JP2018015720A - マイクロ流路チップ及びマイクロ流体の合流方法 - Google Patents

マイクロ流路チップ及びマイクロ流体の合流方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第1のマイクロ流体と第2のマイクロ流体とを合流させることができ、コストの低減を果たし得るマイクロ流路チップの提供。
【解決手段】チップ本体2内に、合流部4、第1のマイクロ流体A及び第2のマイクロ流体Bを送液する入り口側マイクロ流路3a,bと、合流部4で合流されたマイクロ流体Cを送液するための出口側マイクロ流路3eとを有し、第1のマイクロ流体Aを合流部4に流入させる方向に延びる仮想線Xを境にして、合流部4の一方側と他方側とが、空間形状及び状態の少なくとも一方において非対称とされている、マイクロ流路チップ1。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロ流路と合流部とが内部に設けられているマイクロ流路チップ及び該マイクロ流路チップを用いたマイクロ流体の合流方法に関する。
従来、マイクロ流路が設けられているマイクロ流路チップが種々提案されている。例えば下記の特許文献1に記載のマイクロ流路チップでは、複数のマイクロ流路が合流部に接続されている。複数のマイクロ流路から合流部にマイクロ流体を送液するタイミングを揃えるために、合流部の手前において、マイクロ流路の内面が表面処理されている。
特許第3793433号公報
マイクロ流路チップ内において、複数のマイクロ流体を合流させる場合、複数のマイクロ流体の送液方向先端の接触タイミングが一致することが求められる。このタイミングがわずかにでもずれると、気泡を巻き込むおそれがある。気泡が巻き込まれると、送液タイミング、複数のマイクロ流体間の拡散や混合、さらには合流により発生させる反応等に悪影響が生じるおそれがある。
特許文献1に記載のマイクロ流路チップでは、複数のマイクロ流路に表面処理を施すことにより、合流部への到達のタイミングの一致が図られている。しかしながら、タイミングを正確に合わせることは困難であった。また、タイミングを正確に合わせるには、表面処理を高精度に行なわねばならず、また複数のマイクロ流路の形成に際しても、精度を高めねばならなかった。そのため、マイクロ流路チップの製造コストが高くなるという問題があった。
本発明の目的は、複数のマイクロ流体を合流させることができ、かつ製造コストを低減し得る、マイクロ流路チップ及び該マイクロ流路チップを用いたマイクロ流体の合流方法を提供することにある。
本発明に係るマイクロ流路チップは、マイクロ流路及び第1のマイクロ流体と、第2のマイクロ流体とが合流される合流部とを有するチップ本体を備え、前記マイクロ流路が、前記合流部に前記第1のマイクロ流体及び前記第2のマイクロ流体を送液する入り口側マイクロ流路と、前記合流部で合流されたマイクロ流体を送液するための出口側マイクロ流路とを有し、前記第1のマイクロ流体を前記合流部に流入させる方向に延びる仮想線を境にして、前記合流部の一方側と他方側とが、空間形状及び状態の少なくとも一方において非対称とされている。
本発明に係るマイクロ流路チップのある特定の局面では、前記合流部の前記一方側と、前記合流部の前記他方側とが、空間の形状において非対称である。
本発明に係るマイクロ流路チップの他の特定の局面では、前記合流部の前記一方側と、前記合流部の前記他方側との空間の大きさが異なっている。この場合には、空間の大きさを異ならせるだけで、容易に、第1のマイクロ流体を確実に合流部において停止させることができる。
本発明に係るマイクロ流路チップのさらに他の特定の局面では、前記仮想線が横切る前記合流部の端縁と、前記仮想線とのなす角度が、前記仮想線の一方側と他方側とで異なっている。この場合には、合流部の端縁と仮想線とのなす角度を上記のように設定するだけで、第1のマイクロ流体を合流部において確実に停止させることができる。
本発明に係るマイクロ流路チップのさらに他の特定の局面では、前記合流部の端縁と前記仮想線とのなす角度が、前記仮想線の一方側で鋭角であり、他方側で鈍角である。
本発明に係るマイクロ流路チップのさらに他の特定の局面では、前記合流部において、前記仮想線の一方側と、前記合流部の他方側との少なくとも一方に、マイクロ流体の送液を阻害するスペーサが設けられている。
本発明に係るマイクロ流路チップの別の特定の局面では、前記合流部の前記一方側と前記合流部の前記他方側において、前記合流部の内面の粗さが異なっている。すなわち、合流部において、状態としての粗さを異ならせるだけで、第1のマイクロ流体を合流部において先に確実に停止させることができる。
本発明に係るマイクロ流路チップの別の特定の局面では、前記合流部の前記一方側と、前記合流部の前記他方側とで、温度が異なっている。このように、合流部において非対称とされている状態は温度であってもよい。
本発明に係るマイクロ流路チップの別の特定の局面では、前記合流部の前記一方側と、前記合流部の前記他方側とで、水に対する接触角が異なっている。
本発明に係るマイクロ流路チップのさらに他の特定の局面では、前記入り口側マイクロ流路が、前記第1のマイクロ流体を送液するための第1の入り口側マイクロ流路と、前記第2のマイクロ流体を送液するための第2の入り口側マイクロ流路とを有する。
本発明に係るマイクロ流路チップでは、前記入り口側マイクロ流路が同一であり、前記第1のマイクロ流体及び前記第2のマイクロ流体が、単一の入り口側マイクロ流路から合流部に送液されてもよい。
本発明に係るマイクロ流路チップのさらに他の特定の局面では、前記入り口側マイクロ流路が、第1の上流側マイクロ流路部及び第2の上流側マイクロ流路部と、第1,第2の上流側マイクロ流路部の下流端に一端が接続されており、他端が前記合流部に接続されている合流マイクロ流路部とを有する。
本発明に係るマイクロ流路チップのさらに他の特定の局面では、前記チップ本体に固定されており、前記合流部において、前記仮想線の一方側及び他方側の少なくとも一方の温度を調節する温度調節装置がさらに備えられている。
本発明に係るマイクロ流体の合流方法は、本発明に従って構成されているマイクロ流路チップを用いたマイクロ流体の合流方法であって、第1のマイクロ流体を前記入り口側マイクロ流路から前記合流部に送液する工程と、前記合流部において、前記第1のマイクロ流体を停止させる工程と、前記合流部に第2のマイクロ流体を送液し、前記第1のマイクロ流体と合流させる工程とを備える。
本発明に係るマイクロ流体の合流方法のある特定の局面では、前記入り口側マイクロ流路においてガスを用いて前記第1のマイクロ流体を前記合流部側に送液することにより、前記第1のマイクロ流体を前記合流部に送液し、前記ガスを前記合流部において前記第1のマイクロ流体を追い越させて、前記第1のマイクロ流体を停止させる。
本発明に係るマイクロ流路チップ及びマイクロ流体の合流方法によれば、合流部において、先に第1のマイクロ流体を送液し、停止させ、その状態で第2のマイクロ流体を合流部において合流させることができる。従って、第1のマイクロ流体と第2のマイクロ流体とを、合流させることができる。また、合流部において、空間形状及び状態の少なくとも一方において、非対称とする構造を有しておればよいだけであるため、マイクロ流路チップのコストの低減を果たすことができる。
本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流路チップを説明するための断面図である。 第1の実施形態のマイクロ流路チップにおいて、合流部に第1のマイクロ流体を送液し、停止した状態を示す断面図である。 第1の実施形態のマイクロ流路チップにおいて、第1のマイクロ流体に、第2のマイクロ流体を合流し、混合した状態を示す断面図である。 第2の実施形態に係るマイクロ流路チップの構造を説明するための模式図である。 第3の実施形態に係るマイクロ流路チップの構造を説明するための模式図である。 第4の実施形態に係るマイクロ流路チップの構造を説明するための模式図である。 第5の実施形態に係るマイクロ流路チップの構造を説明するための模式図である。 第6の実施形態に係るマイクロ流路チップの構造を説明するための模式図である。 本発明の第7の実施形態に係るマイクロ流路チップを示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るマイクロ流路チップを説明するための断面図である。マイクロ流路チップ1は、チップ本体2を有する。チップ本体2は、特に限定されるわけではないが、合成樹脂からなる。合成樹脂としては、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、(メタ)アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂などの様々な樹脂を用いることができる。好ましくは、透光性樹脂を用いることが望ましい。その場合には、光の照射により、マイクロ流路内や合流部内において、光学的測定や光の照射による反応を生じさせることができる。
また、好ましくは、チップ本体2は、合成樹脂の射出成形品からなることが望ましい。その場合には、量産性を高め、コストをより一層低減することができる。
チップ本体2内には、マイクロ流路と、合流部4とが設けられている。マイクロ流路として、第1の上流側マイクロ流路部3a、第2の上流側マイクロ流路部3b及び出口側マイクロ流路3cとが設けられている。第1の上流側マイクロ流路部3a及び第2の上流側マイクロ流路部3bにより、入り口側マイクロ流路が構成されている。
第1の上流側マイクロ流路部3a及び第2の上流側マイクロ流路部3bは、それぞれ、第1,第2のマイクロ流体を送液するために設けられている。合流部4の平面形状は矩形である。合流部4は、矩形の長辺側の一対の内壁4a,4bと、短辺側の一対の内壁4c,4dとを有する。第1の上流側マイクロ流路部3aが、内壁4aに接続されている。第2の上流側マイクロ流路部3bが、内壁4cに接続されている。
出口側マイクロ流路3cは、内壁4dに接続されている。なお、第2の上流側マイクロ流路部3bと、出口側マイクロ流路3cとは、一直線状に連なっている。第2の上流側マイクロ流路部3bと、出口側マイクロ流路3cとは、一直線状に連なっている必要は必ずしもないが、一直線状に連なっていることが好ましい。それによって、合流後の混合流体を出口側マイクロ流路3cに速やかに送液することができる。第1の上流側マイクロ流路部3aから矢印Aで示すように、合流部4に第1のマイクロ流体が送液される。他方、第2の上流側マイクロ流路部3bにおいては、矢印Bで示すように、第2のマイクロ流体が、合流部4に向かって送液される。マイクロ流路チップ1の特徴は、第1のマイクロ流体を合流部4に流入させる方向に延びる仮想線を仮想線Xとしたときに、該仮想線Xを境にして、合流部4の一方側と、他方側とが、空間形状において非対称とされていることにある。それによって、第1のマイクロ流体に、第2のマイクロ流体を確実に、気泡を巻き込むことなく合流させることができる。これを、図2及び図3を参照して説明する。
本実施形態のマイクロ流路チップ1を用いたマイクロ流体の合流方法では、図2に示すように、先に、第1のマイクロ流体5を、第1の上流側マイクロ流路部3aから合流部4に向かって送液する。この送液には、好ましくは、第1のマイクロ流体5の後方から、ガスを付与することにより行なわれる。このようなガスを発生するマイクロポンプが、第1の上流側マイクロ流路部3aに連結されている。もっとも、マイクロポンプに限らず、上記のようなガスを第1の上流側マイクロ流路部3aにおいて、第1のマイクロ流体5の後方から第1のマイクロ流体5を押圧する適宜のデバイスを用いることができる。
上記ガスに押されることにより、図2に示すように、第1のマイクロ流体5が、合流部4内に送液され、合流部4内に収容される。このとき、第1のマイクロ流体5の後方から、ガスが合流部4に侵入してくる。従って、図2に矢印Cで示すように、ガスは、第1のマイクロ流体5を追い越し、出口側マイクロ流路3cから排出される。ガスが第1のマイクロ流体5を追い越すことにより、第1のマイクロ流体5の移動が終了し、第1のマイクロ流体5が停止する。このとき、仮想線Xに対して、合流部4の一方側と他方側とが非対称であるため、上記のように、第1のマイクロ流体5が仮想線Xに対して一方側に偏って配置され、停止することとなる。そのため、上記ガスが追い越し、第1のマイクロ流体5の位置を上記のように決定することができる。
本実施形態のマイクロ流体の合流方法では、次に、第2の上流側マイクロ流路部3bから、第2のマイクロ流体6を送液する。第2のマイクロ流体6の送液方法は特に限定されない。好ましくは、第1のマイクロ流体5と同様に、ガスが用いられる。その場合には、第1,第2のマイクロ流体5,6の送液手段を同じとすることにより、コストのより一層の低減を果たすことができる。
この場合、図2に示すように、第1のマイクロ流体5が合流部4内において停止しているため、第2のマイクロ流体6を合流部4に送液すると、両者が接触した段階で気泡を巻き込み難い。よって、図3に示すように、第1,第2のマイクロ流体5,6の混合流体7が合流部4内において形成される。次に、第1,第2の上流側マイクロ流路部3a,3bの少なくとも一方から、さらにガスを供給することにより、混合流体7を、出口側マイクロ流路3cから排出し、回収することができる。
また、回収に先立ち、合流部4において、混合流体7を加熱したり、混合流体7において反応を生じさせたりしてもよい。また、合流部4において、混合流体7の特性等を測定してもよい。すなわち、合流部4は、上記のような反応セルや測定セルとして用いられ得る。
マイクロ流路チップ1では、上記のように、先に第1のマイクロ流体5を合流部4内において停止させ、その状態で第2のマイクロ流体6を合流部4に送液し、第1のマイクロ流体5と接触させる。従って、第1のマイクロ流体5と第2のマイクロ流体6の送液のタイミングを高精度に一致させる必要がない。よって、マイクロ流路チップ1は、安価に製造され得る。また、その場合であっても、一方の第1のマイクロ流体5が停止しているため、合流に際しての気泡の巻き込みも生じ難い。
合流部4の容積は、先に送液される第1のマイクロ流体5の200%以上であることが好ましい。200%以上である場合、第1のマイクロ流体を偏った位置により確実に停止させることができる。また、第1のマイクロ流体の送液速度は、特に限定されないが、1〜50μL/sであることが望ましい。その場合に、非対称な位置に、第1のマイクロ流体をより確実に停止させることができる。
第1の実施形態では、仮想線Xを境として、合流部4の一方側と他方側との空間の形状が異なっていた。すなわち、矩形の平面形状の合流部4において、内壁4aに対する第1の上流側マイクロ流路部3aが交差する方向すなわち仮想線Xと、内壁4aとのなす角度が、一方側が鋭角であり、他方側が鈍角であった。
さらに、上記鈍角と鋭角との差は10°〜170°の範囲であることが望ましい。もっとも、本発明において、合流部の一方側と他方側とを非対称とする構成はこれに限定されるものではない。
合流部4においては、平面形状において一方側と他方側とが異なっていてもよいが、高さ方向において、一方側と他方側とが異なっていてもよい。例えば、合流部4の一方側において、空間の高さが異なっていもよい。
仮想線Xの一方側と他方側とで空間の高さを異ならせる場合、その差は0.1〜5.0mmの範囲とすることが好ましい。また、矩形の平面形状において、一方側と他方側とで、奥行きを異ならせる場合、その差は1〜20mmの範囲とすることが望ましい。
以下、本発明の第2〜第7の実施形態を図4〜図9を参照して説明する。図4は、第2の実施形態に係るマイクロ流路チップにおけるマイクロ流路及び合流部の模式図である。図4に示すように、第2の実施形態では、合流部11の平面形状が、L字状の形状とされている。合流部11は、第1の上流側マイクロ流路部3aが接続されている内壁11aを有する。内壁11aと対向するように、内壁11b,11cが設けられている。内壁11bと内壁11cとは平行であり、内壁11dにより連結されている。対向し合う一対の内壁11e,11fが設けられている。内壁11eは、内壁11aと内壁11cとを連結している。内壁11fは、内壁11bと内壁11aとを連結している。第2の上流側マイクロ流路部3bは内壁11fに接続されている。出口側マイクロ流路3cは、内壁11eに接続されている。本実施形態においても、前述した仮想線Xを境として、合流部11の一方側と他方側の空間の形状が異なっている。従って、第1の実施形態と同様に、第1のマイクロ流体を合流部11に送液し、停止させた後に、第2のマイクロ流体を合流部11に送液し、合流させることができる。
図5に示す第3の実施形態では、合流部12において、仮想線Xを境として、合流部12の一方側がハッチングを付して示すように、その表面が粗くされている。他方、合流部12の他方側においては、上記ハッチングは付されておらず、内面が平滑面とされている。このように、仮想線Xを境として、合流部12の一方側と他方側とで、表面の状態が異なっていてもよい。この場合においても、合流部12に最初に導かれた第1のマイクロ流体が、仮想線Xに対して偏った位置で停止されることになる。従って、第2のマイクロ流体を合流部12に送液し、第1,第2のマイクロ流体を、容易に、気泡を含まずに合流させることができる。
また、表面の平滑性の差は、JIS B 0601−2001における表面粗さRaの差で0.1〜10μmの範囲であることが望ましい。
図5では、合流部12の一方側と他方側において、内面の平滑性が異なっていたが、両者の水に対する接触角が異なっていもよい。
上記接触角の差は、特に限定されないが、10°〜130°の範囲であることが望ましい。
図6は、本発明の第4の実施形態に係るマイクロ流路チップの合流部とマイクロ流路とを示す模式図である。合流部13では、仮想線Xを境として、合流部13の一方側と他方側の空間の形状は対称とされている。もっとも、温度調節装置14が、マイクロ流路チップ内に設けられている。温度調節装置14は、仮想線Xに対して、合流部13における一方側に位置している。温度調節装置14により、合流部13の仮想線Xに対して一方側を加熱し、合流部13の一方側の温度は、他方側の温度よりも高くされている。このように、仮想線Xの一方側と他方側とで温度を異ならせ、両者の状態を非対称としてもよい。
なお、温度調節装置14により、温度を高める場合だけでなく、逆に温度を相対的に低めてもよい。このような温度調節装置14としては、加熱のためには、サーミスタなどが好適に用いられる。また、ペルチェ素子を用いれば、加熱及び冷却のいずれをも行なわせ得る。
また、上記温度調節装置14は、マイクロ流路チップにおいて、チップ本体内に設けられる必要は必ずしもなく、チップ本体に固定されていてもよい。
上記のように、合流部13の一方側と他方側で温度差を与える場合、温度差は0℃〜140℃の範囲であることが好ましい。
図7は、本発明の第5の実施形態に係るマイクロ流路チップにおける合流部及びマイクロ流路を説明するための模式図である。
合流部16の平面形状は、コーナー部が丸められた矩形の形状とされている。このように、合流部16の平面形状は、コーナー部が丸められていてもよい。
また、第1の上流側マイクロ流路部3aと、第2の上流側マイクロ流路部3bは、合流部16の手前で合流されており、合流マイクロ流路部3dに接続されている。合流マイクロ流路部3dが、合流部16に接続されている。本実施形態においては、入り口側マイクロ流路が、上記第1の上流側マイクロ流路部3a、第2の上流側マイクロ流路部3b及び合流マイクロ流路部3dとを有する。ここでは、第1のマイクロ流体が、まず第1の上流側マイクロ流路部3a及び合流マイクロ流路部3dを介して、合流部16に送液される。本実施形態においても、仮想線Xの一方側と他方側とで、合流部16の空間の形状が非対称とされている。従って、第1の実施形態の場合と同様に、第1のマイクロ流体が、合流部16において偏った位置に停止される。次に、第2のマイクロ流体を第2の上流側マイクロ流路部3bから合流マイクロ流路部3dを介して合流部16に送液する。従って、第1の実施形態と同様に、第1,第2のマイクロ流体を、気泡を巻き込むことなく合流させることができる。
本実施形態のように、合流部16に接続される入り口側マイクロ流路は、単一であってもよい。また、図7では、第1,第2の上流側マイクロ流路部3a,3bが用いられていたが、合流マイクロ流路部3dのみを用い、第1のマイクロ流体及び第2のマイクロ流体を順に送液してもよい。すなわち、合流マイクロ流路部3dのみにより、本発明における入り口側マイクロ流路を構成してもよい。
図8は、第6の実施形態に係るマイクロ流路チップの合流部及びマイクロ流路を示す模式図である。本実施形態のように、合流部17の平面形状は楕円形であってもよい。すなわち、合流部17の平面形状は特に限定されず、楕円形の他、三角形、台形などの他の形状であってもよい。
図9は、第7の実施形態に係るマイクロ流路チップの合流部及びマイクロ流路を示す模式図である。ここでは、矩形の合流部18内にスペーサ19a,19bが設けられている。スペーサ19a,19bは、円柱状の形状を有し、仮想線Xの一方側にのみ設けられている。よって、仮想線Xを境として、合流部18の一方側と他方側とにおいて、空間が非対称とされている。このように、本発明における非対称構造は、スペーサ19a,19bなどを設けることにより達成されていてもよい。
次に、具体的な実施例及び比較例を説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
第1の実施形態のマイクロ流路チップ1を作製した。チップ本体2はシクロオレフィン樹脂の射出成形品として得た。このチップ本体2内において、合流部4の体積は60μLとした。また、第1,第2の上流側マイクロ流路部3a,3b及び出口側マイクロ流路3cの横断面の寸法は以下の通りとした。
第1の上流側マイクロ流路部3a:長方形の横断面形状を有し、その寸法は0.8mm×0.7mmとした。
第2の上流側マイクロ流路部3b:横断面の形状は長方形とし、寸法は0.8mm×0.7mmとした。
出口側マイクロ流路3c:長方形の横断面形状とし、その寸法は0.8mm×0.7mmとした。
合流部4において、内壁4aに対する第1の上流側マイクロ流路部3aの入射角度θ、すなわち、図1に示した入射角度θを、45°とした。
第1のマイクロ流体として水を5μL/sの速度で合流部4にガスを用いて送液し、合流部4内において停止させた。次に、第2のマイクロ流体として水を、5μL/sの速度で送液し、合流部4内において第1のマイクロ流体に合流させた。その結果、気泡を巻き込むことなく、第1,第2のマイクロ流体を合流させることができた。
(実施例2)
上記入射角度θを10°に変更したことを除いては、実施例1と同様にして、第1,第2のマイクロ流体を合流させた。実施例2においても、気泡をほとんど巻き込むことなく、第1,第2のマイクロ流体を合流させることができた。
(実施例3)
上記入射角度θを70°としたことを除いては、実施例1と同様にして、第1,第2のマイクロ流体を合流させた。その結果、気泡をほとんど巻き込むことなく、第1,第2のマイクロ流体を合流させることができた。
(比較例)
比較例においては、上記入射角度θを90°とし、しかも第1の上流側マイクロ流路部3aが内壁4aに接続される部分を、第1の内壁4aの中心とした。それによって、仮想線Xを境として、合流部4の一方側と他方側とを対称とした。その他の構成は実施例1と同様とした。
比較例では、第1のマイクロ流体を合流部4に送液すると、第1のマイクロ流体により、第1の上流側マイクロ流路部3aの出口が塞がれ、ガスが抜け難かった。そのため、第1のマイクロ流体に第2のマイクロ流体を合流させた場合、両者の間に気泡が巻き込んでいた。
なお、本発明においては、第1のマイクロ流体と第2のマイクロ流体とが合流部で合流されるが、1以上の他のマイクロ流体がさらに合流部により合流されてもよい。
1…マイクロ流路チップ
2…チップ本体
3a,3b…第1,第2の上流側マイクロ流路部
3c…出口側マイクロ流路
3d…合流マイクロ流路部
4…合流部
4a〜4d…内壁
5,6…第1,第2のマイクロ流体
7…混合流体
11…合流部
11a〜11f…内壁
12,13…合流部
14…温度調節装置
16〜18…合流部
19a,19b…スペーサ

Claims (15)

  1. マイクロ流路及び第1のマイクロ流体と、第2のマイクロ流体とが合流される合流部とを有するチップ本体を備え、
    前記マイクロ流路が、前記合流部に前記第1のマイクロ流体及び前記第2のマイクロ流体を送液する入り口側マイクロ流路と、前記合流部で合流されたマイクロ流体を送液するための出口側マイクロ流路とを有し、
    前記第1のマイクロ流体を前記合流部に流入させる方向に延びる仮想線を境にして、前記合流部の一方側と他方側とが、空間形状及び状態の少なくとも一方において非対称とされている、マイクロ流路チップ。
  2. 前記合流部の前記一方側と、前記合流部の前記他方側とが、空間の形状において非対称である、請求項1に記載のマイクロ流路チップ。
  3. 前記合流部の前記一方側と、前記合流部の前記他方側との空間の大きさが異なっている、請求項2に記載のマイクロ流路チップ。
  4. 前記仮想線が横切る前記合流部の端縁と、前記仮想線とのなす角度が、前記仮想線の一方側と他方側とで異なっている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップ。
  5. 前記合流部の端縁と前記仮想線とのなす角度が、前記仮想線の一方側で鋭角であり、他方側で鈍角である、請求項4に記載のマイクロ流路チップ。
  6. 前記合流部において、前記仮想線の一方側と、前記合流部の他方側との少なくとも一方に、マイクロ流体の送液を阻害するスペーサが設けられている、請求項1〜5のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップ。
  7. 前記合流部の前記一方側と前記合流部の前記他方側において、前記合流部の内面の粗さが異なっている、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップ。
  8. 前記合流部の前記一方側と、前記合流部の前記他方側とで、温度が異なっている、請求項1〜7のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップ。
  9. 前記合流部の前記一方側と、前記合流部の前記他方側とで、水に対する接触角が異なっている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップ。
  10. 前記入り口側マイクロ流路が、前記第1のマイクロ流体を送液するための第1の入り口側マイクロ流路と、前記第2のマイクロ流体を送液するための第2の入り口側マイクロ流路とを有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップ。
  11. 前記入り口側マイクロ流路が同一であり、前記第1のマイクロ流体及び前記第2のマイクロ流体が、単一の入り口側マイクロ流路から合流部に送液される、請求項1〜10のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップ。
  12. 前記入り口側マイクロ流路が、第1の上流側マイクロ流路部及び第2の上流側マイクロ流路部と、第1,第2の上流側マイクロ流路部の下流端に一端が接続されており、他端が前記合流部に接続されている合流マイクロ流路部とを有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップ。
  13. 前記チップ本体に固定されており、前記合流部において、前記仮想線の一方側及び他方側の少なくとも一方の温度を調節する温度調節装置をさらに備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップ。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のマイクロ流路チップを用いたマイクロ流体の合流方法であって、第1のマイクロ流体を前記入り口側マイクロ流路から前記合流部に送液する工程と、
    前記合流部において、前記第1のマイクロ流体を停止させる工程と、
    前記合流部に第2のマイクロ流体を送液し、前記第1のマイクロ流体と合流させる工程とを備える、マイクロ流体の合流方法。
  15. 前記入り口側マイクロ流路においてガスを用いて前記第1のマイクロ流体を前記合流部側に送液することにより、前記第1のマイクロ流体を前記合流部に送液し、前記ガスを前記合流部において前記第1のマイクロ流体を追い越させて、前記第1のマイクロ流体を停止させる、請求項14に記載のマイクロ流体の合流方法。
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