JP2023517759A - エタノール発酵を促進する方法 - Google Patents

エタノール発酵を促進する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2023517759A
JP2023517759A JP2022556020A JP2022556020A JP2023517759A JP 2023517759 A JP2023517759 A JP 2023517759A JP 2022556020 A JP2022556020 A JP 2022556020A JP 2022556020 A JP2022556020 A JP 2022556020A JP 2023517759 A JP2023517759 A JP 2023517759A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fermentation
yeast
mixture
vaclite
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022556020A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2021186164A5 (ja
Inventor
アンドリュー ジョン リー,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lytegro Ltd
Original Assignee
Lytegro Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lytegro Ltd filed Critical Lytegro Ltd
Publication of JP2023517759A publication Critical patent/JP2023517759A/ja
Publication of JPWO2021186164A5 publication Critical patent/JPWO2021186164A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/14Fungi; Culture media therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/14Fungi; Culture media therefor
    • C12N1/16Yeasts; Culture media therefor
    • C12N1/18Baker's yeast; Brewer's yeast
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/14Fungi; Culture media therefor
    • C12N1/16Yeasts; Culture media therefor
    • C12N1/18Baker's yeast; Brewer's yeast
    • C12N1/185Saccharomyces isolates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/38Chemical stimulation of growth or activity by addition of chemical compounds which are not essential growth factors; Stimulation of growth by removal of a chemical compound
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • C12P7/04Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
    • C12P7/06Ethanol, i.e. non-beverage
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

エタノール発酵促進混合物を形成する方法が提供される。この方法は、乾燥酵母を、少なくとも体積に対して0.1%のバクライトまたはバナナ抽出物と酵母増殖培地とを用いて水和させて発酵前混合物を生成する工程と、発酵前混合物を20℃~40℃の間の温度で30分~8時間維持して、促進混合物を形成する工程とを含む。エタノール10の促進混合物を形成するさらなる方法も提供される。水和活性化された酵母の溶液を提供する工程と、水和活性化された酵母の溶液に体積に対して0.1%~25%のバクライトまたはバナナ抽出物を追加する工程と、水和活性化された酵母の溶液を20℃~40℃の間の温度で30分~8時間維持して促進混合物を形成する工程とを含む。また、発酵方法も提供される。この方法は、エタノール促進混合物を調製する15の工程と、糖源を含む大量発酵混合物に促進混合物を添加する工程と、2℃~40℃の温度で大量発酵混合物を維持して、糖源をエタノールに発酵させる工程とを含む。【選択図】図6

Description

本発明は、発酵により糖からエタノールを製造する方法に関するものであり、発酵工程を強化する方法を提供するものである。
エタノールは、種々の異なる飲料、例えばビールやリンゴ酒、ワイン、およびウォッカ、ジン、ラムおよびウイスキー等の蒸留酒中のアルコールとして消費される。これらの飲料の全てにおいて、エタノールは、酵母を用いた発酵プロセスにより天然の糖源から製造される。また、エタノールはバイオ燃料としても使用され、これは一般に発酵プロセスにより製造される。
酵母は通性嫌気性であり、これは好気性または嫌気性条件下で生存し成長することができることを意味する。酸素の存在は、細胞の代謝的運命を決定する。酵母の細胞に関しては、その生存、成長および代謝は、酸素の存在下で最適であり、ここでは、高密度まで急速に増殖し、その環境中においてグルコースを二酸化炭素および水に変換する。しかしながら、嫌気的条件下では、酵母は非常にゆっくりと増殖し、細胞密度を低下させ、グルコースは完全に代謝されてエタノールおよび二酸化炭素を生成する。酵母の嫌気的増殖は、発酵プロセスに基づいて行われる。
発酵が進行すると、発酵混合物中のエタノール濃度が増加する。このプロセスは、高いエタノール濃度が毒性となり、酵母細胞を殺し始めるまで継続する。商業的な醸造および蒸留酵母株は、発酵の遅れ相(lag-phase)の最小化や、エタノールの生産率を改善するような向上された代謝活性や、増強されたアルコール耐性のような魅力的な形質のために改良されており、これにより酵母細胞は高濃度のエタノール中で生存することができ、それ故、各発酵からのエタノールの収率を高めることが容易になる。醸造および蒸留酵母は、典型的には、培養中において体積に対するアルコール濃度(ABV)が6%以下のエタノール濃度で耐性を示し、このレベルを超えるエタノール濃度で殺され始めるが、いくつかの商業的な酵母株は、15%ABV以上のエタノールレベルに耐えられることが示されている。
発酵工程の速度は、発酵混合物の環境条件、例えば、温度、発酵混合物の糖度、酵母の量、およびその工程が継続するときの発酵混合物のアルコール濃度に依存する。
ビールおよびリンゴ酒の発酵は、ビールおよびリンゴ酒が最大レベルのアルコールを含有することを望まない限り、ワインおよび蒸留発酵の両方からいくつかの点で異なっている。このように、ビールおよびリンゴ酒の発酵のための発酵プロセスは、ABVが4~6%程度に到達すると、通常停止される。ビールおよびリンゴ酒の醸造者にとっては、エタノールの全収率を増加させるのではなく、可能な限り迅速に必要なABVに達するために、発酵プロセスの速度および効率を最適化することが望まれている。しかしながら、蒸留者は、発酵速度および効率を最適化することを求める一方、各発酵から可能な最も多い量のエタノールを生成することを求める。実は、このエタノールは、発酵から抽出されるときに、彼らの商品の基礎を形成する。このように、各発酵からのエタノールの全収率の改善は、蒸留者にとって非常に商業的に魅力的である。
