以下、本発明における実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態は、図柄を変動して表示する三つの変動領域を有する表示部を備えた遊技機に適用した形態であって、図1〜図14を参照しながら説明する。
はじめに、本発明の概要を示した図1を参照しながら説明する。図1に示す本発明の遊技機は、所要の条件が成立すると図柄等の映像を表示すべく表示指令を出力する遊技制御部2と、当該表示指令を受けて画像編集を行なって画像信号を表示部8に出力する表示制御部4とを有する。所要の条件としては、特定位置に設けた検出器が遊技球を検出したときや、大当たり遊技期間等がある。表示部8には図柄を変動して表示する三つの変動領域6a,6b,6cを備える。変動領域6a,6b,6cは、例えば変動領域6a,6cが第1領域群G1に区分され、変動領域6bが第2領域群G2に区分される。ここで、第1領域群G1は第1グループに相当し、第2領域群G2は第2グループに相当する。表示制御部4が行う画像編集によって表示部8に表示される画像は、例えば次のようになる。すなわち、全グループの図柄変動後において第1領域群G1に属する変動領域6a,6cに第1図柄が所定図柄で停止すると、第2領域群G2に属する変動領域6bで行う変動回数(変動領域で図柄群を変動した後に停止する回数)を表示する。図1の例では第1図柄が所定図柄としての図柄「77」で停止し、変動領域6b内に変動回数を変動領域の数で表示している。そして、変動回数内で図柄群を変動した後に停止する過程を繰り返す。この繰り返し過程の中で変動領域6b内に停止した第2図柄と、既に停止した上記第1図柄との組み合わせが特定図柄の組み合わせになると、遊技者に特典を与える。図1の例では、3回の変動回数に対して、2回目で図柄「777」(特定図柄の組み合わせ)で停止して大当たりになったため、この時点で遊技者に特典を与える。なお、一般の遊技機では、変動領域6bで変動回数内で図柄変動を繰り返し行えば「大当たり」になることは少なく、むしろ「はずれ」になることが多い。
上記のように構成した遊技機によれば、第1領域群G1(第1グループ)の変動領域6a,6cに第1図柄が所定図柄で停止すると、第2領域群G2(第2グループ)に属する変動領域6bで変動回数を報知する。
そして、当該変動回数内で第2領域群G2に属する変動領域6bに停止した第2図柄と第1図柄との組み合わせが特定図柄の組み合わせになると、遊技者に特典を与える。そのため、遊技者は現在行われている変動態様によって特典を期待する期待感を持てるだけでなく、次回以降に確実に行われる変動態様に対しても特典を期待する期待感を持つことができる。なお、図1の例では表示部8には三つの変動領域6a,6b,6cを備えたが、二つの変動領域や、四つ以上の複数の変動領域を備える場合でも同様である。すなわち、これらの複数の変動領域を任意に第1領域群G1または第2領域群G2に区分すると上述した作用が実現され、上述した効果を得ることができる。
次に、遊技機の一つである第1種パチンコ機に本発明を適用した例について説明する。まず図2はパチンコ機10の外観を示す正面図であり、図3は複合装置の外観を示す正面図である。図2において、パチンコ機10の遊技盤面12上には、第1種始動口26,大入賞口28,複合装置14,一般の入賞口等を適宜に配置している。
第1種始動口26は図面左右方向に開閉する可動翼片(いわゆるチューリップ)や、パチンコ球の入賞を検出する始動口センサ50などを有する。この第1種始動口26にパチンコ球が入賞すると、通常の入賞口と同様に賞球(「賞品球」とも呼ぶ。)を払い出す。可動翼片はソレノイド52によって開閉される。大入賞口28は図面前後方向に開閉する蓋58や、特別領域としてのVゾーン48、一般領域としての入賞口などを有する。蓋58はソレノイド46によって開閉し、Vゾーン48にはVゾーンセンサ44を設け、入賞口には入賞センサ56を設ける。大当たり遊技の際には蓋58を開けて、パチンコ球が大入賞口28に入賞しやすい状態にする。当該蓋58が開いている間にパチンコ球がVゾーン48に入賞すると、所要回数(例えば15回)内で大当たり遊技を継続することができる。蓋58を開けている期間(以下「大入賞口開放期間」と呼ぶ。)は、例えば大入賞口28にパチンコ球が10個入賞するか、開けてから30秒間を経過するまでのいずれか早いほうが該当する。なお、始動口センサ50やVゾーンセンサ44には、例えば近接センサやマイクロスイッチ,光センサ等のセンサを用いる。
図3に示す複合装置14はゲート22,54や、普通図柄を表示する普通図柄表示器20、特別図柄,チャンス図柄,背景図柄などの画像を表示する特別図柄表示器24、普通図柄の変動中にゲート22,54を通過したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ64、特別図柄の変動中に第1種始動口26に入賞したパチンコ球の個数を表示する保留球ランプ68などを有する。ゲート22にはゲートセンサ72を、ゲート54にはゲートセンサ60をそれぞれ備える。パチンコ球がゲート22,54を通過すると普通図柄表示器20で普通図柄の変動を始めるが、第1種始動口26の場合とは異なり賞球を払い出さない。保留球ランプ64,68は、それぞれ普通図柄表示器20を囲むようにほぼ円周状に配置した複数個の発光体(例えば4個のLED)からなる。
