JP3932321B2 - 香気生成酵母並びにこれを用いた飲食品及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はサッカロミセス セレビッシエ(Saccharomyces cerevisiae)に属し、トリプトファンアナログ耐性で酢酸イソアミル、カプロン酸エチルをバランスよく生成する香気生成バランスのよい酵母、その分離方法、該酵母を用いて製造される吟醸香の豊かな酒類及び飲食品、及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
酵母を使用して得られる発酵飲食品において、香りはその品質を位置づける重要な因子である。例えば、ワイン、ビール、清酒などのアルコール含有飲料、味噌、醤油、酢などの発酵調味料、パンなどは、その使用される酵母の香気成分、例えばエステル類や、アルコール類などにより特性が決定される側面がある。
清酒においては香りの成分が300種類近く報告されているが、このうち酢酸イソアミル、カプロン酸エチルが吟醸香の主成分であるといわれ、これらの清酒中濃度をバランスよく上げることにより商品価値の高い清酒を造ることが可能となる。
【0003】
酢酸イソアミルや、カプロン酸エチルを高生産する酵母を分離し清酒醸造に用いる試みが行われている。酢酸イソアミル高生産酵母については、ロイシンやバリンのアナログ耐性を用いる方法(特開昭62−6669号公報、特開平1−257423号公報)などがある。またカプロン酸エチルについては、セルレニン耐性株を用いる方法(特開昭63−309175号公報)がある。
【0004】
これらの技術は、それぞれの成分に着目しその濃度を上げようとしているため、片方の成分の濃度のみが上昇し、結果として製品としての清酒の香気バランスを崩してしまうことにもつながった。
特にセルレニン耐性株では、カプロン酸エチル濃度が親株に対して高くなるだけでなく、顕著にカプロン酸濃度も高いものとなり、そのカプロン酸の持つドブ臭さ(あるいはヌカ味噌臭)が加わり、それによって得られる清酒を官能評価すると、結局、汗くさい香りと評価されるという問題がある。
従来から好ましく使用されている清酒用酵母HD−1とセルレニン耐性株との間でそれら酵母を使用して得られるそれぞれの清酒の香気成分濃度を比較してみると、次の表1の通りである。
【0005】
【表1】
【0006】
表1から明らかなように、セルレニン耐性株では、カプロン酸濃度が高くなり、清酒の香りに悪影響を与えている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は酢酸イソアミル、カプロン酸エチル両香気成分をバランスよく生成する酵母を分離育種する方法を開発し、同酵母を用いた香味豊かな清酒及び発酵飲食品を製造することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は清酒酵母からトリプトファンアナログ耐性株を分離し、この中から酢酸イソアミル、カプロン酸エチル両香気成分をバランスよく生成する酵母を取得することに成功した。またこの酵母を使用することにより酢酸イソアミル、カプロン酸エチル両香気成分をバランスよく含有する清酒などのアルコール含有飲料などの飲食品が得られることを見いだし、本発明に到達した。
【0009】
本発明は、
〔1〕サッカロミセス セレビッシエに属し、トリプトファンアナログ耐性で酢酸イソアミル、カプロン酸エチルを生成する香気生成酵母サッカロミセス セレビッシエ 5MT14(FERM P−17760);
〔2〕酵母がサッカロミセス セレビッシエ 5MT14(FERM P−17760)から育種あるいは変異誘発法で得られた変異酵母である上記〔1〕記載の酵母;
〔3〕サッカロミセス セレビッシエに属し5−メチルトリプトファンを0.04%含有する培地で生育する5−メチルトリプトファン耐性で酢酸イソアミル、カプロン酸エチルを生成する香気生成酵母サッカロミセス セレビッシエ 5MT14(FERM P−17760);
