JP2010094418A - 自動製パン器 - Google Patents

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正雄 早勢
Yoshinari Shirai
吉成 白井
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Abstract

【課題】自動製パン器における具材自動投入のメカニズムを簡明なものとし、操作性を向上させる。
【解決手段】自動製パン器1は本体10と蓋20を備え、本体10の内部には焼成室11が設けられている。焼成室11には製パン原料を入れたパン容器30が入れられる。本体10は、焼成室11に隣接して設けられたバケット収納凹部23と、バケット収納凹部23に配置された具材バケット50と、具材バケット50の姿勢変更装置52と、姿勢変更装置52を動作させる制御部18を備える。姿勢変更装置52は具材バケット50に、本体10の外殻の一部となる形でバケット収納凹部23を閉ざす姿勢と、具材Bを受け取るべく開口部を上に向ける姿勢と、具材Bをパン容器30に向け落下させる姿勢をとらせる。
【選択図】図4

Description

本発明は、主として一般家庭で使用される自動製パン器に関する。
市販の家庭用自動製パン器は、製パン原料を入れたパン容器を本体内の焼成室に入れ、パン容器内の製パン原料を回転羽根で混練して捏ね上げ、発酵工程を経た後、パン容器をそのままパン焼き型としてパンを焼き上げる仕組みのものが一般的である。加えて最近では、製パン原料にレーズンやナッツ等の具材を投入する仕組みを備えたものも多くなっている。そのような自動製パン器の例を特許文献1〜3に見ることができる。
特許文献1あるいは特許文献2記載の自動製パン器では、焼成室を開閉する蓋体に内蔵される形で、レーズン、ナッツ類、チーズ等の製パン副材料を投入する副材料投入手段が設けられている。
特許文献3記載の自動製パン器では、上蓋部の下面とパン型容器との間に収まるように具材容器を設ける。具材容器は、オーブン室に対して着脱される側枠と、この側枠に回動自在に軸支され、少なくとも底壁部を設けた開閉板とから構成される。
特許第3191645号公報 特許第3666452号公報 特開2006−255071号公報
特許文献1あるいは特許文献2記載の自動製パン器では、副材料投入手段が蓋体に内蔵されているため、蓋体の構造が複雑になる。また副材料投入手段に動力を伝える仕組みも複雑になる。特許文献3記載の自動製パン器は、必要ある毎に具材容器をセットする方式であるため、セッティングに手間がかかる。
本発明は上記の問題に鑑みなされたものであり、具材自動投入のメカニズムを簡明なものとし、操作性を向上させることを目的とする。
本発明は、製パン原料を入れたパン容器を本体内の焼成室に受け入れ、前記製パン原料の混練工程、発酵工程、及び焼成工程を順次遂行する自動製パン器において、前記本体は、前記焼成室に隣接して設けられたバケット収納凹部と、前記バケット収納凹部に配置された具材バケットと、前記具材バケットの姿勢変更装置と、前記姿勢変更装置を動作させる制御部を備え、前記姿勢変更装置は前記具材バケットに、前記本体の外殻の一部となる形で前記バケット収納凹部を閉ざす姿勢と、具材を受け取るべく開口部を上に向ける姿勢と、具材を前記パン容器に向け落下させる姿勢をとらせることを特徴としている。
この構成によると、具材バケットとその姿勢変更装置が本体側に設けられているから、機構的に強く、配線設計と配線作業が容易である。具材投入のために特別なセッティングを行う必要もなく、操作性が良い。具材投入後に具材バケットを元の姿勢に戻すのも容易である。そして具材バケットは、本体の外殻の一部となる形でバケット収納凹部を閉ざすものであるから、バケット収納凹部を閉ざすために専用の蓋を設ける必要がなく、構成を簡素化できる。
また本発明は、上記構成の自動製パン器において、前記姿勢変更装置は、前記具材バケットを水平軸線まわりの回動で姿勢変更させることを特徴としている。
この構成によると、具材バケットの動きが単純であり、故障の少ないメカニズムとすることができる。
また本発明は、上記構成の自動製パン器において、前記バケット収納凹部の内底面が、前記具材バケット内の具材を前記パン容器に誘導する誘導路を構成することを特徴としている。
この構成によると、具材バケットにより本体内に取り込んだ具材を確実にパン容器に送り込むことができる。
また本発明は、上記構成の自動製パン器において、前記誘導路の端と前記パン容器を連絡する可動ブリッジが設けられていることを特徴としている。
この構成によると、誘導路とパン容器の間に具材が落ちないようにすることができる。
本発明によると、具材バケットとその姿勢変更装置を本体側に集中させたから、配線設計と配線作業が容易であり、製造コストの低減を図ることができる。具材投入のために特別なセッティングを行う必要がなく、操作性が良い上、具材バケットがバケット収納凹部の蓋も兼ねるから、構造の簡素化も達成される。