普通図柄表示器20は、例えば7セグメントLEDを用いる。当該普通図柄表示器20に表示する普通図柄は当たりか否かを判別するために用い、例えば英数字や記号等を用いる。この普通図柄はゲート22,54にパチンコ球が通過すると変動し始め、その後に停止する。そして、停止して表示された普通図柄が当たり図柄と一致すると、第1種始動口26の可動翼片を一定期間(例えば0.5秒間)だけ開ける。普通図柄の変動中にパチンコ球がゲート22,54を通過すると、その個数に応じて保留球ランプ64のLEDを点灯する。なお、普通図柄表示器20には7セグメントLED以外に、液晶表示器,CRT,LED表示器,プラズマ表示器等のように普通図柄が表示可能な他の表示器を用いてもよい。特別図柄表示器24は表示部8に相当し、例えば液晶表示器を用いる。当該特別図柄表示器24に表示する特別図柄は大当たりか否かを判別するために用い、チャンス図柄(「第4図柄」とも呼ぶ。)は大当たりによる特典以外の付加特典を決定するために用い、背景図柄は特別図柄,チャンス図柄の背景として表示する図柄である。これらの特別図柄,チャンス図柄,背景図柄には、例えば英数字,漢字,仮名,記号,符号,図形,動画(映像やアニメーション等),静止画などを用いる。図3に示す例では特別図柄表示器24の画面に三つの変動領域74,78,82を設け、順番にそれぞれ左図柄76,中図柄80,右図柄84を変動または停止して表示する。変動領域74,82は第1領域群G1に属し、変動領域78は第2領域群G2に属するように区分している。なお、特別図柄表示器24は液晶表示器以外に、CRT,LED表示器,プラズマ表示器等のように特別図柄等が表示可能な表示器を用いてもよい。また、普通図柄表示器20と特別図柄表示器24とを別個に用いて構成したが、同一の表示器で双方を兼用するものとしてもよい。その他、複合装置14にはランプ等の発光体や装飾板等を有し、装飾効果を発揮させて遊技者の目を楽しませる。
図2に戻って遊技盤面12以外では、賞球を含むパチンコ球を一時的に貯留する下皿38や、タバコの吸い殻等を入れる灰皿40、効果音や音楽等を出すスピーカ42、遊技者の手がハンドル34に触れているか否かを検出するタッチセンサ36、ガラス枠18の開放を検出する金枠センサ30等を備える。スピーカ42は賞球の受皿である上皿32の内部に設け、タッチセンサ36や金枠センサ30はそれぞれ所要の位置に設ける。
また、ランプ類16は電球やLED等の発光体を用いており、図示した位置には限らずパチンコ機10の種類や遊技内容等に合わせて適切な位置に配置する。
次に、メイン制御基板100と表示制御基板200とにかかる具体的な構成例について、図4を参照して説明する。図4には、メイン制御基板100と表示制御基板200の構成をブロック図で示す。これらのメイン制御基板100と表示制御基板200は、いずれもパチンコ機10の背面側に設ける。図4において、遊技制御部2に相当するメイン制御基板100はCPU(プロセッサ)110を中心に構成し、パチンコ機10で行われるパチンコ遊技を制御する。当該メイン制御基板100は、遊技制御プログラムや大当たり値などのデータを格納するROM112、はずれ図柄データ,変動回数に相当するチャンス回数,各種乱数等のデータや検出信号などを一時的に格納するRAM114、ゲートセンサ60,72やVゾーンセンサ44等の入賞センサから出力された検出信号を入力する入力処理回路102、ソレノイド46,52等を駆動させる駆動信号を出力する出力処理回路104、ランプ類16や普通図柄表示器20等の表示制御を行う表示制御回路106、表示制御基板200等との間で通信を行う通信制御回路116などを備える。これらのCPU110やROM112,RAM114,入力処理回路102,通信制御回路116はバス118により相互に接続される。なお、図示しないがフラッシュメモリやバッテリによって記憶されたデータ等がバックアップされるバックアップメモリを別個に備えてもよい。
また、表示制御部4に相当する表示制御基板200はCPU210を中心に構成し、メイン制御基板100から送られる表示指令を受けて、表示すべき文字,図柄等を適切に加工して特別図柄表示器24に表示する処理を行う。当該表示制御基板200は、表示制御プログラムや表示情報などのデータを格納するROM202、指令信号などのデータを一時的に格納するRAM204、メイン制御基板100との間で通信を行う通信制御回路206、文字,図柄,背景等のデータを生成するキャラクタジェネレータ212、配色指定やスプライト処理等の画像編集を行なって最終的には画像信号(映像信号や同期信号等)を出力するVDP(Video Display Prosessor)214などを備える。これらのCPU210やROM202,RAM204,通信制御回路206,VDP214はバス208により相互に接続される。なお、図示しないがメイン制御基板100の場合と同様にフラッシュメモリやバックアップメモリを別個に備えてもよい。CPU210はメイン制御基板100から出力された表示指令を受けると、当該表示指令に対応する表示情報をROM202から読み込み、バス208を介してVDP214に出力する。VDP214はVRAMやパレットRAM等を備えており、CPU210から送られた表示情報を受けて、当該表示情報に対応するデータをキャラクタジェネレータ212から読み込み、配色指定及びスプライト処理等の画像編集を行なってVRAMやパレットRAM上にデータ展開し、最終的には画像信号を特別図柄表示器24に出力する。その他、メイン制御基板100や表示制御基板200に備えるROMにはEPROMを用いるが、EEPROMやフラッシュメモリを用いてもよい。同様にRAMにはDRAMを用いるが、SRAMやフラッシュメモリ等を用いてもよい。