一般に、商業的発酵は、2つの別々のプロセス、最初の酵母増殖段階、次いでアルコールが生成される全発酵段階からなる。増殖段階は、原料の効率的な発酵を可能にするために、代謝的に活性な状態で十分な量の酵母細胞を提供するために必要である。増殖は発酵の外側の別の工程として実施することができ、結果として活性化された酵母を発酵混合物に添加することで、発酵のその場で生じさせることができる。典型的には必要な量の乾燥酵母を発酵に添加し、その後、遅れ相の間、例えば発酵の最初の4~6時間かけて代謝的に蘇生させるために放置する。
最初の酵母増殖段階では、酵母は、一般に、適当な増殖培地および環境で培養される。この方法は、最初に代謝的に静止した細胞の小集団(典型的には乾燥形態)が代謝的に活性になるように蘇生されることを可能にし、その後、後の全発酵段階で使用するのに適したより大きな集団をもたらす複製期に入ることを可能にする。初期酵母増殖段階の状態は、次の全発酵段階において最適な発酵性能を提供する最大量の酵母が生成されるような状態であるべきである。これを達成するために、酵母の細胞膜を形成する不飽和脂肪酸およびステロールの生成を容易にする好気的条件下で酵母増殖段階を実施する。これらの分子は、増殖および発酵の両方に重要であり、酵母細胞内に酸素を貯蔵する手段として役立つ。それらはまた、酵母細胞の塊の増加(増殖)、栄養素の全体的な取り込みの改善、続く全発酵段階で使用される酵母細胞のアルコール耐性を決定することのために必要である。酸素はまた、酵母が麦芽汁中の主要な糖であるマルトースを代謝し取込むために必要な分子の合成を刺激する。マルトースは、ビール、リンゴ酒および蒸留酒の産生のための供給原料である。
酵母が最初に水和され、その増殖を支持し、その後の全発酵段階に添加されたときに成長または風味付けに毒性がなく有害でもない増殖培地で培養されることが、いずれの酵母増殖段階においても重要である。酵母は、それが増殖するために最適な成長温度で適切な増殖培地中で培養される。適切な増殖培地には、典型的にはペプトン、酵母抽出物、およびデキストロースまたはグルコースが含まれる。これらの成分がわずかに異ならされた量で市販されている多くの商業的増殖培地が存在するが、それらは一般にYPD培地と呼ばれる。YPD培地は、糖源としてのグルコースまたはデキストロースのいずれかを、成長に必要な窒素およびアミノ酸を提供するために含まれる酵母抽出物とペプトンと共に含む。酵母抽出物はビタミンB複合体も提供する。YPD培地は、適切な条件下で酵母の良好な増殖を提供することが確実に見出されている。
あるいは、酵母の増殖は、予め水和されることなく、または培養されることなく、乾燥酵母が単に大量の発酵混合物に添加される大量発酵工程に含まれてもよい。この場合、酵母が大量の発酵混合物内のその場で増殖する一方、発酵がほとんどまたは全く起こらない最初の期間が存在する。この最初の時間は遅れ相と呼ばれ、典型的には酵母が複製相に入る前に酵母を醸造および蒸留させた状態で4~6時間続く。この遅れ相の短縮は、ビールおよびリンゴ酒の醸造者および蒸留者の両方に望ましい。
いくつかの発酵において、酵母は、以前の発酵から、または連続的な増殖源から利用される。これらの場合、乾燥酵母の増殖とは対照的に、酵母は既に水和されて活性化され、そして発酵を直ちに開始するために大量の発酵に直接添加されるのに十分な量が存在し得る。従って、このような生きて活性化された酵母の供給源が使用される場合には、酵母を水和して培養する必要がないか、または増殖段階を必要としない。代わりに、適当な量の生きて活性化された酵母を大量の発酵混合物に添加し、酵母がほぼ直ちに複製相に入る。このような場合には、一般に、酵母による増殖培地の使用はない。
欧州特許第1945763号明細書には、細菌の増殖を促進するための抽出物が記載されている。抽出物は、乳酸菌の増殖を促進するために特に使用される粗バナナ抽出物である。抽出物は、バナナから得られた抽出物として定義され、抽出物は、好ましくはバナナの果実の少なくとも一部を、さらなる追加物の添加なしに、適切な希釈剤中で混合し、そして抽出物を121℃で103kpaで15分間オートクレーブ処理することによって製造される。その抽出物は、0.01~10%の濃度で培地中に存在する。本出願における「バナナ抽出物」については、欧州特許第1945763号明細書の抽出物を参照することで理解される。
欧州特許第2773744号明細書は、細菌および酵母の増殖を促進するための追加物を開示している。この追加物は、酵母の増殖を促進するために使用することができる。特に、欧州特許第2773744号明細書は、酵母を含む微生物の増強された生産を提供するために追加物を利用する方法を開示している。この追加物は、酵母および他の微生物の改善された生産を提供することができる。欧州特許第2773744号明細書に開示されている追加物は、その中に開示されている方法に従って調製されたバナナ植物抽出物であり、バクライト(「BacLyte(登録商標)」)の名前で商品化されている。欧州特許第2773744号明細書は、図11および12に、バクライトが追加された培地を利用しての改良された酵母の成長を示している。図11は、RPMI-1640培地における酵母の増殖を示している。この培地は、YPD培地中に見出されるアミノ酸を含まないので、通常は酵母の増殖を支持しない。図11は、バクライトを追加したおよび追加しないRPMI-1640中の酵母の成長を示しており、バクライトの追加が、この、そうでなければ非支持性培地での酵母の増殖を促進することを明らかにしている。従って、バクライトの追加がYPD培地の非存在下での酵母の改良された増殖を提供することができることは、欧州特許第2773744号明細書から明らかである。図12は、10%糖蜜溶液中の酵母の成長を、バクライトありとなしとで示している。バクライトの非存在下では酵母の成長は小さく、バクライトの追加により酵母の成長はより大きくなる。
欧州特許第2773744号明細書の図11および図12の両方において、バクライトの追加がYPD非存在下での酵母の優れた増殖を提供することができることが示されている。欧州特許第2773744号明細書は、バクライトの追加が、ダウンストリームプロセスを妨害し得るアミノ酸を含む必要性を回避するために、酵母に対しての代わりの増殖培地を使用することを可能にすることを示唆している([0043]および[0044]参照)。すなわち、欧州特許第2773744号明細書の教示に従って、バクライトの追加は、YPD以外の増殖培地を使用することを可能にする。
欧州特許第1945763号明細書 欧州特許第2773744号明細書
本発明の第1の態様は、エタノール発酵促進混合物を形成する方法を提供するものであり、少なくとも0.1%のバクライトまたは欧州特許第1945763号明細書に従った0.1%のバナナ抽出物を加えた乾燥酵母とYPD培地を水和させて、発酵前混合物を生成する工程と、前記発酵前混合物を25℃~40℃で30分~8時間加熱して前記促進混合物を形成する工程と、を含む。
上記のように、バクライトは、酵母を含む種々の微生物の増殖を促進することが見出された追加物である。バクライトの追加は、酵母の増殖のためにYPD以外の培地を使用することを可能にすることが以前に見出されている。本発明によれば、酵母のためのバクライトを有するYPD培地の追加は、バクライト単体またはYPD単体のいずれかの使用よりも優れていることが見出された。欧州特許第1945763号明細書に従ったバナナ抽出物は、細菌の増殖を促進するために使用されている。驚くべきことに、欧州特許第1945763号明細書に従ったバナナ抽出物とYPDの組み合わせは、それらの単体での使用から合理的に予想されるよりも有利であることが見出された。特に、欧州特許第1945763号明細書に従ったバナナ抽出物とYPDの組み合わせは、本発明の方法の間に、酵母のより大きな増殖およびより速い速度での増殖をもたらす。さらに、バクライトまたは欧州特許第1945763号明細書に従ったバナナ抽出物とYPD培地との組み合わせを含む発酵前混合物から増殖した酵母は、改善された発酵効率と、その後の大量発酵に使用されたときに増強したアルコール耐性とを有することが見出された。これは、本発明の方法による発酵促進混合物を利用する大量発酵段階の発酵効率が、従来技術に従って増殖された酵母を利用する大量発酵段階よりも良好であることを意味する。
