JP2018537075A - 発酵による生物産物の製造のための酵母成長の増強方法、及び該方法のための栄養組成物 - Google Patents

発酵による生物産物の製造のための酵母成長の増強方法、及び該方法のための栄養組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2018537075A
JP2018537075A JP2018520140A JP2018520140A JP2018537075A JP 2018537075 A JP2018537075 A JP 2018537075A JP 2018520140 A JP2018520140 A JP 2018520140A JP 2018520140 A JP2018520140 A JP 2018520140A JP 2018537075 A JP2018537075 A JP 2018537075A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
surfactant
steep liquor
nutritional composition
corn steep
yeast
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018520140A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018537075A5 (ja
Inventor
バヨンド,ジョン,ポール
ジャケス,パーシー
Original Assignee
バックマン ラボラトリーズ インターナショナル,インコーポレイティド
バックマン ラボラトリーズ インターナショナル,インコーポレイティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by バックマン ラボラトリーズ インターナショナル,インコーポレイティド, バックマン ラボラトリーズ インターナショナル,インコーポレイティド filed Critical バックマン ラボラトリーズ インターナショナル,インコーポレイティド
Publication of JP2018537075A publication Critical patent/JP2018537075A/ja
Publication of JP2018537075A5 publication Critical patent/JP2018537075A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • C12P7/04Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
    • C12P7/06Ethanol, i.e. non-beverage
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/14Fungi; Culture media therefor
    • C12N1/16Yeasts; Culture media therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/14Fungi; Culture media therefor
    • C12N1/16Yeasts; Culture media therefor
    • C12N1/18Baker's yeast; Brewer's yeast
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/38Chemical stimulation of growth or activity by addition of chemical compounds which are not essential growth factors; Stimulation of growth by removal of a chemical compound
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/64Fats; Fatty oils; Ester-type waxes; Higher fatty acids, i.e. having at least seven carbon atoms in an unbroken chain bound to a carboxyl group; Oxidised oils or fats
    • C12P7/6436Fatty acid esters
    • C12P7/6445Glycerides
    • C12P7/6463Glycerides obtained from glyceride producing microorganisms, e.g. single cell oil
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Abstract

生物産物の製造のために酵母成長を増強する方法が記載されている。発酵による生物産物の製造方法も提供される。該方法において使用される栄養組成物も記載されている。栄養組成物と、酵母培養物(又は真菌、藻類、若しくは細菌培養物)と、糖類とを含有する液体混合物も提供される。
【選択図】図1A

Description

本願は、2015年10月20日付けで出願された先の米国仮特許出願第62/243,717号(その内容全体が引用することにより本明細書の一部をなす)の米国特許法第119条(e)項に基づく利益を主張するものである。
本発明は、細胞培養及び発酵による生物産物の製造のための酵母成長の増強方法、並びにそのような用途のための栄養組成物、並びに該栄養組成物を含有する発酵可能なバイオマス混合物に関する。
微生物は、エタノール、アセトン、ブタノール、有機酸、脂質、油、酵素、タンパク質、特定の炭水化物、抗生物質、及びその他の産物等の多くの種類の産物の製造のために発酵において使用される。バイオマスの発酵によるエタノールの製造は、近年、代替燃料又は生物燃料の供給源として大きな注目が集められている。
細胞培養法及び発酵物の製造法において、これらの操作を改善する目的で使用される様々な添加剤が記載されている。
非特許文献1では、キシロース発酵性酵母によるD-キシロースの発酵における、窒素、アミノ酸、ビタミン及びその他の栄養素の唯一の供給源としてコーンスティープリカーを含有する培地の使用が記載されており、酵母成長の促進における、コーンスティープリカーを含有する培地の効率とその他の窒素源を含有するその他の培地の効率とを比較評価している。
特許文献1は、粗グリセロール及びコーンスティープリカーを含む原材料を使用する酵母発酵によるバイオディーゼルの製造方法を記載している。
特許文献2は、ホエー透過物及び栄養源を用いてエタノール及び酵母タンパク質飼料を製造する方法であって、接種工程、播種工程、増殖工程、及び発酵工程を含む、方法を記載している。上記接種工程、播種工程、及び増殖工程における栄養源は、液体リン酸アンモニウム及びコーンスティープリカーと、尿素硝安、抗生物質、及び過酸化水素等のその他の成分とを含有するものと記載されている。
特許文献3は、発酵法のための消泡剤であって、規定比の量のエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを、油又は脂肪と多価アルコールとの混合物に添加することによって得られる反応生成物、並びに、脂肪酸、アルコール、ポリオキシアルキレン多価アルコールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル脂肪酸エステル、及びポリオキシアルキレンポリマーから選択される少なくとも1種の化合物である、消泡剤を記載している。
特許文献4は、アルコール性発酵のための脱泡剤であって、ポリジメチルシロキサン油、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックコポリマー、及びシリコーン/シリカブレンドを規定比で含む水性組成物である、脱泡剤を記載している。
特許文献5は、発酵培地中の基質原料の発酵の間にサッカロマイセス属の一種(Saccharomycesspp.)によりエタノールを製造する方法及び組成物であって、モノテルペン及び界面活性剤又は複数の界面活性剤の組み合わせを含むエマルジョンを添加することを含む、方法及び組成物を記載している。エトキシル化アルコール、エトキシル化炭水化物、エトキシル化植物油、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、PEG及びPPGのモノエステル及びジエステル、エトキシル化アミン、脂肪酸、エトキシル化脂肪酸、脂肪アミド、及び脂肪ジエタノールアミド、並びに界面活性剤の商業的供給源の具体例を含む界面活性剤が記載されている。
米国特許出願公開第2012/0317877号 米国特許出願公開第2013/0084615号 米国特許第5,843,734号 米国特許第6,448,298号 米国特許第7,955,826号
Amartey, S.ら著の「Comparison of corn steep liquor with othernutrients in the fermentation of D-xylose by Pichia stipitis CBS 6054.」 Biotechnology letters 16.2 (1994): 211-214
先述の発酵で使用された栄養素を基礎とする生成物は、酵母細胞数を必ずしも大幅に増大させるものでもなければ、又は酵母細胞の生存率、出芽及び生命力を必ずしも高めるものでもない。先述の栄養生成物は、酵母の増殖及び発酵で使用される場合にも、酵母細胞の高エタノール濃度耐性を必ずしも高めるものでもなければ、又は油抽出を必ずしも高めるものでもない。これらの点で、かつその他の点で確実に改善された結果をもたらし得る、細胞の培養、増殖及び発酵のための改善された栄養素を基礎とする生成物が求められている。
本発明の特徴は、細胞培養及び/又は生物産物の製造において、酵母の成長、増殖、生存率、出芽若しくは生命力、又はこれらの任意の組み合わせを増強する方法を提供することである。本発明の更なる特徴は、発酵による生物産物の製造において、高められた効率、生産性若しくは高エタノール濃度耐性、又はこれらの任意の組み合わせをもたらす栄養組成物を提供することである。本発明の別の特徴は、そのような栄養組成物を含有する発酵可能なバイオマス混合物を提供することである。
本発明の追加の特徴及び利点は、以下に説明されるパートに記載され、一部において、本明細書から明らかであり、又は本発明の実施により獲得することができる。本発明の目的及び他の利点は、記載の説明及び添付の特許請求の範囲において特に指摘された要素及び組み合わせにより実現され、得られるだろう。
これらの利点及びその他の利点を得るために、そして本明細書で具体的に表現され、かつ幅広く記載される本発明の目的に応じて、本発明は、生物産物の製造のための酵母成長の増強方法であって、コーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤(a)若しくは少なくとも1種の界面活性剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせとを含む栄養組成物を含有する成長培地中で、少なくとも1種の酵母を培養して、増殖した酵母培養物を得ることを含む、方法に関する。
本発明は更に、
コーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤(a)若しくは少なくとも1種の界面活性剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせとを含む栄養組成物を含有する成長培地中で、少なくとも1種の酵母を培養して、増殖した酵母培養物を得ることと、
発酵基質に増殖した酵母培養物を接種して、発酵可能なバイオマスを生成することと;発酵可能なバイオマスを発酵させて、少なくとも1種の生物産物と未発酵の固体含有物とを含む発酵したバイオマスを生成することと、
少なくとも1種の生物産物の少なくとも一部を固体含有物から分離することと、
を含む、発酵による生物産物の製造方法に関する。
本発明はまた、
コーンスティープリカーと、
非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、若しくはそれらの任意の組み合わせである少なくとも1種の界面活性剤(a)、若しくは少なくとも1種の消泡剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせと、
を含む発酵栄養組成物に関する。
本発明はまた、
コーンスティープリカーと、
少なくとも1種の界面活性剤(a)若しくは少なくとも1種の消泡剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせと、
酵母培養物と、
糖類と、
を含む液体混合物に関する。
上述の概要及び後述の詳細な説明はともに、例示かつ説明のみを目的としたものであり、特許請求の範囲に記載される本発明を更に説明するよう提示することを意図しているにすぎないことを理解されたい。本出願に引用されるとともに本出願の一部をなす添付の図面は、本発明の特徴の幾つかを図示するものであり、記載の説明と併せて、本発明の原理を説明するのに役立つ。
本発明の一例による栄養組成物を使用する発酵による生物産物の製造のための一般的なプロセスフロー図である。 本発明の一例による栄養組成物を使用して準備される増殖した酵母を導入することによる、製造プラントにおけるトウモロコシエタノールの製造方法のプロセスフロー図である。 細胞増殖実験で使用された種々の栄養組成物から得られる酵母細胞数濃度に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、比較組成物は、コーンスティープリカーのみを含有し(「XP1」)、かつ本発明の例による組成物は、一方の配合物(「XP3」)においてはコーンスティープリカー及び消泡剤を含有し、かつもう一方の配合物(「XP4」)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を含有した。 発酵実験で使用された種々の栄養組成物から得られるエタノール濃度に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、比較組成物は、コーンスティープリカーのみを含有し(「XP1」)、かつ本発明の例による組成物は、一方の配合物(「XP3」)においてはコーンスティープリカー及び消泡剤を含有し、かつもう一方の配合物(「XP4」)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を含有した。 4つの試行(「OBS1」〜「OBS4」)としての発酵実験の実行における種々の窒素源によるトウモロコシ粉の処理から得られる高重力発酵(high gravity fermentation)条件下でのエタノール産生に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、コーンスティープリカー及び消泡剤を含有する組成物は、各々の試行の試料において2種の異なる供与量で添加され、その際、結果は、本発明の例によれば、第一の供与量に関しては、「OBS1」〜「OBS4」の各々について左手側の棒として示され(「供与量1X」)、第二の供与量に関しては、「OBS1」〜「OBS4」の各々について真ん中の棒として示され(「供与量2X」)、かつ各々の試行の試料の1つにおいて比較のための窒素源として尿素が使用され、その際、結果は、「OBS1」〜「OBS4」の各々について右手側の棒として示される(「供与なし」、それはコーンスティープリカー、消泡剤、又は界面活性剤がないことを指す)。 細胞増殖実験で使用された種々の栄養組成物から得られる3種の異なるエタノール濃度(0%、10%、及び18%)での高エタノール濃度耐性に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、比較組成物は、コーンスティープリカーを含有し(「XP1」)、かつ本発明の例による組成物は、一方の配合物(「XP3」)においてはコーンスティープリカー及び消泡剤を含有し、かつもう一方の配合物(「XP4」)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を含有した。 発酵実験で使用された種々の栄養組成物から得られる糖利用に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、比較組成物は、コーンスティープリカーのみを含有し(「XP1」)、かつ本発明による組成物は、一方の配合物(「XP3」)においてはコーンスティープリカー及び消泡剤を含有し、かつもう一方の配合物(「XP4」)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を含有し、これらの様々な組成物についての結果は、図中では総残留糖類として示されている。 細胞増殖実験で使用された種々の栄養組成物から得られる酵母細胞数濃度に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、比較組成物は、コーンスティープリカーのみ(「XP1」)又は消泡剤のみ(「XP6」)又は界面活性剤のみ(「XP9」)を含有し、かつ本発明の例による組成物は、2つの配合物(「XP3」、「XP5」)においてコーンスティープリカー及び消泡剤を異なる割合で含有し、2つの配合物(「XP7」、「XP8」)においてコーンスティープリカー及び界面活性剤を異なる割合で含有し、かつ3つのその他の配合物(「XP4」、「XP10」、及び「XP11」)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を異なる割合で含有した。 発酵実験で使用された種々の栄養組成物から得られるエタノール濃度に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、比較組成物は、コーンスティープリカーのみ(「XP1」)又は消泡剤のみ(「XP6」)又は界面活性剤のみ(「XP9」)を含有し、かつ本発明の例による組成物は、2つの配合物(「XP3」、「XP5」)においてコーンスティープリカー及び消泡剤を異なる割合で含有し、2つの配合物(「XP7」、「XP8」)においてコーンスティープリカー及び界面活性剤を異なる割合で含有し、かつ3つのその他の配合物(「XP4」、「XP10」、及び「XP11」)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を異なる割合で含有した。 発酵実験で使用された種々の栄養組成物から得られる糖利用に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、比較組成物は、コーンスティープリカーのみ(「XP1」)又は消泡剤のみ(「XP6」)又は界面活性剤のみ(「XP9」)を含有し、かつ本発明の例による組成物は、2つの配合物(「XP3」、「XP5」)においてコーンスティープリカー及び消泡剤を異なる割合で含有し、2つの配合物(「XP7」、「XP8」)においてコーンスティープリカー及び界面活性剤を異なる割合で含有し、かつ3つのその他の配合物(「XP4」、「XP10」、及び「XP11」)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を異なる割合で含有し、これらの様々な組成物についての結果は、図中では総残留糖類として示されている。 発酵実験で使用された種々の栄養組成物から得られるグリセロール濃度に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、比較組成物は、コーンスティープリカーのみ(「XP1」)又は消泡剤のみ(「XP6」)又は界面活性剤のみ(「XP9」)を含有し、かつ本発明の例による組成物は、2つの配合物(「XP3」、「XP5」)においてコーンスティープリカー及び消泡剤を異なる割合で含有し、2つの配合物(「XP7」、「XP8」)においてコーンスティープリカー及び界面活性剤を異なる割合で含有し、かつ3つのその他の配合物(「XP4」、「XP10」、及び「XP11」)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を異なる割合で含有した。
本発明は、少なくともコーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤若しくは少なくとも1種の界面活性剤である少なくとも1種のその他の成分又はそれらの任意の組み合わせとを併せ持つ栄養組成物を使用して得られる、細胞培養及び生物産物の製造における改善に関する。1つの選択肢としては、上記栄養組成物は、コーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤と、少なくとも1種の界面活性剤とを併せ持つことができる。本発明の栄養組成物は、酵母の健康状態、及び/又は酵母成長段階及び/又は生物産物の発酵段階における生産性を高めることができることが判明した。増殖器からの良好な健康状態の酵母培養物は、トウモロコシ等の基質を、発酵段階でエタノールへと効率的に変換するために有用である。良好な成長のために、酵母細胞は、良好な酸素移動速度と、窒素、アミノ酸、ビタミン、及び/又はミネラルのような必須栄養素とを必要とする。本発明の栄養組成物は、これらの生存に不可欠な栄養素を1種以上酵母細胞に与えるように、及び/又はより高い酵母細胞数、及び/又はより高い酵母細胞の生存率、及び/又はより良好な酵母細胞の出芽、及び/又は酵母細胞の生命力、又はこれらの任意の組み合わせのために発酵培地の酸素移動速度を改善するように配合される。酵母細胞への必要とされる栄養素の供給は、糖類のエタノールへの改善された効率的な変換及び/又はより高いエタノール生産性をもたらすことができる。
本明細書に記載される実験の試験結果で更に示されるように、本発明の栄養組成物は、コーンスティープリカー単独と比べて、酵母細胞成長濃度の増大、エタノール産生の増大、及び/又は高エタノール濃度耐性をもたらすことができる。本発明の栄養組成物は、尿素等の通常使用される栄養素と比較して、高重力発酵によりエタノール産生の増大をもたらすことができる。本発明の栄養組成物の使用により改善することができる発酵による生物産物の製造は、エタノール、油、バイオディーゼル、アセトン、ブタノール、有機酸、酵素、タンパク質、抗生物質、又はその他の発酵産物の製造に関連し得る。また上記栄養組成物を含有する発酵可能なバイオマス混合物も提供される。酵母は、本明細書に示される幾つかの記載において説明を目的として使用されるが、その他の宿主微生物を使用してもよい。本発明の栄養組成物は、酵母、真菌、藻類、細菌等の所望のあらゆる種類の宿主微生物における成長を増強するために使用することができる。
図1Aにおいて、発酵操作において本発明の栄養組成物を使用するためのプロセスフローの一例が示されている。参照符号100により示されるプロセスフローは、工程101(細胞増殖を含む酵母培養)、工程102(発酵基質の接種)、工程103(発酵)、及び工程104(産物の回収)を含む。一つの選択肢として、囲い105によって示されるように、追加の栄養組成物を発酵段階で添加することができる。発酵工程103において実施される培養は、回分式発酵、流加回分式発酵、又は連続式発酵として実施され得る。図1Aに示されていない追加の工程、例えば工程101の前の初回の酵母菌株接種工程、及び/又は播種工程が含まれていてもよく、酵母培養工程101は、多数の段階を含んでよく、又はこれらの工程若しくはその他の工程の組み合わせを含んでよい。培養培地の内容物は、該当する場合は細胞成長又は発酵を維持又は促進する温度を保つために、工程101、工程103、又はその両方で加熱されてもよい。本発明の栄養組成物は、典型的な細胞培養及び発酵の装置並びに操作条件において使用することができ、ここで、該栄養組成物の使用に付随して起こり得る高められた細胞成長の取扱いのために考えられるもの以外に調節又は適合は必ずしも必要とされない。
本明細書で使用される場合に、「培養」とは、細胞(例えば、酵母細胞)を培養培地中で制御された条件下で成長させる過程を指し得る。幾つかの選択肢においては、培養とは、細胞の播種若しくは細胞の増殖、又はこれらの組み合わせを指す。幾つかの選択肢においては、培養には、発酵が含まれる。用語「播種」とは、酵母培養物の成長の開始を指し得る。用語「増殖」とは、成長培地での酵母培養物の指数成長を指し得る。用語「発酵」とは、微生物による糖の二酸化炭素及びアルコール及び/又はその他の産物への変換、例えば酵母によるグルコースのエタノールへの変換を指し得る。本明細書で使用される場合に、「培養培地」(又は「成長培地」若しくは「発酵培地」)とは、微生物又は細胞、例えば酵母細胞の成長を維持するように設計された液体又はゲルを指し得る。液体又はブロスで提供され得る基礎培養培地は、播種工程、増殖工程、及び発酵工程のいずれにおいても使用することができる。基礎培養培地は、炭素源(例えば、糖、デンプン)及び水、並びに任意にその他の成分、例えば無機塩(例えば、MgSO4、K2PO4)を含有し得る。本発明の栄養組成物は窒素源を提供し、それにより、上記基礎培養培地中に窒素源を含める必要性が低減又は排除され得る。
示されるように、本発明の栄養組成物は、発酵による生物産物の製造における、高められた効率、生産性若しくは高エタノール濃度耐性、若しくはこれらの任意の組み合わせ、又はその他の改善をもたらすことができる。本発明の栄養組成物の使用によりもたらされ得るその他の改善には、改善されたプラント動作性、高重力発酵の実行能力、製造コストの削減、トウモロコシ油回収化学の利用低下、固形分の減少、蒸留器の乾燥時間の削減、エネルギー(ガス)消費量の削減、発酵サイクル時間の短縮、NOx産出の低減、若しくは発酵液の脱水の向上、又はその他の利益の1つ以上が含まれ得る。
幾つかの選択肢においては、本発明の栄養組成物は、エタノール製造又はバイオディーゼル製造において、より高い酵母細胞成長、エタノール産生の増大、並びに油回収及び/又は抽出の向上を実現するために酵母増殖槽及び発酵槽に添加される。本明細書で酵母から単離された又は酵母により産生された油に関して使用される用語「油」とは、酵母中で産生された脂質、及び/又は酵母から単離された脂質及び/又は総脂質含分を指す。該脂質は、主としてトリグリセリドを含有し得るが、脂肪酸、ジグリセリド及び/又はモノグリセリドも含有し得る。本明細書で使用される場合に、用語「脂肪」は、「脂質」を含むものと解釈される。例えば、トウモロコシ油とは、その植物から得られた油、例えばバイオエタノール製造の副産物を指す。本明細書で使用される場合に、「バイオディーゼル」とは、長鎖アルキル(メチル、プロピル又はエチル)エステル、例えば酵母から単離された油の脂肪酸メチルエステル(それらの化学的変形形態又は変更形態を含む)を含むディーゼル燃料を指す。粗製の若しくは単離された糖産物若しくはデンプン産物、デンプン料作物、セルロース質材料、鉱油、又はその他の発酵可能な材料を、本発明の方法における発酵段階における発酵基質として使用することができる。発酵可能な材料は、バイオマスであってもよい。用語「バイオマス」とは一般に、エネルギー源として再生可能な生物学的資源から採収又は回収された有機物を指し得る。該再生可能な生物学的資源には、植物材料(例えば、植物バイオマス)、動物材料、及び/又は生物学的に産生された材料が含まれ得る。用語「バイオマス」は、グリセリド(例えば、トリグリセリド、ジグリセリド、モノグリセリド)を通常含まない再生可能でない化石燃料、例えば石炭、石油、及び/又は天然ガスを含むものとは解釈されない。
示されるように、本発明の栄養組成物は、少なくともコーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤若しくは少なくとも1種の界面活性剤である少なくとも1種のその他の成分又はそれらの任意の組み合わせとを併せ持つ。示されるように、少なくとも1種の消泡剤及び少なくとも1種の界面活性剤の両方とも、上記組み合わせに含まれ得る。
本明細書で使用される場合に、「コーンスティープリカー」とは、トウモロコシの湿式製粉の副産物を指す。コーンスティープリカーは、水中に浸された(浸漬された)トウモロコシの水溶性抽出物から形成される混合物である。コーンスティープリカーの略半分は水であり、その残りは、天然の栄養物、例えば粗タンパク質、アミノ酸、ミネラル、ビタミン、還元糖、有機酸、酵素、及びその他の基礎栄養素から構成される。コーンスティープリカーは、豊富な微生物栄養源を提供する。コーンスティープリカーには、CAS番号66071-94-1が割り当てられている。コーンスティープリカーの実際のパーセント組成は、製造業者の間で幾らか変動することがあるが、表Iは、コーンスティープリカーの一例の主な構成成分の平均組成を列挙するものである。その他のコーンスティープリカーの組成を使用してもよい。
コーンスティープリカーは、製粉商社から入手することができるか、又はトウモロコシを直接的に湿式製粉することによって得ることができる。トウモロコシの湿式製粉法は、穂軸から取り外されて、全ての破片及び異物が取り除かれたトウモロコシから始める。粉砕されたトウモロコシは浸漬段階に進み、その段階で、穀粒は、弱酸性とし得る(例えば、水に二酸化硫黄を添加することによる)加熱された水中に浸され、その際、水は、例えば約45℃〜54℃(又はその他の温度)に保たれ、かつ浸漬は、通常トウモロコシを連続浸漬槽中で動かしながら、通常は約20時間〜50時間(又はその他の時間量)にわたり継続される。その浸漬の間に、トウモロコシが水を吸収することができ(例えば、トウモロコシが水の約三分の一を吸収してもよい)、そして残りの量(例えば、それ以外の約三分の二)は、固形分、例えば5重量%〜10重量%の固形分を含有する軽浸漬水(light steepwater)として浸漬装置から取り出され得る。次いで、その軽浸漬水を、例えば40%〜60%の固形分、通常は約45%〜約50%の固形分を含むところまで蒸発させることで、コーンスティープリカーを得ることができる。
コーンスティープリカーは、培養培地に本発明の栄養組成物の一部として添加する場合、該培養培地中に、コーンスティープリカーの固体(無水)含量及び処理される培養培地の容量に対して、約0.05%(重量/容量)から約20.00%(重量/容量)までの、又は約0.10%(重量/容量)から約10.00%(重量/容量)までの、又は約1.00%(重量/容量)から約5.00%(重量/容量)までの濃度で含まれ得る。
本明細書で使用される場合に、「消泡剤」は、培養培地、例えば細胞増殖又は発酵のために使用される培養培地に対して消泡効果若しくは抑泡効果又はその両方を更に有する界面活性剤/湿潤剤である。消泡剤は、発酵培地及び酵母細胞膜にまたがる酸素移動速度を改善することができる。消泡剤は、有機消泡剤(複数の場合もある)及び/又は無機消泡剤であってもよい。有機消泡剤は、ポリグリコール、ポリグリコールとシリコーンとのブレンド、脂肪酸エトキシレート、エトキシル化脂肪アミン、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。
有機消泡剤を含む消泡剤は、約1から約5までのHLB値、若しくは約1から約4までのHLB値、若しくは約2から約4までのHLB値、若しくは約2から約3までのHLB値、又はその他の値を有していてもよい。表面活性添加剤を、HLB値としても知られる親水性−親油性バランス値によって特徴付けることが一般的である。HLB値は、従来通りに計算することができる。例えば、表面活性剤のHLB値は、表面活性剤の親水性部の分子量パーセントを5で割ることによって計算され得る。例えば、20モル%の親水性部(全体)を含む界面活性剤/湿潤剤は、HLB値が4であると計算されるものとする(すなわち、20/5=4)。20を超えるHLB値は、相対値又は比較値である。低いHLBを有する添加剤は、より親油性である一方で、高いHLBを有する添加剤は、より親水性である。
有機消泡剤は、ポリグリコールとシリコーンとのブレンドを含んでよい。該ポリグリコールは、ポリエチレングリコール(PEG)、メトキシポリエチレングリコール(MPEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリブチレングリコール(PBG)、ポリグリコールコポリマー等であってもよく、それらは、単独の種類で、又はそれらの任意の組み合わせで使用されてもよい。約500から約8000までの平均分子量又はその他の値を有するPEGを使用することができる。PEGは市販製品、例えばDow Chemical Company社製の製品CARBOWAXである。シリコーンは、構造Si-O-Siを有する官能基であるシロキサンの繰返単位を含むポリマーである。一つの選択肢として、シリコーンは、化学式[R2SiO]n(式中、Rはメチル、エチル又はフェニル等の有機基である)を有する無機−有機混合ポリマーであり、これらの材料は、ケイ素原子に結合された有機側基を有するシロキサン主鎖(…-Si-O-Si-O-Si-O-…)を有する。上記シリコーンは、ポリジメチルシロキサン、例えば直鎖状ポリジメチルシロキサン(PDMS)、シリコーン油であってもよい。該ポリジメチルシロキサン油は、約200 cSt(25℃)から約750 cSt(25℃)までの平均粘度及び約10000から約50000までの平均分子量(Da)を有するポリジメチルシロキサン油から選択することができる。上記シリコーンは、シロキサンとシリカとの反応生成物であってもよい。上記ポリグリコール及びポリシリコーンは、水に完全に可溶性であってもよい。ポリグリコールとシリコーンとのブレンドは、約2:3から約1:1又は約4:5までの範囲のポリジメチルシロキサン対ポリグリコールの重量比を有する水溶液として調製され得る。ポリグリコール及びシリコーンから構成される水溶液の総固体含量は、該溶液に対して約1重量%から約25重量%まで又はその他の値であってもよい。ポリグリコールのブレンドは、Dow Chemical Company社、Ivanhoe Industries社、又はClariant Chemicals社から商業的に入手可能である。
消泡剤、例えば有機消泡剤は、培養培地に本発明の栄養組成物の一部として添加する場合、該培養培地中に、消泡剤の固体(無水)含量及び処理される培養培地の容量に対して、約0.001%(重量/容量)から約5.0%(重量/容量)までの、又は約0.005%(重量/容量)から約4.0%(重量/容量)までの、又は約0.010%(重量/容量)から約3.0%(重量/容量)までの濃度で含まれ得る。
本明細書で使用される場合に、「界面活性剤」は、培養培地中の2種の液体間、又は液体と固体との間の表面張力(又は界面張力)を低下させる化合物である。界面活性剤は、培養培地中で、界面活性物質(detergents)、湿潤剤、乳化剤、又は分散剤として作用し得る。上記界面活性剤は、非イオン性界面活性剤又は両性界面活性剤であってもよい。栄養組成物が本明細書において消泡剤(例えば、有機消泡剤)及び界面活性剤の両方を含有するものと記載される場合に、これらの2種類の材料は、異なる種類の化合物又は組成物である。例えば、上記有機消泡剤は、同じ栄養組成物中で使用される界面活性化合物とは異なる化合物である界面活性剤/湿潤剤とすることができる。この組成の差は更に、それらの特性の差、例えばそれらの各々のHLB値の差によって反映され得る。
本明細書で使用される場合に、「非イオン性界面活性剤」は、そのいずれかの終端基に荷電基を有さない両親媒性の有機化合物であり、ここで、該有機化合物は、液体の表面張力、2種の液体間の界面張力、又は液体と固体との間の界面張力を低下させることができる。非イオン性界面活性剤は、エトキシル化ソルビタンエステル、グリセリドエトキシレート、エトキシル化ひまし油、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、フェノールエトキシレート、アミドエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、脂肪アミンエトキシレート、脂肪アミドエトキシレート、脂肪モノエタノールアミド若しくは脂肪ジエタノールアミド、アルキルグリコシド、ポリエチレングリコール(PEG)、アセチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポロキサマー、アルカリ金属アリールスルホン酸塩、エトキシル化脂肪アミド、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。一つの選択肢としては、非イオン性界面活性剤は、エトキシル化ソルビタンエステルであってもよい。エトキシル化ソルビタンエステルは、TWEEN又はポリソルベート系の界面活性剤、例えばポリソルベート(80)(例えば、TWEEN 80)、ポリソルベート(20)(例えば、TWEEN 20)、ポリソルベート(40)(例えば、TWEEN 40)、又はポリソルベート60(例えば、TWEEN 60)として商業的に入手可能である。TWEEN 80は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートである。本明細書に記載されるTWEEN 80又はその他の非イオン性界面活性剤は、酵母細胞の高エタノール濃度に対する耐性を改善することができる。本発明の栄養組成物において使用することができる非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート類の商業的供給源には、例えばLambent Technologies Corporation社(米国、イリノイ州、ガーニー)製のLumisorb系ポリソルベート類が含まれる。その他の適切な非イオン性界面活性剤は、エトキシル化ひまし油、例えばひまし油80 EOである。ポロキサマーは、疎水性ポリアルキレンオキシドブロックの中心ブロックを含み、そのブロックの両側に隣接して親水性ポリアルキレンオキシドブロックを有する非イオン性トリブロック型コポリマーであってもよい。ポロキサマーは市販されており、それらは食品グレードである。ポロキサマーの商業的供給源は、例えばBASF Corporation社(米国、ニュージャージー州、フローラム・パーク)製のPLURONICコポリマーである。その他の適切な非イオン性界面活性剤は、炭素数12〜22の脂肪酸をベースとするモノグリセリド、ジグリセリド、若しくはトリグリセリド、又は炭素数12〜22の脂肪酸をベースとするソルビタンのモノエステル、ジエステル、若しくはトリエステルである。非イオン性界面活性剤は、上記栄養組成物において、単独の種類で、又は2種以上の界面活性剤の組み合わせで使用することができる。
非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤は、約2から約39までのHLB値、若しくは約7から約25までのHLB値、若しくは約10から約20までのHLB値、若しくは約12から約18までのHLB値、若しくは約14から約16までのHLB値、若しくは約15のHLB値、又はその他の値を有してもよい。種々の界面活性剤の組み合わせが使用される場合に、個々の界面活性剤成分の加重平均を使用して、その組み合わせのHLBを計算することができる。
本明細書で使用される場合に、「両性界面活性剤」は、同じ分子に結合したカチオン性中心及びアニオン性中心の両方を有する。カチオン性部分は、第一級アミン、第二級アミン、若しくは第三級アミン、又は第四級アンモニウムカチオンをベースとし得る。アニオン性部分は、より多岐にわたるものであってもよく、それにはスルホン酸アニオンが含まれ得る。両性界面活性剤は、ベタイン型の界面活性剤、例えばコカミドプロピル(cocamidopropyl)ベタイン若しくはアルキルジメチルベタイン、又はオキシド型の界面活性剤、例えばアルキルジメチルアミンオキシドであってもよい。
界面活性剤、例えば非イオン性界面活性剤は、培養培地に本発明の栄養組成物の一部として添加する場合、該培養培地中に、界面活性剤の固体(無水)含量及び処理される培養培地の容量に対して、約0.005%(重量/容量)から約5.0%(重量/容量)までの、又は約0.01%(重量/容量)から約4.0%(重量/容量)までの、又は約0.10%(重量/容量)から約3.0%(重量/容量)までの濃度で含まれ得る。
栄養組成物のこれらの2種又は3種の成分を、成長培地へと単一(予備配合された)パッケージから添加するか、又は個別に添加することで、栄養組成物で処理される培養培地中においてin situで栄養組成物を得ることができる。予め一緒にする場合には、栄養組成物のそれらの成分は、コーンスティープリカー及び少なくとも消泡剤が分散又は溶解している水系組成物として配合され得る。この水系組成物中には界面活性剤が含まれていてもよい。上記栄養組成物は、例えばかき混ぜ、撹拌、又はその他の混合動作によって培養培地中に容易に分散することを可能にする形態とすることができる。
上記栄養組成物は、該組成物の総固体重量に対して、約1.0重量%から約99.9重量%までのコーンスティープリカーと、約0.1重量%から約50重量%までの少なくとも1種の消泡剤(a)、若しくは約0.1重量%から約50重量%までの少なくとも1種の界面活性剤(b)の少なくとも一方、又は(a)及び(b)の任意の組み合わせとを含み得る。一つの選択肢としては、上記栄養組成物は、該組成物の総固体重量に対して、約1.0重量%から約99.9重量%までのコーンスティープリカーと、約0.1重量%から約50重量%までの少なくとも1種の消泡剤と、(更に含まれる場合には)約0.1重量%から約50重量%までの少なくとも1種の界面活性剤とを含み得る。具体的な一つの選択肢としては、上記栄養組成物は、該組成物の総固体重量に対して、約95.0重量%から約99.0重量%までのコーンスティープリカーと、約1.0重量%から約5.0重量%までの少なくとも1種の消泡剤(a)、若しくは約1.0重量%から約5.0重量%までの少なくとも1種の界面活性剤(b)の少なくとも一方、又は(a)及び(b)の任意の組み合わせとを含み得る。具体的な一つの選択肢としては、上記栄養組成物は、該組成物の総固体重量に対して、約95.0重量%から約99.0重量%までのコーンスティープリカーと、約1.0重量%から約5.0重量%までの少なくとも1種の消泡剤と、約1.0重量%から約5.0重量%までの少なくとも1種の界面活性剤とを含み得る。より具体的な一つの選択肢としては、上記栄養組成物は、約96.0重量%から約99.0重量%までのコーンスティープリカーと、約1.0重量%から約4.0重量%までの少なくとも1種の消泡剤とを含み得る。より具体的な一つの選択肢としては、上記栄養組成物は、該組成物の総固体重量に対して、約94.0重量%から約99.0重量%までのコーンスティープリカーと、約1.0重量%から約6.0重量%までの少なくとも1種の界面活性剤とを含み得る。より具体的な一つの選択肢としては、上記栄養組成物は、該組成物の総固体重量に対して、約97.0重量%から約99.0重量%までのコーンスティープリカーと、約1.0重量%から約3.0重量%までの少なくとも1種の消泡剤(a)、若しくは約1.0重量%から約3.0重量%までの少なくとも1種の界面活性剤(b)の少なくとも一方、又は(a)及び(b)の任意の組み合わせとを含み得る。より具体的な一つの選択肢としては、上記栄養組成物は、該組成物の総固体重量に対して、約97.0重量%から約99.0重量%までのコーンスティープリカーと、約1.0重量%から約3.0重量%までの少なくとも1種の消泡剤と、約1.0重量%から約3.0重量%までの少なくとも1種の界面活性剤とを含み得る。
上記栄養組成物中には、追加の成分が含まれていてもよいが、ただし、その追加の成分は、酵母に影響を及ぼして発酵過程を害さないものとする。上記栄養組成物は、任意の従来の手段によって処理される発酵過程において導入され得る。
培養工程及び発酵工程において使用することができる酵母は、発酵で使用される任意の酵母であってもよい。例としては、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)、サッカロマイセス・パストリアヌス(Saccharomycespastorianus)(カールスベルゲンシス(carlsbergensis))、クルイウェロマイセス・ラクティス(Kluyveromyceslactis)、クルイウェロマイセス・フラジリス(Kluyveromyces fragilis)、フサリウム・オキシスポラム(Fusarium oxysporum)、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられる。培養及び発酵は、約0.01重量%から約50.00重量%までの少なくとも1種の酵母と、約99.99重量%から約50.00重量%までの上記栄養組成物とを含有する混合物を使用して、若しくは約0.10重量%から約25.0重量%までの少なくとも1種の酵母と、約0.10重量%から約10.0重量%までの上記栄養組成物とを含有する混合物を使用して、又はその他の混合量を使用して実施することができる。
本発明の栄養組成物は、研究室規模の細胞培養及び発酵において、及び/又は工業的規模の、例えばエタノール製造プラントにおけるエタノール発酵において使用することができる。図1Bについて、そのプロセスフロー図は、本発明の一例による増殖した酵母を導入することによる、トウモロコシエタノール製造プラントにおけるエタノールの製造方法を示している。図に示されるように、本発明の栄養組成物は、増殖した酵母を得るために用いられる培養において添加することができ、一つの選択肢としては、エタノール発酵において添加してもよい。上記栄養組成物は、この例においては、説明を簡単にするために、酵母増殖及び任意にエタノール発酵へと、その成分(コーンスティープリカー、消泡剤、及び更に含まれる場合には、界面活性剤)の単一の予め形成された混合物として添加されるものとして説明されている。図1Bに示される加工装置及びその配置、材料、並びに反応条件は、例として示されているにすぎず、必ずしも限定するものではない。示されるように、それらの栄養組成物の構成成分は、個別に、若しくはそれらの部分的な組み合わせで、又はその他の添加剤と予め組み合わせて、加工装置/加工段階、例えば培養段階へと添加してもよい。図面に示されていないその他の材料及び添加剤は、例えば酵母増殖で使用される酵母増殖用の調合において、エタノール発酵で使用されるエタノール発酵用の調合において、若しくはその両方において、又はその他の加工段階若しくは加工装置において任意に添加されてもよい。エタノール製造プラントにおける工業的規模のエタノール発酵は、米国特許出願公開第2011/0230394号に記載される方法及び装置を有してもよく、その文献は、引用することによりその全体が本明細書の一部をなす。本発明の栄養組成物は、穀類、例えばトウモロコシ、コムギ、ライムギ、オオムギ及びモロコシ、リグノセルロース質材料、例えば木材、ヤナギ材及びスイッチグラス、農業残渣、例えばトウモロコシ茎葉、トウモロコシ穂軸、わら及びバガス、サトウキビ、糖蜜、テンサイ、デンプン材料、例えばタピオカ(カッサバ)及びジャガイモ、紙及びパルプ工業廃棄物、藻類、木材、種子若しくは草、又はその他の発酵可能な基質、又はそれらの任意の組み合わせを含む発酵基質と一緒に使用することができる。本発明の栄養組成物によって支持され得るエタノール発酵は、トウモロコシからエタノール、サトウキビからエタノール、乾式粉砕エタノール、湿式粉砕エタノール(wetgrind ethanol)、コムギからエタノール、オオムギからエタノール、エンバクからエタノール、ライムギからエタノール、モロコシからエタノール、セルロースからエタノール、テンサイからエタノール、コメからエタノール、醸造操作等の加工を目的とする発酵を含み得る。本明細書で説明されるエタノール発酵に加えて、本発明の栄養組成物は、他の種類の発酵、例えば微生物酵素発酵、ビタミン発酵、抗生物質発酵、アミノ酸発酵、有機酸発酵、ブタノール発酵、キシリトール発酵、フレーバー発酵、ビール発酵、ワイン発酵、又はその他の発酵において使用することができる。本発明の栄養組成物は、乳酸発酵(例えば、ホモ乳酸発酵又はヘテロ乳酸発酵又はマロラクティック発酵)において、又はその他の種類の発酵において使用することができる。
上記栄養組成物の添加は、培養をコーンスティープリカー(同量)だけを添加して、消泡剤を用いずに(又は消泡剤及び界面活性剤を用いずに)行った増殖した酵母培養物における酵母濃度と比べて、増殖した酵母培養物における酵母濃度の増大、例えば1グラム当たりに少なくとも約3000000個の細胞、又は1グラム当たりに少なくとも約4000000個の細胞、又は1グラム当たりに少なくとも約5000000個の細胞、又は1グラム当たりに少なくとも約6000000個の細胞、又は1グラム当たりに約6000000個から約27000000個までの細胞、又はそれより高い濃度をもたらすことができる。上記栄養組成物の添加は、培養をコーンスティープリカー(同量)だけを添加して、消泡剤を用いずに(又は消泡剤及び界面活性剤を用いずに)行った増殖した酵母培養物における酵母濃度と比べて、単位重量当たりの細胞数を基準として少なくとも約25%以上(又は単位容量当たりの細胞数を基準として少なくとも約5%以上)の増殖した酵母培養物における酵母濃度の増大をもたらすことができる。上記栄養組成物の添加は、培養をコーンスティープリカー(同量)だけを添加して、消泡剤及び界面活性剤を用いずに行った増殖槽及び発酵槽におけるエタノール濃度と比べて、少なくとも1%重量/容量の発酵したバイオマスにおけるエタノール濃度の増大をもたらすことができる。発酵が、例えば30%から40%までの発酵可能な固形分での高重力発酵である場合に、上記栄養組成物の添加は、培養を該栄養組成物ではなく同量の尿素を用いて行ったエタノール収率と比べて、少なくとも約2%のエタノール収率の増大をもたらすことができる。増殖槽及び発酵槽が約0.02%重量/容量から約18%重量/容量までのエタノール濃度を有する場合に、上記栄養組成物の添加は、培養をコーンスティープリカー(同量)だけを添加して、消泡剤を用いずに(又は消泡剤及び界面活性剤を用いずに)行った発酵したバイオマスにおける酵母濃度と比べて、単位重量当たりの細胞数を基準として少なくとも約2.5%の発酵したバイオマスにおける酵母濃度の増大をもたらすことができる。上記栄養組成物の添加は、培養をコーンスティープリカー(同量)だけを添加して、消泡剤を用いずに行った増殖槽及び発酵槽における残留糖濃度と比べて、少なくとも3%重量/容量の発酵したバイオマスにおける残留糖濃度の低減をもたらすことができる。
単に本発明の例示であると意図される以下の実施例により本発明を更に明確に説明するが、特に指定のない限り、部とは重量による割合である。
実施例において、本発明の幾つかの変形形態を試験して、比較処理又は対照と比較した。
試験手順:
実験的評価は、3種の成分の1種又はその組み合わせを含有する栄養生成物組成物について行った。これらの3種の成分には、以下のものが含まれていた:
コーンスティープリカー:トウモロコシ湿式製粉の副産物として、トウモロコシ可溶性物の粘性濃縮物の形で得られる(Roquette America Inc.社製のSolulys 048K)。
界面活性剤:TWEEN 80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、Harcross Chemicals社、Ivanhoe Industries, Inc.社、Dow Chemicals社、又はBASF社から商業的に入手可能)。
Ivanhoe Industries社、又はClariant社から商業的に入手可能な、ポリグリコールとシリコーンとを含むブレンドである有機消泡剤(XFO-12A)。
本明細書で記載される実施例においては、上記成分を、個別に、又は種々の濃度の種々の組み合わせで配合し、そして得られた栄養組成物は、特段の記載がない限り、典型的なトウモロコシエタノールプラント用の調合に従うが、該調合において現在使用される窒素源である尿素の代わりとして上記栄養組成物を添加して評価した。本明細書で記載される実施例において使用されるトウモロコシエタノールプラント用の調合は、以下の材料及び研究室手順を使用した。ここで、酵母細胞数試験のために使用しれたトウモロコシエタノールプラント用の調合は、以下に記載される酵母増殖用の調合であり、エタノール発酵試験のために使用したトウモロコシエタノールプラント用の調合は、以下に記載されるエタノール発酵用の調合とした。
エタノール発酵用の調合には、栄養組成物の個別量の他に、先に示した酵母増殖用の調合による酵母増殖の割合(%)も含めた。本明細書の実施例においては、様々な栄養組成物を、酵母細胞生存率、酵母細胞生命力、及び/又は酵母細胞出芽の向上の一つの尺度となるような酵母細胞数である酵母細胞濃度の増加、エタノール生産、高重力発酵によるエタノール生産、高エタノール濃度耐性、並びに残留糖類について評価した。
実施例において使用した評価された栄養組成物を、以下の第一表及び第二表に記載する。
実施例1
酵母細胞成長
種々の栄養組成物を、先に示したトウモロコシエタノールプラント用の調合(酵母増殖用の調合)を使用して評価することで、コーンスティープリカーを消泡剤と組み合わせて、それとは別に消泡剤及び界面活性剤と組み合わせて使用することによる酵母細胞成長に対する効果を、コーンスティープリカーを単独で使用する場合と比べて比較した。
酵母細胞数は、血球計数法及び細胞計数法によって測定した。
図2は、細胞増殖実験で使用された種々の栄養組成物から得られる酵母細胞数濃度に対する効果を示す棒グラフである。比較組成物は、コーンスティープリカーのみを含有し(「XP1」)、かつ本発明の実施例を表す組成物は、一方の配合物(「XP3」)においてはコーンスティープリカー及び消泡剤を含有し、かつもう一方の配合物(「XP4」)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を含有した。
図2の結果によって示されるように、コーンスティープリカー(XP1)への、消泡剤の添加(XP3)、及び消泡剤及び界面活性剤80の添加(XP4)は、酵母細胞数における平均して1グラム当たり6000000個〜27000000個の細胞の増大をもたらした。この傾向は、当該研究における全ての実験の実行に関して観察された。
実施例2
エタノール産生
種々の栄養組成物を、先に示したトウモロコシエタノールプラント用の調合(エタノール発酵用の調合)を使用して評価することで、コーンスティープリカーを消泡剤と組み合わせて、それとは別に消泡剤及び界面活性剤と組み合わせて使用することによるエタノール産生に対する効果を、コーンスティープリカーを単独で使用する場合と比べて比較した。
エタノール濃度(重量%)は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法によって測定した。
図3は、この発酵実験で使用された種々の栄養組成物から得られるエタノール濃度に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、比較組成物は、コーンスティープリカーのみを含有し(「XP1」)、かつ本発明の実施例を表す組成物は、一方の配合物(「XP3」)においてはコーンスティープリカー及び消泡剤を含有し、かつもう一方の配合物(「XP4」)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を含有した。
図3における結果によって示されるように、コーンスティープリカー及び消泡剤で配合された生成物XP3は、コーンスティープリカー単独で配合されたXP1と比べて、エタノール濃度の平均で1.39%の増大をもたらした。この結果の重要性は、一般的に年間100000000ガロンのバイオエタノールプラントにつき800000ガロンの大容器発酵容量が存在することを考えれば高く評価することができる。その規模の操作において、1.39%のエタノール濃度の増大は、更なる1390000ガロンのエタノール産物をもたらすこととなり、それは大きな追加の収益を生ずることとなる。
XP3生成物は、この研究を通してエタノール産生の増大を一貫して示し、3%超までのエタノール産生の増大を記録した。界面活性剤及び消泡剤を含有するXP4生成物は、これらの実験においてXP1及びXP3からのエタノール産生よりもわずかに少ないが、9%を超える十分なエタノール産生率を依然として保ち、そしてエタノール産生に悪影響を及ぼすものの、実施例1で示されるようなその他の利点をもたらすことができる。
実施例3
高重力発酵によるエタノール産生
栄養組成物を、先に示したトウモロコシエタノールプラント用の調合(エタノール発酵用の調合)を使用して評価することで、コーンスティープリカーを消泡剤と組み合わせて使用することによる高重力発酵によるエタノール産生に対する効果を、尿素を使用する場合と比べて比較した。尿素は、ほとんどのトウモロコシエタノールプラントで使用される現行の窒素源である。
高重力発酵とは、30%から40%までの発酵可能な固形分で発酵を実施することを指す。エタノール濃度(重量%)は、先述の実施例と同じようにして測定した。
この高重力発酵研究の場合には、振盪フラスコに、培養培地(コーンスティープリカー、消泡剤、又は界面活性剤を含有しないため、「供与なし」とも呼ばれる)中600.00 mg/Lの尿素で処理した32%〜35%のトウモロコシ粉を入れ、また2種の濃度の生成物XP3(供与量1X及び2X)で処理したトウモロコシ粉を入れた。供与量1Xとは、試験手順において先述したような基礎培地中で使用される栄養組成物の濃度を指す。供与量2Xとは、基礎培地中で栄養組成物を2倍多く使用することを指す。
図4は、OBS1、OBS2、OBS3、及びOBS4として特定される4つの試行としての発酵実験の実行における種々の窒素源によるトウモロコシ粉の処理により得られた高重力発酵条件下でのエタノール産生に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、コーンスティープリカー及び消泡剤を含有する組成物が、本発明の実施例によれば、各々の試行の試料において2種の異なる供給量で添加され、その際、結果は、OBS1〜OBS4(供与量2X)の各々については真ん中の棒として示され、かつOBS1〜OBS4(供与量1X)の各々については左手側の棒として示され、かつ比較のために各々の試行の試料の1つにおいて窒素源として使用され、その際、結果は、OBS1〜OBS4(コーンスティープリカー及び消泡剤の「供与なし」)の各々については右手側の棒として示される。
図4において理解され得るように、XP3生成物による処理は、尿素処理よりも約2.5%高いエタノール産生をもたらした。
実施例4
高エタノール濃度耐性
配合した栄養組成物を、酵母細胞が高エタノール濃度に耐える能力を改善するそれらの可能性について評価した。
酵母細胞濃度は、血球計数法及び細胞計数法によって測定した。
図5は、この細胞増殖実験で使用された種々の栄養組成物から得られる3種の異なるエタノール濃度(0容量%、10容量%、及び18容量%)での高エタノール濃度耐性に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、比較組成物は、コーンスティープリカーを含有し(XP1)、かつ本発明の実施例による組成物は、一方の配合物(XP3)においてはコーンスティープリカー及び消泡剤を含有し、かつもう一方の配合物(XP4)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を含有した。
図5において理解され得るように、XP4生成物による処理は、10容量%及び18容量%のエタノール濃度を有する発酵培地によるXP1と比べて、10%を上回るより高い酵母細胞成長を示した。最近では、ほとんどのトウモロコシエタノールプラントは、最大で約14容量%のエタノールを主に生産するが、それは、酵母細胞が、そのような高いエタノール濃度環境ではほとんど生存することができないためである。酵母細胞が高いエタノール濃度に耐える能力を改善することは、プラントが高重力エタノール製造技術に移行しているため特により重要となり得る。
実施例5
糖利用率
全ての発酵サイクルの終わりに、エタノールプラント管理者は、非常に最小限の残留糖類しかないことを望んでいる。残留糖濃度は、もう一つの発酵の実行の善し悪しの指標である。最小限の残留糖類では、プラントは、より多くのエタノールを生産すると予想される。それというのも、酵母細胞がその糖類を利用して、所望の産物(エタノール)を生産すると推定されるからである。
種々の栄養組成物を、先に示したトウモロコシエタノールプラント用の調合(エタノール発酵用の調合)を使用して評価することで、コーンスティープリカーを消泡剤と組み合わせて、それとは別に消泡剤及び界面活性剤と組み合わせて使用することによる残留糖類に対する効果を、コーンスティープリカーを単独で使用する場合と比べて比較した。
総残留糖類は、HPLC法によって測定した。
図6は、この発酵実験で使用された種々の栄養組成物から得られる糖利用に対する効果を示す棒グラフであり、ここで、比較組成物は、コーンスティープリカーのみを含有し(XP1)、かつ本発明の実施例による組成物は、一方の配合物(XP3)においてはコーンスティープリカー及び消泡剤を含有し、かつもう一方の配合物(XP4)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を含有し、これらの様々な組成物についての結果は、図中では総残留糖類として示されている。
図6の結果によって示されるように、この研究においては、XP3生成物による処理は、XP1よりも約6.9%低い残留糖類をもたらした。このことは更に、XP3ではXP1と比較してより良好な酵母細胞成長及びエタノール産生が観察されたことを示している。XP4は、XP1よりも約3.9%高い残留糖類を有していた。
これらの実施例における結果は、コーンスティープリカーと消泡剤との配合物、及び更に界面活性剤と組み合わせた配合物が、トウモロコシエタノール発酵法に役立つ相乗的な性能をもたらし得ることを示している。
実施例6
酵母細胞成長
更なる種々の栄養組成物を、先に示したトウモロコシエタノールプラント用の調合(酵母増殖用の調合)を使用して評価することで、コーンスティープリカーを消泡剤と組み合わせて、それとは別に界面活性剤と組み合わせて、それとは別に消泡剤及び界面活性剤と組み合わせて使用することによる酵母細胞成長に対する効果を、コーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤をそれぞれ単独で使用する場合と比べて比較した。
25時間での酵母細胞数は、血球計数法及び細胞計数法によって測定した。
図7は、この細胞増殖実験で使用された10種の更なる種々の栄養組成物から得られる酵母細胞数濃度に対する効果を示す棒グラフである。比較組成物は、コーンスティープリカーのみ(「XP1」)又は消泡剤のみ(「XP6」)又は界面活性剤のみ(「XP9」)を含有し、かつ本発明の実施例による組成物は、2つの配合物(「XP3」、「XP5」)においてコーンスティープリカー及び消泡剤を異なる割合で含有し、2つの配合物(「XP7」、「XP8」)においてコーンスティープリカー及び界面活性剤を異なる割合で含有し、かつ3つのその他の配合物(「XP4」、「XP10」、及び「XP11」)においてはコーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤を異なる割合で含有した。
この実施例において使用された配合物XP1及びXP3〜XP11の評価された栄養組成物を、以下の第三表に記載する。
図7における結果によって示されるように、コーンスティープリカー(98%)及び消泡剤(2%)の配合物XP3は、あらゆる処理と比べて、酵母細胞成長において最高の増大をもたらし、コーンスティープリカーのみの配合物(XP1)による処理と比べて、酵母細胞数において6.4%多かった。配合物XP5における、より高い濃度の消泡剤(5%)と共により少ないコーンスティープリカー(95%)では、配合物XP1(コーンスティープリカー単独)を使用する処理に関する結果に対して、酵母細胞数において約25%の減少がもたらされ、生成物XP3(98%のコーンスティープリカー/2%の消泡剤)に対して約29%の減少がもたらされた。これにより、消泡剤の濃度がコーンスティープリカーと組み合わせて使用される場合に高すぎると、酵母細胞成長が低減し得ることが示された(第三表及び図7)。コーンスティープリカー及び界面活性剤を含有する配合物(XP7及びXP8)による処理は、コーンスティープリカーを含有する配合物(XP1)による処理と比べて酵母細胞数の減少をもたらした。これにもかかわらず、以下の実施例7において示されるように、XP7及びXP8による処理は、XP1による処理と比べてエタノール産生の増大をもたらし得る。XP4、XP10、及びXP11における3つの全ての成分(すなわち、コーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤)を含む配合物による処理も、コーンスティープリカー(XP1)による処理と比べて11%を上回る酵母細胞数の低下をもたらした。これにもかかわらず、実施例9において示されるように、XP7及びXP8による処理は、XP1による処理と比べてグリセロール産生の大幅な低減をもたらし得る。
実施例7
エタノール産生
更なる種々の栄養組成物を、先に示したトウモロコシエタノールプラント用の調合(エタノール発酵用の調合)を使用して評価することで、コーンスティープリカーを消泡剤と組み合わせて、それとは別に消泡剤及び界面活性剤と組み合わせて使用することによるエタノール産生に対する効果を、コーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤をそれぞれ単独で使用する場合と比べて比較した。
64時間でのエタノール濃度(重量%)は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法によって測定した。
図8は、この発酵実験で使用された種々の栄養組成物から得られたエタノール濃度に対する効果を表す棒グラフであり、ここで、それらの栄養組成物は、上述の実施例6における第三表に記載される栄養組成物XP1及びXP3〜XP10に相当するものとした。
図8における結果によって示されるように、界面活性剤及びコーンスティープリカーの配合物(XP7及びXP8)による処理の使用は、評価された配合物のなかでも最も高いエタノール産生の増大をもたらし、それは、処理XP7の場合に、コーンスティープリカー(XP1)による処理と比べて約7%高い増大であった。特定の理論に縛られることを望むものではないが、界面活性剤分子の存在が、酵母細胞が高いエタノール濃度の環境に耐える能力を増強するため、エタノール収率を高めることができる。また、コーンスティープリカー(98%)及び消泡剤(2%)の配合物による処理(処理XP3−13.2重量%のエタノール)は、コーンスティープリカーによる処理(処理XP1−12.9重量%のエタノール)と比べて、エタノール産生において僅かな増大をもたらした。3種全ての成分(コーンスティープリカー、有機消泡剤、界面活性剤)の添加は、XP1による処理と比べて、同じエタノール産生、又はエタノール産生の低下(処理XP4−12.9重量%のエタノール、XP10−12.3重量%のエタノール、及びXP11−12.4重量%のエタノール)をもたらした。
これらの結果により、コーンスティープリカーと消泡剤との間、及びコーンスティープリカーと界面活性剤との間には、トウモロコシエタノール製造の促進において相乗作用が存在するものの、3種全ての成分が存在すると、エタノール産生が幾らか低減することが示された。
実施例8
糖利用率
示されるように、残留糖類の濃度は、発酵の実行性能の指標の1つである。低い残留糖類は、糖類を消費して所望の産物を産生する良好な酵母細胞成長が存在したことを示している。
更なる種々の栄養組成物を、先に示したトウモロコシエタノールプラント用の調合(エタノール発酵用の調合)を使用して評価することで、コーンスティープリカーを消泡剤と組み合わせて、それとは別に界面活性剤と組み合わせて、それとは別に消泡剤及び界面活性剤と組み合わせて使用することによる残留糖類に対する効果を、コーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤をそれぞれ単独で使用する場合と比べて比較した。
64時間での総残留糖類は、HPLC法によって測定した。
図9は、この発酵実験で使用された種々の栄養組成物から得られた糖利用に対する効果を表す棒グラフであり、ここで、それらの栄養組成物は、上述の実施例6における第三表に記載される栄養組成物XP1及びXP3〜XP10に相当するものとした。
この研究においては、概して良好な細胞成長を呈した全ての処理は、発酵の終わりにおいて非常に低い残留糖類を有していた。例えば、実施例6における最高の酵母細胞数を有した処理XP3は、処理XP1(0.17重量%)の残留糖類と比べて最も低い濃度の残留糖類の1つ(0.15重量%)を有していた(図9)。実施例7において高いエタノール産生を有した処理XP7及びXP8については、処理XP7は、処理XP1と比べてより低い残留糖類(0.12%)を有し、そして処理XP8は、処理XP1に匹敵する残留糖類(0.18重量%)を有していた。これらの結果から更に、酵母細胞の成長及び健康状態の促進において、コーンスティープリカーと消泡剤との間、及びコーンスティープリカーと界面活性剤との間の相乗作用が示される。
実施例9
グリセロール産生
エタノール発酵におけるグリセロール産生の水準は、酵母細胞に対するストレスの水準を示している。更なる種々の栄養組成物を、先に示したトウモロコシエタノールプラント用の調合(エタノール発酵用の調合)を使用して評価することで、コーンスティープリカーを消泡剤と組み合わせて、それとは別に界面活性剤と組み合わせて、それとは別に消泡剤及び界面活性剤と組み合わせて使用することによるグリセロール産生に対する効果を、コーンスティープリカー、消泡剤、及び界面活性剤をそれぞれ単独で使用する場合と比べて比較した。
発酵培地中でのグリセロール含量は、屈折率検出器を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定することができる。
図10は、この発酵実験で使用された種々の栄養組成物から得られたグリセロール濃度に対する効果を表す棒グラフであり、ここで、それらの栄養組成物は、上述の実施例6における第三表に記載される栄養組成物XP1及びXP3〜XP10に相当するものとした。
図10に示されるように、配合物XP3による処理におけるコーンスティープリカー及び消泡剤の存在は、コーンスティープリカー(XP1)による処理と比べて、グリセロール産生の減少をもたらした。コーンスティープリカー及び界面活性剤による処理についての結果も加えた。配合物XP7(98%のコーンスティープリカー+2%の界面活性剤)による処理は、コーンスティープリカー単独(XP1)よりも高いグリセロール産生をもたらしたが、配合物XP8(95%のコーンスティープリカー+5%の界面活性剤)のコーンスティープリカー及び界面活性剤による処理は、コーンスティープリカー(XP1)による処理よりも低いグリセロール産生をもたらした。これらの結果から、トウモロコシエタノール発酵の間のグリセロール産生の低減において、コーンスティープリカーと消泡剤との間に相乗作用が存在し、かつコーンスティープリカー及び界面活性剤の少なくとも幾つかの配合物においても相乗作用が存在することが示された。
本発明は、任意の順序及び/又は任意の組み合わせでの以下の態様/実施形態/特徴を包含する。
1. 本発明は、コーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤(a)若しくは少なくとも1種の界面活性剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせとを含む栄養組成物を含有する成長培地中で、少なくとも1種の酵母を培養して、増殖した酵母培養物を得ることを含む、生物産物の製造のための酵母成長の増強方法に関する。
2. 栄養組成物は、少なくとも1種の界面活性剤、例えば、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はそれらの任意の組み合わせを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
3. 少なくとも1種の消泡剤が存在し、それは少なくとも1種の有機消泡剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
4. 少なくとも1種の消泡剤は、約1から約5までのHLB値を有する少なくとも1種の界面活性剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
5. 少なくとも1種の有機消泡剤は、ポリグリコール、ポリグリコールとシリコーンとのブレンド、脂肪酸エトキシレート、エトキシル化脂肪アミン、又はそれらの任意の組み合わせである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
6. 少なくとも1種の界面活性剤は、エトキシル化ソルビタンエステル、グリセリドエトキシレート、エトキシル化ひまし油、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、フェノールエトキシレート、アミドエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、脂肪アミンエトキシレート、脂肪アミドエトキシレート、脂肪モノエタノールアミド若しくは脂肪ジエタノールアミド、アルキルグリコシド、ポリエチレングリコール(PEG)、アセチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポロキサマー、アルカリ金属アリールスルホン酸塩、エトキシル化脂肪アミド、又はそれらの任意の組み合わせである非イオン性界面活性剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
7. 少なくとも1種の界面活性剤は、エトキシル化ソルビタンエステル(ポリソルベート)である非イオン性界面活性剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
8. 少なくとも1種の界面活性剤は、約2から約39までのHLB値を有する非イオン性界面活性剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
9. 少なくとも1種の界面活性剤は、約7から約25までのHLB値を有する非イオン性界面活性剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
10. 栄養組成物は、該組成物の総固体重量に対して、約1.0重量%から約99.9重量%までのコーンスティープリカーと、約0.1重量%から約50重量%までの少なくとも1種の消泡剤(a)、若しくは0重量%(又は0.1重量%)から約50重量%までの少なくとも1種の界面活性剤(b)の少なくとも一方、又は(a)及び(b)の任意の組み合わせとを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
11. 培養は、混合物の重量に対して、約0.01重量%から約50.00重量%までの少なくとも1種の酵母と、約99.99重量%から約50.00重量%までの栄養組成物とを含有する混合物を培養することを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
12. 少なくとも1種の酵母は、サッカロマイセス・セレビシエ、サッカロマイセス・パストリアヌス(カールスベルゲンシス)、クルイウェロマイセス・ラクティス、クルイウェロマイセス・フラジリス、フサリウム・オキシスポラム、又はそれらの任意の組み合わせである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
13. 栄養組成物の添加は、培養をコーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖した酵母培養物における酵母濃度と比べて、1グラム当たり少なくとも約3000000個の細胞の増殖した酵母培養物における酵母濃度の増大をもたらす、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
14. 栄養組成物の添加は、培養をコーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の界面活性剤及び少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖した酵母培養物における酵母濃度と比べて、1グラム当たり少なくとも約3000000個の細胞の増殖した酵母培養物における酵母濃度の増大をもたらす、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
15. 栄養組成物の添加は、培養を同量の上記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖した酵母培養物における酵母濃度と比べて、単位重量当たりの細胞数を基準として少なくとも約25%以上の増殖した酵母培養物における酵母濃度の増大をもたらす、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
16. 栄養組成物の添加は、培養を同量の上記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の界面活性剤及び少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖した酵母培養物における酵母濃度と比べて、単位重量当たりの細胞数を基準として少なくとも約25%以上の増殖した酵母培養物における酵母濃度の増大をもたらす、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
17. コーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤(a)若しくは少なくとも1種の界面活性剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせとを含む栄養組成物を含有する成長培地中で、少なくとも1種の酵母を培養して、増殖した酵母培養物を得ることと、
発酵基質に増殖した酵母培養物を接種して、発酵可能なバイオマスを生成することと、
発酵可能なバイオマスを発酵させて、少なくとも1種の生物産物と未発酵の固体含有物とを含む発酵したバイオマスを生成することと、
少なくとも1種の生物産物の少なくとも一部を固体含有物から分離することと、
を含む、発酵による生物産物の製造方法。
18. 栄養組成物は、少なくとも1種の界面活性剤、例えば、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はそれらの任意の組み合わせを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
19. コーンスティープリカー、少なくとも1種の消泡剤、及び少なくとも1種の界面活性剤は、培養のために添加前に予め混合しておく、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
20. コーンスティープリカー、少なくとも1種の消泡剤、及び任意の少なくとも1種の界面活性剤は、培養のために個別に添加する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
21. 少なくとも1種の消泡剤が存在し、それは少なくとも1種の有機消泡剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
22. 少なくとも1種の消泡剤は、約1から約5までのHLB値を有する界面活性剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
23. コーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤と、少なくとも1種の界面活性剤とを含む追加の栄養組成物を導入することを更に含み、その栄養組成物は発酵可能なバイオマス中に含有される、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
24. コーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤とを含む追加の栄養組成物を導入することを更に含み、その栄養組成物は発酵可能なバイオマス中に含有される、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
25. コーンスティープリカー、少なくとも1種の消泡剤、及び任意の少なくとも1種の界面活性剤は、発酵可能なバイオマスに添加する前に予め混合しておく、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
26. コーンスティープリカー、少なくとも1種の消泡剤、及び任意の少なくとも1種の界面活性剤は、発酵可能な塊へと個別に添加する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
27. 少なくとも1種の生物産物は、エタノール、油、又はそれらの組み合わせである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
28. 分離は、発酵したバイオマスからエタノールを蒸留することa)、発酵したバイオマスから油を抽出することb)、又はa)及びb)の両方c)を含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
29. 栄養組成物の添加は、培養を同量の上記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖槽及び発酵槽における酵母濃度と比べて、1グラム当たり少なくとも約3000000個の細胞の増殖槽及び発酵槽における酵母濃度の増大をもたらす、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
30. 栄養組成物の添加は、培養を同量の上記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の界面活性剤及び少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖槽及び発酵槽における酵母濃度と比べて、1グラム当たり少なくとも約3000000個の細胞の増殖槽及び発酵槽における酵母濃度の増大をもたらす、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
31. 栄養組成物の添加は、培養を同量のコーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の消泡剤及び少なくとも1種の界面活性剤を用いずに行った増殖槽及び発酵槽におけるエタノール濃度と比べて、少なくとも1%重量/容量の発酵したバイオマスにおけるエタノール濃度の増大をもたらす、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
32. 発酵は、30%から40%までの発酵可能な固形分での高重力発酵であり、かつ栄養組成物の添加は、培養を該栄養組成物ではなく同量の尿素を用いて行ったエタノール収率と比べて、少なくとも約2%のエタノール収率の増大をもたらす、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
33. 増殖槽及び発酵槽は、約0.02%重量/容量から約18%重量/容量までのエタノール濃度を有し、かつ栄養組成物の添加は、培養を同量の上記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の界面活性剤及び少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った発酵したバイオマスにおける酵母濃度と比べて、単位重量当たりの細胞数を基準として少なくとも約2.5%の発酵したバイオマスにおける酵母濃度の増大をもたらす、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
34. 栄養組成物の添加は、培養を同量の上記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖槽及び発酵槽における残留糖濃度と比べて、少なくとも3%重量/容量の発酵したバイオマスにおける残留糖濃度の低減をもたらす、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
35. 培養を、回分式発酵、流加回分式発酵、又は連続式発酵から選択される発酵方式で実施する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
36. 発酵を、回分式発酵、流加回分式発酵、又は連続式発酵から選択される発酵方式で実施する、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
37. 発酵基質は、穀類、例えばトウモロコシ、コムギ、ライムギ、オオムギ及びモロコシ、リグノセルロース質材料、例えば木材、ヤナギ材及びスイッチグラス、農業残渣、例えばトウモロコシ茎葉、トウモロコシ穂軸、わら及びバガス、サトウキビ、糖蜜、テンサイ、デンプン材料、例えばタピオカ(カッサバ)及びジャガイモ、紙及びパルプ工業廃棄物、藻類、木材、種子、草、又はそれらの任意の組み合わせを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
38. 発酵基質は、トウモロコシを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の方法。
39. コーンスティープリカーと、
非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、若しくはそれらの任意の組み合わせ等の少なくとも1種の界面活性剤(a)、若しくは少なくとも1種の消泡剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせと、
を含む発酵栄養組成物。
40. 少なくとも1種の消泡剤が少なくとも1種の有機消泡剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の発酵栄養組成物。
41. 少なくとも1種の有機消泡剤は、ポリグリコール、ポリグリコールとシリコーンとのブレンド、脂肪酸エトキシレート、エトキシル化脂肪アミン、又はそれらの任意の組み合わせである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の発酵栄養組成物。
42. 少なくとも1種の界面活性剤は、エトキシル化ソルビタンエステル、グリセリドエトキシレート、エトキシル化ひまし油、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、フェノールエトキシレート、アミドエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、脂肪アミンエトキシレート、脂肪アミドエトキシレート、脂肪モノエタノールアミド若しくは脂肪ジエタノールアミド、アルキルグリコシド、ポリエチレングリコール(PEG)、アセチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポロキサマー、アルカリ金属アリールスルホン酸塩、エトキシル化脂肪アミド、又はそれらの任意の組み合わせである非イオン性界面活性剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の発酵栄養組成物。
43. 少なくとも1種の界面活性剤は、エトキシル化ソルビタンエステル(ポリソルベート)である非イオン性界面活性剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の発酵栄養組成物。
44. 少なくとも1種の界面活性剤は、約7から約25までのHLB値を有する非イオン性界面活性剤であり、かつ少なくとも1種の有機消泡剤は、約1から約5までのHLB値を有する界面活性剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の発酵栄養組成物。
45. 栄養組成物の総固体重量に対して、約1.0重量%から約99.9重量%までのコーンスティープリカーと、約0.1重量%から約50重量%までの少なくとも1種の消泡剤と、約0.1重量%から約50重量%までの少なくとも1種の界面活性剤とを含む、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の発酵栄養組成物。
46. コーンスティープリカー、酵母培養、糖類と、
少なくとも1種の界面活性剤(a)若しくは少なくとも1種の消泡剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせと、
を含む液体混合物。
47. 少なくとも1種の消泡剤は、有機消泡剤であり、かつ少なくとも1種の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はそれらの任意の組み合わせである、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の液体混合物。
48. 少なくとも1種の有機消泡剤は、約1から約5までのHLB値を有する界面活性剤であり、かつ少なくとも1種の界面活性剤は、約7から約25までのHLB値を有する非イオン性界面活性剤である、任意の上記又は下記の実施形態/特徴/態様に記載の液体混合物。
本発明は、文及び/又は段落に記載のような上記及び/又は下記のこれらの様々な特徴又は実施形態の任意の組み合わせを包含し得る。本明細書に開示される特徴の任意の組み合わせは本発明の一部とみなされ、組み合わせ特徴に関しては限定されないことが意図される。
出願人らはこの開示における全ての引用文献の内容全体を具体的に援用している。さらに、量、濃度又は他の値若しくはパラメータが範囲、好ましい範囲、又は好ましい上限値と好ましい下限値とのリストのいずれかとして与えられる場合、これは範囲が別々に開示されているかに関わらず、任意の範囲上限又は好ましい値と、任意の範囲下限又は好ましい値との任意の対から形成されるあらゆる範囲を具体的に開示するものと理解されるものとする。数値の範囲が本明細書で言及されている場合、特に指定のない限り、範囲はその端点、並びに範囲内の全ての整数及び端数を含むことが意図される。本発明の範囲は、範囲を規定する場合に言及された特定の値に限定することは意図されない。
本発明の趣旨又は範囲から逸脱することなく本発明の実施形態に様々な修正及び変更を行うことができることは当業者にとって明らかであろう。このため本発明は、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等範囲内にあれば、本発明の他の修正形態及び変更形態を包含するものであることが意図される。
図2
Yeast Cell Count @ 7hr 7時間時点での酵母細胞数
Milion cells per gram 1グラム当たりの細胞数(×1000000)
Treatment 処理
図3
EtOH - 40hr EtOH−40時間
Conc., %wt 濃度、重量%
Treatment 処理
図4
High gravity fermentation 高重力発酵
% Ethanol エタノール(%)
No Dose 供与なし
Dose 1X 供与量1X
Dose 2X 供与量2X
Treatment Dose 処理剤の供与量
図5
Yeast Cell Concentration, @ 48 hrs 48時間時点での酵母細胞濃度
Optical density, 600 nm 光学密度、600nm
図6
Total Residual Sugars - 40 hr 総残留糖類−40時間
図7
Yeast Cell Count at 25 hr 25時間時点での酵母細胞数
Million cells per mL 1 mL当たりの細胞数(×1000000)
Treatments 処理
図8
Ethanol Concentration at 64 hrs 64時間時点でのエタノール濃度
Conc., %wt 濃度、重量%
図9
Residual Sugars at 64 hr 64時間時点での残留糖類
Conc., %wt 濃度、重量%
Treatments 処理
図10
Glycerol Concentration at 64 hr 64時間時点でのグリセロール濃度
Conc., %wt 濃度、重量%
Treatments 処理

Claims (48)

  1. コーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤(a)若しくは少なくとも1種の界面活性剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせとを含む栄養組成物を含有する成長培地中で、少なくとも1種の酵母を培養して、増殖した酵母培養物を得ることを含む、生物産物の製造のための酵母成長の増強方法。
  2. 前記栄養組成物は、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はそれらの任意の組み合わせである少なくとも1種の界面活性剤を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1種の消泡剤が存在し、それは少なくとも1種の有機消泡剤である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1種の消泡剤は、1から5までのHLB値を有する少なくとも1種の界面活性剤である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1種の有機消泡剤は、ポリグリコール、ポリグリコールとシリコーンとのブレンド、脂肪酸エトキシレート、エトキシル化脂肪アミン、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項3に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1種の界面活性剤は、エトキシル化ソルビタンエステル、グリセリドエトキシレート、エトキシル化ひまし油、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、フェノールエトキシレート、アミドエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、脂肪アミンエトキシレート、脂肪アミドエトキシレート、脂肪モノエタノールアミド若しくは脂肪ジエタノールアミド、アルキルグリコシド、ポリエチレングリコール(PEG)、アセチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポロキサマー、アルカリ金属アリールスルホン酸塩、エトキシル化脂肪アミド、又はそれらの任意の組み合わせである非イオン性界面活性剤である、請求項2に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1種の界面活性剤は、エトキシル化ソルビタンエステル(ポリソルベート)である非イオン性界面活性剤である、請求項2に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1種の界面活性剤は、2から39までのHLB値を有する非イオン性界面活性剤である、請求項2に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1種の界面活性剤は、7から25までのHLB値を有する非イオン性界面活性剤である、請求項2に記載の方法。
  10. 前記栄養組成物は、該組成物の総固体重量に対して、1.0重量%から99.9重量%までのコーンスティープリカーと、0.1重量%から50重量%までの少なくとも1種の消泡剤(a)、若しくは0.1重量%から50重量%までの少なくとも1種の界面活性剤(b)の少なくとも一方、又は(a)及び(b)の任意の組み合わせとを含む、請求項2に記載の方法。
  11. 前記培養は、混合物の重量に対して、0.01重量%から50.00重量%までの前記少なくとも1種の酵母と、99.99重量%から50.00重量%までの前記栄養組成物とを含有する混合物を培養することを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記少なくとも1種の酵母は、サッカロマイセス・セレビシエ、サッカロマイセス・パストリアヌス(カールスベルゲンシス)、クルイウェロマイセス・ラクティス、クルイウェロマイセス・フラジリス、フサリウム・オキシスポラム、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項1に記載の方法。
  13. 前記栄養組成物の添加は、培養をコーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖した酵母培養物における酵母濃度と比べて、1グラム当たり少なくとも約3000000個の細胞の増殖した酵母培養物における酵母濃度の増大をもたらす、請求項1に記載の方法。
  14. 前記栄養組成物の添加は、培養をコーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の界面活性剤及び少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖した酵母培養物における酵母濃度と比べて、1グラム当たり少なくとも約3000000個の細胞の増殖した酵母培養物における酵母濃度の増大をもたらす、請求項2に記載の方法。
  15. 前記栄養組成物の添加は、培養を同量の前記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖した酵母培養物における酵母濃度と比べて、単位重量当たりの細胞数を基準として少なくとも約25%以上の増殖した酵母培養物における酵母濃度の増大をもたらす、請求項1に記載の方法。
  16. 前記栄養組成物の添加は、培養を同量の前記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の界面活性剤及び少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖した酵母培養物における酵母濃度と比べて、単位重量当たりの細胞数を基準として少なくとも約25%以上の増殖した酵母培養における酵母濃度の増大をもたらす、請求項2に記載の方法。
  17. コーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤(a)若しくは少なくとも1種の界面活性剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせとを含む栄養組成物を含有する成長培地中で、少なくとも1種の酵母を培養して、増殖した酵母培養物を得ることと、
    発酵基質に前記増殖した酵母培養物を接種して、発酵可能なバイオマスを生成することと、
    前記発酵可能なバイオマスを発酵させて、少なくとも1種の生物産物と未発酵の固体含有物とを含む発酵したバイオマスを生成することと、
    前記少なくとも1種の生物産物の少なくとも一部を前記固体含有物から分離することと、
    を含む、発酵による生物産物の製造方法。
  18. 前記栄養組成物は、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はそれらの任意の組み合わせである少なくとも1種の界面活性剤を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記コーンスティープリカー、前記少なくとも1種の消泡剤、及び前記少なくとも1種の界面活性剤は、培養のために添加前に予め混合しておく、請求項17に記載の方法。
  20. 前記コーンスティープリカー、前記少なくとも1種の消泡剤、及び前記少なくとも1種の界面活性剤は、培養のために個別に添加する、請求項17に記載の方法。
  21. 前記少なくとも1種の消泡剤が存在し、それは少なくとも1種の有機消泡剤である、請求項17に記載の方法。
  22. 前記少なくとも1種の消泡剤は、1から5までのHLB値を有する界面活性剤である、請求項21に記載の方法。
  23. コーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤と、少なくとも1種の界面活性剤とを含む追加の栄養組成物を導入することを更に含み、その栄養組成物は前記発酵可能なバイオマス中に含有される、請求項17に記載の方法。
  24. コーンスティープリカーと、少なくとも1種の消泡剤と、任意に少なくとも1種の界面活性剤とを含む追加の栄養組成物を導入することを更に含み、その栄養組成物は前記発酵可能なバイオマス中に含有される、請求項18に記載の方法。
  25. 前記コーンスティープリカー、前記少なくとも1種の消泡剤、及び任意の前記少なくとも1種の界面活性剤は、発酵可能なバイオマスに添加する前に予め混合しておく、請求項24に記載の方法。
  26. 前記コーンスティープリカー、前記少なくとも1種の消泡剤、及び任意の前記少なくとも1種の界面活性剤は、発酵可能な塊へと個別に添加する、請求項24に記載の方法。
  27. 前記少なくとも1種の生物産物は、エタノール、油、又はそれらの組み合わせである、請求項17に記載の方法。
  28. 前記分離は、前記発酵したバイオマスからエタノールを蒸留することa)、前記発酵したバイオマスから油を抽出することb)、又はa)及びb)の両方c)を含む、請求項17に記載の方法。
  29. 前記栄養組成物の添加は、培養を同量の前記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖槽及び発酵槽における酵母濃度と比べて、1グラム当たり少なくとも約3000000個の細胞の増殖槽及び発酵槽における酵母濃度の増大をもたらす、請求項17に記載の方法。
  30. 前記栄養組成物の添加は、培養を同量の前記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の界面活性剤及び少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖槽及び発酵槽における酵母濃度と比べて、1グラム当たり少なくとも約3000000個の細胞の増殖槽及び発酵槽における酵母濃度の増大をもたらす、請求項18に記載の方法。
  31. 前記栄養組成物の添加は、培養を同量の前記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の消泡剤及び少なくとも1種の界面活性剤を用いずに行った増殖槽及び発酵槽におけるエタノール濃度と比べて、少なくとも1%重量/容量の前記発酵したバイオマスにおけるエタノール濃度の増大をもたらす、請求項17に記載の方法。
  32. 前記発酵は、30%から40%までの発酵可能な固形分での高重力発酵であり、かつ前記栄養組成物の添加は、培養を該栄養組成物ではなく同量の尿素を用いて行ったエタノール収率と比べて、少なくとも約2%のエタノール収率の増大をもたらす、請求項17に記載の方法。
  33. 増殖槽及び発酵槽は、0.02%重量/容量から18%重量/容量までのエタノール濃度を有し、かつ前記栄養組成物の添加は、培養を同量の前記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の界面活性剤及び少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った前記発酵したバイオマスにおける酵母濃度と比べて、単位重量当たりの細胞数を基準として少なくとも約2.5%の前記発酵したバイオマスにおける酵母濃度の増大をもたらす、請求項18に記載の方法。
  34. 前記栄養組成物の添加は、培養を同量の前記コーンスティープリカーだけを添加して、少なくとも1種の消泡剤を用いずに行った増殖槽及び発酵槽における残留糖濃度と比べて、少なくとも3%重量/容量の前記発酵したバイオマスにおける残留糖濃度の低減をもたらす、請求項17に記載の方法。
  35. 培養を、回分式発酵、流加回分式発酵、又は連続式発酵から選択される発酵方式で実施する、請求項17に記載の方法。
  36. 発酵を、回分式発酵、流加回分式発酵、又は連続式発酵から選択される発酵方式で実施する、請求項17に記載の方法。
  37. 前記発酵基質は、穀類、例えばトウモロコシ、コムギ、ライムギ、オオムギ及びモロコシ、リグノセルロース質材料、例えば木材、ヤナギ材及びスイッチグラス、農業残渣、例えばトウモロコシ茎葉、トウモロコシ穂軸、わら及びバガス、サトウキビ、糖蜜、テンサイ、デンプン材料、例えばタピオカ(カッサバ)及びジャガイモ、紙及びパルプ工業廃棄物、藻類、木材、種子、草、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項17に記載の方法。
  38. 前記発酵基質は、トウモロコシを含む、請求項17に記載の方法。
  39. i)コーンスティープリカーと、
    ii)非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、若しくはそれらの任意の組み合わせである少なくとも1種の界面活性剤(a)、若しくは少なくとも1種の消泡剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせと、
    を含む発酵栄養組成物。
  40. 前記少なくとも1種の消泡剤が存在し、それは少なくとも1種の有機消泡剤である、請求項39に記載の発酵栄養組成物。
  41. 前記少なくとも1種の有機消泡剤は、ポリグリコール、ポリグリコールとシリコーンとのブレンド、脂肪酸エトキシレート、エトキシル化脂肪アミン、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項39に記載の発酵栄養組成物。
  42. 前記少なくとも1種の界面活性剤は、エトキシル化ソルビタンエステル、グリセリドエトキシレート、エトキシル化ひまし油、アルコールエトキシレート、アルキルフェノールエトキシレート、フェノールエトキシレート、アミドエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、脂肪アミンエトキシレート、脂肪アミドエトキシレート、脂肪モノエタノールアミド若しくは脂肪ジエタノールアミド、アルキルグリコシド、ポリエチレングリコール(PEG)、アセチレングリコール、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポロキサマー、アルカリ金属アリールスルホン酸塩、エトキシル化脂肪アミド、又はそれらの任意の組み合わせである非イオン性界面活性剤である、請求項39に記載の発酵栄養組成物。
  43. 前記少なくとも1種の界面活性剤は、エトキシル化ソルビタンエステル(ポリソルベート)である非イオン性界面活性剤である、請求項39に記載の発酵栄養組成物。
  44. 前記少なくとも1種の界面活性剤は、7から25までのHLB値を有する非イオン性界面活性剤であり、かつ前記少なくとも1種の有機消泡剤は、1から5までのHLB値を有する界面活性剤である、請求項39に記載の発酵栄養組成物。
  45. 前記栄養組成物の総固体重量に対して、1.0重量%から99.9重量%までのコーンスティープリカーと、0.1重量%から50重量%までの少なくとも1種の消泡剤と、0.1重量%から50重量%までの少なくとも1種の界面活性剤とを含む、請求項39に記載の発酵栄養組成物。
  46. コーンスティープリカー、酵母培養物、及び糖類と、
    少なくとも1種の界面活性剤(a)若しくは少なくとも1種の消泡剤(b)の少なくとも一方、又はそれらの任意の組み合わせと、
    を含む液体混合物。
  47. 前記少なくとも1種の消泡剤は、有機消泡剤であり、かつ前記少なくとも1種の界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又はそれらの任意の組み合わせである、請求項46に記載の液体混合物。
  48. 前記少なくとも1種の有機消泡剤は、1から5までのHLB値を有する界面活性剤であり、かつ前記少なくとも1種の界面活性剤は、7から25までのHLB値を有する非イオン性界面活性剤である、請求項47に記載の液体混合物。
JP2018520140A 2015-10-20 2016-10-19 発酵による生物産物の製造のための酵母成長の増強方法、及び該方法のための栄養組成物 Pending JP2018537075A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201562243717P 2015-10-20 2015-10-20
US62/243,717 2015-10-20
PCT/US2016/057688 WO2017070200A1 (en) 2015-10-20 2016-10-19 Method to enhance yeast growth for fermentative bioproduct production, and nutrient composition for same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018537075A true JP2018537075A (ja) 2018-12-20
JP2018537075A5 JP2018537075A5 (ja) 2019-11-21

Family

ID=57233870

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018520140A Pending JP2018537075A (ja) 2015-10-20 2016-10-19 発酵による生物産物の製造のための酵母成長の増強方法、及び該方法のための栄養組成物

Country Status (9)

Country Link
US (1) US10767197B2 (ja)
EP (1) EP3365457A1 (ja)
JP (1) JP2018537075A (ja)
CN (1) CN108350471A (ja)
AU (2) AU2016340880A1 (ja)
BR (1) BR112018007314A2 (ja)
CA (1) CA3001126A1 (ja)
WO (1) WO2017070200A1 (ja)
ZA (1) ZA201802188B (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX2020008026A (es) 2018-01-30 2020-09-10 Buckman Laboratories Int Inc Combinaciones sinergicas de monocloramina y acido organico, y metodos de uso de las mismas para control microbiano.
MX2020008270A (es) * 2018-02-07 2020-09-21 Buckman Laboratories Int Inc Combinaciones sinergicas de monocloramina y compuesto de peroxido, y metodos de uso de las mismas para control microbiano.
GB201821240D0 (en) * 2018-12-27 2019-02-13 Nova Pangaea Tech Uk Limited Fermentation of products from hydrolysis of lignocellulosic biomass

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2817624A (en) * 1954-08-27 1957-12-24 Merck & Co Inc Preparation of ergosterol containing yeast
JPH078268A (ja) * 1993-04-26 1995-01-13 Kawasaki Steel Corp 海洋性微細藻類の培養方法およびこれを用いたドコサヘキサエン酸の製造方法
JPH09242A (ja) * 1995-06-23 1997-01-07 Kao Corp 発酵用消泡剤及びこれを用いた発酵生産方法
WO2002053746A1 (en) * 2000-12-28 2002-07-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Process for producing prenyl alcohol
KR20030075996A (ko) * 2002-03-22 2003-09-26 주식회사 동강그린 고초균과 효모균을 이용한 사료첨가제 및 이의 제조방법
JP2010088395A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Hokko Chem Ind Co Ltd 微生物による環状アミノ酸の製造法

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3331863A (en) * 1961-10-09 1967-07-18 Upjohn Co 6-difluoromethyl-17alpha-hydroxyprogesterones and 17-acylates thereof
DE3241829A1 (de) 1982-11-09 1984-05-10 Schering AG, 1000 Berlin und 4709 Bergkamen Biokatalysator
DE4119116C2 (de) * 1991-06-10 1997-08-07 Boehme Chem Fab Kg Biologisch leicht eliminierbare Entschäumer für wäßrige Systeme
US6083998A (en) 1998-04-24 2000-07-04 Betzdearborn Inc. Defoamer and methods of use thereof
GB0218021D0 (en) * 2002-08-05 2002-09-11 Ciba Spec Chem Water Treat Ltd Production of a fermentation product
GB0323665D0 (en) * 2003-10-09 2003-11-12 Ici Plc Water-in-silicone oil emulsion
CA2653571C (en) 2006-06-16 2014-12-30 Polymer Ventures, Inc. Composition and methods for improving the production of fermentation operations
JP5587795B2 (ja) * 2008-02-06 2014-09-10 バイオコン・リミテッド 発酵培地、及びそのプロセス
RU2012118480A (ru) 2009-10-29 2013-12-10 Релайенс Лайф Сайенсиз Пвт. Лтд. Способ получения биодизельного топлива из дрожжевого штамма
JP5828460B2 (ja) 2010-03-19 2015-12-09 バックマン・ラボラトリーズ・インターナショナル・インコーポレーテッドBuckman Laboratories International Incorporated バイオエタノール生産において抗生物質代替物を用いたプロセス
US20130084615A1 (en) 2011-09-30 2013-04-04 Joseph Van Groll Method for Producing Ethanol and Yeast Protein Feed from Whey Permeate
US20140308726A1 (en) * 2011-11-10 2014-10-16 Anitox Corporation Controlling Bacterial Biofilms in Ethanol Production
CN104694584B (zh) * 2013-12-09 2018-06-12 中国科学院大连化学物理研究所 一种超高浓度乙醇发酵过程酵母回收技术
CN103805673B (zh) * 2014-03-01 2015-12-09 青岛科技大学 一种利用转基因酵母混合发酵生产秸秆乙醇的方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2817624A (en) * 1954-08-27 1957-12-24 Merck & Co Inc Preparation of ergosterol containing yeast
JPH078268A (ja) * 1993-04-26 1995-01-13 Kawasaki Steel Corp 海洋性微細藻類の培養方法およびこれを用いたドコサヘキサエン酸の製造方法
JPH09242A (ja) * 1995-06-23 1997-01-07 Kao Corp 発酵用消泡剤及びこれを用いた発酵生産方法
WO2002053746A1 (en) * 2000-12-28 2002-07-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Process for producing prenyl alcohol
KR20030075996A (ko) * 2002-03-22 2003-09-26 주식회사 동강그린 고초균과 효모균을 이용한 사료첨가제 및 이의 제조방법
JP2010088395A (ja) * 2008-10-10 2010-04-22 Hokko Chem Ind Co Ltd 微生物による環状アミノ酸の製造法

Non-Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
BIOTECHNOLOGY FOR BIOFUELS, 2011, VOL.4, 8 (PP.1-8), JPN6020027071, ISSN: 0004470974 *
BRAZ. ARCH. BIOL. TECHNOL., 2013, VOL.56, NO.5, PP.849-857, JPN6020027072, ISSN: 0004311993 *
J. CHEM. PHARM. RES., 2015, VOL.7, NO.3, PP.122-132, JPN6020027073, ISSN: 0004311994 *
PAK. J. ANAL. ENVIRON. CHEM., 2010, VOL.11, NO.1, PP.16-21, JPN6020027074, ISSN: 0004311995 *

Also Published As

Publication number Publication date
CN108350471A (zh) 2018-07-31
ZA201802188B (en) 2020-10-28
US20170107543A1 (en) 2017-04-20
EP3365457A1 (en) 2018-08-29
US10767197B2 (en) 2020-09-08
AU2021202765A1 (en) 2021-05-27
CA3001126A1 (en) 2017-04-27
BR112018007314A2 (pt) 2018-10-23
AU2016340880A1 (en) 2018-05-10
WO2017070200A1 (en) 2017-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11015168B2 (en) Filamentous fungal biomats, methods of their production and methods of their use
AU2021202765A1 (en) Method to enhance yeast growth for fermentative bioproduct production, and nutrient composition for same
ES2854723T3 (es) Fermentación de hidrato de carbono
Zanelato et al. Endoglucanase production with the newly isolated Myceliophtora sp. i-1d3b in a packed bed solid state fermentor
AU2010213762B2 (en) Controlling microbial contamination in alcoholic fermentation processes
PT106959B (pt) Processos para a produção de glicolípidos microbianos do tipo manosileritritolípidos, a partir de materiais lenhocelulósicos e suas aplicações
US20150284659A1 (en) Method and composition for increasing recovery of oil from fermentation processes
WO2011002824A1 (en) Pretreatment of biomass
EP3569714A1 (en) Process for producing a rhamnolipid produced by pseudomonas or enterobacter using andiroba or murumuru seed waste
JP2018537075A5 (ja)
WO2016044723A1 (en) Method for treatment of microorganisms during propagation, conditioning and fermentation using hops acid extracts and nisin
JP5017432B2 (ja) アルコール発酵性酵母及びこれを用いたエタノール製造方法
EP2914755B1 (en) Method for honey wort high-sugar alcohol fermentation
CN103261428A (zh) 使用包含过氧化物和季铵化合物的协同性制剂降低乙醇发酵中的污染性微生物的生长
Arshad et al. Role of operational parameters to Enhance Biofuel production
Banjo et al. Optimization of bioethanol production from sawdust and brewery spent grain
JP5156871B2 (ja) 連続エタノール製造方法
JP2023517759A (ja) エタノール発酵を促進する方法
Foglia Evaluation of effectiveness of tannin removal by alkaline pretreatment on sorghum for ethanol production blended with corn

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191009

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20191009

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200728

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201023

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201221

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210323