上記のように構成されたパチンコ機10において、本発明を実現するためにメイン制御基板100や表示制御基板200で行う処理手順について図5から図10までを参照して説明する。ここで、図5には第1種始動口処理の内容を、図6には図柄変動処理の内容を、図7には変動表示処理の内容を、図8にはリーチ処理の内容を、図9にはリーチパターン処理の内容を、図10には画像表示処理の内容をそれぞれフローチャートで示す。これらの処理手順のうち、第1種始動口処理,図柄変動処理,変動表示処理,リーチ処理,リーチパターン処理は、いずれも図4に示すメイン制御基板100においてROM112に格納されている遊技制御プログラムをCPU110が適当なタイミング(例えば4ミリ秒ごとの周期)で実行することによって実現される。また、表示処理は表示制御基板200においてCPU210とVDP214が適当なタイミングでプログラムを実行することによって実現される。なお、以下の説明において「保留球数」という場合には、特別図柄表示器24に特別図柄が変動して表示されている間に第1種始動口26に入賞したパチンコ球の個数を意味する。
また、「加算する」という場合には、通常は1だけ保留球数を増やすことを意味するが、遊技状態等に応じて適宜に2以上ずつ増やす場合を含む。これに対して「減算する」という場合には、保留球数を減らす点を除いては加算する場合と同様である。
まず、図5に示す第1種始動口処理では、第1種始動口26に対するパチンコ球の入賞判別を行う。具体的には、最初に第1種始動口26にパチンコ球が入賞したか否かを判別する〔ステップS10〕。具体的には、図3において始動口センサ50から検出信号が出力された場合には入賞した(YES)と判別し、検出信号が出力されなければ入賞しない(NO)と判別する。そして、第1種始動口26にパチンコ球が入賞したときには、保留球数が上限値(例えば4)に達しているか否かを判別する〔ステップS12〕。保留球数が上限値に達していなければ(NO)、その保留球数を加算する〔ステップS14〕。加算された保留球数に応じて保留球ランプ68のLEDを点灯する。その後、各種乱数の読み込みと記憶を行い〔ステップS16〕、第1種始動口処理を終了する。なお、第1種始動口26にパチンコ球が入賞していない場合(ステップS10のNO)や、保留球数が上限値に達している場合(ステップS12のNO)には、何もせずにそのまま第1種始動口処理を終了する。
ここで、ステップS16に示す各種乱数には、大当たり判定用乱数RA,大当たり図柄用乱数RB,リーチパターン乱数RC,確率変動用乱数RD等がある。大当たり判定用乱数RAは、大当たりか否かを判別するための乱数である。大当たり図柄用乱数RBは、大当たり判定用乱数RAによって大当たりと判別された場合において、特別図柄表示器24に停止して表示する特別図柄を特定するための乱数である。リーチパターン乱数RCは、特別図柄表示器24に表示されている特別図柄によってリーチになった後、残りの特別図柄が停止するまでの表示パターンを特定するための乱数である。「リーチ状態」とは、未だに変動している残りの特別図柄を除き、他の特別図柄が大当たり図柄と一致している状態を意味する。確率変動用乱数RDは大当たりになった後に大当たりになる確率を変更するか否かを判別するための乱数である。
次に、図6に示す図柄変動処理では、特別図柄表示器24に特別図柄を変動して表示する処理を行う。まず保留球数が正数(すなわち保留球数>0を満たす)か否かを判別する〔ステップS20〕。保留球数が正数ならば(YES)、上記ステップS16で記憶した大当たり判定用乱数RAを読み込むとともに〔ステップS22〕、次回の処理に備えて保留球数を減算する〔ステップS24〕。そして、変動表示処理を行う〔ステップS26〕。変動表示処理の具体的な内容について、図7を参照しながら説明する。
図7に示す変動表示処理では、まず「大当たり」か否かを判別する〔ステップS40〕。具体的には、上記ステップS22で読み込んだ大当たり判定用乱数RAが大当たり値と一致したか否かによって判別する。大当たり値は通常は1個であるが、遊技状態(例えば確率変動時)等によっては複数個としてもよい。もし、「大当たり」ならば(YES)、図5のステップS16で記憶した大当たり図柄用乱数RBを読み込み〔ステップS42〕、特別図柄を変動させ始めるべくステップS44に進む。当該大当たり図柄用乱数RBによって、最終的に停止して確定する予定の図柄(以下「停止予定図柄」と呼ぶ。)を決定する。一方、ステップS40で「はずれ」と判別されたならば(NO)、はずれ図柄を特別図柄表示器24に表示するため、はずれ図柄データをRAM114から読み込む〔ステップS60〕。その後、当該はずれ図柄データにリーチ図柄を含むか否かを判別する〔ステップS62〕。もし、はずれ図柄データにリーチ図柄を含むならば(YES)、最終的には「はずれ」になるが途中でリーチに達する態様であり後述するステップS44に進む。一方、はずれ図柄データにリーチ図柄を含まなければ(NO)、後述するステップS64に進む。
