JP2006247534A - マイクロチャネルチップ - Google Patents

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Abstract

【課題】 マイクロチャネルの合流部において液体同士を確実に混合させることができるマイクロチャネルチップを提供すること。
【解決手段】 本発明は、流体を流通させるための複数の第1チャネル11a,12aと、複数の第1チャネル11a,12aと接続され、接続された第1チャネル11a,12aを流通する流体を合流するための少なくとも1つの合流部15と、合流部15に接続され、合流部15で合流し混合された流体を流通させるための少なくとも1つの第2チャネル11bと、を有するマイクロチャネル17を備え、第1チャネル11a,12aは、合流部15側の端部にパッシブバルブ21,22を有することを特徴とするマイクロチャネルチップ100である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロチャネルチップに関する。
近年のナノテクノロジーやバイオテクノロジーの分野においては、微量の液体を用いた化学反応や検査等がよく行われており、このような化学反応や検査等を的確に行うためには、化学反応や検査等に使用する液体同士を確実に混合させる技術が必要となる。
このような微量の液体を混合する装置として、マイクロチャネルチップが知られている。マイクロチャネルチップは一般に、プレートの内部に、マイクロチャネルを有する。マイクロチャネルは合流部を有しており、この合流部に複数の流路が合流するようになっている。従って、合流部の下流側の圧力を低下させると、原理的には、合流部の上流側と下流側との間に圧力差が生じ、液体が複数の流路から合流部で合流して混合され、下流側の流路へと流出される。ところが、マイクロチャネルはプレートの内部に形成されて閉じられた空間となっている。このため、例えば複数の流路の合流部で当該流路を流れる液体同士を混合させる場合に、液体が合流するタイミングが合わないと、即ち一方の流路を流れる液体が先に合流部に流入してしまうと、他方の流路内には空気が混入し、液体を混合させることができなくなる。
そこで、マイクロチャネルを通る液体の流れを制御して微量の液体を所望のタイミングで混合させる受動弁ないしは液体の停止手段(以下、「パッシブバルブ」という)を用いたマイクロチャネルチップが提案されている(下記特許文献1及び2参照)。また、同様にパッシブバルブに相当する撥水バルブを設けて、圧力制御により微量の液体をタイミングよく混合させる方法、装置が開示されている(例えば下記特許文献3参照)。
特表2002−527250号公報 米国特許第6601613号明細書 特開2003−190751号公報
しかしながら、前述した特許文献1〜3に記載のマイクロチャネルチップであっても、タイミングよく液体同士を合流させることができない場合があり、合流時に空気が混入して液体同士を確実に混合させることができない場合があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、マイクロチャネルの合流部において液体同士を確実に混合させることができるマイクロチャネルチップを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、上記のように空気の混入が、合流部とパッシブバルブとの距離に起因するのではないかと考えるに至った。そして、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の発明により上記課題を解決し得ることを見出した。
即ち本発明のマイクロチャネルチップは、流体を流通させるための複数の第1チャネルと、複数の第1チャネルと接続され、接続された第1チャネルを流通する流体を合流するための少なくとも1つの合流部と、合流部に接続され、合流部で合流し混合された流体を流通させるための少なくとも1つの第2チャネルと、を有するマイクロチャネルを備え、第1チャネルは、合流部側の端部にパッシブバルブを有することを特徴とする。ここで、本発明において用いるパッシブバルブとは、上流側と下流側の圧力差がパッシブバルブによる圧力障壁未満の場合、上流から流れてきた液体の先頭を停止させることができ、また、上流側と下流側の圧力差がパッシブバルブによる圧力障壁以上の場合、上流から流れてきた液体の先頭を通過させることができるバルブをいう。
このマイクロチャネルチップによれば、複数の第1チャネルに流入される液体が、パッシブバルブで一時的に停止される。そして、第1チャネルの圧力よりも第2チャネルの圧力を低くすると、パッシブバルブで停止していた液体が上記パッシブバルブを通過し、合流部において混合された後、第2チャネルへと流出される。このとき、合流部と複数の第1チャネルとは、パッシブバルブと合流部とが接するように接続されているため、複数の液体が合流するタイミングを常に一致させることが可能となり、合流タイミングのズレによって発生する空気の混入もなくなり、常に安定な混合が可能となる。
本発明のマイクロチャネルチップは、マイクロチャネルに流通させる流体を貯留するための複数のウェルと、マイクロチャネルを介して複数のウェルと接続された開口部とをさらに備え、マイクロチャネルは、各ウェルから開口部までの間に設置されるパッシブバルブの合計数がそれぞれ同一となるように、パッシブバルブを有していることが好ましい。
この場合、各ウェルと開口部との間に圧力差を瞬間的に生じさせると、各ウェル内に収容された液体はマイクロチャネルに流入され、直近のパッシブバルブで停止する。この状態で更に各ウェルと開口部との間に圧力差を瞬間的に生じさせると、パッシブバルブで停止している液体は、パッシブバルブを通過して、更に下流側のパッシブバルブで停止するか、又は合流部に合流する。液体が合流部に合流する場合には、異なるウェル内の液体同士がタイミングよく合流される。一方、液体がパッシブバルブで停止する場合には、更に各ウェルと開口部との間に圧力差を瞬間的に生じさせることで、パッシブバルブで停止している液体は、パッシブバルブを通過して、更に下流側のパッシブバルブで停止するか、又は合流部に合流する。このような操作を繰り返すと、各ウェル内に収容された液体は、同一回数のパッシブバルブを通過する。このため、最終的に、すべてのウェル内に収容された液体の混合物が、開口部の直近の合流部を経て開口部に到達する。
上記マイクロチャネルチップは、第1チャネルにおける前記パッシブバルブの合流部側の端部の開口面積が、第2チャネルの合流部側の開口面積以上であることが好ましい。
この場合、混合される液体として、マイクロチャネルの内壁に対して親水性を示す物質を用いると、第1チャネルにおけるパッシブバルブで停止している液体を通過させる場合に、第1チャネルと第2チャネルとの間の圧力差をより小さくすることができるので、液体同士の混合をより簡単に行うことができる。
上記マイクロチャネルチップは、第1チャネルにおける前記パッシブバルブの合流部側の端部の開口面積が、第2チャネルの合流部側の開口面積よりも小さいものであることが好ましい。
この場合、混合される液体として、マイクロチャネルの内壁に対して疎水性を示す物質を用いると、第1チャネルにおけるパッシブバルブで停止している液体を通過させる場合に、第1チャネルと第2チャネルとの間の圧力差をより小さくすることができるので、液体同士の混合をより簡単に行うことができる。
本発明によれば、マイクロチャネルの合流部において液体同士を確実に混合させることができるマイクロチャネルチップを提供することができる。
以下、図面を参照して本発明に係るマイクロチャネルチップの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[第1実施形態]
まず、本発明のマイクロチャネルチップの第1実施形態について図1を用いて説明する。図1は、本発明のマイクロチャネルチップの第1実施形態を示す平面図、図2は、図1のPで示される部分の拡大図である。
図1に示すように、本実施形態のマイクロチャネルチップ100は、矩形平板状のプレート10を有している。プレート10は透光性材料で構成されており、液体を収容する複数のウェル11,12,13と、開口部14と、ウェル11〜13及び開口部14を接続するマイクロチャネル17とを内部に有している。言い換えると、ウェル11〜13は、マイクロチャネル17を介して開口部14と接続されている。そして、ウェル11〜13に収容された液体がマイクロチャネル17を経て開口部14に導入されるようになっている。
ウェル11,12及び13には、それぞれ液体が収容されている。またプレート10には、ウェル11,12,13にそれぞれ通じる通気口(図示せず)が形成されている。このため、ウェル11〜13内の圧力は大気圧となっている。また図示しないが、開口部14は、例えばシリンジポンプにより減圧可能となっている。
マイクロチャネル17は、ウェル11から開口部14に向かって順次、合流部15,16を有している。
合流部15には、その流入側に、チャネル部(第1チャネル)11aが接続され、チャネル部11aは、その合流部15側の端部に液体を停止させるパッシブバルブ21を有している。このパッシブバルブ21は、合流部15の流入側に接するように設けられている。また、合流部15には、その流入側に、チャネル部(第1チャネル)12aが接続され、チャネル部12aは、その合流部15側の端部に液体を停止させるパッシブバルブ22を有している。このパッシブバルブ22は、合流部15の流入側に接するように設けられている。そして、合流部15の流出側には、チャネル部(第2チャネル)11bが接続されている。なお、チャネル部11a,12aとチャネル部11bとは互いに直交し、これらチャネル部11a,11b、12aによってT字形状が構成されている。
一方、合流部16には、その流入側に、チャネル部(第1チャネル)11bが接続され、チャネル部11bは、その合流部16側の端部に液体を停止させるパッシブバルブ23を有している。このパッシブバルブ23は、合流部16の流入側に接するように設けられている。また、合流部16には、その流入側に、チャネル部(第1チャネル)13aが接続され、チャネル部13aは、その合流部16側の端部に液体を停止させるパッシブバルブ24を有している。このパッシブバルブ24は、合流部16の流入側に接するように設けられている。そして、合流部16の流出側には、チャネル部(第2チャネル)11cが接続されている。そして、チャネル部11b,13aとチャネル部11cとは互いに直交し、これらチャネル部11b,13a、11cによってT字形状が構成されている。
ここで、合流部15,16近傍の構成について図2を用いて詳細に説明する。ここでは、合流部15を例にして説明する。合流部16の近傍の構成は、合流部15と同様であるため、説明を省略する。図2は、図1における合流部15の近傍の構成を示す概略図である。図2に示すように、パッシブバルブ21,22は、それぞれチャネル部11a,12aから合流部15側に向かって開口面積が次第に小さくなる絞り部によって構成されている。絞り部はいずれもパッシブバルブであり、絞り部で液体を停止させ、絞り部の上流側と下流側との間で圧力差を瞬間的に生じさせると、停止されていた液体は絞り部を通過する。
絞り部は、チャネル部11aと、チャネル部12aと、チャネル部11bとの交差部に突出部30を張り出させることによって構成されている。ここで、突出部30の形状は、例えばテーパ形状となっている。したがって、絞り部は、合流部15に向かって開口面積が小さくなる形状を有している。言い換えると、チャネル部11a,12a,11bのプレート10の厚さ方向の深さが同一ならば、パッシブバルブ21及び22の形状は、チャネル部11a、12a側から合流部15側に向かってチャネル幅が徐々に狭くなる形状となっている。このように、パッシブバルブ21,22は、チャネル幅を徐々に狭くすることによって、液体を停止させる機能を有する。
上記のように、複数のチャネル部11a,12aに流入される液体が、パッシブバルブ21,22で一時的に停止される。そして、チャネル部11a,12aの圧力よりもチャネル部11bの圧力を低くすると、パッシブバルブ21,22で停止していた液体が上記パッシブバルブ21,22を通過し、合流部15において混合された後、チャネル部11bへと流出される。このとき、合流部15とチャネル部11a,12aとはパッシブバルブ21,22と合流部15とが接するように接続されているため、複数の液体が合流するタイミングを常に一致させることが可能となり、合流タイミングのズレによって発生する空気の混入もなくなり、常に安定な混合が可能となる。
ここで、チャネル部11a、チャネル部12aがいずれも、プレート10の厚さ方向に対して同一の深さを有しているとした場合、絞り部の合流部15側の開口面積は、絞り部の最小幅du、dcで決定される。チャネル部11bの最小幅はdsである。ここで、絞り部の最小幅du、dc、チャネル部11bの最小幅dsは、例えば以下の関係:
du≧ds
dc≧ds
を満たしていることが好ましい。
この場合、混合される液体として、マイクロチャネル17の内壁に対して親水性を示す物質を用いると、絞り部で停止している液体を通過させる場合に、チャネル部11a,12aとチャネル部11bとの間の圧力差をより小さくすることができるので、液体同士の混合をより簡単に行うことができる。ここで、マイクロチャネル17の内壁に対して親水性を示す液体とは、マイクロチャネル内壁に対する接触角が90°以下である液体を言うものとする。
ここで、混合される液体が同一である場合には、更に、
du=dc
とすることが、液体同士の混合をより簡単に行う点から好ましい。
なお、チャネル部11a、チャネル部12aはいずれも、プレート10の厚さ方向に対して必ずしも同一深さを有する必要はない。この場合でも、絞り部の合流部15側の端部の開口面積が、チャネル部11bの合流部15側の開口面積以上であれば、液体同士の混合をより簡単に行うことができる。
また図1に示すように、チャネル部13aには、ウェル13の下流側であってパッシブバルブ24の上流側にパッシブバルブ25が設けられている。従って、ウェル11から開口部14までのパッシブバルブの数は2であり、ウェル12から開口部14までのパッシブバルブの数も2であり、ウェル13から開口部14までのパッシブバルブの数も2である。つまり、ウェル11〜13から開口部14までのパッシブバルブの数は同一となっている。
このため、マイクロチャネルチップ100によれば、開口部14を減圧して各ウェル11〜13と開口部14との間に圧力差を瞬間的に生じさせると、ウェル11内に収容された液体は、チャネル部11aに流入され、パッシブバルブ21で停止する。一方、ウェル12内に収容された液体は、第2チャネル12aに流入され、パッシブバルブ22で停止する。他方、ウェル13内に収容された液体は、チャネル部13aに流入され、パッシブバルブ25で停止する。
この状態で更に各ウェル11〜13と開口部14との間に圧力差を瞬間的に生じさせると、パッシブバルブ21で停止していた液体はパッシブバルブ21を通過し、合流部15に到達する。一方、パッシブバルブ22で停止していた液体はパッシブバルブ22を通過し、合流部15に到達する。他方、パッシブバルブ25で停止していた液体はパッシブバルブ25を通過し、パッシブバルブ24に到達する。このとき、合流部15とチャネル部11a,12aとはパッシブバルブ21,22と合流部15とが接するように接続されているため、複数の液体が合流するタイミングを常に一致させることが可能となり、合流タイミングのズレによって発生する空気の混入もなくなり、常に安定な混合が可能となる。
合流部15で合流した混合液は、チャネル部11bに流入されてパッシブバルブ23で停止する。したがって、このとき、合流部16に直接接続されたパッシブバルブ23,24のそれぞれにおいて液体が待機状態にあることになる。
この状態で更に各ウェル11〜13と開口部14との間に圧力差を瞬間的に生じさせると、パッシブバルブ23で停止している液体は、パッシブバルブ23を通過して合流部16に合流する。一方、パッシブバルブ24で停止していた液体は、パッシブバルブ24を通過して合流部16に合流する。このとき、合流部16とチャネル部11b,13aとはパッシブバルブ23,24と合流部16とが接するように接続されているため、複数の液体が合流するタイミングを常に一致させることが可能となり、合流タイミングのズレによって発生する空気の混入もなくなり、常に安定な混合が可能となる。
こうして合流部16で合流された液体は、チャネル部11cを経て開口部14に到達する。
このように本実施形態のマイクロチャネルチップ100を用いると、マイクロチャネル17がプレート10内に形成されて空気の混入が発生しやすい場合であっても、ウェル11〜13内に収容された液体の混合物を開口部14において確実に得ることができる。即ちウェル11〜13内に収容された液体同士を確実に混合させることができる。従って、ウェル11〜13内に収容される液体が、互いに化学反応又は生物反応するものである場合には、化学反応や生物反応を確実に行うことができる。
次にマイクロチャネル17について説明する。
図3(a)〜(c)は、本実施形態に係るマイクロチャネル17のプレート10の厚さ方向に沿った部分断面図である。図3の(a)〜(c)において、チャネル17の断面形状は四角形であり、チャネル17のチャネル幅dは、1mm以下である。なお、「チャネル幅」とは、プレート10の厚さ方向に対して垂直で且つマイクロチャネル17の延び方向に対して直交する面に平行な方向(以下、「幅方向」という)の長さをいう。チャネルの断面形状が四角形の場合は幅方向の長さをいい、台形や三角形の場合は幅方向に沿った最も大きい長さをいう。また、チャネルの断面形状が円形や半円形の場合は直径の大きさ、楕円形の場合は幅方向に対して最も大きい径の長さをいう。
チャネル幅が上記の範囲であると、このチャネル17内で液体同士が混合される場合には、単位体積あたりの接触表面積が増加するため、液体同士を効率よく混合させることができる。すなわち拡散が極めて短時間で行われることになる。更にチャネル幅は好ましくは0.1〜500μmである。
図3の(a)に示す態様のチャネル17は、一方の基材33aの一面と、他方の基材33bの一面とにそれぞれ溝を設け、溝同士を向かい合わせて貼り合わせることで形成される。図3の(b)に示すの態様のチャネル17は、中間層である基材34bに貫通溝を設け、この基材34bを挟持するように基材34a及び基材34cを積層して形成される。なお、図3の(c)に示す態様のチャネル17は、一方の基材35aの一面に溝を設け、もう一方の基材35bと貼り合わせることで形成される。また、チャネル17は、図1に示すチャネル11a〜11c、チャネル12a、チャネル13aに適用される。
これらの基材33a、33b、34a〜34cは任意に定めることができ、石英ガラス又はパイレックス(登録商標)ガラス等のガラス、PDMS(ポリジメチルシロキサン)、ポリカーボネート又はポリイミド等のポリマー、鉄、ステンレス、アルミニウム、ニッケル又は銅等のメタル、又はシリコン等を使用することができ、積層する場合のそれぞれの基材は、同一の種類であっても異なった種類であってもよい。
[製造方法]
次に、本実施形態に係るマイクロチャネルチップ100の製造方法について説明する。
本実施形態に係るマイクロチャネルチップ100の製造方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法で製造することができる。
即ち、シリコンウェハ上にレジストを塗布し、マイクロチャネル17、ウェル11〜13及び開口部14に対応した形状にパターニングしたのち、現像し、露光したシリコンウェハの表面部分をエッチングする。こうしてシリコン表面にマイクロチャネル17、ウェル11〜13及び開口部14に対応した凸部が形成される。次に、当該レジストを除去し、そこに未硬化のポリジメチルシロキサン(以下「PDMS−1」という。)原液を塗布する。そして、当該PDMS−1を硬化(130℃、30分)させ、PDMS−1を剥離することにより、ウェルやチャネルの形状を有するPDMS−1硬化物が得られる。また、PDMS−1硬化物は、その後、使用しやすいように更に加工することも可能である。
次に、ガラスウェハ上に別の未硬化のポリジメチルシロキサン(以下「PDMS−2」という。)原液を塗布し、仮硬化(50℃、10分)させる。そして、その上に、上記PDMS−1硬化物を貼り合わせ、最後にPDMS−2を硬化(130℃、30分)させる。こうして、本実施形態に係るマイクロチャネルチップ100が得られる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、チャネル部11a,12a、11bが互いに直交し、チャネル部11a,12a、11bによってT字形状が構成されているが、図4に示すように、チャネル部11a,12aとチャネル部11bとのなす角を90°よりも大きくし、チャネル部11a,12a、11bによってY字形状が構成されてもよい。
また絞り部の最小幅du、dc、チャネル部11bの最小幅dsは、例えば以下の関係:
du<ds
dc<ds
を満たしていてもよい。
この場合、混合される液体として、マイクロチャネル17の内壁に対して疎水性を示す液体を用いると、絞り部で停止している液体を通過させる場合に、チャネル部11a,12aとチャネル部11bとの間の圧力差をより小さくすることができるので、液体同士の混合をより簡単に行うことができる。ここで、混合される液体が同一である場合には、更に、
du=dc
とすることが、液体同士の混合をより簡単に行う点から好ましい。
また図3に示すマイクロチャネルの断面形状は四角形であるが、特に限定されず、円形であってもよく、台形、楕円形等の形状であってもよい。
上記実施形態で、マイクロチャネルには2つの合流部15,16を有しているが、合流部は1つでもよく、3つ以上有していてもよい。合流部を3つ以上有する場合は、合流部それぞれに接続されるチャネル部において、パッシブバルブがチャネル部の合流部側の端部に設けられていることが好ましい。この場合、上記2つの合流部を有する第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、本発明のマイクロチャネルチップにおいて用いる液体は流動性があれば特に限定されずに用いることができる。なお、常温において流動性がない液体であっても、加熱時に流動性があれば、本発明のマイクロチャネルチップを加熱することにより用いることができる。
また、本実施形態においては、液体がパッシブバルブを通過するために、開口部を各ウェルよりも減圧しているが、開口部を大気圧とし、各ウェルに設けられた通気口から加圧することによっても、液体がパッシブバルブを通過することができる。
開口部を各ウェルよりも減圧する場合、当該開口部から減圧する圧力制御手段としては、特に限定されないが、例えば、ダイアフラムポンプ、シリンジポンプ等を用いることができる。これらは、開口部に接続して用いられる。この中でもダイアフラムポンプを用いることが好ましい。ダイアフラムポンプを用いると、圧力制御を簡便に行うことができ、さらにコスト、小型化の点で有用である。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1に示すマイクロチャネルチップを用いて試験を行った。ウェル11には、検体溶液を、ウェル12には溶菌溶液を、ウェル13には発光溶液を収容し、合流部16から開口部14までの蛇行したチャネル11cの上下面にそれぞれ、反射板と光検出装置を配置した。検体溶液、溶菌溶液及び発光溶液としては、それぞれ以下のものを用いた。
検体液:1×10cells/ml(E.coli JM109、PBS buffer)
溶菌溶液:10mg/mL(リゾチーム(鶏卵白由来):シグマ社製)、0.8wt%(TritonX-100:シグマ社製)、4wt%(サッカロース、10mM EDTA、50mM Tris−HCl(pH8.0))
発光溶液:1mg/ml(ルシフェラーゼ:和光純薬社製)、2.5mM(D(−)−ルシフェリン:和光純薬社製)
上記各溶液を各ウェル11〜13のそれぞれに接続されたチャネル11a、12a及び13aに流通させ、検体溶液をパッシブバルブ21に、溶菌溶液をパッシブバルブ22に、発光溶液をパッシブバルブ25に停止させた。
そして、開口部14に接続したダイアフラムポンプで減圧することにより、各液体が各パッシブバルブを通過し、検体溶液と溶菌溶液とを混合させた。この混合により細菌内ATPが抽出され、細菌内ATPを含む混合液はさらに蛇行したチャネル11aを流通し、パッシブバルブ23で停止した。一方、パッシブバルブ25を通過した発光溶液は、チャネル13aを流通し、パッシブバルブ24にて停止した。
そして再び、開口部14に接続したダイアフラムポンプで減圧することにより、各液体が各パッシブバルブ23,24を通過し、細菌内ATPを含む混合液と発光溶液とが混合された。この混合により、発光溶液に含まれるルシフェラーゼが細菌内ATPと反応し、合流部16から開口部14までの蛇行したチャネル11cを流通する過程において発光した。
この発光による発光量を上記反射板で増幅し、更に上記検出装置にて光を検出することにより、細菌を検出することができた。このことから、各ウェル11〜13に収容された検体液、溶菌溶液及び発光溶液同士が混合されたことが分かった。
以上より、本発明のマイクロチャネルチップによれば、各ウェル内の液体を合流部で確実に混合させることができることが確認された。
図1は、本発明のマイクロチャネルチップの一実施形態を示す平面図である。 図2は、図1のPで示される部分の拡大図である。 図3は、本実施形態に係るマイクロチャネルチップの厚さ方向に沿った部分断面図である。 図4は、図1のPで示される部分の変形例を示す図である。
符号の説明
10…プレート、11〜13…ウェル、11a〜11c、12a,13a…チャネル部、14…開口部、15,16…合流部、17…マイクロチャネル、21〜25…パッシブバルブ、30…突出部、33a〜33c,34a〜34c,35a,35b…基材、100…マイクロチャネルチップ、d,ds,dc,du…チャネル幅。

Claims (4)

  1. 流体を流通させるための複数の第1チャネルと、
    前記複数の第1チャネルと接続され、接続された第1チャネルを流通する流体を合流するための少なくとも1つの合流部と、
    前記合流部に接続され、前記合流部で合流し混合された流体を流通させるための少なくとも1つの第2チャネルと、
    を有するマイクロチャネルを備え、
    前記第1チャネルは、前記合流部側の端部にパッシブバルブを有することを特徴とするマイクロチャネルチップ。
  2. 前記マイクロチャネルに流通させる流体を貯留するための複数のウェルと、
    前記マイクロチャネルを介して前記複数のウェルと接続された開口部とをさらに備え、
    前記マイクロチャネルは、各ウェルから開口部までの間に設置されるパッシブバルブの合計数がそれぞれ同一となるように、パッシブバルブを有していることを特徴とする請求項1記載のマイクロチャネルチップ。
  3. 前記第1チャネルにおける前記パッシブバルブの前記合流部側の端部の開口面積が、前記第2チャネルの前記合流部側の開口面積以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロチャネルチップ。
  4. 前記第1チャネルにおける前記パッシブバルブの前記合流部側の端部の開口面積が、前記第2チャネルの前記合流部側の開口面積よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロチャネルチップ。

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