JP2014213299A - マイクロチャンバー及び液体の混合方法 - Google Patents

マイクロチャンバー及び液体の混合方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014213299A
JP2014213299A JP2013095009A JP2013095009A JP2014213299A JP 2014213299 A JP2014213299 A JP 2014213299A JP 2013095009 A JP2013095009 A JP 2013095009A JP 2013095009 A JP2013095009 A JP 2013095009A JP 2014213299 A JP2014213299 A JP 2014213299A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
microchamber
pillars
mixing
pillar
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013095009A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6120440B2 (ja
Inventor
雄介 渕脇
Yusuke Fuchiwaki
雄介 渕脇
正俊 片岡
Masatoshi Kataoka
正俊 片岡
大家 利彦
Toshihiko Oya
利彦 大家
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2013095009A priority Critical patent/JP6120440B2/ja
Publication of JP2014213299A publication Critical patent/JP2014213299A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6120440B2 publication Critical patent/JP6120440B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • B01F3/08
    • B01F5/00
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J19/00Chemical, physical or physico-chemical processes in general; Their relevant apparatus
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B81MICROSTRUCTURAL TECHNOLOGY
    • B81BMICROSTRUCTURAL DEVICES OR SYSTEMS, e.g. MICROMECHANICAL DEVICES
    • B81B1/00Devices without movable or flexible elements, e.g. microcapillary devices
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/08Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor using a stream of discrete samples flowing along a tube system, e.g. flow injection analysis
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N37/00Details not covered by any other group of this subclass

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)