表示制御基板200に表示指令を送って特別図柄を変動し始めると〔ステップS44〕、リーチ処理を行う〔ステップS46〕。表示制御基板200で行われる処理については、後述する。ここでは、リーチ処理の具体的な内容について図8を参照しながら説明する。図8に示すリーチ処理では、まず図5のステップS16で記憶したリーチパターン乱数RCを読み込み〔ステップS70〕、リーチパターンを決定する〔ステップS72〕。すなわち、図7のステップS42またはステップS60で決定した停止予定図柄と、図8のステップS70で読み込んだリーチパターン乱数RCとに基づいて以下に示す表1に従ってリーチパターンを決定する。
リーチ図柄として表示する特別図柄は第1領域群G1に属する図柄であり、例えば左図柄76と右図柄84である。通常のパチンコ機10では、左図柄76と右図柄84は同じ図柄になる。そして、当該リーチ図柄からみて中図柄80の図柄のずれ(以下「図柄の関係」と呼ぶ。)によって、2図柄前,1図柄前,同一図柄,1図柄後,2図柄後,他の図柄(例えば3図柄前,3図柄後等)がある。例えば、リーチ図柄が図柄「7」であるときに中図柄80が図柄「6」であれば、リーチ図柄からみて中図柄80は「1図柄前」となる。表1には図柄の関係と、0から10までのいずれかの数値を取り得るリーチパターン乱数RCとの設定例を示す。
上記表1の例では六つのリーチパターンα,β,γ,δ,ε,ζと、変動回数に相当するチャンス回数とをそれぞれ設定している。例えば、リーチに達した後にチャンス回数内で中図柄80を繰り返し変動して停止する態様(以下、単に「繰り返し変動」と呼ぶ。)を行うリーチパターンをリーチパターンβとする。リーチパターンβは同一図柄すなわち「大当たり」のときに出現確率が高く、2図柄前等の「はずれ」のときに出現確率が低い。また同一図柄のときはチャンス回数も多いので、リーチパターンβに従って画像表示を見た遊技者は「大当たり」を期待する期待感を持って遊技することができる。ここで、リーチパターンα,β,γ,δ,ε,ζについて各表示内容の概要を表2に例示する。当該表2に示す「アクション」とは、アニメーション等を行うことである。「正逆変動」とは、特別図柄表示器24の所定位置(例えば画面中央を通る水平線)を中心に特別図柄(左図柄76,中図柄80,右図柄84)を所定方向に所定範囲(例えば上下方向に半図柄分)だけ揺れ動かす態様の変動である。「移動位置」とは、上記所定位置とは別個の画面上の位置である。
なお、所定の条件が成立すると、上記表1におけるリーチパターンα,β,γ,δ,ε,ζの位置や個数を変更して(変化させて)もよい。
所定の条件としては、例えば特別図柄が特定の図柄(例えば「333」)で停止した場合等である。
こうすれば、遊技者は大当たりになる期待感を特別図柄の全てが停止するまで維持することができる。
同様に所定の条件が成立すると、繰り返し変動の期間(開始時期や終了時期),繰り返し変動の方向,繰り返し変動を行う図柄等を変更して(変化させて)もよい。
こうすれば繰り返し変動の態様が変化してゆくので、遊技者は繰り返し変動が行われたことによって大当たりになるか否かが分からなくなる。
したがって、遊技者は繰り返し変動による表示態様の変化を楽しめ、大当たりになる期待感を持って遊技することができる。
次に、ステップS72で決定したリーチパターンに基づいて、表示制御基板200に表示指令を送って特別図柄表示器24にリーチ図柄を表示する〔ステップS74〕。なお、リーチ図柄を表示する際には、遊技者にリーチに達したことを認識させる報知をあわせて行なってもよい。当該報知としては、例えば「リーチ」の文字や所定のアニメーションなどを表示したり、音声や特定の効果音をスピーカ42から出したり、遊技者が触れるハンドル34や遊技者が座る椅子を振動させたりする態様がある。こうすれば、遊技者はリーチに達したことをより確実に認識することができる。
そして、リーチパターンβ(特定のリーチパターン)か否かによって〔ステップS76〕、変動表示処理を分ける。もし、リーチパターンβを除くリーチパターンならば(NO)、表示制御基板200に表示指令を送って対応するリーチパターンで図柄変動を行う〔ステップS80〕。一方、リーチパターンβならば(YES)、リーチパターン表示処理を行う〔ステップS78〕。ここで、リーチパターン表示処理の具体的な内容について、図9を参照しながら説明する。
図9に示すリーチパターン表示処理では、まずチャンス回数用乱数REを読み込んでRAM114に記憶し〔ステップS90〕、記憶したチャンス回数用乱数REの値(例えば0〜30)に基づいてチャンス回数を決定して報知する〔ステップS92〕。このチャンス回数は0回から上限回数(例えば5回)までの回数であって、通常は大当たりになる確率(すなわち大当たりの信頼度)が高まるにつれてチャンス回数が多くなるように重み付けして決定する。大当たりになる確率と無関係に決定するには、例えばチャンス回数用乱数REの値を6で割った余り(すなわち0〜5)に従って決定すればよい。ここで、チャンス回数が0回のときは他のリーチパターンと同じ状態になるだけであり、遊技者が不利になることはない。また、遊技者等に報知する方法としては、チャンス回数に対応する表示窓を所定形状(具体的には円や多角形等)で表示する。例えば、図11(C)に示すように変動領域78内に上記チャンス回数に対応する表示窓86,88,90,92を重なり合わせて表示する。当該変動領域(あるいは図形)による報知方法の他には上記チャンス回数に対応して、文字や図形等で表示したり、音声や効果音で知らせたり、ハンドル34や椅子等を振動させるなど任意の組み合わせ態様がある。この報知によって、チャンス回数が何回であるのかが分かるので、遊技者は「大当たり」を期待しながら遊技を続けることができる。チャンス回数を決定等した後、リーチパターンβとして変動表示する表示パターンを決定する〔ステップS94〕。当該表示パターンは、例えば図柄の関係とチャンス回数用乱数REとに基づいて下記表3に従って決定する。