本発明の方法の第1の態様は、任意の適当な酵母株を使用することができる。商業的発酵に現在使用されている全ての酵母は、本発明の方法において使用することができると予想される。酵母はサッカロマイセス セレビシエ(saccharomyces cerevisiae)であってもよく、例えば、Fermentis社によって製造された「SafSpirit(登録商標) HG-1」または他の商業的に入手可能な同等物であってもよい。
本発明の方法の第1の態様によれば、混合物は、20℃~40℃の温度に維持される。混合物は、酵母の株に応じて、32℃~38℃の温度または20℃~25℃の温度に維持されることが有利であり得る。混合物は約35℃の温度に維持することができる。
本発明の方法の第1の実施態様では、バクライトまたはバナナ抽出物の量は、体積に対して0.1%~25%、0.1%~20%、または0.1%~15%であり得る。発酵前混合物中のバクライトまたはバナナ抽出物の量は、体積に対して0.5~1.0%であってもよい。発酵前混合物中のバクライトまたはバナナ抽出物の量は、1.0%~4.0%、例えば、1.0%~2.0%、2.0%~3.0%、または3.0%~4.0%であってもよい。発酵前混合物中のバクライトまたはバナナ抽出物の量は、2.5%であってもよい。あるいは、発酵前混合物中のバクライトまたはバナナ抽出物の量は、体積に対して4%~12%、例えば5%,6%,7%,8%,9%,10%,または11%であってもよい。発酵前混合物中のバクライトまたはバナナ抽出物の量は、5%~10%であってもよい。
任意の適切なYPD培地または酵母の増殖を支持する他の培地を本発明の方法で利用することができる。適切なYPD培地は、約10%の酵母抽出物、約20%のペプトン、および約20%のデキストロースを含み、残りは水である。酵母の増殖を支持する他の培地は、当業者には直ちに明らかであろう。酵母の増殖を支持するいくつかの培地は、アミノ酸を含むであろうし、本発明の方法の第1の態様は、そのような培地と共に使用するのに適している。酵母の増殖を支持するまたいくつかの培地は、アミノ酸を含まないが、本発明の方法の第1の態様は、このような培地での使用にも適している。
本発明はまた、0.1%~15%のバクライトまたはバナナ抽出物、例えば、5%バクライトまたは5%バナナ抽出物を麦芽汁混合物、すなわち回転する酵母増殖混合物に添加することを含む。得られた混合物がバクライトまたはバナナ抽出物と酵母を含む栄養豊富な培地との組み合わせであろうと、同じ予期しない技術的効果を提供することが期待される。
発酵前混合物は、例えば、2~8時間、例えば3.5~4.5時間、または5~8時間、温度を維持することができる。発酵前混合物は、約4時間、温度を維持することができる。発酵前混合物の温度が維持される時間の長さは、酵母株または発酵前混合物中の株の代謝速度に依存し得る。いくつかの酵母は他の酵母より代謝的に遅く、発酵混合物は、より長い時間、温度が保持されることを必要とする。代謝的に遅い酵母株は、典型的には6~8時間、温度が保持される。代謝的に速い酵母は、典型的には2~6時間、温度が保持される。
以下に示すように、本出願人は、本発明の発酵前混合物中で増殖した酵母がより大きなアルコール耐性を有することを示すためのデータを有し、それは、アルコール毒性の影響が細胞死を引き起こす前に、酵母を使用してより高い濃度のアルコールを製造することを可能にする。この効果は、アルコール生産のより大きな効率を可能にするので、特に有利である。この効果は、発酵前混合物中を増殖した酵母が、バクライトまたはバナナ抽出物をさらに追加することなく大量発酵に使用される場合でも存在すると考えられる。
本発明の第2の態様は、エタノール発酵促進混合物を形成する方法を提供するものであり、水和活性化された酵母の溶液を提供する工程と、前記水和活性化された酵母の溶液に、体積に対して0.1%~25%のバクライトまたは欧州特許第1945763号明細書に従ったバナナ抽出物を追加する工程と、前記水和活性化された酵母の溶液を20℃~40℃の温度で30分~8時間維持して前記促進混合物を形成する工程と、を含む。
この混合物には、0.1%~25%のバクライトまたはバナナ抽出物、または0.1%~20%のバクライトまたはバナナ抽出物、または0.1%~15%のバクライトまたはバナナ抽出物を追加することができる。
本発明の第2の態様の水和活性化された酵母の溶液は、任意の適当な供給源から提供することができる。例えば、水和活性化された酵母の溶液は、前の大量発酵源からの連続的な増殖源から提供され得る。水和活性化された酵母の適切な供給源は、当業者には直ちに明らかであろう。
先の態様と同様に、本発明の別の態様は、酵母をバクライトまたはバナナ抽出物に長期間暴露することにより、より大きなアルコール耐性およびより大きな活性を有する酵母を提供することができるという点で有利である。次いで、この酵母をエタノール発酵促進混合物として使用することができ、改善された発酵特性を有する発酵促進混合物を利用した任意のその後の大量発酵を提供することができる。次の大量発酵段階にバクライトまたはバナナ抽出物を追加する必要はないが、これは好ましい場合に行うことができる。
本発明の方法の第2の態様は、任意の適当な酵母株を使用することができる。商業的発酵に現在使用されている全ての酵母は、本発明の方法において使用することができると予想される。酵母はサッカロマイセス セレビシエ(saccharomyces cerevisiae)であってもよく、例えばFermentis社によって製造された「SafSpirit(登録商標) HG-1」または他の商業的に入手可能な同等物であってもよい。酵母は、以下の4つの調査に用いられる酵母のいずれであってもよい。
本発明の方法の第2の態様によれば、混合物は、20℃~40℃の温度に維持される。混合物は、酵母の株に応じて、32℃~38℃の温度、または20℃~25℃の温度に維持されることが有利であり得る。混合物は約35℃の温度に維持することができる。
本発明の方法の第2の実施態様によれば、水和活性化された酵母の溶液には、体積に対して0.1%~15%のバクライトまたはバナナ抽出物が追加される。バクライトまたはバナナ抽出物の量は、体積に対して0.5%~1.0%であってもよい。バクライトまたはバナナ抽出物の量は、1.0%~4.0%、例えば1.0%~2.0%,2.0%~3.0%,または3.0%~4.0%であってもよい。バクライトまたはバナナ抽出物の量は、2.5%であってもよい。あるいは、バクライトまたはバナナ抽出物の量は、体積に対して4%~12%、例えば5%,6%,7%,8%,9%,10%,または11%であってもよい。バクライトまたはバナナ抽出物の量は、5%~10%であってもよい。
本発明の第1の態様に対して、本発明の第2の態様は、乾燥酵母の増殖に関係しないが、水和活性化された酵母を、30分~8時間の期間、バクライトまたはバナナ抽出物に暴露する。従って、YPDのような酵母の増殖を支持する培地に水和活性化された酵母の溶液を追加する必要はない。しかしながら、このような培地を水和活性化された酵母の溶液に添加することが有利であり得る。このような状況では、任意の適切なYPD培地または酵母の増殖を支持する他の培地を本発明の方法で利用することができる。本発明の方法の第1の態様で使用するのに適した任意の培地はまた、本発明の方法の第2の態様において使用するのに適している。