〔4〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の酵母を用いて清酒を製造することを特徴とする清酒の製造法;
〔5〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の酵母を用いることを特徴とする発酵飲料品の製造法;及び
〔6〕上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の酵母を用いて製造されたことを特徴とするサッカロミセス セレビッシエ 5MT14(FERM P−17760)を含む発酵飲料品を提供する。
【0010】
別の態様では、本発明は、
〔7〕サッカロミセス セレビッシエに属し、トリプトファンアナログ耐性で酢酸イソアミル濃度/カプロン酸エチル濃度の比が、おおよそ0.5〜0.8の範囲のもの、好ましくはおおよそ0.55〜0.8の範囲のもの、さらに好ましくはおおよそ0.6〜0.78の範囲のもの、もっと好ましくはおおよそ0.65〜0.75の範囲のものである発酵生産物を生成する香気生成バランスのよい酵母サッカロミセス セレビッシエ 5MT14(FERM P−17760);
〔8〕トリプトファンアナログが、5−メチルトリプトファンを含む各種メチルトリプトファン及びフルオロトリプトファンなどから成る群から選ばれたものであることを特徴とする上記〔1〕、〔2〕及び〔7〕のいずれか1項に記載の酵母;
〔9〕セルレニン及びカナバニンに感受性である上記〔1〕〜〔3〕、〔7〕及び〔8〕のいずれか1項に記載の酵母;
〔10〕上記〔1〕記載の酵母を用いて得られる発酵生産物;及び
〔11〕発酵生産物が、アルコール飲料、パン類及び発酵調味料から成る群から選ばれたものである上記〔10〕記載の発酵生産物を提供する。
本発明のその他の目的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載より当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明のためにのみ示されているものであることを理解されたい。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすことは、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部としてその内容はここに含めて解釈されるべきものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の酵母は、サッカロミセス属(Saccharomyces) に属し、トリプトファンアナログ耐性で酢酸イソアミル、カプロン酸エチルをバランスよく生成し、吟醸香の豊かな製品を与えるものであればいずれであってもよい。具体例としては、酵母サッカロミセス セレビッシエ(Saccharomyces cerevisiae)HD−1(「醸協」、第83巻、第11号、723〜728頁、1988年及び「清酒酵母の研究(−80年代の研究−)」、111〜112頁、清酒酵母研究会、平成4年6月19日)から選抜して得られ、トリプトファンアナログ耐性で酢酸イソアミル、カプロン酸エチルをバランスよく生成する酵母5MT14(以下、単に「5MT14」と称す)及びそれと同様な特性のものを育種して選抜されたもの、例えば、酵母サッカロミセス セレビッシエ(Saccharomyces cerevisiae) (FERMP−) あるいはそれから誘導されたもの、その変異株などが挙げられる。こうして酵母HD−1から育種され、トリプトファンアナログ耐性で酢酸イソアミル、カプロン酸エチルをバランスよく生成するものであれば、本発明の吟醸香の豊かな製品、例えば香気バランスが良い発酵食品を与えるという目的に合致する限りいずれも挙げられる。
本発明のトリプトファンアナログ耐性株とは、サッカロミセス属に属する酵母を親株として誘導される酵母菌株であり、親株が生育できないような高濃度のトリプトファンアナログを含む培地でも生育できるように、遺伝的性質の変化した酵母菌株をいう。本発明の酵母としては、例えば0.01%以上の5−メチルトリプトファン濃度の培地中でも生育するもの、より好ましくは0.02%以上、もっと好ましくは0.03%以上の5−メチルトリプトファン濃度の培地で生育できるものが挙げられる。
本明細書でトリプトファンアナログとは、例えば5−メチルトリプトファンなどのメチルトリプトファン、フルオロトリプトファンなどが包含される。
該香気バランスが良い発酵食品とは、カプロン酸エチル濃度/酢酸イソアミル濃度比の値が、おおよそ0.5〜0.8の範囲のもの、好ましくはおおよそ0.55〜0.8の範囲のもの、好ましくはおおよそ0.6〜0.78の範囲のもの、もっと好ましくはおおよそ0.65〜0.75の範囲のものである。
【0012】
本発明の酵母は、例えばビール酵母、ワイン酵母、清酒酵母、ウイスキー酵母、焼酎酵母、パン酵母などの市販の酵母から、当該分野で公知の変異誘発法、例えば、紫外線、X線、γ線などの放射線等の照射、化学的変異誘発剤、例えば、亜硝酸、エチルメタンスルホネート(EMS)、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)、アクリジン系色素あるいはその誘導体などを接触させる方法を適宜適用し、次に選択培地で生育させトリプトファンアナログ耐性を指標に選択して得ることができる。変異手投としてはいかなる方法でもよい。 また確率的には低いが自然誘発で変異株を得ることも可能である。一旦得られた酵母は、プロトプラストを利用した細胞融合等の手法、遺伝子組換えの手法を用いても育種、改良でき、こうして得られた酵母は、すべて本発明に含めることができる。好ましくは、発酵させると酢酸イソアミル、カプロン酸エチルをバランスよく生成し、香気バランスが良い発酵食品、例えば清酒を生成する酵母を選択し、こうして得られた酵母、例えば、5MT14を上記した変異誘発法を適用して選択することにより得ることができる。
【0013】
酵母プロトプラストは、酵母を酵母細胞壁溶解酵素、例えばザイモリアーゼ、ヘリカーゼ、グルスラーゼなどで処理することにより得られる。この処理は、好ましくは2−メルカプトエタノール存在下行われることができ、好ましくは菌体はソルビトール液などで洗浄処理される。酵母細胞壁溶解酵素としては、好ましくはザイモリアーゼ60,000が使用され、その使用濃度は約0.02〜0.1mg/ml、好ましくは約0.04〜0.05mg/ml程度であり、該酵素の処理時間は、約20〜80分間である。
酵素処理後、直ちに約0.4〜1.2Mのソルビトール液あるいは約0.4〜1.2Mの塩化カリウムなどで菌体は洗浄処理される。例えば、酵母を一夜培地(10ml、酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース2%、pH5.3) 中で前培養した菌体液2.0mlを、100mlの同じ組成の栄養培地に加え対数増殖中期まで30℃で振とう培養し、得られた菌体約1gに30μlの2−メルカプトエタノール及び6.0mlの高張液(0.02MのNa2HPO4、0.02Mのクエン酸、1mMの EDTA、1Mのソルビトール)を加えて均一に懸濁し、次に1mg/mlのザイモリアーゼ60,000を0.5ml添加し、30℃で約30〜60分間インキュベーション処理する。
【0014】
こうしてプロトプラスト化した酵母は、5mlの1Mのソルビトールで3回洗浄した後、1Mのソルビトール及び10mMのCaCl2 を含むトリス−塩酸緩衝液(pH7.3)を加えて、プロトプラスト液とされる。酵母の融合は、ポリエチレングリコールを用いて行うことができる。例えば、約0.4〜1.2Mのソルビトール液及び約8〜50mMのCaCl2 を含む約30〜35%ポリエチレングリコール中に上記したような洗浄プロトプラスト化した酵母をいれ、30℃で約20〜60分間処理することにより、プロトプラスト融合したものが得られる。融合プロトプラストの再生は、約0.4〜1.2Mのソルビトール液を含む高張液(例えば、約0.4〜1.2Mのソルビトール、酵母エキス1%、ポリペプトン1%、グルコース2%、寒天2%)で上記融合プロトプラストを25〜30℃で2〜5日間培養することによりなされる。プロトプラスト融合による育種で、キラー性因子、抗細菌性因子を付与することができ、こうした酵母も香気バランスが良い発酵食品、例えば清酒を生成する酵母であるものは本発明の範囲内のものである。
【0015】
本発明により分離したトリプトファンアナログ耐性株から、酢酸イソアミルとカプロン酸エチルをバランスよく生成する株を分離するためには、発酵試験を行い、発酵生成物のカプロン酸エチル濃度/酢酸イソアミル濃度の比の値が親株に比較し、より1に近いものを選べばよい。
本発明の酵母は、専門家パネラーによる官能試験において、麹エキス・α−麹培地〔ファルコンチューブ入り麹エキス(Be6.0)20ml及びα−麹8g〕での30℃、10日間培養で、香気バランスが良いと評価される。
本発明により得られた酵母5MT14を使用して製造された清酒は官能的には上立ち香含み香とも感じられ、親株に比較し酸度が低く且つ酢酸イソアミル、カプロン酸エチルのバランスが良好な清酒となったと評価される。
【0016】
本発明の酵母は、次のような菌学的性質を有する。
すなわち、この酵母は、
(1)トリプトファンアナログに対して耐性を示すが、カナバニン、セルレニンには感受性を示す。
(2)清酒醸造試験で、得られた清酒中のカプロン酸エチル濃度/酢酸イソアミル濃度の比の値が、おおよそ0.5〜0.8の範囲、例えばおおよそ0.55〜0.8の範囲のもの、より具体的にはおおよそ0.6〜0.78の範囲、もっと具体的にはおおよそ0.65〜0.75の範囲を示す。
(3)胞子形成能を有する。
本発明の酵母は、さらに次のような菌学的性質を有する。栄養細胞が球形ないし卵形で、多極出芽によって増殖する。平滑子嚢胞子を形成する。乳糖及び硝酸塩を資化しない。真菌糸を欠くか又は僅かしか形成しない。成熟子嚢は容易に開裂しない。胞子の形状は球形ないし卵形である。グルコースをよく発酵する。麦芽汁培地に皮膜を形成しない。パラフィンを資化しない。
【0017】
本発明の酵母の培地としては、炭素源、窒素源、無機イオン、さらに必要に応じ有機微量栄養素を含有する通常の培地が使用できる。炭素源としては、資化可能な炭素化合物又はこれを含有するものであればよく、例えば、グルコース、ガラクトース、フラクトース、マンノース、シュクロース、デンプン加水分解物、果汁、セルロース分解物などの炭水化物が良好に用いられる。窒素源としては、資化可能な窒素化合物又はこれを含有するものであればよく、例えば、硫安、カザミノ酸、ペプトンなどが使用される。また、リン酸、鉄、カリウム、マグネシウム、亜鉛、マンガン、銅、カルシウムなどの無機塩類を適宜使用することができる。さらに必要に応じ菌の生育に必要なアミノ酸、ビオチン、リボフラビン、ピリドキシン、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、チアミンなどのビタミン類などを培地に添加して用いることができる。例えば、麦芽汁培地、麦芽汁寒天培地、YM寒天培地(酵母エキス、麦芽エキス、ペプトン、グルコース、寒天、蒸留水、pH5〜6)、PGY培地(酵母エキス、ペプトン、グルコース、蒸留水、pH5〜6)、V−8ジュース培地V−8ジュース、圧搾パン酵母、KOH、寒天、蒸留水)、ゴロドワ (Gorodkowa)寒天培地(グルコース、ペプトン、NaCl、寒天、蒸留水)などが挙げられる。
【0018】
特に好適な培地は、酵母エキス、ポリペプトン、グルコースなどよりなる培地が挙げられる。また、培地中に、トリプトファンアナログ、例えば5−メチルトリプトファンなどのメチルトリプトファン、フルオロトリプトファンなどを添加して、本発明の香気バランスが良い発酵食品をを生成する酵母を優先的に保持しておくことも好ましい。また、例えば5−メチルトリプトファンなどのトリプトファンアナログを添加して、酢酸イソアミル、カプロン酸エチルのバランスが良好な清酒などを製造することのできる酵母を優先的に保持しておくことも好ましい。この場合、例えば5−メチルトリプトファンでは培地中に、例えば0.004〜0.04%、好ましくは0.01〜0.04%、より好ましくは0.02〜0.04%添加しておくことができる。培養は、温度25〜40℃、好ましくは30〜37℃で、pH3.0〜7.0 、好ましくは3.5〜6.0で行われる。 酵母の培養は、震盪培養、通気培養、攪拌培養、静置培養などの好気的、嫌気的培養など適宜好ましい方法を選択して行うことができる。
【0019】
以下に、本発明の吟醸香の豊かな清酒などを与える酵母の選抜法を一つの代表的な工程を示して説明する。
吟醸清酒用に分譲されている酵母HD−1(「醸協」、第83巻、第11号、723〜728頁、1988年及び「清酒酵母の研究(−80年代の研究−)」、111〜112頁、清酒酵母研究会、平成4年6月19日)を、酵母用栄養培地、例えばYEPD培地(酵母エキス0.5%、ペプトン0.5%、グルコース2.0%)あるいはDifco-Yeast Nitrogen-Base w/o Amino acid(YNB w/o A.A、 Difco社(米国」)製)0.67%及びグルコース2.0%などに、白金耳接種し、約30℃で約12〜72時間培養する。こうして得られた前培養酵母をさらに栄養培地、例えばYEPD培地で約30℃で約12〜72時間培養する。こうして得られた菌を、エチルメタンスルホネート(EMS)、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(MNNG)などで処理し、変異処理した菌体を集め、洗滌する。得られた変異処理した酵母菌体を選別培地、例えば基本培地(YNB w/o A.A (Difco社(米国)製)0.67%、グリセロール2%、寒天2%)にトリプトファンアナローグである5−メチルトリプトファンをおおよそ0.04%の濃度となるように加えた寒天プレート培地に塗抹し、30℃で1週間培養する。ここで生育してきたコロニーを選び、さらに繰り返し選抜培地に塗抹し培養を繰り返し、トリプトファンアナローグ耐性酵母を選抜する。選抜されたトリプトファンアナローグ耐性酵母を発酵試験にかけ、得られた清酒の官能評価を行い、酢酸イソアミル、カプロン酸エチルをバランスよく生成し、吟醸香の豊かな清酒を生み出す株を選別する。
【0020】
より具体的に変異株の選抜法を説明する。
HD−1株からの変異株の選択栄養培地、例えばYEPD培地に、酵母HD−1を接種し、約30℃で約12〜48時間振とう培養する。こうして得られた前培養酵母液をさらに同じ組成の培地に接種し、約30℃で5〜30時間の往復振とう培養をする。遠心し、滅菌水などで2回程度洗浄した。得られた酵母菌体を、緩衝液、例えば、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に懸濁し、エチルメタンスルホネート(EMS)液を添加する。次に約30℃で約30〜60分間緩やかに振とうする。遠心し、菌体を集め、次に約5%チオ硫酸ソーダ中に静置して中和した後、遠心分離した。菌体は更に滅菌水などで2回程度洗浄し、次に滅菌水などに懸濁する。
こうして変異処理された酵母菌体液を、選抜培地、例えば、基本培地(YNBw/o A.A、(Difco社製)0.67%、グリセロール2%、寒天2%)に、5−メチルトリプトファンを加えた平板プレート培地を耐性株選抜培地としてこれにに塗抹し、約30℃で約3日間〜3週間培養する。こうしてトリプトファンアナログ耐性株が選別される。選択される酵母の母集団は、変異処理株のほかに野性株、訓養株、交雑株、細胞融合株及びプラスミド等による形質転換株をも含む。
【0021】
本発明の酵母を用いて芳香アルコール含有飲料を製造する場合、酵母は予め前培養しておくことが好ましい。例えば、寒天斜面培地などに保持されている酵母は、適当な液体栄養培地で静置培養され、それを酵母源とされることができる。清酒製造などでは、例えばもろみの約7%にあたる米と麹を用い酒母の製造がなされる。発酵の原料としては、糖質を含有するもの、セルロース質あるいはデンプン質のもの、例えば、サトウキビやこれから採った糖蜜、サツマイモ、ジャガイモ、トウモロコシ、キャサバ、テンサイなど、果物あるいは野菜の汁、例えば、麦芽汁、ブドウ、リンゴ、マルメロ、グレープフルーツ、オレンジ、ミカンなどの柑橘類、カリン、ナシ、西洋ナシ、ビワ、アンズ、ウメ、カキ、サクランボ、スモモ、ナツメ、モモ、ネクタリン、イチジク、キイチゴ、グミ、ザクロ、キウイフルーツ、マンゴー、バナナ、パインアップル、パパイア、グアバ、ヤシなどの果汁、穀物、例えば、米、小麦などから調整されたもろみなど、小麦粉を主として含むもの、例えば、パン生地、菓子パン生地、饅頭生地などが挙げられる。穀物、例えば、米、小麦など、ジャガイモ、サツマイモなどのイモ類などに含まれるセルロース質あるいはデンプン質のものを利用する場合、それらセルロース質あるいはデンプン質のものを予め発酵可能な糖類に変換しておくことが好ましい。清酒用のもろみは特に好ましく用いられる。
【0022】
アルコール含有飲料を製造する場合などでは目的とする飲料の種類に応じ、酒税法及び酒税法施行令や規則などの法令に定められた原料を用いることがこのましい。例えば、清酒では、米、麦、ヒエ、アワ、トウモロコシ、コウリャン、キビ、及びこれらから得られる糖質を用いることができる。糖質は酵母によりそのまま発酵しうるが、デンプン質、セルロース質などのものはまず液化酵素、糖化酵素などにより発酵可能な糖質に転化された後、本酵母の作用を受け発酵せしめられる。このような酵素源としては当該分野で公知のもののうちから選択して用いることができ、例えば、麦芽、麹などに含まれるもの、乳酸菌、糸状菌、例えば、アスペルギルス・オリゼー(Aspergillus oryzae)などの麹生産菌などが生産するもの、α−アミラーゼ、グルコアミラーゼ、ジアスターゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ、ラクターゼなどの酵素などを挙げることができる。醸造は、所望製品により異なるが、例えば、清酒では温度5〜20℃、好ましくは10〜17℃で行われる。
【0023】
例えば、清酒では、まずもろみの約7%にあたる蒸米と麹を用い酵母の培養物たる酒母の製造がなされる。次に炭素源とする原料、水及び無機塩類を温度管理のできるタンクに仕込み、酒母を添加して発酵を開始する。一般に清酒、焼酎などの製造では、発酵の始めに炭素源の一部を仕込み、発酵に伴い残りの炭素源を追加していく段仕込みが行われる。もろみの製造は、清酒では、おおよそ約15℃を中心に約10℃から約18℃で管理されるが、より低温で処理し香りを重視した方法を採ることもできる。もろみの発酵は、約15日から45日程度で終了されるのが一般的である。焼酎製造では、清酒よりやや高い温度で処理され、かつもろみの期間も短縮できる。もろみは発酵が順調に進むように攪拌することもできるし、その温度も各段階に応じて変化調整することができる。清酒では、こうして得られたもろみは圧搾濾過などにより酒粕と分離されて原酒となる。
本発明の酵母を用いて得られる芳香アルコール含有飲料としては、ビール、ワイン、サイダー、清酒、老酒、紹興酒など、また発酵製品をさらに蒸留して得られるウイスキー、ブランデー、焼酎、ジン、テキーラ、ウオッカ、その他の酒類などが挙げられる。特に好ましいものとしては清酒が挙げられる。果実から得られる果汁、例えば、ブドウ果汁、ミカン果汁を利用すれば、ワインが得られる。パンの製造には、酵母が用いられ、得られる製品の風味は使用する酵母の産生する香気成分に大きな影響を受けている。パン生地は、小麦粉を主な原料とし、食塩、油脂、水に、酵母を加えて形成される。必要に応じ、砂糖、脱脂粉乳、製パン用改良剤(フード)、卵、その他調味剤などが配合されてよい。代表的な製パン法としては、直捏法と中種法が挙げられる。パン生地の配合例としては、例えば、2kgの全小麦粉使用の場合の70%中種製パン法では、小麦粉70重量%、酵母2.2重量%、フード0.1重量%及び水43重量%を中種とし、約24℃で捏ね、次に小麦粉30重量%、砂糖5重量%、食塩2重量%、油脂5重量%、脱脂粉乳3重量%及び水28重量%の本捏とするなどが挙げられる。この他、中華饅頭、酒饅頭などの和菓子、中華料理材料の製造に利用できる。また調味料、発酵飲料などの製品の風味はその使用する酵母の産生する香気成分に大きな影響を受けている。焼肉のタレは、例えば、薄口醤油20重量%、砂糖10重量%、味噌5重量%、白ゴマ0.5重量%、水63.5重量%、そして酵母1重量%を含むといった組成を有する。また、漬物、食酢、例えば、米酢、リンゴ酢、ワインビネガーなど、ミリン製造などにも応用できる。本発明の酵母を利用する際、酵母は固定化して用いることもできる。酵母の固定化は、通常当該分野で一般的に用いられている方法によることができるが、例えば、アルギン酸カルシウムゲル法(「バイオリアクターの応用技術、−固定化生体触媒の製法と利用−」、19頁、シーエムシー発行、1986年)などが挙げられる。
【0024】
【実施例】
以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明するが、この実施例は単に本発明の説明のため、その具体的な態様の参考のために提供されているものである。
これらの例示は本発明の特定の具体的な態様を説明するためのものであるが、本願で開示する発明の範囲を限定したり、あるいは制限することを表すものではない。本発明では、本明細書の思想に基づく様々な実施形態が可能であることは理解されるべきである。
全ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的な技術を用いて実施したもの、又は実施することのできるものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なものである。
【0025】
実施例1
YEPD培地(酵母エキス0.5%、ペプトン0.5%、グルコース2.0%)10mlに、酵母HD−1を接種し、30℃で24時間振とう培養した。
こうして得られた前培養酵母液0.5μL をさらに同じ組成の培地に接種し、30℃で一晩振とう培養した。遠心分離で集菌した後、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)10mlに懸濁し、エチルメタンスルフオネート(EMS)液0.3mlを添加して、30℃で45分間緩やかに振とうした。再び遠心分離によって集菌し、5%チオ硫酸ナトリウム10mlで中和し、遠心分離と滅菌水による洗浄を2回繰り返した後、滅菌水10mlに懸濁した。
【0026】
こうして変異処理された酵母菌体液を選抜培地(YNB W/O A.A、0.67%、グリセロール2%、寒天2%、5−メチルトリプトファン0.04%)に塗抹し、30℃一週間培養した。ここで生育してきた酵母を2回繰り返し選抜培地に塗抹し、5−メチルトリプトファン耐性株22株を得た。本実施例においては5−メチルトリプトファンを用いたが、メチルトリプトファン、フルオロトリプトファンなどトリプトファンアナログであれば同様な効果が期待できる。
【0027】
上記で得られた5−メチルトリプトファン耐性酵母22株について、発酵試験を行い、発酵力及び生成する香気成分の官能評価を行った。まず、YEPD培地に5−メチルトリプトファン耐性酵母を接種し、30℃で24時間振とう培養した。得られた前培養酵母液3mlを麹エキス・α麹培地(麹エキス(Be6.0)20ml及びα麹8g)に接種し、30℃で10日間培養した。重量減少から発酵力を確認するとともに、専門家パネラーにより発酵生成物の官能試験を行った。 結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
発酵能試験により選抜した8株について総米200gの小仕込み試験を行い、発酵力及び生成する香気成分などの専門家パネラーによる官能評価、機器分析を行った。仕込み配合を表3に示した。
【0030】
【表3】
【0031】
酒母は、ボーメ6の麹エキスに各酵母を植菌し、30℃で2日間培養した培養液30mlとした。この分、汲み水は詰めた。この仕込み配合のもと、10℃一定で留後34日日に遠心分離により上槽した。重量の減少、アルコール、総酸度、アミノ酸度、香気成分についての分析結果(表4)と専門家パネラーによる官能評価(表5)を総合し、5MT14を選抜した。
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
さらに5MT14について、カナバニン、セルレニンについての耐性試験を行った結果を表6に示した。この結果から、5MT14(FERM P−17760)はいずれに対しても耐性を示さず、感受性株であることが確認された。なお、耐性試験は、カナバニン6μg/ml、セルレニン2.2μg/mlとなるように調製した培地で30℃、5日間培養し、コロニーを形成するか否かによって耐性の有無を判定する方法を用いた。
さらに総米100kgを用いての仕込み試験を行った。仕込み配合を表7に示した。
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
掛米、麹米とも山田錦(精白歩合40%)を使用した。洗米、蒸し、製麹、上槽はマスカット様芳香産生酵母並びにマスカット様芳香を持つ飲食品及びその製造法(特開平8−154665号公報)の実施例5と同様に行った。
すなわち、洗米は吟醸用洗米機を用いて行った。洗米の手順は、先ずステンレスのザルに米5キログラムを計量して入れ、水を張った半切れ中に浸漬し、手で軽く攪拌する。90秒後水から上げて、洗米機にかけ、20秒運転する。停止後続いて200リットル/分の水で掛け水し、再び20秒洗米機にかけ運転する。
停止後続いてさらに200リットル/分の水で60秒掛け水した後、目的の吸水率になるまで浸漬する。蒸しの工程は、ホリケン社製の吟醸こしきG−100型を用いて40分間蒸しを行った。製麹は、麹室で箱麹法により行った。はぜ回り3から4割程度のつきはぜタイプのものとした。
酒母はアンプル仕込みで行った。仕込みは300L容の温度制御タンクで初添15℃、仲添え8℃、留添え7℃を目標に仕込みを行った。上槽は留後29日日に行った。得られた清酒原酒について香気成分等の分析を行った。
結果を表8に示した。
【0038】
【表8】
【0039】
本発明の酵母5MT14による製成酒は親株であるHD−1による製成酒と比較して、酢酸イソアミル量が若干多く、カプロン酸エチルが約1.7倍となり、その結果カプロン酸エチルと酢酸イソアミル生成量のバランスが改善された。
本発明の酵母5MT14は、通産省工業技術院生命工学工業技術研究所(NIBH)に寄託番号FERM P−17760として寄託されている。
【0040】
【発明の効果】
本発明では、トリプトファンアナログに耐性を持つ酵母から、酢酸イソアミル、カプロン酸エチルを生成する酵母サッカロミセス セレビッシエ 5MT14(FERM P−17760)を分離育種する方法が提供される。この方法で得られた酵母サッカロミセス セレビッシエ 5MT14(FERM P−17760)を用いて酢酸イソアミル、カプロン酸エチルを含み、吟醸香の豊かな酒類及び飲食品を製造することができる。
Claims (6)
- サッカロミセス セレビッシエに属し、トリプトファンアナログ耐性で酢酸イソアミル、カプロン酸エチルを生成する香気生成酵母サッカロミセス セレビッシエ 5MT14(FERM P−17760)。
- 酵母がサッカロミセス セレビッシエ5MT14(FERM P−17760)から育種あるいは変異誘発法で得られたトリプトファンアナログ耐性で酢酸イソアミル、カプロン酸エチルを生成する香気生成変異酵母。
- サッカロミセス セレビッシエに属し5−メチルトリプトファンを0.04%含有する培地で生育する5−メチルトリプトファン耐性で酢酸イソアミル、カプロン酸エチルを生成する香気生成酵母サッカロミセス セレビッシエ5MT14(FERM P−17760)。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の酵母を用いて清酒を製造することを特徴とする清酒の製造法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の酵母を用いることを特徴とする発酵飲料品の製造法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の酵母を用いて製造されたことを特徴とする当該酵母を含む発酵飲料品。
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