JP2010091098A - 自動車の油圧供給制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アイドリングストップ制御の実行時に、特定の摩擦係合要素に直接的に油圧を供給可能とするものに対し、特別な弁機構を新たに付加することなく、他の油圧経路に作動油が流れてしまうことを阻止可能とする自動車の油圧供給制御装置を提供する。
【解決手段】自動変速機の油圧制御回路4に、機械式オイルポンプMOPと電動オイルポンプEOPとを備えさせる。電動オイルポンプEOPの吐出側を短絡油圧供給路430を介して第1クラッチC1の油圧サーボの直上流側に連通させる。アイドリングストップ時、第1クラッチC1上流側のリニアソレノイド411を強制閉鎖状態にし、電動オイルポンプEOPからのオイルがマニュアルシフトバルブ410側へ流れ出るのを阻止する。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車に搭載された変速機の摩擦係合要素に油圧を供給するための油圧供給制御装置に係る。特に、本発明は、内燃機関(以下、エンジンという)のアイドリング運転時にエンジンを自動停止する自動車における油圧供給動作の改良に関する。
市街地等を自動車が走行する際に交差点の信号待ち等で停車すると、エンジンがアイドリング運転状態となり、その間、燃料を浪費してしまう。この点に鑑み、従来より、自動車が停車するなど一定の条件が成立した場合には、燃焼室への燃料供給を停止(所謂フューエルカット)してエンジンを停止させる所謂「アイドリングストップ制御」が行われている(例えば下記の特許文献1〜特許文献3を参照)。
また、この「アイドリングストップ制御」によってエンジンが停止している状態(以下、この状態をアイドリングストップ状態と呼ぶ)から所定のエンジン始動条件(例えばオートマチックトランスミッション車にあってはブレーキペダルの踏み込み解除操作等)が成立した場合には、スタータ機構を駆動し、その駆動力をエンジンに伝達(所謂クランキング)してエンジンを再始動させ、車両の発進を可能にしている。この場合、オートマチックトランスミッション車にあっては、車両を発進させるために、変速機構の油圧回路に接続された発進用クラッチをON(係合)しておく必要がある。
このような「アイドリングストップ制御」が可能な車両にあっては、アイドリングストップ状態になると、エンジンの駆動力によって作動していた機械式オイルポンプも停止され、この機械式オイルポンプからの油圧供給が停止してしまう。このため、電動モータによって駆動可能な電動オイルポンプを備えさせ、エンジン停止状態であっても、この電動オイルポンプの駆動により、変速機構等を含む動力伝達機構へオイル(作動油:ATF)を供給し、上記発進用クラッチを係合させるための油圧が確保できるようにしている。特に、オートマチックトランスミッション車にあっては、エンジン始動条件(ブレーキペダルの踏み込み解除操作)の成立から車両の発進までの期間が、マニュアルトランスミッション車(エンジン始動条件はクラッチペダルの踏み込み操作)の場合に比べて短いため、電動オイルポンプからの油圧によって予め発進用クラッチを係合させておくことは有効である。
特許文献1及び特許文献2には、機械式オイルポンプと電動オイルポンプとを備え、アイドリングストップ状態になると電動オイルポンプを駆動して発進用クラッチへの油圧供給を行って、この発進用クラッチをONさせておくことが開示されている。更に、これら特許文献には、電動オイルポンプからの油圧を直接的に発進用クラッチに供給する油路を設けておき、油圧回路上の各種バルブ(レギュレータバルブやモジュレータバルブなど)を備えた油圧制御ユニットを経由させることなく、発進用クラッチに油圧を供給可能とする構成も開示されている。これにより、各種バルブにおけるオイル漏れや圧力損失の発生を防止している。
特開2008−69838号公報 特開2003−39988号公報 特開平11−93721号公報
しかしながら、上記各特許文献では、電動オイルポンプからの油圧を直接的に発進用クラッチに供給する際に、この発進用クラッチ以外の油圧経路(上記油圧制御ユニットに繋がる油圧経路)にオイルが流れることを防止するためのチェック弁や電磁開閉弁が設けられている。つまり、アイドリングストップ状態では、このチェック弁や電磁開閉弁によって、他の油圧経路へのオイルの流出を阻止し、電動オイルポンプからの油圧が発進用クラッチのみに供給されるようにしている。
具体的に、特許文献1では、作動油がロックアップ制御油路に流入する不具合を阻止するためのチェック弁が備えられ、このチェック弁によってアイドリングストップ状態でのロックアップ制御油路への作動油の流入を阻止するようにしている。
また、特許文献2では、油圧制御ユニットと発進用クラッチであるC1クラッチとの間の油圧経路に電磁開閉弁が配置され、アイドリングストップ状態では電磁開閉弁をONして油圧経路を遮断するようにしている。
このように従来の構成は、電動オイルポンプからの油圧を直接的に発進用クラッチに供給する構成を実現するために専用の弁機構(上記チェック弁や電磁開閉弁)を新たに設けていた。これでは、油圧回路を構成する部品の点数が多くなって、構成の複雑化やコストの高騰を招いてしまい好ましくない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、内燃機関自動停止制御(アイドリングストップ制御)の実行時に、特定の摩擦係合要素に直接的に油圧を供給可能とするものに対し、特別な弁機構を新たに付加することなく、他の油圧経路に作動油が流れてしまうことを阻止可能とする自動車の油圧供給制御装置を提供することにある。
−課題の解決原理−
上記の目的を達成するために講じられた本発明の解決原理は、アイドリングストップ時に、発進用クラッチ(発進用摩擦係合要素)に対して直接的に油圧を供給可能とする油圧経路を備えさせた場合に、この発進用クラッチへ供給される作動油が、レギュレータバルブ等の各種バルブ側へ流れ出てしまうことを、既存のバルブを閉鎖することで阻止できるようにしている。
−解決手段−
具体的に、本発明は、所定の内燃機関自動停止条件が成立した際に内燃機関の駆動を停止する内燃機関自動停止制御を行う自動車に設けられ、発進用摩擦係合要素を含む摩擦係合ユニットと、この摩擦係合ユニットに油圧経路を介して接続された油圧調整用の油圧制御ユニットと、上記発進用摩擦係合要素を係合させるための油圧を供給する油圧供給源とを備えた油圧供給制御装置を前提とする。この油圧供給制御装置に対し、上記油圧供給源からの油圧を、上記油圧制御ユニットを経由させることなく摩擦係合ユニットに直接的に供給する短絡油圧供給路を備えさせる。また、上記内燃機関自動停止制御の実行時、油圧供給源からの作動油が上記摩擦係合ユニットを経由して油圧制御ユニット内部へ流れ出ることを抑制するように、上記摩擦係合ユニット及び油圧制御ユニットにそれぞれ備えられている既存の弁機構のうちの少なくとも一つを強制的に閉鎖状態にする弁機構閉鎖手段を備えさせている。
この特定事項により、内燃機関自動停止条件が成立して内燃機関自動停止制御が実行されると、上記油圧供給源からの油圧を、短絡油圧供給路を経て摩擦係合ユニットに直接的に供給する。つまり、油圧制御ユニットに備えられた各種バルブ(レギュレータバルブやモジュレータバルブなど)を経由させることなく、発進用摩擦係合要素を係合させるための油圧を摩擦係合ユニットに供給することができる。そして、この際、上記摩擦係合ユニット及び油圧制御ユニットにそれぞれ備えられている既存の弁機構のうちの少なくとも一つを強制的に閉鎖状態にし、摩擦係合ユニットに供給した作動油が油圧制御ユニット内部に流れ出てしまうことを抑制している。これにより発進用摩擦係合要素の係合力を安定して十分に確保することができる。また、既存の弁機構を有効に利用して、油圧制御ユニット内部への油圧のリークを阻止できるため、従来技術で必要としていたチェック弁や電磁開閉弁といった専用の弁機構を新たに設ける必要がなくなる。その結果、油圧制御回路を構成する部品の点数が増加することなく、構成の複雑化やコストの高騰を招くこともなくなる。
上記油圧供給源として具体的には、電動機によって駆動される電動オイルポンプであって、内燃機関自動停止制御の開始に伴って駆動して、発進用摩擦係合要素を係合させる構成としている。
内燃機関自動停止制御が実行されると、内燃機関の駆動力によって作動していた機械式オイルポンプも停止され、この機械式オイルポンプからの油圧供給が停止してしまう。このため、電動オイルポンプを備えさせておき、エンジン停止状態であっても、この電動オイルポンプの駆動により、発進用摩擦係合要素への油圧供給を可能にし、この発進用摩擦係合要素を係合させるようにしている。この場合、電動オイルポンプの機能としては、発進用摩擦係合要素を係合状態とするための油圧が発生できればよい。また、上記短絡油圧供給路を経由して油圧が供給されるので、電動オイルポンプから発進用摩擦係合要素までの圧力損失は殆どない。このため、小型の電動オイルポンプを採用することが可能となり、電動オイルポンプの設置スペースの小型化及び消費電力の低減を図ることができる。
摩擦係合ユニット、及び、この摩擦係合ユニットに油圧を供給するための具体的な構成としては以下のものが挙げられる。
上記摩擦係合ユニットに、発進用摩擦係合要素と、この発進用摩擦係合要素への油圧の供給/非供給を切り換えるソレノイドバルブとを備えさせると共に、上記短絡油圧供給路を、上記発進用摩擦係合要素とソレノイドバルブとの間の油圧経路に接続する。そして、上記弁機構閉鎖手段が、上記内燃機関自動停止制御の実行時、上記ソレノイドバルブを強制的に閉鎖状態にする構成としている。
この場合、上記ソレノイドバルブとしては、リニアソレノイドバルブやデューティソレノイドバルブが適用可能である。
これら構成によれば、発進用摩擦係合要素の直上流側(ソレノイドバルブ側)で油圧経路を遮断することができるので、油圧供給源からの油圧供給開始後、短時間のうちに発進用摩擦係合要素を所定の係合力で係合させることができる。つまり、内燃機関自動停止制御の開始から解除までの期間が非常に短い場合であっても、内燃機関の再始動時には発進用摩擦係合要素では十分な係合力が得られており、迅速な発進を行うことが可能である。
摩擦係合ユニット、及び、この摩擦係合ユニットに油圧を供給するための他の具体的な構成としては以下のものが挙げられる。
上記摩擦係合ユニットに、発進用摩擦係合要素と、この発進用摩擦係合要素への油圧の供給/非供給を切り換えるソレノイドバルブとを備えさせると共に、上記短絡油圧供給路を、上記発進用摩擦係合要素とソレノイドバルブの出力ポートとの間の油圧経路に接続する。そして、上記弁機構閉鎖手段が、上記内燃機関自動停止制御の実行時、上記ソレノイドバルブを、出力ポートと入力ポートとを連通する開放状態にすると共に、上記油圧制御ユニットに備えられた各種バルブのうち、油圧経路によって上記ソレノイドバルブの入力ポートと直接的に接続されているバルブを強制的に閉鎖状態にする構成としている。
更に、他の具体的な構成としては以下のものも挙げられる。
上記摩擦係合ユニットに、発進用摩擦係合要素と、この発進用摩擦係合要素への油圧の供給/非供給を切り換えるソレノイドバルブとを備えさせると共に、上記短絡油圧供給路を、上記ソレノイドバルブの入力ポートと油圧制御ユニットとの間の油圧経路に接続する。そして、上記弁機構閉鎖手段が、上記内燃機関自動停止制御の実行時、上記ソレノイドバルブを、出力ポートと入力ポートとを連通する開放状態にすると共に、上記油圧制御ユニットに備えられた各種バルブのうち、油圧経路によって上記ソレノイドバルブの入力ポートと直接的に接続されているバルブを強制的に閉鎖状態にする構成としている。
これら特定事項によれば、上記ソレノイドバルブを、出力ポートと入力ポートとを連通する開放状態としながらも、摩擦係合ユニットに供給した油圧が油圧制御ユニット内部に流れ出てしまうことを阻止することができる。つまり、内燃機関自動停止制御の実行時に発進用摩擦係合要素を係合させるべくソレノイドバルブを開放状態とすることは従来と同様であるので、ソレノイドバルブの構成や制御を従来のものから設計変更する必要がなくなり、油圧制御ユニットのバルブを閉鎖するのみで上述した作用効果が得られるので、本発明の実用性の向上を図ることができる。
これら解決手段の場合における具体的な構成としては、シフトレンジをアクチュエータによって切り換えるバイワイヤ方式のシフト切替装置を備えた自動変速機に設けられており、上記強制的に閉鎖状態とされるバルブを、スプールが上記アクチュエータにより移動可能とされたマニュアルシフトバルブとすることが挙げられる。
これにより、運転者によるシフトレンジの切り換え操作が行われなくても、アクチュエータによってマニュアルシフトバルブを強制的に閉鎖状態にする(摩擦係合ユニットに供給した油圧が油圧制御ユニット内部に流れ出てしまうことを阻止可能な状態にする)ことができ、更に本発明の実用性を高めることができる。
本発明では、内燃機関自動停止制御時に、発進用摩擦係合要素に対して直接的に油圧を供給可能とする油圧経路を備えさせると共に、この発進用摩擦係合要素へ供給される作動油が、レギュレータバルブ等の各種バルブを備えた油圧制御ユニット内部に流れ出てしまうことを、既存のバルブを閉鎖することで抑制できるようにしている。このため、従来技術で必要としていたチェック弁や電磁開閉弁といった専用の弁機構を新たに設ける必要がなくなり、油圧制御回路を構成する部品の点数が増加することなく、構成の複雑化やコストの高騰を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、アイドリングストップ時に発進用クラッチ(発進用摩擦係合要素)に油圧を供給する油圧供給源として電動オイルポンプを適用した場合について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る車両の概略構成図である。この車両は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両であって、走行用動力源であるエンジン(内燃機関)1、トルクコンバータ2、自動変速機3、自動変速機3のシフトレンジを切り替えるシフトバイワイヤ方式のシフト切替装置5、差動歯車装置6、及び、ECU100などが搭載されている。
エンジン1の出力軸であるクランクシャフト(図示せず)はトルクコンバータ2に連結されており、エンジン1の出力が、トルクコンバータ2から自動変速機3等を介して差動歯車装置6に伝達され、左右の駆動輪7,7へ分配される。
これらエンジン1、トルクコンバータ2、自動変速機3、シフト切替装置5、及び、ECU100の各部について以下に説明する。
−エンジン−
エンジン1は、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1に吸入される吸入空気量は電子制御式のスロットルバルブ11により調整される。スロットルバルブ11は運転者のアクセルペダル操作とは独立してスロットル開度を電子的に制御することが可能であり、その開度(スロットル開度)はスロットル開度センサ101によって検出される。
スロットルバルブ11のスロットル開度はECU100によって駆動制御される。具体的にはエンジン回転数、及び、アクセルペダル踏み込み量(アクセル開度)などのエンジン1の運転状態に応じた最適な吸入空気量(目標吸気量)が得られるようにスロットルバルブ11のスロットル開度を制御している。より詳細には、スロットル開度センサ101を用いてスロットルバルブ11の実際のスロットル開度を検出し、その実スロットル開度が、上記目標吸気量が得られるスロットル開度(目標スロットル開度)に一致するようにスロットルバルブ11のスロットルモータ12をフィードバック制御している。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ2は、図2(自動変速機のスケルトン図)に示すように、入力軸側のポンプインペラ21と、出力軸側のタービンランナ22と、トルク増幅機能を発現するステータ23と、ワンウェイクラッチ24とを備え、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体を介して動力伝達を行う。
トルクコンバータ2には、入力側と出力側とを直結状態にするロックアップクラッチ25が設けられており、このロックアップクラッチ25を完全係合させることにより、ポンプインペラ21とタービンランナ22とが一体回転する。また、ロックアップクラッチ25を所定のスリップ状態で係合させることにより、駆動時には所定のスリップ量でタービンランナ22がポンプインペラ21に追随して回転する。
−自動変速機−
自動変速機3は、図2に示すように、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置301を主体として構成される第1変速部300Aと、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置302及びダブルピニオン型の第3遊星歯車装置303を主体として構成される第2変速部300Bとを同軸線上に有し、入力軸311の回転を変速して出力軸312に伝達し、出力歯車313から出力する遊星歯車式多段変速機である。出力歯車313は差動歯車装置6のデフドリブンギヤ6aに噛み合っている。尚、自動変速機3及びトルクコンバータ2は中心線に対して略対称的に構成されているので、図2では中心線の下半分を省略している。
第1変速部300Aを構成している第1遊星歯車装置301は、サンギヤS1、キャリアCA1、及び、リングギヤR1の3つの回転要素を備えており、サンギヤS1が入力軸311に連結される。さらに、サンギヤS1は、リングギヤR1が第3ブレーキB3を介してハウジングケース310に固定されることにより、キャリヤCA1を中間出力部材として入力軸311に対して減速回転される。
第2変速部300Bを構成している第2遊星歯車装置302及び第3遊星歯車装置303においては、一部が互いに連結されることによって4つの回転要素RM1〜RM4が構成されている。
具体的には、第3遊星歯車装置303のサンギヤS3によって第1回転要素RM1が構成されており、第2遊星歯車装置302のリングギヤR2及び第3遊星歯車装置303のリングギヤR3が互いに連結されて第2回転要素RM2が構成されている。さらに、第2遊星歯車装置302のキャリアCA2及び第3遊星歯車装置303のキャリアCA3が互いに連結されて第3回転要素RM3が構成されている。また、第2遊星歯車装置302のサンギヤS2によって第4回転要素RM4が構成されている。
第2遊星歯車装置302及び第3遊星歯車装置303は、キャリアCA2及びCA3が共通の部材にて構成されているとともに、リングギヤR2及びR3が共通の部材にて構成されている。さらに、第2遊星歯車装置302のピニオンギヤが第3遊星歯車装置303の第2ピニオンギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。
第1回転要素RM1(サンギヤS3)は、中間出力部材である第1遊星歯車装置301のキャリアCA1に一体的に連結されており、第1ブレーキB1によってハウジングケース310に選択的に連結されて回転停止される。第2回転要素RM2(リングギヤR2及びR3)は、第2クラッチC2を介して入力軸311に選択的に連結される一方、ワンウェイクラッチF1及び第2ブレーキB2を介してハウジングケース310に選択的に連結されて回転停止される。
第3回転要素RM3(キャリアCA2及びCA3)は出力軸312に一体的に連結されている。第4回転要素RM4(サンギヤS2)は、第1クラッチC1(発進用摩擦係合要素)を介して入力軸311に選択的に連結される。
以上の自動変速機3では、摩擦係合要素である第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、及び、ワンウエイクラッチF1などが、所定の状態に係合または解放されることによってギヤ段が設定される。
図3は、自動変速機3の各ギヤ段を成立させるためのクラッチ及びブレーキの係合作動を説明する係合表であり、「○」は係合を、「×」は解放をそれぞれ表している。
図3に示すように、自動変速機3のクラッチC1を係合させると前進ギヤ段の1速(1st)が成立し、この1速ではワンウェイクラッチF1が係合する。さらに、1速のエンジンブレーキ(EGB)レンジでは第2ブレーキB2が係合させられる。第1クラッチC1及びブレーキB1を係合させると前進ギヤ段の2速(2nd)が成立する。第1クラッチC1及び第3ブレーキB3を係合させると前進ギヤ段の3速(3rd)が成立する。
また、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を係合させると前進ギヤ段の4速(4th)が成立する。第2クラッチC2及び第3ブレーキB3を係合させると前進ギヤ段の5速(5th)が成立する。第2クラッチC2及び第1ブレーキB1を係合させると前進ギヤ段の6速(6th)が成立する。一方、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3を係合させると後進ギヤ段(R)が成立する。
以上の自動変速機3の入力軸311の回転数(タービン回転数)は入力軸回転数センサ102によって検出される。また、自動変速機3の出力軸312の回転数は出力軸回転数センサ103によって検出される。これら入力軸回転数センサ102及び出力軸回転数センサ103の出力信号から得られる回転数の比(出力回転数/入力回転数)に基づいて、自動変速機3の現在ギヤ段を判定することができる。
−油圧制御回路−
次に、自動変速機3の油圧制御回路4の一部を図4を参照して説明する。
この例の油圧制御回路4は、機械式オイルポンプMOP、電動オイルポンプEOP、プライマリレギュレータバルブ403、セカンダリレギュレータバルブ404、モジュレータバルブ405、マニュアルシフトバルブ410、リニアソレノイド(SLT)406、リニアソレノイド(SLU)407、ソレノイド(SL)408、リニアソレノイド(SL1)411、リニアソレノイド(SL2)412、リニアソレノイド(SL3)413、リニアソレノイド(SL4)414、及び、B2コントロールバルブ415などを備えている。
機械式オイルポンプMOPはエンジン1のクランクシャフトに連結されている。クランクシャフトが回転することにより、機械式オイルポンプMOPが駆動してオイルパン402内に貯えられた作動油(ATF:オートマチックトランスミッションフルード)を吸い込んで油圧を発生する。機械式オイルポンプMOPで発生した油圧は、プライマリレギュレータバルブ403により調整され、ライン圧PLが生成される。
電動オイルポンプEOPは、モータ(電動機)Mによって駆動されるポンプであって、ハウジングケース310の外部などの適宜の箇所に取り付けられ、図示しないバッテリなどの蓄電装置から電力を受けて動作し、上記オイルパン402内に貯えられた作動油(ATF)を吸い込んで油圧を発生する。尚、この電動オイルポンプEOPから吐出される作動油の供給経路については後述する。
プライマリレギュレータバルブ403は、リニアソレノイド(SLT)406によって調整されたスロットル圧PSLTをパイロット圧として作動する。ライン圧PLは、第1ライン圧油路421を通じてマニュアルシフトバルブ410に供給される。また、ライン圧PLは、リニアソレノイド(SL4)414によって調整されて、第3ブレーキB3の油圧サーボに供給される。
セカンダリレギュレータバルブ404は、リニアソレノイド(SLT)406によって調整されたスロットル圧PSLTをパイロット圧として作動する。セカンダリレギュレータバルブ404は、プライマリレギュレータバルブ403から流出(排出)した余分な作動油が流入する第2ライン圧油路422内の油圧を調整する。このセカンダリレギュレータバルブ404によってセカンダリ圧が生成される。
図4の油圧制御回路4において、マニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aがDポジションにある場合、第1ライン圧油路421とDレンジ圧油路424とが連通し、Dレンジ圧油路424に油圧が供給される。マニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aがRポジションにある場合、第1ライン圧油路421とRレンジ圧油路425とが連通し、Rレンジ圧油路425に油圧が供給される。マニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aがNポジションにある場合、Dレンジ圧油路424及びRレンジ圧油路425とドレンポート410bとが連通し、Dレンジ圧油路424のDレンジ圧及びRレンジ圧油路425のRレンジ圧がドレンポート410bから排出される。
Dレンジ圧油路424に供給された油圧は、最終的には、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第1クラッチC1及び第2クラッチC2の各油圧サーボに供給される。Rレンジ圧油路425に供給された油圧は、最終的には、第2ブレーキB2の油圧サーボに供給される。
モジュレータバルブ405は、ライン圧を一定の圧力に調整する。モジュレータバルブ405によって調整された油圧(ソレノイドモジュレータ圧)PMは、リニアソレノイド(SLT)406、リニアソレノイド(SLU)407及びソレノイド(SL)408に供給される。
リニアソレノイド(SL1)411は、マニュアルシフトバルブ410から出力されたDレンジ圧PDを元圧として第1クラッチC1の係合状態を制御するための第1油圧PC1を発生し、その第1油圧PC1を第1クラッチC1の油圧サーボに供給する。
リニアソレノイド(SL2)412は、Dレンジ圧PDを元圧として第2クラッチC2の係合状態を制御するための第2油圧PC2を発生し、その第2油圧PC2を第2クラッチC2の油圧サーボに供給する。
リニアソレノイド(SL3)413は、Dレンジ圧PDを元圧として第1ブレーキB1の係合状態を制御するための第3油圧PB1を発生し、その第3油圧PB1を第1ブレーキB1の油圧サーボに供給する。
リニアソレノイド(SL4)414は、ライン圧PLを元圧として第3ブレーキB3の係合状態を制御するための第4油圧PB3を発生し、その第4油圧PB3を第3ブレーキB3の油圧サーボに供給する。
リニアソレノイド(SLT)406は、スロットル開度センサ101にて検出されたスロットル開度TAPに基づいてECU100からの制御信号に応じて、ソレノイドモジュレータ圧PMを調整し、スロットル圧PSLTを生成する。スロットル圧PSLTは、SLT油路423を介して、プライマリレギュレータバルブ403に供給される。スロットル圧PSLTは、プライマリレギュレータバルブ403のパイロット圧として利用される。
以上のリニアソレノイド(SLT)406、リニアソレノイド(SLU)407、ソレノイド(SL)408、リニアソレノイド(SL1)411、リニアソレノイド(SL2)412、リニアソレノイド(SL3)413、及び、リニアソレノイド(SL4)414は、ECU100から送信される制御信号により制御される。
B2コントロールバルブ415には、Dレンジ圧油路424及びRレンジ圧油路425が接続されている。B2コントロールバルブ415は、Dレンジ圧油路424またはRレンジ圧油路425のいずれか一方の油路からの油圧を第2ブレーキB2に選択的に供給する。B2コントロールバルブ415は、リニアソレノイド(SLU)407及びソレノイド(SL)408から供給された油圧PSLU,PSLとスプリング415aの付勢力とにより制御される。
B2コントロールバルブ415は、ソレノイド(SL)408がOFFで、リニアソレノイド(SLU)407がONの場合、図4において左側の状態となる。この場合、第2ブレーキB2の油圧サーボには、リニアソレノイド(SLU)407から供給された油圧をパイロット圧として、Dレンジ圧PDを調整した油圧が供給される。一方、ソレノイド(SL)408がONで、リニアソレノイド(SLU)407がOFFの場合、B2コントロールバルブ415は、図4において右側の状態となる。この場合、第2ブレーキB2の油圧サーボにはRレンジ圧PRが供給される。
次に、上記電動オイルポンプEOPから吐出される油圧の供給経路について説明する。
上記第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1の各油圧サーボと、これら油圧サーボへ供給する油圧を制御するリニアソレノイド411,412,413とにより本発明でいう摩擦係合ユニットCUが構成されている。
そして、図4に示すように、電動オイルポンプEOPの吐出側に接続されている油圧経路(以下、短絡油圧供給路と呼ぶ)430は、上記摩擦係合ユニットCU内における上記第1クラッチC1の油圧サーボと、この第1クラッチC1の係合状態を制御するリニアソレノイド(SL1)411とを接続する油圧経路431に接続されている。つまり、上記短絡油圧供給路430は、上述したプライマリレギュレータバルブ403、セカンダリレギュレータバルブ404、モジュレータバルブ405等に接続することなく、上記第1クラッチC1の油圧サーボとリニアソレノイド(SL1)411とを接続する油圧経路431に接続されている。このため、電動オイルポンプEOPからの油圧が、この短絡油圧供給路430を経て直接的に第1クラッチC1に供給可能な構成とされている。
このため、電動オイルポンプEOPからの油圧供給時には、プライマリレギュレータバルブ403等の各種バルブを経由させないことで、これら各種バルブにおけるオイル漏れや圧力損失の発生を回避できる構成となっている。尚、本実施形態では、上記プライマリレギュレータバルブ403、セカンダリレギュレータバルブ404、モジュレータバルブ405、マニュアルシフトバルブ410等の各種バルブと、これらを接続する油圧経路とで構成されるユニットを油圧調整用の油圧制御ユニットPUと呼ぶこととする。
−シフト切替装置−
次に、シフト切替装置5について図1及び図5を参照して説明する。
シフト切替装置5は、自動変速機3のシフトレンジを切り替える装置であって、シフトレンジ切替機構500、このシフトレンジ切替機構500を駆動するモータ501、モータ501のロータの回転角を検出するエンコーダ503、及び、NSW(ニュートラルスタートスイッチ)504、Pスイッチ520、及び、シフトスイッチ530などを備えている。シフト切替装置5は、電気制御により自動変速機3のシフトレンジを切り替えるシフトバイワイヤ装置として機能する。
Pスイッチ520は、シフトレンジをパーキング以外のレンジ(非Pレンジ)からパーキングレンジ(Pレンジ)へ切り替えるためのスイッチであって、図示はしないが、スイッチの状態をユーザ(運転者)に示すためのインジケータ、及び、ユーザからの指示を受け付ける入力部などを備えており、ユーザによる入力部の操作(ON操作)により、シフトレンジをPレンジに入れる指示を入力することができる。Pスイッチ520の入力部の操作による指示(Pレンジに入れる指示)はECU100に入力される。尚、Pスイッチ520の入力部としては、例えばプッシュスイッチなどを挙げることができる。
シフトスイッチ530は、ユーザによって操作されるスイッチであって、シフトレバー531が変位操作可能に設けられている。また、このシフトスイッチ530には、図6に示すように、リバースレンジ(Rレンジ)、ニュートラルレンジ(Nレンジ)、ドライブレンジ(Dレンジ)、及び、シーケンシャルレンジ(Sレンジ)が設定されており、ユーザが所望の変速レンジへシフトレバー531を変位させることが可能となっている。これらRレンジ、Nレンジ、Dレンジ、Dsレンジ(下記の「+」レンジ及び「−」レンジも含む)の各変速レンジがユーザによって選択(操作)されると、その要求レンジ情報がECU100に入力される。
尚、シフトスイッチ530のシフトレバー531が「シーケンシャル(Ds)位置」に操作されている状態では、自動変速機3は「手動変速モード」とされる。このDs位置の前後には「+」位置及び「−」位置が設けられている。「+」位置は、マニュアルアップシフトの際にシフトレバー531が操作される位置であり、「−」位置は、マニュアルダウンシフトの際にシフトレバー531が操作される位置である。そして、シフトレバー531がDs位置にあるときに、シフトレバー531がDs位置を中立位置として「+」位置または「−」位置に操作されると、自動変速機3のギヤ段がアップまたはダウンされる。
NSW504は、後述するディテントプレート506の回転位置、つまり、マニュアルシフトバルブ410が、Pレンジ、Rレンジ、NレンジまたはDレンジのいずれの位置にあるのかを検出する。NSW504の出力信号はECU100に入力される。
次に、シフトレンジ切替機構500について図5を参照して説明する。
シフトレンジ切替機構500は、自動変速機3のシフトレンジをPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジに切り替える機構である。このシフトレンジ切替機構500の駆動源となるモータ501は、例えばスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)等の同期モータであって、減速機構502が設けられている。また、モータ501には、ロータの回転角を検出するエンコーダ503が設けられている。エンコーダ503は、例えば磁気式のロータリエンコーダにより構成されており、モータ501のロータの回転に同期してパルス信号をECU100に出力する。
シフトレンジ切替機構500のモータ501の出力軸(減速機構502の回転軸)にはマニュアルシャフト505が連結されている。マニュアルシャフト505には、自動変速機3の油圧制御回路4のマニュアルシフトバルブ410を切り替えるためのディテントプレート506が固定されている。
ディテントプレート506には、マニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aが連結されており、モータ501によってマニュアルシャフト505と一体にディテントプレート506を回動させることで、マニュアルシフトバルブ410の操作量(スプール弁410aの位置)を切り替えて自動変速機3のレンジを、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジのいずれかに切り替える。
ディテントプレート506には、マニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aを、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジの各レンジに対応する位置に保持するための4個の凹部506aが形成されている。
ディテントプレート506の上方にディテントスプリング(板ばね)507が配置されている。ディテントスプリング507はマニュアルシフトバルブ410に片持ち支持で固定されている。ディテントスプリング507の先端部にはローラ508が取り付けられている。ローラ508はディテントスプリング507の弾性力によってディテントプレート506に押圧されている。そして、ローラ508がディテントプレート506の目標レンジの凹部506aに嵌まり込むことで、ディテントプレート506が目標レンジの回転角度で保持されて、マニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aの位置が目標レンジ位置で保持されるようになっている。
一方、ディテントプレート506にはパーキングロッド509が固定されている。パーキングロッド509の先端部には円錐テーパ状のカム510が設けられており、このカム510の外周面(カム面)にロックレバー511が当接している。ロックレバー511はカム510の位置に応じて回転軸512を中心にして上下動し、その上下動によってロックレバー511のロック爪511aがパーキングギヤ513に係合し、または、パーキングギヤ513からロック爪511aが外れることにより、パーキングギヤ513の回転をロック/ロック解除するように構成されている。そして、パーキングギヤ513は、自動変速機3の出力軸312に設けられており、このパーキングギヤ513がロックレバー511によってロックされると、車両の駆動輪7(図1参照)が回り止めされた状態(パーキング状態)に保持される。
以上のシフトレンジ切替機構500において、Pレンジでは、パーキングロッド509がロックレバー511に接近する方向に移動して、カム510の大径部分がロックレバー511を押し上げてロックレバー511のロック爪511aがパーキングギヤ513に嵌まり込んでパーキングギヤ513をロックした状態となり、これによって自動変速機3の出力軸(駆動輪)312がロックされた状態(パーキング状態)に保持される。
一方、Pレンジ以外のシフトレンジでは、パーキングロッド509がロックレバー511から離れる方向に移動し、この移動に伴って、ロックレバー511のカム510への接触部分が大径部分から小径部分に移動してロックレバー511が下降する。これによってロックレバー511のロック爪511aがパーキングギヤ513から外れてパーキングギヤ513のロックが解除され、自動変速機3の出力軸312が回転可能な状態(走行可能な状態)に保持される。
−ECU−
ECU100は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM、及び、入力・出力インターフェースなどを備えている。
ECU100には、図1に示すように、スロットル開度センサ101、入力軸回転数センサ102、出力軸回転数センサ103、アクセル開度センサ104、ブレーキペダルセンサ105などが接続されており、その各センサの出力信号、つまり、スロットルバルブ11のスロットル開度TAP、自動変速機3の入力軸回転数Nin、出力軸回転数Nout、アクセルペダルの操作量(アクセル関度)、及び、フットブレーキの操作の有無(ブレーキON・OFF)などを表す信号がECU100に供給される。また、ECU100には、シフト切替装置5のエンコーダ503、Pスイッチ520、及び、シフトスイッチ530が接続されている。さらに、ECU100には、エンジン1のスロットルモータ12、油圧制御回路4、及び、シフト切替装置5のモータ501などが接続されている。
ECU100は、シフトスイッチ530のシフトレバー531で選択されたシフトレンジに対応する目標回転角(エンコーダカウント値の目標値)を設定してモータ501への通電を開始し、そのモータ501の検出回転角(エンコーダカウント値)が目標回転角と一致する位置で停止するようにモータ501をフィードバック制御(F/B制御)する。
また、ECU100は、NSW504の出力信号を読み込んで、その出力信号に基づいて現在のディテントプレート506の回転位置(マニュアルシフトバルブ410の操作量)、つまり現在のレンジがPレンジ、Rレンジ、Nレンジ、D(Ds)レンジのいずれのレンジであるのかを判定し、この判定結果とシフト操作により選択されたシフトレンジ(目標レンジ)とを照合してシフトレンジの切り替えが正常に行われたか否かを判断する。
ECU100は、油圧制御回路4にソレノイド制御信号を出力する。このソレノイド制御信号に基づいて油圧制御回路4のリニアソレノイドなどが制御され、所定の変速ギヤ段(1速〜6速、後進ギヤ段)を構成するように、自動変速機3の第1クラッチC1、第2クラッチC2、第1ブレーキB1、第2ブレーキB2、第3ブレーキB3、及び、ワンウエイクラッチF1などが所定の状態に係合または解放される。さらに、ECU100は下記の「変速制御」を実行する。
−変速制御−
本実施形態において変速制御に用いる変速マップについて図7を参照して説明する。
図7に示す変速マップは、車速V及びスロットル開度TAPをパラメータとし、それら車速V及びスロットル開度TAPに応じて、適正なギヤ段を求めるための複数の領域が設定されたマップであって、ECU100のROM内に記憶されている。変速マップの各領域は複数の変速線(ギヤ段の切り換えライン)によって区画されている。
尚、図7に示す変速マップにおいて、シフトアップ線(変速線)を実線で示し、シフトダウン線(変速線)を破線で示している。また、図7の変速マップには、[1速→2速]及び[2速→1速]の変速線のみを示している。
次に、変速制御の基本動作について説明する。
ECU100は、出力軸回転数センサ103の出力信号から車速Vを算出するとともに、スロットル開度センサ101の出力信号からスロットル開度TAPを算出し、それら車速V及びスロットル開度TAPに基づいて、図7の変速マップを参照して目標ギヤ段を算出する。さらに、入力軸回転数センサ102及び出力軸回転数センサ103の出力信号から得られる回転数の比(出力回転数/入力回転数)を求めて現在ギヤ段を判定し、その現在ギヤ段と目標ギヤ段とを比較して変速操作が必要であるか否かを判定する。
その判定結果により、変速の必要がない場合(現在ギヤ段と目標ギヤ段とが同じで、ギア段が適切に設定されている場合)には、現在ギヤ段を維持するソレノイド制御信号(油圧指令信号)を自動変速機3の油圧制御回路4に出力する。
一方、現在ギヤ段と目標ギヤ段とが異なる場合には変速制御を行う。例えば、自動変速機3のギヤ段が「1速」の状態で走行している状況から、車両の走行状態が変化して、例えば図7に示す点Aから点Bに変化した場合、シフトアップ変速線[1→2]を跨ぐ変化となるので、変速マップから算出される目標ギヤ段が「2速」となり、その2速のギヤ段を設定するソレノイド制御信号(油圧指令信号)を自動変速機3の油圧制御回路4に出力して、1速のギヤ段から2速のギヤ段への変速(1→2アップ変速)を行う。
−アイドリングストップ制御−
本実施形態に係る自動車は、交差点での信号待ち等のように一時的に停車した際に、エンジン1の各気筒に備えられた点火プラグの点火動作を停止(点火カット)すると共に、インジェクタからの燃料供給を停止(フューエルカット)してエンジン1を停止させる所謂アイドリングストップ制御(内燃機関自動停止制御)を行うようになっている。以下、このアイドリングストップ制御について説明する。
図1に示すように、エンジン1の運転状態を制御する上記ECU100にはアイドリングストップ制御を行うためのアイドルストップコントローラ110が接続されている。このアイドルストップコントローラ110は、アイドリングストップ条件(内燃機関自動停止条件)の成立時に、ECU100に向けて点火カット信号及びフューエルカット信号を発信する。一方、エンジン始動条件(アイドリングストップ解除条件)が成立した際、このアイドルストップコントローラ110は、ECU100に向けて点火カット解除信号及びフューエルカット解除信号を発信すると同時に、始動制御信号を図示しないスタータに送信するようになっている。
また、このアイドルストップコントローラ110には、上記出力軸回転数センサ103からの出力信号(車速を算出するための信号)、ブレーキペダルセンサ105からのブレーキペダル踏み込み信号及びブレーキペダル踏み込み解除信号が入力されるようになっている。
また、アイドルストップコントローラ110は、図示しないクランク角センサにより検出されたエンジン回転数信号NEをECU100から受けるようになっている。
本実施形態に係る自動車のアイドリングストップ条件は、イグニッションがONの状態で、例えば出力軸回転数センサ103からの出力信号によって求められる車速が「0」であることが検知され、且つブレーキペダルセンサ105からのブレーキペダル踏み込み信号によってブレーキペダルの踏み込み操作がなされていることが検知された場合に成立する。このアイドリングストップ条件が成立することで、アイドルストップコントローラ110は、ECU100に向けて点火カット信号及びフューエルカット信号を発信することになる。また、この点火カット信号及びフューエルカット信号の発信に伴って、ECU100は、点火プラグの点火動作を停止する制御を行うと共に、インジェクタの燃料噴射動作を停止する制御を行ってエンジン1を停止させる。
このようにしてエンジン1が停止した場合、エンジン1の駆動力によって作動していた機械式オイルポンプMOPも停止され、この機械式オイルポンプMOPからの油圧供給が停止してしまう。このため、上記電動オイルポンプEOPを駆動させ、この電動オイルポンプEOPからの油圧を、上記短絡油圧供給路430を経て摩擦係合ユニット(第1クラッチC1とリニアソレノイド(SL1)411とを接続する油圧経路431)に直接的に作用させている。これにより、電動オイルポンプEOPからの油圧が第1クラッチC1の油圧サーボに供給され、発進用クラッチである第1クラッチC1を係合状態で待機するようにしている。この第1クラッチC1への油圧供給状態の詳細については後述する。
一方、このアイドリングストップ制御によってエンジン1が停止している状態からエンジン1を始動させるためのエンジン始動条件は、上記アイドリングストップ条件が成立した後に、ブレーキペダルセンサ105からのブレーキペダル踏み込み解除信号によってブレーキペダルの踏み込み解除操作がされたことが検知された場合に成立する。このエンジン始動条件が成立することで、アイドルストップコントローラ110がECU100に向けて点火カット解除信号及びフューエルカット解除信号を発信すると同時に、始動制御信号をスタータに送信するようになっている。上記点火カット解除信号及びフューエルカット解除信号を受けたECU100は点火プラグの点火動作を開始すると共にインジェクタの燃料噴射動作を開始する制御を行う。また、上記始動制御信号によってスタータのスタータモータが作動してエンジン1のクランキングが行われる。
上述した如く、アイドリングストップ状態では、電動オイルポンプEOPが駆動しており、この電動オイルポンプEOPからの油圧によって第1クラッチC1が係合状態となっている。このため、エンジン始動後の発進性能が良好である。また、上述した如くエンジン1が再始動された場合には、機械式オイルポンプMOPからの油圧供給も再開されることになるが、この機械式オイルポンプMOPからの吐出油圧が所定値に達するまでは電動オイルポンプEOPの駆動を継続し、第1クラッチC1の係合力が低下してしまうことを防止している。そして、エンジン1が再始動した後、所定時間が経過して機械式オイルポンプMOPからの吐出油圧が所定値に達すると、上記モータMを停止して機械式オイルポンプMOPからの油圧供給を停止する。
−リニアソレノイド(SL1)411の制御−
本実施形態の特徴は、上述したアイドリングストップ状態におけるリニアソレノイド(SL1)411の制御にある。
このリニアソレノイド(SL1)411の制御について説明する前に、リニアソレノイド(SL1)411の基本的な切り換え動作について説明する。
リニアソレノイド(SL1)411は、ノーマルクローズタイプのリニアソレノイドバルブで構成されている。そして、このリニアソレノイド(SL1)411の内部には、周知の如く、電磁コイル、この電磁コイルの通電状態に応じて軸線方向に移動可能とされたスプール、このスプールに対して軸線方向の一方側に付勢力を付与するスプリングがそれぞれ収容されている。また、このリニアソレノイド(SL1)411には、入力ポート411a、出力ポート411b、フィードバックポート411c、ドレンポート411dが備えられている。
上記電磁コイルの非通電状態では、スプリングの付勢力によりスプールが軸線方向の一端側に移動しており、上記出力ポート411bとドレンポート411dとが連通され(図4に破線で示す切り換え状態を参照)、入力ポート411aと出力ポート411bとが遮断される。従って、出力ポート411bからの油圧は「0」となり、第1クラッチC1は解放状態となる。
一方、上記電磁コイルに通電することで、スプールがスプリングの付勢力に抗して軸線方向の他端側に向けて移動し、上記出力ポート411bとドレンポート411dとが遮断され、入力ポート411aと出力ポート411bとが連通する(図4に実線で示す切り換え状態を参照)。これにより、上記Dレンジ圧油路424に油圧が作用している状態(機械式オイルポンプMOPが駆動し、且つマニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aがDポジションにある場合)では、出力ポート411bからの油圧が第1クラッチC1の油圧サーボに作用して、この第1クラッチC1が係合状態となる。また、上記電磁コイルへの供給電流値に応じてスプールの軸線方向の位置が可変であるので、これによって入力ポート411aと出力ポート411bとの連通面積が可変とされて第1クラッチC1に作用する油圧を調整することが可能となっている。つまり、第1クラッチC1の係合力が調整可能となる。また、この第1クラッチC1の油圧サーボに作用する油圧の一部はフィードバックポート411cを経てスプールに作用している。
そして、本実施形態におけるリニアソレノイド(SL1)411にあっては、上述した2つの切り換え状態(出力ポート411bとドレンポート411dとを連通する切り換え状態、入力ポート411aと出力ポート411bとを連通する切り換え状態)に加えて、出力ポート411b及びフィードバックポート411cが、入力ポート411a及びドレンポート411dの何れにも連通しない強制閉鎖状態とすることが可能となっている。
例えば、電磁コイルへの供給電流値を最大値に設定して、スプールを、スプリングの付勢力の作用方向とは反対側の一端側に移動させた場合に、出力ポート411b及びフィードバックポート411cが入力ポート411a及びドレンポート411dから遮断される強制閉鎖状態となる。また、上述した出力ポート411bとドレンポート411dとが連通するスプールの一端側位置と、入力ポート411aと出力ポート411bとが連通するスプールの位置との間に、出力ポート411b及びフィードバックポート411cが入力ポート411a及びドレンポート411dから遮断される強制閉鎖状態となるスプール位置が存在する構成としてもよい。
より具体的には、各ポート411a,411b,411c,411dの開閉は、スプールに形成されているランド(ポートを閉鎖するための大径部分)の位置によって切り換え可能である。従って、出力ポート411b及びフィードバックポート411cが入力ポート411a及びドレンポート411dの何れにも連通しないように、スプールにランドを設けておき、このランドが出力ポート411b及びフィードバックポート411cに対向する位置となるように電磁コイルへの供給電流値を調整することで上記強制閉鎖状態とすることが可能である。この場合、入力ポート411aとドレンポート411dとは互いに非連通(遮断)となっている。
このような強制閉鎖状態では、出力ポート411b及びフィードバックポート411cが、入力ポート411a及びドレンポート411dの何れにも連通しないため、このリニアソレノイド(SL1)411と、第1クラッチC1の油圧サーボと、これらを繋ぐ油圧経路431とは、上記電動オイルポンプEOPから延びる短絡油圧供給路430のみに連通した空間として構成されることになる。
尚、上記摩擦係合ユニットCUに備えられている他のリニアソレノイド412,413にあっては、従来と同様の2つの切り換え状態(出力ポートとドレンポートとを連通する切り換え状態(図4に破線で示す切り換え状態を参照)、入力ポートと出力ポートとを連通する切り換え状態(図4に実線で示す切り換え状態を参照))のみで切り換え可能な構成とされている。
本実施形態の特徴とする動作は、上述したアイドリングストップ状態になると、リニアソレノイド(SL1)411が上記強制閉鎖状態となり、出力ポート411b及びフィードバックポート411cが入力ポート411a及びドレンポート411dの何れにも連通しないようにしていることにある(弁機構閉鎖手段による弁機構の強制閉鎖動作)。
つまり、上記アイドルストップコントローラ110から出力されるアイドリングストップ信号に従って、電動オイルポンプEOPが駆動されると共にリニアソレノイド(SL1)411の電磁コイルへの供給電流値を調整することで上記強制閉鎖状態とされる。これにより、電動オイルポンプEOPから吐出された作動油は、上記短絡油圧供給路430を経て第1クラッチC1の油圧サーボに直接的に作用し、この第1クラッチC1を係合させる。つまり、アイドリングストップ状態が解除されて車両が発進するのに備えて第1クラッチC1を係合させておく。
この際、上述した如く、出力ポート411b及びフィードバックポート411cは、入力ポート411a及びドレンポート411dの何れにも連通しておらず、リニアソレノイド(SL1)411と、第1クラッチC1の油圧サーボと、これらを繋ぐ油圧経路431とは、上記電動オイルポンプEOPから延びる短絡油圧供給路430のみに連通した空間として構成されている。このため、第1クラッチC1の油圧サーボ以外の油圧経路(上記油圧制御ユニットPUを構成するバルブ及び油圧経路)にオイルが流れ出ることが防止されることになり、第1クラッチC1の係合力を安定して十分に確保することができる。
このようにリニアソレノイド(SL1)411を強制閉鎖状態とする場合のより具体的な制御としては、アイドリングストップ状態になった時点から、電磁コイルへの供給電流値を調整していき、上記強制閉鎖状態となるスプール移動位置に向けて、スプールを徐々に移動させていく。このスプールの移動途中では、上記短絡油圧供給路430から供給されている電動オイルポンプEOPからのオイルは、一部が第1クラッチC1の油圧サーボに、他の一部が入力ポート411aまたはドレンポート411dに流れていく。そして、スプールの移動位置が強制閉鎖状態に近付いていく従って、入力ポート411aまたはドレンポート411dに流れていくオイル量は減少していき、逆に、第1クラッチC1の油圧サーボに流れていくオイル量は増大していく。スプールの移動位置が強制閉鎖状態に達すると、入力ポート411aまたはドレンポート411dに流れていくオイル量は「0」となり、オイル全量が第1クラッチC1の油圧サーボに流れることになる。このような動作により、アイドリングストップ状態になった時点から第1クラッチC1の係合力が徐々に増大していくことになって、急速な第1クラッチC1の係合によるショック(振動)の発生を回避することができるようにしている。
尚、この急速な第1クラッチC1の係合によるショックの発生を回避する他の手段として、電動オイルポンプEOPからのオイルの吐出量を徐々に増加させていくことも挙げられる。つまり、アイドリングストップ状態になった時点から、モータMを起動して電動オイルポンプEOPからのオイル吐出動作を開始するに際し、このモータMの回転数を徐々に増加させていく。これにより、第1クラッチC1の油圧サーボに供給される油圧も徐々に増加することになり、第1クラッチC1の係合力が徐々に増大していくことになって、急速な第1クラッチC1の係合によるショックの発生を回避できる。この場合には、上述した電磁コイルへの供給電流値の調整(スプールを徐々に移動させるための調整)は必要なくなる。
以上説明したように、本実施形態では、既存のバルブ(既存の弁機構)であるリニアソレノイド(SL1)411を強制閉鎖状態とすることによって、アイドリングストップ状態では第1クラッチC1の油圧サーボ以外の油圧経路にオイルが流れ出ることが防止できる。このため、従来技術で必要としていたチェック弁や電磁開閉弁といった専用の弁機構を新たに設ける必要がなくなり、油圧制御回路4を構成する部品の点数が増加することなく、構成の複雑化やコストの高騰を招くこともなくなる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記リニアソレノイド(SL1)411に代えて、デューティソレノイドを適用した場合である。その他の構成及び制御は上述した第1実施形態のものと同様であるので、ここでは、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
図8は、本実施形態における油圧制御回路の一部を示す回路構成図である。
この図8に示すように、第1クラッチC1の係合状態を制御するための第1油圧PC1はデューティソレノイド416によって調整される構成となっている。
上記デューティソレノイド416は、3ウェイソレノイドバルブにより構成されている。つまり、入力ポート416a、出力ポート416b、ドレンポート416cが備えられ、入力ポート416aと出力ポート416bとを連通し且つドレンポート416cを閉鎖する状態(図8に破線で示す切り換え状態)と、入力ポート416aとドレンポート416cとを連通し且つ出力ポート416bを閉鎖する状態(図8に実線で示す切り換え状態:強制閉鎖状態)とが切り換え可能となっている。この切り換えは、デューティソレノイド416に備えられた電磁コイルへの供給電流のON/OFFによって行われる。例えば、供給電流をONすることで、入力ポート416aと出力ポート416bとを連通し且つドレンポート416cを閉鎖する状態にし、供給電流をOFFすることで、入力ポート416aとドレンポート416cとを連通し且つ出力ポート416bを閉鎖する状態にする。つまり、このデューティソレノイド416はノーマルクローズタイプである。この供給電流のON/OFFによる各ポートの連通状態の切り換えは上記とは逆であってもよい。つまり、デューティソレノイド416はノーマルオープンタイプのものであってもよい。
尚、上記摩擦係合ユニットCUに備えられている他のバルブ412,413は、第1実施形態と同様のリニアソレノイドであってもよいし、上記デューティソレノイド416と同様のデューティソレノイドであってもよい。
アイドリングストップ制御が開始されると、デューティソレノイド416が、入力ポート416aとドレンポート416cとを連通し且つ出力ポート416bを閉鎖する強制閉鎖状態となり、出力ポート416bが入力ポート416a及びドレンポート416cの何れにも連通しない状態となる。
つまり、上記アイドルストップコントローラ110から出力されるアイドリングストップ信号に従って、電動オイルポンプEOPが駆動されると共にデューティソレノイド416の電磁コイルへの供給電流をOFFすることで上記強制閉鎖状態とされる。これにより、電動オイルポンプEOPから吐出された作動油は、上記短絡油圧供給路430を経て第1クラッチC1の油圧サーボに直接的に作用し、この第1クラッチC1を係合させる。つまり、アイドリングストップ状態が解除されて車両が発進するのに備えて第1クラッチC1を係合させておく。
この際、上述した如く、出力ポート416bは、入力ポート416a及びドレンポート416cの何れにも連通しておらず、デューティソレノイド416と、第1クラッチC1の油圧サーボと、これらを繋ぐ油圧経路431は、上記電動オイルポンプEOPから延びる短絡油圧供給路430のみに連通した空間として構成されている。このため、第1クラッチC1の油圧サーボ以外の油圧経路(上記油圧制御ユニットPUを構成するバルブ及び油圧経路)にオイルが流れることが防止されることになり、第1クラッチC1の係合力を安定して十分に確保することができる。
このようにデューティソレノイド416を強制閉鎖状態とする場合のより具体的な制御としては、アイドリングストップ状態になった時点から、電磁コイルへの供給電流値をデューティ制御してスプール移動位置を調整し、第1クラッチC1の油圧サーボに流れていくオイル量を次第に増加させていく。この動作により、アイドリングストップ状態になった時点から第1クラッチC1の係合力が徐々に増大していくことになって、急速な第1クラッチC1の係合によるショック(振動)の発生を回避することができるようにしている。
尚、本実施形態においても、この急速な第1クラッチC1の係合によるショックの発生を回避する他の手段として、電動オイルポンプEOPからのオイルの吐出量を徐々に増加させていくことも可能である。
以上の如く、本実施形態にあっても、上述した第1実施形態の場合と同様に、既存のバルブであるデューティソレノイド416を強制閉鎖状態とすることによって、アイドリングストップ状態では第1クラッチC1の油圧サーボ以外の油圧経路にオイルが流れることが防止できるようにしている。このため、従来技術で必要としていたチェック弁や電磁開閉弁といった専用の弁機構を新たに設ける必要がなくなり、油圧制御回路4を構成する部品の点数が増加することなく、構成の複雑化やコストの高騰を招くこともなくなる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態は、アイドリングストップ状態において電動オイルポンプEOPから短絡油圧供給路430を経て供給された作動油が油圧制御ユニットPUの内部に流れ出ることを防止するために、上記マニュアルシフトバルブ410を利用している。その他の構成及び制御は上述した第1実施形態のものと同様であるので、ここでは、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
本実施形態における自動変速機3の油圧制御回路4は、上述した第1実施形態のもの(図4に示すもの)と略同一である。
本実施形態では、上述したアイドリングストップ状態になると、マニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aを強制的にRレンジ位置に切り換えるようにしている。これにより、上記Dレンジ圧油路424に繋がるDポートが閉鎖されることになり、このDレンジ圧油路424が、第1ライン圧油路421、Rレンジ圧油路425、ドレンポート410bから遮断されることになる。
具体的には、上記アイドルストップコントローラ110から出力されるアイドリングストップ信号に従って、電動オイルポンプEOPが駆動されると共に、シフトレンジ切替機構500のモータ501が駆動され、ディテントプレート506をRレンジ位置まで強制的に回動させる。これに伴い、マニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aもRレンジ位置まで移動し、Dレンジ圧油路424に繋がるDポートを閉鎖して、強制閉鎖状態にする。上述した如く、本実施形態に係るシフト切替装置5は、電気制御により自動変速機3のシフトレンジを切り替えるシフトバイワイヤ装置を採用しているので、運転者によるシフトレバー531の操作が行われなくても、つまり、シフトレバー531がDレンジ位置にあっても、マニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aを強制的にRレンジ位置まで移動させることができ、車両の停車と略同時にマニュアルシフトバルブ410の切り換え動作によってDポートを閉鎖する強制閉鎖状態にすることができる。
また、この場合、上記リニアソレノイド(SL1)411の切り換え状態としては、入力ポート411aと出力ポート411bとを連通する状態となっている。一方、リニアソレノイド(SL2)412及びリニアソレノイド(SL3)413の切り換え状態としては、出力ポートとドレンポートとを連通する状態となっている。つまり、これらリニアソレノイド(SL2)412及びリニアソレノイド(SL3)413にあっては入力ポートを遮断している。
これにより、電動オイルポンプEOPから吐出された作動油は、上記短絡油圧供給路430を経て第1クラッチC1の油圧サーボに直接的に作用し、この第1クラッチC1を係合させる。つまり、アイドリングストップ状態が解除されて車両が発進するのに備えて第1クラッチC1を係合させておく。この場合、電動オイルポンプEOPから吐出された作動油は、摩擦係合ユニットCUを経てDレンジ圧油路424に流れることになるが、上述した如くマニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aはRレンジ位置にあり、マニュアルシフトバルブ410は、Dレンジ圧油路424に繋がるDポートが閉鎖された強制閉鎖状態にある。このため、油圧制御ユニットPUの内部にオイルが流れることが防止され、第1クラッチC1の係合力を安定して十分に確保することができる。
また、本実施形態では、リニアソレノイド(SL1)411を強制閉鎖状態にするもの(第1実施形態のもの)ではないので、リニアソレノイド(SL1)411の切り換え動作としては、上記出力ポート411bとドレンポート411dとが連通され、入力ポート411aと出力ポート411bとが遮断される切り換え状態と、出力ポート411bとドレンポート411dとが遮断され、入力ポート411aと出力ポート411bとが連通される切り換え状態との間で切り換え可能な従来構造のものを採用することができる。つまり、出力ポート411b及びフィードバックポート411cが、入力ポート411a及びドレンポート411dの何れにも連通しない強制閉鎖状態とすることが可能な構成とする必要はない。このため、本実施形態では、何れのバルブにあっても設計変更を行う必要がなくなり、マニュアルシフトバルブ410の制御のみで上述した効果を奏することが可能である。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態も、アイドリングストップ状態において電動オイルポンプEOPから短絡油圧供給路430を経て供給された作動油が油圧制御ユニットPUの内部に流れ出ることを防止するために、上記マニュアルシフトバルブ410を利用している。その他の構成及び制御は上述した第1実施形態及び第3実施形態のものと同様であるので、ここでは、これら実施形態との相違点についてのみ説明する。
図9は、本実施形態における油圧制御回路の一部を示す回路構成図である。
この図9に示すように、電動オイルポンプEOPの吐出側に接続されている短絡油圧供給路430は、上記摩擦係合ユニットCU内における上記リニアソレノイド(SL1)411の上流側(マニュアルシフトバルブ410側)の油圧経路426に接続されている。この場合にも、上記短絡油圧供給路430は、上述したプライマリレギュレータバルブ403、セカンダリレギュレータバルブ404、モジュレータバルブ405等に接続することなく、摩擦係合ユニットCUに接続されることになる。このため、電動オイルポンプEOPからの油圧が、この短絡油圧供給路430を経て直接的に摩擦係合ユニットCUに供給可能な構成とされている。このように、本実施形態においても、電動オイルポンプEOPからのオイルがプライマリレギュレータバルブ403等の各種バルブを経由しないことで、これら各種バルブにおけるオイル漏れや圧力損失の発生を回避できる構成となっている。
本実施形態では、上述したアイドリングストップ状態になると、マニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aを強制的にRレンジ位置に切り換えるようにしている。これにより、上記Dレンジ圧油路424に繋がるDポートが閉鎖されることになり、このDレンジ圧油路424が、第1ライン圧油路421、Rレンジ圧油路425、ドレンポート410bから遮断されることになる。
具体的には、上記アイドルストップコントローラ110から出力されるアイドリングストップ信号に従って、電動オイルポンプEOPが駆動されると共に、シフトレンジ切替機構500のモータ501が駆動され、ディテントプレート506をRレンジ位置まで強制的に回動させる。これに伴い、マニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aもRレンジ位置まで移動し、Dレンジ圧油路424に繋がるDポートを閉鎖して、強制閉鎖状態にする。
また、この場合、上記リニアソレノイド(SL1)411の切り換え状態としては、入力ポート411aと出力ポート411bとを連通する状態となっている(図9に実線で示す切り換え状態)。一方、リニアソレノイド(SL2)412及びリニアソレノイド(SL3)413の切り換え状態としては、出力ポートとドレンポートとを連通する状態となっている(図9に破線で示す切り換え状態)。つまり、入力ポートを遮断している。
これにより、電動オイルポンプEOPから吐出された作動油は、上記短絡油圧供給路430を経て摩擦係合ユニットCUに直接的に供給された後、リニアソレノイド(SL1)411を経て第1クラッチC1の油圧サーボに作用し、この第1クラッチC1を係合させる。つまり、アイドリングストップ状態が解除されて車両が発進するのに備えて第1クラッチC1を係合させておく。この場合、電動オイルポンプEOPから吐出された作動油は、摩擦係合ユニットCU及び油圧経路426を経てDレンジ圧油路424に流れることになるが、上述した如くマニュアルシフトバルブ410のスプール弁410aはRレンジ位置にあり、マニュアルシフトバルブ410は、Dレンジ圧油路424に繋がるDポートが閉鎖された強制閉鎖状態にある。このため、油圧制御ユニットPUの内部にオイルが流れることが防止されることになり、第1クラッチC1の係合力を安定して十分に確保することができる。
また、本実施形態のものも、上述した第3実施形態のものと同様に、リニアソレノイド(SL1)411を強制閉鎖状態にするものではないので、リニアソレノイド(SL1)411の切り換え動作としては、上記出力ポート411bとドレンポート411dとが連通され、入力ポート411aと出力ポート411bとが遮断される切り換え状態と、出力ポート411bとドレンポート411dとが遮断され、入力ポート411aと出力ポート411bとが連通される切り換え状態との間で切り換え可能な従来構造のものを採用することができる。つまり、出力ポート411b及びフィードバックポート411cが、入力ポート411a及びドレンポート411dの何れにも連通しない強制閉鎖状態とすることが可能な構成とする必要はない。更に、本実施形態では、アイドリングストップ時にはリニアソレノイド(SL1)411の上流側から油圧供給が行えるので、このリニアソレノイド(SL1)411の制御についても従来同様の制御でよい。このため、本実施形態では、何れのバルブにあっても設計変更を行う必要がなくなり、また、リニアソレノイド(SL1)411の制御動作についても従来のものから変更する必要がなくなる。
−他の実施形態−
以上説明した各実施形態は、前進6速の変速が可能な自動変速機3を搭載したFF型車両に本発明を適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、前進5速や前進8速等の変速が可能な自動変速機3を搭載した車両や、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)型車両や4輪駆動車に適用することも可能である。また、変速機の構成としては、CVT(Continuously Variable Transmission)や、マニュアルトランスミッションの構成に電動モータや油圧シリンダ等のアクチュエータをアドオンしたSMT(シーケンシャル・マニュアル・トランスミッション)であってもよい。
また、上述した各実施形態では、ガソリンエンジンを搭載した車両に本発明を適用した場合について説明したが、ディーゼルエンジン等の他のエンジンを搭載した車両に対しても本発明は適用可能である。また、車両の動力源については、エンジン(内燃機関)のほか、電動モータ、あるいはエンジンと電動モータの両方を備えているハイブリッド形動力源であってもよい。
また、シフト切替装置5として、シフトレバー531を備えたシフトスイッチ530を用いた場合について説明したが、例えばボタンスイッチで構成されるシフトスイッチを用いたシフトバイワイヤ方式の自動変速機を搭載した車両に対しても本発明は適用可能である。
また、上記各実施形態では、アイドリングストップ時に第1クラッチC1(発進用クラッチ)に油圧を供給する油圧供給源として電動オイルポンプEOPを適用した場合について説明した。本発明はこれに限らず、アイドリングストップ解除時に機械式オイルポンプMOPからの油圧によって第1クラッチC1を係合させるようにしてもよい。この場合、上記機械式オイルポンプMOPの吐出ラインを分岐させ、その一方の分岐ラインを上記短絡油圧供給路として摩擦係合ユニットCUに接続する。また、上記分岐された各吐出ラインを切り換える切り換え弁を設けておき、アイドリングストップ時には短絡油圧供給路としての分岐ラインが機械式オイルポンプMOPに連通するようにしておく。この構成にあっては、機械式オイルポンプMOPは、エンジン1が駆動しなければ油圧を発生しないため、第1クラッチC1の係合動作はエンジン1の駆動後に行われることになるが、上述した如くアイドリングストップの解除後は、機械式オイルポンプMOPから吐出されたオイルは短絡油圧供給路を経て迅速に摩擦係合ユニットCUへ供給されるため、アイドリングストップ解除後に短期間のうちに第1クラッチC1は係合されることになり、発進性能を良好に確保することができる。
更には、アイドリングストップ時に第1クラッチC1(発進用クラッチ)に油圧を供給する油圧供給源として、油圧回路内に備えられたアキュムレータ(蓄圧装置)を適用してもよい。つまり、短絡油圧供給路を介してアキュムレータと摩擦係合ユニットCUとを連結しておき、エンジン1の駆動中に機械式オイルポンプMOPからアキュムレータにオイルを供給して所定の油圧を蓄圧しておき、アイドリングストップ時には、このアキュムレータを解放することで、短絡油圧供給路を経て摩擦係合ユニットCUに油圧を供給し、第1クラッチC1を係合させておくものである。
実施形態に係る自動変速機が搭載された車両の概略構成図である。 自動変速機のスケルトン図である。 自動変速機の作動表である。 第1実施形態における油圧制御回路の一部を示す回路構成図である。 シフトレンジ切替機構の概略構成を示す斜視図である。 シフトスイッチのシフトゲートを示す図である。 変速マップの一例を示す図である。 第2実施形態における油圧制御回路の一部を示す回路構成図である。 第4実施形態における油圧制御回路の一部を示す回路構成図である。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
3 自動変速機
410 マニュアルシフトバルブ
410a スプール弁
411 リニアソレノイド
411a 入力ポート
411b 出力ポート
416 デューティソレノイド
424 Dレンジ圧油路(油圧経路)
430 短絡油圧供給路
431 油圧経路
5 シフト切替装置
501 モータ(アクチュエータ)
C1 第1クラッチ(発進用摩擦係合要素)
CU 摩擦係合ユニット
PU 油圧制御ユニット
M モータ(電動機)
EOP 電動オイルポンプ(油圧供給源)

Claims (8)

  1. 所定の内燃機関自動停止条件が成立した際に内燃機関の駆動を停止する内燃機関自動停止制御を行う自動車に設けられ、発進用摩擦係合要素を含む摩擦係合ユニットと、この摩擦係合ユニットに油圧経路を介して接続された油圧調整用の油圧制御ユニットと、上記発進用摩擦係合要素を係合させるための油圧を供給する油圧供給源とを備えた油圧供給制御装置において、
    上記油圧供給源からの油圧を、上記油圧制御ユニットを経由させることなく摩擦係合ユニットに直接的に供給する短絡油圧供給路を備えている一方、
    上記内燃機関自動停止制御の実行時、油圧供給源からの作動油が上記摩擦係合ユニットを経由して油圧制御ユニット内部へ流れ出ることを抑制するように、上記摩擦係合ユニット及び油圧制御ユニットにそれぞれ備えられている既存の弁機構のうちの少なくとも一つを強制的に閉鎖状態にする弁機構閉鎖手段を備えていることを特徴とする自動車の油圧供給制御装置。
  2. 上記請求項1記載の自動車の油圧供給制御装置において、
    上記油圧供給源は、電動機によって駆動される電動オイルポンプであって、内燃機関自動停止制御の開始に伴って駆動して、発進用摩擦係合要素を係合させる構成となっていることを特徴とする自動車の油圧供給制御装置。
  3. 上記請求項1または2記載の自動車の油圧供給制御装置において、
    上記摩擦係合ユニットは、発進用摩擦係合要素と、この発進用摩擦係合要素への油圧の供給/非供給を切り換えるソレノイドバルブとを備えていると共に、上記短絡油圧供給路は、上記発進用摩擦係合要素とソレノイドバルブとの間の油圧経路に接続されており、
    上記弁機構閉鎖手段は、上記内燃機関自動停止制御の実行時、上記ソレノイドバルブを強制的に閉鎖状態にするよう構成されていることを特徴とする自動車の油圧供給制御装置。
  4. 上記請求項3記載の自動車の油圧供給制御装置において、
    上記ソレノイドバルブは、リニアソレノイドバルブであることを特徴とする自動車の油圧供給制御装置。
  5. 上記請求項3記載の自動車の油圧供給制御装置において、
    上記ソレノイドバルブは、デューティソレノイドバルブであることを特徴とする自動車の油圧供給制御装置。
  6. 上記請求項1または2記載の自動車の油圧供給制御装置において、
    上記摩擦係合ユニットは、発進用摩擦係合要素と、この発進用摩擦係合要素への油圧の供給/非供給を切り換えるソレノイドバルブとを備えていると共に、上記短絡油圧供給路は、上記発進用摩擦係合要素とソレノイドバルブの出力ポートとの間の油圧経路に接続されており、
    上記弁機構閉鎖手段は、上記内燃機関自動停止制御の実行時、上記ソレノイドバルブを、出力ポートと入力ポートとを連通する開放状態にすると共に、上記油圧制御ユニットに備えられた各種バルブのうち、油圧経路によって上記ソレノイドバルブの入力ポートと直接的に接続されているバルブを強制的に閉鎖状態にするよう構成されていることを特徴とする自動車の油圧供給制御装置。
  7. 上記請求項1または2記載の自動車の油圧供給制御装置において、
    上記摩擦係合ユニットは、発進用摩擦係合要素と、この発進用摩擦係合要素への油圧の供給/非供給を切り換えるソレノイドバルブとを備えていると共に、上記短絡油圧供給路は、上記ソレノイドバルブの入力ポートと油圧制御ユニットとの間の油圧経路に接続されており、
    上記弁機構閉鎖手段は、上記内燃機関自動停止制御の実行時、上記ソレノイドバルブを、出力ポートと入力ポートとを連通する開放状態にすると共に、上記油圧制御ユニットに備えられた各種バルブのうち、油圧経路によって上記ソレノイドバルブの入力ポートと直接的に接続されているバルブを強制的に閉鎖状態にするよう構成されていることを特徴とする自動車の油圧供給制御装置。
  8. 上記請求項6または7記載の自動車の油圧供給制御装置において、
    シフトレンジをアクチュエータによって切り換えるバイワイヤ方式のシフト切替装置を備えた自動変速機に設けられており、上記強制的に閉鎖状態とされるバルブは、スプールが上記アクチュエータにより移動可能とされたマニュアルシフトバルブであることを特徴とする自動車の油圧供給制御装置。
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