以下、本発明の実施形態を図1から図4までの図に基づき説明する。図1は自動製パン器の垂直断面図、図2から図4までは互いに異なる状況を示す図と同様の垂直断面図である。なお、図において左側が自動製パン器の正面(前面)側、右側が自動製パン器の背面(後面)側である。
自動製パン器1は本体10と本体の蓋20を備える。本体10の内部には上面が開口した焼成室11が設けられ、この上面開口を蓋20が閉ざす。焼成室11にはパン容器30が入れられる。
焼成室11は水平断面矩形の周側壁11aと底壁11bを備え、底壁11bの焼成室中央にあたる箇所にはパン容器支持部12が固定されている。パン容器支持部12の内部は、底壁11bに形成された開口部を通じ、焼成室11側に露出する。パン容器支持部12は、パン容器30の底面に固定された筒状の台座31をバヨネット結合で連結してパン容器30を支える役割と、パン容器30内の回転羽根32に動力を伝える回転軸13を支持する役割の両方を担う。パン容器支持部12の下面から突き出した回転軸13の下端にはプーリ14が固定される。プーリ14は底壁11bの下面に固定されたモータ15の出力軸プーリ16にベルト17で連結されている。
焼成室11の周側壁11aの前面と本体10の正面側外殻との間の空間には制御部18が配置される。制御部18は、焼成室11の内側に配置した温度センサ19からの信号と、後述する操作パネルから入力される指令を受けて、自動製パン器1の制御を行う。
蓋20は自動製パン器1の背面側において本体10に蝶番軸21で連結され、蝶番軸21を中心として垂直面内で回動する。蓋20には、前端より少し後方に寄った位置に、透明合成樹脂のレンズをはめ込んだ覗き窓20aが設けられている。
本体10の前面上部には操作パネル22が配置される。操作パネル22には、図示は省略するが、パンの種類(小麦粉パン、米粉パン、具材入りパンなど)の選択キー、調理内容の選択キー、タイマーキー、スタートキー、取り消しキーなどといった操作キー群と、設定された調理内容やタイマー予約時刻などを表示する表示部が設けられている。
パン容器30はバケツのような形状をしており、口縁部には手提げ用のハンドル(図示せず)が取り付けられている。パン容器30の水平断面形状は、四隅を丸めた矩形であり、その中心で回転羽根32が回転する。回転羽根32は、台座31の中心に軸支された回転軸33の上端の非円形断面部に単なるはめ込みで取り付けられており、工具を用いることなく着脱することができる。このため、異なる種類の回転羽根32に容易に交換可能である。
回転軸33は回転軸13に連結され、回転軸13より動力を伝達されるものであるが、その動力伝達手段としては台座31に囲い込まれるカップリング34が用いられる。すなわち、カップリング34を構成する2部材のうち、一方は回転軸33の下端に固定され、他方は回転軸13の上端に固定される。
台座31の外周面には、パン容器支持部12の内周面に形成された突起35aと共に周知のバヨネット結合部を構成する突起35bが形成されている。パン容器30を、突起35aと35bが干渉しない角度に保ちつつ、台座31をパン容器支持部12の中に落とし込み、パン容器30をひねって突起35aの下に突起35bを係合させれば、パン容器30は上方に抜けなくなり、同時にカップリング34の連結も達成される。パン容器30のひねり方向は回転羽根32の回転方向に一致させてあるので、回転羽根32が回転してもパン容器30が外れることはない。ここでは、パン容器30のひねり方向と回転羽根32の回転方向は、共に上から見て時計方向に設定されている。
焼成室11の内部に配置された加熱装置40がパン容器30を包囲し、製パン原料を加熱する。加熱装置40はシーズヒータ41により構成される。シーズヒータ41には耐熱ケーブル42を通じて電流が供給される。
本体10には、焼成室11に隣接する箇所に、バケット収納凹部23が形成されている。バケット収納凹部23は、円筒を水平に置き、それを水平面で上下に二分割し、その下半分を垂直面で二分割したものの一半の形状であり、内底面はパン容器30の方に向かって下がっている。この内底面が具材の誘導路24となる。
バケット収納凹部23には具材バケット50が配置される。具材バケット50は、紙面の奥行方向、すなわち自動製パン器1の正面から見て左右方向に延びる断面扇形の樋状部材である。具材バケット50は扇の要の部分が水平な支持軸51に固定されており、支持軸51が回転することにより水平軸線まわりに回動する。図1に示す状態が、具材バケット50が原点位置にあるときの状態であり、この姿勢の具材バケット50は、本体10の外殻の一部となる形でバケット収納凹部23を閉ざす。
支持軸51を回転させる姿勢変更装置52も本体10に設けられている。姿勢変更装置52の動力源は図示しないギヤードモータであり、制御部18がその動作制御を行う。
誘導路24の端には可動ブリッジ53が配置される。可動ブリッジ53は水平な支持軸54に固定され、支持軸54が回転することにより水平軸線まわりに回動する。支持軸54は図示しない姿勢変更装置(これもギヤードモータで構成される)により回転せしめられるものであり、制御部18がその姿勢変更装置の動作制御を行う。図1に示す状態が、可動ブリッジ53が原点位置にあるときの状態であり、この時可動ブリッジ53は垂直に立ち上がり、パン容器30の出し入れを邪魔しないようになっている。