Abstract

【課題】実用的な液体の混合技術を提供する。
【解決手段】液体流入口5及び液体流出口6と接続したマイクロチャンバーであって、前記マイクロチャンバーは液体保持部、中空筒状の流体混合部を備え、液体保持部の底面2及び流体混合部の底面3の両方に交わる位置に複数のピラー1を配置する、マイクロチャンバー。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロチャンバー及び液体の混合方法に関する。
μ-TASやLab-on-a-chipと称される一枚の基板上(マイクロチップ)で、2種類以上のサンプルと液体試料を混合させ、簡便・迅速に検知を行う様々な方法が開示されているが、実用化例は少ない。使い捨て用のマイクロチップの場合、機能が低く、反応や混合の制御は外部装置に依る場合が多いが、一方で、繰り返し使用するマイクロチップの場合、高機能であるがマイクロチップ自体が高価、大型、複雑になる問題がある。
そこで、複雑な操作や制御を要せずに、マイクロチップ上で2種類以上の液体を簡易に混合できる手法が望まれている。従来技術として、気体導出用流路を混合チャンバーと平行に備えて、流体を内部の流体と加速・接触させる事により簡易に混合する方法(特許文献1)、混合槽の底部の中央からずれた位置に、2種類の液体が流動する微細流路を接続することで効率良く混合させる方法(特許文献2)、深溝な流路構造を設けて流体同士の接触界面を層流下で大きく確保する事で、容易で速やかに混合できる方法(特許文献3)が公開されている。
特許文献1では、混合チャンバー内の流体1に向けて流体2を加速・接触させる方法を公開しており、特別な装置を用いず単純な方法で混合が可能であるが、気体導出部から混合チャンバー内へ加圧する必要があり、また、混合後の流体はチャンバー内に留まるため、混合後に複数の反応や処理を連続して行う事ができない。特許文献2においても、簡易な構成で2種類以上の液体の混合を効率良く行う方法を公開しているが、混合液を次の操作で扱う方法は説明されておらず、連続処理が必要なマイクロチップには馴染まない。また、液がチャンバー内に保持されているときに、マイクロチップを上下や左右に動かすと、チャンバー内に保持されている液体は漏出するリスクが高い。特許文献3では、複数の流体を接触界面が大きくなるように層流を形成できる合流流路デバイスを公開しており、各流体の量的制御の容易性を達成しているが、其々の流体を流し続ける或いは2種類の同量の液体を適切に接触させる必要があり、混合時の操作方法は複雑になる。
このように、マイクロチップ上で簡易に混合する方法が公開されているが、何れも混合前の液体の保持、扱いやすさ、必要な液量、混合液を次の操作で扱う自由度において制限があり、実用化に向けて課題がある。
特開2010-188305 特開2011-67741 特開2013-40776
本発明は、混合前の液体の保持、扱いやすさ、必要な液量、混合液を次の操作で扱う自由度において制限のない実用的な液体の混合技術を提供することを目的とする。
上記課題に鑑みて、本発明者は、マイクロ空間中での液体試料の界面張力と流力(慣性力)を効果的に活用して、液体を簡易な構造のマイクロチャンバーに保持する事により、2種類以上の液体を簡便で効率良く混合できることを見出した。
本発明は、以下のマイクロチャンバー及び液体の混合方法を提供する。
項1. 液体流入口5及び液体流出口6と接続したマイクロチャンバーであって、前記マイクロチャンバーは液体保持部、中空筒状の流体混合部を備え、液体保持部の底面2及び流体混合部の底面3の両方に交わる位置に複数のピラー1を配置する、マイクロチャンバー。
項2. ピラーの中心軸は液体保持部の底面2の略外周上にある項1に記載のマイクロチャンバー。
項3. ピラーが2、3又は4個配置されている、項1又は2に記載のマイクロチャンバー。
項4. ピラーが3個配置されている、項3に記載のマイクロチャンバー。
項5. ピラーの1つが液体流入口5と対向する位置に配置されている、項1〜4のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
項6. 隣接するマイクロチャンバーの液体流入口5と液体流出口6とを接続することで、複数のマイクロチャンバーを連結させてなる、項1〜5のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
項7. 前記ピラーは円筒状である、項1〜6のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
項8. 前記液体混合部はドーナツ状である、項1〜7のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
項9. 前記液体保持部は円筒状であり、かつ、液体保持部は液体混合部よりも低い位置にある、項1〜8のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
項10. 項1〜9のいずれかに記載のマイクロチャンバーを用いた液体の混合方法であって、液体保持部に第1の液体を導入する工程、液体流入口5から第2の液体をマイクロチャンバー内に流入し、液体流出口6から第1の液体と第2の液体の混合液体を流出させる工程を含むことを特徴とする液体の混合方法。
本発明によれば、マイクロチャンバー内での2種類以上の液体の混合のための外部装置と煩雑な操作を必要とせず、液体保持部に保持される液体自身の界面張力と、マイクロチャンバー内に流動してくる液体の界面張力と流力(慣性力)を活用する事で、2種類以上の液体を自動的に混合する事が可能である。
ピラーの配置と窪みをマイクロチャンバー内で効果的に配置する事で、保持されている液体はマイクロチャンバー内に安定して強く留まり、混合後はマイクロチャンバーに留まらず自動的にマイクロ流路へ流動していくので、連続した処理が容易に可能である。
