JP2010088395A - 微生物による環状アミノ酸の製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
間体または原料として利用した例は多い(非特許文献1、特許文献1〜8参照)。従って、光学純度の高い光学活性環状アミノ酸である(S)−ピペコリン酸、(S)−3−モル
ホリンカルボン酸、(R)−3‐チオモルホリンカルボン酸、5−ヒドロキシ-(S)-ピペコリン酸等は、合成医農薬品の原料として有用な化合物である。
光学活性アジリジン−2−カルボン酸誘導体を出発物質として、3段階の合成反応(2−クロロエタンの付加、ベンジル基の脱離およびトリエチルアミン環化剤として使用する環化反応)を経て製造する方法(非特許文献2、3参照)、
L−セリン誘導体から5段階の合成反応を経て製造する方法(非特許文献4参照)、
ジアミノ酸等からα位のアミノ基を脱アミノ化して1位に二重結合をもつ環状アミノ酸を生成する酵素(たとえばアミノ酸オキシダーゼ)と、シュードモナス属の微生物等から得られるN−メチル−L−アミノ酸デヒドロゲナーゼとを用いた酵素反応によって、L−4−オキサリジンから中間体の上記環状アミノ酸を経て(S)−3−モルホリンカルボン酸を製造する方法(特許文献9参照)が知られている。
L−リジンやその誘導体を出発物質として、亜硝酸ナトリウムによるα位アミノ基のジアゾ化および水酸化バリウムや水酸化ナトリウムを環化剤として用いる環化反応によって(S)−ピペコリン酸を製造する方法(非特許文献5、特許文献10参照)、
L−α−アミノカプロン酸のε位にエチレンアセタールを持つ化合物を酸性条件下で還元して(S)−ピペコリン酸を製造する方法(特許文献11参照)、
前述のようにシュードモナス属の微生物から得られるN−メチル−L−アミノ酸デヒドロゲナーゼなどを用いた酵素反応によってL−リジンからから(S)−ピペコリン酸を製
造する方法(特許文献9参照)、
アルカリゲネス属、プロデンシア属、プロテウス属、バチルス属、アグロバクテリウム属、モルガネラ属、プラノコッカス属の何れかに属する微生物を用いて菌体反応によってL−リジンから(S)−ピペコリン酸を製造する方法(特許文献12参照)、
フラボバクテリウム属の微生物等が有するリジン−6−アミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子(lat)と大腸菌やコリネ型細菌等が有するピロリン−5−カルボン酸レ
ダクターゼをコードする遺伝子(proC)とが導入された組換え大腸菌を用いた培養変換によって、あるいはそのような組換え大腸菌の菌体破砕液を用いて、L−リジンからデルタ−1−ピペリデイン−2−カルボン酸を経て(S)−ピペコリン酸を製造する方法(特許文献13参照)、
アグロバクテリウム属の微生物が有するオルニチンシクロデアミナーゼまたはこれと相同のストレプトミセス属の微生物が有する酵素を用いた酵素反応により、あるいはこれらの酵素をコードする遺伝子(ocd、pipA、rapL)が導入された組換え大腸菌の菌体破砕液
を用いて、L−リジンから(S)−ピペコリン酸を製造する方法(特許文献14参照)、
ノイロスポラ属、シュードモナス属、大腸菌及びメタノール資化性菌などの微生物起源の、または豚腎などの動物起源のD−アミノ酸オキシダーゼと水素化ホウ素等の還元剤とを、D−またはDL−ピペコリン酸に作用させ、D−ピペコリン酸からΔ1−ピペリデイ
ン−2−カルボン酸への選択的な酸化と還元剤によるラセミ体の生成反応との共役反応により(S)−ピペコリン酸を製造する方法(特許文献15参照)、
N−保護−D−ピペコリン酸誘導体を加水分解しうる酵素(D−アミノアシラーゼ)を用いた酵素反応により、または当該酵素を含有するアルスロバクター属の微生物を用いた菌体培養により、ラセミ体ピペコリン酸誘導体から(S)−ピペコリン酸を製造する方法(特許文献16参照)、
アルカリゲネス属の微生物が有するN−アシル−ピペコリン酸アシラーゼを用いた酵素反応による、N−アセチル−(R,S)−ピペコリン酸の立体選択的な加水分解により(S)−ピペコリン酸を製造する方法(特許文献17参照)、
シュードモナス属またはクレブシエラ属の微生物を用いた菌体反応により、あるいはこれらの微生物に含まれるS−アミノ酸アミダーゼを用いた酵素反応により、(R,S)−ピペコリン酸アミドから(S)−ピペコリン酸を製造する方法(特許文献18参照)、
(±)−ピペコリン酸を溶媒中で光学分割剤としてのS−(−)−2−フェノキシプロピオン酸と反応させ、生成した難水溶性のS−(−)−ピペコリン酸・S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸塩を回収し、これを酸で複分解することにより光学的に純粋なS−(−)−ピペコリン酸を製造する方法(特許文献19参照)、
ハロゲン基を側鎖末端に有し、アミノ基がアセチル基等で保護されたアミノ酸誘導体(たとえば比較的安価なアセタミドマロン酸ジエチルから4段階の合成反応を経て得られるN−アセチル−2−アミノ−6−ブロモヘキサン酸)のラセミ体溶液に、アスペルギルス属の微生物が有するL−アミノアシラーゼを添加し、L−エナンチオマー特異的作用による脱アセチル化を行う酵素反応および分子内環化によって(S)−ピペコリン酸を製造する方法(特許文献20参照)が知られている。
は(R)−3−チオモルホリンカルボン酸の製造方法では、各反応終了時に中間体を反応液から取り出す工程が必要であり、操作が煩雑であることから生産コストが高くなる問題点がある。非特許文献5記載の化学合成による(S)−ピペコリン酸の製造方法も反応工程数が多く操作が煩雑であり、特許文献11の製造方法は原料物質がL−リジンのように安価ではないという問題がある。特許文献19記載の光学分割剤を使用する製造方法では光学分割剤が高価であり、また非修飾ピペコリン酸のみを対象としていて(S)‐3‐モルホリンカルボン酸の製造には利用できないという問題がある。
ロキシ-(S)-ピペコリン酸など製造する方法は、収率が低いことに加え、酵素反応を行うための酵素が高価であったり、酵素の調製を菌体から行う必要があるなど、製造時の工程数増加・製造コスト増という問題がある。特許文献14記載の酵素反応を利用した(S)−ピペコリン酸、(R)−3−チオモルホリンカルボン酸、5−ヒドロキシ-(S)-ピペコリン酸などを製造する方法も、酵素反応を行うための酵素を遺伝子組み換え大腸菌の菌体破砕などにより調製する必要があり、製造時の工程数増加・製造コスト増という問題があるため、必ずしも満足できるものではない。酵素反応を利用してラセミ体から(S)−ピペコリン酸を製造する特許文献15〜17記載の方法もやはり、酵素の調製が煩雑で製造工程が多いという問題がある。特許文献20記載の方法には、酵素反応の基質となる化合物を有機合成により調製するため工程数が多いという問題もある。
る微生物を利用して(S)−ピペコリン酸を製造する方法では、菌体反応に使用する微生物の生産時の培養温度が20℃という低温であり、工業的に製造する場合にはコスト増要因となる。また、この菌体反応における最大生産量も約4.2g/Lと低く工業的に満足できるものではなかった。更に、L−リジン以外のジアミノ酸を原料にして(S)−ピペコリン酸以外の環状アミノ酸を製造することに関する記載が全く無いため、(S)‐3‐モ
ルホリンカルボン酸等の製造に応用できるかどうか不明である。
カルボン酸等の製造に応用できるかどうか不明である。特許文献18記載のラセミ体ピペコールアミドからシュードモナス属またはクレブシエラ属の微生物を利用した菌体反応による(S)−ピペコリン酸製造方法には光学純度が低いという問題がある。
式(I)
−NR'C(O)R、−SiR及び−SiOR(R、R'及びR"は、同一のまたは相違する
、水素または2〜20の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖の飽和のまたは全体的に若しくは部分的に不飽和の炭化水素基を表す。)の内から選択する一個または数個の同じまたは異なる基によって置換されていてもよく、R'とR"は、それらを有する原子と共に環を形成していてもよい。]で示されるL−ジアミノ酸および/またはその塩類を、式(II)
からL−4−オキサリジンおよび/またはその塩類を分離・精製することも可能である。また、新たにL−4−オキサリジン生産微生物を自然界から分離して製造に使用してもよい。発酵生産によってL−4−オキサリジンを製造することで、安価に出発物質としてのL−4−オキサリジンを容易に入手することができる。
および5−(R,S)ヒドロキシ−L−および5−(R,S)ヒドロキシ−D−リジン塩酸塩混合物は市販品(和光純薬工業社製など)を購入して使用することができる。
BRC14569(Paracoccus thiocyanatus)、パラコッカス・アミノフィルス NBRC16710(Paracoccus aminophilus)、パラコッカス・アミノボランス NBRC1
6711(Paracoccus aminovorans)、パラコッカス・コクリイ NBRC16713(Paracoccus kocurii)、パラコッカス・アルカリフィルス NBRC16719(Paracoccus alcaliphilus)、パラコッカス・セリニフィルス NBRC100798(Paracoccus
seriniphilus)、パラコッカス・コリエンシス NBRC102292(Paracoccus koreensis)、パラコッカス・パントトロフス NBRC102493(Paracoccus pantotrophus)、パラコッカス・デニトリフィカンス NBRC102528(Paracoccus denitr
ificans)、パラコッカス・エスピー AB10292(Paracoccus sp.AB10292)、パラ
コッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)等があげられる。
(Paracoccus sp. AB10292)株は、本発明者が神奈川県伊勢原市より採取した土壌から新たに分離した菌株である。このAB10292株の菌学的諸性質を次に記載する。
(1)細胞形態:桿菌で大きさは0.1〜1.1×1.1〜2.0μm
(2)ソイビーン・カゼイン・ダイジェスト寒天培地上での生育:生育は良好。コロニー形状は円形、隆起状態は半球状、コロニー周縁は全縁状であり、色調は光沢を帯びたクリーム色である。
(1)グラム染色: −
(2)OFテスト: −
(3)好気条件での生育: +
(4)嫌気条件での生育: −
(5)生育温度:
10℃ +
27℃ +
37℃ −
(6)カタラーゼ: +
(7)オキシダーゼ: +
(8)ウレアーゼ: −
(9)硝酸塩還元性: +
(10)脱窒反応: −
(11)6%食塩耐性: −
(12)β‐ガラクトシダーゼ: −
(13)アルギニンジヒドロラーゼ: −
(14)L−リジンデカルボキシラーゼ: −
(15)L−オルニチンデカルボキシラーゼ: −
(16)クエン酸の利用性: −
(17)硫化水素産生: −
(18)トリプトファミナーゼ: −
(19)インドール産生: −
(20)アセトイン産生: −
(21)ゼラチナーゼ: −
(22)各種糖から酸の生成:
D−グルコース −
D−マンニトール −
D−ソルビトール −
D−メリビオース −
L−ラムノース −
L−アラビノース −
シュークロース −
ミオ‐イノシトール −
D−アミダグリン −
(23)炭素源の資化性
D−グルコース +
D−キシロース +
D−マンニトール −
D−フルクトース −
シュークロース −
ミオ‐イノシトール −
以上のとおりAB10292株の主性状は、グラム陰性の桿菌で好気条件にて生育し、カタラーゼ、オキシダーゼ、硝酸塩還元性が陽性であり、ウレアーゼ、脱窒反応が陰性であった。
Journal of Systematic Bacteriology 誌を参考にして、上記5菌株とAB10292株との生理・生化学的比較試験を行った。
硝酸塩還元活性をAB10292株が硝酸塩還元活性を持つ点で異なった。以上の結果から、生理・生化学的性状の比較を行っても種まで特定することは困難であった。
occus sp.AB10292)株について説明したが、一般的には菌類の菌学上の性状は極めて変化しやすく、一定したものではない。菌類は、自然的あるいは通常行われている紫外線照射、X線照射、変異誘発剤(例えば、N−メチル−N−ニトロ−N−ニトロソグアニジンおよびエチルメタンスルホネート等)または遺伝子組換えを用いる人為的変異手段により変異することは周知の事実である。このような自然変異株ならびに人工変異株も含め、パラコッカス属に属し、光学活性環状アミノ酸を生産する能力を有する菌株はすべて本発明に使用することができる。
業技術総合研究所生物寄託センターに寄託申請され、平成20年7月16日、FERM P―21606号として受託されている。
加してもよいし、培養途中から一度に或いは少量ずつ添加してもよい。培養日数は通常12時間〜7日間であるが、菌体反応時に環状アミノ酸を変換できる活性を有した微生物が生育したときに培養を停止し、培養液から菌体を一般的な方法に準じて回収する。これらの培地組成、培地の液性、培養温度、撹拌速度および通気量等の培養条件は、使用する菌株の種類および外部条件等に応じて好ましい結果が得られるように便宜調節あるいは選抜する。液体培養において発泡がある場合はシリコン油、植物油および界面活性剤等の消泡剤を便宜使用する。
本実施例では、(S)−3−モルホリンカルボン酸及び(S)−ピペコリン酸の定量分
析及び光学純度分析を以下の方法で実施した。
カラム :YMC社製 Hydrosphere C18(内径4.6mm、長さ25cm)
カラム温度 :40℃
検出器 :UV検出器
測定波長 :410nm
溶媒 :A液;アセトニトリル:水(0.04%リン酸)=35:65
B液;アセトニトリル:水(0.04%リン酸)=80:20
流速 :1.0ml/min
グラジエント:測定開始から5分後までA液100%、30分後にA液80%・B液20%となるよう直線的グラジエントを行い、30分から35分までB液100%で溶媒を流した。
内部標準 :2−アミノエタノール
サンプル調製:測定液1mlに活性炭を10mg添加して1分間よく撹拌し、15000rpmで10分間遠心分離を行って遠心上清を得た。その上清中の(S)−3−モル
ホリンカルボン酸または(S)−ピペコリン酸濃度が1mg/ml以下になるよう蒸留水で
希釈し、その希釈液10μl、0.5mg/ml濃度の2−アミノエタノール溶液(0.1M炭酸水素ナトリウム水溶液)90μl、186mg/ml濃度の2,4−ジニトロフ
ルオエロベンゼン溶液(メタノール溶液)50μl、エタノール400μlを混合撹拌後、室温で1時間放置して誘導体化した。
溶出時間 :(S)−3−モルホリンカルボン酸 13.6(min)
(S)−ピペコリン酸 26.7(min)
2−アミノエタノール 9.9(min)
(S)−3−モルホリンカルボン酸及び(S)−ピペコリン酸の光学純度分析法はキラ
ルカラムを用いた高速液体クロマトグラフィーで行った。分析条件は以下の通りである。
カラム :ダイセル社製 CHIRALPAK WH(内径4.6mm、長さ25cm)
カラム温度 :50℃
検出器 :UV検出器
測定波長 :254nm
溶媒 :0.25mM硫酸銅水溶液
流速 :1.0ml/min
溶出時間 :(R)−3−モルホリンカルボン酸 36.9(min)
(S)−3−モルホリンカルボン酸 43.9(min)
(R)−ピペコリン酸 13.7(min)
(S)−ピペコリン酸 20.7(min)
1H‐および13C‐NMRは特に指示がない限り、重水(D2O)の溶液で、日本電子(株)社
製の核磁気共鳴装置(モデルJNM−LA300)を使用して測定した。
パラコッカス・エスピー AB10292(Paracoccus sp.AB10292)株を利用した、培養変換による(S)−3−モルホリンカルボン酸の製造
L−4−オキサリジン一塩酸塩3g/L、酵母エキス2g/L、塩化ナトリウム1g/L、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム1g/L、塩化マンガン4水和物 80μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラ
スコに入れ、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を8ml添加し、更にその培地中にパラコッカス
・エスピー AB10292(Paracoccus sp.AB10292)株をスラントから一白金耳接種した。合計10本の三角フラスコを27℃で3日間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養した。培養終了後、培養液中の(S)−3−モルホリンカルボン酸濃度を測定したところ、375mg/Lであった。
填したカラムに通過させて(S)−3−モルホリンカルボン酸を吸着させ、更に2Lの脱イオン交換水を通過させてカラムを洗浄した後、2%アンモニア水2.5Lで溶出した。(S)−3−モルホリンカルボン酸を含む溶出液を減圧濃縮して乾固させた後、脱イオン交換水250mlを加えて固形物を溶解した。その溶解液をデュオライトC‐20(NH4 +型)250mlを充填したカラムに通過させ、更に2Lの脱イオン交換水でカラムを洗浄して(S)−3−モルホリンカルボン酸を回収した。その通過液と回収液を減圧濃縮して乾固させた後、脱イオン交換水80mlを加えて固形物を溶解した。その溶解液を弱塩基性陰イオン交換樹脂デュオライトA‐368S 80mlを充填したカラムに通過させ
、その後800mlの脱イオン交換水でカラムを洗浄して(S)−3−モルホリンカルボン酸を回収した。
晶をろ別して回収し、乾燥させたところ152mgの白色結晶が得られた。
この結晶のNMR分析における1H-NMRと13C-NMRのケミカルシフト値が、非特許
文献2記載の(S)−3−モルホリンカルボン酸のそれと一致した。
1H-NMR
d (ppm):3.98(1H,dd)、3.77(1H,dt)、3.51‐3.68(3H
,m)、3.17(1H,dt)、3.01(1H,ddd)
13C-NMR
d (ppm):171.3、66.8、64.0、57.7、42.9
また、光学純度を測定するためにHPLC分析を行ったが(R)−3−モルホリンカルボン酸のピークは検出されず、得られた結晶は(S)−3−モルホリンカルボン酸のみであった。
高濃度L‐リジン塩酸塩耐性変異株パラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株の調製
SCD液体培地(日本製薬製)にパラコッカス・エスピー AB10292(Paracoccus sp.AB10292)株を一白金耳植菌し、27℃の往復振とう機で18時間培養した。その培養液1mlを0.85%食塩水で10倍に希釈し直径9cmの滅菌シャーレに分注した後、この菌体懸濁液に東芝製GL-15殺菌灯を使用して紫外線を90秒間照射した。
L、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム 1g/L、 塩化マンガン4水和物 80μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フ
ラスコに入れたフラスコを1本作成し、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を8ml添加し、更に
、そのフラスコに紫外線を照射した菌体懸濁液10mlを接種して、27℃、回転数180rpmのロータリーシェーカーで7日間好気培養した。
パラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株を利用した、培養変換による(S)−3−モルホリンカルボン酸の製造
パラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株を用いる以外は実施例1と同様に実施した。培養液中の(S)−3−モルホリンカルボン酸の生産量は501mg/Lであった。
パラコッカス基準株を利用した、培養変換による(S)−3−モルホリンカルボン酸の製造
表2に示したパラコッカス属に属する種々の基準株を用いる以外は実施例1と同様に実施した。各菌株の培養液中の(S)−3−モルホリンカルボン酸の生産量は表2に示すようであった。
パラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株を利用した、菌体反応による(S)−3−モルホリンカルボン酸の製造
6−アミノヘキサン酸7.2g/L、酵母エキス2g/L、塩化ナトリウム1g/L、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム1g/L、塩化マンガン4水和物
80μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラスコ
に入れ、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を8ml添加し、その培地中にパラコッカス・エスピ
ー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株をスラントから一白金耳接種し、27℃で回転数180rpmのロータリーシェーカーで24時間好気培養して前培養液を作成した。
)をジャファーメンターに2L添加し、更に前培養液300mlを植菌して27℃、攪拌回転数180rpm、通気量1vvmで38時間培養を行った。
リン酸バッファーで溶解)3Lをその回収した菌体に加えて懸濁し、5L容ミニジャーファーメンターに菌体懸濁液を加えた。反応温度27℃、攪拌回転数450rpm、通気量0.5vvmで25時間菌体反応を行った。反応終了後の反応液中の(S)−3−モルホリンカルボン酸濃度を測定したところ、13.8g/Lであった。
カルボン酸を吸着させ、更に5Lの脱イオン交換水でカラムを洗浄した後、2%アンモニア水で溶出した。(S)−3−モルホリンカルボン酸を含む溶出液を減圧濃縮して乾固させた後、脱イオン交換水1Lを加えて固形物を溶解した。その溶解液をデュオライトC‐20(NH4 +型)1Lを充填したカラムに通過させ、更に2Lの脱イオン交換水でカラム
を洗浄して(S)−3−モルホリンカルボン酸を回収した。
パラコッカス・エスピー AB10292(Paracoccus sp.AB10292)株を利用した、培養変換による(S)−ピペコリン酸の製造
L−リジン一塩酸塩10g/L、酵母エキス2g/L、塩化ナトリウム1g/L、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム1g/L、塩化マンガン4水和物 8
0μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラスコに入れ、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を8ml添加し、更にその培地中にパラコッカス・エスピ
ー AB10292(Paracoccus sp. AB10292)株をスラントから一白金耳接種した。合
計10本の三角フラスコを27℃で3日間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養した。培養液中の(S)−ピペコリン酸濃度を測定したところ、5.8g/Lであった。
填したカラムに通過させて(S)−ピペコリン酸を吸着させ、更に4Lの脱イオン交換水でカラムを洗浄した後、2%アンモニア水5Lで溶出した。(S)−ピペコリン酸を含む溶出液を減圧濃縮して乾固させた後、脱イオン交換水500mlを加えて固形物を溶解した。その溶解液をデュオライトC‐20(NH4 +型)500mlを充填したカラムに通過させ、更に2Lの脱イオン交換水でカラムを洗浄して(S)−ピペコリン酸を回収した。その通過液と回収液を減圧濃縮して乾固させた後、脱イオン交換水200mlを加えて固形物を溶解した。その溶解液を弱塩基性陰イオン交換樹脂デュオライトA‐368S 1
00mlを充填したカラムに通過させ、その後このカラムに 1Lの脱イオン交換水を通
過させて(S)−ピペコリン酸を回収した。
この結晶のHPLC分析による溶出時間及びNMR分析における1H-NMRと13C-NM
Rのケミカルシフト値が、標準品である(S)−ピペコリン酸のそれと一致した。
1HNMRデータ:
d(ppm):1.37−1.59(3H,m)、1.70−1.77(2H,m)、2.08(1H,m)、2.86(1H,m)、3.27(1H,m)、3.43(1H,m)
13CNMRデータ:
d(ppm):175.4、59.8、44.5、27.3、22.6、22.4
また、光学純度を測定するためにHPLC分析を行ったが(R)−ピペコリン酸のピークは検出さず、得られた結晶は(S)−ピペコリン酸のみであった。
パラコッカス・エスピー AB10292(Paracoccus sp.AB10292)株を利用した、DL−リジン一塩酸からの培養変換による(S)−ピペコリン酸の製造
DL−リジン一塩酸塩3g/L、酵母エキス2g/L、塩化ナトリウム1g/L、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム 1g/L、塩化マンガン4水和物 80μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラスコに入れ、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を8ml添加し、更にその培地中にパラコッカス・エスピ
ー AB10292(Paracoccus sp.AB10292)株をスラントから一白金耳接種した。その三角フラスコを27℃で3日間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養した。培養液中の(S)−ピペコリン酸濃度を測定したところ、0.76g/Lであった。
パラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株を利用した、培養変換による(S)−ピペコリン酸の製造
L−リジン一塩酸塩5g/L、酵母エキス2g/L、塩化ナトリウム1g/L、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム1g/L、塩化マンガン4水和物 80
μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラスコに入れ、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を8ml添加し、更にその培地中にパラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株をスラントから一白金耳接種した。27℃
で24時間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養して前培養液を作成した。
の培地中に前培養液を5ml接種した。27℃で12日間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養し、培養液中の(S)-ピペコリン酸濃度を測定したところ3
8.4g/Lであった。
パラコッカス属基準株を利用した、培養変換による(S)−ピペコリン酸の製造
L−リジン一塩酸塩3g/L、酵母エキス2g/L、塩化ナトリウム1g/L、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム1g/L、塩化マンガン4水和物80μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラスコに入れ、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前にそのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を8ml添加し、更にその培地中に表3に示したパラコッカ
ス属に属する種々の菌株をスラントから一白金耳接種した。その後、27℃で3日間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養した。各菌株培養液中の(S)−ピペコリン酸生産量は表3に示すようであった。
パラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株を利用した、菌体反応による(S)−ピペコリン酸の製造
6−アミノヘキサン酸7.2g/L、酵母エキス2g/L、塩化ナトリウム 1g/L
、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム1g/L、塩化マンガン4水和物 80μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラス
コに入れたフラスコを10本作成し、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を8ml添加し、その培
地中にパラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株をスラントから一白金耳接種して、27℃で2日間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養した。
パラコッカス・エスピー AB10292(Paracoccus sp.AB10292)株を利用した、培養変換によるtrans−5−ヒドロキシ-(S)-ピペコリン酸及びcis−5−ヒドロキシ-(S)-ピペコリン酸の製造
5−ヒドロキシ−DL−リシン塩酸塩3.3g/L(和光純薬製)、酵母エキス2g/L
、塩化ナトリウム 1g/L、リン酸2水素カリウム0.29g/L、リン酸水素2ナトリウム12水和物 6.86g/L、塩化マンガン4水和物 80μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラスコに入れ、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L
)を8ml添加し、更にその培地中にパラコッカス・エスピー AB10292(Paracoccus sp.AB10292)株をスラントから一白金耳接種した。この三角フラスコ3本を27℃で3日間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養した。
を充填したカラムに通過させてニンヒドリン発色物質を吸着させ、更に500mLの脱イオン交換水でカラムを洗浄した後、2%アンモニア水500mLで溶出した。溶出液を減圧濃縮して乾固させた後、脱イオン交換水50mlを加えて固形物を溶解した。その溶解液を強酸性陽イオン交換樹脂デュオライトC‐20(NH4 +型)50mlを充填したカラムに通過させ、更に250mLの脱イオン交換水でカラムを洗浄してニンヒドリン発色物質を回収した。その通過液と回収液を減圧濃縮して乾固させた後、脱イオン交換水50mlを加えて固形物を溶解した。その溶解液を強塩基性陰イオン交換樹脂デュオライトA‐113(CH3COO-型) 10mlを充填したカラムに通過させ、更に50mlの脱イ
オン交換水でカラムを洗浄してニンヒドリン発色物質を回収した。
)200mlを充填したカラムを用いて溶解液のカラムクロマトグラフィーを行い、Rf値=0.356を示す物質を44mg、Rf値=0.308を示す物質を84mg単離した。
Rのケミカルシフト値が、非特許文献7に記載されているtrans−5−ヒドロキシ-
(S)-ピペコリン酸のそれと一致した。また、この物質の比旋光度は[α]D=−20.2°(c;1.0、H2O、23℃)であった。
1HNMRデータ:
d(ppm):1.54−1.64(1H,m)、1.68−1.81(1H,m)、2.01−2.10(1H,m)、2.24−2.33(1H,m)、2.78−2.86(1H,m)、3.43(1H,dd)、3.59(1H,dd)、3.94(1H,m)
13CNMRデータ:
d(ppm):173.8、63.2、58.0、47.2、29.8、23.8
用した基質から考えてcis−5−ヒドロキシ-(S)-ピペコリン酸と考えられる。また、この物質の比旋光度は[α]D=−30.6°(c;2.0、H2O、23℃)であった。1HNMRデータ:
d(ppm):1.77−2.14(4H,m)、3.19(1H,dd)、3.32(1H,dt)、3.63(1H,dd)、4.15−4.19(1H,m)
13CNMRデータ:
d(ppm):173.4、60.8、2、58.0、47.5、27.6、20.5
パラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株を利用した、菌体反応によるtrans−5−ヒドロキシ-(S)-ピペコリン酸及びcis−5−ヒドロキシ-(S)-ピペコリン酸の製造
6−アミノヘキサン酸 7.2g/L、酵母エキス2g/L、塩化ナトリウム 1g/L、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム 1g/L、 塩化マンガン4水和物 80μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラ
スコに入れたフラスコを2本作成し、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を8ml添加し、その培
地中にパラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株をスラントから一白金耳接種し、27℃で40時間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養した。
00mMリン酸バッファーで溶解)20mLをその回収した菌体に加えて懸濁し、100ml容三角フラスコに菌体懸濁液を加えた。その後、反応温度27℃、回転数160rpmのロータリーシェーカーで32時間菌体反応を行った。
)。
パラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株を利用した、培養変換による(R)−3−チオモルホリンカルボン酸の製造
L−アラニン20mg/L、L−グルタミン酸水素ナトリウム一水和物20mg/L、L−バリン20mg/L、L−イソロイシン20mg/L、L−ロイシン20mg/L、チアミン塩酸塩5mg/L、(+)ビオチン0.1mg/L、シアノコバラミン2.5m
g/L、塩化ナトリウム1g/L、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム1g/L、硫酸鉄7水和物250μg/L、硫酸銅5水和物250μg/L、塩化カルシウム2.5mg/L、硫酸亜鉛7水和物500μg/L、塩化マンガン4水和物500μg/L、塩化ニッケル6水和物250μg/L、モリブデン酸ナトリウム2水和物250μg/L、ヨウ化カリウム5μg/L、ホウ酸25μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラスコに入れたフラスコを10本作成し、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコにL−4−チアリジン一塩酸塩水溶液(20g/L、pH7.0)10mlを各フラスコにろ過滅菌して添加した。同様に別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を各フラスコに8ml添加し、その培
地中にパラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株をスラントから一白金耳接種し、27℃で90時間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養した。
モルホリンカルボン酸を吸着させ、更に2Lの脱イオン交換水で洗浄した後、2%アンモニア水5Lで溶出した。溶出液を減圧濃縮して乾固させた後、脱イオン交換水250mlを加えて固形物を溶解した。その溶解液を強酸性陽イオン交換樹脂デュオライトC‐20(NH4 +型)250mlを充填したカラムに通過させ、更に2Lの脱イオン交換水でカラムを洗浄した。その通過液と回収液を減圧濃縮して乾固させた後、脱イオン交換水80mlを加えて固形物を溶解した。その溶液を強塩基性陰イオン交換樹脂デュオライトA‐116(CH3COO-型)80mlを充填したカラムに通過させ、更に800mlの脱イオン交換水でカラムを洗浄した。
したカラムを用いてその溶液のカラムクロマトグラフィーを行い、Rf値=0.494を示す物質を含む画分を回収した。その溶液を減圧濃縮して乾固させた後、脱イオン交換水20mlを加えて固形物を溶解し、活性炭による脱色、0.45μmフィルターによるろ過後、その溶液を濃縮しつつメタノールを加えて結晶化させた。結晶をろ別して回収し、乾燥させたところ白色結晶が84mg得られた。
分析結果及び生成に使用した基質から考えて(R)-3-チオモルホリンカルボン酸と考えられる。また、この物質の比旋光度は[α]D=−53.2°(c;2.0、H2O、23℃)であった。
1HNMRデータ:
d(ppm):2.74−2.82(1H,m)、2.89−3.13 (3H,m)、3.29(1H,ddd)、3.69(1H,dt)、3.84(1H,dd)
13CNMRデータ:
d(ppm):172.3、59.3、45.3、27.5、23.8
パラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株を利用した、菌体反応による(R)−3−チオモルホリンカルボン酸の製造
6−アミノヘキサン酸7.2g/L、酵母エキス2g/L、塩化ナトリウム1g/L、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム1g/L、塩化マンガン4水和物
80μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラスコ
に入れたフラスコを4本作成し、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を8ml添加し、その培地中
にパラコッカス・エスピー AB10302(Paracoccus sp.AB10302)株をスラントから一白金耳接種し、27℃で44時間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養した。
10g/L、グルコース 7.5g/LとなるようpH6.98の300mMリン酸バッファーで溶解)40mLをその回収した菌体に加えて懸濁し、200ml容三角フラスコに菌体懸濁液を加えた。その後、反応温度27℃、回転数160rpmのロータリーシェーカーで27時間菌体反応を行った。
ホリンカルボン酸を吸着させ、更に200mlの脱イオン交換水でカラムを洗浄した後、2%アンモニア水で溶出した。ニンヒドリン発色物質を含む溶出液を減圧濃縮して乾固させた後、脱イオン交換水40Lを加えて固形物を溶解した。その溶解液を強酸性陽イオン交換樹脂デュオライトC‐20(NH4 +型)20mlを充填したカラムに通過させ、更に100mlの脱イオン交換水でカラムを洗浄して(R)-3-チオモルホリンカルボン酸を回収した。
COO-型)3mlを充填したカラムに通過させ、更に脱イオン交換水でカラムを洗浄し
て(R)-3-チオモルホリンカルボン酸を回収した。
D−リジン一塩酸塩3g/L、酵母エキス2g/L、塩化ナトリウム1g/L、リン酸2水素カリウム2g/L、リン酸水素2カリウム1g/L、塩化マンガン4水和物80μg/L、pH8.0の培地100mlをバッフル付き500ml容三角フラスコに入れ、121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。植菌直前そのフラスコに別滅菌したグルコース溶液(250g/L)を8ml添加し、更にその培地中にパラコッカス・エスピー AB10292(Paracoccus sp.AB10292)株をスラントから一白金耳接種した。その三角
フラスコを27℃で3日間、回転数180rpmのロータリーシェーカーで好気培養した。培養終了後の培養液中に(S)-ピペコリン酸及び(R)-ピペコリン酸のいずれも検出されなかった。
Claims (9)
- 式(I)
−NR'C(O)R、−SiR及び−SiOR(R、R'及びR"は、同一のまたは相違する
、水素または2〜20の炭素原子を有する直鎖若しくは分枝鎖の飽和のまたは全体的に若しくは部分的に不飽和の炭化水素基を表す。)の内から選択する一個または数個の同じまたは異なる基によって置換されていてもよく、R'とR"は、それらを有する原子と共に環を形成していてもよい。]で示されるL−ジアミノ酸および/またはその塩類を、式(II)
- 前記式(I)で示されるL−ジアミノ酸および/またはその塩類を、前記式(II)で示される環状アミノ酸および/またはその塩類に変換する活性を有するパラコッカス属に属する微生物の菌体を、前記式(I)で示されるL−ジアミノ酸および/またはその塩類を含有する溶液、あるいは前記式(I)で示されるL−ジアミノ酸および/またはその塩類とそれらに対応するD−ジアミノ酸および/またはその塩類とからなる鏡像体混合物を含有する溶液と懸濁し、前記式(II)で示される環状アミノ酸および/またはその塩類を生成させることを特徴とする光学活性環状アミノ酸製造方法。
- 前記式(I)で示されるL−ジアミノ酸がL-4-オキサリジンであり、前記式(II)で示される環状アミノ酸が(S)−3−モルホリンカルボン酸である、請求項1または2に記載の光学活性環状アミノ酸製造方法。
- 前記式(I)で示されるL−ジアミノ酸がL-リジンであり、前記式(II)で示され
る環状アミノ酸が(S)−ピペコリン酸である、請求項1または2に記載の光学活性環状ア
ミノ酸製造方法。 - 前記式(I)で示されるL−ジアミノ酸が5−ヒドロキシ−L−リジンであり、前記前記式(II)で示される環状アミノ酸がtrans−5−ヒドロキシ−(S)−ピペコリン酸である、請求項1または2に記載の光学活性環状アミノ酸製造方法。
- 前記式(I)で示されるL−ジアミノ酸が5−ヒドロキシ−L−リジンであり、前記式(II)で示される環状アミノ酸がcis−5−ヒドロキシ−(S)−ピペコリン酸である、請求項1または2に記載の光学活性環状アミノ酸製造方法。
- 前記式(I)で示されるL−ジアミノ酸がL-4-チアリジンであり、前記式(II)で示される環状アミノ酸が(R)−3−チオモルホリンカルボン酸である、請求項1または2に記載の光学活性環状アミノ酸製造方法。
- 前記パラコッカス属に属する微生物が、パラコッカス・エスピー AB10292株(Paracoccus sp. AB10292 FERM P-21605)またはその変異株パラコッカス・エスピー AB
10302株(Paracoccus sp. AB10302 FERM P-21606)であることを特徴とする、請求
項1〜7のいずれかに記載の光学活性環状アミノ酸製造方法。 - 前記式(I)で示されるL−ジアミノ酸および/またはその塩類を、前記式(II)で示される環状アミノ酸および/またはその塩類に変換する活性を有するパラコッカス属に属する微生物である、パラコッカス・エスピー AB10292株(Paracoccus sp. AB10292 FERM P-21605)およびその変異株であるパラコッカス・エスピー AB10302株
(Paracoccus sp. AB10302 FERM P-21606)。
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