JP7054454B2 - 二次電池の製造方法 - Google Patents
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Description
この二次電池の集電端子部分の構造について具体的には、電池ケースの封口蓋は、貫通孔を有しており、集電端子の上端がこの貫通孔を通って電池ケース外部へと突出している。そして、封口蓋との間に外部端子およびインシュレータを介在させつつ集電端子の上端部がかしめられて、端子類と封口蓋とが固定された構造を有する。
一般に、正極側の集電端子および外部端子の素材には、アルミニウムが用いられ、負極側の集電端子と外部端子の素材には、銅が用いられている。本発明者らの検討では、負極側の銅製の外部端子をアルミニウム製の外部端子で置き換えた場合には、銅製の外部端子とアルミニウム製の外部端子をレーザ溶接する際に、溶接部の耐久性が低下するという問題、および溶接部の抵抗が増加するという問題が生じることを見出した。
さらに、レーザ溶融した銅とレーザ溶融したアルミニウムとが混ざり合うと、金属間化合物が生成しやすく、よってレーザ溶融する銅の量を低減させることにより、金属間化合物の生成を抑制できることを見出した。
そして、本発明者らは、銅製の集電端子のかしめ部とアルミニウム製の外部端子とをレーザ溶接する際に、レーザ溶融する銅の量を低減可能な方法に想到し、本発明の完成に至った。
すなわち、このような構成によれば、銅製の集電端子のかしめ部とアルミニウム製の外部端子とをレーザ溶接することを含む二次電池の製造方法において、溶接部の耐久性の低下および抵抗の増加を抑制することができる、二次電池の製造方法が提供される。
まず、本発明の一実施形態に係る製造方法によって製造されるリチウムイオン二次電池の構造について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る製造方法によって製造されるリチウムイオン二次電池の概略斜視図である。図2は、図1の二次電池の負極側の端子固定構造を示す模式断面図である。
封口蓋10は、ここでは長辺を有する方形平板状である。
図1および図2に示すように、封口蓋10の上には、インシュレータ30が配置されている。インシュレータ30の上部に負極外部端子40が配置されている。インシュレータ30は、典型的には、絶縁性の樹脂材料から構成される。インシュレータ30により、封口蓋10と負極外部端子40とが絶縁されている。負極外部端子40は、電池ケース110の外側において使用される端子であり、負極Z端子とも呼ばれることがある。
図2に示すように、封口蓋10の電池ケース110の内側部分には、ガスケット50が配置されている。ガスケット50は、典型的には、絶縁性の樹脂材料から構成される。ガスケット50により、封口蓋10と負極集電端子20とが絶縁されている。
挿入工程においてはまず、銅製の負極集電端子20、貫通孔を有するガスケット50、貫通孔を有する封口蓋10、貫通孔を有するインシュレータ30、および貫通孔を有し、アルミニウム製の負極外部端子40を準備する。
負極集電端子20は、リベット状であり、これらの貫通孔に挿入可能な円柱部を有する。
負極外部端子40は、次のかしめ工程において負極集電端子20の先端にかしめ部22が形成された際に、負極外部端子40の外表面40aの位置が、かしめ部22の外表面22aの位置よりも高くなるように、所定の厚さを有し、かつかしめ部22を収容可能な凹部を有する。この凹部の径は、かしめ部22の周縁部と負極外部端子40とが溶接可能なように、かしめ部22の径よりもわずかに大きくなっている。
かしめ工程の実施により、負極集電端子20の先端にかしめ部22が形成される。本実施形態においては、図2に示すように、負極外部端子40の外表面40aの位置は、かしめ部22の外表面22aの位置よりも高い状態となっている。そのため、次のレーザ溶接工程において、負極外部端子40の外表面40aの位置は、かしめ部22の外表面22aの位置よりもレーザ溶接装置に近い位置にある。
レーザ溶接には、アルミニウムと銅とを溶接可能な公知のレーザ溶接装置を用いることができる。
レーザ溶接装置により、接合すべきかしめ部22の周縁部および負極外部端子40の上方より、レーザを照射する。このとき、最初に負極外部端子40の外表面40aにレーザが照射される。本実施形態によれば、負極外部端子40の外表面40aの位置が、かしめ部22の外表面22aの位置よりも高いために、最初に負極外部端子40の外表面40aにレーザを照射することが容易である。これにより、まず負極外部端子40の素材であるアルミニウムを溶融させ、次いで負極集電端子20の素材である銅を溶融させて溶着を行う。
これにより、負極集電端子20と負極外部端子40との接合がなされる。このような方法により接合することにより、溶接部の耐久性の低下および抵抗の増加を抑制することができる。その理由は以下の通りである。
従来技術においては、図3に示すように、負極外部端子には、貫通孔のある部分を除いて厚さが一定の負極外部端子340が用いられている。このため、かしめ部22の外表面22aの位置が、負極外部端子340の外表面340aの位置よりも高い。
レーザ溶接は、かしめ部22の周縁部および負極外部端子340の上方より(特に斜め上方より)レーザを照射することにより行なわれる。そのため、照射されたレーザは位置の高いかしめ部22に当たり易い。よって、通常は、レーザは最初に、かしめ部22のみか、またはかしめ部と負極外部端子340の両方に照射される。
従来技術においては、負極集電端子20および負極外部端子340は、共に銅製である。同種の材料の溶接であるために、レーザがかしめ部22と負極外部端子340のいずれかに偏って照射されても問題は起こりにくい。
しかしながら、負極外部端子340の素材を銅からアルミニウムに変更した場合には、レーザ溶接する際には、レーザは最初に、かしめ部22のみか、またはかしめ部と負極外部端子340の両方に照射されるために、銅製の負極集電端子20のかしめ部から銅が溶融する。引き続きレーザ照射を続けていくと、溶融した銅と溶融したアルミニウムとが混ざり合って金属間化合物が形成する。この金属間化合物は、上述のように、溶接部の耐久性の低下と抵抗の増加を招く。
そこで、図4に、変形例の負極側の端子固定構造を示す模式断面図を示す。なお、図4において、上述の本実施形態と同じ構成の部材については同じ符号を付してある。
この部材を用いてリチウムイオン二次電池を組み立てる工程を行うことにより、リチウムイオン二次電池を製造することができる。リチウムイオン二次電池を組み立てる工程は、公知方法に従い行うことができる。負極集電端子20は、上記のレーザ溶接工程を行なう前に、電極体120の負極と接合されていてもよい。
本実施形態に係る二次電池の製造方法によれば、負極集電端子20の素材を、銅からアルミニウムに変更したことにより、低コスト化を図ることができる。
20 負極集電端子
22 かしめ部
22a かしめ部外表面
30 インシュレータ
40 負極外部端子
40a 外表面
50 ガスケット
110 電池ケース
112 ケース本体
120 電極体
130 安全弁
140 注液口
150 正極端子
160 負極端子
200 リチウムイオン二次電池
Claims (1)
- 封口蓋の貫通孔および外部端子の貫通孔に集電端子を挿入して、前記集電端子の先端部を前記外部端子から挿入方向に突出させる工程と、
前記突出した集電端子の先端部をかしめて、かしめ部を形成する工程と、
前記外部端子と、前記集電端子に形成されたかしめ部とをレーザ溶接する工程と、
を包含する二次電池の製造方法であって、
前記集電端子は銅製であり、かつ前記外部端子はアルミニウム製であり、
前記レーザ溶接を行なう領域において、前記外部端子の外表面の位置が、前記かしめ部の外表面の位置よりも高くなっており、
前記レーザ溶接において、最初に前記外部端子の外表面にレーザが照射される、
二次電池の製造方法。
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