JP2010093178A - 電気化学キャパシタ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、電気化学キャパシタを生産する際の溶接接続の信頼性を高めた電気化学キャパシタを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明では電気化学キャパシタにおいて、素子1と駆動用電解液とが収容される外装ケース3とメッキ端子板2を備え、銅から成る前記メッキ端子板2の底面に前記素子1の銅から成る負極端部1aを電気的に接続する際、このメッキ端子板2において、少なくとも溶融箇所に波長が1064nmである光の反射率が94%未満である低反射材が、表面に低反射材2eを有したメッキ端子板2の前記低反射材の部分を除いた未溶融部分より多く含まれていることを特徴とした。これにより波長が1064nmであるレーザー光を用いて溶接する際、被照射体であるメッキ端子板2の充分な溶融を可能にし、その部分において高い溶接の信頼性を得ることができるものである。
【選択図】図1
【解決手段】本発明では電気化学キャパシタにおいて、素子1と駆動用電解液とが収容される外装ケース3とメッキ端子板2を備え、銅から成る前記メッキ端子板2の底面に前記素子1の銅から成る負極端部1aを電気的に接続する際、このメッキ端子板2において、少なくとも溶融箇所に波長が1064nmである光の反射率が94%未満である低反射材が、表面に低反射材2eを有したメッキ端子板2の前記低反射材の部分を除いた未溶融部分より多く含まれていることを特徴とした。これにより波長が1064nmであるレーザー光を用いて溶接する際、被照射体であるメッキ端子板2の充分な溶融を可能にし、その部分において高い溶接の信頼性を得ることができるものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、ハイブリッドカーや燃料電池車の回生用あるいは蓄電用、電子機器のバッテリー用として用いられる電気化学キャパシタに関するものである。
従来からキャパシタは、その充放電の応答性の高さから多くの電子機器のバッテリー用として用いられてきた。高いエネルギー密度を有したキャパシタも登場し、中でもリチウムイオンを含む駆動用電解液を使用してエネルギー密度を高めた電気化学キャパシタと呼ばれるキャパシタがこれまで盛んに開発されてきた。
図8は従来の電気化学キャパシタに用いられる負極の断面図である。
電気化学キャパシタとして、従来では図8において正極および負極の多孔質の集電体100の片面に電極層101を設け、さらに電極層101の上にリチウム102を設けた構成となっている。その電極の裏面の集電体100の電極層を設けていない面に電極端子103を設ける発明が開示されていた。因みに多孔質である集電体100には孔104が設けられていた。電極層101を塗工することが困難である多孔質の集電体100の両面に電極層を設けた場合、リチウムイオンのプレドープを電極層に均一に行うために両面でずれること無く電極層を同じ位置に設けていく必要があったが、上記構成とすることによって電極層のずれなどを考慮する必要がなくなり、電気化学キャパシタ作製時の作業性の悪さを解消するという効果を奏した。
なお、この出願に関する先行技術文献情報として、例えば特許文献1が知られている。
特開2007−67097号公報
電気化学キャパシタにおいて内部の低抵抗化を図ろうとすると、上記従来の構成のように正極または負極の集電体100へ電極端子103を設ける構成ではなく、巻回状の素子の端部と平面を有した引出端子とを溶接接合により接続させる端面集電と呼ばれる構成をとる必要があった。これは、この構成により、上記の電極端子の構成より集電体と引出端子の役割を担う電極端子との接触面積を広げることができるためである。しかしながら、電気化学キャパシタの負極の集電体には一般的に銅が用いられ、負極に接合される銅材からなる引出端子もしくは端子板を使用して負極の集電体に接合する場合において、その接合手段として生産性の観点から銅材からなる引出端子にYAGレーザー光を照射して接合を試みると、銅材は波長が1064nm付近の光の反射率が約98.5%と高いため、照射されたYAGレーザー光のエネルギーが引出端子あるいは端子板にほとんど吸収されず、被照射体である引出端子もしくは端子板が溶融しないため端面集電での溶接接続が困難であるという課題があった。
そこで、本発明では上記課題を克服し、波長が1064nmのレーザー光によっても銅からなる集電体と銅から成る引出端子もしくは端子板との銅どうしの溶接をレーザー溶接によって容易に接続することができ、且つ、接合の信頼性が高い電気化学キャパシタとその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明では、金属箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部が形成された正極と、銅箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部が形成された負極とを、互いに対向する一対の電極とし、