自動製パン器1における製パン作業の概要は次の通りである。なおここでは具材入りパンを焼くものとする。小麦粉、水、バターなどの製パン原料を入れたパン容器30を焼成室11に入れてパン容器支持部12に取り付け、回転軸33を回転軸13に連結した後、蓋20を閉じる。また姿勢変更装置52を動作させて図2に示すように具材バケット50をバケット収納凹部23から出し、具材バケット50の開口部を上に向ける。上向きになった具材バケット50に具材Bを入れる。具材Bを入れ終わったら具材バケット50を原点位置に戻す。すると図3に示す状態となり、具材バケット50は具材Bを保持した状態で制御部18からの具材投入指令を待つことになる。
上記のように製パンの準備を整えてから、操作パネル22よりパンの種類や調理内容の入力を行い、スタートキーを押すと、製パン作業が開始される。
製パン作業の最初は混練工程である。制御部18はモータ15を駆動して回転羽根32を回転させ、また加熱装置40に通電して焼成室11の温度を上げる。回転羽根32が回転するに従い製パン原料は混練され、粘度の高いパン生地(dough)に転じて行く。回転羽根32がパン生地を振り回してパン容器30の内壁にたたきつけることにより、混練に「捏ね」の要素が加わることになる。
制御装置18は、所定のタイミングで可動ブリッジ53の姿勢変更装置に動作指令を出し、可動ブリッジ53を図4の状態に移行させる。すなわち可動ブリッジ53は、自由端がパン容器30の縁に届くか届かないかのところまで時計方向に回動し、パン容器30の方へ下がる傾斜面を形成して停止する。続いて制御部18は姿勢変更装置52に動作指令を出す。姿勢変更装置52は支持軸51を反時計方向に回動させ、具材バケット50を図3の姿勢から図4の姿勢へと姿勢変更させる。具材バケット50は開口部を下に向けて停止し、具材Bをパン容器30に向け落下させる。具材Bは可動ブリッジ53の上に落ちてその上を滑落する。具材Bの中には具材バケット50が図4の姿勢になる前に誘導路24に接触しているものがあり、その具材Bを具材バケット50は誘導路24に沿って滑らせて行き、可動ブリッジ53の上へと押し出す。可動ブリッジ53の上に押し出された具材Bは可動ブリッジ53の上を滑落し、パン生地Aに投入される。制御部18は、具材Bがパン生地Aに投入された後、具材バケット50を原点位置に復帰させ、続いて可動ブリッジ53も原点位置に復帰させる。パン生地Aに投入された具材Bは、混練が進行するにつれパン生地A内に練り込まれ、パン生地Aの中に分散して行く。
混練工程を終えたら発酵工程に移る。制御部18は加熱装置40の通電を制御して焼成室11を所定の温度に維持し、製パン原料を発酵させる。
発酵工程後、制御部18は所定の通電パターンで加熱装置40に通電し、パン生地をパンに焼き上げる。操作パネル22の表示部に製パン完了のサインが出るか、あるいは製パン完了の報知音があった後、使用者は蓋20を開けてパン容器30を取り出す。
具材バケット50と姿勢変更装置52が本体10に設けられているから、自動製パン器1は機構的に強い。配線設計も配線作業自体も容易である。また、具材Bを投入した後に具材バケット50を元の姿勢に戻し、パン容器30の取り出しに邪魔にならないようにすることも容易である。姿勢変更装置52は、具材バケット50を水平軸線まわりに回動させて、本体10の外殻の一部となる形でバケット収納凹部23を閉ざす姿勢から、具材Bを受け取るべく開口部を上に向ける姿勢へ、さらに具材Bをパン容器30に向け落下させる姿勢へと、姿勢変更させるものであるから、具材バケット50の動きが単純であり、故障の少ないメカニズムとすることができる。
具材バケット50の内面とバケット収納凹部23の内底面24、及び可動ブリッジ53の表面(図4の状態で上を向く面)は、滑落しないで残留する具材Bが生じないように、フッ素樹脂加工を施して滑りを良くしておくのがよい。また、具材バケット50が不衛生にならないよう、支持軸51と姿勢変更装置52を着脱の容易なカップリングで連結し、具材バケット50を手軽に取り外して洗浄できるようにしておくとよい。また具材バケット50の内部を複数の区画に分割し、複数種類の具材を投入できるようにしておいてもよい。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、主として一般家庭で使用される自動製パン器に広く利用可能である。
自動製パン器の垂直断面図 図1と異なる状況を示す自動製パン器の垂直断面図 図1及び図2と異なる状況を示す自動製パン器の垂直断面図 図1から図3までと異なる状況を示す自動製パン器の垂直断面図
符号の説明
1 自動製パン器
10 本体
11 焼成室
18 制御部
20 蓋
23 バケット収納凹部
24 内底面
30 パン容器
40 加熱装置
50 具材バケット
51 支持軸
52 姿勢変更装置
53 可動ブリッジ

