって、マイクロポンプからのポンプ圧により、液体の停止と通過を制御することができるので、例えば流路の所定箇所において液体の移動を一時止めておき、所望のタイミングでこの箇所から先の流路へ送液を再開することができる。
必要に応じて、絞り流路51の内面に、撥水性のコーティング、例えばフッ素系のコーティングを施してもよい。
このように、合流する流路と合流部とが両側に隣接する流路を直列に連結するように、流路と合流部との間に介在させて形成された細流路(これらの隣接流路における流路軸方向と垂直な断面による断面積よりも小さい断面積を有する)からなり、送液制御機能を有する撥水バルブ部を設けることによって、送液合流のタイミングを制御することができる。
なお、本発明のマイクロ流体チップでは、上記撥水バルブを合流部に直結する態様であることが必要である。これにより、2以上の液体の合流タイミングを制御して、例えば合流する複数の液体の先頭部を合わせることにより、送液安定性を確保することができる。
・複数の液体の混合およびそれらの送液方法
複数の流路を流れる液体が液体合流部に集まって合流し、混合する場合、それらの間の混合比は必要に応じて変えられる。2種類の液体の合流・混合は、具体的には試薬と試薬、または検体と試薬とを流路内で混合する場合が該当する。例えば、検体液と反応試薬液を混合するときには、往々にして後者の方の容量が多い。2つの液体を1:1の混合比で混合する場合には、それぞれの液体を送出するマイクロポンプが同タイプでしかもその駆
動電圧および流通する流路の流路抵抗が略同一であれば、2液体を1:1の割合で合流させればよい。2液体を均一に混合させる際に、正確な混合比が安定して確立されないと、分析の精度にも影響する。正確な混合比を得るには、精密な液体の流量制御および混合方法の面から検討することが必要である。
本発明のマイクロ流体チップにおける液体合流部およびその近傍の構造は、気泡の発生とその送液への悪影響を防止するのに有効な構造を有している。さらに複数の液体を送液して合流させる場合に、気泡の妨害が抑制される後記の送液方法を採用することがより望ましい。混合する液体の粘度の差が大きい、あるいは増幅産物を含む液体のように液体物性(例えば増粘性)が定まらず、不安定である場合には、撥水バルブの送液制御機能にも影響を与え、合流のタイミングがずれてしまう。混合する液体の温度差が気泡発生を誘引することもあり得る。
上記のように合流部に直結させた撥水バルブを有する本発明のマイクロ流体チップにおいて、合流部およびその下流の送出流路に気泡を混入させたり、溜まらせない送液方法も本発明に含まれる。その送液方法を具体的に以下に説明する。
合流する複数の流路が直線流路と分岐流路とからなり、分岐流路と直線流路との間に介在する撥水バルブが直線流路の側壁に直接接続しているマイクロ流体チップにおいて、
分岐流路の液体が該撥水バルブまで送液された後、直線流路の液体が該撥水バルブ部を超える位置まで送液され、次いで直線流路と分岐流路の双方から同時に送液することにより、両流路からの液体を該直線流路の下流で混合させる方法である。
本方法を、具体的な実施態様の例を挙げて説明する。
図6は、図3または図4に示す合流部での送液方法を模式的に説明する。まず、分岐路(下方の流路)から撥水バルブまで送液し、当該撥水バルブまでの分岐路をその液体2で満たす。分岐路の液体が当該撥水バルブで停められている間に、直線流路(図3では合流部と一体になっている)の液体1が、上記撥水バルブを超える位置まで送液され、合流部を満たす。その後、図の直線流路と分岐流路の双方から同時に送液を行なって両液を合流させ、混合させる。
なおこの場合、合流部と送出流路との間にもう一つの撥水バルブを設けた図4の構造であれば、直線流路の液体1がその撥水バルブに停められる。よって図3の構造の場合よりも少ない液体1の量で送液が規制できるので好ましい。
上記の送液方法は、2個以上の分岐流路が、撥水バルブを介在させて直線流路に接続す
る形態であっても同様である。
