本発明の本実施例にかかる自動製パン器の全体構成について説明する。図1は、本実施例にかかる自動製パン器の斜視図であり、図2は、当該自動製パン器の蓋体を開けた状態を示す斜視図である。図3は、本実施例にかかる自動製パン器の断面図である。図4は、本実施例にかかる自動製パン器の一部拡大断面図である。
図1〜3において、本実施例にかかる自動製パン器1は、略直方体形状の機器本体10を備えている。機器本体10の上面の一部には、操作部20が設けられている。
操作部20は、操作キー群と、表示部とによって構成されている。操作キー群には、例えば、スタートキー、取り消しキー、タイマーキー、予約キー、パンの調理コースなどを選択する選択キー等が含まれる。調理コースには、例えば、米粒を出発原料に用いてパンを製造するコース、米粉を出発原料に用いてパンを製造するコース、小麦粉を出発原料に用いてパンを製造するコースなどが含まれる。表示部は、例えば、液晶表示パネル等によって構成され、時間、操作キー群によって設定された内容、エラー等を表示するものである。
機器本体10の内部には、焼成室30が設けられている。焼成室30は、上面が開口した箱形状に形成されている。焼成室30の内部には、パン生地、ケーキ、餅などの調理材料を収容する調理容器40が着脱自在に収納される。
また、焼成室30の内部には、図3に示すように、調理容器40を加熱する加熱部の一例であるシーズヒータ31と、焼成室30内の温度を検知する温度検知部の一例である温度センサ32とが設けられている。
シーズヒータ31は、焼成室30に収容された調理容器40の下部を、隙間を空けて包囲するように配置されている。温度センサ32は、焼成室30内の平均的な温度を検知することができるように、シーズヒータ31から少し離れた位置に配置されている。
焼成室30の上面の開口部204は、機器本体10の上部に設けられた蓋50によって開閉される。蓋50は、機器本体10の上方後部(図3の右上側)に設けられたヒンジ部10Aに回動自在に取り付けられている。蓋50は、蓋本体51と、外蓋52とを備えている。蓋本体51には、グルテンやドライイーストなどの粉状の副材料を収容する副材料容器53と、レーズン、ナッツなどの比較的体積の大きな副材料を収容する副材料容器54とが取り付けられている。副材料容器53,54は、調理容器40の上方に配置されている。外蓋52は、副材料容器53,54の上部の開口部204を開閉可能に取り付けられている。
副材料容器53の底壁は、開閉板53aで構成されている。開閉板53aは、副材料容器53内の副材料を調理容器40内に投入することができるように回動可能に構成されている。同様に、副材料容器54の底壁は、開閉板54aで構成されている。開閉板54aは、副材料容器54内の副材料を調理容器40内に投入することができるように回動可能に構成されている。開閉板53a,54aの開閉のタイミングは、後述する制御部90により制御される。
また、焼成室30の底壁30aの略中心部には、調理容器支持部11が設けられている。調理容器支持部11は、図4に示すように、略筒状に形成され、焼成室30の底壁30aから下方に離れるに従って、内径が段階的に小さくなるように形成されている。調理容器支持部11の外周面の下端部には、ベアリング12を介して第1のプーリ61が設けられている。
調理容器支持部11の下部の中心穴には、略円筒形の第3のワンウェイクラッチ13が設けられている。第3のワンウェイクラッチ13の内側には、略円筒形の本体側練り軸16Aが垂直方向に延在するように設けられている。第3のワンウェイクラッチ13は、本体側練り軸16Aの正方向(例えば、時計回り)の回転を許容する一方、本体側練り軸16Aの逆方向(例えば、反時計回り)の回転を規制するように構成されている。
本体側練り軸16Aの外周下部には、第2のワンウェイクラッチ15が設けられている。第2のワンウェイクラッチ15は、第1のプーリ61と係合するように設けられている。第2のワンウェイクラッチ15は、第1のプーリ61が正方向に回転するとき、本体側練り軸16Aを正方向に回転させる一方、第1のプーリ61が逆方向に回転するとき、本体側練り軸16Aが逆方向に回転しないように本体側練り軸16Aの回転を規制するように構成されている。
本体側練り軸16Aの内部には、略円柱状の本体側ミル軸14Aが垂直方向に延在するように設けられている。本体側ミル軸14Aは、本体側練り軸16Aに対して相対回転可能に設けられている。本体側ミル軸14Aの下端部には、第2のプーリ62が固定されている。
また、焼成室30の外側であって機器本体10の内部には、モータの一例であるインバータモータ70が設けられている。インバータモータ70は、出力軸71の単位時間当たりの回転数及び回転方向(正方向、逆方向)を自在に変更することができるモータである。
インバータモータ70の出力軸71の外周上部には、第3のプーリ63が固定されている。第3のプーリ63と第1のプーリ61には、第1のベルト65が架け回されている。インバータモータ70が駆動されて出力軸71が回転するとき、当該出力軸71の回転力は、第3のプーリ63、第1のベルト65を介して第1のプーリ61に伝達される。