ここで、上記表3に示す表示パターンP1〜P14はリーチパターンβに包含され、例えば下記表4のようにパターンの内容が定義される。
上記表4に示すように、表示パターンP1〜P14はリーチ動作PA,PB,PC,PDの単体またはこれらの組み合わせからなる。例えば、表示パターンP1はリーチ動作PAのみで変動表示を行い、表示パターンP14はリーチ動作PB→リーチ動作PC→リーチ動作PD→リーチ動作PDの順に変動表示を行う。表示パターンを決定した後、大当たりのときには(ステップS96のYES)、大当たり表示を行う回を決定する〔ステップS98〕。当該大当たり表示を行う回は、1回から上記チャンス回数に対応する回までの範囲内で決定する。具体的な決定方法は乱数を用いたり、テーブルを参照したりするなど任意である。一般的にはリーチパターン表示処理を行う毎に異なる回で大当たり表示を行わせて遊技者に期待感を持たせるため、乱数による決定が望ましい。なお、はずれのときは(ステップS96のNO)、何もせずに次のステップS100に進む。
そして、変動後に停止して表示する図柄の組み合わせ(すなわち特別図柄)を決定し〔ステップS100〕、表示制御基板200に表示指令を送って図柄変動を始めた後に決定した図柄の組み合わせで停止する〔ステップS102〕。当該図柄の組み合わせは大当たり図柄のときもあるが、多くははずれ図柄である。ここで、図柄の組み合わせを停止して表示する態様には、完全に停止して表示する態様のみならず、基準位置を中心に任意の方向に任意の距離範囲で動かす態様をも含む。さらには変動してから停止するまで全部または一部の期間において、未だに変動している図柄(例えば中図柄80)の変動速度を変化(加速や減速)させたり、変動領域内で変動のために移動する図柄を遊技者の目が追跡できるようにするとなおよい。こうすれば、目で図柄を追跡できる期間には、「大当たり」になる図柄で図柄が停止する期待感を遊技者に持たせることができる。
こうして停止して表示された図柄の組み合わせが大当たり図柄である大当たり表示ならば(ステップS104のYES)、「大当たり」としてリーチパターン表示処理を終了する。一方、停止して表示された図柄の組み合わせがはずれ図柄であるはずれ表示ならば(ステップS104のNO)、ループの繰り返し回数がステップS92で決定したチャンス回数に達するまで(すなわち繰り返し回数>チャンス回数となる状態になるまで;ステップS106のNO)、ステップS100〜S104を繰り返す。そして、ループの繰り返し回数がチャンス回数に達すると(ステップS106のYES)、「はずれ」としてリーチパターン表示処理を終了する。
図8に戻って、上述したステップS78,S80を実行してリーチ処理を終えると、全ての特別図柄が停止する。また、リーチに達することなく「はずれ」となる場合、すなわちステップS62でリーチ図柄でないときは(NO)、ステップS44と同様に特別図柄を変動し始め〔ステップS64〕、はずれ図柄の表示パターンに基づいて変動表示した後に特別図柄を停止させる〔ステップS66〕。当該ステップS64,S66,S48ではそれぞれ対応する表示指令を表示制御基板200に送って実現する。したがって、遊技者はこの時点で「大当たり」か「はずれ」かを認識することができる。そして、確率変動か否かを判別し〔ステップS48〕、確率変動ならば確率変動処理を行なった後〔ステップS50〕、変動表示処理を終了する。確率変動か否かは、図5のステップS16で記憶した確率変動用乱数RDが所定値と一致しているか否か、あるいは特別図柄表示器24に実際に停止して表示された特別図柄とチャンス図柄とが所定の組み合わせで表示されたか否か等によって行う。所定の組み合わせとしては、例えば特別図柄が「777」であり、チャンス図柄が青色という場合である。確率変動処理の具体的な内容については、既に周知の処理と同様であるので説明を省略する。なお、確率変動処理が実行されると、今回の大当たり遊技終了後から次回の大当たりになるまで、特別図柄による大当たりおよび/または普通図柄による当たりになる確率が高まるとともに、特別図柄および/または普通図柄の変動期間が短縮される。一方、確率変動でなければ(ステップS50のNO)、何もせずにそのまま変動表示処理を終了する。
さらに特別図柄の変動表示処理を終えて図6に戻り、最終的に確定して特別図柄表示器24に表示された特別図柄が大当たり図柄と一致するか否かを判別する〔ステップS28〕。図7に示すステップS40でも大当たりか否かを判別しているが、この判別はステップS22で読み込んだ大当たり判定用乱数RAに基づいて行なっている。しかし、ステップS26の変動表示処理を実行している際などで外来ノイズ等の影響を受け、予定していた大当たり表示となるものがはずれ表示になることもある。したがって、パチンコ遊技の混乱を防止するため、特別図柄表示器24に表示された特別図柄を優先して大当たりか否かの判別を行う。なお、外来ノイズ等の影響を受けにくく信頼性が高いパチンコ機10では、大当たり判定用乱数RAが大当たり値と一致するか否かで「大当たり」か否かをステップS28で判別してもよい。こうすれば処理速度が向上する。