バクライトまたはバナナ抽出物を追加した水和活性化された酵母の溶液は、2~6時間、例えば3.5~4.5時間、または5~8時間、温度を維持することができる。バクライトまたはバナナ抽出物を追加した水和活性化された酵母の溶液は、約4時間、温度を維持することができる。バクライトまたはバナナ抽出物を追加した水和活性化された酵母の溶液の温度が維持される時間の長さは、酵母株または発酵前混合物中の株の代謝速度に依存し得る。いくつかの酵母は他の酵母より代謝的に遅く、発酵混合物は、より長い時間、温度が保持されることを必要とする。代謝的に遅い酵母株は、典型的には6~8時間、温度が保持される。代謝的に速い酵母は、典型的には2~6時間、温度が保持される。
本発明の方法に従って調製されたバクライトまたはバナナ抽出物を含む促進混合物は、発酵を増強するのに特に有用である。しかしながら、酵母発酵、嫌気性消化およびベーキング法を含む、酵母の活性を必要とする任意のプロセスのために、促進混合物を利用することができる。
本発明はまた、以下の発酵工程を提供する。
発酵方法は、i)本発明による促進混合物を調製する工程と、ii)前記促進混合物を糖源を含む大量発酵混合物に添加する工程と、iii)2℃~40℃の温度で大量発酵混合物を維持して、糖源をエタノールに発酵させることを可能にする工程と、を含む。
本発明の方法による発酵は、従来技術に従って増殖した酵母を用いた発酵よりも高いエタノール収率を提供することが見出された。特に、本発明の促進混合物に含まれる酵母は、より高いアルコール耐性を有すると考えられる、それ故、発酵中の酵母細胞の生存能力が改善された結果として、発酵工程の終了時に発酵がより高い濃度のアルコールを生成することを可能にする。さらに、発酵はより速い速度で起こることが見出された。これは、促進混合物中の酵母が、大量発酵混合物に添加する前に、バクライトまたはバナナ抽出物への暴露の結果としてより代謝的に活性であることによるものと考えられる。より容易には、より速い速度で発酵を提供し、より高い最大アルコール収率を提供する発酵方法は、従来技術よりも有意に有益である。
本発明の発酵方法は、従来技術において必要とされていたものであった、バクライトまたはバナナ抽出物の大量発酵混合物への追加を必要としないので、特に有利である。代わりに、大量発酵混合物が追加されているかどうかにかかわらず、促進混合物を追加することによって、バクライトまたはバナナ抽出物を追加する利点が見出されている。このことは、バクライトまたはバナナ抽出物が発酵混合物の他の成分と比較して比較的高価であり、大量発酵に使用するのに適した容積で現在生産されていないという点で有利である。
本発明の糖源は、糖蜜、馬鈴薯デンプン、穀物源およびサトウキビ源を含むが、これらに限定されない任意の適当な供給源であってもよい。本発明は、発酵を促進する実質的に任意の糖源で作動することが予想される。適当なデンプンおよび糖ベースのエタノールの原料のさらなる例には、アガベ(リュウゼツラン)、イネ、およびトウモロコシが含まれるが、これらに限定されない。本発明の糖源はまた、嫌気性消化工程において利用されるようなセルロース系エタノール原料中の他の微生物による、リグノセルロースの更なる基礎的な糖への分解であってもよい。
さらに、大量発酵混合物に直接バクライトを添加すると、バクライトを含まない発酵混合物と比較して、比較的高いレベルの酢酸エチルおよび酢酸イソアミルが得られることが見出された。酢酸イソアミルは、強いバナナ様の臭気および特有のバナナ様の風味を有する。これは、バクライトがバナナ抽出物の水溶液であるので、予期せぬものではなく、バクライトは、発酵混合物中で酢酸イソアミルを生成する役割を有していてもよいと考えられる。酢酸エチルは、ブランデーの特徴を有するフルーティーな臭気を有し、希釈されている間に快適な味を有する。化合物はそれ自体では不快ではないが、発酵混合物からのアルコールが特定の飲料を意図している場合には、強力な香りのする化合物の存在は、最終飲料の中にそれらの風味もまた存在するので不利であり得る。同様に、バナナ抽出物を大量発酵混合物に添加すると、バナナ風味の程度の液体が得られるであろう。例えば、大量のウォッカ発酵混合物へのバクライトの追加は、バナナの香りのするウォッカを生じさせることができ、これは一般的には好ましくない。発酵前混合物単独でバクライトまたはバナナ抽出物を利用することにより、大量発酵混合物の発酵後、低レベルの酢酸エチルおよび酢酸イソアミルのみが存在することが見出されているので、この問題は回避される。従って、本発明による発酵方法の実施形態では、大量発酵混合物は、促進混合物中に存在するバクライトまたはバナナ抽出物を超えて、バクライトまたはバナナ抽出物をさらに追加しない。
図1は、比較例の発酵混合物における時間に対する重量損失の累積平均を示すグラフである。 図2は、水和された酵母促進混合物を含む発酵混合物における時間に対する重量損失の累積平均を示すグラフである。 図3は、バクライトを含有する水和された酵母促進混合物を含む発酵混合物における時間に対する重量損失の累積平均を示すグラフである。 図4は、YPDを含有する水和された酵母促進混合物を含む発酵混合物における時間に対する重量損失の累積平均を示すグラフである。 図5は、YPDおよびバクライトを含有する水和された酵母促進混合物を含む発酵混合物における時間に対する重量損失の累積平均を示すグラフである。 図6は、図1から図5の試料についての理論的な平均アルコール収率を示すグラフである。 図7は、4つの異なる大量発酵混合物について、時間と共にエタノール濃度の予想される増加を示すグラフである。 図8は、以下に説明する第2の調査の穀物試験について時間に対する比重を示すグラフである。 図9は、以下に説明する第2の調査のサトウキビ試験について時間に対する比重を示すグラフである。 図10は、以下に説明する第4の調査の試験について時間に対する比重を示すグラフである。 図11は、以下に説明する第4の調査の試験について時間の経過による体積に対するアルコールを示すグラフである。
<第1の調査>
促進混合物を形成するためにバクライトを使用することについての第1の調査の結果を図1~図7に示す。特に、以下の調査を実施した。
<促進混合物の調製>
蒸留者の酵母であるサッカロマイセス セレビシエ(saccharomyces cerevisiae)(Fermentis社によって製造された「SafSpirit(登録商標) HG-1」)を用いて、4つの試料の促進混合物を3組調製した。各試料は、酵母が水和されていない比較試料と一緒に、異なる水和状態とされた。各試料の水和状態は以下の通りであった。
Figure 2023517759000002
各試料を4時間水和し、35℃の温度に維持した。各試料は、0.5gの「SafSpirit HG-1」酵母を含有した。次いで、得られた促進混合物を、糖を含有する発酵混合物の発酵に使用した。YPDを含有する試料において、試料は、(体積に対する)10%の酵母抽出物、20%のペプトン、20%のデキストロースからなっており、バクライトの成分を除いている。
<発酵混合物の調製>
マリスパイパー(Maris Piper)ジャガイモは、発酵混合物のための基礎的な糖源として使用された。ジャガイモをゆすぎ、完全に洗浄して、それらの表面からの汚れまたは破片を除去した。次いで、それらを細断し、次いでブレンダーを用いて潰した。ジャガイモおよび水の混合物を、水1リットル当たりジャガイモ1kgの割合で製造した。混合物を均質化し、2リットルのボトルに移した。
各ボトルのデンプンをゼラチン化するために、各ボトルを115℃で14分間加熱した。次いで、一般的な投与指示に従って、酵素剤を添加した。具体的には、蒸留者の高温α‐アミラーゼを1リットル当たり1g添加し、各ボトルを85℃で攪拌し、次いでボトルを85℃~90℃で1時間保持した。60℃まで冷却した後、蒸留者のグルコアミラーゼを各試料に1リットル当たり1.4g添加して、この温度で1時間保持した。次いで、ボトルを30℃に冷却して発酵混合物を形成した。
<発酵>
促進混合物をボトルに30℃で添加し、ボトルをこの温度に維持した。各ボトルの重量変化を記録し、発酵中の各発酵混合物の比重を記録することにより発酵を監視した。
<次の工程>