さらに、本発明のマイクロチャンバーは複数個を連結させる事が可能であり、2種類以上の液体を簡便に混合することが出来る。
マイクロチャンバーの構造を説明するための立体図である。a: マイクロチャンバーの各部位の特徴を説明するための立体図である。b: マイクロチャンバーの各部位の長さを説明するための立体図である。 マイクロチャンバーの平面図と各面をレイヤー毎に分けて示す図である。a:マイクロチャンバーの平面図である。b:マイクロチャンバーの上面をレイヤーとして示す図であり、ピラー1と液体保持部の底面2との交わる部分の構造を示した図である。rはピラー1の半径を指す。c:マイクロチャンバーの流体混合部の底面3の平面図をレイヤーとして示す図である。d:マイクロチャンバーの液体保持部の底面2の平面図をレイヤーとして示す図である。e: マイクロチャンバーの2の面とピラー1の配置を説明する図である。 マイクロチャンバーに液が保持されているときの状態を示す図である。aは立体図、bは平面図である。 マイクロチャンバーに保持されている液の保持力の程度を、遠心力によって流動を誘発させた時の結果の比較を示す図である。a:マイクロチャンバーに液が保持された基板を、円板型の基板の上に設置して回転させた時に、チャンバーに保持されている液体が遠心力が作用する方向へ流動するか否かを調査した時の方法を説明する図である。b:8が0.5mmでピラー1の半径が0.8mmの時に、ピラーの数に対して回転数を変えたときに液が流動したか否かを示す図である。c:8が0.5mmでピラー1の半径が0.4mmの時に、ピラーの数に対して回転数を変えたときに液が流動したか否かを示す図である。d:8が0mmでピラー1の半径が0.8mmの時に、ピラーの数に対して回転数を変えたときに液が流動したか否かを示す図である。e:8が0mmでピラー1の半径が0.4mmの時に、ピラーの数に対して回転数を変えたときに液が流動したか否かを示す図である。f:マイクロチャンバーに保持された液が流動しなかったとき、一部流動したとき、殆ど流動したとの写真を示す図である。 マイクロチャンバーの液体保持部に保持された液体と、液体流入口5から流動してきた液体が、混合してマイクロチャンバーの液体流出口6へ流動していく工程を示した図である。 マイクロチャンバーに蛍光液を保持して、図5に示す工程により混合操作を行い得られた混合液の蛍光強度を、ピラー1の数を変えた時と、半径が0.8mmと0.4mmの時の結果を示した図である。また、マイクロチャンバーの写真も示している。 マイクロチャンバーに蛍光液を保持して、図5に示す工程により混合操作を行い得られた混合液の蛍光強度を、底面2の直径11の長さが4mmのときの流体混合部の幅13の長さを変えて得られた結果を示す図である。 液体流入口5に対してピラー1の配置が異なったときに得られる、混合後の蛍光強度の比較を示す図である。a:液体流入口5に対してピラー1の配置を示す平面図である。b:液体保持部に蛍光液を保持して、図5に示す工程により混合操作を行い得られた混合液の蛍光強度を示した図である。 液体保持部に蛍光液を保持した3つのマイクロチャンバーを直列に配置して、図5に示す工程をマイクロチャンバー毎に繰り返した時の、混合後の蛍光強度の比較を示す図である。a:液体保持部に蛍光液を保持した3つのマイクロチャンバーを直列に配置したときの様子を示す立体図である。b:図5に示す工程を配置されたマイクロチャンバーの回数分繰り返した時の、混合後の蛍光強度の比較を示す図である。
1.ピラー
2.液体保持部の底面
3.流体混合部の底面
4.基板
5.液体流入口
6.液体流出口
7.ピラーの高さ
8.液体保持部の高さ
9.流体混合部及び筒状の空間の高さ
10.ピラーの直径
11.液体保持部の底面の直径
12.流体混合部の外径
13.流体混合部の幅(3の外径から2の半径を減じた長さ)
14.液体保持部に保持されている液体
15.液体流出口から流出する空気の方向
16.液体流入口に流入する空気の方向
17.液体保持部に第1の液体が充填されている場合のマイクロチャンバー内を流動する空気の方向
18.第2の液体が最初に流入するマイクロチャンバー
19.18のマイクロチャンバーに接続されたマイクロチャンバー
20.19のマイクロチャンバーに接続されたマイクロチャンバー
本発明では、液体試料の界面張力と流力(慣性力)を効果的に活用して、第1の液体を簡易な構造で保持する事により、2種類以上の液体を簡便で効率良く混合できるマイクロチャンバー及び液体の混合方法を提供する。
本発明のマイクロチャンバーを用いれば、低い位置にある液体保持部に第1の液体を導入し、その後で液体流入口5から第2の液体を流すことで、2つの液体が混合されて液体流出口6から流出する。
液体保持部は、底面2が第1の液体と強い界面張力を有し、第1の液体を保持できる場合には、底面2と底面3は同じ高さでもよい。この場合、液体保持部は底面2から構成される。1つの好ましい実施形態では、液体保持部の底面2は液体混合物の底面3よりも低い位置にあり、この場合、液体保持部は筒状の形状を有し、液体保持部の上に筒状の空間が形成され、その周囲に中空筒状の液体混合部が形成される。液体保持部、液体保持部上の空間(中空筒状の液体混合部の内部の空間)を構成する筒状の形状としては、例えば円柱、楕円柱、三角柱、四角柱、五角柱、六角柱、八角柱などの任意の筒状の形状でよく、角柱状の場合、角の部分は丸くなり、液体が残留しないようになっていることが好ましい。液体混合部は中空部分(内周部分)及び外周部分はいずれも筒状である。液体混合部の外側(基板4側)の筒状の形状と内側の中空の筒状の形状は同一であっても異なっていてもよい。液体混合物の好ましい形状はドーナツ状の形状である。
液体保持部の第1の液体は、液体流入口5から供給される第2の液体と混合されて液体流出口6から流出する。
