JP2010090107A - 殺菌殺藻剤組成物、水系の殺菌殺藻方法および殺菌殺藻剤組成物の製造方法 - Google Patents

殺菌殺藻剤組成物、水系の殺菌殺藻方法および殺菌殺藻剤組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】屋外などに保管した場合でも、日光などの紫外線により有効塩素成分が分解されにくく、また被処理水に添加しても被処理水のpHを大幅に上昇させることなく、さらには比較的高濃度の有効塩素成分を含有することが可能な殺菌殺藻剤組成物を提供する。
【解決手段】塩素系酸化剤と、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つとを含有する殺菌殺藻剤組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、殺菌殺藻剤組成物、水系の殺菌殺藻方法および殺菌殺藻剤組成物の製造方法に関する。
冷却水系、冷温水系、純水製造工程水系、排水回収工程水系、紙パルプ工程水系、集塵水系など様々な水系において、菌類や藻類に起因する様々な障害が発生することがある。例えば、冷却水系などにおいては、熱交換器内などでのスライム発生による熱交換率の低下や、配管などのスライム堆積下部で発生する微生物腐食などの障害が知られている。
また、純水製造工程水系や排水回収工程水系においては、これらの工程で使用される逆浸透膜などの膜分離装置においてスライムが発生し、通水差圧の上昇、処理水質の低下といった障害を引き起こすことが知られている。
このような菌類や藻類に起因する障害を防止する方法としては、殺菌殺藻剤組成物を水系に添加する方法が一般に用いられている。殺菌殺藻剤としては、イソチアゾロン化合物などの有機系殺菌殺藻剤や、次亜塩素酸などの酸化剤系殺菌殺藻剤などが用いられている。このうち、殺菌殺藻効果、コストなどの点から、酸化剤系の殺菌殺藻剤組成物が有利となる場合が多く、そのためこれら酸化剤系殺菌殺藻剤組成物は様々な水系において広く使用されている。
しかし、これら次亜塩素酸などの酸化剤を含有する酸化剤系殺菌殺藻剤組成物は、その有効成分が分解しやすく、保存安定性が良好でないことから、従来からこれらを安定化させるために安定剤を配合するなどの方法が検討されてきている。
例えば、酸化剤に安定剤を配合させた殺菌殺藻剤組成物の例としては、次亜塩素酸などの塩素系酸化剤にスルファミン酸またはその塩を含有させ、そのpHを13以上にする殺菌殺藻剤組成物が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
また、酸化性ハロゲン化合物に、ベンゼンスルホンアミドまたはその誘導体を共存させる殺生物剤組成物も知られている(例えば、特許文献3参照)。
これらのうち、特許文献1,2のようなクロロスルファミン酸を含む殺菌殺藻剤組成物は、日光などの紫外線により分解されやすく、屋外で保管した場合に有効塩素成分が時間とともに分解してしまい、殺菌殺藻効果が低下してしまう、という問題点がある。
また、これらクロロスルファミン酸を含む殺菌殺藻剤組成物のpHが13未満である場合、有効成分が時間とともに分解してしまい、殺菌殺藻効果が低下してしまうことから、これら殺菌殺藻剤組成物のpHは13以上、より好ましくは13.5以上になるように製剤されている(特許文献1,2参照)。そのため、これらクロロスルファミン酸を含む殺菌殺藻剤組成物を被処理水に添加した場合、被処理水のpHが大幅に上昇してしまい、排水基準であるpH(例えば、pH8.6)を超えてしまう場合があり、そのまま公共用水域に放流できないなどの問題点がある。
さらに、例えば、開放冷却水系にこれらクロロスルファミン酸を含む殺菌殺藻剤組成物を添加した場合、冷却水のpHが大幅に上昇してしまうことにより、炭酸カルシウムなどのスケール成分が析出しやすくなり、熱交換器でのスケール障害を引き起こしてしまうという問題点もある。また、pHが13以上あるいは13.5以上と非常に高いため、これら殺菌殺藻剤組成物の取り扱いに注意が必要である。また、配管に鉄系金属、熱交換器に銅系金属といったように、金属材料を構成部材として使用する場合があり、このような場合、クロロスルファミン酸を含む殺菌殺藻剤組成物を多量に添加した場合、激しい腐食が起こり、配管や熱交換器に穴が開くなどの問題が生じる場合がある。
一方、特許文献3のような、酸化性ハロゲン化合物と、ベンゼンスルホンアミドまたはその誘導体を共存させる方法に関しては、酸化性ハロゲン化合物が、塩素系酸化剤、例えば次亜塩素酸の場合、高濃度の次亜塩素酸とベンゼンスルホンアミドとを共存させても、安定な液体製剤はできないという問題点があった。具体的には、次亜塩素酸を全残留塩素として2重量%を超えるような、pH13未満の場合には1重量%を超えるような含有量で配合し、そこにベンゼンスルホンアミドを共存させた場合、沈殿が生じてしまい、安定な液体製剤を製造することはできなかった。また、ベンゼンスルホンアミド誘導体のうち、4−ニトロベンゼンスルホンアミドなどを共存させた場合も、同様に沈殿が生じてしまい、安定な液体製剤を製造することはできなかった。
特開2006−206608号公報 特許第3832399号公報 特表2002−511393号公報
本発明の目的は、屋外などに保管した場合でも、日光などの紫外線により有効塩素成分が分解されにくく、また被処理水に添加しても被処理水のpHを大幅に上昇させることなく、さらには比較的高濃度の有効塩素成分を含有することが可能な殺菌殺藻剤組成物を提供することにある。
また、本発明の目的は、日光などの紫外線により有効塩素成分が分解されにくく、また被処理水に添加したときに被処理水のpHを大幅に上昇させることなく、かつ鉄や銅などの金属材料を装置の構成部材とする水系において、激しい腐食を引き起こすことなく、低添加濃度で効率的に殺菌殺藻効果を発揮させることが可能な水系の殺菌殺藻方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、製造途中で沈殿をほとんど生じさせず、殺菌殺藻剤組成物を安定的に液体製剤として製造することが可能な殺菌殺藻剤組成物の製造方法を提供することにある。
本発明は、塩素系酸化剤と、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つとを含有する殺菌殺藻剤組成物である。
また、前記殺菌殺藻剤組成物において、前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸およびその塩のうち少なくとも1つであることが好ましい。
また、前記殺菌殺藻剤組成物において、前記スルファモイル安息香酸およびその誘導体が、4−スルファモイル安息香酸、2−スルファモイル安息香酸、4−クロロ−3−スルファモイル安息香酸、2,3−ジメトキシ−5−スルファモイル安息香酸、2,4−ジクロロ−5スルファモイル安息香酸であることが好ましい。
また、前記殺菌殺藻剤組成物において、前記殺菌殺藻剤組成物の全残留塩素濃度が、1〜12重量%の範囲であることが好ましい。
また、前記殺菌殺藻剤組成物において、前記塩素系酸化剤の有効塩素1モルに対して、前記スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つが、0.1〜2モルの範囲で含まれることが好ましい。
また、前記殺菌殺藻剤組成物において、前記殺菌殺藻剤組成物のpHが、9.5以上であることが好ましい。
また、前記殺菌殺藻剤組成物において、含まれるコバルト濃度が、5.0mg/L未満であることが好ましい。
また、本発明は、塩素系酸化剤と、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つとを水系に添加する水系の殺菌殺藻方法である。
また、前記水系の殺菌殺藻方法において、前記水系が金属材料を構成部材として有する水系である場合でも、塩素系酸化剤を含有する殺菌殺藻剤組成物としては、金属への腐食作用を比較的抑制しながら、殺菌殺藻効果が発揮される。
また、前記水系の殺菌殺藻方法において、前記金属材料が鉄および銅のうちの少なくとも1つである場合でも、塩素系酸化剤を含有する殺菌殺藻剤組成物としては、鉄、銅への
腐食作用を比較的抑制しながら、殺菌殺藻効果が発揮される。
また、前記水系の殺菌殺藻方法において、全残留塩素濃度が6mg/L以上になるように添加する場合でも、塩素系酸化剤を含有する殺菌殺藻剤組成物としては、金属への腐食作用を比較的抑制しながら、殺菌殺藻効果が発揮される。
また、前記水系の殺菌殺藻方法において、全残留塩素濃度が12mg/L以上になるように添加する場合でも、塩素系酸化剤を含有する殺菌殺藻剤組成物としては、金属への腐食作用を比較的抑制しながら、殺菌殺藻効果が発揮される。
また、本発明は、塩素系酸化剤とアルカリとを含む水溶液を調整する工程と、前記水溶液に、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つを添加する工程と、を含む殺菌殺藻剤組成物の製造方法である。
本発明では、塩素系酸化剤と、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つとを含有することにより、屋外などに保管した場合でも、日光などの紫外線により有効塩素成分が分解されにくく、また被処理水に添加しても被処理水のpHを大幅に上昇させることなく、さらには比較的高濃度の有効塩素成分を含有することが可能な殺菌殺藻剤組成物を提供することができる。
また、本発明では、塩素系酸化剤と、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つとを水系に添加することにより、日光などの紫外線により有効塩素成分が分解されにくく、また被処理水に添加したときに被処理水のpHを大幅に上昇させることなく、かつ鉄や銅などの金属材料を装置の構成部材とする水系において、激しい腐食を引き起こすことなく、低添加濃度で効率的に殺菌殺藻効果を発揮させることが可能な、水系の殺菌殺藻方法を提供することができる。
また、本発明では、塩素系酸化剤とアルカリとを含む水溶液を調整し、その水溶液に、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つを添加することにより、製造途中で沈殿をほとんど生じさせず、上記殺菌殺藻剤組成物を安定的に液体製剤として製造することが可能な殺菌殺藻剤組成物の製造方法を提供することができる。
本発明の実施例10および比較例10の製剤を水系に添加した場合の水中の初期全残留塩素濃度と炭素鋼に対する腐食速度との関係を示す図である。 本発明の実施例10および比較例10の製剤を水系に添加した場合の水中の初期全残留塩素濃度と銅に対する腐食速度との関係を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る殺菌殺藻剤組成物は、塩素系酸化剤と、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つ(以下、本明細書において、「スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つ」のことを、単に「スルファモイル安息香酸誘導体」と呼ぶ場合がある。)を含有する。塩素系酸化剤と、スルファモイル安息香酸誘導体とを共存させることにより、屋外の薬液タンクなどに保管していても、日光などの紫外線により有効塩素成分が分解されにくいため、殺菌殺藻効果が低下しにくい。なお、本実施形態に係る殺菌殺藻剤組成物を水系に添加したときに、殺菌効果および殺藻効果のうち少なくとも1つの効果が発揮されればよい。また、塩素系酸化剤を含有する殺菌殺藻剤組成物としては比較的低いpH(例えば、pH13.5以下)での製剤化が可能であるため、被処理水に添加しても被処理水のpHを大幅に上昇させることなく、殺菌殺藻効果を得ることができる。
塩素系酸化剤としては特に制限はないが、例えば、塩素ガス、二酸化塩素、次亜塩素酸またはその塩、亜塩素酸またはその塩、塩素酸またはその塩、過塩素酸またはその塩、塩素化イソシアヌル酸またはその塩などが挙げられる。これらの中で、殺菌性、取り扱い性、コストなどの点から次亜塩素酸またはその塩が好ましい。塩系の具体例としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムなどの次亜塩素酸アルカリ金属塩、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸バリウムなどの次亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムなどの亜塩素酸アルカリ金属塩、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウムなどの亜塩素酸アルカリ土類金属塩、亜塩素酸ニッケルなどの他の亜塩素酸金属塩、塩素酸アンモニウム、塩素酸ナトリウムなどの塩素酸アルカリ金属塩、塩素酸カルシウムなどの塩素酸アルカリ土類金属塩などが挙げられる。これら塩素系酸化剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態に係る殺菌殺藻剤組成物において、塩素系酸化剤の含有量は特に制限はないが、塩素系酸化剤は殺菌殺藻剤組成物の重量に対して、全残留塩素として好ましくは1〜12重量%、より好ましくは2〜10重量%、さらに好ましくは3.5〜8.5重量%となるように含有されるのがよい。
スルファモイル安息香酸およびその誘導体としては特に制限はないが、例えば、下記構造式(1)で示される構造を有する化合物が挙げられる。
構造式(1)において、RおよびRはそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基であり、水素原子が好ましい。R〜Rのうち少なくとも1つはカルボキシル基であり、それ以外のR〜Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシル基である。
このようなスルファモイル安息香酸およびその誘導体としては、4−スルファモイル安息香酸、2−スルファモイル安息香酸、4−クロロ−3−スルファモイル安息香酸、2,3−ジメトキシ−5−スルファモイル安息香酸、2,4−ジクロロ−5−スルファモイル安息香酸などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのスルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち、水に対する溶解性は、4−クロロ−3−スルファモイル安息香酸、2,3−ジメトキシ−5−スルファモイル安息香酸、2,4−ジクロロ−5−スルファモイル安息香酸が良好であるため、製剤性の点を重視すればこれら誘導体が好ましい。一方、4−スルファモイル安息香酸、2−スルファモイル安息香酸は分子量が他の誘導体に比べれば小さく、同モル配合する場合でも少量で済み、かつ安定性が良好であるといった利点があることから、これらの点を重視すれば、4−スルファモイル安息香酸、2−スルファモイル安息香酸が好ましい。
本実施形態に係る殺菌殺藻剤組成物において、全残留塩素濃度は特に制限はないが、1〜12重量%の範囲であることが好ましく、2〜10重量%の範囲であることがより好ましく、3.5〜8.5重量%の範囲であることがさらに好ましい。全残留塩素濃度が1重量%未満であると、十分な殺菌殺藻効果を得るために添加濃度を高くする必要があり、低添加濃度で効率的に殺菌殺藻効果を発揮させることができない場合がある。12重量%を超えると、市販の12重量%の次亜塩素酸ナトリウムなどを原材料として使用できず、高コストの製剤となってしまう場合がある。
塩素系酸化剤およびスルファモイル安息香酸誘導体を、有効塩素濃度が比較的高濃度、例えば全残留塩素濃度として好ましくは1重量%以上に、より好ましくは2重量%以上に、さらに好ましくは3.5重量%以上になるように共存させた殺菌殺藻剤組成物により、これら殺菌殺藻剤組成物を水系に添加することにより、低添加濃度で効率的に殺菌殺藻効果を発揮させることができる。
本実施形態に係る殺菌殺藻剤組成物において、スルファモイル安息香酸誘導体の含有量は特に制限はないが、塩素系酸化剤の有効塩素1モルに対して、0.1〜2モルの範囲であることが好ましい。スルファモイル安息香酸誘導体の含有量が0.1モル未満であると、塩素の安定化効果が発揮されない場合があり、2モルを超えて配合しても塩素の安定化効果が向上することはほとんどないため、経済性および製剤の溶解性などの点から得策ではない。スルファモイル安息香酸誘導体の含有量は、塩素系酸化剤の有効塩素1モルに対して、0.5〜1.5モルの範囲であることがより好ましく、1〜1.5モルの範囲であることがさらに好ましい。
塩素系酸化剤の有効塩素1モルに対して、スルファモイル安息香酸誘導体の含有量が、1モル未満である場合、後述の通り、殺菌殺藻剤組成物中には遊離塩素と結合塩素とが共存し、遊離塩素による即効性のある殺菌殺藻効果、および結合塩素による無効消費の少ない持続性のある殺菌殺藻効果といった両方の利点を兼ね備えることができる。よって、即効性と持続性とを兼ね備えた殺菌殺藻処理を行いたい場合は、塩素系酸化剤の有効塩素1モルに対して、スルファモイル安息香酸誘導体の含有量が、1モル未満であることが好ましい。
一方、塩素系酸化剤の有効塩素1モルに対して、スルファモイル安息香酸誘導体の含有量が1モル未満の場合には以下のような問題が生じる場合がある。まず、50℃程度の比較的高温での保存安定性が、1モル以上の場合に比べて若干劣る場合がある。またこれら殺菌殺藻剤組成物に別の成分、例えばアゾール系化合物、高分子電解質、ホスホン酸などを配合する場合は、それらの成分が遊離塩素による酸化されるおそれもある。さらには、ポリアミド製のRO膜などにこれら殺菌殺藻剤組成物を使用する場合、RO膜が酸化劣化される場合がある。このような場合には、塩素系酸化剤の有効塩素1モルに対して、スルファモイル安息香酸誘導体の含有量が1モル以上となるように配合することにより、酸化力を抑え、より安定化された殺菌殺藻剤組成物が得られる。
このように、場合によって、塩素系酸化剤およびスルファモイル安息香酸誘導体の配合比を使い分けることができる。
本実施形態に係る殺菌殺藻剤組成物のpHは特に制限はないが、あまりpHが低いと塩素ガスが発生するおそれがあるため、pH4以上が好ましい。また、有効塩素成分が長期間安定であり、かつ被処理水のpHを大幅に上昇させないためには、pH9.5〜13.5の範囲であることがより好ましく、pH9.5〜13.0未満の範囲であることがさらに好ましく、pH9.5〜12.6未満の範囲であることが特に好ましい。
塩素系酸化剤とスルファモイル安息香酸誘導体とを共存させ、pHをより好ましくは13.5以下、さらに好ましくは13.0未満、特に好ましくは12.6未満に調整した殺菌殺藻剤組成物により、これら殺菌殺藻剤組成物を水系に添加しても、被処理水のpHを大幅に上昇させることなく、殺菌殺藻効果を得ることができる。
本実施形態に係る殺菌殺藻剤組成物は、その効果を損なうことのない範囲において、塩素系酸化剤およびスルファモイル安息香酸誘導体以外の他の成分を含んでもよい。この他の成分としては、酸、アルカリなどのpH調整剤、アゾール系化合物、高分子電解質、ホスホン酸化合物、臭素源などが挙げられる。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸などの酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリが挙げられる。
アゾール系化合物としては、例えば、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、テトラゾールなどの単環式アゾール系化合物、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、メルカプトベンゾイミダゾール、メルカプトメチルベンゾイミダゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、インダゾール、プリン、イミダゾチアゾール、ピラゾロオキサゾールなどの縮合多環式アゾール系化合物などや、さらにアゾール系化合物の中で塩を形成する化合物にあってはそれらの塩などが挙げられる。これらのアゾール系化合物は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
高分子電解質としては、例えばアニオン性高分子、両性高分子、カチオン性高分子などが挙げられる。アニオン性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸と2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロパンスルホン酸との共重合物、アクリル酸と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸との共重合物、アクリル酸とイソプレンスルホン酸との共重合物、アクリル酸とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとの共重合物、アクリル酸とメタクリル酸2−ヒドロキシエチルとイソプロピレンスルホン酸との共重合物、マレイン酸とペンテンとの共重合物、これらアニオン性高分子のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩などが挙げられる。これらのアニオン性高分子およびその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
両性高分子としては、例えば、ジアリルアミン塩酸塩とマレイン酸の共重合物、ジアリルアミンアミド硫酸塩とマレイン酸の共重合物、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとマレイン酸の共重合物などが挙げられる。これらの両性高分子およびその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
カチオン性高分子としては、ポリジアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドなどが挙げられる。これらのカチオン性高分子およびその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ホスホン酸化合物としては、例えば、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ヒドロキシホスホノ酢酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、または前記ホスホン酸の塩などが挙げられる。ホスホン酸化合物は遊離の酸として用いてもよいし、塩として用いてもよい。ホスホン酸の塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩などが挙げられる。ホスホン酸の塩は正塩、酸性塩どちらであってもよい。これらのホスホン酸およびその塩は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
臭素源としては、例えば、臭素ガス、臭化ナトリウム、臭化リチウムなどが挙げられる。
本実施形態に係る殺藻殺菌剤組成物の形態に特に制限はなく、塩素系酸化剤およびスルファモイル安息香酸誘導体を含有させた1液型薬剤であってもよく、塩素系酸化剤およびスルファモイル安息香酸誘導体に、pH調整剤、アゾール系化合物、高分子電解質、ホスホン酸化合物、臭素源などの他の成分のうちのいずれか1種以上を含有させた1液型薬剤であってもよく、各成分を2液に分けた2液型薬剤であってもよい。2液型薬剤の例としては、塩素系酸化剤およびスルファモイル安息香酸誘導体を含有するA液と、その他の成分を含有するB液とからなる2液型薬剤などが挙げられる。
本実施形態に係る殺藻殺菌剤組成物において、含まれるコバルト濃度が、5.0mg/L未満であることが好ましく、1.0mg/L以下であることがより好ましい。例えば、スルファモイル安息香酸誘導体の製造工程において、コバルトを触媒として使用することがあり、スルファモイル安息香酸誘導体の製造方法によっては、スルファモイル安息香酸誘導体がコバルトを含有しているものがある。このスルファモイル安息香酸誘導体を塩素系酸化剤と混合した場合、殺菌殺藻剤組成物中のコバルト濃度が5.0mg/L以上になると、微細な粉末状の沈殿が少量生じることがある。このような沈殿が生じると、有効塩素濃度にはほとんど影響しないが、実使用時において、薬剤注入ポンプなどに目詰まりを起こす可能性がある。そのため、この沈殿物をろ過、遠心分離などにより取り除く手間がかかってしまう。
本実施形態に係る水系の殺菌殺藻方法としては、上記塩素系酸化剤と、上記スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つとを水系に添加すればよく特に制限はない。本方法により、日光などの紫外線により有効塩素成分が分解されにくく、また被処理水に添加したときに被処理水のpHを大幅に上昇させることなく、さらには低添加濃度で効率的に殺菌殺藻効果を発揮させることができる。例えば、塩素系酸化剤およびスルファモイル安息香酸誘導体を含む溶液として、被処理水に添加されてもよいし、塩素系酸化剤およびスルファモイル安息香酸誘導体が別々に被処理水に添加されてもよい。
殺菌殺藻剤組成物の被処理水への添加濃度は、殺菌殺藻効果が得られる範囲であれば特に制限はないが、水中の全残留塩素濃度として、0.05〜100mg/Lの範囲であることが好ましく、0.1〜15mg/Lの範囲であることがより好ましい。殺菌殺藻に加えて、スライム剥離などの目的で使用する場合は、これらの範囲のうち、高い濃度で使用することが好ましい。
本実施形態に係る水系の殺菌殺藻方法において、水系が、金属材料を構成部材として有する水系である場合でも、激しい腐食を引き起こすことなく、かつ優れた殺菌殺藻効果を実現する。装置の構成部材として含まれる金属材料としては、例えば、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムなどが挙げられ、特に鉄および銅のうちの少なくとも1つである場合、従来の塩素系酸化剤を含有する殺菌殺藻剤組成物では、激しい腐食を引き起こしやすいのに対して、本実施形態では激しい腐食を引き起こさない。このような金属材料を構成部材として有する水系としては、例えば配管に鉄、亜鉛など、熱交換器に銅、アルミニウムなどを使用するような冷却水系などが挙げられる。
本実施形態に係る殺菌殺藻剤組成物を用いると、配管に鉄系金属、熱交換器に銅系金属といったように、金属材料を構成部材として使用する場合でも、pHを大幅に上昇させることなく、かつ激しい腐食を引き起こすことなく、低添加濃度で効率的に殺菌殺藻効果を発揮させることが可能となる。
この場合、塩素系酸化剤とスルファモイル安息香酸誘導体の反応生成物を水系に添加、あるいは水系に添加する直前にこれらを混合して水系に添加することが好ましい。
本実施形態に係る水系の殺菌殺藻方法において、全残留塩素濃度が、6mg/L以上になるように添加する場合、従来の塩素系酸化剤を含有する殺菌殺藻剤組成物では激しい腐食を引き起こしやすいのに対して、本実施形態では激しい腐食を引き起こさない。12mg/L以上になるように添加する場合に、上記差異がさらに明確になる。
本実施形態に係る殺菌殺藻剤組成物の製造方法としては特に制限はないが、塩素系酸化剤とアルカリとを含む水溶液を調整する工程と、この水溶液に、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つを添加する工程と、を含むことが好ましい。この方法により、製造途中で沈殿をほとんど生じさせず、上記殺菌殺藻剤組成物を安定的に液体製剤として製造することができる。
本実施形態に係る殺菌殺藻剤組成物を添加する対象となる水系としては特に制限はないが、例えば、冷却水系、冷温水系、純水製造工程水系、排水回収工程水系、紙パルプ工程水系、集塵水系、ガススクラバ水系などが挙げられる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において、全残留塩素濃度、遊離塩素濃度(遊離残留塩素濃度)は、試料を適宜希釈し、HACH社の多項目水質分析計DR/4000を用いて、DPD(ジエチル−p−フェニレンジアミン)法により測定した。なお結合塩素濃度(結合残留塩素濃度)は、全残留塩素濃度から遊離塩素濃度を差し引いて求めた。
<実施例1および比較例1>
比較的低いpHでの有効塩素成分の安定性をスルファモイル安息香酸製剤(実施例1−1〜1−4)およびスルファミン酸製剤(比較例1−1〜1−3)で比較した。
[試験条件]
実施例1−1〜1−4については、表1に示す配合組成(重量%)で、水→NaOH→12重量%NaClO→4−スルファモイル安息香酸の順で添加して製剤化を行った。比較例1−1〜1−3については、表1に示す配合組成(重量%)で、水→NaOH→スルファミン酸→12重量%NaClOの順で添加して製剤化を行った。製剤化は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製の容器内で、室温以下に冷却し、スターラで撹拌しながら各薬剤を添加して行った。
12重量%NaClOの配合量は、実施例、比較例ともに同一とした。塩素安定剤(4−スルファモイル安息香酸およびスルファミン酸)の配合量は、NaClOを十分安定化させるため、NaClO 1モルに対して、過剰の1.5モルとなるように決定した。NaOHの配合量は、製剤の最終的なpHをみながら事前に試験を行って決定した。
いずれも製剤化直後にpH測定、全残留塩素濃度測定を実施した。また25℃、50℃、−5℃の恒温槽内に14日間静置後、全残留塩素濃度を再び測定した。
[試験結果]
試験結果を表1に示す。いずれの実施例、比較例とも、製剤化直後の全残留塩素濃度はほぼ理論配合量通りの6.0重量%という値を示した。実施例1−1、比較例1−1より、両者ともpH13.6であれば全残留塩素の安定性は良好であった。しかし、比較例1−2,1−3より、スルファミン酸製剤の場合はpH13未満になると25℃、50℃での塩素安定性が極端に低下することがわかる。それに対して、実施例1−2〜1−4より、スルファモイル安息香酸製剤は、pH13未満となっても(実施例1−4のようにpH10.4となっても)、全残留塩素の安定性が良好であることがわかる。
<実施例2および比較例2>
スルファモイル安息香酸製剤とスルファミン酸製剤とを、水系に添加した場合のpH上昇度合いを比較した。
[試験条件]
実施例1、比較例1で製剤化した、pHの異なる殺菌殺藻剤組成物を、相模原市西大沼の井水原水およびその3倍濃縮水にそれぞれ200mg/Lの添加量になるように添加し、その際のpHを測定した。相模原井水3倍濃縮水は、RO濃縮装置(エレメント:ES10−D4(日東電工(株)製))を用いて作製した。作製手順としては、まず200L容積のタンクに相模原井水原水を入れ、RO供給圧0.75MPa、室温で相模原井水原水をRO濃縮装置に通水し、RO透過水はすべてブローし、RO濃縮水のみを前記タンクに戻し、電気伝導率が原水の約3倍になるまで濃縮を行った。
原水の水質は、pH6.9、電気伝導率284μS/cm、全硬度112mgCaCO/L、酸消費量(pH4.8)20mgCaCO/L、シリカ41mgSiO/Lであった。また、3倍濃縮水の水質は、pH7.6、電気伝導率858μS/cm、全硬度340mgCaCO/L、酸消費量(pH4.8)65mgCaCO/L、シリカ126mgSiO/Lであった。
[試験結果]
試験結果を表2に示す。比較例2−1,2−2のスルファミン酸製剤に比べて、実施例2−1〜2−3のスルファモイル安息香酸製剤は、比較的低pHでの製剤が可能なため、水系に添加しても被処理水の大幅なpH上昇は認められなかった。
<実施例3および比較例3>
日光(紫外線)安定性について、スルファモイル安息香酸製剤と、スルファミン酸製剤と、次亜塩素酸製剤(塩素安定剤未添加)製剤とで比較した。
[試験条件]
表3に示す配合組成の各製剤を透明容器に入れ、日光照射条件下において相模原市オルガノ開発センター屋上に7日間放置し、全残留塩素濃度を経時的(製剤直後、1日後、2日後、3日後、5日後、6日後、7日後)に測定した。
[試験結果]
試験結果を表3に示す。実施例3−1のスルファモイル安息香酸製剤は、比較例3−1のスルファミン酸製剤、比較例3−2の次亜塩素酸製剤(塩素安定剤未添加)に比べて、全残留塩素の安定性が良好であることがわかる。
<実施例4および比較例4>
NaClOに対する塩素安定剤のモル比を、NaClO:塩素安定剤=1:0.5、1:1と変更して、全残留塩素の安定性について、スルファモイル安息香酸製剤と、スルファミン酸製剤と、ベンゼンスルホンアミド製剤とで比較した。
[試験条件]
NaClO 1モルに対して、各塩素安定剤(4−スルファモイル安息香酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホンアミド)を、0.5モルおよび1.0モルになるように配合し、製剤化が可能かどうか、および全残留塩素の安定性について評価した。実施例4−1,4−2については、表4に示す配合組成(重量%)で、水→NaOH→12重量%NaClO→4−スルファモイル安息香酸の順で添加して製剤化を行った。比較例4−1,4−2については、表4に示す配合組成(重量%)で、水→NaOH→スルファミン酸→12重量%NaClOの順で添加して製剤化を行った。比較例4−3,4−4については、表4に示す配合組成(重量%)で、水→NaOH→12重量%NaClO→ベンゼンスルホンアミドの順で添加して製剤化を行った。製剤化は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)製の容器内で、室温以下に冷却し、スターラで撹拌しながら各薬剤を添加して行った。
12重量%NaClOの配合量は、実施例、比較例ともに同一とした。いずれも製剤化直後にpH測定、全残留塩素濃度測定を実施した。沈殿を生成せずに液体製剤化が可能であったものに関しては、25℃、50℃、−5℃の恒温槽内に14日間静置後、全残留塩素濃度を再び測定した。
[試験結果]
試験結果を表4に示す。なお表4中の全残留塩素の残存率は、製剤化直後の全残留塩素濃度からみた残存率ではなく、全残留塩素の理論配合量(この場合、6.0重量%)からの残存率として表している。4−スルファモイル安息香酸とスルファミン酸の製剤化(実施例4−1,4−2、比較例4−1,4−2)に関しては、いずれも沈殿を生成せずに液体製剤化が可能であった。それに対して、ベンゼンスルホンアミドの製剤化(比較例4−3,4−4)に関しては、ベンゼンスルホンアミドを配合した時点で、白色のゲル状物質となってしまい、多量の沈殿が生じ、液体製剤化はできなかった。
スルファミン酸製剤に関しては、モル比が1:1の場合(比較例4−2)、比較的全残留塩素の残存率も高く、安定な製剤化が可能であったが、モル比が1:0.5の場合(比較例4−1)、全残留塩素の残存率が極端に低くなり、安定な製剤化ができないことがわかった。これについては、モル比が1:1の場合(比較例4−2)、製剤化直後の全残留塩素は結合塩素の形態、すなわちNaClOとスルファミン酸との反応生成物であるクロロスルファミン酸の形態で存在するのに対し、モル比が1:0.5の場合(比較例4−1)、全残留塩素はクロロスルファミン酸(結合塩素)の形態のほかにも遊離塩素の形態としても共存しており、これによりクロロスルファミン酸が分解されるなどして、安定性が悪かったものと推測される。一方、4−スルファモイル安息香酸製剤は、モル比が1:1の場合(実施例4−2)、いずれの温度条件でも、全残留塩素の残存率はほぼ100%に近く、スルファミン酸製剤に比べて、非常に良好な安定性を示した。また、モル比が1:0.5の場合(実施例4−1)、50℃での全残留塩素の残存率はやや低下したが、スルファミン酸製剤よりは高く、また25℃、−5℃での安定性はほぼ100%に近い全残留塩素の残存率を示した。このことから、NaClOと4−スルファモイル安息香酸の反応生成物については、スルファミン酸製剤と異なり、遊離塩素が共存する条件下においても分解を受けにくく安定であると考えられる。
<実施例5−1および比較例5−1>
高濃度の有効塩素配合の製剤化が可能かどうかについて、スルファモイル安息香酸誘導体製剤とスルファモイル安息香酸誘導体以外のベンゼンスルホンアミド誘導体製剤とで比較した。スルファモイル安息香酸誘導体としては、4−スルファモイル安息香酸(SBA)、4−クロロ−3−スルファモイル安息香酸(CLSBA)、2,3−ジメトキシ−5−スルファモイル安息香酸(DMSBA)を使用し、スルファモイル安息香酸誘導体以外のベンゼンスルホンアミド誘導体としては、ベンゼンスルホンアミド(BSA)、4−ニトロベンゼンスルホンアミド(NBSA)、4−アミノベンゼンスルホンアミド(ABSA)、4−メチルベンゼンスルホンアミド(MBSA)、4−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド(HBSA)、4−クロロベンゼンスルホンアミド(CLBSA)を使用した。
[試験条件]
NaClO 1モルに対して、各塩素安定剤(スルファモイル安息香酸誘導体またはベンゼンスルホンアミド誘導体)1.5モルとなるように配合した。12重量%NaClO溶液を50重量%配合し、NaOHを8重量%配合する製剤とした。配合順序は、いずれも表5の配合組成の欄の上に記載のものから下に記載のものの順とした。
製剤化直後の全残留塩素濃度、および25℃、50℃、−5℃で14日間静置させた後の全残留塩素濃度を測定した。製剤化時に沈殿を生じたものでも、上澄み溶液がわずかでも残るものについては、その上澄み溶液中の全残留塩素濃度を測定した。
[試験結果]
試験結果を表5に示す。実施例5−1−1〜5−1−3の通り、SBA(スルファモイル安息香酸)やその誘導体(CLSBA、DMSBA)を用いた製剤は、沈殿を生成せず、安定な液体製剤が得られた。これらの製剤の製剤化直後の全残留塩素濃度は6.0重量%(すなわち、有効塩素濃度6.0重量%)とほぼ理論配合量通りの値を示した。中でも、SBA(スルファモイル安息香酸)を用いた実施例5−1−1の全残留塩素の安定性が良好であることがわかる。また、実施例5−1−2のCLSBA製剤はCLSBAの溶解性が非常に良好で短時間で製剤化が可能であった。
一方、比較例5−1−1のBSA製剤は、BSAを配合していくと、白色のゲル状物質となり、多量に沈殿が生じ、時間が経過すると、白色のゲル状の固体となり、液体製剤は得られなかった。比較例5−1−2のNBSA製剤は、NBSAを配合していくと、まずはオレンジ色の沈殿が生じ、次いで淡い茶色の沈殿となり、時間の経過とともに淡い茶色の固体となってしまい、液体製剤は得られなかった。比較例5−1−3のABSA製剤は、ABSAを配合していくと、激しく発熱し、ガスが発生し、オレンジ色から次第に茶褐色〜黒色の液体となり、時間の経過とともに茶褐色の沈殿が生じ、液体製剤は得られなかった。ここでごくわずかに採取できた上澄み溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、0.1%未満となっており、安定な液体製剤は得られなかった。比較例5−1−4のMBSA製剤は、比較例5−1−1とほぼ同様の傾向を示した。比較例5−1−5のHBSA製剤は、比較例5−1−3とほぼ同様の傾向を示した。比較例5−1−6のCLBSA製剤は、CLBSAを配合していくと、白色の比重の軽そうな粉末状の沈殿が多量に生じた。ここで上澄み溶液は透明となった。この上澄み溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、全残留塩素濃度は0.3重量%と非常に低く、安定な液体製剤は得られなかった。
<実施例5−2および比較例5−2>
実施例5−1、比較例5−1の次亜塩素酸Naの配合量を50重量%から30重量%に減らして試験を行った。NaClOに対する各塩素安定剤のモル比はNaClO:塩素安定剤=1:1.5とした。
[試験条件]
NaClO 1モルに対して、各塩素安定剤(スルファモイル安息香酸誘導体またはベンゼンスルホンアミド誘導体)1.5モルとなるように配合した。12重量%NaClO溶液を30重量%配合し、NaOHを8重量%配合する製剤とした。配合順序は、いずれも表6の配合組成の欄の上に記載のものから下に記載のものの順とした。
製剤化直後の全残留塩素濃度、および25℃で5日間静置させた後の全残留塩素濃度を測定した。製剤化時に沈殿を生じたものでも、上澄み溶液がわずかでも残るものについては、その上澄み溶液中の全残留塩素濃度を測定した。
[試験結果]
試験結果を表6に示す。実施例5−2−1〜5−2−3の通り、SBA(スルファモイル安息香酸)やその誘導体(CLSBA、DMSBA)を用いた製剤は、沈殿を生成せず、安定な液体製剤が得られた。これらの製剤の製剤化直後の全残留塩素濃度は3.6重量%(すなわち、有効塩素濃度3.6重量%)とほぼ理論配合量通りの値を示した。
一方、比較例5−2−1のBSA製剤は、BSAを配合していくと、白色のゲル状物質となり、時間が経過すると、白色の多量の沈殿を生じ、安定な液体製剤は得られなかった。上澄み溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、0.9重量%と非常に低い濃度であった。比較例5−2−2のNBSA製剤は、NBSAを配合していくと、黄色の沈殿が多量に生じ、上澄みはオレンジ色の溶液となり、安定な液体製剤は得られなかった。上澄み溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、0.4重量%と非常に低い濃度であった。比較例5−2−3のABSA製剤は、ABSAを配合していくと、激しく発熱し、ガスが発生し、オレンジ色から次第に茶褐色〜黒色の液体となった。これについては、沈殿が生じず液体製剤が得られたものの、溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、0.1重量%未満となっており、安定な液体製剤は得られなかった。比較例5−2−4のMBSA製剤は、白色のゲル状物質となり、多量に沈殿が生じ、安定な液体製剤は得られなかった。比較例5−2−5のHBSA製剤は、比較例5−2−3とほぼ同様の傾向を示した。比較例5−2−6のCLBSA製剤は、CLBSAを配合していくと、白色の比重の軽そうな粉末状の沈殿が多量に生じたが、上澄み溶液は透明となった。この上澄み溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、全残留塩素濃度は0.2重量%と非常に低く、安定な液体製剤は得られなかった。
<実施例5−3および比較例5−3>
実施例5−1、比較例5−1の次亜塩素酸Naの配合量を50重量%から30重量%に減らして試験を行った。NaClOに対する各塩素安定剤のモル比はNaClO:塩素安定剤=1:1とした。
[試験条件]
NaClO 1モルに対して、各塩素安定剤(スルファモイル安息香酸誘導体またはベンゼンスルホンアミド誘導体)1モルとなるように配合した。12重量%NaClO溶液を30重量%配合し、NaOHを8重量%配合する製剤とした。配合順序は、いずれも表7の配合組成の欄の上に記載のものから下に記載のものの順とした。
製剤化直後の全残留塩素濃度、および25℃で5日間静置させた後の全残留塩素濃度を測定した。製剤化時に沈殿を生じたものでも、上澄み溶液がわずかでも残るものについては、その上澄み溶液中の全残留塩素濃度を測定した。
[試験結果]
試験結果を表7に示す。実施例5−3−1〜5−3−3の通り、SBA(スルファモイル安息香酸)やその誘導体(CLSBA、DMSBA)を用いた製剤は、沈殿を生成せず、安定な液体製剤が得られた。これらの製剤の製剤化直後の全残留塩素濃度は3.6重量%(すなわち、有効塩素濃度3.6重量%)とほぼ理論配合量通りの値を示した。
一方、比較例5−3−1のBSA製剤は、BSAを配合していくと、白色のゲル状物質となり、時間が経過すると、白色の多量の沈殿を生じ、安定な液体製剤は得られなかった。上澄み溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、1.0重量%と非常に低い濃度であった。比較例5−3−2のNBSA製剤は、NBSAを配合していくと、黄色の沈殿が多量に生じ、安定な液体製剤は得られなかった。比較例5−3−3のABSA製剤は、ABSAを配合していくと、激しく発熱し、ガスが発生し、オレンジ色から次第に茶褐色〜黒色の液体となった。これについては、沈殿が生じず液体製剤が得られたものの、溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、0.1重量%未満となっており、安定な液体製剤は得られなかった。比較例5−3−4のMBSA製剤は、白色のゲル状物質となり、時間が経過すると、白色の多量の沈殿を生じ、安定な液体製剤は得られなかった。上澄み溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、2.3重量%と低い濃度であった。比較例5−3−5のHBSA製剤は比較例5−3−3とほぼ同様の傾向を示した。比較例5−3−6のCLBSA製剤は、CLBSAを配合していくと、白色のゲル状物質となり、時間が経過すると、白色の多量の沈殿を生じ、安定な液体製剤は得られなかった。
<実施例5−4および比較例5−4>
実施例5−1、比較例5−1の次亜塩素酸Naの配合量を50重量%から30重量%に減らして試験を行った。NaClOに対する各塩素安定剤のモル比はNaClO:塩素安定剤=1:0.5とした。
[試験条件]
NaClO 1モルに対して、各塩素安定剤(スルファモイル安息香酸誘導体またはベンゼンスルホンアミド誘導体)0.5モルとなるように配合した。12重量%NaClO溶液を30重量%配合し、NaOHを8重量%配合する製剤とした。配合順序は、いずれも表8の配合組成の欄の上に記載のものから下に記載のものの順とした。
製剤化直後の全残留塩素濃度、および25℃で5日間静置させた後の全残留塩素濃度を測定した。製剤化時に沈殿を生じたものでも、上澄み溶液がわずかでも残るものについては、その上澄み溶液中の全残留塩素濃度を測定した。
[試験結果]
試験結果を表8に示す。実施例5−4−1〜5−4−3の通り、SBA(スルファモイル安息香酸)やその誘導体(CLSBA、DMSBA)を用いた製剤は、沈殿を生成せず、安定な液体製剤が得られた。これらの製剤のうち、SBAとCLSBAの製剤化直後の全残留塩素濃度は3.4重量%(すなわち、有効塩素濃度3.4重量%)とほぼ理論配合量通りの値を示した。DMSBAの製剤化直後の全残留塩素濃度は2.5重量%と理論配合量に比べ、若干低下していた。
一方、比較例5−4−1のBSA製剤は、BSAを配合していくと、白色のゲル状物質となり、時間が経過すると、白色の多量の沈殿を生じ、安定な液体製剤は得られなかった。上澄み溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、2.5重量%と理論塩素配合量に比べて低い濃度であった。比較例5−4−2のNBSA製剤は、NBSAを配合していくと、黄色の沈殿が多量に生じ、安定な液体製剤は得られなかった。比較例5−4−3のABSA製剤は、ABSAを配合していくと、激しく発熱し、ガスが発生し、オレンジ色から次第に茶褐色〜黒色の液体となった。これについては、沈殿が生じず液体製剤は得られたものの、溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、<0.1重量%となっており、安定な液体製剤は得られなかった。比較例5−4−4のMBSA製剤は、白色のゲル状物質となり、時間が経過すると、白色の多量の沈殿を生じ、安定な液体製剤は得られなかった。上澄み溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、2.0重量%と低い濃度であった。比較例5−4−5のHBSA製剤は比較例5−4−3とほぼ同様の傾向を示した。比較例5−4−6のCLBSA製剤は、CLBSAを配合していくと、白色の比重の軽そうな粉末状の沈殿が多量に生じたが、上澄み溶液は透明となった。この上澄み溶液の全残留塩素濃度を測定したところ、全残留塩素濃度は1.9重量%と低く、安定な液体製剤は得られなかった。
<実施例5−5および比較例5−5>
実施例5−1、比較例5−1の次亜塩素酸Naの配合量を50重量%から20重量%に減らして試験を行った。NaClOに対する各塩素安定剤のモル比はNaClO:塩素安定剤=1:0.5,1:1,1:1.5とした。塩素安定剤としては、4−スルファモイル安息香酸(SBA)またはベンゼンスルホンアミド(BSA)を使用した。
[試験条件]
NaClO 1モルに対して、各塩素安定剤(4−スルファモイル安息香酸またはベンゼンスルホンアミド)0.5モル、1.0モル、1.5モルとなるように配合した。12重量%NaClO溶液を20重量%配合し、NaOHを8重量%配合する製剤とした。配合順序は、いずれも表9の配合組成の欄の上に記載のものから下に記載のものの順とした。
製剤化直後の全残留塩素濃度を測定した。製剤化時に沈殿を生じたものでも、上澄み溶液がわずかでも残るものについては、その上澄み溶液中の全残留塩素濃度を測定した。
[試験結果]
試験結果を表9に示す。実施例5−5−1〜5−5−3のSBA製剤は、沈殿を生成せず、いずれも安定な液体製剤が得られた。一方、比較例5−5−1〜5−5−3のBSA製剤は、いずれも白色の沈殿を生じ、安定な液体製剤は得られなかった。
<実施例5−6および比較例5−6>
実施例5−1、比較例5−1の次亜塩素酸Naの配合量を50重量%から10重量%に減らして試験を行った。NaClOに対する各塩素安定剤のモル比はNaClO:塩素安定剤=1:1とし、pHは9.7または13.8とした。塩素安定剤としては、4−スルファモイル安息香酸(SBA)またはベンゼンスルホンアミド(BSA)を使用した。
[試験条件]
NaClO 1モルに対して、各塩素安定剤(4−スルファモイル安息香酸またはベンゼンスルホンアミド)1.0モルとなるように配合した。12重量%NaClO溶液を10重量%配合し、NaOHをpHが9.7または13.8になるように配合する製剤とした。配合順序は、いずれも表10の配合組成の欄の上に記載のものから下に記載のものの順とした。
製剤化直後の全残留塩素濃度を測定した。製剤化時に沈殿を生じたものでも、上澄み溶液がわずかでも残るものについては、その上澄み溶液中の全残留塩素濃度を測定した。
[試験結果]
試験結果を表10に示す。pH13.8の条件下では、実施例5−6−2の4−スルファモイル安息香酸では、沈殿を生じず、液体製剤が得られた。また、比較例5−6−2のベンゼンスルホンアミドも沈殿を生じず、液体製剤が得られたものの、−5℃5日放置後に沈殿が生じた。一方、pH9.7の条件下では、実施例5−6−1の4−スルファモイル安息香酸、比較例5−6−1のベンゼンスルホンアミドともに液体製剤が得られたものの、ベンゼンスルホンアミド製剤では25℃5日放置後に沈殿が生じた。このことから、4−スルファモイル安息香酸の場合、比較的低いpHでも安定な製剤が得られるが、ベンゼンスルホンアミドの場合、有効塩素濃度の配合量を低くしても、比較的低いpHでは安定な製剤が得られないことがわかる。また、ベンゼンスルホンアミドの場合、pH13.8の条件下では液体製剤化が可能ではあるが、被処理水に添加したときに被処理水のpHを大幅に上昇させる可能性がある。
<実施例6および比較例6>
4−スルファモイル安息香酸について、酸化剤として、塩素系酸化剤である次亜塩素酸Naを使用した場合と、臭素系酸化剤である次亜臭素酸(本比較例では、次亜塩素酸とNaBrとの反応により次亜臭素酸を系内で生成させた)を使用した場合の比較を行った。
[試験条件]
配合順序は、実施例6では、表11の配合組成の欄の上に記載のものから下に記載のものの順とした。比較例6では、水→臭化ナトリウム→12重量%NaClO(これによりNaBrOが系内で生成)→NaOH→4−スルファモイル安息香酸の順で添加して製剤化を行った。
[試験結果]
試験結果を表11に示す。酸化剤として、塩素系酸化剤である次亜塩素酸Naを使用した場合(実施例6−1,6−2)は、安定な液体製剤が得られた。一方、酸化剤として、臭素系酸化剤である次亜臭素酸を使用した場合(比較例6−1,6−2)、実施例6−1または実施例6−2と同じ有効塩素濃度では、4−スルファモイル安息香酸を配合した時点で白色の沈殿が多量に生じ、安定な液体製剤は得られなかった。このことから、有効塩素濃度が比較的高い製剤にあっては、同濃度であっても、次亜塩素酸の場合は安定な液体製剤が得られるのに対して、次亜臭素酸の場合は安定な液体製剤が得られなかった。
<実施例7および比較例7>
次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸の混合製剤および次亜塩素酸Naとベンゼンスルホンアミドの混合製剤を、水系に過剰に添加した場合の腐食性について評価するため、腐食試験を行った。
[試験条件]
腐食性の試験条件としては、JIS K0100−1990 工業用水腐食性試験方法に参考として記載されている回転法による炭素鋼の質量減から腐食速度を求めた。
試験水:相模井水原水(pH6.9(薬剤添加後にpH7.5に調整)、電気伝導率284μS/cm、全硬度112mgCaCO/L、酸消費量(pH4.8)20mgCaCO/L、シリカ41mgSiO/L)
使用薬剤:(実施例7−1)次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸の混合製剤(組成は表12参照)
(実施例7−2)次亜塩素酸Naとベンゼンスルホンアミドの混合製剤(組成は表12参照)
添加濃度:それぞれ全残留塩素濃度が100mg/Lとなるように添加
試験片 :SS−400(#400)
試験片表面積:0.316dm
試験温度:35℃
回転速度:150rpm
試験期間:7日間
評価項目:(1)腐食速度(mdd)
(2)全残留塩素濃度
腐食速度に関しては、試験終了後に試験片(SS−400)を、酸洗浄用腐食抑制剤を加えた15%塩酸で洗浄し、質量減を求め、そこから下式(A)により、試験片の表面積1dmに対する1日当たりの腐食減量のmg数、すなわちmdd(mg/dm・day)を求め、評価した。
W=(M1−M2)/(S×T) (A)
ここで、W:腐食速度(mdd)、M1:試験片の試験前の質量(mg)、M2:試験片の試験後の質量(mg)、S:試験片の表面積(dm)、T:試験日数である。
[試験結果]
試験結果を表12に示す。実施例7−1は、比較例7−1に比べて腐食速度(mdd)が小さかった。このことから、次亜塩素酸Naとベンゼンスルホンアミドの混合製剤よりも、次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸の混合製剤の方が、水系において炭素鋼などの金属の腐食を最小限に抑えながら、殺菌殺藻、スライム剥離などを行うことができるといえる。
また、実施例7−1の次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸の混合製剤の方が、全残留塩素濃度の残存率が高かった。このことから、次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸の混合製剤の方が、水系において有効塩素成分が炭素鋼などの金属を酸化して無効消費されることを最小限に抑えながら、殺菌殺藻、スライム剥離などを行うことができるといえる。
このように次亜塩素酸Naとベンゼンスルホンアミドの混合製剤と、次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸の混合製剤とで差異が認められる原因については、詳細は不明であるが、(1)次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸との反応生成物において、結合塩素がより安定であり、その結果として金属などを腐食させにくい、(2)次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸との反応生成物は、カルボキシル基を有していることにより、この部分が金属表面に吸着して皮膜を形成し、腐食を抑制している、などが考えられる。
<実施例8>
4−スルファモイル安息香酸のうち、製造工程でコバルトを触媒として不使用のもの(ロットA)と、使用するもの(ロットB)とを用い、それぞれ次亜塩素酸Naと反応させ、反応生成物の沈殿生成の有無を目視で確認した。結果を表13に示す。
実施例8−1のコバルトを含まない4−スルファモイル安息香酸(ロットA)を用いた製剤では、沈殿生成は認められなかった。それに対して、実施例8−2,8−3のコバルトを含む4−スルファモイル安息香酸(ロットB)を用いた製剤では、茶色の沈殿が認められた。この沈殿物を蛍光X線分析装置(理学製、ZSX100e型)で定性分析したところ、コバルト、ナトリウム等が検出された。
<実施例9>
コバルト含有量が1.0mg/L未満である4−スルファモイル安息香酸(東京化成工業(株)製)を用いて、表14の配合組成で混合した製剤を各100mLずつ用意し、そこにコバルト標準液(コバルト1004mg/L、関東化学(株)製)を所定量ずつ加え、その際の沈殿生成を目視で確認した。また、コバルト濃度と沈殿生成量の関係について調べるため、製剤した溶液中の懸濁物質を、工場排水試験方法 JIS K0102:2008に準拠した方法で測定した。結果を表14,表15に示す。具体的な測定方法を以下に示す。
各製剤約100mLを吸引ろ過し、ろ過材上に残留した物質を105℃〜110℃で1日間乾燥し、その質量を測定し、下式から懸濁物質濃度(mg/L)を測定した。なお、ろ過材としては、ガラス繊維ろ紙(ADVANTEC製、品名GS−25、孔径約1μm、直径47mm)を用いた。
S(mg/L)=(a−b)×1000/V
(式中、S:懸濁物質濃度(mg/L)、a:懸濁物質を含んだろ過材の質量(mg)、b:ろ過材の質量(mg)、V:試料の量(mL)である。)
実施例9−1から、製剤中のコバルト濃度が1.0mg/L未満の場合、沈殿生成は認められなかった。実施例9−2から、製剤中のコバルト濃度が1.0mg/Lの場合も、肉眼では沈殿生成は認められなかった。また、懸濁物質濃度も実施例9−1とほぼ同等であった。実施例9−3〜9−6から、製剤中のコバルト濃度が5.0mg/L以上の場合、茶色の微細な粉末状の沈殿が少量認められた。製剤中のコバルト濃度が高くなるにつれ、沈殿生成量が増えた。これについては、懸濁物質が増えていることからも明らかである。以上のことから、コバルト濃度と沈殿生成量には正の相関があるといえ、製剤中のコバルト濃度が5.0mg/L以上になると微細な粉末状の沈殿が少量生成することが確認できた。
表14の製剤について、NaOHの配合量を6重量%から3.8重量%に低減させ、製剤pHを13.7から12.2にした条件で、上記と同様の試験を行った。結果を表15に示す。
実施例9−7から、製剤中のコバルト濃度が1.0mg/L未満の場合、沈殿生成は認められなかった。実施例9−8から、製剤中のコバルト濃度が1.0mg/Lの場合も、肉眼では沈殿生成は認められなかった。また、懸濁物質濃度も実施例9−7とほぼ同等であった。実施例9−9〜9−12から、製剤中のコバルト濃度が5.0mg/L以上の場合、茶色の微細な粉末状の沈殿が少量認められた。以上のことから、上記同様、製剤中のコバルト濃度が5.0mg/L以上になると微細な粉末状の沈殿が少量生成することが確認できた。
以上の通り、製剤中に含まれるコバルト濃度が、5.0mg/L未満であることが好ましく、1.0mg/L以下であることがより好ましいことがわかった。
<実施例10および比較例10>
次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸との混合製剤および次亜塩素酸Naとスルファミン酸との混合製剤を、鉄(炭素鋼)、銅およびアルミニウムの金属材料を装置の構成部材とする水系に過剰に添加した場合の腐食性について評価するため、腐食試験を行った。
[試験条件]
試験条件としては、JIS K0100−1990 工業用水腐食性試験方法に参考として記載されている回転法による鉄(炭素鋼)、銅およびアルミニウムの質量減から腐食速度を求めた。
試験水 :相模原市井水原水(pH6.9(薬剤添加後にpH7.5に調整)、電気伝導率284μS/cm、全硬度112mgCaCO/L、酸消費量(pH4.8)20mgCaCO/L、シリカ41mgSiO/L)
使用薬剤:(1)次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸との混合製剤(組成は表16参照)
(2)次亜塩素酸Naとスルファミン酸との混合製剤(組成は表16参照)
添加濃度:それぞれ全残留塩素濃度が60mg/Lとなるように添加
試験片 :SS−400(炭素鋼、#400)、C1220P(銅、#400)、Al050P(アルミニウム、#400)
試験片表面積:0.316dm
試験温度:35℃
回転速度:150rpm
試験期間:7日間
評価項目:腐食速度(mdd)
腐食速度に関しては、試験終了後に試験片を酸洗浄し、質量減を求め、そこから下式により、試験片の表面積1dmに対する1日当たりの腐食減量のmg数、すなわちmdd(mg/dm・day)を求め、評価した。結果を表17に示す。
W=(M−M)/(S×T)
(式中、W:腐食速度(mdd)、M:試験片の試験前の質量(mg)、M:試験片の試験後の質量(mg)、S:試験片の表面積(dm)、T:試験日数(day)
表17に示す通り、鉄、銅、アルミニウムいずれの金属に対しても、実施例10は比較例10よりも低い腐食性を示した。
実施例10の製剤および比較例10の製剤の炭素鋼と銅に対する腐食性に関して、さらに詳しい比較を行った。薬剤の添加濃度を全残留塩素として「1〜60mg/L」とし、試験片を「SS−400(炭素鋼、#400)」と「C1220P(銅、#400)」のみとしたこと以外は、前述の試験と同じ条件で実施した。
試験結果を図1,2に示す。実施例10の製剤は比較例10の製剤に比べて、全般的に鉄および銅に対する腐食性は低いが、特に、全残留塩素6mg/L以上(特に12mg/L以上)の範囲ではその傾向が顕著である。このことより、誤って水中に薬剤を過剰に添加した場合や、十分な殺菌効果を得るために薬剤を高濃度で添加する場合において、次亜塩素酸Naとスルファミン酸との混合製剤より、次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸との混合製剤の方が、腐食トラブルを引き起こす危険性が低いと言える。
このように、次亜塩素酸Naと4−スルファモイル安息香酸との混合製剤と、次亜塩素酸Naとスルファミン酸との混合製剤との間で、腐食性に関する差異が見られる理由について詳細は不明であるが、4−スルファモイル安息香酸のベンゼン環やカルボキシル基が、何らかの腐食性緩和作用を及ぼしていると考えられる。
前述の腐食試験時の全残留塩素濃度を表18に示す。
炭素鋼について、本試験条件下ではどの検体も腐食がある程度進行しており、全残留塩素が低濃度の場合、これらの大半が鉄スラッジ等によって消費されていたため、全残留塩素濃度60mg/Lのデータのみを記載した。いずれの場合も、全残留塩素濃度は実施例10の製剤の方が比較例10の製剤を上回っており、特に薬剤添加濃度が高い範囲において、この傾向は顕著である。このことより、実施例10の製剤は比較例10の製剤より殺菌効果においても優れていると言える。

Claims (13)

  1. 塩素系酸化剤と、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つとを含有することを特徴とする殺菌殺藻剤組成物。
  2. 請求項1に記載の殺菌殺藻剤組成物であって、
    前記塩素系酸化剤が、次亜塩素酸およびその塩のうち少なくとも1つであることを特徴とする殺菌殺藻剤組成物。
  3. 請求項1または2に記載の殺菌殺藻剤組成物であって、
    前記スルファモイル安息香酸およびその誘導体が、4−スルファモイル安息香酸、2−スルファモイル安息香酸、4−クロロ−3−スルファモイル安息香酸、2,3−ジメトキシ−5−スルファモイル安息香酸、2,4−ジクロロ−5スルファモイル安息香酸であることを特徴とする殺菌殺藻剤組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の殺菌殺藻剤組成物であって、
    前記殺菌殺藻剤組成物の全残留塩素濃度が、1〜12重量%の範囲であることを特徴とする殺菌殺藻剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の殺菌殺藻剤組成物であって、
    前記塩素系酸化剤の有効塩素1モルに対して、前記スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つが、0.1〜2モルの範囲で含まれることを特徴とする殺菌殺藻剤組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の殺菌殺藻剤組成物であって、
    前記殺菌殺藻剤組成物のpHが、9.5以上であることを特徴とする殺菌殺藻剤組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の殺菌殺藻剤組成物であって、
    前記殺菌殺藻剤組成物に含まれるコバルト濃度が、5.0mg/L未満であることを特徴とする殺菌殺藻剤組成物。
  8. 塩素系酸化剤と、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つとを水系に添加することを特徴とする水系の殺菌殺藻方法。
  9. 請求項8に記載の水系の殺菌殺藻方法であって、
    前記水系が、金属材料を構成部材として有する水系であることを特徴とする水系の殺菌殺藻方法。
  10. 請求項9に記載の水系の殺菌殺藻方法であって、
    前記金属材料が、鉄および銅のうちの少なくとも1つであることを特徴とする水系の殺菌殺藻方法。
  11. 請求項9または10に記載の水系の殺菌殺藻方法であって、
    全残留塩素濃度が、6mg/L以上になるように添加することを特徴とする水系の殺菌殺藻方法。
  12. 請求項9または10に記載の水系の殺菌殺藻方法であって、
    全残留塩素濃度が、12mg/L以上になるように添加することを特徴とする水系の殺菌殺藻方法。
  13. 塩素系酸化剤とアルカリとを含む水溶液を調整する工程と、
    前記水溶液に、スルファモイル安息香酸およびその誘導体のうち少なくとも1つを添加する工程と、
    を含むことを特徴とする殺菌殺藻剤組成物の製造方法。
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