発酵が完了すると、固体物質は、それぞれ1400μmおよび710μmの孔を有するワイヤメッシュのふるい層を含む積み重ねられた研究室のふるいを利用して、各発酵混合物から除去された。各発酵混合物から、1リットルの液体が得られた。この時点で、3つの各試料の液体を組み合わせて、それぞれの異なる試料について1つの液体を3リットル生成した。
次に、各液体を5リットルの銅製の蒸留器で蒸留して、ローワイン(初留液)を生成した。液体の蒸留から生成されたローワインのアルコール含有量を監視し、ローワインのアルコール生産が1%のABVに到達するまで蒸留を継続した。
続いて、ローワインを2リットルの銅製の蒸留器で蒸留した。最初の10mlをフォアショット(前留)として回収した。アントンパール社製「DMA 100」手持ち式密度計を使用して各フォアショットのアルコール含有量を測定した。留出物の次の部分をハート(中留)として回収した。蒸留の間、アルコールのパーセンテージを監視し、対応するフォアショットのABVからABVが12.5%減少するまでハートを収集した。残液を廃棄した。
<結果>
発酵前の各試料における重量損失の累積平均を図1~図5に示す。各試料の1時間当たりの重量損失は以下の通りであった。
Figure 2023517759000003
最初の2時間におけるWYおよびWYBの試料における重量損失の割合の差は、CおよびWの試料と比較して統計的に有意であることがわかった(p<0.05)。さらに、WYBの試料の重量損失は、最初の2時間におけるWBおよびWYの試料の重量損失の割合よりも有意に高かった。発酵の3時間における重量損失は、C,WおよびWBの試料において減少したが、WYおよびWYBの試料において増加した。3時間における重量損失は、C,WおよびWBの試料の重量損失よりも、WYおよびWBの試料において有意に高かった。重量損失は、3~19時間の期間の全ての試料において有意に増加した。また、WYBの試料中で最も高い重量損失が生じ、この重量損失は他の試料よりも有意に高かった。19時間後、重量損失の時間的な割合は著しく減少した。この減少した時間的な重量損失は、次の期間において継続される。
測定された重量損失から、各試料についてのエタノールの理論的な収量値を累積的な重量損失から計算することが可能である。特に、発酵経路を通るグルコースの部分酸化についての理論式は、各成分の分子量を考慮して、グルコース1kg当たり、0.489kgのCOと0.511kgのグルコースの理論的な収量があると述べている(Daoud&Searle,1990)。これらの収量値を使用して、エタノールおよびCO産生を累積重量損失から計算することができる。この計算の結果を図6および表3に示す。
Figure 2023517759000004
WBおよびWYの試料は、Wの試料よりもエタノール生産が増加せず、Cの試料に比べてエタノール生産がほとんど増加しないことを示した。驚くべきことに、WYBの試料は、他のいずれの試料よりも有意に多くのエタノールを生成し、YPD培地とバクライトとの組み合わせが、前発酵において別々に使用するよりも有利であることを示している。
次の工程の間に生成されたローワインおよびローワインのアルコールの体積を、表4に示す。
Figure 2023517759000005
WYBの試料は、他の試料よりも有意に高いABV(体積に対するアルコール)のローワインを生成した。WBおよびWYの試料は、比較試料のABVに比べて高くないABVのローワインを生じたことに留意されたい。
次の工程の間に生成されたハートの体積およびハートにおける体積に対するアルコールを表5に示す。
Figure 2023517759000006
表5のWの試料の結果は異常であると考えられる。これは、生成される液体の体積およびこの試料の体積に対するアルコールは、WB,WY,またはCの試料のいずれにも調和していないからである。さらに、他の全ての試料と比べて、Wのローワインの試料の体積に対するアルコールは、60%よりも大幅に低く、WとWYとWYBの試料のローワインの体積はよく似ており、そしてCまたはWBの試料のいずれよりも大幅に低い。そのようなものは、表5中のWのような大きな体積を合理的に期待しない。加えて、他の全ての試料と比べて、Wの試料中のアルコールの量は、上記表3に示された理論的なアルコール収率に調和していない。これは、Wの試料からハートを製造する際の方法論的問題があり、表5に示されたWの試料の結果は正しいものではないことを示している。
Wの試料が異常であると認められた場合、WYBの試料のハートは、他の試料よりも20%を超えるアルコールの体積を有する。最も驚くべきことに、WYBの試料のハートは、WYまたはWBの試料のいずれよりも20%を超えるアルコールの体積を有し、これは先行技術の開示から予想されないものである。
続いて、各ハートの内容物を、水素炎イオン化型検出器(GC‐FID)を用いたガスクロマトグラフィーを用いて、より高級なアルコールの含量について分析した。この分析の結果を表6に示す。この表は、各ハートの内容物をng/μlで示す。
Figure 2023517759000007
最も重要なことには、WYB試料の酢酸エチルの量は、他の試料の2倍以上であり、Wの試料の4倍以上である。
図7には、本発明の発酵方法の理論的な効果が設定されている。特に、4つの別々の大量発酵混合物についての時間に対する理論的なエタノール濃度が示されている。4つの大量発酵混合物は以下の通りである。
i)促進混合物を形成するための前発酵されていない酵母を含む混合物
ii)酵母がYPD培地のみで水和された促進混合物を含む混合物
iii)酵母がバクライトのみで水和された促進混合物を含む混合物
iV)本発明に従う、酵母がバクライトおよびYPD培地で水和された促進混合物を含む混合物
大量発酵からのエタノール収率の制限の理由の一つは、酵母におけるアルコールの毒性である。従来の発酵では、大量発酵混合物のアルコール含量が8.5%に達すると、大量発酵混合物は酵母に対して毒性となり、発酵は停止する。従って、図9に示すように、酵母がバクライトに暴露されていない大量発酵混合物の最大エタノール収率は8.5%である可能性が高い。
バクライトは、酵母のストレス応答に作用する作用機序を有するようである。特に、バクライトは、酵母が10%までのより高いアルコール濃度を許容するように思われる。これは、図7の大量発酵混合物の最大エタノール濃度に示されている。それゆえ、前発酵混合物中のバクライトの使用は、大量発酵の効率を高めることが期待される。
前培養の使用の効果はまた、混合物i)と混合物ii)、iii)およびiV)とを比較することによって示される。特に、混合物i)では、酵母が大量発酵混合物内を増殖する間、約6時間の初期タイムラグが存在する。促進混合物が本発明に従って使用される場合、このタイムラグは、酵母が既に増殖しているので除かれる。
さらに、酵母をバクライトと共に前培養すると、大量発酵混合物の発酵速度が、バクライトを含まない大量発酵混合物の発酵と比較して増加することが予想される。これは、バクライトの存在下で酵母の代謝活性が増強されるためである。これは、混合物iii)およびiv)の発酵速度を、混合物i)およびii)の発酵速度と比較することによってわかる。
要約すると、本発明に従って調製された促進混合物を利用する本発明による発酵は、従来の発酵法または促進混合物を利用する従来技術の発酵法のいずれに比べて、より速い速度でより高いエタノール収率を提供することが期待される。
特に、表3のデータに示されるように、本発明による促進混合物を利用する大量発酵混合物の理論的なエタノール収率は、従来技術による水和された酵母を利用する大量発酵混合物よりも25%高いことがわかった。従来技術による水和された酵母は、水のみで水和された酵母、水およびバクライトのみで水和された酵母、およびYPD培地のみで水和された酵母を含む。
<第2調査>
バクライトおよびバナナ抽出物を使用して別の糖源を有する促進混合物を形成することについての第2の調査の結果を図8および9に示す。特に、以下の2つの調査を実施した。