あるいは別の送液方法として、合流させる液体の一つだけを、当初、合流部に少量流し込む方法をとることもできる。すなわち、
合流する複数の流路ならびに該流路から送液される2以上の液体が合流して混合される合流部を有しており、さらに該合流部に直結する撥水バルブを合流する流路と該合流部との間に介在させているマイクロ流体チップにおいて、
該撥水バルブのうちの少なくとも一つのバルブから、該バルブに連結する流路からの液体を前記合流部が埋まらない程度の量だけ送出し、その後に別の流路から合流部へ送液を行なうことにより、両流路からの液体を該合流部の下流で混合させる方法である。
具体的な実施態様の例で説明する。図7は、図4の構造におけるその方法を説明する図である。液体2を満たした分岐流路から、その液体を送液するポンプの駆動圧力を上げて、液体2を留めている撥水バルブを超えて少量合流部に液体2を流す。次いで、直線流路からの液体1を送液して合流部を満たし、それ後は2つの流路からそれぞれの液体を送液
していく。
図8は、図1における合流部に対応する構造の場合を示している。この場合も、真中の流路からの液体を、当初、少量合流部に流し込む。図2に示す構造の場合も同様にこの方法を実施することができる。
このような送液方法を用いると、試薬の物性が不安定で撥水バルブの液切れが不完全になり、その液体だけ先に少しだけ合流部に送液しておくと、当該液体が合流部に流入しなくなるというリスクを低減せしめることができる。
例えば、検体のDNA,またはポジティブコントロールを含む液体を増幅した場合に、加熱増幅時には液体物性が変化していることもあるために、この方法は有用である。
上記の混合方法では、合流する複数の液体が合流部に同時に送り込まれるのではなく、送液のタイミングをずらしている。このような送液タイミングを調節する方式を可能とするのは、撥水バルブの機能およびその配置(すなわち、流路と合流部間に介在させ、しかも合流部に直結させる構造)によるものである。
図1または図2の構造の合流部では、2以上の液体をそれぞれ所定の流量で合流部内へ合流させた後、例えば一液体を送出するマイクロポンプを、送出方向を順・逆方向と繰り返し切り替えるように駆動し、合流部内の合流した複数の液体を当該合流部内で前後動させて混合を促進してもよい。この前後動により、合流部内の複数の液体は活発に拡散混合される。この際、送出方向を順・逆方向と繰り返し切り替えるマイクロポンプ以外のポンプで送液される流路における撥水バルブは、送液される液体が逆流させないように働くことが望ましい。
なお、他方の液体を送液する流路に逆止弁、能動弁などの弁を設けて、混合時にはそれを閉止するとともに、上記液体を送出するマイクロポンプによって合流部内の合流した複数の液体を前後動させると、混合用の別途のマイクロポンプを流路に配置する必要がない。
このようなマイクロポンプには、図9に示したようなピエゾポンプが好適である。
・マイクロポンプ
マイクロポンプとしては、アクチュエータを設けた弁室の流出入孔に逆止弁を設けた逆止弁型のポンプなど各種のものが使用できるが、ピエゾポンプを用いることが好適である。図9(a)は、ピエゾポンプの一例を示した断面図、図9(b)は、その上面図である。このマイクロポンプには、第1液室48、第1流路46、加圧室45、第2流路47、および第2液室49が形成された基板42と、基板42上に積層された上側基板41と、上側基板41上に積層された振動板43と、振動板43の加圧室45と対向する側に積層された圧電素子44と、圧電素子44を駆動するための駆動部(図示せず)とが設けられている。この駆動部と、圧電素子44表面上の2つの電極とは、フレキシブルケーブルなどによる配線で接続されており、かかる接続を通じて当該駆動部の駆動回路によって圧電素子44に特定波形の電圧を印加する構成となっている。