また、インバータモータ70の出力軸71の外周下部には、ベアリング67を介して第4のプーリ64が設けられている。第4のプーリ64と第2のプーリ62には、第2のベルト66が架け回されている。
また、インバータモータ70の出力軸71の外周面において第3のプーリ63と第4のプーリ64との間には、第1のワンウェイクラッチ68が設けられている。第1のワンウェイクラッチ68は、出力軸71が逆方向に回転するとき、第4のプーリ64を逆方向に回転させる一方、出力軸71が正方向に回転するとき、第4のプーリ64が正方向に回転しないように第4のプーリ64の回転を規制する。
また、本体側ミル軸14Aの上端部には、本体側コネクタ17Aが固定されている。本体側コネクタ17Aは、略円柱形の容器側ミル軸14Bの下端部に固定された容器側コネクタ17Bと係合可能に構成されている。本体側コネクタ17Aと容器側コネクタ17Bとが係合した状態で、本体側ミル軸14Aが回転したとき、容器側ミル軸14Bが回転する。
また、本体側練り軸16Aの上端部には、係合片16Aaが設けられている。係合片16Aaは、略円筒形の容器側練り軸16Bの下端部に固定された係合片16Baと係合可能に構成されている。本体側練り軸16Aが回転するとき、係合片16Aaが係合片16Baに係合し、容器側練り軸16Bが回転する。
容器側ミル軸14Bは、容器側練り軸16Bの内側に円筒形の軸受け18を介して設けられている。容器側ミル軸14Bと容器側練り軸16Bとは、調理容器40が焼成室30内にセットされたとき、調理容器40の底部の中心部に設けられた貫通穴を通じて調理容器40内に突出するように設けられている。
調理容器40の底部には、図3に示すように、有底筒状の凹部41が形成されている。また、調理容器40の底部外面には、容器側練り軸16Bを取り囲むように筒状の台座42が設けられている。調理容器40は、台座42が調理容器支持部11に載置され、本体側コネクタ17Aと容器側コネクタ17Bとが係合されることで焼成室30内にセットされる。一方、調理容器40は、本体側コネクタ17Aと容器側コネクタ17Bとの係合が外されることで、焼成室30内から取り外すことができる。なお、台座42は、調理容器40とは別に形成してもよいし、調理容器40と一体的に形成してもよい。
容器側ミル軸14B及び容器側練り軸16Bの調理容器40の内部に突出する部分には、羽根ユニット80が着脱自在に取り付けられている。
羽根ユニット80は、キャップ81と、ミル羽根82と、ドーム状カバー83と、練り羽根84と、セーフティカバー85とを備えている。
キャップ81は、容器側ミル軸14Bの先端部に着脱自在に設けられている。ミル羽根82は、キャップ81の外周面から外方に突出するように設けられている。ミル羽根82は、米粒などの穀物粒を粉砕して製パン原料を製造するための羽根である。調理容器40が焼成室30内にセットされるとともにキャップ81が容器側ミル軸14Bに取り付けられた状態において、ミル羽根82は、概ね調理容器40の凹部41内に位置するように設けられている。ミル羽根82の具体的構成や好ましい形状等については、後で詳しく説明する。
ドーム状カバー83は、ミル羽根82を上方から覆うように形成されている。ドーム状カバー83には、図5及び図6に示すように、ドーム状カバー83の内側の空間とドーム状カバー83の外側の空間とを連通する複数の窓部83aが設けられている。ミル羽根82の回転により製造された製パン原料は、複数の窓部83aを通じてドーム状カバー83の内側の空間とドーム状カバー83の外側の空間に排出される。
練り羽根84は、ドーム状カバー83の外面に垂直方向に立設するように設けられている。練り羽根84は、調理容器40内の製パン原料を混練してパン生地を製造するための羽根である。
セーフティカバー85は、ドーム状カバー83の下端部に取り付けられ、ミル羽根82を下方から覆うように形成されている。また、セーフティカバー85は、その一部が容器側練り軸16Bの内面に嵌合するように、容器側練り軸16Bに取り付けられている。容器側練り軸16Bが回転するとき、セーフティカバー85、ドーム状カバー83、及び練り羽根84が一体的に回転する。調理容器40が焼成室30内にセットされるとともにセーフティカバー85が容器側練り軸16Bに取り付けられた状態において、ミル羽根82は、概ね調理容器40の凹部41よりも上方に位置するように設けられている。また、セーフティカバー85には、調理容器40内に入れられた米粒や水などの材料をドーム状カバー83内に取り込むための開口部204(図示せず)が設けられている。