2018~2019年の工学と物理科学の学部(The School of Engineering and Physical Sciences)における理学系修士の論文(Hornigらによる)「ジャガイモをベースとした酒中における酵母増殖、発酵活性および蒸留組成物に対する水和状態および新しい栄養豊富な培地の効力についての研究」において2019年にHornig,Jに示された水和の手順に従って、酵母を水和した。第2の調査は、Hornigらに利用されたジャガイモ原料に対して異なる糖源を用いて「プロパグレイター(Propagreater)」と穀物及びサトウキビ発酵中のバナナ抽出物の効果の試験と共に実施した。
材料:
・酵母 ピナクルMG+(加工していないクランブル)
・「プロパグレイター」:酵母ペプトンデキストロース(YPD)培地の5x濃縮物および25%バクライトからなる追加物
・バナナ抽出物
・酵母ペプトンデキストロース(YPD)培地溶液
・原料:
o 穀物(ライ麦、小麦、オオムギ)
o サトウキビ
1:50(v/v)の酵母:水の比で酵母を35℃で6時間水和した。使用した酵母は、発酵温度に順応した加工していないピナクルMG+で、投入割合を2g/Lとした。
6つの試験を以下のように行った。
試験1 酵母を直接投入する。
試験2 水中で6時間培養する。
試験3 1xのYPD培地で6時間培養する。
試験4 1xのYPDと5%のバナナ上清中で6時間培養する。
試験5 4部の水で希釈して1xのYPDプラス5%のバクライトとした「プロパグレイター」(5x濃縮物および25%バクライト)中で6時間培養する。
試験6 水および5%のバナナ上清中で6時間培養する。
<穀物発酵>
発酵のセット1を、細かく粉にした70%のライ麦、20%の小麦および10%の大麦麦芽を基本として、62℃で1時間、外部由来のアミラーゼ、グルコアミラーゼおよびセルラーゼで糖化し、酵母をpH5.2の発酵中に投入する前に25℃まで冷却した。このセットの結果を図1に示す。
各試験を比較すると、乾燥酵母または水和された酵母の比較例のいずれかに投入されたものと比較して、より短い遅れ相および全体的な発酵プロファイルを有する試験5(「プロパグレイター」で水和)を見ることができる。同様に、試験3および4は、水和の段階においてバナナ抽出物があるか否かにかかわらず、YPDによる前処理の正の影響を示唆する、顕著な、しかしはるかに急速ではない重量減少を示している。バナナ抽出物を用いた酵母の前処理(試験6)はまた、YPD単独またはYPDと組み合わせて使用される場合、陽性効果を示したが、効果が有意に小さかった。
全体的に、このデータは、発酵の遅れ相の減少および有意に促進された比重の低下に重大な影響を有する「プロパグレイター」が促進されたアルコール産生を示すものであることを開示している。このデータはまた、YPDとバナナ抽出物との組み合わせについても同様の有用性を示唆している、とはいえ、酵母の性能またはアルコール合成(比重の減少によって示される)の速度をそこまで劇的に改善しないことを示唆している。この穀物発酵において、前処理におけるバナナの存在は、最終発酵中のより高いレベルのアルコールを示す比重のさらなる低下を達成した。
比重を体積に対するアルコールのパーセンテージに変換するために既知の計算を使用した。
・最終重量から元の重量を引く。
・この数に131.25を掛ける。
・得られた数がアルコール%またはABV%である。
本発明者らは、最終%ABVの理論値を計算することができ、乾燥酵母および水和された比較値の6.04%を超えて、「プロパグレイター」が6.43%、YPDプラス5%のバナナ抽出物が6.56%である。これによりこれらの発酵からのアルコール収率の理論的な改善が提供されて、「プロパグレイター」を用いて前処理した場合には6.4%、YPDプラスバナナ抽出物を用いて前処理した場合には8.6%改善された。
<サトウキビ発酵>
これらの発酵は、サトウキビの煮沸した酵母栄養素とpH補正(pH5.2)のためのクエン酸とを用いて実施し、酵母を投入する前に25℃まで冷却した。上記に示した穀物発酵のための方法に従って、6つの試験を行った。発酵のための糖源の唯一の相違は、穀物源ではなく、サトウキビ源である。試験の結果を図8に示す。
各試験を比較すると、試験4(YPDおよびバナナ抽出物で水和)および試験5(「プロパグレイター」で水和)が、乾燥酵母(試験1)および水和(試験2)の比較例よりもはるかに急速に減少する比重を示すことが分かる。試験1,2および3は、試験4,5および6よりも長い遅れ相を示しており、試験4,5および6の全ては、(「プロパグレイター」の配合中の)バクライトまたはバナナ抽出物のいずれかで前処理された酵母である。このことは、前処理におけるバクライトまたはバナナ抽出物の存在が、酵母の代謝活性を増加させるという効果を明らかに実証している。
これらの試験は、複数の原料にわたって発酵効率および収率を向上させるために、「プロパグレイター」およびバナナ抽出物プラスYPDの有用性を証明している。ジャガイモ発酵に加えて、穀物及びサトウキビの両方の供給源で生じる改善された効果が、上記図1および図6に記載されている。
「プロパグレイター」を用いた前処理は、遅れ相を短縮し、発酵を促進するのに有益な効果をもたらす。「プロパグレイター」は、発酵速度を向上させる上で最も高い性能を示し、水和段階での粗バナナ抽出物の存在も比重の減少をもたらすことを示した。最終的な比重からのアルコール収率の計算は、全体的な収率に関して陽性の効果を有する、YPDプラスバナナ抽出物または「プロパグレイター」(YPDプラスバクライト)の効果を示す。
<第3の調査>
バクライトおよびバナナ抽出物を使用して促進混合物を形成することについて第3の調査を行った。
2018~2019年の工学と物理科学の学部(The School of Engineering and Physical Sciences)における理学系修士の論文(Hornigらによる)「ジャガイモをベースとした酒中における酵母増殖、発酵活性および蒸留組成物に対する水和状態および新しい栄養豊富な培地の効力についての研究」において2019年にHornig,Jに示された水和の手順に従って、酵母を水和した。
材料:
・HG-1 酵母
・「プロパグレイター」:酵母ペプトンデキストロース(YPD)培地の5x濃縮物および25%バクライトからなる追加物
・バナナ抽出物
・酵母ペプトンデキストロース(YPD)培地溶液
・原料:ポテトマッシュ
6つの試験を以下のように行った。
Figure 2023517759000008
各試験を、50mlの円錐培養容器中で、水浴中で30℃で6時間培養した。この培養期間の後、添加物を750mlの酵素処理されて冷却されたポテトマッシュと共に1000mlの円錐発酵槽に入れた。次いで、これらを密度、pH、アルコールについて検査し、そして抗菌溶液で密封された一方向の呼吸器で密封した。投入から、各試験を6時間毎に検査して、完了までの発酵の速度および成長を決定した。完了すると、各発酵物を2℃に貯蔵して、それ以上のマロラクティック発酵またはエステル化を停止した後、97ミリバールで減圧蒸留して全てのエタノール含量を蒸留して試験毎にアルコール収量を比較した。
第3の調査の結果は以下の通りである。
Figure 2023517759000009
時間に対する試験の比重は以下の通りであった。
Figure 2023517759000010
時間に対する試験の発酵ABVは以下の通りであった。
Figure 2023517759000011
理解され得るように、本発明における発酵促進混合物の使用はかなり有効である。すなわち、YPDを促進物としてのみ用いるエタノール促進混合物(試験1)よりも、より迅速に高いABVを生成する。
<第4の調査>
バクライトおよびバナナ抽出物を使用して糖蜜糖源を有する促進混合物を形成することについて、第4の調査の結果を、図10および図11に示す。特に、次の2つの調査を行った。
以下のパラメーターを用いて4つの試験を行った。
Figure 2023517759000012