対向する前記正極と前記負極との間にセパレータが介在し、前記正極および前記負極に形成された電極未形成部が互いに逆方向に突出した状態で巻回または積層された素子と、前記素子と駆動用電解液とが収容された有底状の外装ケースと、前記外装ケースの開口部を封止する銅から成る端子板とを備えた電気化学キャパシタにおいて、前記端子板が、前記素子の一端に形成された負極端部と溶接接合され、この端子板の接合のために溶融した溶融箇所には波長が1064nmである光の反射率が94%未満の低反射材が含まれ、且つ、前記端子板の前記負極端部との接合面の裏面において前記溶融箇所に隣接するように同様の低反射材が配設され、前記溶融箇所に含まれる低反射材の量が、前記端子板の未溶融箇所における前記端子板の表面に配設された低反射材を除いた部分に含まれる前記低反射材の量より多いことを特徴としている。
対向する前記正極と前記負極との間にセパレータが介在し、前記正極および前記負極に形成された電極未形成部が互いに逆方向に突出した状態で巻回または積層された素子と、前記素子と駆動用電解液とが収容された有底状の外装ケースと、前記外装ケースの開口部を封止する銅から成る端子板とを備えた電気化学キャパシタにおいて、前記端子板が、前記素子の一端に形成された負極端部と溶接接合され、この端子板の接合のために溶融した溶融箇所には波長が1064nmである光の反射率が94%未満の低反射材が含まれ、且つ、前記端子板の前記負極端部との接合面の裏面において前記溶融箇所に隣接するように同様の低反射材が配設され、前記溶融箇所に含まれる低反射材の量が、前記端子板の未溶融箇所における前記端子板の表面に配設された低反射材を除いた部分に含まれる前記低反射材の量より多いことを特徴としている。
この構成をとることにより、溶接のために照射されるレーザー光が、銅から成る端子板のレーザー光照射箇所に予め設けた低反射材によって吸収され、レーザー光のエネルギーを銅から成る端子板に伝えることができる。そして、レーザー光のエネルギーが伝わったこの端子板のレーザー光照射箇所を溶融し、端子板と負極との接合に関して溶接の信頼性を飛躍的に高めることができるものである。
以下に、図面を用い、本発明における実施の形態ならびに請求項1、2、5、6、9、11について説明を行うが、下記の内容には限定されない。
(実施の形態1)
図面および実施の形態を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について説明する。
図面および実施の形態を用いて、本発明の特に請求項1に記載の発明について説明する。
図1(a)は本発明の実施の形態における電気化学キャパシタの上面図である。図1(b)は同電気化学キャパシタの正面断面図である。図1(c)は同電気化学キャパシタの下面図である。
図1(b)における電気化学キャパシタは、一対の正極(図示なし)および負極(図示なし)と正極および負極間に介在するセパレータ(図示なし)によって構成されている巻回状の素子1と、この素子1の一方の端部と接合される、金属から成るメッキ端子板2と、この素子1と駆動用電解液(図示なし)とを収容し、素子1の他方の端部と内底面が接合されている有底状の外装ケース3と、メッキ端子板2と外装ケース3の開口端部との間に介在してメッキ端子板2と共に外装ケース3の開口端部の封止を行う封口ゴム4が設けられている。
負極は、帯状の銅箔からなる集電体(図示なし)の表裏面に夫々、電極部として黒鉛、易黒鉛化炭素などを主体とした炭素電極層(図示なし)が形成されていると共に、幅方向の一端側に負極の炭素電極層の未形成部(図示なし)が設けられているものである。
正極は、帯状のアルミニウム箔からなる集電体(図示なし)の表裏面に夫々、電極部として活性炭などを主体とした分極性電極層(図示なし)が形成されていると共に、幅方向の一端側に正極の分極性電極層の未形成部(図示なし)が設けられているものである。
これら正極および負極を、炭素電極層の未形成部、分極性電極層の未形成部が互いに逆方向に表出するようにずらして対向させ、対向した正極および負極の間に絶縁性を有したセパレータ(図示なし)を介在させた状態で正極、負極そしてセパレータを、正極および負極に形成されている分極性電極層の未形成部および炭素電極層の未形成部が互いに逆方向に突出するように、正極および負極の集電体の長さ方向に巻回して、円筒状の素子1を形成する。
この巻回された素子1の一方の端部は負極の炭素電極層の未形成部で構成された負極端部1a、他方の端部は正極の分極性電極層の未形成部で構成された正極端部1bであるという構成となる。
メッキ端子板2は巻回状である素子1の形状に則して、円板部2aの平面に円板部2aより径の小さい円柱部2bが設けられており、円板部2aと円柱部2bとが一体となった形状をしている。本実施の形態ではこの円板部2aの底面と素子1の負極端部1aとが溶接により接続(接合)されている。円柱部2b上面にはメッキ端子板2と素子1を溶接接合させるために凹部2cが形成され、図1(a)のように、メッキ端子板2において板厚が薄いこの凹部2cの底部の内底面へ波長1064nmのレーザー光が照射され、凹部2cの底部の一部を溶融し、図1(a)のように溶接痕7aが形成されて、メッキ端子板2と素子1とが溶接接合されている。
また図1(a)および(b)において、メッキ端子板2の上面には凸部2dが前記凹部2cと異なる位置に形成されている。この凸部2dの特に上面とリードなどの金属製の接合部材(図示なし)とを接合させることにより外部回路などとの電気的接続を行う。
図1(b)において、外装ケース3はアルミニウムなどの金属製の有底円筒状であり、その内部に素子1および駆動用電解液(図示なし)を収容している。この外装ケース3の内底面と素子1の正極端部1bとが溶接接合により、接続しているものである。そして、図1(c)のように、外装ケース3の外底面に内部方向への凹部3aが形成されている。この凹部3aの底部に波長1064nmのレーザー光を照射することにより、凹部3aの底部の一部を溶融し、素子1の正極端部1bとの溶接接合が施されている。例えばレーザー光の溶接痕7bのような形状で溶接接合を行う。
図1(b)において封口ゴム4はリング状をしており、外装ケース3の開口端部を封止する役割も担うメッキ端子板2と外装ケース3との間に介在し、負の極性を帯びたメッキ端子板2と正の極性を帯びた外装ケース3とを絶縁すると共に、封口ゴム4の外周面および内周面により、外装ケース3の開口端部とメッキ端子板2夫々と圧着することにより外装ケース3を封止しているものである。
さらに、外装ケース3の外周面において、封口ゴム4の配設箇所に対応する位置に、外装ケース3の外周面から内周面に向かう絞り加工が施されており(絞り加工部3b)、且つ、外装ケース3の開口端へ内側に向かったカーリング加工が施され(カーリング加工部3c)、これらにより、封口ゴム4が外装ケース3の開口端部に圧着され、封止強度を高めることができる。なお、封口ゴム4にはブチルゴムなどが用いられる。
図1(a)において、本実施の形態では、メッキ端子板2には製造時に外装ケース3内部へ駆動用電解液を注入するために外装ケース3内部と連通した注入孔5が形成されており、メッキ端子板2において、この注入孔5形成箇所の直上に電気化学キャパシタの内圧が上昇した際に内圧を調整する調圧弁6が配設されている。
本実施の形態では、上記のように素子1の負極端部1aとメッキ端子板2とが接続されるために、レーザー光を照射したメッキ端子板2の凹部2cに形成されている溶接痕7aの形成箇所へ予め低反射材が配設されている。この低反射材は少なくともレーザー光照射を行う箇所に配設されている構成であればメッキ端子板2と負極端部1aの接続が可能であるため、本実施の形態では製造時の低反射材を配設する効率を考慮してメッキ端子板2の表面全面に形成されていても良い。
図2(a)は本実施の形態における電気化学キャパシタの低反射材の形成箇所を示した平面図、図2(b)は同電気化学キャパシタの低反射材の形成箇所を示した正面断面図の抜粋である。
図2(a)および(b)において本実施の形態では、メッキ端子板2の凹部2cの底部に予め低反射材2eが設けられ、レーザー光が凹部2cの底部に照射されることによって溶接痕7aを形成することができ、この溶接痕7aには低反射材2eとして用いられている材料が溶接接合の際に一緒に溶け込んだ状態で再度凝固している。
従って、本実施の形態における電気化学キャパシタは、上記のようにメッキ端子板2の接合のために設けられた溶融箇所に低反射材が溶け込んだ構成になるが、この溶融箇所に隣接する位置あるいは近辺に溶接のために配設した低反射材2eがメッキ端子板2の表面に残留している場合、メッキ端子板2の厚み方向に貫通して設けられている溶融箇所と、表面に低反射材2eを残留させたメッキ端子板2の未溶融部における表面の低反射材2eを除いた部分との、含まれている低反射材の量を比較すると溶接箇所の方に多く低反射材が含まれている構成となる。また、メッキ端子板2溶接接合後にメッキ端子板2の表面に低反射材2eが残留していない場合は、単純に上記溶融箇所と未溶融箇所との、含まれている低反射材の量を比較すれば良い。
本実施の形態のようにレーザー光による溶接接合に用いられた低反射材2eは溶接痕7aの断面をX線マイクロアナリシスを用いて解析すれば溶接痕7aの溶融部内部に低反射材2eとして用いられた材料が拡散している様子を確認することができる。
従来では銅材どうしに高い波長のレーザー溶接(特にYAGレーザーを用いる)が行われる場合、銅表面のレーザーに対する反射率が高いため、溶接する銅材にレーザーのエネルギーをほとんど伝えることができず、レーザーが照射された銅材はほとんど溶融されないため、銅材どうしのレーザー溶接の信頼性が低くなる要因となっていた。
図7から光の波長と、被照射体の反射率の関係を示す。図7のように、銅は波長400nmを境に急激に反射率が高まり、波長1064nmでは約98.5%の光を反射してしまう。このように、銅は従来から用いられている波長1064nmのレーザー光による溶接を行う場合、溶接が困難な材料となる。また、アルミニウムに波長が1064nmである光を照射した場合、約93.5%の光を反射するが、0.8mm厚の板をアルミニウム箔が突出した素子端部に当設させた状態で、ファイバー径φ0.6にて、1パルスを10msとしたパルスシーム照射にて約20Jのエネルギーで照射を行ったところ、安定して溶接が可能であったことから、反射率が約94%未満の層を板の表面に設けることとした。なおニッケルにおいては波長が1064nmの光を約72%反射するが、のちに説明する実施検討では、無光沢ニッケル層、光沢ニッケル層を銅板に形成した状態で行い、無光沢ニッケル層においては良好な溶接結果が得られた。また、その際のニッケル層の厚みとしては3μmで実施した。今回の実施においては低反射材2eの形成はメッキにて行ったが、例えばコバルトなどを含有する無機系顔料を溶媒中に分散させ必要部分に塗工し、その後に溶媒を乾燥除去し、低反射材2eを形成する方法もあり、塗工厚としては0.5〜50μmの範囲で塗工でき、反射率低減による溶接性向上を図ることができる。またチタンを含有する無機系顔料層の形成においても溶接の効果は期待できるが、チタンの標準電極電位が−1.63Vであることから溶接の際の金属拡散において製品の内表面までチタンが到達した際には腐食を生じる原因となる可能性があるため、チタンが製品の内表面まで金属拡散によって到達しない量として塗布厚を15μm以下とするなど、塗工厚みを薄めに設定する必要がある。
なお反射率の定義は、ある面に入射する光束をΦ、この面で反射する光束をΦrとすると反射率Rは、R=Φr/Φ また、媒質の屈折率をn0、反射する面の屈折率をn1とすると、光がその面に対して垂直に入射するときの反射率Rは、以下の式(1)で示される。
R=(n0-n1)2/(n0+n1)2 …(1)
上記のように、波長が1064nmのレーザー光による溶接が非常に困難であった銅材どうしの溶接において、本発明の構成のように、メッキ端子板2の凹部2cの底部に形成されている低反射材2eが、凹部2cの底部に照射されたレーザーの光を吸収することによって、レーザーのエネルギーをメッキ端子板2に伝えることができ、銅材どうしの溶接において信頼性の高いレーザー溶接を行うことが可能となる。
上記のように、波長が1064nmのレーザー光による溶接が非常に困難であった銅材どうしの溶接において、本発明の構成のように、メッキ端子板2の凹部2cの底部に形成されている低反射材2eが、凹部2cの底部に照射されたレーザーの光を吸収することによって、レーザーのエネルギーをメッキ端子板2に伝えることができ、銅材どうしの溶接において信頼性の高いレーザー溶接を行うことが可能となる。
一般的に銅どうしの接合手段として様々な方法が考えられるが、希望接合箇所へレーザー照射の容易さや、他の溶接手段と比較して出力が高いことから溶接手段として、レーザー溶接を、特にYAGレーザーによる溶接を選択した。
なお、YAGレーザーのYAGとはイットリウム・アルミニウム・ガーネットの略であり、また、YAGレーザーとはそれらYAG結晶にNdイオンなどがドープされたロッドやディスクにLD(ダイオードレーザー)やランプにより励起して作り出した波長が1064nmのレーザー光を発振するレーザーである。
ここで、本実施の形態において、メッキ端子板2のレーザーが照射される面を覆う低反射材について説明する。
低反射材2eを構成する材料として、無光沢ニッケルメッキ、スズメッキ、クロムメッキ、無光沢銀メッキ、無光沢金メッキ、もしくは酸化コバルト、酸化チタンなどの無機系顔料層が良好である。
一般的にニッケルメッキは、無光沢メッキと、光沢メッキに分類される。
光沢メッキは、メッキ処理(電解メッキ)を行う際に用いられる電解液(メッキ浴)中に光沢剤(非イオン性ポリアクリルアミドなど)などが含まれているが、本発明では光沢メッキをメッキ端子板2に設けたとしても、レーザー光は光沢メッキによって反射するためメッキ端子板2を溶融できないため、本発明では光沢ニッケルメッキ層を設けても実施できず、無光沢メッキを施すことによって、初めて本発明の効果を奏することができるものである。
また、上記のように低反射材2eである無光沢メッキをメッキ端子板2に設ける方法として、メッキ浴にメッキ端子板2を含浸するなどして設けるため、溶接痕7a形成箇所にのみ設けるという配設方法をとるより、一面あるいはメッキ端子板2の表面全面に無光沢メッキを配設するほうが効率がよくコスト面などから好ましい。
無光沢メッキ、光沢メッキにおいて、他に物性が異なる点として、無光沢メッキの方が光沢メッキより表面硬度が低い(やわらかい)という性質をもっている。例えば、無光沢ニッケルメッキの場合、硬度は約150〜250Hvであるが、一方、光沢ニッケルメッキの場合その硬度は、300〜600Hvである。よって本発明の実施の形態においては、低反射材2eとしてニッケルメッキを施した場合、その低反射材の硬度は250Hv以下となる。なお他の無光沢メッキにおいても、光沢メッキと比較するとその表面硬度は柔らかく、無光沢銀メッキの場合は、硬度70〜90Hk(光沢銀メッキの場合、80〜100Hk、)無光沢金メッキの場合は、硬度50〜80Hk(光沢金メッキの場合、180〜220Hk)、無光沢すずメッキの場合は、3〜10Hv(光沢すずメッキの場合、30〜50Hk)の表面硬度であることが好ましい。
因みに、図2(a)および(b)のように本実施の形態において低反射材2eとして用いた無光沢ニッケルメッキをメッキ端子板2の凹部2cの底部へ形成し、レーザー光を照射して溶接接合を行った場合、メッキ端子板2の溶融部分内には主にニッケルが多く溶け込んでいる。
なお、本発明の効果は少なくとも溶接痕7a形成箇所に上記低反射材2eが設けられていれば得られるため、上記のようにメッキ端子板2の表面全面に低反射材2eを形成しても問題無いが、特に、負極端部1aおよびメッキ端子板2との接合面には上記低反射材2eを設けない構成がより好ましい。これは、組み立て後の電気化学キャパシタにおいてメッキ端子板2の接合面に形成されている低反射材2eの一部が、低反射材2eに含まれる材料によっては電圧印加時に電解液と反応し溶出あるいは反応物を生成し、この反応物などによって電気化学キャパシタの内部抵抗増加や自己放電が促進されることも考えられるためである。
図3(a)は本実施の形態における電気化学キャパシタの素子のスェージ加工およびテーパー加工が施されていない負極端部近辺を示した概略断面図の抜粋である。図3(b)は同電気化学キャパシタの素子の従来のスェージ加工およびテーパー加工が施されている負極端部近辺を示した概略断面図の抜粋である。図3(c)は同電気化学キャパシタの素子の本実施の形態におけるスェージ加工およびテーパー加工が施されている負極端部近辺を示した概略断面図の抜粋である。
ここで、本実施の形態におけるスェージ加工およびテーパー加工について詳しく説明する。
図3(b)、図3(c)において、図3(a)の素子1の負極端部1aの集電体を重ねた部分がスェージ加工部分、負極端部1aの外周側において集電体を傾斜させた部分がテーパー部1cである。また、図3(b)は、スェージ部1dにおいて、素子1の負極端部1aを外周側から内周方向に集電体をテーパー部1cよりさらに傾斜させることにより傾斜した集電体どうしを少なくとも3枚以上重ねている。このスェージ部1dにより負極端部1aにメッキ端子板2と当接するための、厚みを有し傾斜した「面」を設けることができる。これにより素子の溶接接合の信頼性を高めることができる。一方、図3(c)は、図3(b)と異なり、負極端部1aを内周側から外周方向に集電体を傾斜させることにより集電体どうしを少なくとも3枚以上重ねてスェージ部1eを設けている。
本実施の形態では、図3(c)の状態となるようスェージ部1eおよびテーパー部1cを設けている。これは、図3(b)の構成でも実施においては問題ないが、図3(c)の内周側から外周方向へのスェージ部1eのほうが、スェージ部1eを構成している複数の集電体に対して、図3(b)のスェージ部1dのような圧縮する(径を狭める)作用が少ないため、スェージ部1eの集電体の重なり枚数の安定化や、負極端部1aの「面」の凹凸の安定化を図ることができるためである。因みに、このスェージ加工およびテーパー加工は正極端部1bに行ってもよい。
また、本実施の形態では素子1の負極端部1aと銅から成るメッキ端子板2とを接続するために、メッキ端子板2の凹部2cの底部に低反射材2eを形成し、そこへレーザー光を照射することによって溶接接合を果たしているが、負極端部1aを外装ケース3の内底面を溶接接合する構成でもよい。この場合、外装ケース3が銅から成り、外装ケース3と負極端部1aとを接続するために外装ケース3の外底面の凹部3aの底部に低反射材2eが形成され、そこに、レーザー光を照射することによって溶接接合を行う。
(実施の形態2)
図面および実施の形態を用いて、本発明の特に請求項3、4、7、8、10に記載の発明について説明する。
図面および実施の形態を用いて、本発明の特に請求項3、4、7、8、10に記載の発明について説明する。
実施の形態1と同様の部材については、図面において実施の形態1と同じ番号を付与する。また、溶接接合に用いる低反射材も実施の形態1と同様のものを用いる。
図4は本実施の形態におけるキャパシタの一例である電気化学キャパシタの分解斜視図である。図5(a)は本実施の形態における電気化学キャパシタ組み立て後の端子板の上面図、図5(b)は、同組み立て後のメッキ集電板の上面図、図5(c)は同組み立て後の外装ケース側の集電板の底面図である。そして、図5(d)は、同組み立て後の外装ケースの底面図である。
図4において、本実施の形態では前記素子1の両端部である負極端部1aおよび正極端部1bにそれぞれ、メッキ集電板8aと集電板8bがレーザー溶接により接続され、メッキ集電板8aの素子1と接続する面の裏面と金属製である端子板9の底面が、集電板8bの素子1と接続する面の裏面と外装ケース3の内底面とが夫々溶接接合により接続される。
上記構成のように、素子1の両端面にメッキ集電板8aおよび集電板8bの2つの集電板を設けることにより、素子1が端子板9や外装ケース3と溶接接合される前に素子1の負極端部1aおよび正極端部1bの接続状況を確認した上で、端子板9や外装ケース3と溶接接合できるため、素子1と端子板9および外装ケース3とが溶接接合により接続される上で接続の信頼性を高めることができる。
端子板9は実施の形態1のメッキ端子板2と同様に円板部9aと円柱部9bとを一体にした形状を有している。
メッキ集電板8aは端子板9の円板部9a、集電板8bは外装ケース3の内底面と接続する。各々の接続は当設させた状態で波長1064nmのレーザー光を照射することで溶接接合する。なお、本実施の形態で用いられている2つの集電板の形状は巻回された素子1に則して円板形状であるが、2つの集電板の形状はこれに限定されない。
本実施の形態では端子板9を負極とし、端子板9の材料は銅もしくは、鉄、ステンレスのいずれかからなり、メッキ集電板8aの材料は銅である。一方この場合、外装ケース3は正極となるので、外装ケース3および集電板8bの材料はアルミニウムとなるが、これら組成は端子板9側と外装ケース3側とで逆の構成であっても良い。
素子1の正極端部1bと集電板8bと外装ケース3の電気的接続も、波長1064nmのレーザー光の照射により溶接接続を行う。
図5(a)〜(d)において、それぞれの部材についてレーザー光による溶接痕11a、11b、11c、11dの位置を示す。端子板9、メッキ集電板8aは銅材から構成されるため、実施の形態1のように無光沢メッキなどから成る低反射材(図示なし)を少なくとも溶接痕11bの一部に設けることで安定した接続を得ることができる。また、メッキ集電板8aと接合される端子板9も銅から成る場合は同じく溶接痕11aの少なくとも一部には予め実施の形態1と同様の低反射材が形成されている必要がある。
図6は本実施の形態における電気化学キャパシタの正面断面図である。
上記の各部材がレーザー光を用いた溶接接合がされ組み立てられることにより、図5のように本実施の形態における電気化学キャパシタが構成されている。
また、実施の形態2においても実施の形態1と同様に、上記のようにメッキ集電板8aの接合のために設けられた溶融箇所に低反射材が溶け込んだ構成になるが、この溶融箇所に隣接する位置あるいは近辺に溶接のために配設した低反射材2eがメッキ集電板8aの表面に残留している場合、メッキ集電板8aの厚み方向に貫通して設けられている溶融箇所と、表面に低反射材2eを残留させたメッキ集電板8aの未溶融部における表面の低反射材2eを除いた部分との、含まれている低反射材の量を比較すると溶接箇所の方に低反射材が多く含まれている構成となる。また、メッキ集電板8aが溶接接合後にメッキ集電板8aの表面に低反射材2eが残留していない場合は、単純に上記溶融箇所と未溶融箇所との、含まれている低反射材の量を比較すれば良い。
なお、本実施の形態において端子板9の円柱部9bの中心には駆動用電解液を注入するための注入孔10が形成されており、その注入孔の直上に調圧弁6が設けられている。
また、本実施の形態ではメッキ集電板8aが端子板9と溶接接合されるため、メッキ集電板8aの中心に上記注入孔10と同様の注入孔8cが形成されていることにより、製造時により効率的に外装ケース3内に駆動用電解液を注入することができる。
また、実施の形態1と同様に素子1の負極端部1aとメッキ集電板8aとをレーザー光によって溶接接合する上でメッキ端子板8aの負極端部1aとの接合面に前記無光沢メッキの低反射層を設けない構成の方が好ましい。これは実施の形態1と同様に組み立て後の電気化学キャパシタの信頼性を向上させることが可能となるからである。
実施の形態1でも示したスェージ加工やテーパー加工を実施の形態に用いられる素子1に行ってもよい。
(性能評価試験)
以下に、本実施の形態の電気化学キャパシタを用いて性能評価試験を行った。
以下に、本実施の形態の電気化学キャパシタを用いて性能評価試験を行った。
アルミニウム箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極層が形成された正極と、銅箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極層が形成された負極と、前記正極と前記負極との間に介在するセパレータを、正負の電極の炭素材料を形成していない一端の夫々が逆方向に露出するように巻回した素子において、銅箔が突出した負極端面をスェージ加工した後、表面処理条件の異なる0.8mm厚の銅板を当接させ、ファイバー径φ0.6から1パルスの照射時間を10msとして57.3J〜58.3Jの照射エネルギーで波長が1064nmのレーザー(YAGレーザー)光をパルスシーム照射し、接続状態を外観観察と、引き剥がしテストにて確認した。実施例は、素子当接用銅板に約3μm厚の無光沢メッキを施したもの、比較例1は素子当接用銅板が約3μm厚の光沢メッキを施したもの、比較例2は素子当接用銅板の表面が未処理のものとして、同様のレーザー出力条件で溶接状態を比較した。
各部材の接合具合の判定は、外観観察にてレーザー光照射部位に溶接痕が残っているか、また、溶接部の引き剥がし観察の際には、銅板の凝集剥離もしくは銅箔の凝集隔離が発生するような溶接状態であるか確認を行った。
このように、比較例1と比較例2ではどの溶接条件においても、レーザーが部材の表面で反射され、集電板および端子板の表面へ溶接痕を残すことができない。しかし、本発明の実施形態で構成された実施例には、集電板および端子板の表面に形成した無光沢ニッケルメッキがレーザーの光を吸収することによって銅板から銅箔へエネルギーを伝え、レーザー照射部分の溶融を生じさせ、良好な溶接状態が得られた。
製品試作に伴う実施の際も上記結果と同様に、波長が1064nmのレーザー光を照射して銅材どうし(負極端部、集電板、端子板)の溶接を行う場合、表面に無光沢ニッケルメッキを形成することによって初めてレーザー光照射による溶接接続が安定した状態で可能であることを確認した。
以上により、本発明における電気化学キャパシタは、電気化学キャパシタを組み立てる際に、銅から成る負極の電極未形成部によって構成される負極端部と銅から成るメッキ端子板とを溶接接合によって接合させるために、このメッキ端子板において上記の溶接接合のためのレーザー光を照射する箇所の少なくとも一部へ予め、波長が1064nmであるレーザー光を照射したときの反射率が94%未満である低反射材を形成し、そこへレーザー光を照射して溶接接合を行うことを特徴としている。これにより、従来、波長が1064nmのレーザー光に対して高い反射率を有していた銅材どうしの接合において、予めメッキ端子板のレーザー光照射箇所の少なくとも一部へ形成した低反射材にレーザー光を照射することにより、低反射材がレーザー光を一旦吸収し、レーザー光のエネルギーを接合したい銅材に伝えることができるため、銅材を溶融させることができ、波長が1064nmであるレーザー光を用いた溶接接合であっても信頼性高く溶接することが可能となる。従って、信頼性の高い電気化学キャパシタを得ることができるというものである。
本発明にかかる電気化学キャパシタは、素子の負極端部と接合され、銅から成る集電板と端子板との表面に無光沢メッキなどの低反射材が形成された構成である。これにより、表面に形成された低反射材により波長が1064nmのレーザー光の反射を抑制し、レーザー光のエネルギーを被照射体が吸収して溶融させることができるため、レーザー溶接が飛躍的に容易に行うことができ、接合の信頼性を高めることが可能となるものである。本発明の実施の形態に記載したキャパシタの構成をもつ製品の生産が可能となるものである。
本実施の形態のキャパシタを用いた製品として、例えば回生やバックアップに用いられるハイブリッド車用電源としての用途が有用である。
1 素子
1a 負極端部
1b 正極端部
1c テーパー部
1d、1e スェージ部
2 メッキ端子板
2a、9a 円板部
2b、9b 円柱部
2c、3a 凹部
2d 凸部
2e 低反射材
3 外装ケース
3b 絞り加工部
3c カーリング加工部
4 封口ゴム
5、8c、10 注入孔
6 調圧弁
7a、7b、11a、11b、11c、11d 溶接痕
8a メッキ集電板
8b 集電板
9 端子板
1a 負極端部
1b 正極端部
1c テーパー部
1d、1e スェージ部
2 メッキ端子板
2a、9a 円板部
2b、9b 円柱部
2c、3a 凹部
2d 凸部
2e 低反射材
3 外装ケース
3b 絞り加工部
3c カーリング加工部
4 封口ゴム
5、8c、10 注入孔
6 調圧弁
7a、7b、11a、11b、11c、11d 溶接痕
8a メッキ集電板
8b 集電板
9 端子板
Claims (11)
- 金属箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部が形成された正極と、
銅箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部が形成された負極とを、互いに対向する一対の電極とし、
対向する前記正極と前記負極との間にセパレータが介在し、前記正極および前記負極に形成された電極未形成部が互いに逆方向に突出した状態で巻回または積層された素子と、
前記素子と駆動用電解液とが収容された有底状の外装ケースと、
前記外装ケースの開口部を封止する銅から成る端子板とを備えた電気化学キャパシタにおいて、
前記端子板が、前記素子の一端に形成された負極端部と溶接接合され、この端子板の接合のために溶融した溶融箇所には波長が1064nmである光の反射率が94%未満の低反射材が含まれ、且つ、前記端子板の前記負極端部との接合面の裏面において前記溶融箇所に隣接するように同様の低反射材が配設され、前記溶融箇所に含まれる低反射材の量が、前記端子板の未溶融箇所における前記端子板の表面に配設された低反射材を除いた部分に含まれる前記低反射材の量より多いことを特徴とした電気化学キャパシタ。 - 金属箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部が形成された正極と、
銅箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部が形成された負極とを、互いに対向する一対の電極とし、
対向する前記正極と前記負極との間にセパレータが介在し、前記正極および前記負極に形成された電極未形成部が互いに逆方向に突出した状態で巻回または積層された素子と、
前記素子と駆動用電解液とが収容された有底状の外装ケースと、
前記外装ケースの開口部を封止する銅から成る端子板とを備えた電気化学キャパシタにおいて、
前記端子板が、前記素子の一端に形成された負極端部と溶接接合され、この端子板の接合のために溶融した溶融箇所において、この溶融箇所に含まれる、波長が1064nmである光の反射率が94%未満の低反射材の量が、前記端子板の未溶融箇所に含まれる前記低反射材の量より多いことを特徴とした電気化学キャパシタ。 - 金属箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部が形成された正極と、
銅箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部が形成された負極とを、互いに対向する一対の電極とし、
対向する前記正極と前記負極との間にセパレータが介在し、前記正極および前記負極に形成された電極未形成部が互いに逆方向に突出した状態で巻回または積層された素子と、
前記素子の一端に形成された負極端部と接合された銅から成る集電板と、
前記素子と駆動用電解液とが収容された有底状の外装ケースと、
前記外装ケースの開口部を封止する金属製の端子板とを備えた電気化学キャパシタにおいて、