Claims (4)

  1. 製パン原料を入れたパン容器を本体内の焼成室に受け入れ、前記製パン原料の混練工程、発酵工程、及び焼成工程を順次遂行する自動製パン器において、
    前記本体は、前記焼成室に隣接して設けられたバケット収納凹部と、前記バケット収納凹部に配置された具材バケットと、前記具材バケットの姿勢変更装置と、前記姿勢変更装置を動作させる制御部を備え、前記姿勢変更装置は前記具材バケットに、前記本体の外殻の一部となる形で前記バケット収納凹部を閉ざす姿勢と、具材を受け取るべく開口部を上に向ける姿勢と、具材を前記パン容器に向け落下させる姿勢をとらせることを特徴とする自動製パン器。
  2. 前記姿勢変更装置は、前記具材バケットを水平軸線まわりの回動で姿勢変更させることを特徴とする請求項1に記載の自動製パン器。
  3. 前記バケット収納凹部の内底面が、前記具材バケット内の具材を前記パン容器に誘導する誘導路を構成することを特徴とする請求項1に記載の自動製パン器。
  4. 前記誘導路の端と前記パン容器を連絡する可動ブリッジが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の自動製パン器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017202256A (ja) * 2016-05-13 2017-11-16 象印マホービン株式会社 副材料収納容器、および自動製パン機
CN108618667A (zh) * 2017-03-20 2018-10-09 佛山市顺德区美的电热电器制造有限公司 物料投放组件、烹饪器具和烹饪器具的控制方法

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