もし、特別図柄表示器24に停止して表示された特別図柄の組み合わせが大当たり図柄と一致するならば(YES)、「大当たり」として大当たり処理を行い〔ステップS30〕、図柄変動処理を終了する。大当たり処理は、例えば大入賞口28の蓋58を一定期間(例えば30秒間)だけ開放し、入賞したパチンコ球の数に応じて賞球を払い出す等の処理である。一方、特別図柄の組み合わせが大当たり図柄と一致しないならば(NO)、「はずれ」としてはずれ処理を行い〔ステップS32〕、図柄変動処理を終了する。なお、はずれ処理の具体的な内容については、既に周知の処理と同様であるので説明を省略する。
ここで、メイン制御基板100から出力された表示指令を受けた表示制御基板200が対応する画像を編集して特別図柄表示器24に表示する処理について、図10を参照しながら説明する。なお、メイン制御基板100から出力された表示指令は、受信割り込みによって実行される別個の処理プログラムによって図4に示すRAM204内の受信バッファに記憶されているものとする。図10に示す画像表示処理では、まずCPU210が受信バッファに記憶した表示指令を読み込み〔ステップS110〕、読み込んだ表示指令に基づいて表示データを取得しRAM204に記憶する〔ステップS112〕。より具体的には、表示指令と表示データとの関係を規定しROM202等に記憶したテーブルを参照して表示データを取得する。この表示データは画像編集を行うためのデータ要素(パラメータ)であり、例えばステータス番号,左図柄番号,左位置座標,中図柄番号,中位置座標,右図柄番号,右位置座標,アニメーション番号,ステータスフラグ,アニメーションタイマ等を有する。こうして取得した表示データを取得した210は、当該表示データをVDP214に伝達する。
CPU210から表示データを受けたVDP214は、当該表示データに基づいて文字,図柄,背景等のデータをキャラクタジェネレータ212から抽出し〔ステップS114〕、配色指定及びスプライト処理等の画像編集を行った後〔ステップS116〕、VRAMやパレットRAM上にデータを展開する〔ステップS118〕。そして、展開したデータを画像信号に変換して特別図柄表示器24に出力する〔ステップS120〕。
こうして表示データに基づいて編集した図柄等を特別図柄表示器24に表示させることができる。また、画像編集をハードウェアとしてVDP214で行うので、画像を高速に表示することができる。
次に、上記図5〜図10に示す処理を実行して特別図柄表示器24に表示する態様例について、図11〜図14を参照しながら説明する。これらの図にはいずれも特別図柄表示器24の画面に表示された特別図柄の一例を示す。なお、実際のパチンコ機10では数字以外の図柄をも用いて表示するが、説明を簡単にするために特別図柄表示器24に表示する画像を数字に限定する。
まず、特別図柄の変動開始では(図7のステップS44,S64)、図11(A)に示すようにほぼ均一の大きさからなる変動領域74,78,82でそれぞれ図柄群をほぼ一斉に変動させ始める。その後にリーチに達するとリーチ図柄の表示(図8に示すステップS74)が行われ、図11(B)に示すように第1領域群G1に属する変動領域74と変動領域82にはそれぞれ左図柄76と右図柄84で同じ図柄(この例では図柄「7」)が停止して表示される。この停止表示によって、遊技者等はリーチに達したことを知ることができる。そして、リーチパターン表示処理においてチャンス回数を決定すると(図9に示すステップS92)、特別図柄表示器24によってチャンス回数を報知する。例えば図11(C)に示すように、変動領域78内に四つの表示窓86,88,90,92が重なり合って現れる。この例ではチャンス回数は4回であり、中図柄80の変動態様を見やすくするために変動領域74,78,82の大きさは不均一に変化している。
その後、一部(あるいはほぼ全部)が重なり合った表示窓のうち、一番上側の表示窓92で図柄群を変動させ続ける際に、変動速度を変化させる(図9に示すステップS94)。さらにその後に変動を停止等させると図12(A)に示す状態になる。このときの中図柄80は図柄「6」であり、既に停止した左図柄76,右図柄84と組み合わせた特別図柄の組み合わせは「767」となって「はずれ」である。よって図9に示すステップS96ではNOと判別されるため、表示窓92を消去するとともに(図9に示すステップS96のNO)、次の表示窓90で図柄群を変動させ始める(図9に示すステップS100)。このとき、特別図柄表示器24は図12(B)に示すような状態になる。
同様にして、図柄群を変動させ始めた表示窓92で変動を停止等させると、図12(C)に示す状態になる。このときの中図柄80は図柄「5」であり、特別図柄の組み合わせは「757」となって「はずれ」である。よって、表示窓90を消去するとともに、次の表示窓88で図柄群を変動させ始める。このとき、特別図柄表示器24は図13(A)に示すような状態になる。さらに同様にして、図柄群を変動させ始めた表示窓88で変動を停止等させると、図13(B)に示す状態になる。このときの中図柄80は図柄「7」であり、特別図柄の組み合わせは「777」となって「大当たり」である。このとき特別図柄表示器24では、変動領域74,78,82がほぼ均一の大きさに戻ってそれぞれ左図柄76,中図柄80,右図柄84を停止表示する(図13(C)参照)。よって図9のステップS96ではYESと判別されるため、リーチパターン表示処理を終了して遊技者に特典を与える(図6に示すステップS30)。
上述したように、チャンス回数を予め報知したので(図9に示すステップS92)、遊技者は現在行われている図柄群の変動(すなわち変動態様)によって特典を期待する期待感を持てるだけでなく、次回以降にチャンス回数内で確実に行われる図柄群の変動に対しても特典を期待する期待感を持つことができる。また、図9に示すステップS94〜ステップS100までの処理を繰り返すことにより、チャンス回数内で「大当たり」になる機会を遊技者に与えることができる。したがって、遊技者にとっては「大当たり」になる機会が増えるので、「大当たり」を狙って遊技する期待感を持たせることができる。
上記実施の形態によれば、請求項1に対応し、第1領域群G1(第1グループ)の変動領域74,82に第1図柄が所定図柄で停止すると、チャンス回数(変動回数)を報知する〔図9に示すステップS92〕。この変動回数は、第2領域群G2(第2グループ)に属する変動領域78で図柄群を変動した後に停止する繰り返し回数である〔図9に示すステップS94〜S100〕。そして、当該変動回数内で第2グループに属する変動領域に停止した第2図柄と第1図柄との組み合わせが特定図柄の組み合わせになると〔図9に示すステップS96〕、遊技者に特典を与える〔図6に示すステップS30〕。そのため、遊技者は変動領域78で現在行われている図柄変動(変動態様)によって特典を期待する期待感を持てるだけでなく、変動回数内で次回以降に確実に行われる図柄変動に対しても特典を期待する期待感を持つことができる。このことは変動領域74,78,82を第1領域群G1と第2領域群G2に区分する上記以外の他の態様や、二つの変動領域あるいは四つ以上の変動領域であっても同様である。さらには、変動領域74,82に図柄を視認可能な状態で表示すると同時に第1図柄を変更し、その変更と同時またはその後に変動領域78で図柄群を変動させてもよい。これらの場合であっても、上記作用および効果を得ることができる。
また、請求項2に対応し、チャンス回数に対応する数の変動領域(表示窓)を表示することによってチャンス回数を報知した〔図9に示すステップS92,図11(C)参照〕。そのため、チャンス回数を視覚によって容易に認識させることができるので、チャンス回数をより確実に報知することができる。さらに、請求項3に対応し、チャンス回数が増えるにつれて大当たり(第1図柄と第2図柄との組み合わせが特定図柄の組み合わせ)になる確率が高くなってゆくように設定した〔表1参照〕。そのため、チャンス回数が増えてゆくと特典を得る可能性が高まるので、特典を期待する遊技者の期待感をより高めることができる。
〔他の実施の形態〕上述したパチンコ機10(遊技機)において、他の部分の構造,形状,大きさ,材質,配置および動作条件等については、上記実施の形態に限定されるものでない。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
(1)上記実施の形態では、パチンコ機10に本発明を適用した。この形態に代えて、パチンコ機以外の遊技機(例えばスロットマシン機,アレンジボール機,テレビゲーム機等)についても同様に本発明を適用することができる。こうした遊技機であっても、遊技者は変動回数内で確実に行われる図柄群の変動に対しても特典を期待する期待感を持つことができる。
(2)上記実施の形態では、リーチに達した後に1回のみの抽選によってリーチ回数を決定した(図9のステップS92)。この形態に代えて(あるいは加えて)、チャンス回数を2回以上の複数回にわたる抽選によって決定してもよい。こうすれば、抽選を複数回行うことによってチャンス回数が増えてゆく場合もある。そのため、遊技者はチャンス回数が増えてゆくことにより「大当たり」(特定図柄の組み合わせ)になる期待感を持つことができる。また、抽選によらず他の方法によってチャンス回数を決定してもよい。他の方法としては、例えばリーチに達した後にゲート22,54を通過したり第1種始動口26に入賞したパチンコ球の個数や、視認速度で変動しているときの中図柄80によって決定する方法などがある。こうすれば、抽選以外の方法によってチャンス回数が増えてゆく場合もあるので、遊技者は「大当たり」になる期待感を持つことができる。さらに、チャンス回数を決定するタイミングはリーチに達した直後に限らず、リーチに達する前であってもよく、リーチ図柄を変更するときであってもよく、パチンコ機10の種類や遊技状態等に応じて任意に設定してもよい。こうすれば、チャンス回数を決定する時期が広がるので、遊技者はチャンス回数の決定を期待する期待感を持って遊技することができる。なお、上記チャンス回数の応用例は、左図柄76および右図柄84を変更しようとする変更図柄(リーチ図柄)についても同様に適用することができる。この場合には、変更図柄が多様化するので、遊技者はどの変更図柄になるかを期待しながら遊技することができる。
(3)上記実施の形態では、チャンス回数(変動回数)を報知する際に、当該チャンス回数に対応する数の変動領域を重ね合わせて表示した(図12(A)参照)。この形態に代えて、図14に示すようにチャンス回数に対応する数の変動領域が重ね合わないようにタイル状に表示してもよく、図15に示すようにチャンス回数を別個の表示窓94に文字等で表示してもよい。これらの表示態様は、パチンコ機10ごとに異ならせてもよく、遊技態様等に応じて変化させてもよい。こうした表示態様によっても、視覚的にチャンス回数を認識することができるので、チャンス回数をより確実に報知することができる。なお、表示窓94に表示するチャンス回数は上記報知だけでなく、カウントダウンによるチャンス回数の表示を継続しもよい。こうすれば、変動領域78内であと何回だけ図柄群の変動と停止が繰り返し行われるかを容易に認識できるので、遊技者は大当たりを期待する期待感を維持しながら遊技することができる。
(4)上記実施の形態では、変動回数をリーチに達したときに報知した(図9に示すステップS92,図11(C)参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、変動回数をリーチに達する前に報知してもよく、リーチに達した後に報知してもよい。リーチに達する前に報知すれば、遊技者はリーチになる期待感を持って遊技することができる。またリーチに達した後に報知すれば、一旦停止した中図柄80が再び変動しないと思った遊技者に意外性を与え、一度失った「大当たり」を期待する期待感を再び持たせることができる。
(5)上記実施の形態では、第1グループとしての左図柄76および右図柄84を、第2グループとしての中図柄80をそれぞれ特別図柄表示器24に表示した。この形態に代えて、通常の遊技状態では左図柄,中図柄,右図柄をそれぞれ別個の表示器に表示してもよい。例えば図3に示すように、左図柄76のみを特別図柄表示器24の図面左側であって複合装置14に設けた特別図柄表示器62に、中図柄80を特別図柄表示器24に、右図柄84のみを特別図柄表示器24の図面右側であって複合装置14に設けた特別図柄表示器70にそれぞれ表示する。これらの特別図柄表示器62,70には例えば7セグメント表示器を用いる。
なお、特別図柄表示器24には中図柄80の他に必要に応じて背景図柄や装飾図柄(例えばキャラクタ)を表示してもよい。そして、通常の遊技状態では上述した通りに左図柄76,中図柄80,右図柄84をそれぞれ別個の表示器に表示する。しかし、所要の条件を満たす間は、左図柄76を特別図柄表示器62および特別図柄表示器24に表示し、右図柄84を特別図柄表示器70および特別図柄表示器24に表示する。このとき、特別図柄表示器24では図11(C)等に示すように変動領域74の表示窓には左図柄76に代わる左図柄76を、変動領域78には中図柄80を、変動領域82の表示窓に右図柄84に代わる右図柄84をそれぞれ表示する。ここで図9に示すステップS100を実行すると、特別図柄表示器62および特別図柄表示器24に表示する左図柄76と、特別図柄表示器70および特別図柄表示器24に表示する右図柄84とをほぼ同時に変更する。なお、上記所要の条件を満たす間としては、例えばリーチに達してリーチパターンβが決定されてから当該リーチパターンβの変動表示を終わるまでの間などがある。このように通常の遊技状態と所要の条件を満たす間とで、左図柄76,中図柄80,右図柄84を表示する表示器の態様を異ならせた。こうすれば、通常の遊技状態では特別図柄(特に中図柄80)の変動範囲が広がるので、変動態様を多彩にすることができる。また、所要の条件を満たす間では一つの特別図柄表示器24に特別図柄が集中して表示されるので、遊技者がリーチ図柄等を把握しやすくなる。
(6)上記実施の形態では、変動領域74,78,82(複数の変動領域)を第1領域群G1(第1グループ)と第2領域群G2(第2グループ)とに区分した。そして、第1領域群G1の変動領域には第1図柄を、第2領域群G2には第2図柄をそれぞれ表示した。この形態に代えて、特別図柄表示器24(表示部)に表示される変動領域74,78,82(複数の変動領域)を三以上の領域群(三以上のグループ)に区分し、このうち一部の領域群に第1図柄を表示し、他の領域群に第2図柄を表示してもよい。さらには、所要の条件が成立する間は一部の領域群に第2図柄を表示し、他の領域群に第1図柄を表示してもよい。所要の条件としては、例えば大当たり遊技期間中などが該当する。こうしたグループ区分としても、最終的に停止して表示された第2図柄によって「大当たり」になれば遊技者は特典を得る可能性があるので、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
(7)上記実施の形態では、左図柄76および右図柄84が所定図柄と一致したこと、すなわちリーチに達したことを条件として(図8に示すステップS76)、図柄群の変動速度を変化させ(図9に示すステップS94)、その後に図柄群を再び変動させ始めた(図9に示すステップS100)。この形態に代えて、他の条件が成立すると上記態様を行うようにしてもよい。他の条件としては、左図柄76または右図柄84が特定図柄になったことや、特定のセンサ(ゲートセンサや入賞センサ)がパチンコ球を検出したことなどがある。こうすれば他の条件が成立した後に図柄群を再び変動させ始めるので、上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。