具体的には、上記の試料をそれぞれ100mlの円錐フラスコ中で30℃で6時間培養した後、表11に示した供給等級の糖蜜、クエン酸、水、糖および消泡剤の特定の糖蜜混合物に30℃で投入した後、発酵させるために無菌シールで密封した。次いで、これらを、比重、糖度、pH、ABVおよび内部温度について6時間毎にチェックした。発酵が完了すると、これらをビュッヒ社製「R-300 Rotovapor(登録商標)」を用いて97ミリバールおよび50℃で蒸留して、エタノールを抽出してアルコール収量を計算した。
試験の結果は、以下の表12,13および図10,11に示されている。
Figure 2023517759000013
Figure 2023517759000014
理解され得るように、本発明における発酵促進混合物の使用は、かなり有効である。すなわち、糖源として糖蜜を用いることで比較例よりも高いABVを生成する。これはまた、糖蜜を糖源とする本発明の促進混合物の効果が正しいものであることを示している。「プロパグレイター」の混合物(試験2)は最も高いABVを生成し、直観に反して、試験3における5%のバナナ抽出物は、試験1における20%のバナナ抽出物よりも有効であることが判明した。従って、本発明によれば、10%以下のバナナ抽出物を含むことが好ましい。
<バナナ抽出物の調製>
上記のバナナ抽出物および本発明の特許請求の範囲に記載されたバナナ抽出物は、一般に、以下のように調製することができる。
i)-84℃で貯蔵された皮を剥いたバナナは、冷凍庫から除去される。バナナを凍結した袋の中に保持し、硬い卓上から足の近くに落下させてバナナを穏やかに破壊する。バナナは、それらの温度によって容易に破断する。
ii)使用した水100ml毎に250gのバナナ片を移動させて、実験台上で吸収性紙の上に置く。
iii)バナナは、軟化するまで、室温で25~40分間維持することができる。
iv)洗浄し、蒸留水で徹底的にゆすいだブレンダーに、秤量したバナナパルプおよび水を加え、ブレンダーの1/2~3/4を満たすようにする。
v)バナナパルプ/水混合物を最高速度で90秒間混合する。
vi)混合後、混合されたバナナのピューレを遠心分離容器に注ぎ、少なくとも3900rpmの速度、または遠心機によって許容される場合にはより高速で、20℃の温度で30分間回転させ、次いで最低速度まで減速して穏やかな制動を確実にする。
viii)上清を、コーニング社の大型のオートクレーブ処理可能な1Lガラス瓶に、瓶中に600ml以下となるように回収する。
ix)標準オートクレーブ温度(121℃、25分、20ポンドの圧力)でオートクレーブ処理して無菌性を達成する。
x)上清を30~45分間冷却し、次いで上清を新しい滅菌した50mlのポリプロピレンチューブに注ぎ、混合果実の最初の処理と同じパラメーターで遠心分離する。
xi)上清40mlを無菌の50mlのポリプロピレンチューブに集め、ペレット化された固体の破片を廃棄する。
この方法は、上述したように、本発明および欧州特許第1945763号明細書によるバナナ抽出物を製造する。この特許または欧州特許第1945763号明細書に開示されているバナナ抽出物を調製するための他の任意の適切な方法を、本発明の方法の代替物として使用することができる。

Claims (24)

  1. エタノール発酵促進混合物を形成する方法であって、
    乾燥した酵母を、少なくとも体積に対して0.1%のバクライト(BacLyte(登録商標))または0.1%のバナナ抽出物と、酵母増殖培地とを用いて水和させて、発酵前混合物を生成する工程と、
    前記発酵前混合物を20℃~40℃の温度で30分~8時間維持して、前記促進混合物を形成する工程と、を含む方法。
  2. 乾燥した酵母を少なくとも0.1%のバクライトと水和させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 乾燥した酵母を少なくとも0.1%のバナナ抽出物と水和させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記酵母増殖培地がYPD培地である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記YPD培地が、10%の酵母抽出物、20%のペプトン、および20%のデキストロースを含み、残りが水である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記酵母がサッカロマイセス セレビシエである、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記混合物が、32℃~38℃の温度に維持される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記発酵前混合物中の前記バクライトまたは前記バナナ抽出物の量が、体積に対して0.1%~25%である、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記発酵前混合物中の前記バクライトまたは前記バナナ抽出物の量が、体積に対して0.5%~1.0%である、請求項8に記載の方法。
  10. 前記発酵前混合物中の前記バクライトまたは前記バナナ抽出物の量が、体積に対して2%~10%である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記発酵前混合物中の前記バクライトまたは前記バナナ抽出物の量が、体積に対して5%である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記発酵前混合物が、2~8時間、温度が維持される、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記発酵前混合物が、3.5~4.5時間、温度が維持される、請求項12に記載の方法。
  14. エタノール発酵促進混合物を形成する方法であって、
    水和活性化された酵母の溶液を提供する工程と、
    前記水和活性化された酵母の溶液に、体積に対して0.1%~25%のバクライト、または0.1%~25%のバナナ抽出物を追加する工程と、
    前記水和活性化された酵母の溶液を20℃~40℃の温度で30分~8時間維持して前記促進混合物を形成する工程と、を含む方法。
  15. 前記酵母がサッカロマイセス セレビシエである、請求項14に記載の方法。
  16. 前記水和活性化された酵母の溶液が、32℃~38℃の温度に維持される、請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記水和活性化された酵母の溶液に、体積に対して0.5~1.0%のバクライトが追加される、請求項14~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記水和活性化された酵母の溶液に、体積に対して2~10%のバクライトが追加される、請求項14~16のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記水和活性化された酵母の溶液中の前記バクライトの量が体積に対して5%である、請求項17に記載の方法。
  20. 前記水和活性化された酵母の溶液が、2~8時間、温度が維持される、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記水和活性化された酵母の溶液が、3.5~4.5時間、温度が維持される、請求項20に記載の方法。
  22. 発酵方法であって、
    iv)請求項1~21のいずれか1項に記載の促進混合物を調製する工程と、
    v)前記促進混合物を、糖源を含む大量発酵混合物に添加する工程と、
    vi)前記大量発酵混合物を2℃~40℃の温度で維持して、前記糖源をエタノールに発酵させることを可能にする工程と、
    を含む発酵方法。
  23. 前記大量発酵混合物には、前記促進混合物中に存在する以上にバクライトをさらに追加しない、請求項20に記載の発酵方法。
  24. 前記糖源がジャガイモ、糖蜜、穀物、サトウキビまたは他の適切な発酵原料である、請求項20または21に記載の方法。
JP2022556020A 2020-03-16 2021-03-16 エタノール発酵を促進する方法 Pending JP2023517759A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB2003765.1 2020-03-16
GBGB2003765.1A GB202003765D0 (en) 2020-03-16 2020-03-16 A method of enhancing ethanol fermentation
PCT/GB2021/050651 WO2021186164A1 (en) 2020-03-16 2021-03-16 A method of enhancing ethanol fermentation

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023517759A true JP2023517759A (ja) 2023-04-26
JPWO2021186164A5 JPWO2021186164A5 (ja) 2024-01-31

Family

ID=70453744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022556020A Pending JP2023517759A (ja) 2020-03-16 2021-03-16 エタノール発酵を促進する方法

Country Status (17)

Country Link
US (1) US20230112015A1 (ja)
EP (1) EP4121509A1 (ja)
JP (1) JP2023517759A (ja)
KR (1) KR20230002406A (ja)
CN (1) CN115298302A (ja)
AU (1) AU2021236950A1 (ja)
BR (1) BR112022018538A2 (ja)
CA (1) CA3175585A1 (ja)
CO (1) CO2022014545A2 (ja)
CU (1) CU20220053A7 (ja)
EC (1) ECSP22077928A (ja)
GB (1) GB202003765D0 (ja)
IL (1) IL296465A (ja)
MX (1) MX2022011509A (ja)
PE (1) PE20230371A1 (ja)
WO (1) WO2021186164A1 (ja)
ZA (1) ZA202210687B (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0522593D0 (en) 2005-11-07 2005-12-14 Univ Leicester Bacterial growth enhancer
EP2773744B1 (en) 2011-11-02 2018-12-19 Texas Tech University System Media compositions for promoting bacterial and fungal growth
EP2773774A4 (en) 2011-11-03 2015-06-10 Merck Sharp & Dohme BIOMARKERS FOR THE TREATMENT OF TSLP
JP6155036B2 (ja) 2013-02-06 2017-06-28 株式会社堀場製作所 排ガスサンプリング装置

Also Published As

Publication number Publication date
EP4121509A1 (en) 2023-01-25
CN115298302A (zh) 2022-11-04
IL296465A (en) 2022-11-01
KR20230002406A (ko) 2023-01-05
CU20220053A7 (es) 2023-04-10
ECSP22077928A (es) 2022-12-30
WO2021186164A1 (en) 2021-09-23
US20230112015A1 (en) 2023-04-13
ZA202210687B (en) 2023-05-31
BR112022018538A2 (pt) 2022-10-25
CA3175585A1 (en) 2021-09-23
AU2021236950A1 (en) 2022-11-03
GB202003765D0 (en) 2020-04-29
MX2022011509A (es) 2022-10-07
PE20230371A1 (es) 2023-03-06
CO2022014545A2 (es) 2022-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2515723C (en) Use of hop acids in fuel ethanol production
JP2012000038A (ja) 発酵麦芽飲料の製造方法
CN113717867B (zh) 一种不产乙醇的产香库德里阿兹威毕赤酵母及其应用
CN112553091A (zh) 一种非酿酒酵母及用该酵母增加蓝莓果酒香味的发酵方法
CN111925951A (zh) 酿酒酵母和菌剂及其应用、白酒和黄酒以及它们的酿造方法
EP3303551B1 (en) A method for producing a fermented beverage with a frozen compressed yeast
CN114574375A (zh) 酿酒酵母、发酵剂及它们在制备发酵食品中的应用
CN108148706A (zh) 白酒的酿制方法
CN109517745B (zh) 一种酿酒用微生物复合菌及用其酿造的藜麦酒
JP2023517759A (ja) エタノール発酵を促進する方法
CN113684140B (zh) 一株低产杂醇高产酯酿酒酵母、组合物及其在发酵食品中的应用
CN107022462B (zh) 一种酒用天然调味液的生产方法
EP2914755B1 (en) Method for honey wort high-sugar alcohol fermentation
CN102093960A (zh) 一种高产β-葡萄糖苷酶产香酵母及在无醇苹果饮料的应用
JP2003116523A (ja) 桜の花から分離した酵母及びその取得方法並びに該酵母を用いた清酒その他の飲食品の製造方法
JPH1118750A (ja) 柑橘類ワインおよび柑橘類発酵酢の製造法
JP3932321B2 (ja) 香気生成酵母並びにこれを用いた飲食品及びその製造法
RU2304611C2 (ru) Способ производства пива, способ обработки пивоваренных дрожжей, композиция дрожжевой суспензии для пивоварения
KR20230056349A (ko) 천연발효를 이용한 배술 및 배식초 제조방법
Vu et al. Using fed-batch fermentation in high-gravity brewing: effects of nutritional supplementation on yeast fermentation performance
CN117778211A (zh) 一种费比恩塞伯林德纳氏酵母(Cyberlindnera fabianii)菌株20及其用途、产品与方法
CN117903958A (zh) 一株低产杂醇高产酯的酿酒酵母诱变菌株及应用
JP2005034133A (ja) 酵母の好気的条件下の発酵によるエタノールの製造方法
CN117736932A (zh) 一株短乳杆菌lb-21及其应用、发酵剂和方法
CN112592841A (zh) 一种非酿酒酵母及用该酵母增加空心李果酒香味的发酵方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240123

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240326