マイクロチャンバー内には複数のピラー1が配置され、第2の液体はこのピラーにより流れが乱され、効率的に第1の液体と混合される。ピラーの形状は上記と同様な筒状(角筒状、円筒状、楕円筒状など)が好ましく、円筒状が最も好ましい。
マイクロチャンバーの上は、シーリングテープなどのシール材によりシールして、液体の蒸発や液体のマイクロチャンバー外への飛散を防止するのが好ましい。シール材の内面が第2の液体と接触する場合、第2の液体とシール材の界面張力を考慮して第2の液体の供給速度、液量を適切に調節する。第2の液体の供給速度、液量は、液体保持部の形状、液体保持部の内面と第2の液体の界面張力、液体混合部の底面3及び基板4側の側面と第2の液体の界面張力、液体混合部の形状、ピラーの本数と形状などにより影響を受けるため、マイクロチャンバー、第1の液体、第2の液体の組み合わせに応じて適切な値を決めることができる。このような値は、図面に示される実施形態を参考にして当業者であれば容易に決定できる。第1/第2の液体とマイクロチャンバー(液体混合部、液体保持部)、シール材との間の界面張力は、マイクロチャンバーとシール材の親水性/疎水性の程度により決められる。第1と第2の液体は、通常は水/水溶液であるが、水と混和する有機溶媒(エタノールなどの低級アルコール、DMSO、DMF、アセトン、THF、アセトニトリル、ジオキサン、N-メチルピロリドンなど)を含む含水溶液であってもよい。有機溶媒の種類と含量によっても界面張力は変化する。
本発明のマイクロチャンバーの好ましい実施形態が図1に示されている。液体保持部の底面2とドーナツ状の流体混合部の底面3の中心及び液体保持部上の筒状の空間の中心は同軸状にあり、底面2は下方に位置する。液体保持部の上面(形状は底面2と同じ)と底面3を合わせると1つの面を形成する。図1では、液体保持部が円筒形、液体混合部はドーナツ状の形状のものが示されているが、これらは筒状の形状であれば任意の他の形状であってもよい。また、底面2は、底面3よりも下方にあるのが好ましいが、底面2と第1の液体の界面張力が十分強ければ、底面2と底面3が同じ高さでもよく、底面2が底面3よりも高い位置にあってもよい。
3個のピラーは図2に示すように中心が底面2の外周付近にあり、3つのピラーの中心は正三角形の頂点の位置関係にある。また、1つのピラーは液体流入口5に対向する位置にあると、流入口5から流入した第2の液体の流れがピラーにより乱され、それにより流体混合部内の第1の液体とより十分に混合されることになるので好ましい。
ピラー1の形状は筒状であればよく、好ましくは円筒状である。
なお、底面2は円形、底面3はドーナツ状と記載したが、これはピラーがない状態での形状であり、実際にはピラーが存在するので、ピラーが存在する場合の形状は図2d、図2cに記載される形状になる。図2aはマイクロチャンバーの平面図であり、図2bは底面2とピラーの位置関係をわかりやすく示した図である。複数のピラーの中心軸は液体保持部の底面2の略外周上の対称な位置に配置されるのがよく、2つのピラーは直線状、3つのピラーは正三角形の各頂点、4つのピラーは正方形の各頂点、5つのピラーは正5角形の各頂点に配置するのがよい。ピラーの高さ7は、液体保持部の高さ8よりも高く、好ましくは(ピラーの高さ7)=(液体保持部の高さ8+流体混合部の高さ9)である。
ピラーの数が多いほど界面張力が強く作用して液体が流動しにくくなる。図6から、ピラーの数が4以上になると混合後(図5-V)に、メニスカスで液がチャンバー内に残留し易くなるため、回収率が低下し、混合チャンバーとしての性能が低下する。ピラーが3個のときは回収率が比較的良好なため、ピラーの数は3が望ましい。
図3は、マイクロチャンバーの液体保持部に第1の液体を充填した状態を示す。図3の矢印15、17は空気の流れる方向を示す。
図4は、マイクロチャンバーを回転させて遠心力を働かせたときに、液体保持部に充填した第1の液体が流動するかを試験した結果を示す。図4に示すようにピラーの数が多いほど液体保持部における第1の液体の流動が抑制されることが明らかになった。液体の流動は、遠心力で行ってもよい。
第1の液体が第2の液体と混合して流動していく過程が図5に示されている。まず、マイクロチャンバーの流入口5から第2の液体が流入してくると(図5−I)、界面張力によって一番近傍にあるピラーに接触する(図5−II)。次に、他のピラーとも接触してマイクロチャンバー内が混合液によって満たされ(図5−III)、出口の液体流出口6へ混合液が押し出される(図5−IV)。マイクロチャンバー内の混合液は、表面張力によって途切れることなく出口のマイクロ流路へ流動していくため、マイクロチャンバー内に液は残留しない(図5−V)。
マイクロ空間では、液体自身の表面張力や固液界面に働く界面張力が液体の流動に、最も大きく作用する。仮に、重力が支配的に働くと、図1の2の面は窪んでおり、液体は流出しない。保持されている液体は表面張力があるので、図5-Vでは液体は流出する。しかし、図7に示されているようピラーとチャンバー壁面の距離が遠くなると、液体は残留し易くなる。図5−IIIから図5−Vの過程では、液体の流出と空気の流出が競合しており、液体の流出が優位になっている。
図6は、マイクロチャンバーにおける液体の混合状態を蛍光液を用いてピペッティングを用いた混合方法と比較して評価した結果を示す。蛍光測定は、マイクロチャンバーの先端から1mmの箇所に光学プローブ(No.4040(Spot dia. : 0.4 mm、日本板硝子株式会社))を当て、光ファイバー型蛍光検出器(FLE1100B、日本板硝子株式会社)にて蛍光強度を測定して実施した。
図6の実験の詳細を以下に示す。
*ピペッティングで混合したとき
40nM FITC溶液10μL
0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)30μL
*ピラー(半径が0.8mm)が2個のとき
40nM FITC溶液10.6μL
0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)31.8μL