また、機器本体10の操作部20の下方には、各部の駆動を制御する制御部90が設けられている。制御部90には、複数の調理コースに対応する調理シーケンスが記憶されている。調理シーケンスとは、浸水、ミル、冷却、練り、発酵、焼成などの各製造工程を順に行うにあたって、各製造工程においてシーズヒータ31の通電時間、温調温度、インバータモータ70の回転方向、回転速度、開閉板53a,54aの開閉のタイミングなどが予め決められている調理の手順のプログラムをいう。制御部90は、操作部20にて選択された特定の調理コースに対応する調理シーケンスと温度センサ32の検知温度に基づいて、インバータモータ70、シーズヒータ31、開閉板53a,54aの駆動を制御する。
次に、図6を用いて、インバータモータ70の出力軸71が正方向に回転されたときの動作について説明する。図6は、インバータモータ70に関連する部品の構成を示す断面図である。図6において、斜線部は、正方向に回転する部品を示している。
図6に示すように、インバータモータ70の出力軸71が正方向に回転されたとき、当該出力軸71の回転力が、第3のプーリ63及び第1のワンウェイクラッチ68に伝達され、これらの部品が正方向に回転する。
第3のプーリ63の回転力は、第1のベルト65、第1のプーリ61、第2のワンウェイクラッチ15に伝達され、これらの部品が正方向に回転する。第2のワンウェイクラッチ15は、第1のプーリ61が正方向に回転するので、本体側練り軸16Aを正方向に回転させる。このとき、第3のワンウェイクラッチ13は、本体側練り軸16Aの正方向の回転を許容する。本体側練り軸16Aの回転力は、容器側練り軸16B、セーフティカバー85、ドーム状カバー83、及び練り羽根84に伝達され、これらの部品が正方向に回転する。
一方、第1のワンウェイクラッチ68は、出力軸71が正方向に回転するので、第4のプーリ64が正方向に回転しないように第4のプーリ64の回転を規制する。
すなわち、インバータモータ70の出力軸71が正方向に回転されたときは、練り羽根84が正方向に回転する一方で、ミル羽根82は回転しないようになっている。
次に、図7を用いて、インバータモータ70の出力軸71が逆方向に回転されたときの動作について説明する。図7は、インバータモータ70に関連する部品の構成を示す断面図である。図7において、斜線部は、逆方向に回転する部品を示している。
図7に示すように、インバータモータ70の出力軸71が逆方向に回転されたとき、当該出力軸71の回転力が、第3のプーリ63及び第1のワンウェイクラッチ68に伝達され、これらの部品が逆方向に回転する。
第3のプーリ63の回転力は、第1のベルト65、第1のプーリ61、第2のワンウェイクラッチ15に伝達され、これらの部品が逆方向に回転する。第2のワンウェイクラッチ15は、第1のプーリ61が逆方向に回転するので、本体側練り軸16Aが逆方向に回転しないように本体側練り軸16Aの回転を規制する。
一方、第1のワンウェイクラッチ68は、出力軸71が逆方向に回転するので、第4のプーリ64を逆方向に回転させる。この第4のプーリ64の回転力は、第2のベルト66、第2のプーリ62、本体側ミル軸14A、容器側ミル軸14B、キャップ81、ミル羽根82に伝達され、これらの部品が逆方向に回転する。なお、このとき、第3のワンウェイクラッチ13は、本体側ミル軸14Aの回転力により、本体側練り軸16Aが逆方向に回転(いわゆる、共回り)することを規制する。
すなわち、インバータモータ70の出力軸71が逆方向に回転されたときは、ミル羽根82が逆方向に回転する一方で、練り羽根84は回転しないようになっている。
なお、本実施例において、第1のプーリ61は、第2〜第4のプーリ62〜64に比べて大きな直径を有するように構成されている。これにより、インバータモータ70の出力軸71の回転速度に対する練り羽根84の回転速度を低速(例えば、250rpm)にするとともに、高トルクが得られるようにしている。また、練り羽根84の回転速度に対するミル羽根82の回転速度を高速(例えば、4000rpm)にするようにしている。
なお、本実施例において、「ミル軸」は、本体側コネクタ17Aと容器側コネクタ17Bとが係合されることにより連結された本体側ミル軸14Aと容器側ミル軸14Bとにより構成されている。また、「練り軸」は、係合片16Aaと係合片16Baとが係合されることにより連結された本体側練り軸16Aと容器側練り軸16Bとにより構成されている。また、ミル羽根82の回動軸205となるミル軸の中心軸と、練り羽根84の回動軸205となる練り軸の中心軸とは、同一軸上に位置するように設けられている。
また、本実施例において、「駆動力切換部」は、ベアリング12,67、第1〜第4のプーリ61〜64、第1及び第2のベルト65,66、第1〜第3のワンウェイクラッチ68,15,13により構成されている。「駆動力切換部」は、ミル軸及び練り軸へのモータ70の回転駆動力の伝達経路を切り換えるものである。
次に、図8、図9A〜図9Dを用いて、ミル羽根82の好ましい形状等について説明する。図8は、ドーム状カバー83に対するミル羽根82の相対位置を示す底面図である。図9Aはミル羽根82の斜視図であり、図9B及び図9Cはミル羽根82の側面図である。