駆動部からの駆動電圧により、圧電素子44とこれに貼付された振動板43が振動し、これにより加圧室45の体積が増減する。第1流路46と第2流路47とは、幅および深さが同じで、長さが第1流路よりも第2流路の方が長くなっており、第1流路46では、差圧が大きくなると、流路内およびその近傍で乱流が発生し、流路抵抗が増加する。一方、第2流路47では、流路長さが長いので差圧が大きくなっても層流になり易く、第1流路に比べて差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合が小さくなる。
例えば、圧電素子44に対する駆動電圧により、加圧室45の内方向へ素早く振動板43を変位させて大きい差圧を与えながら加圧室45の体積を減少させ、次いで加圧室45から外方向へゆっくり振動板43を変位させて小さい差圧を与えながら加圧室45の体積を増加させると、流体は同図のB方向へ送液される。逆に、加圧室45の外方向へ素早く振動板43を変位させて大きい差圧を与えながら加圧室45の体積を増加させ、次いで加圧室45から内方向へゆっくり振動板43を変位させて小さい差圧を与えながら加圧室45の体積を減少させると、流体は同図のA方向へ送液される。
なお、第1流路と第2流路における、差圧の変化に対する流路抵抗の変化割合の相違は、必ずしも流路の長さの違いによる必要はなく、他の形状的な相違に基づくものであってもよい。
上記のように構成されたピエゾポンプによれば、ポンプの駆動電圧および周波数を変えることによって、所望する流体の送液方向、送液速度を制御できるようになっている。
図9(c)に、このポンプの他の例を示した。この例では、ポンプをシリコン基板71、圧電素子44、および図示しないフレキシブル配線から構成している。シリコン基板71は、シリコンウエハをフォトリソグラフィー技術により所定の形状に加工したものであり、エッチングにより加圧室45、ダイヤフラム43、第1流路46、第1液室48、第2流路47、および第2液室49が形成されている。第1液室48にはポート72が、第2液室49にはポート73がそれぞれ設けられており、例えばこのピエゾポンプをマイクロリタクタチップとは別体とする場合には、このポート73を介してマイクロリアクタチップのポンプ接続部12と連通する(図10)。例えば、ポート72、73が穿孔された基板74と、チップのポンプ接続部近傍とを上下に重ね合わせることによって、ポンプを該チップに接続することができる。また、1枚のシリコン基板に複数のポンプを形成することも可能である。この場合、チップ2と接続したポートの反対側のポートには、駆動液タンク10が接続されていることが望ましい。ポンプが複数個ある場合、それらのポートは共通の駆動液タンクに接続されていてもよい。
上記マイクロポンプと、マイクロ流体チップとの関係を以下説明する。本発明の好ましい態様を示す図11の例では、マイクロポンプは、マイクロ流体チップとは別の装置としてシステム本体に属し、駆動液タンクと連通している。マイクロポンプは、マイクロ流体チップとは、両者が互いに所定の形態で接合したときに、該チップ上のポンプ接続部と連結して該チップの流路と連通するようになる。
図10は、マイクロポンプとしてのピエゾポンプと連通するチップ上のポンプ接続部周辺の構成を示す。この図でマイクロポンプの流体送出のポートからチップの流路へと接続するポンプ接続部12から下流の流路がマイクロリアクタチップ上にある。(a)は駆動液を送液するポンプ部の構成を示し、同図(b)は試薬を送液するポンプ部の構成を示している。ここで、24は駆動液の収容部であり、図11の駆動液タンクに相当する。駆動
液は鉱物油などのオイル系または水系のいずれであってもよい。25は、予め収容された試薬を封止する封止液の収容部である。この封止液は、微細流路への漏出により試薬が反応してしまうこと等を防止するためのものである。
図9(a)(b)に図示されていないが、第1液室48には駆動液タンク10につながるポート72が、第2液室49にはポンプ接続部と連結するポート73が設けられている。第1液室は、「リザーバ」の役割を演じ、ポート72で駆動液タンク10から駆動液の供給を受けている。第2液室は、マイクロポンプユニットの流路を形成し、その流路の先にポート73があり、チップの「ポンプ接続部」12とつながる。
なおマイクロポンプそのものもチップ上に組み込むことも可能である。特にチップ上の
流路が比較的単純であり、反復使用を前提とする目的または用途、例えば化学合成反応用のマイクロリアクタとする場合にはこの形態をとり得る。
・マイクロリアクタとしてのチップ
本発明のマイクロ流体チップの好ましい態様は、各種試薬の収容部(さらに必要であれば検体収容部)およびポンプ接続部を備えており、各収容部内の液体は、マイクロポンプに連通させるための流路開口を有する該ポンプ接続部により各収容部に連通されたマイクロポンプによって所定の部位に送液される。マイクロ流体チップの使用態様として、次のマイクロ分析システムのコンポーネントとして使用されることが望ましい。すなわち、
本発明のマイクロ分析システムは、
チップとは別途のマイクロポンプに連通させるための流路開口を有するポンプ接続部と、該ポンプ接続部を介してマイクロポンプの働きにより液体が流通する複数の流路と、2以上の該流路から送液されて来た液体が合流する合流部とが少なくとも設けられ、さらに該合流部に直結する撥水バルブを合流する流路と該合流部との間に介在させているマイクロ流体チップと、
システム本体と、
を備え、そのシステム本体は、少なくとも
ベース本体と、
そのベース本体内に配置され、該チップに連通させるための流路開口を有するチップ接続部と、複数のマイクロポンプとを含むマイクロポンプユニットと、
検出処理装置と、
少なくとも該マイクロポンプユニットの機能と該検出処理装置の機能とを制御する制御装置と、
を備え、該チップ上で、2以上の液体を該合流部で混合させることを特徴としている。
上記マイクロポンプは、すでに述べたピエゾポンプである。
・好ましい実施形態
次に上記マイクロ分析システムの一実施形態における構成を示した概念図である図11を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図示したようにマイクロリアクタチップとともに、このチップを収容する装置として、反応のための加熱・冷却ユニット(ペルティエ素子、ヒーター)と、送液用マイクロポンプ、駆動液タンクおよびチップ接続部を有するマイクロポンプユニットと、その送液、温度、反応の各制御に関わる制御装置(図示せず)と、光学検出系(LED、ホトダイオードなど)を含み、データの収集(測定)および処理をも受け持つ検出データ処理装置(CPU)とを備えているシステム本体がある。
チップ以外の構成要素については、これらを一体化したシステム装置本体とし、チップをこの装置本体に着脱するように構成することが望ましい。またマイクロポンプとして、通常、形状が略同一の複数のマイクロポンプが装置本体に組み込まれる。これら複数のマイクロポンプと、チップに連通させるための流路開口を有するチップ接続部とを含むマイクロポンプユニットが、本発明システム本体のベース本体内に配置されている。図示したようにチップを該装置本体に装着し、面同士で重ね合わせることによりチップのポンプ接続部を装置本体のマイクロポンプユニットにあるチップ接続部のポートに接続するようになっている。
マイクロポンプを制御する電気制御系統の装置は、流量の目標値および送液のタイミングを設定し、それに応じた駆動電圧をマイクロポンプに供給している。そうした制御を受け持つ制御装置についても、後述するように本発明システムの装置本体に組み込んで、マイクロリアクタチップのポンプ接続部を装置本体のマイクロポンプユニットのチップ接続
部に接続させた場合に作動制御させるようにしてもよい。
光学的検出、データの収集および処理を受け持つユニットである検出処理装置は、例えば可視分光法、蛍光測光法などの手法が適用される場合、その光学的測定の手段として特に限定されないが、LED、光電子増倍菅、フォトダイオード、CCDカメラなどがその構成要素としてシステム装置本体内に適宜設置されることが望ましい。
少なくとも前記マイクロポンプユニットの機能と検出処理装置の機能とを制御する制御装置が本発明システムの装置本体に組み込まれている。その制御装置は、さらに温度管理、測定データの記録と処理なども含めてシステムを統括的に制御支配させてもよい。この場合の制御装置は、予め送液の順序、容量、タイミングなどに関して設定された諸条件を、マイクロポンプおよび温度の制御とともにプログラムの内容としてマイクロ分析システムに搭載されたソフトウェアに組み込まれている。検体の前処理、反応および検出の一連の分析工程は、前記のマイクロポンプ、検出処理装置および制御装置とが一体化されたシステム装置本体にチップを装着した状態で行なわれる。装着したチップに検体を注入してから、あるいは検体を注入したチップを装置本体に装着してから分析を開始してもよい。検体および試薬類の送液、前処理、混合に基づく所定の反応および光学的測定が、一連の連続的工程として自動的に実施され、測定データが、必要な条件、記録事項とともにファイル内に格納される形態が望ましい。
・分析の実施態様
本発明のマイクロ分析システムに用いられる前記マイクロリアクタでは、以下の処理を行なうことによって検体中の標的物質を分析することができる:
該チップのポンプ接続部と前記マイクロポンプユニットのチップ接続部とを液密に密着させた状態で該チップをベース本体内に装着した後、該チップにおいて、
検体収容部に収容された検体または該検体を流路内で処理した処理液に含まれる標的物質と、
試薬収容部に収容された試薬とを、
反応部位を構成する流路へ送液して合流させて、
これらを反応させた後、得られた反応生成物質もしくはその処理物質を、
検出部位を構成する流路へ送液してその検出を前記検出処理装置により行なう。
典型的には、最上流部に位置する複数の試薬収容部に収容された各試薬が試薬収容部より下流側の流路で混合され、混合試薬が下流の分析流路に送液される。分析流路において検体と混合試薬とがY字流路などから合流して混合され、昇温等により反応が開始され、流路下流に設けられた検出部位において反応が検出される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されることはなく、種々の実施の形態において、本発明の趣旨に沿って任意の変形、変更が可能であり、それらは本発明に含まれる。
図1は3液体が3流路から合流し、混合する有様を図示する。 図2は2液体が2流路から合流し、混合する有様を図示する。 図3は直線流路が、分岐流路と撥水バルブを介して接続する態様を示す。 図4は図3の変形例であり、もう一つの撥水バルブを分岐流路が接続する部位より下流に追加した構成を示す。 図5は撥水バルブの構造と機能を示す。 図6は図4の混合部での2種の流体の送液と混合の様式を示す。 図7は、図6の場合と異なる流体の送液と混合の方式を示す。 図8は、図1の場合における図7の方式を示す。 図9(a)は、ピエゾポンプの一例を示した断面図、図9(b)は、その上面図である。図9(c)は、ピエゾポンプの他の例を示した断面図である。 図10は、ピエゾポンプをマイクロリアクタとは別体とした場合におけるマイクロリアクタのポンプ接続部周辺の構成を示した図である。 図11はマイクロ分析システムの一実施形態としての構成を示す。
符号の説明
11 マイクロポンプ(ピエゾポンプ)
12 ポンプ接続部
13 送液制御部(疎水性バルブ)
15 流路
18 試薬収容部
24 駆動液収容部
25 封止液収容部
26 空気抜き用流路
27 液体
41 上側基板
42 基板
43 振動板
44 圧電素子
45 加圧室
46 第1流路
47 第2流路
48 第1液室
49 第2液室
51 絞り流路
51a 絞り流路端部
71 シリコン基板
72 ポート
73 ポート

Claims (8)

  1. 合流する複数の流路ならびに該流路から送液される2以上の液体が合流して混合される合流部を有するマイクロ流体チップであって、合流する流路と該合流部との間に介在し、それらと連通する撥水バルブがそれぞれに設けられ、
    それらの撥水バルブは、繋がる流路よりも流路断面積が小さく、送液圧力が予め決められた圧力以下では液体の通過を遮断し、該圧力を超える送液圧力が加わると液体を通過させる送液制御通路であり、
    該撥水バルブが該合流部と直結されていることを特徴とするマイクロ流体チップ。
  2. 合流した液体をさらに下流に送出するための送出流路が前記合流部に直結されており、該合流部が、合流する流路よりも大きい空間からなり、直結された前記の各撥水バルブの出口点の間を結ぶ直線上のすべての点を含み、かつ、隣接する撥水バルブ間の距離の1/2よりも、撥水バルブから該送出流路の始点までの距離の方が長くなっている形状である、請求項1に記載のマイクロ流体チップ。
  3. 前記の複数の流路は、前記チップとは別途のマイクロポンプとそれぞれ個別に連通しており、マイクロポンプを駆動することによりそれぞれの流路から合流部へ各液体が送液され、
    そのマイクロポンプが、
    流路抵抗が差圧に応じて変化する第一流路と、
    差圧の変化に対する流路抵抗の変化の割合が該第一流路よりも小さい第二流路と、
    該第一流路および該第二流路に接続された加圧室と、
    該加圧室の内部の圧力を変化させるためのアクチュエータと
    を備えたピエゾポンプであることを特徴とする、請求項1または2に記載のマイクロ流体チップ。
  4. 前記撥水バルブのうちの少なくとも一つのバルブから、該バルブに連結する流路からの液体を前記合流部が埋まらない程度の量だけ送出し、その後に別の流路から合流部へ送液を行なうようにした、請求項1〜3のいずれかに記載のマイクロ流体チップ。
  5. 前記の複数の流路が直線流路と分岐流路とからなり、分岐流路と直線流路との間に介在する撥水バルブが直線流路の側壁に直接接続しており、
    分岐流路の液体が該撥水バルブまで送液された後、直線流路の液体が該撥水バルブ部を超える位置まで送液され、次いで直線流路と分岐流路の双方から同時に送液して合流混合させるようにした、請求項1または3に記載のマイクロ流体チップ。
  6. 合流する複数の流路が直線流路と分岐流路とからなり、分岐流路と直線流路との間に介在する撥水バルブが直線流路の側壁に直接接続しているマイクロ流体チップにおいて、
    分岐流路の液体が該撥水バルブまで送液された後、直線流路の液体が該撥水バルブ部を超える位置まで送液され、次いで直線流路と分岐流路の双方から同時に送液することにより、両流路からの液体を該直線流路の下流で混合させる方法。
  7. 合流する複数の流路ならびに該流路から送液される2以上の液体が合流して混合される合流部を有しており、さらに該合流部に直結する撥水バルブを合流する流路と該合流部との間に介在させているマイクロ流体チップにおいて、
    該撥水バルブのうちの少なくとも一つのバルブから、該バルブに連結する流路からの液体を前記合流部が埋まらない程度の量だけ送出し、その後に別の流路から合流部へ送液を行なうことにより、両流路からの液体を該合流部の下流で混合させる方法。
  8. マイクロポンプに連通させるための流路開口を有するポンプ接続部と、該ポンプ接続部を介してマイクロポンプの働きにより液体が流通する複数の流路と、2以上の該流路から送液されて来た液体が合流する合流部とが少なくとも設けられ、さらに該合流部に直結する撥水バルブを合流する流路と該合流部との間に介在させているマイクロ流体チップと、
    システム本体と、
    を備え、そのシステム本体は、少なくとも
    ベース本体と、
    そのベース本体内に配置され、該チップに連通させるための流路開口を有するチップ接続部と、複数のマイクロポンプとを含むマイクロポンプユニットと、
    検出処理装置と、
    少なくとも該マイクロポンプユニットの機能と該検出処理装置の機能とを制御する制御装置と、
    を備え、
    該チップ上で、2以上の液体を該合流部で混合させることを特徴とするマイクロ分析シ
    ステム。
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