*ピラー(半径が0.8mm)が3個のとき
マイクロチャンバーに添加した液:40nM FITC溶液9.6μL,
送液した液:0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)28.8μL
*ピラー(半径が0.8mm)が4個のとき
マイクロチャンバーに添加した液:40nM FITC溶液8.6μL,
送液した液:0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)25.8μL
*ピラー(半径が0.4mm)が2個のとき
40nM FITC溶液12.1μL
0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)36.3μL
*ピラー(半径が0.4mm)が3個のとき
マイクロチャンバーに添加した液:40nM FITC溶液11.8μL,
送液した液:0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)35.4μL
*ピラー(半径が0.4mm)が4個のとき
マイクロチャンバーに添加した液:40nM FITC溶液11.6μL,
送液した液:0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)34.8μL
*ピラー(半径が0.4mm)が5個のとき
マイクロチャンバーに添加した液:40nM FITC溶液11.3μL,
送液した液:0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)33.9μL
図6の結果から、この実験条件ではピラーの数は2又は3が優れていることが明らかになった。ピラー数がゼロの場合、回収率(蛍光強度)は優位であるが、液体がチャンバー内に保持される力が弱いため(図4)、第1の液体は液体保持部の底面2からすぐに漏出する。実際に使うときになると扱い方(物理的衝撃や温度など)を著しく注意する必要があるので、ピラー数がゼロのチャンバーは実際には殆ど使えない。混合用マイクロチャンバーの性能は、液体が安定に保持される力(漏出されにくい力)と、混合後の回収率の総合評価で判断されるべきであり、この総合評価でピラー数は2〜4個が優れており、ピラー数2〜3個がより優れており、ピラー数3が最も優れている。
図7は、マイクロチャンバーに蛍光液を保持して、図5に示す工程により混合操作を行い得られた混合液の蛍光強度を、液体保持部の直径11の長さが4mmのときのドーナツ状の流体混合部の幅13の長さを変えて得られた結果を示す。ピラーの数は、図6の結果から3個で行った。
図7の実験の詳細を以下に示す。
*ピペッティングで混合したとき
200nM FITC溶液9.6μL
0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)144μL
*ピラー(半径が0.8mm)が3個
マイクロチャンバーに添加した液:200nM FITC溶液9.6μL,
送液した液:0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)144μL
図7の結果から液体保持部の直径を100としたときのドーナツ状の流体混合部の幅(13)は25〜80、好ましくは30〜75程度、より好ましくは35〜70程度である。
図8は、液体流入口5に対してマイクロチャンバーのピラー1の配置が異なったときに得られる、混合後の蛍光強度の比較を示す図である。図8の実験の詳細を以下に示す。
*ピペッティングで混合したとき
40nM FITC溶液10μL
0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)30μL
*ピラー(半径が0.8mm)が3個
マイクロチャンバーに添加した液:40nM FITC溶液9.6μL,
送液した液:0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)28.8μL
図8の結果から、複数のピラーのうちの1つは流入口5と流出口6を結ぶ直線上に配置されるのがよく、特に流入口5に対向する位置にピラーを配置するのが好ましい。
図9は、3つのマイクロチャンバー直列に配置して液体を混合したときの混合後の蛍光強度の比較を示す図である。図9の実験の詳細を以下に示す。
*ピペッティングで混合したとき
40nM FITC溶液10μL
0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)30μL
*マイクロチャンバーが2個のとき(ピラー(半径が0.8mm)が3個)
マイクロチャンバーに添加した液:40nM FITC溶液9.6μL×2個
送液した液:0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)57.6μL
*マイクロチャンバーが3個のとき(ピラー(半径が0.8mm)が3個)
マイクロチャンバーに添加した液:40nM FITC溶液9.6μL×3個
送液した液:0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)86.4μL
*マイクロチャンバーが4個のとき(ピラー(半径が0.8mm)が3個)
マイクロチャンバーに添加した液:40nM FITC溶液9.6μL×4個
送液した液:0.1 M リン酸緩衝液(pH7.4)115.2μL
図9の結果から、マイクロチャンバーを複数個直列に接続しても問題なく液体の混合が行われることが明らかになった。従って、3種以上の液体混合は、マイクロチャンバーを直列に接続することで対応できることが明らかである。
本発明のマイクロチャンバーはμ-TASやLab-on-a-chipと称されるマイクロチップ上で、2種類以上の液体を混合する製品全般への応用が可能である。