図8に示すように、ミル羽根82の両端部は、穀物粒を切るのではなく、すり潰すように形成されている。具体的には、ミル羽根82の両端部は、平面視においてドーム状カバー83の内周端部に沿うように、一定の長さのすり潰し領域82Aを有するように形成されている。これにより、穀物粒を効率良く製パン原料にすることでき、ミル羽根82の回転速度を低下させることができる。その結果、穀物粒を製パン原料にする際、すなわちミルする際に発生する音を低減することができる。
また、ミル羽根82の両端部のエッジは、波形状に形成されている。これにより、当該エッジと穀物粒との接触面積を増やし、穀物粒のすり潰し効果を向上させることができる。また、好ましくは、ミル羽根82の両端部のエッジは、正弦波状(曲線で構成される波状)に形成される。これにより、ユーザがミル羽根82に触れることにより、ユーザの指が切れることを抑えることができる。
また、ミル羽根82の両端部のエッジは、一定の厚さ(例えば、1.5mm)を有する(すなわち、刃先を有しない)ように構成されている。これにより、ユーザがミル羽根82に触れることにより、ユーザの指が切れることをより一層抑えることができる。また、当該エッジと穀物粒との接触面積を増やし、穀物粒のすり潰し効果を向上させることができる。また、ミル羽根82の全体としての強度を確保することができる。なお、ミル羽根82は、エッジを含めて均一な厚さに構成されてもよい。
また、ミル羽根82の両端部は、図9B及び図9Cに示すように、正面から見て互いに逆方向に傾斜している。具体的には、ミル羽根82の両端部は、ミル羽根82の回転方向の下流側(最初に米粒に衝突する側)に位置する部分が、その上流側に位置する部分よりも下方に位置するように傾斜している。また、ミル羽根82の両端部の水平面に対する傾斜角度は、従来よりも大きく、例えば13度とされている。これにより、穀物粒を効率良く製パン原料にすることでき、ミル羽根82の回転速度をより一層低下させることができる。その結果、穀物粒を製パン原料にする際、すなわちミルする際に発生する音をより一層低減することができる。
なお、本実施例では、ミル羽根82の両端部のエッジを波形状に形成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ミル羽根82の両端部のエッジは曲線状であってもよい。なお、図10は、エッジを曲線状としたミル羽根82により穀物粒を粉砕する際に、ミル羽根82にかかる応力を示す図である。図11は、従来の刃先を有するミル羽根により穀物粒を粉砕する際に、当該ミル羽根にかかる応力を示す図である。図10及び図11より、エッジを曲線状としたミル羽根82の方が、従来のミル羽根よりも穀物粒に対してより大きな力を加えられることが分かる。
次に、図12を用いて、本実施例にかかる自動製パン器1によって実行される米粒用製パンコースの流れの一例を説明する。図12は、本実施例にかかる自動製パン器1によって実行される米粒用製パンコースの流れを示す模式図である。図12に示すように、米粒用製パンコースにおいては、浸水工程と、ミル工程と、冷却工程と、練り(提ね)工程と、発酵工程と、焼成工程とが順次に実行される。
米粒用製パンコースを開始するにあたって、ユーザは、以下の動作を行う。
まず、ユーザは、容器側ミル軸14Bにキャップ81を取り付けるとともに、セーフティカバー85の一部を容器側練り軸16Bの内面に嵌合させる。これにより、羽根ユニット80が、図3に示すように、調理容器40内にセットされる。
その後、ユーザは、米粒、水、調味料(例えば、食塩、砂糖、ショートニング)等の主材料を調理容器40内に入れるとともに、パンの製造工程の途中で自動投入するドライイースト、グルテン、ナッツなどの副材料を副材料容器53,54に入れる。
その後、ユーザは、調理容器40を焼成室30内にセットし、蓋50により焼成室30の開口部204を閉じる。その後、ユーザは、操作部20によって米粒用製パンコースを選択し、スタートキーを押す。これにより、制御部90が、米粒を出発原料に用いてパンを製造する米粒用製パンコースの制御動作を開始する。
米粒用製パンコースがスタートされると、制御部90の指令によって浸水工程が開始される。浸水工程は、米粒に水を含ませることによって、その後に行われるミル工程において、米粒を芯まで粉砕しやすくするための工程である。浸水工程では、調理容器40に予め投入された主材料の静置状態が所定時間(本実施例では30分)維持される。
浸水工程の開始から所定時間が経過すると、制御部90の指令によって浸水工程が終了され、ミル工程が開始される。ミル工程は、調理容器40内に入れられた米粒を粉砕して製パン原料を製造する工程である。ミル工程において、制御部90は、インバータモータ70を制御して出力軸71を逆方向に回転させ、図7を用いて上述したように、米粒と水とが含まれる混合物の中でミル羽根82を回転(例えば、4000rpm)させる。これにより、米粒が粉砕される。