前記集電板の前記負極端部と溶接接合された接合面の裏面と前記端子板の底面、あるいは前記外装ケースの内底面とが接合され、前記集電板の前記負極端部との接合のために溶融した溶融箇所には波長が1064nmである光の反射率が94%未満の低反射材が含まれており、且つ、前記集電板の前記負極端部と接合された面の裏面において前記溶融箇所に隣接するように同様の低反射材が配設されており、前記溶融箇所に含まれた低反射材の量が、前記集電板の未溶融箇所における前記集電板に配設された低反射材を除く部分に含まれる前記低反射材の量より多いことを特徴とした電気化学キャパシタ。 - 金属箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部が形成された正極と、
銅箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部が形成された負極とを、互いに対向する一対の電極とし、
対向する前記正極と前記負極との間にセパレータが介在し、前記正極および前記負極に形成された電極未形成部が互いに逆方向に突出した状態で巻回または積層された素子と、
前記素子の一端に形成された負極端部と接合された銅から成る集電板と、
前記素子と駆動用電解液とが収容された有底状の外装ケースと、
前記外装ケースの開口部を封止する金属製の端子板とを備えた電気化学キャパシタにおいて、
前記集電板の前記負極端部と溶接接合された接合面の裏面と前記端子板の底面、あるいは前記外装ケースの内底面とが接合され、前記集電板の前記負極端部との接合のために溶融した溶融箇所において、この溶融箇所に含まれる、波長が1064nmである光の反射率が94%未満の低反射材の量が前記集電板の未溶融箇所に含まれる前記低反射材の量より多いことを特徴とした電気化学キャパシタ。 - 前記低反射材が、無光沢ニッケルメッキ、無光沢銀メッキ、無光沢金メッキ、スズメッキ、クロムメッキからなるメッキ層、もしくは酸化コバルト、酸化チタンからなる無機系顔料層のうち少なくともいずれかひとつから成ることを特徴とした請求項1から請求項4のうちいずれか一つに記載の電気化学キャパシタ。
- 金属箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部を形成した正極と、
銅箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部を形成した負極とを、互いに対向する一対の電極とし、
対向する前記正極と前記負極との間にセパレータを介在させ、前記正極および前記負極の一端に形成した電極未形成部を互いに逆方向に突出させた状態で巻回または積層して素子を作製する工程と、
有底状の外装ケースに前記素子と駆動用電解液とを収容する工程と、
前記外装ケースの開口部を、金属から成る端子板により封止する工程とを備えた電気化学キャパシタの製造方法であり、
前記端子板が銅から成り、この端子板と前記素子の一端に形成された負極端部とをレーザー光により溶接接合するために、この端子板における少なくとも前記レーザー光の照射箇所の一部に波長が1064nmである光の反射率が94%未満の低反射材を予め配設する工程と、前記レーザー光を用いて前記端子板と素子とを溶接する工程とを有することを特徴とした電気化学キャパシタの製造方法。 - 金属箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部を形成した正極と、
銅箔から成る集電体の表面に一端を除いて炭素材料を主体とした電極部を形成した負極とを、互いに対向する一対の電極とし、
対向する前記正極と前記負極との間にセパレータを介在させ、前記正極および前記負極の一端に形成した電極未形成部を互いに逆方向に突出させた状態で巻回または積層して素子を作製する工程と、
銅から成る集電板と前記素子の一端に形成された負極端部とを溶接接合する工程と、
有底状の外装ケースに前記素子と駆動用電解液とを収容する工程と、
前記外装ケースの開口部を金属から成る端子板により封止する工程とを備えた電気化学キャパシタの製造方法において、
前記集電板と前記素子とをレーザー光により溶接接合するために、この集電板における少なくとも前記レーザー光の照射箇所の一部に波長が1064nmである光の反射率が94%未満の低反射材を予め配設する工程と、前記集電板と前記負極端部とを溶接接合した接合面の裏面と前記端子板の底面、あるいは前記外装ケースの内底面とを接合する工程とを有することを特徴とした電気化学キャパシタの製造方法。 - 前記端子板が銅から成り、前記端子板と銅から成る前記集電板とを前記レーザー光により溶接接合するために、前記端子板の前記集電板との接合面の裏面において、少なくとも前記レーザー光照射箇所の一部に波長が1064nmである光の反射率が94%未満の低反射材を配設する工程を有することを特徴とした請求項7に記載の電気化学キャパシタの製造方法。
- 前記素子と接合された前記端子板の接合面には、この端子板を構成する銅が表出するように前記低反射材を前記端子板に形成することを特徴とした請求項6に記載の電気化学キャパシタの製造方法。
- 前記素子と接合された前記集電板の接合面には、この集電板を構成する銅が表出するように前記低反射材を前記集電板に形成することを特徴とした請求項7に記載の電気化学キャパシタの製造方法。
- 前記低反射材の厚みを0.5〜50μmとすることを特徴とした請求項6または7に記載の電気化学キャパシタの製造方法。
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