Claims (10)

  1. 液体流入口5及び液体流出口6と接続したマイクロチャンバーであって、前記マイクロチャンバーは液体保持部、中空筒状の流体混合部を備え、液体保持部の底面2及び流体混合部の底面3の両方に交わる位置に複数のピラー1を配置する、マイクロチャンバー。
  2. ピラーの中心軸は液体保持部の底面2の略外周上にある請求項1に記載のマイクロチャンバー。
  3. ピラーが2、3又は4個配置されている、請求項1又は2に記載のマイクロチャンバー。
  4. ピラーが3個配置されている、請求項3に記載のマイクロチャンバー。
  5. ピラーの1つが液体流入口5と対向する位置に配置されている、請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
  6. 隣接するマイクロチャンバーの液体流入口5と液体流出口6とを接続することで、複数のマイクロチャンバーを連結させてなる、請求項1〜5のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
  7. 前記ピラーは円筒状である、請求項1〜6のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
  8. 前記液体混合部はドーナツ状である、請求項1〜7のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
  9. 前記液体保持部は円筒状であり、かつ、液体保持部は液体混合部よりも低い位置にある、請求項1〜8のいずれかに記載のマイクロチャンバー。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のマイクロチャンバーを用いた液体の混合方法であって、液体保持部に第1の液体を導入する工程、液体流入口5から第2の液体をマイクロチャンバー内に流入し、液体流出口6から第1の液体と第2の液体の混合液体を流出させる工程を含むことを特徴とする液体の混合方法。
JP2013095009A 2013-04-30 2013-04-30 マイクロチャンバー及び液体の混合方法 Expired - Fee Related JP6120440B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013095009A JP6120440B2 (ja) 2013-04-30 2013-04-30 マイクロチャンバー及び液体の混合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013095009A JP6120440B2 (ja) 2013-04-30 2013-04-30 マイクロチャンバー及び液体の混合方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014213299A true JP2014213299A (ja) 2014-11-17
JP6120440B2 JP6120440B2 (ja) 2017-04-26