粉砕された米粒と水とが含まれる混合物は、ドーム状カバー83の複数の窓部83aを通じてドーム状カバー83の外側の空間に排出される。これに伴い、調理容器40の凹部41内の米粒と水とを含む混合物がセーフティカバー85に設けられた開口部204(図示せず)からドーム状カバー83の内側の空間に取り込まれる。このようにして、次々に米粒がミル羽根82によって粉砕され、その結果、ペースト状の粉砕粉を含む製パン原料が製造される。
なお、ミル羽根82と衝突する米粒の大きさが大きいときは、大きな衝突音が発生する。このため、制御部90は、ミル工程の開始から所定時間(例えば、5分間)は、ミル羽根82を低速回転させ、その後、ミル羽根82を高速回転させるようにインバータモータ70を制御することが好ましい。これにより、ミル工程における大きな衝突音の発生を抑えることができる。
ミル工程の開始から所定時間(本実施例では70分)経過すると、制御部90の指令によってミル工程が終了され、冷却工程が開始される。冷却工程は、ミル工程によって上昇した調理容器40内の製パン原料の温度を、ドライイーストが活発に働く温度(例えば、30℃前後)まで下げる工程である。冷却工程において、制御部90は、インバータモータ70の駆動を停止させる。
冷却工程の開始から所定時間(本実施例では32分)経過すると、制御部90の指令によって冷却工程が終了され、練り工程が開始される。練り工程は、製パン原料にドライイースト、グルテン、ナッツなどの副材料を投入し、これらを混練して、パン生地を製造する工程である。練り工程において、制御部90は、開閉板53a,54aを開放して調理容器40内に副材料を投入するとともに、インバータモータ70を制御して出力軸71を正方向に回転させ、図6を用いて上述したように、製パン原料と副材料とが含まれる混合物の中で練り羽根84を低速回転(例えば、250rpm)させる。これにより、製パン原料と副材料とが含まれる混合物が混練され、所定の弾力を有するパン生地が製造される。
なお、練り工程の間、練り羽根84を同じ速度で継続して回転させると、特に製パン原料と副材料とが含まれる混合物の混練が進んでいない練り工程の初期において、製パン原料や副材料が調理容器40の外側に飛び散るおそれがある。このため、制御部90は、図13に示すように、練り工程が進むに連れて練り羽根84の回転数が徐々に増加するようにインバータモータ70を制御することが好ましい。これにより、練り工程において、製パン原料や副材料が調理容器40の外側に飛び散ることを抑えることができる。
練り工程の開始から所定時間(本実施例では23分)経過すると、制御部90の指令によって練り工程が終了され、発酵工程が開始される。発酵工程は、パン生地を発酵させる工程である。発酵工程において、制御部90は、シーズヒータ31を制御して、焼成室30の温度を、発酵が進む温度(例えば、38℃)に維持する。
発酵工程の開始から所定時間(本実施例では75分)経過すると、制御部90の指令によって発酵工程が終了され、焼成工程が開始される。焼成工程は、発酵したパン生地を焼成してパンを焼き上げる工程である。焼成工程において、制御部90は、シーズヒータ31を制御して、焼成室30の温度を、パン焼きを行うのに適した温度(例えば、125℃)まで上昇させる。
焼成工程の開始から所定時間(本実施例では40分)経過すると、制御部90の指令によって焼成工程が終了される。これにより、全ての製パン工程が終了する。全ての製パン工程が終了したことは、例えば、操作部20の液晶パネルの表示や報知音などにより、ユーザに知らされる。
本実施例にかかる自動製パン器1によれば、単一のインバータモータ70によりミル羽根82と練り羽根84の両方を回転させるようにしているので、モータを2つ備える従来の自動製パン器よりも装置の小型化を実現することができる。
また、本実施例にかかる自動製パン器1によれば、駆動力切換部として機能するベアリング12,67、第1〜第4のプーリ61〜64、第1及び第2のベルト65,66、第1〜第3のワンウェイクラッチ68,15,13を全て機器本体10の内部であって焼成室30の外部に設けているので、当該各部品に製パン原料等が詰まるなどの不具合を抑えることができる。これにより、インバータモータ70の回転駆動力の伝達経路の切り換えをより確実に行うことができる。
また、本実施例にかかる自動製パン器1によれば、モータとしてインバータモータ70を用いているので、ミル羽根82及び練り羽根84の回転数を可変することができる。これにより、例えば、ミル工程の開始から所定時間はミル羽根82を低速回転させることにより、ミル工程における大きな衝突音の発生を抑えることができる。
また、本実施例にかかる自動製パン器1によれば、インバータモータ70の出力軸71の回転方向に応じて、インバータモータ70の回転駆動力をミル軸に伝達するか、練り軸かを切り換えるようにしているので、インバータモータ70の回転駆動力の伝達経路の切り換えをより確実に行うことができる。
また、本実施例にかかる自動製パン器1によれば、練り軸16A,16Bを中空管構造とし、当該練り軸の内部にミル軸14A,14Bを設けるようにしている。これにより、より一層の装置の小型化を図ることができる。
また、前記では、ミルと練りの両方を行う自動製パン器にインバータモータを使用したが、本発明はこれに限定されない。練りのみを行う一般的な自動製パン器にインバータモータを使用してもよい。この場合、練り羽根の回転数を可変できるので、例えば、練り工程が進むに連れて練り羽根の回転数が徐々に増加するようにインバータモータを制御することが可能になる。これにより、製パン原料や副材料が調理容器の外側に飛び散ることを抑えることができる。
次に、本実施例装置の調理容器の着脱検出機構について説明する。
本実施例装置では、2つの容器を着脱可能である。1つめの容器は、通常の小麦パンを作る際に使用する容器であり、この場合には調理容器内部に必要な羽根は練り用の羽根だけであるため、練り用の羽根が着脱可能である。
2つめの容器は、米パンを作る際に使用する容器であり、米粒といった穀物粒を粉砕した後に錬り動作を行う必要がある。このため、2つめの容器内部には、錬り用の羽根と粉砕用の羽根の2種類の羽根を着脱可能である。
本実施例装置では、このように2つの容器を使用することが可能であるが、小麦パンを作る場合と米パンを作る場合とで製造工程が異なるだけでなく、調理容器に搭載される羽根も1種類の場合と2種類の場合とで異なるため、どちらの調理容器が装着されたかを判定し、対応する製パンコースを実行できるようにする必要がある。小麦パンを作るための調理容器を焼成室内に装着したにもかかわらず、米パンコースの調理を開始してしまっては所望のパンを作ることができない。
そこで、本実施例装置では、自動製パン器本体の、調理容器を装着する焼成室の底部に、調理容器が装着されたか又はどの調理容器が装着されたかを検出するためのスイッチを設けている。
以下にその構成について具体的に説明する。
上述した実施例での説明では、調理容器40と説明しているが、より詳細には、容器検知を作動させる調理容器(第1の調理容器401)と、容器検知を作動させない調理容器(第2の調理容器402)とを備えている。又、台座42と説明していたが、より詳細には、第1の調理容器401に設けられた台座421と、第2の調理容器402に設けられた台座422とを備えている。
又、第1の調理容器401は、小麦からパンを作る際に使用する容器であり、第2の調理容器402は、米粒といった穀物粒からパンを作る際に使用する容器である。
尚、本実施例では調理容器401(402)と台座421(422)を別の部材として説明しているが、台座421(422)が調理容器401(402)と一体である構成としても良い。以下では、台座421(422)の部分を1つの調理容器の底部として説明する。
更に、本体には、容器検知手段を構成する操作レバー200、付勢手段201、マイクロスイッチ202、マイクロスイッチボックス203と、を備えている。
図17に示すように、第1の調理容器401を含む台座421を装着する部分には、操作レバー200が配置され、所定の調理容器が本体に装着されるとこの台座421が操作レバー200を押下し、操作レバー200に接続されたマイクロスイッチ202がオンからオフに変わることにより、所定の調理容器が装着されたことを検出する。
尚、この操作レバー200とマイクロスイッチ202は、焼成室30の底壁30aより下方に、且つ、調理容器支持部11の外側に配置されている。
図18は、調理容器を支持する調理容器支持部11を上方から見た図であり、図18に示す状態では、調理容器は本体に装着されていない。図18に示すように、調理容器支持部11には、4つのガイド溝部209が形成されており、この4つのガイド溝部209に調理容器下方に形成された4つの突出部が装着される。又、この4つのガイド溝部209のうちの一つは開口しており(開口部204)、この開口部204に操作レバー200の突出部206が突出している。
図19は、第2の調理容器402の外観を示す斜視図であり、第2の調理容器402の底部(より具体的には台座421部分)には4つの突起部が形成されている。この4つの突起部の内の一つ(突起部207)が、先ほど述べた開口部204に装着されると、開口部204に配置されている操作レバー200の突出部206が押下され、調理容器が装着されたことを検出する。
図20は、調理容器を装着していない状態での操作レバー200近傍の状態を示す断面図である。又、図20aは機器本体の正面から見た断面図であり、図20bは、機器本体の側面から見た断面図である。
図20aに示すように、操作レバー200は、回動軸205を軸に軸支されており、この回動軸205を軸として図20a中、所定の角度(例えば、10〜15度)だけ時計周り又は半時計周りに回動可能である。又、この操作レバー200は、図20a中紙面左側方向に例えばスプリング等からなる付勢手段201により付勢されている。
図20bに示すように、この操作レバー200の突出部206は、操作レバー200の側面から本体内方(台座が存在する方向)に延在しており、調理容器の突起部207がこの突出部206を下方に押下可能になっている。但し、図20bでは、調理容器が装着されていない状態を示しているため、この操作レバー200の突出部206は押下されていない状態である。
第2の調理容器402を機器本体10に装着していない状態では、操作レバー200は図20a中の紙面左側に回動しているため、操作レバー200の後方(図20a中紙面左側方向)部分が、マイクロスイッチ202を押下している状態となる。即ち、マイクロスイッチ202がオンしている状態である。
次に、図21は、第2の調理容器402(例えば、小麦パンを作るための容器)を装着した際の操作レバー200近傍の状態を示す断面図である。又、図21aは自動製パン器1を正面から見た断面図であり、図21bは、自動製パン器1の側面から見た断面図である。
図21aに示すように、操作レバー200は、回動軸205を軸に軸支されており、この回動軸205を軸として図21中、所定の角度(例えば、10〜15度)だけ時計周り又は半時計周りに回動可能である。又、この操作レバー200は、図21a中紙面左側方向に例えばスプリング等により付勢されている。
図21bに示すように、この操作レバー200の突出部206は、操作レバー200の側面から本体内方(台座が存在する方向)に延在しており、第2の調理容器402の突起部207がこの突出部206を下方に押下可能になっている。
図21bに示すように、第2の調理容器402を機器本体10に装着している状態では、操作レバー200は図20a中の紙面右側に回動しているため、操作レバー200の後方(図20a中紙面左側方向)部分が、マイクロスイッチ202を押下していない状態となる。即ち、マイクロスイッチ202がオフしている状態である。
図23は装置上方から見た操作レバー200近傍の断面図である。図23に示すように、操作レバー200の突出部206が開口部204から露出しており、この突出部206が押下されることにより、マイクロスイッチ202がオフとなる。
このように、第2の調理容器402を機器本体10に装着している場合ではマイクロスイッチ202がオフし、第2の調理容器402を機器本体10に装着していない状態では、マイクロスイッチ202がオンとなる。このマイクロスイッチ202のオンオフを例えばCPU(Central Processing Unit)等のマイクロコンピュータが検出することにより、第2の調理容器402が装着されているか否かを判定する。尚、マイクロスイッチ202からの出力を直接モータの駆動回路に接続し、マイクロスイッチ202のオン又はオフに応じて、モータへの電源をオン又はオフにする構成としても良い。
次に、図22は、第2の調理容器402(例えば、穀物粒からパンを作るための容器)を装着した際の操作レバー200近傍の状態を示す断面図である。又、図22aは自動製パン器1を正面から見た断面図であり、図22bは、自動製パン器1を側面から見た断面図である。
図22bに示すように、第2の調理容器402を機器本体10に装着している状態では、操作レバー200は図22a中の紙面左側に回動しているため、操作レバー200の後方(図22a中紙面左側方向)部分が、マイクロスイッチ202を押下している状態となる。即ち、マイクロスイッチ202がオンしている状態である。
図21bと図22bを見ても分かるように、第2の調理容器402の台座に形成されている突起部207の位置は、第2の調理容器402の台座に形成されている突起部412の位置よりも低い位置にあるため、第2の調理容器402の台座に形成されている突起部は207、操作レバー200を押下するが、第2の調理容器402の台座に形成されている突起部412は操作レバー200を押下しない。
図24は、第2の調理容器402の外観を示す斜視図であり、第2の調理容器402の底部(より具体的には台座422部分)には4つの突起部が形成されている。この4つの突起部の内の一つ(突起部412)が、先ほど述べた開口部204に装着されると、開口部204に配置されている操作レバー200の突出部206が押下され、調理容器が装着されたことを検出する。
図25は、第2の調理容器402の台座421に形成された突起部411と、第2の調理容器402の台座422に形成された突起部412近傍を正面から見た図である。
図25中に示すように、第1の調理容器401の台座421に形成されている突起と、第2の調理容器402の台座422に形成されている突起とで、突起が形成されている位置を異ならせることにより、操作レバー200を押下する場合と押下しない場合とを実現することが可能となる。より具体的には、第2の調理容器402の突起部412よりも第1の調理容器401の突起部411の方が上方に位置しているため、第1の調理容器401が装着されても操作レバー200が押下されず、第2の調理容器402が装着されると操作レバー200が押下される。尚、本実施例装置のように、突起が形成されている位置ではなく、突起の太さを異ならせる構成としても良い。例えば、突起部の高さを同じにしつつ、太い突起は操作レバー200に当接せず、細い突起は操作レバー200に当接する構成としても良い。
本実施例装置では、第1の調理容器401が機器本体10に装着されると、マイクロスイッチ202がオフし、このことを制御装置が検出することにより、制御装置は小麦パンの調理コースを実行する。一方、第2の調理容器402が機器本体10に装着されると、マイクロスイッチ202がオンし、このことを制御装置が検出することにより、制御装置は米パンの調理コースを実行する。
又、次のように構成しても良い。第1の調理容器401が機器本体10に装着されると、マイクロスイッチ202がオフし、このことを制御装置が検出することにより、制御装置は小麦パンの調理コースの開始指示だけ受け付ける(他の調理コースの開始指示は受け付けない)ようにしても良く、小麦パンの調理コースのみ表示部に表示する(他の調理コースの表示はしない)ようにしても良い。
又、第2の調理容器402が機器本体10に装着されると、マイクロスイッチ202がオンし、このことを制御装置が検出することにより、制御装置は米パンの調理コースの開始指示だけ受け付ける(他の調理コースの開始指示は受け付けない)ようにしても良く、米パンの調理コースのみ表示部に表示する(他の調理コースの表示はしない)ようにしても良い。
更に、第2の調理容器402が機器本体10に装着された際と、調理容器が機器本体10に装着されていない状態ではマイクロスイッチ202がオンとなっているため、マイクロスイッチ202がオンし、このことを制御装置が検出している状態では、制御装置は小麦パンの調理コースを除く調理コースの開始指示だけ受け付けるようにしても良く、小麦パンの調理コースを除く調理コースのみ選択できるように表示しても良い。
又、本実施例装置では、台座に突起部を形成したが、台座を除く調理用容器の底部或いは底部近傍の側面に突起部を形成しても良い。
本実施例装置では、第1の調理容器401が小麦パンコースの調理容器、第2の調理容器402が米パンコースの調理容器としたが、特にこれに限定することはなく、第1、第2の調理容器いずれも、例えば餅つきコースの調理容器、ケーキ用の調理容器、といった他の調理コースで使用される調理容器としても良い。
又、本実施例では、1つの操作レバー200で調理容器が装着されたことを検出する構成としたが、開口部204を2つ以上設けると共に夫々の開口部204に操作レバー200とマイクロスイッチ202を配置し、どの調理容器が装着されたか或いは調理容器が装着されていないかを検出可能としても良い。この場合、調理容器によって、調理容器の突起部の位置、或いは突起部の有無を変えることにより、より詳しくどのような調理容器が装着されたかを検出することが可能となる。
又、図20〜図22に示すように、開口部204とマイクロスイッチ202との間には、調理に使用する水や調理材料等の異物が、万が一、前記開口部204から浸入した場合に、マイクロスイッチ202に付着させないための防水壁面208が設けられており、開口部204から侵入した異物が排出し易いよう、開口部204と隙間を空けて配置されている。
更に防水壁面208は、突出部206を除く操作レバー200や付勢手段201へも異物浸入を防ぐよう配置されているとなお良い。
マイクロスイッチボックス203は、前記防水壁面208を一部として構成されており、操作レバー200が回動可能な状態で取り付けられている。
更に、マイクロスイッチボックス203には、付勢手段201やマイクロスイッチ202が前述の位置に取付られており、マイクロスイッチボックスに取り付けられた構成でユニット化され、調理容器を検知する操作レバー200の一連の動作が確保できるとなお良い。
操作レバー200と台座42との位置関係を一定に維持させるために、マイクロスイッチボックス203と調理容器支持部11とを連結保持するモータ台300が設けられている。
モータ台300が操作レバー200の突出部206もしくは調理容器支持部11の開口部204より下方に位置する場合、突出部206の下部もしくは開口部204の下部に位置するモータ台300に、異物を排出し易くするための排出孔300aが設けられている。
以上説明したように、本実施例装置では、焼成室の底部(焼成室より下方)で調理容器の検知を行うため、調理容器の上方に容器検知手段を設ける従来の自動製パン器よりも調理容器検知精度を向上することができる。
又、焼成室の側壁部に容器検知手段を設けなくてよいので、焼成室内の温度をより均一に保ったまま、容器の検知を行うことができる。
又、焼成室の底部(焼成室より下方)で、調理容器の側壁より内側に入った位置に、容器検知手段の一部あるいは全部を設けることにより、調理容器の製パンに要する内容積に影響することなく、機器本体10の小型化を実現することができる。
尚、本実施例では調理容器の台座部分を底部として説明したが、台座がなく調理容器の部分そのものを機器本体10に装着する構成とした場合、突起部を調理容器の底部(特に調理容器の底面部分)に設けた構成としても良い。