JP2010087767A - 施設内無線システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ホテル等の施設内無線通信システムにおいて、データ収集機能を備えた親局通信装置、移動通信端末、データ収集用通信端末を含み、移動通信端末から収集した情報を親局通信装置に蓄積し、移動通信端末の表示手段によって確認できるように構成する。
【選択図】図1
Description
また、このような特定省電力無線送受信機やアマチュア無線等の陸上移動無線通信機(Land Mobile Radio:LMR)では、一部を除き通信端末の一方が送信し、他方がそれを受信する操作を交互に繰返す単信方式(シンプレックス方式)が一般的であるが、所要間隔離れた周波数を送信周波数と受信周波数として設定することによって、互いに、送信と受信を同時に行う複信方式(デュープレックス方式)も採用されている。
更に、陸上移動無線通信機は比較的送信電力が小さく設定されていることから、ある程度距離が離れると互いの送信信号が直接相手方に届かなくなることが多いので、従来からレピータ装置(無線中継局装置)が随所に設けられているが、その設備の規模は、それを利用する通信端末数によって種々のものが存在する。
ところで、建築現場やホテル等の業務連絡の通信内容を、通信当事者以外の、関連業務に携わる他の関係者にも同時に伝えることができれば、更に、業務効率を向上し得るが、マルチチャネルアクセス方式では、多数のチャネルを選択しながら使用するので、通信当事者以外の移動通信端末においても同時に傍受するためには種々の工夫が必要であった。
例えば、特許文献1には、複信方式(デュープレックス方式)を行う複数の移動通信端末のうちの、ある移動通信端末間で行われている通信内容を、他の移動通信端末が受信できるようにした複数無線機間同時通話システムが提案されているので、レピータ装置の構成や通信端末の構成を知る上で参照することができる。
例えば、ハウスキーパがホテルのフロントや管理部門に、顧客のチェックアウトの有無を確認し、顧客が退室したことを確認後に客室の清掃や備品の補充、ベッドメーキングを行う場合、音声による通話のみでは、リアルタイムで様子を把握することが出来ないので、何度も現状確認のために無線連絡を行う必要がある。また、夫々の処理業務がある時間帯に集中する場合には、通信回線が塞がっていることが多くなり、連絡待ちのために費やす時間のために本来業務の遂行に支障を来す虞もあった。更には、一対一の通話では、通信当事者以外の他の作業者との情報共有が難しく、作業効率の向上を妨げる場合があった。
本発明は、従来のホテル等の施設内無線通信システムにおける諸事情に鑑みてなされたものであって、会話による通信の他、業務に有用な各種の情報を収集し、それらをデータとして蓄積するとともに、それらの情報を移動通信端末の表示手段によって確認可能とすることによって、各セクションの作業効率を向上できるようにした施設内無線通信システムを提供すること、または、各部屋の電気製品の起動状態や、ドアや窓の開放情報等を収集することによって、防犯にも利用でき、また、非常時の顧客誘導や救出にも役立ち得る施設内無線通信システムを提供することを目的としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の施設内無線システムにおいて、上記移動通信端末には、カメラ機能を含み、設備や備品不具合状態を撮影した画像データと場所情報を前記親局通信装置に送信することができるように構成したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか一項記載の施設内無線システムにおいて、上記データ収集用通信端末が、非常用ボックス中に収納され、バッテリィを内蔵した無線通信機を含み、通常は外部電力が供給されて内蔵バッテリィを充電しながらデータ収集用通信端末として使用され、非常時には顧客が連絡用に使用可能であり、または、携行して避難できるようにしたことを特徴とする。
図1は、本発明に係る施設内無線システムの一例として示した、ホテル内無線システムの概要図である。図1において、1は例えばホテルのフロント(受付)に設置された親局通信装置、2は、ホテル内のフロアマネージャ、ハウスキーパ、警備員、営繕担当者等が携行する複数の移動通信端末、3は、客室内や各種催し物会場、貸し会議室等に備えられたデータ収集用通信端末であり、夫々の通信端末は、以下のように構成されている。
先ず、親局通信装置1は、マイクロホン10を備えた送信部11と、スピーカ12を備えた受信部13と、送受信用アンテナ14と、親局制御部15と、を含み、更に親局制御部15には、データ記憶部16と、入力部17と、表示部18とが接続されている。
一方、データ収集用通信端末3は、詳細構成は省略するが、上記移動通信端末2とほぼ同様に構成した通信端末30と、データ収集用のデータ制御部31と、センサ情報入力部(センサ情報入力手段)32を含み、このセンサ情報入力部32には、例えば、テレビ等の電気製品の起動状態を監視する電気製品使用センサ33、室内灯の点灯状態を監視する電灯点灯センサ34、窓・ドア開閉センサ35、火災センサ36や、図示を省略した水道センサ、ガスセンサ等の各種センサからの信号が入力されるように構成されている。
なお、これらの各通信機はデジタル方式として構成し、音声信号の他、データ通信が可能であることが好ましく、更に、パケット通信のように、逐一、相手局を呼出す操作を行うことなく、アドレスを付したデータ送受信によって、所要の情報の授受が行えるものであれば、更に、業務効率の改善が期待できる。
先ず、移動通信端末2は、少なくとも親局通信装置1との間で直接通信可能であり、通信方式は単信方式(シンプレックス)、複信方式(ディユープレックス)の何れであってもよい。なお、移動通信端末相互間の通信は、直接行えることが好ましいが、後述するように親局通信装置1にレピータ機能を持たせることによって、親局通信装置を介して通信を行うものであってもよい。
先ず、移動通信端末2を客室の清掃等を行うハウスキーパに携行させる場合を例示する。周知のように、ハウスキーパは、顧客のチェックアウトを待って、空き部屋となった客室の清掃、備品補充、ベッドメーキング等を行うが、どの客室が空いたかについては、従来フロントに業務用無線機で問い合わせていたので、非効率的であったことは上述した通りである。そこで、この実施例では、フロントに備え付けられた上記親局通信装置1の入力部17を介して、チェックアウトした顧客の情報を入力し、データ記憶部16に蓄積する。通常、ホテルのフロントでは、顧客情報や、予約情報等の各種情報をパソコンによって管理するようになっているので、その管理のためにパソコンに入力する情報の一部を流用するものであってもよい。このようにフロントにおいて顧客のチェックアウト情報を入力すれば、リアルタイムで最新の空部屋情報が蓄積される。そこで、ハウスキーパが空き部屋(チェックアウトした部屋)を知りたいときは、携行する移動通信端末2を操作して親局通信装置1を呼出し、そのデータ記憶部16の空き部屋情報データにアクセスすれば、最新の情報を知ることができる。
そして、これらの情報に基づいてハウスキープ業務を完了したとき、各、ハウスキーパは携行する移動通信端末2を介して、作業が終了した旨を親局通信装置1に連絡すると、その情報が親局通信装置1のデータ記憶部16に登録され、必要に応じてフロントに配置された表示部18に表示される。ハウスキーパの移動通信端末2から親局通信装置1に行われる作業完了報告等の連絡は、一般的には、移動通信端末2の表示部27に表示されたハウスキーピングが必要な客室リストの所要部に、入力部として備えたキーボード(テンキー)を操作して、「作業完了」あるいは「作業中」等を入力し、そのデータが親局通信装置1を経由してフロントの表示部18に表示されるが、移動通信端末2側の作業効率を高めるために、音声認識による情報伝達手段を用いることも可能である。この場合は、ハウスキーパは単に、マイクロホン20から、作業終了した旨と、その部屋番号とを送信し、その音声を親局通信装置1において認識してデータとして蓄積すればよい。なお、変換ミスを無くすため、認識した結果を送信元に返送し、確認ボタンの押圧を促すことも有用である。このような操作が可能となれば、顧客の要望通りの時間帯に作業が終了したか否かをフロントにおいて確認できるし、未完了の場合は、担当者に作業実行を促すことにも活用できる。
以上のように、ホテル等のハウスキーパやそれらに類似した作業を行う業務員に移動通信端末を携行させ、必要な情報を収集して親局通信装置のデータ記憶手段に蓄積するとともに、他の業務員が携行する移動通信端末により、リアルタイムで必要な情報を上記親局通信装置が蓄積したデータを参照できるように構成すれば、その業務員が、その都度、フロントや管理室、司令室に問い合わせる従来の方法に比べれば、大幅に作業効率の向上を図ることができる。
また、ハウスキーパ用の移動通信端末2は、各自が携行する形式でもよいが、ハウスキーパが備品や、シーツ、タオル、パジャマ等の用品を運搬するためのカートに備え付けられたものであってもよい。更に、本発明において親局通信装置1と移動通信端末2は、交互に送受信を繰返すシンプレックス(プレストーク;単信)方式でも、同時送受信を行うデュープレックス(複信)方式の何れにおいても適用可能であるが、通信管理や迅速な通信を行う上では同時送受信方式の方が有利である。
この構成によれば、移動通信端末を携行するハウスキーパは、熟練を要するプレストーク操作を行うことなく、通常の携帯電話機と同様の操作によって通話を行うことができるので、複雑なボタン操作については、親局通信装置のオペレータの指示を聞きながら同時に行うことができる。
そこで、親局通信装置にレピータ機能を持たせ、その中継機能によって、移動通信端末相互間の通信を可能とし、更には、その通信内容を他の移動通信端末が同時に傍受できるように構成することができれば、上記問題を解決することができる。
この例では、移動通信端末5がデュープレックス(複信)方式であることに対応して、親局通信装置4では、移動通信端末の送信周波数を受信周波数とし、移動通信端末の受信周波数が親局通信装置の送信周波数となるように設定されている。
即ち、送信周波数と受信周波数が異なるデュープレックス(複信)方式においては、移動通信端末5から送信周波数をf1、受信周波数をf2とすると、周知のように親局通信装置4では受信周波数がf2、送信周波数がf1となる。
特許文献1は、複信方式(デュープレックス方式)を行う複数の移動通信端末のうち、ある移動通信端末間で行われている通信内容を、他の移動通信端末が受信できるようにした複数無線機間同時通話システムに関するものである。即ち、移動通信端末としては図3に示すように構成し、親局通信装置としては、図4に示す構成の中継器(レピータ)を二つ、ケーブルを介して接続するとともに、二つの中継器のマイクロホン出力信号、受信機の復調信号を、内蔵するセレクタにより相手方中継器の送信機、又は、混合器に供給するように切替え、当該親局通信装置と通信中以外の移動通信端末が受信可能な周波数の電波に重畳して、通話中の音声信号を中継送信するものである。詳細には特許文献1に記載があるので、以下、各装置の構成と、動作について簡単に説明する。
この中継制御部51は、三つのセレクタ52乃至54を備え、夫々を(子機)制御部49によって制御するように構成した点が特徴的である。この構成における第一のセレクタ52は送信機43に(変調信号)供給する信号として、自局のマイクアンプ42の出力信号、受信機45の出力信号、自局の混合器46の出力信号(この信号には、ケーブル55−1を介して供給される他方の中継器のマイクアンプ出力が含まれる場合がある)の何れかをセレクトし、第二のセレクタ53は混合器46に供給する信号として、受信機の復調信号、マイクアンプ42の出力信号、あるいは他方の中継器からケーブル55−1を介して供給される他方の中継器の第三のセレクタ54の出力信号(相手方のマイクアンプ出力、混合器出力、受信機の出力信号が含まれる場合がある)をセレクトし、第三のセレクタ54は、マイクアンプ42の出力、混合器46の出力、受信機の出力信号をセレクトして、他方の中継器の第二のセレクタに供給することができる。なお、図4におけるマルで囲った小文字アルファベット記号は、同一記号間の結線を省略したことを示す符号である。
このような構成によって、親機(親局通信装置)である自機のマイクロホン41からの音声信号に付加して、受信機の復調音声信号を送信し、あるいは、自局のマイクロホン信号、受信機の復調信号等を適宜選択して、相手方の移動通信端末に送信するとともに、同様に構成された他方の中継器(親局通信装置の一部)から別の送信周波数によって、必要な音声信号をセレクトして送信することが可能となる。従って、この中継器と直接通信する移動通信端末以外の他の移動通信端末は、この中継器から送信される電波、又は他方の中継器から送信される電波の何れかを受信すれば、通話中の親局通信装置と移動通信端末両者の会話内容を傍受(モニタ)することが可能となる。
このように、特許文献1に開示され手段の特徴は、比較的簡単な構成によって、同時送受信を行う特定の移動通信端末間の通信や、親局通信装置と移動通信端末との通話内容を、他の移動通信端末において傍受可能としたものであり、本発明に利用すれば、より一層簡便な施設内通信システムを構築することができる。
例えば、図1に示したデータ収集用通信端末3における通信端末30として、移動通信端末2と同様に可搬可能な無線通信機を非常用ボックスの中に収納しておき、通常は、外部電源の供給を受けながら上述したように各種センサからの信号を入力し、親局通信装置にデータを送信するが、非常時には、非常用ボックスから顧客が移動通信端末を取りだして、フロントと通信できるように構成することも可能である。
即ち、非常用ボックスとは、例えば「非常用」、「非常の際はレバーを操作してボックスの蓋を開け、通信機を取り出してフロントと通信できます」といった表示を付したボックスである。このボックスは開閉する際に、スリットが施され僅かな力で透明板を割ってボックス開閉レバーを操作できるようにしておけば、通常時の悪戯を防止する上で効果がある。また、火災や地震等の非常時には、顧客がこれらの通信端末を携行して避難できるように構成し、その旨を表示しておくことも、万一の場合の避難者救助の上で有用である。更に、これら通信端末に、近年の携帯電話機のようにGPSによる位置検知機能を備えて、避難者の位置を親局通信装置において把握できるように構成しても良いが、建築物内ではGPS人工衛星からの電波が届きにくいので、施設内の要所に、位置を示す符号を含む微弱電波や超音波、赤外線等を発するサインポストを設け、それらの信号を通信端末が受信し、その位置情報を含んだ信号を自動的に親局通信装置に送信するような仕組みであっても良い。
本発明は上述したホテル内通信システム以外にも、色々の施設内の通信システムとして利用可能である。例えば、多数のレンタルルームを擁するカラオケルーム、レンタル会議室、イベント会場のレンタル施設、旅館等の宿泊施設、各種の催し会場レンタルするレンタルイベント会場、その他複数の区画を含む施設であってもよい。
また、以上説明した構成や機能は、CPUや必要なメモリ装置を含むコンピュータを備え、メモリに、上述した制御や機能を実現する上で必要なプログラムやデータを格納することによって本発明を実施可能であることは云うまでもないであろう。更に、上述した機能を実現する処理をプログラム化し、あらかじめCD−ROM等の記録媒体に書き込んでおけば、コンピュータ、メモリを搭載した従来の通信機にインストールするのみで、本発明を実施できる場合もある。
Claims (4)
- 複数の移動通信端末と、これらの移動通信端末と通信可能な少なくとも一つの親局通信装置と、施設内要所に配置するデータ収集用通信端末を含み、前記移動通信端末は前記親局通信装置を介して他の移動通信端末と通信が可能であり、その通信内容が、通信当事者以外の他の移動通信端末において傍受信可能なように構成されたデジタル方式の施設内無線システムにおいて、
前記移動通信端末は、表示器、入力部、マイクロホン、スピーカ、送信部、受信部、データ送受信機能を有する制御部を含み、
前記親局通信装置は、表示器、入力部、マイクロホン、スピーカ、送信部、受信部、データ送受信機能を有する制御部、データ記憶部を含み、
前記データ収集用通信端末は、施設内の各種センサ出力情報入力手段、入力されたデータを前記親局通信装置に送信する制御部を含み、
前記親局通信装置が収集した各種データを、前記移動通信端末に送信し、且つ、移動通信端末から前記親局通信装置にアクセスしてデータを読み出すとともに、そのデータを表示するように構成したことを特徴とする施設内無線システム。 - 前記施設が宿泊施設、ホテル、レンタル会議室、レンタルカラオケルーム、レンタルイベント会場の何れか一つであって、前記親局通信装置のデータ記憶部は、客室、レンタル会議室、レンタル会議室、レンタルイベント会場の使用状況情報を記憶しておく領域を含むとともに、前記センサ出力情報入力手段には、各部屋の電灯点灯センサ、窓・ドア開閉センサ、火災センサ、水道使用センサ、電気製品使用センサ、ガス使用センサ、のうちの少なくとも一つのセンサからの情報が入力されるように構成したことを特徴とする請求項1記載の施設内無線システム。
- 前記移動通信端末には、カメラ機能を含み、撮影した画像データと場所情報を前記親局通信装置に送信することができるように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の施設内無線システム。
- 前記データ収集用通信端末が、非常用ボックス中に収納され、バッテリィを内蔵した無線通信機を含み、通常は外部電力が供給されて内蔵バッテリィを充電しながらデータ収集用通信端末として使用され、非常時には顧客が連絡用に使用可能であり、又は、携行して避難できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の施設内無線システム。
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