Family

ID=51939587

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013095009A Expired - Fee Related JP6120440B2 (ja) 2013-04-30 2013-04-30 マイクロチャンバー及び液体の混合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6120440B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018015720A (ja) * 2016-07-28 2018-02-01 積水化学工業株式会社 マイクロ流路チップ及びマイクロ流体の合流方法
JP2020069411A (ja) * 2018-10-29 2020-05-07 学校法人 中央大学 液体混合装置及び液体混合方法
KR20220006206A (ko) * 2020-07-08 2022-01-17 연세대학교 산학협력단 미세유체 혼합기 및 이를 포함하는 미세유체 장치
WO2024071987A1 (ko) * 2022-09-30 2024-04-04 포항공과대학교 산학협력단 미세 유체 혼합용 구조체 및 이를 구비한 미세 유체 혼합 장치

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005003688A (ja) * 2003-06-13 2005-01-06 Steag Microparts Gmbh 液体を取り扱うための装置ならびにその製造方法および使用
JP2007113922A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Univ Waseda マイクロ反応装置
WO2008119470A1 (en) * 2007-03-29 2008-10-09 Roche Diagnostics Gmbh Device for performing multiple analyses in parallel
JP2009008690A (ja) * 2002-07-12 2009-01-15 Mitsubishi Chemicals Corp 分析用チップ、分析用チップユニット及び分析装置ならびに分析用チップの作製方法
JP2010117363A (ja) * 2003-06-27 2010-05-27 Bayer Healthcare Llc 反応試薬区域に流体を均一に塗布する方法
WO2012123751A1 (en) * 2011-03-15 2012-09-20 Carclo Technical Plastics Limited Capillary fluid flow control

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009008690A (ja) * 2002-07-12 2009-01-15 Mitsubishi Chemicals Corp 分析用チップ、分析用チップユニット及び分析装置ならびに分析用チップの作製方法
JP2005003688A (ja) * 2003-06-13 2005-01-06 Steag Microparts Gmbh 液体を取り扱うための装置ならびにその製造方法および使用
JP2010117363A (ja) * 2003-06-27 2010-05-27 Bayer Healthcare Llc 反応試薬区域に流体を均一に塗布する方法
JP2007113922A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Univ Waseda マイクロ反応装置
WO2008119470A1 (en) * 2007-03-29 2008-10-09 Roche Diagnostics Gmbh Device for performing multiple analyses in parallel
WO2012123751A1 (en) * 2011-03-15 2012-09-20 Carclo Technical Plastics Limited Capillary fluid flow control

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018015720A (ja) * 2016-07-28 2018-02-01 積水化学工業株式会社 マイクロ流路チップ及びマイクロ流体の合流方法
JP2020069411A (ja) * 2018-10-29 2020-05-07 学校法人 中央大学 液体混合装置及び液体混合方法
JP7178012B2 (ja) 2018-10-29 2022-11-25 学校法人 中央大学 液体混合装置及び液体混合方法
KR20220006206A (ko) * 2020-07-08 2022-01-17 연세대학교 산학협력단 미세유체 혼합기 및 이를 포함하는 미세유체 장치
KR102367263B1 (ko) 2020-07-08 2022-02-25 연세대학교 산학협력단 미세유체 혼합기 및 이를 포함하는 미세유체 장치
WO2024071987A1 (ko) * 2022-09-30 2024-04-04 포항공과대학교 산학협력단 미세 유체 혼합용 구조체 및 이를 구비한 미세 유체 혼합 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP6120440B2 (ja) 2017-04-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Basova et al. Droplet microfluidics in (bio) chemical analysis
JP6120440B2 (ja) マイクロチャンバー及び液体の混合方法
US11426726B2 (en) Systems and methods for serial flow emulsion processes
US8821813B2 (en) Liquid-feeding chip and analysis method
CA2471686C (en) Reducing working fluid dilution in liquid systems
Brouzes Droplet microfluidics for single-cell analysis
ES2863533T3 (es) Sistema fluídico para realizar ensayos
JP2017523435A (ja) 流体からバブルを分離するための装置
US20070275426A1 (en) Disk-like microfluidic structure for generating diffrent concentration fluid mixtures
US20180149582A1 (en) Channel structure, measurement unit, method of measuring liquid to be measured, and measurement device for liquid to be measured
JP2021153445A (ja) 液体取扱装置および液体取扱方法
JP2010078402A (ja) マイクロチップ
JP2006308447A (ja) 生体サンプル分析用プレート及び生体サンプル分析方法
JP2007075051A (ja) 生体サンプル判別用プレート
ES2731693T3 (es) Sistema de evacuación de gas para biosensor nanofluídico
CN113376228B (zh) 一种氨氮检测用微流体装置及用途
JP4298616B2 (ja) 処理具
Hartwell 1 Chapter Uses of Flow-based Systems
WO2014045482A1 (ja) 分析チップ、及び分析装置
JP2005291840A (ja) 分析装置
JP2006220531A (ja) 生体サンプル判別用プレート
JP2005304480A (ja) 処理具
JP2017053650A (ja) 試料分析チップ、試料分析方法及び試料分析装置
JP2005304479A (ja) 処理具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160216

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170301

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170327

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6120440

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees