以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
〈1.基板処理装置〉
〈1−1.全体構成〉
まず、本発明の実施の形態に係る基板処理装置の全体構成について説明する。図1は、本発明に係る基板処理装置1の平面図である。また、図2は基板処理装置1の液処理部の正面図であり、図3は熱処理部の正面図であり、図4は搬送ロボットおよび基板載置部の配置構成を示す図である。なお、図1および以降の各図にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を適宜付している。
本実施形態の基板処理装置1は、半導体ウェハ等の基板Wにフォトレジスト膜を塗布形成するとともに、パターン露光後の基板Wに現像処理を行う装置(いわゆるコータ&デベロッパ)である。なお、本発明に係る基板処理装置1の処理対象となる基板Wは半導体ウェハに限定されるものではなく、液晶表示装置用ガラス基板やフォトマスク用ガラス基板等であってもよい。
本実施形態の基板処理装置1は、インデクサブロック10、バークブロック20、レジスト塗布ブロック30、現像処理ブロック40およびインターフェイスブロック50の5つの処理ブロックを一方向(X方向)に連設して構成されている。インターフェイスブロック50には基板処理装置1とは別体の外部装置である露光ユニット(ステッパ)EXPが接続配置されている。露光ユニットEXPは、ホストコンピュータ100とLAN回線(図示省略)を経由して基板処理装置1と接続されている。
インデクサブロック10は、装置外から受け取った未処理基板を装置内に搬入するとともに、現像処理の終了した処理済み基板を装置外に搬出するための処理ブロックである。インデクサブロック10は、複数のキャリアC(本実施形態では4個)を並べて載置する載置台11と、各キャリアCから未処理の基板Wを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの基板Wを収納するインデクサロボットIRと、を備えている。
インデクサロボットIRは、載置台11に沿って(Y軸方向に沿って)水平移動可能であるとともに昇降(Z軸方向)移動および鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能である可動台12を備えている。可動台12には、基板Wを水平姿勢で保持する2つの保持アーム13a,13bが搭載されている。保持アーム13a,13bは相互に独立して前後にスライド移動可能とされている。よって、保持アーム13a,13bのそれぞれは、Y軸方向に沿った水平移動、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。これにより、インデクサロボットIRは、保持アーム13a,13bを個別に各キャリアCにアクセスさせて未処理の基板Wの取り出しおよび処理済みの基板Wの収納を行うことができる。なお、キャリアCの形態としては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)であってもよい。
インデクサブロック10に隣接してバークブロック20が設けられている。インデクサブロック10とバークブロック20との間には、雰囲気遮断用の隔壁15が設けられている。この隔壁15にインデクサブロック10とバークブロック20との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS1,PASS2が上下に積層して設けられている。
上側の基板載置部PASS1は、インデクサブロック10からバークブロック20へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS1は3本の支持ピンを備えており、インデクサブロック10のインデクサロボットIRはキャリアCから取り出した未処理の基板Wを基板載置部PASS1の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS1に載置された基板Wを後述するバークブロック20の搬送ロボットTR1が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS2は、バークブロック20からインデクサブロック10へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS2も3本の支持ピンを備えており、バークブロック20の搬送ロボットTR1は処理済みの基板Wを基板載置部PASS2の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS2に載置された基板WをインデクサロボットIRが受け取ってキャリアCに収納する。なお、後述する基板載置部PASS3〜PASS10の構成も基板載置部PASS1,PASS2と同じである。
基板載置部PASS1,PASS2は、隔壁15の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、インデクサロボットIRや搬送ロボットTR1が基板載置部PASS1,PASS2に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。
次に、バークブロック20について説明する。バークブロック20は、露光時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、フォトレジスト膜の下地に反射防止膜を塗布形成するための処理ブロックである。バークブロック20は、基板Wの表面に反射防止膜を塗布形成するための下地塗布処理部21と、反射防止膜の塗布形成に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー22,23と、下地塗布処理部21および熱処理タワー22,23に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR1とを備える。
バークブロック20においては、搬送ロボットTR1を挟んで下地塗布処理部21と熱処理タワー22,23とが対向して配置されている。具体的には、下地塗布処理部21が装置正面側((−Y)側)に、2つの熱処理タワー22,23が装置背面側((+Y)側)に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー22,23の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。下地塗布処理部21と熱処理タワー22,23とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー22,23から下地塗布処理部21に熱的影響を与えることを回避しているのである。
図2に示すように、下地塗布処理部21は同様の構成を備えた4つの塗布処理ユニットBRCを上下に積層配置して構成されている。それぞれの塗布処理ユニットBRCは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック26、このスピンチャック26上に保持された基板W上に反射防止膜用の塗布液を吐出する塗布ノズル27、スピンチャック26を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック26上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、熱処理タワー22には、基板Wを所定の温度にまで加熱する2個の加熱ユニットHP、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持する2個の冷却ユニットCPおよびレジスト膜と基板Wとの密着性を向上させるためにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)の蒸気雰囲気中で基板Wを熱処理する3個の密着強化処理ユニットAHLが上下に積層配置されている。一方、熱処理タワー23にも2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。なお、図3において「×」印で示した箇所には配管配線部や、予備の空きスペースが割り当てられている(後述する他の熱処理タワーについても同じ)。
図4に示すように、搬送ロボットTR1は、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム24a,24bを上下2段に近接させて備えている。搬送アーム24a,24bのそれぞれは、先端部が平面視で「C」字形状になっており、この「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピンで基板Wの周縁を下方から支持するようになっている。搬送アーム24a,24bは搬送ヘッド28に搭載されている。搬送ヘッド28は、図示省略の駆動機構によって鉛直方向(Z軸方向)に沿った昇降移動および鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能である。また、搬送ヘッド28は、図示省略のスライド機構によって搬送アーム24a,24bを互いに独立して水平方向に進退移動させることができる。よって、搬送アーム24a,24bのそれぞれは、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。これにより、搬送ロボットTR1は、2個の搬送アーム24a,24bをそれぞれ個別に基板載置部PASS1,PASS2、熱処理タワー22,23に設けられた熱処理ユニット(加熱ユニットHP、冷却ユニットCPおよび密着強化処理ユニットAHL)、下地塗布処理部21に設けられた4つの塗布処理ユニットBRCおよび後述する基板載置部PASS3,PASS4に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、レジスト塗布ブロック30について説明する。バークブロック20と現像処理ブロック40との間に挟み込まれるようにしてレジスト塗布ブロック30が設けられている。このレジスト塗布ブロック30とバークブロック20との間にも、雰囲気遮断用の隔壁25が設けられている。この隔壁25にバークブロック20とレジスト塗布ブロック30との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS3,PASS4が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS3,PASS4は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS3は、バークブロック20からレジスト塗布ブロック30へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、バークブロック20の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS3に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS4は、レジスト塗布ブロック30からバークブロック20へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS4に載置した基板Wをバークブロック20の搬送ロボットTR1が受け取る。
基板載置部PASS3,PASS4は、隔壁25の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS3,PASS4には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR1,TR2が基板載置部PASS3,PASS4に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。基板載置部PASS3,PASS4の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁25を貫通して上下に設けられていてもよい。
レジスト塗布ブロック30は、反射防止膜が塗布形成された基板W上にレジストを塗布してレジスト膜を形成するための処理ブロックである。なお、本実施形態では、フォトレジストとして化学増幅型レジストを用いている。レジスト塗布ブロック30は、下地塗布された反射防止膜の上にレジストを塗布するレジスト塗布処理部31と、レジスト塗布処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー32,33と、レジスト塗布処理部31および熱処理タワー32,33に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR2とを備える。
レジスト塗布ブロック30においては、搬送ロボットTR2を挟んでレジスト塗布処理部31と熱処理タワー32,33とが対向して配置されている。具体的には、レジスト塗布処理部31が装置正面側に、2つの熱処理タワー32,33が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー32,33の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。レジスト塗布処理部31と熱処理タワー32,33とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー32,33からレジスト塗布処理部31に熱的影響を与えることを回避しているのである。
図2に示すように、レジスト塗布処理部31は同様の構成を備えた4つの塗布処理ユニットSCを上下に積層配置して構成されている。それぞれの塗布処理ユニットSCは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック36、このスピンチャック36上に保持された基板W上にフォトレジストの塗布液を吐出する塗布ノズル37、スピンチャック36を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック36上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、熱処理タワー32には、基板Wを所定の温度にまで加熱する2個の加熱ユニットHPおよび加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持する2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。一方、熱処理タワー33にも2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。
図4に示すように、搬送ロボットTR2は、搬送ロボットTR1と同様の構成を備えており、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム34a,34bを上下2段に近接させて備えている。搬送アーム34a,34bは、「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピンで基板Wの周縁を下方から支持する。搬送アーム34a,34bは搬送ヘッド38に搭載されている。搬送ヘッド38は、図示省略の駆動機構によって鉛直方向(Z軸方向)に沿った昇降移動および鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能である。また、搬送ヘッド38は、図示省略のスライド機構によって搬送アーム34a,34bを互いに独立して水平方向に進退移動させることができる。よって、搬送アーム34a,34bのそれぞれは、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。これにより、搬送ロボットTR2は、2個の搬送アーム34a,34bをそれぞれ個別に基板載置部PASS3,PASS4、熱処理タワー32,33に設けられた熱処理ユニット、レジスト塗布処理部31に設けられた4つの塗布処理ユニットSCおよび後述する基板載置部PASS5,PASS6に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、現像処理ブロック40について説明する。レジスト塗布ブロック30とインターフェイスブロック50との間に挟み込まれるようにして現像処理ブロック40が設けられている。この現像処理ブロック40とレジスト塗布ブロック30との間にも、雰囲気遮断用の隔壁35が設けられている。この隔壁35にレジスト塗布ブロック30と現像処理ブロック40との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS5,PASS6が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS5,PASS6は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS5は、レジスト塗布ブロック30から現像処理ブロック40へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS5に載置した基板Wを現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS6は、現像処理ブロック40からレジスト塗布ブロック30へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS6に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2が受け取る。
基板載置部PASS5,PASS6は、隔壁35の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS5,PASS6には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR2,TR3が基板載置部PASS5,PASS6に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。基板載置部PASS5,PASS6の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁35を貫通して上下に設けられてもよい。
現像処理ブロック40は、露光処理後の基板Wに対して現像処理を行うための処理ブロックである。現像処理ブロック40は、パターンが露光された基板Wに対して現像液を供給して現像処理を行う現像処理部41と、現像処理後の熱処理を行う熱処理タワー42と、露光直後の基板Wに熱処理を行う熱処理タワー43と、現像処理部41および熱処理タワー42に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR3とを備える。
図2に示すように、現像処理部41は、同様の構成を備えた5つの現像処理ユニットSDを上下に積層配置して構成されている。各現像処理ユニットSDは、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック46、このスピンチャック46上に保持された基板W上に現像液を供給するノズル47、スピンチャック46を回転駆動させるスピンモータ(図示省略)およびスピンチャック46上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、熱処理タワー42には、基板Wを所定の温度にまで加熱する2個の加熱ユニットHPおよび加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持する2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。一方、熱処理タワー43にも2個の加熱ユニットHPおよび2個の冷却ユニットCPが上下に積層配置されている。熱処理タワー43の加熱ユニットHPは露光直後の基板Wに対して露光後加熱処理(Post Exposure Bake)を行う。熱処理タワー43の加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPに対してはインターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4が基板Wの搬出入を行う。
また、熱処理タワー43には、現像処理ブロック40とインターフェイスブロック50との間で基板Wの受け渡しを行うための2つの基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して組み込まれている。上側の基板載置部PASS7は、現像処理ブロック40からインターフェイスブロック50へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS7に載置した基板Wをインターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS8は、インターフェイスブロック50から現像処理ブロック40へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、インターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4が基板載置部PASS8に載置した基板Wを現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3が受け取る。なお、基板載置部PASS7,PASS8は、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3およびインターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4の両側に対して開口している。
搬送ロボットTR3は、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム44a,44bを上下に近接させて備えている。搬送アーム44a,44bは、「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピンで基板Wの周縁を下方から支持する。搬送アーム44a,44bは搬送ヘッド48に搭載されている。搬送ヘッド48は、図示省略の駆動機構によって鉛直方向(Z軸方向)に沿った昇降移動および鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能である。また、搬送ヘッド48は、図示省略のスライド機構によって搬送アーム44a,44bを互いに独立して水平方向に進退移動させることができる。よって、搬送アーム44a,44bのそれぞれは、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。これにより、搬送ロボットTR3は、2個の搬送アーム44a,44bをそれぞれ個別に基板載置部PASS5,PASS6、熱処理タワー42に設けられた熱処理ユニット、現像処理部41に設けられた5つの現像処理ユニットSDおよび熱処理タワー43の基板載置部PASS7,PASS8に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、インターフェイスブロック50について説明する。インターフェイスブロック50は、現像処理ブロック40に隣接して配置され、レジスト膜が塗布形成された未露光の基板Wを基板処理装置1とは別体の外部装置である露光ユニットEXPに渡すとともに、露光済みの基板Wを露光ユニットEXPから受け取って現像処理ブロック40に渡す処理ブロックである。インターフェイスブロック50は、露光ユニットEXPとの間で基板Wの受け渡しを行うための搬送機構IFRの他に、レジスト膜が形成された基板Wの周縁部を露光する2つのエッジ露光ユニットEEWと、現像処理ブロック40の熱処理タワー43およびエッジ露光ユニットEEWに対して基板Wを受け渡しする搬送ロボットTR4とを備える。
エッジ露光ユニットEEWは、図2に示すように、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック56およびスピンチャック56に保持された基板Wの周縁に光を照射して露光する光照射器57などを備えている。2つのエッジ露光ユニットEEWは、インターフェイスブロック50の中央部に上下に積層配置されている。また、エッジ露光ユニットEEWの下側には、2つの基板載置部PASS9,PASS10、基板戻し用のリターンバッファRBFおよび基板送り用のセンドバッファSBFが上下に積層配置されている。上側の基板載置部PASS9は搬送ロボットTR4から搬送機構IFRに基板Wを渡すために使用するものであり、下側の基板載置部PASS10は搬送機構IFRから搬送ロボットTR4に基板Wを渡すために使用するものである。
リターンバッファRBFは、何らかの障害によって現像処理ブロック40が露光済みの基板Wの現像処理を行うことができない場合に、現像処理ブロック40の熱処理タワー43で露光後加熱処理を行った後に、その基板Wを一時的に収納保管しておくものである。一方、センドバッファSBFは、露光ユニットEXPが未露光の基板Wの受け入れをできないときに、露光処理前の基板Wを一時的に収納保管するものである。リターンバッファRBFおよびセンドバッファSBFはいずれも複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。なお、リターンバッファRBFに対しては搬送ロボットTR4がアクセスを行い、センドバッファSBFに対しては搬送機構IFRがアクセスを行う。
現像処理ブロック40の露光後ベーク処理部43に隣接して配置されている搬送ロボットTR4は、基板Wを略水平姿勢で保持する搬送アーム54a,54bを上下に近接させて備えており、その構成および動作機構は搬送ロボットTR1〜TR3と全く同じである。また、搬送機構IFRは、Y軸方向の水平移動、昇降移動および鉛直方向に沿った軸心周りの回転動作が可能な可動台52を備え、その可動台52に基板Wを水平姿勢で保持する2つの保持アーム53a,53bを搭載している。保持アーム53a,53bは相互に独立して前後にスライド移動可能とされている。よって、保持アーム53a,53bのそれぞれは、Y軸方向に沿った水平移動、昇降移動、水平面内の旋回動作および旋回半径方向に沿った進退移動を行う。
露光ユニットEXPは、基板処理装置1にてレジスト塗布された露光前の基板Wを搬送機構IFRから受け取って露光処理を行う。露光ユニットEXPにて露光処理の行われた基板Wは搬送機構IFRによって受け取られる。なお、露光ユニットEXPは、投影光学系と基板Wとの間に屈折率の大きな液体(例えば、屈折率n=1.44の純水)を満たした状態で露光処理を行う、いわゆる「液浸露光処理」に対応したものであってもよい。
以上のインデクサブロック10、バークブロック20、レジスト塗布ブロック30、現像処理ブロック40およびインターフェイスブロック50には常に清浄空気がダウンフローとして供給されており、各ブロック内でパーティクルの巻き上がりや気流によるプロセスへの悪影響を回避している。また、各ブロック内は装置の外部環境に対して若干陽圧に保たれ、外部環境からのパーティクルや汚染物質の進入などを防いでいる。
また、上述したインデクサブロック10、バークブロック20、レジスト塗布ブロック30、現像処理ブロック40およびインターフェイスブロック50は、基板処理装置1を機構的に分割した単位である。各ブロックは、各々個別のブロック用フレーム(枠体)に組み付けられ、各ブロック用フレームを連結して基板処理装置1が構成されている。
〈1−2.制御機構〉
基板処理装置1の制御機構について説明する。はじめに、「セル」について説明する。この実施の形態では、基板搬送に係る搬送制御単位(被制御区画)を、機械的に分割した「ブロック」とは別に構成しており、本明細書では、このような基板搬送に係る搬送制御単位を「セル」と称する。1つのセルは、基板搬送を担当する搬送ロボットと、その搬送ロボットによって基板が搬送されうる搬送対象部とを含んで構成されている。そして、上述した各基板載置部が、セル内に基板Wを受け入れるための入口基板載置部またはセルから基板Wを払い出すための出口基板載置部として機能する。すなわち、セル間の基板Wの受け渡しも基板載置部を介して行われる。なお、セルを構成する搬送ロボットとしては、インデクサブロック10のインデクサロボットIRやインターフェイスブロック5の搬送機構IFRも含まれる。
基板処理装置1には、インデクサセルC1、バークセルC2、レジスト塗布セルC3、現像処理セルC4、露光後ベークセルC5およびインターフェイスセルC6の6つのセルが含まれている。インデクサセルC1は、載置台11とインデクサロボットIRとを含み、機械的に分割した単位であるインデクサブロック10と結果的に同じ構成となっている。また、バークセルC2は、下地塗布処理部21と2つの熱処理タワー22,23と搬送ロボットTR1とを含む。このバークセルC2も、機械的に分割した単位であるバークブロック20と結果として同じ構成になっている。さらに、レジスト塗布セルC3は、レジスト塗布処理部31と2つの熱処理タワー32,33と搬送ロボットTR2とを含む。このレジスト塗布セルC3も、機械的に分割した単位であるレジスト塗布ブロック30と結果として同じ構成になっている。
一方、現像処理セルC4は、現像処理部41と熱処理タワー42と搬送ロボットTR3とを含む。上述したように、搬送ロボットTR3は熱処理タワー43の加熱ユニットHPおよび冷却ユニットCPに対してアクセスすることができず、現像処理セルC4に熱処理タワー43は含まれない。この点において、現像処理セルC4は機械的に分割した単位である現像処理ブロック40と異なる。
また、露光後ベークセルC5は、現像処理ブロック40に位置する熱処理タワー43と、インターフェイスブロック50に位置するエッジ露光ユニットEEWと搬送ロボットTR4とを含む。すなわち、露光後ベークセルC5は、機械的に分割した単位である現像処理ブロック40とインターフェイスブロック50とにまたがるものである。このように露光後加熱処理を行う加熱ユニットHPと搬送ロボットTR4とを含んで1つのセルを構成しているので、露光後の基板Wを速やかに加熱ユニットHPに搬入して熱処理を行うことができる。このような構成は、パターンの露光を行った後なるべく速やかに加熱処理を行う必要のある化学増幅型レジストを使用した場合に好適である。
なお、熱処理タワー43に含まれる基板載置部PASS7,PASS8は現像処理セルC4の搬送ロボットTR3と露光後ベークセルC5の搬送ロボットTR4との間の基板Wの受け渡しのために介在する。
インターフェイスセルC6は、外部装置である露光ユニットEXPに対して基板Wの受け渡しを行う搬送機構IFRを含んで構成されている。このインターフェイスセルC6は、搬送ロボットTR4やエッジ露光ユニットEEWを含まない点で、機械的に分割した単位であるインターフェイスブロック50とは異なる構成となっている。なお、エッジ露光ユニットEEWの下方に設けられた基板載置部PASS9,PASS10は露光後ベークセルの搬送ロボットTR4とインターフェイスセルC6の搬送機構IFRとの間の基板Wの受け渡しのために介在する。
次に、基板処理装置1の制御機構について図5を参照しながら具体的に説明する。図5は、制御機構の概略を示すブロック図である。同図に示すように、この実施の形態の基板処理装置1は、メインコントローラMC、セルコントローラCC、ユニットコントローラの3階層からなる制御階層を備えている。メインコントローラMC、セルコントローラCC、ユニットコントローラのハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、各コントローラは、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えている。
第1階層のメインコントローラMCは、基板処理装置全体に1つ設けられており、装置全体の管理、メインパネルMPの管理およびセルコントローラCCの管理を主に担当する。メインパネルMPは、メインコントローラMCのディスプレイとして機能するものである。また、メインコントローラMCに対してはキーボードKBから種々のコマンドを入力することができる。なお、メインパネルMPをタッチパネルにて構成し、メインパネルMPからメインコントローラMCに入力作業を行うようにしてもよい。
第2階層のセルコントローラCCは、6つのセル(インデクサセルC1、バークセルC2、レジスト塗布セルC3、現像処理セルC3、露光後ベークセルC5およびインターフェイスセルC6)のそれぞれに対して個別に設けられている。各セルコントローラCCは、対応するセル内の基板搬送管理およびユニット管理を主に担当する。具体的には、各セルのセルコントローラCCは、所定の基板載置部に基板Wを置いたという情報を、隣のセルのセルコントローラCCに送り、その基板Wを受け取ったセルのセルコントローラCCは、当該基板載置部から基板Wを受け取ったという情報を元のセルのセルコントローラCCに返すという情報の送受信を行う。このような情報の送受信はメインコントローラMCを介して行われる。そして、各セルコントローラCCはセル内に基板Wが搬入された旨の情報を搬送ロボットコントローラTCに与え、該搬送ロボットコントローラTCが搬送ロボットを制御してセル内で基板Wを所定の手順にしたがって循環搬送させる。なお、搬送ロボットコントローラTCは、セルコントローラCC上で所定のアプリケーションが動作することによって実現される制御部である。
また、第3階層のユニットコントローラとしては、例えばスピンコントローラやベークコントローラが設けられている。スピンコントローラは、セルコントローラCCの指示にしたがってセル内に配置されたスピンユニット(塗布処理ユニットおよび現像処理ユニット)を直接制御するものである。具体的には、スピンコントローラは、例えばスピンユニットのスピンモータを制御して基板Wの回転数を調整する。また、ベークコントローラは、セルコントローラCCの指示にしたがってセル内に配置された熱処理ユニット(ホットプレート、クールプレート、加熱部等)を直接制御するものである。上述した現像処理ブロック40の加熱部HP7〜HP12は露光後ベークセルのベークコントローラによって制御されている。
また、基板処理装置に設けられた3階層からなる制御階層のさらに上位の制御機構として、基板処理装置とLAN回線を介して接続されたホストコンピュータ100が位置している(図1参照)。ホストコンピュータ100は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えており、一般的なコンピュータと同様の構成を有している。ホストコンピュータ100には、この実施の形態に係る基板処理装置1が通常複数台接続されている。ホストコンピュータ100は、接続されたそれぞれの基板処理装置1に処理手順および処理条件を記述したレシピを渡す。ホストコンピュータ100から渡されたレシピは各基板処理装置1のメインコントローラMCの記憶部(例えばメモリ)に記憶される。
なお、露光ユニットEXPには、上記の基板処理装置の制御機構から独立した別個の制御部が設けられている。すなわち、露光ユニットEXPは、基板処理装置のメインコントローラMCの制御下で動作しているものではなく、単体で独自の動作制御を行っているものである。もっとも、このような露光ユニットEXPもホストコンピュータ100から受け取ったレシピにしたがって動作制御を行っており、露光ユニットEXPにおける露光処理と同期した処理を基板処理装置が行うこととなる。
〈1−3.処理動作〉
次に、上記の基板処理装置1における基板処理の手順について簡単に説明する。以下に説明する処理手順は、ホストコンピュータ100から受け取ったレシピの記述内容にしたがって図5の制御機構が各部を制御することにより実行される。
まず、基板処理装置1における全体の処理手順を簡単に説明する。装置外部から未処理の基板WがキャリアCに収納された状態でAGV等によってインデクサブロック10に搬入される。続いて、インデクサブロック10から未処理の基板Wの払い出しが行われる。具体的には、インデクサロボットIRが所定のキャリアCから未処理の基板Wを取り出し、上側の基板載置部PASS1に載置する。基板載置部PASS1に未処理の基板Wが載置されると、バークブロック20の搬送ロボットTR1がその基板Wを受け取って熱処理タワー22のいずれかの密着強化処理ユニットAHLに搬送する。密着強化処理ユニットAHLでは、HMDSの蒸気雰囲気で基板Wを熱処理して基板Wの密着性を向上させる。密着強化処理の終了した基板Wは搬送ロボットTR1によって取り出され、熱処理タワー22,23のいずれかの冷却ユニットCPに搬送されて冷却される。
冷却された基板Wは搬送ロボットTR1によって冷却ユニットCPから下地塗布処理部21のいずれかの塗布処理ユニットBRCに搬送される。塗布処理ユニットBRCでは、基板Wの表面に反射防止膜の塗布液が供給されて回転塗布される。
塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR1によって熱処理タワー22,23のいずれかの加熱ユニットHPに搬送される。加熱ユニットHPにて基板Wが加熱されることによって、塗布液が乾燥されて基板W上に下地の反射防止膜が焼成される。その後、搬送ロボットTR1によって加熱ユニットHPから取り出された基板Wは熱処理タワー22,23のいずれかの冷却ユニットCPに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって基板載置部PASS3に載置される。
次に、反射防止膜が形成された基板Wが基板載置部PASS3に載置されると、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2がその基板Wを受け取って熱処理タワー32,33のいずれかの冷却ユニットCPに搬送して所定温度に温調する。続いて、搬送ロボットTR2が温調済みの基板Wをレジスト塗布処理部31のいずれかの塗布処理ユニットSCに搬送する。塗布処理ユニットSCでは、基板Wにレジスト膜の塗布液が回転塗布される。本実施形態においては、レジストとして化学増幅型レジストが使用される。
レジスト塗布処理が終了した後、塗布処理ユニットSCから搬出された基板Wは搬送ロボットTR2によって熱処理タワー32,33のいずれかの加熱ユニットHPに搬送される。加熱ユニットHPにて基板Wが加熱(Post Applied Bake)されることによって、塗布液が乾燥されて基板W上にレジスト膜が形成される。その後、搬送ロボットTR2によって加熱ユニットHPから取り出された基板Wは熱処理タワー32,33のいずれかの冷却ユニットCPに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR2によって基板載置部PASS5に載置される。
レジスト膜が形成された基板Wが基板載置部PASS5に載置されると、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取ってそのまま基板載置部PASS7に載置する。そして、基板載置部PASS7に載置された基板Wはインターフェイスブロック50の搬送ロボットTR4によって受け取られ、上下いずれかのエッジ露光ユニットEEWに搬入される。エッジ露光ユニットEEWにおいては、基板Wの端縁部の露光処理(エッジ露光処理)が行われる。エッジ露光処理が終了した基板Wは搬送ロボットTR4によって基板載置部PASS9に載置される。そして、基板載置部PASS9に載置された基板Wは搬送機構IFRによって受け取られ、露光ユニットEXPに搬入され、パターン露光処理に供される。本実施形態では化学増幅型レジストを使用しているため、基板W上に形成されたレジスト膜のうち露光された部分では光化学反応によって酸が生成する。
パターン露光処理が終了した露光済みの基板Wは露光ユニットEXPから再びインターフェイスブロック50に戻され、搬送機構IFRによって基板載置部PASS10に載置される。露光後の基板Wが基板載置部PASS10に載置されると、搬送ロボットTR4がその基板Wを受け取って現像処理ブロック40の熱処理タワー43のいずれかの加熱ユニットHPに搬送する。熱処理タワー43の加熱ユニットHPでは、露光時の光化学反応によって生じた生成物を酸触媒としてレジストの樹脂の架橋・重合等の反応を進行させ、現像液に対する溶解度を露光部分のみ局所的に変化させるための露光後加熱処理(Post Exposure Bake)が行われる。
露光後加熱処理が終了した基板Wは、加熱ユニットHP内部の機構によって冷却されることにより上記化学反応が停止する。続いて基板Wは、搬送ロボットTR4によって熱処理タワー43の加熱ユニットHPから取り出され、基板載置部PASS8に載置される。
基板載置部PASS8に基板Wが載置されると、現像処理ブロック40の搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取って熱処理タワー42のいずれかの冷却ユニットCPに搬送する。冷却ユニットCPにおいては、露光後加熱処理が終了した基板Wがさらに冷却され、所定温度に正確に温調される。その後、搬送ロボットTR3は、冷却ユニットCPから基板Wを取り出して現像処理部41のいずれかの現像処理ユニットSDに搬送する。現像処理ユニットSDでは、基板Wに現像液を供給して現像処理を進行させる。やがて現像処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR3によって熱処理タワー42のいずれかの加熱ユニットHPに搬送され、さらにその後いずれかの冷却ユニットCPに搬送される。
その後、基板Wは搬送ロボットTR3によって基板載置部PASS6に載置される。基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト塗布ブロック30の搬送ロボットTR2によってそのまま基板載置部PASS4に載置される。さらに、基板載置部PASS4に載置された基板Wは、バークブロック20の搬送ロボットTR1によってそのまま基板載置部PASS2に載置されることにより、インデクサブロック10に格納される。基板載置部PASS2に載置された処理済みの基板WはインデクサロボットIRによって所定のキャリアCに収納される。その後、所定枚数の処理済み基板Wが収納されたキャリアCが装置外部に搬出されて一連のフォトリソグラフィー処理が完了する。
〈2.搬送スケジューラ〉
〈2−1.階層構造〉
次に、基板処理装置1の搬送スケジューラの構成について図6を参照しながら説明する。図6は、搬送スケジューラに係る機能部を概略的に示すブロック図である。この実施の形態の基板処理装置1は、セル間スケジューラMS、セルスケジューラCSの2階層からなる制御階層を備えている。
第1階層のセル間スケジューラMSは、メインコントローラMC上で所定のアプリケーションが動作することによって実現される機能部である。セル間スケジューラMSは、セルスケジューラCSの上位のスケジューラとしてこれらを統括的に管理する。具体的には、セルスケジューラCSのそれぞれに対して、基板Wをセルから払い出す(もしくは、セル内に受け入れる)タイミングを指示することによって、セル間で基板Wを受け渡しするタイミングを制御する。
第2階層のセルスケジューラCSは、セルコントローラCC上で所定のアプリケーションが動作することによって実現される機能部である。セルスケジューラCSのそれぞれは、基板処理装置1を分割して規定された複数のセルと1対1で対応付けられ、それぞれが対応するセル内部の搬送スケジュールを管理する。
例えば、バークセルC2に対して設けられたセルコントローラCCにて実現されるセルスケジューラCSは、バークセルC2と対応付けられ、バークセルC2内部の搬送スケジュールを管理する。したがって、バークセルC2内部の搬送動作(具体的には、搬送ロボットTR1による、PASS1に置かれた基板Wの受け取りから始まって、PASS2に基板Wを載置するまでの一連の搬送動作)は、バークセルスケジューラCS2によって、他のセルとは独立して管理されることになる。
なお、以下において、各セルC1〜C6のそれぞれと対応付けられたセルスケジューラCSを、それぞれ「インデクサセルスケジューラCS1」「バークセルスケジューラCS2」「レジスト塗布セルスケジューラCS3」「現像処理セルスケジューラCS4」「露光後ベークセルスケジューラCS5」「インターフェイスセルスケジューラCS6」ともいう。
〈2−2.セル間スケジューラ〉
セル間スケジューラMSの構成および処理動作について具体的に説明する。以下においては、3態様のセル間スケジューラMS(セル間スケジューラMSa,MSb,MSc)について説明する。基板処理装置1が備えるセル間スケジューラMSは、セル間スケジューラMSa,MSb,MScのいずれであってもよい。また、セル間スケジューラMSa,MSb,MScとして説明する各機能を併せ持ったものでもよい。
〈2−2−1.第1の態様のセル間スケジューラ〉
〈a.構成〉
第1の態様のセル間スケジューラMS(セル間スケジューラMSa)について、図7(a)を参照しながら説明する。図7(a)は、セル間スケジューラMSaの機能構成を示すブロック図である。セル間スケジューラMSaは、セル間でのスケジュール調整を行う機能部であり、ステータス情報取得部811と、払出タイミング指示部812とを備える。
ステータス情報取得部811は、セルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれから、セルC1〜C6それぞれの状態を示す情報(ステータス情報)を取得する。セルのステータス情報には、当該セルに基板Wを受け入れ可能か否かを示す情報が含まれる。例えば、セル内のいずれかの処理部にて基板Wを処理できない事情がある場合(例えば、塗布処理部においてカップリンスを行う場合、熱処理部において設定温度の変更処理を行う場合、処理液の温度変更を行う場合、異常が検知された場合、等)は、「基板の受け入れ不可」とのステータス情報が当該セルを管理するセルスケジューラCSから通知され、ステータス情報取得部811により取得される。
なお、ステータス情報には、当該セル内に基板Wを受け入れ不可能な理由を示す情報が含まれてもよい。すなわち、「基板の受け入れ不可」との情報に加えて、その理由を示す情報(例えば、「塗布処理ユニットSCのカップリンス洗浄のため」、「加熱ユニットHPの温度変更処理のため」、「処理液の温度変更処理のため」、「塗布処理ユニットSCにて異常発生のため」、等の情報)がステータス情報に含められてもよい。
また、ステータス情報には、当該セル内に基板Wを受け入れ不可能な期間を示す情報が含まれてもよい。すなわち、「基板の受け入れ不可」との情報に加えて、その期間を示す情報(例えば、「120秒後に受け入れ可」、といった情報)がステータス情報に含められてもよい。
払出タイミング指示部812は、ステータス情報取得部811が取得した各セルC1〜C6のステータス情報に基づいて各セルC1〜C6のそれぞれから基板Wを払い出すべきタイミングを決定し、セルスケジューラCSのそれぞれに対して基板Wの払い出しの開始指示、停止指示、再開指示、等を与える。
具体的には、払出タイミング指示部812は、いずれかのセルスケジューラCSから「基板を受け入れ不可」とのステータス情報が取得された場合に、セルスケジューラCSのいずれかを選択し、当該選択したセルスケジューラCSに対して基板Wの払い出しの停止指示を与える。これによって、選択されたセルスケジューラCSが管理するセルからの基板Wの払い出しが停止されることになる。
ところで、セル内に基板Wを受け入れできない理由が判明すれば、当該理由および処理レシピに基づいて、当該セルからの基板Wの払い出しを停止しなければプロセスリスクの発生を招くおそれがあるセルを特定することができる。例えば、塗布処理ユニットSCのカップリンス洗浄のためにレジスト塗布セルC3が基板Wを受け入れできない場合、インデクサセルC1からバークセルC2への基板Wの払い出しを停止しなければ、バークセルC2内にて基板Wの滞留が生じ、反射防止膜が形成された基板Wを引き続き熱処理できない状態が発生し、プロセスリスクの発生につながってしまう。つまり、インデクサセルC1からの基板Wの払い出しを停止しなければ、プロセスリスクを招くおそれがある。すなわち、当該セルからの基板Wの払い出しを停止しなければプロセスリスクの発生を招くおそれがあるセルは、インデクサセルC1であると特定できる。
そこで、払出タイミング指示部812は、セル内に基板Wを受け入れできない理由を含むステータス情報が取得された場合、当該ステータス情報およびレシピ情報に基づいて、このようなセルを特定し、当該セルを管理するセルスケジューラCSを、基板Wの払い出しの停止指示を与えるべきセルスケジューラCSとして選択する。上記の例の場合、払出タイミング指示部812は、インデクサセルC1を管理するセルスケジューラCSであるインデクサセルスケジューラCS1を、停止指示を与えるべきセルスケジューラCSとして選択する。
また、払出タイミング指示部812は、セル内に基板Wを受け入れできない期間を含むステータス情報が取得された場合、当該期間に基づいて、基板Wの払い出しの再開指示を与えるタイミングを決定する。例えば、120後に基板Wを受け入れ可、とのステータス情報が取得された場合、払出タイミング指示部812は、当該ステータス情報が取得されてから120秒を経過した時点で、基板Wの払い出しの停止指示を与えていたセルスケジューラCSに対して基板Wの払い出しの再開指示を与える。
〈b.処理動作〉
セル間スケジューラMSaの処理動作について、具体例を提示しながら説明する。
〈具体例1〉
図8を参照する。図8は、具体例1に係るセル間スケジューラMSaの処理動作を模式的に示す図である。以下に説明する処理は、新たなロットについての処理を開始する際に実行される。
新たなロットについての処理が開始される際には、ホストコンピュータ100から、セル間スケジューラMSaおよびセルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれに対して、これから処理するロットに係るレシピ情報が通知される。
続いて、ステータス情報取得部811が、セルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれからセルC1〜C6それぞれのステータス情報を取得する。ここで例えば、レジスト塗布セルスケジューラCS3から、「基板の受け入れ不可」とのステータス情報が取得されたとする。
この場合、払出タイミング指示部812は、セルスケジューラCS1〜CS6のいずれかを選択し、当該選択したセルスケジューラCS(ここでは例えば、インデクサセルスケジューラCS1とする)に対して基板Wの払い出しの停止指示を与える。この停止指示に応じてインデクサセルスケジューラCS1がインデクサロボットIRを制御することにより、インデクサセルC1からの基板Wの払い出しが停止されることになる。
なお、停止指示を与えるセルスケジューラCSを選択する態様はどのようなものであってもよい。例えば、セル内に基板Wを受け入れできない理由が判明している場合は当該理由に基づいて選択する構成としてもよい(この構成については、〈具体例2〉として後述する)。また、オペレータに選択させる構成としてもよいし、レシピ毎に停止指示を与えるセルスケジューラCSを予め規定しておいてもよい。
そして、ステータス情報取得部811が、レジスト塗布セルスケジューラCS3から、「基板Wを受け入れ可」とのステータス情報を取得すると、払出タイミング指示部812は、基板Wの払い出しの停止指示を与えていたインデクサセルスケジューラCS1に対して基板Wの払い出しの再開指示を与える。この再開指示に応じてインデクサセルスケジューラCS1がインデクサロボットIRを制御することにより、インデクサセルC1からの基板Wの払い出しが再開されることになる。
上記の搬送制御によると、基板Wを受け入れ不可能なセルがある場合に、選択されたセルスケジューラCSに対して基板Wの払い出しの停止指示を与えることによりセル間での搬送スケジュールの調整を行うので、プロセスリスクの発生を回避することができる。
〈具体例2〉
図9を参照する。図9は、具体例2に係るセル間スケジューラMSaの処理動作を模式的に示す図である。
ここでも、〈具体例1〉の場合と同様、ホストコンピュータ100から、セル間スケジューラMSaおよびセルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれに対して、これから処理するロットに係るレシピ情報が通知され、続いて、ステータス情報取得部811が、セルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれからセルC1〜C6それぞれのステータス情報を取得する。ここで例えば、レジスト塗布セルスケジューラCS3から、「塗布処理ユニットSCのカップリンス洗浄のために基板の受け入れ不可」とのステータス情報が取得されたとする。
この場合、払出タイミング指示部812は、セルスケジューラCS1〜CS6のいずれかを選択し、当該選択したセルスケジューラCSに対して基板Wの払い出しの停止指示を与える。ただしここでは、取得されたステータス情報に基板Wを受け入れできない理由が含まれているので、払出タイミング指示部812は、当該理由に基づいて停止指示を与えるセルスケジューラCSを選択する。
具体的には、ステータス情報およびレシピ情報に基づいて、当該セルからの基板Wの払い出しを停止しなければプロセスリスクの発生を招くおそれがあるセルを特定し、当該セルを管理するセルスケジューラCSを、基板Wの払い出しの停止指示を与えるべきセルスケジューラCSとして選択する。
上述したとおり、レジスト塗布セルC3が塗布処理ユニットSCのカップリンス洗浄のために基板Wを受け入れできない場合、当該セルからの基板Wの払い出しを停止しなければプロセスリスクの発生を招くおそれがあるセルは、インデクサセルC1である。
そこで、この場合、払出タイミング指示部812は、インデクサセルスケジューラCS1を、停止指示を与えるべきセルスケジューラCSとして選択し、これに停止指示を与える。この停止指示に応じてインデクサセルスケジューラCS1がインデクサロボットIRを制御することにより、インデクサセルC1からの基板Wの払い出しが停止されることになる。
そして、ステータス情報取得部811が、レジスト塗布セルスケジューラCS3から、レジスト塗布セルC3が基板Wを受け入れ可能になったとのステータス情報を取得すると、払出タイミング指示部812は、停止指示を与えていたインデクサセルスケジューラCS1に対して基板Wの払い出しの再開指示を与える。この再開指示に応じてインデクサセルスケジューラCS1がインデクサロボットIRを制御することにより、インデクサセルC1からの基板Wの払い出しが再開されることになる。
上記の搬送制御によると、基板Wをセル内に受け入れられない理由に基づいて停止指示を与えるべきセルスケジューラCSを選択するので、セル間での搬送スケジュールを柔軟かつ適切に調整することが可能となり、プロセスリスクの発生を確実に回避することができる。これについて、図10を参照しながら説明する。図10は、ロットAの処理を終了し、引き続きロットBについての処理を開始する際に、レジスト塗布セルC3の塗布処理ユニットSCがカップリンス洗浄するという状況において、各ロットの各基板Wが各セルにて処理を施されていく様子を時間に沿って模式的に示す図である。
従来の搬送制御を行った場合を、図10(a)を参照しながら説明する。ロットAの最後の基板W(LotA25)がインデクサセルC1からバークセルC2に向けて払い出されると、引き続いてロットBの最初の基板W(LotB1)がインデクサセルC1から払い出される。インデクサセルC1から払い出された基板W(LotB1)は、バークセルC2に搬入され、ここで所定の処理を行われた後に、バークセルC2から払い出されてPASS3上に載置される。
ところが、レジスト塗布セルC3の塗布処理ユニットSC(具体的には、レジスト塗布セルC3が有する3個の塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3のうち、基板W(LotB1)が搬入されるべき塗布処理ユニットSC1)のカップリンス洗浄が終了するまでは、レジスト塗布セルC3は基板W(LotB1)を受け入れることができない。したがって、基板W(LotB1)は、カップリンス洗浄が終了するまで、レジスト塗布セルC3に搬入されずに、そのままPASS3上で待機させられる。その結果、基板間で処理履歴のばらつきが発生する。また、この間にバークセルC2内でどん詰まり状態が生じ、プロセスリスクの原因となる。
一方、本願発明に係る上記の搬送制御を行った場合を、図10(b)を参照しながら説明する。ここでは、レジスト塗布セルC3が基板Wを受け入れできない間は、セル間スケジューラMSがインデクサセルスケジューラCS1に対して基板Wの払い出しの停止指示を与えている。したがって、ロットAの最後の基板W(LotA25)がインデクサセルC1から払い出されてしまっても、停止指示が与えられている間はロットBの最初の基板W(LotB1)はインデクサセルC1から払い出されない。
レジスト塗布セルC3が基板Wを受け入れ可能となると、セル間スケジューラMSがインデクサセルスケジューラCS1に対して基板Wの払い出しの再開指示を与え、これに応じてロットBの最初の基板W(LotB1)がインデクサセルC1から払い出される。インデクサセルC1から払い出された基板W(LotB1)は、バークセルC2に搬入され、ここで所定の処理を行われた後に、バークセルC2から払い出されてPASS3上に載置される。この時点において、レジスト塗布セルC3の塗布処理ユニットSCのカップリンス洗浄は終了しており、レジスト塗布セルC3は基板W(LotB1)を受け入れ可能な状態となっている。したがって、基板W(LotB1)はPASS3上で待機させられることなくスムースにレジスト塗布セルC3に搬入される。ここでは、PASS3上で待機させられる時間が生じないので、基板間で処理履歴のばらつきも生じない。また、バークセルC2内でどん詰まり状態が生じることもないので、プロセスリスクの発生を回避できる。
〈具体例3〉
図11を参照する。図11は、具体例3に係るセル間スケジューラMSaの処理動作を模式的に示す図である。
ここでも、〈具体例1〉の場合と同様、ホストコンピュータ100から、セル間スケジューラMSaおよびセルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれに対して、これから処理するロットに係るレシピ情報が通知され、続いて、ステータス情報取得部811が、セルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれからセルC1〜C6それぞれのステータス情報を取得する。ここで例えば、露光後ベークセルスケジューラCS5から、「加熱ユニットHPの温度変更処理のために基板の受け入れ不可」とのステータス情報が取得されたとする。
この場合、払出タイミング指示部812は、セルスケジューラCS1〜CS6のいずれかを選択し、当該選択したセルスケジューラCSに対して基板Wの払い出しの停止指示を与える。ただしここでは、取得されたステータス情報に基板Wを受け入れできない理由が含まれているので、払出タイミング指示部812は、ステータス情報およびレシピ情報に基づいて、当該セルからの基板Wの払い出しを停止しなければプロセスリスクの発生を招くおそれがあるセルを特定し、当該セルを管理するセルスケジューラCSを、基板Wの払い出しの停止指示を与えるべきセルスケジューラCSとして選択する。
露光後ベークセルC5が加熱ユニットHPの温度変更処理のために基板Wを受け入れできない場合、当該セルからの基板Wの払い出しを停止しなければプロセスリスクの発生を招くおそれがあるセルは、インターフェイスセルC6である。露光処理されてから露光後熱処理を行うまでの時間は厳密に管理しなければならず、一旦露光処理された基板Wは、速やかに露光後ベークセルC5にて露光後熱処理しなければプロセスリスクが発生してしまうところ、露光後ベークセルC5が加熱ユニットHPの温度変更処理のために基板Wを受け入れできない場合、インターフェイスセルC6から露光ユニットEXPへの払い出しを停止しておかなければ、露光処理された基板Wを引き続き露光後熱処理できない状態が発生し、プロセスリスクの発生を招くことになるからである。
そこで、この場合、払出タイミング指示部812は、インターフェイスセルスケジューラCS6を、停止指示を与えるべきセルスケジューラCSとして選択し、これに停止指示を与える。この停止指示に応じてインターフェイスセルスケジューラCS6が搬送機構IFRを制御することにより、インターフェイスセルC6から露光ユニットEXPへの基板Wの払い出しが停止されることになる。なお、払い出しが停止されている間、インターフェイスセルスケジューラCS6は、搬送機構IFRを制御して、露光処理前の基板Wを順次センドバッファSBFに収納させる。
そして、ステータス情報取得部811が、露光後ベークセルスケジューラCS5から、露光後ベークセルC5が基板Wを受け入れ可能になったとのステータス情報を取得すると、払出タイミング指示部812は、停止指示を与えていたインターフェイスセルスケジューラCS6に対して基板Wの払い出しの再開指示を与える。この再開指示に応じてインターフェイスセルスケジューラCS6が搬送機構IFRを制御することにより、インターフェイスセルC6からの基板Wの払い出しが再開されることになる。なお、インターフェイスセルスケジューラCS6は、搬送機構IFRを制御して、センドバッファSBFに収納されている基板Wを、先に収納されたものから順に露光ユニットEXPに向けて払い出させる。
上記の搬送制御によると、〈具体例2〉の搬送制御と同様、プロセスリスクの発生を確実に回避することができる。すなわち、上記の搬送制御においては、露光後ベークセルC5が基板Wを受け入れできない間は、セル間スケジューラMSがインターフェイスセルスケジューラCS6に対して基板Wの払い出しの停止指示を与えている。したがって、例えばロットAの最後の基板WがインターフェイスセルC6から露光ユニットEXPへ払い出されてしまっても、停止指示が与えられている間はロットBの最初の基板WはインターフェイスセルC6から払い出されず、ロットBの基板Wについては露光処理が開始されない。
そして、露光後ベークセルC5が基板Wを受け入れ可能となると、セル間スケジューラMSがインターフェイスセルスケジューラCS6に対して基板Wの払い出しの再開指示を与え、これに応じてロットBの最初の基板WがインターフェイスセルC6から露光ユニットEXPへと払い出される。インターフェイスセルC6から払い出された基板Wは、露光ユニットEXPで露光処理された後に、インターフェイスセルC6を介して露光後ベークセルC5へ搬入される。この時点において、露光後ベークセルC5の加熱ユニットHPの温度変更処理は終了しており、露光後ベークセルC5はロットBの基板Wを受け入れ可能な状態となっている。したがって、露光処理後の基板Wは待機させられることなくスムースに露光後ベークセルC5に搬入される。これにより、露光処理されてから露光後熱処理を行うまでの時間を厳密に管理することが可能となり、プロセスリスクの発生を回避できる。
〈具体例4〉
図12を参照する。図12は、具体例4に係るセル間スケジューラMSaの処理動作を模式的に示す図である。
ここでも、〈具体例1〉の場合と同様、ホストコンピュータ100から、セル間スケジューラMSaおよびセルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれに対して、これから処理するロットに係るレシピ情報が通知され、続いて、ステータス情報取得部811が、セルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれからセルC1〜C6それぞれのステータス情報を取得する。ここで例えば、レジスト塗布セルスケジューラCS3から、「塗布処理ユニットSCのカップリンス洗浄のために基板の受け入れ不可」との情報および「120秒後に受け入れ可」との情報が、ステータス情報として取得されたとする。
この場合、払出タイミング指示部812は、セルスケジューラCS1〜CS6のいずれか(例えば、インデクサセルスケジューラCS1)を選択し、当該選択したセルスケジューラCSに対して基板Wの払い出しの停止指示を与える。この停止指示に応じてインデクサセルスケジューラCS1がインデクサロボットIRを制御することにより、インデクサセルC1からの基板Wの払い出しが停止されることになる。
そして、ステータス情報取得部811がレジスト塗布セルスケジューラCS3から「120秒後に受け入れ可能」とのステータス情報を取得してから120秒を経過した時点で、払出タイミング指示部812は、停止指示を与えていたインデクサセルスケジューラCS1に対して基板Wの払い出しの再開指示を与える。この再開指示に応じてインデクサセルスケジューラCS1がインデクサロボットIRを制御することにより、インデクサセルC1からの基板Wの払い出しが再開されることになる。
上記の搬送制御によると、基板Wをセル内に受け入れられない期間に基づいて基板Wの払い出しの再開指示を与えるべきタイミングを決定するので、セル間での搬送スケジュールを適切なタイミングで切り換えることが可能となり、処理効率の低下を抑えた適切な搬送制御を実現することができる。
〈2−2−2.第2の態様のセル間スケジューラ〉
〈a.構成〉
第2の態様のセル間スケジューラMS(セル間スケジューラMSb)について、図7(b)を参照しながら説明する。図7(b)は、セル間スケジューラMSbの機能構成を示すブロック図である。セル間スケジューラMSbは、セル間スケジューラMSaと同様、セル間でのスケジュール調整を行う機能部であり、ステータス情報取得部821と、安全枚数特定部822と、受入タイミング指示部823とを備える。ステータス情報取得部821の機能は、上述したステータス情報取得部811と同様であるので、その説明を省略する。
安全枚数特定部822は、レシピ情報に基づいて、セルC1〜C6それぞれの「安全枚数」を特定する。セルの「安全枚数」とは、当該セルから基板Wが払い出せなくなった場合であってもプロセスリスクを発生させることなく当該セル内に安全に収容可能な基板Wの最大枚数であり、セルのユニット構成と処理レシピとから決定される。
例えば、バークセルC2の安全枚数は次のように決定される。レシピ情報において、PASS1に載置された基板Wを受け取って、反射防止膜の塗布形成、加熱処理、冷却処理の各処理をこの順序で行うように規定されているとする。一方、バークセルC2において、当該一連の処理に用いることができる塗布処理ユニットBRCが4個であり、加熱処理ユニットが4個であり、冷却ユニットCPが4個であるとする。この場合、当該一連の処理を行うにあたりバークセルC2内に一度に収容される基板Wの枚数は、PASS1上に1枚、4個の塗布処理ユニットBRC内に1枚ずつ、4個の加熱ユニットHP内に1枚ずつ、4個の冷却ユニットCP内に1枚ずつ、の計13枚である。
ここで、何らかの事情により、バークセルC2からの基板Wの払い出しが行えなくなったとする。この場合、冷却ユニットCPに搬入された基板Wは冷却処理まで完了した状態で冷却ユニットCP内で待機させられることになるので、プロセスリスクの心配はない。しかしながら、基板Wの払い出しが行えないと、そのうちに4個の冷却ユニットCPすべてが基板Wに占領されてしまう。こうなると、5枚目に搬入された基板Wは、冷却処理まで完了しない状態で加熱ユニットHP内で待機させられることになり、ここでプロセスリスクが発生してしまう。つまり、バークセルC2から基板Wが払い出せなくなった場合であってもプロセスリスクを発生させることなく当該セル内に安全に収容可能な基板Wの最大枚数、すなわち、バークセルC2の安全枚数は、「4枚」ということになる。
受入タイミング指示部823は、いずれかのセルスケジューラCSから「基板を受け入れ不可」とのステータス情報が取得された場合に、セルスケジューラCSのいずれかを選択し、当該選択したセルスケジューラCSに対して基板Wの受け入れの停止指示を与える。これによって、選択されたセルスケジューラCSが管理するセルへの基板Wの受け入れが停止されることになる。
ただし、受入タイミング指示部823は、セルへの基板の受け入れの停止指示を、当該セルの安全枚数を超える数の基板Wが当該セルへ受け入れられる前に与える。すなわち、受入タイミング指示部823は、セルの安全枚数を超える枚数の基板Wが搬入される前に、当該セルを管理するセルスケジューラCSに対して、受け入れの停止指示を与える。
〈b.処理動作〉
セル間スケジューラMSbの処理動作について、具体例を提示しながら説明する。図13を参照する。図13は、セル間スケジューラMSbが実行する処理動作の具体例を模式的に示す図である。
上述したとおり、新たなロットについての処理が開始される際には、ホストコンピュータ100から、セル間スケジューラMSaおよびセルスケジューラCSのそれぞれに対して、これから処理するロットに係るレシピ情報が通知される。すると、安全枚数特定部822が、取得されたレシピ情報に基づいて、各セルC1〜C6の安全枚数を特定する。ここでは、バークセルC2の安全枚数が例えば「4枚」と特定されたとする。
新たなロットに対する処理を開始する際、また、処理が実行されている間の所定のタイミングで(例えば、一定の時間毎に)、ステータス情報取得部821が、セルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれからセルC1〜C6それぞれのステータス情報を取得する。ここで例えば、レジスト塗布セルC3から、「異常発生のために基板の受け入れ不可」とのステータス情報が取得されたとする。
この場合、受入タイミング指示部823は、セルスケジューラCS1〜CS6のいずれかを選択し、当該選択したセルスケジューラCSに対して基板Wの受け入れの停止指示を与える。レジスト塗布セルC3が基板を受け入れできない場合、バークセルC2からレジスト塗布セルC3に対する基板Wの払い出しが行えない。するとバークセルC2にどん詰まり状態が発生し、プロセスリスクの発生を招くおそれがある。そこで、受入タイミング指示部823は、バークセルC2内に当該セルの安全枚数(「4枚」)を超える数の基板Wが搬入されないように、バークセルスケジューラCS2に対して基板Wの受け入れの停止指示を与える。
具体的には、受入タイミング指示部823は、バークセルC2内に4枚目の基板Wが搬入された時点で(すなわち、バークセルC2内に4枚目の基板Wが搬入されたとのステータス情報がバークセルスケジューラCS2から通知された時点で)、バークセルスケジューラCS2に対して停止指示を与える。この停止指示に応じてバークセルスケジューラCS2が搬送ロボットTR1を制御することにより、バークセルC2への基板Wの受け入れが停止されることになる。
そして、ステータス情報取得部821が、レジスト塗布セルスケジューラCS3から、レジスト塗布セルC3が基板Wを受け入れ可能になったとのステータス情報を取得すると、受入タイミング指示部823は、停止指示を与えていたバークセルスケジューラCS2に対して基板Wの受け入れの再開指示を与える。この再開指示に応じてバークセルスケジューラCS2が搬送ロボットTR1を制御することにより、バークセルC2への基板Wの受け入れが再開されることになる。
上記の搬送制御によると、基板Wを受け入れできないセルが発生した場合に、他のセル内に安全枚数を超える基板Wが搬入されることがなくなるので、プロセスリスクの発生が未然に防止されることになる。また、安全枚数を超えない範囲で基板Wの受け入れを認めるので、可能な限り多くの基板Wに対して処理を進めておくことが可能となり、処理効率の低下を抑制することができる。
〈2−2−3.第3の態様のセル間スケジューラ〉
〈a.構成〉
第3の態様のセル間スケジューラMS(セル間スケジューラMSc)について、図7(c)を参照しながら説明する。図7(c)は、セル間スケジューラMScの機能構成を示すブロック図である。セル間スケジューラMScは、全体タクト搬送を管理する機能部であり、セル内タクト調整指示部831と、払出タイミング同期調整部832と、空搬送指示部833とを備える。
セル内タクト調整指示部831は、セルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれに対して指示を与えて、セルC1〜C6全てのセル内タクトタイム(1枚の基板Wが当該セルに搬入されてから払い出されるまでの時間)を所定の値に揃えさせる。所定の値とは、セルC1〜C6のうちでセル内タクトタイムが最も長いセルのセル内タクトタイムであることが好ましい。
払出タイミング同期調整部832は、セルC1〜C6それぞれから基板が同時に払い出されるようにセルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれに対して基板Wの払い出しタイミングを指示することによって、セルC1〜C6それぞれからの基板の払い出しのタイミングを同期させる。
空搬送指示部833は、セル間で同期された払い出しタイミングとはずれたタイミングで露光ユニットEXPから基板Wが払い出される場合に、インターフェイスセルスケジューラCS6に対して、空搬送を行うように指示を与える。ただし、ここでいう「空搬送」とは、基板Wを実際に搬送しないで搬送動作を行うことを意味する。
〈b.処理動作〉
セル間スケジューラMScの処理動作について、具体例を提示しながら説明する。図14を参照する。図14は、セル間スケジューラMScが実行する処理動作を模式的に示す図である。以下に説明する処理は、新たなロットについての処理を開始する際に実行される。
新たなロットについての処理が開始される際には、ホストコンピュータ100から、セル間スケジューラMSaおよびセルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれに対して、これから処理するロットに係るレシピ情報が通知される。
ホストコンピュータ100からレシピ情報を取得すると、セル内タクト調整指示部831が、各セルC1〜C6のセル内タクトタイムを算出して、セルC1〜C6のうちでセル内タクトタイムが最も長いセルのセル内タクトタイムを特定する。そして、セル内タクトタイムが当該特定されたセル内タクトタイムとなるように、セルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれに対して搬送スケジュールの調整指示を与える。この指示に応じてセルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれが各セルC1〜C6内の搬送スケジュールを調整することによって、各セルC1〜C6のセル内タクトタイムが等しくなる。ただし、セルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれは、セル内タクト搬送(セル内において、同一ロットの基板が同じ搬送履歴、処理履歴となるように搬送する搬送制御態様)を実現しているものとする。
続いて、払出タイミング同期調整部832が、セルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれに対して、同時に、基板Wの払い出しを指示することによって、セルC1〜C6それぞれからの基板の払い出しのタイミングを同期させる。
上記の搬送制御によると、各セルC1〜C6のセル内タクトタイムが統一された状態で、各セルC1〜C6から基板Wが払い出されるタイミングを同時にするので、基板Wがセル間の受け渡し部である各PASSに載置されている時間を、ロット内のいずれの基板Wについても等しくすることができる。一方で、セルスケジューラCS1〜CS6のそれぞれによって、セル内タクト搬送が実現されている。したがって、上記の搬送制御によって、セル間をまたがる全体タクト搬送が実現されることになる。
ところで、上記の制御により、各セルC1〜C6からは同じタイミングで基板Wが払い出されることになる。例えば、セル内タクトタイムが「24秒」で揃えられているとすると、図15(a)に示すように、あるセル(図15の例ではインデクサセルC1)からは、t=24,t=48,t=72,t=96…のそれぞれの時間に、隣接するセル(図15の例では、バークセルC2)に対して周期的なタイミングで基板Wが払い出され、当該隣接するセル(バークセルC2)に搬入されていくことになる。しかしながら、露光ユニットEXPから基板Wが払い出されるタイミングはこれと同じとは限らない。例えば、図15(b)に示すように、4枚目の基板Wが通常の払い出しのタイミングよりも遅れてインターフェイスセルC6に向けて払い出されることがある。
このような場合に、インターフェイスセルC6が、図15(b)に示すように、同期されたタイミングから遅れた露光ユニットEXPからの払い出しのタイミングに合わせてしまうと(すなわち、遅れて払い出された基板Wを待って、搬送のリズムを変えてしまうと)、各セルC1〜C6間で基板Wが払い出されるタイミングがバラバラになってしまう。
そこで、このような場合、空搬送指示部833が、インターフェイスセルスケジューラCS6に対して空搬送を行うように指示し、インターフェイスセルスケジューラCS6は、当該指示に応じて搬送機構IFRに空搬送を行わせる。すなわち、図15(c)に示すように、インターフェイスセルC6内にて反復して実行される搬送動作のうち、t=96に基板Wを露光ユニットEXPから受け取って露光後ベークセルC5まで搬送する搬送機構IFRの搬送動作は、実際の基板Wを伴わずに行われる。そして、次の周期の搬送動作(すなわち、t=120に基板Wを受け取って露光後ベークセルC5まで搬送する搬送動作)で、t=96に露光ユニットEXPから払い出された基板Wを搬送する。
すなわち、図14に示すように、例えば、ホストコンピュータ100からの通知によって、露光ユニットEXPから同期されたタイミングとはずれたタイミングで基板Wが払い出されたことがセル間スケジューラMScに検知された場合、空搬送指示部833は、インターフェイスセルスケジューラCS6に対して、空搬送を行うように指示を与え、当該指示に応じてインターフェイスセルスケジューラCS6が搬送機構IFRに空搬送を行わせる。
上記の搬送制御によると、露光ユニットEXPからの払い出しタイミングにズレが生じた場合であっても、インターフェイスセルスケジューラCS6からの基板Wの払い出しタイミングが他のセルからの払い出しのタイミングと同期した状態を維持することができる。すなわち、全体タクト搬送を維持することができる。
〈3.効果〉
上記の実施の形態に係る基板処理装置1によると、セルC1〜C6それぞれの搬送スケジュールを管理するセルスケジューラCSの他に、セル間で基板Wを受け渡しするタイミングを制御するセル間スケジューラMSを設ける。このようにスケジューラを階層化することによって、搬送制御における処理負担を分散させつつ、セル間でのトータルの搬送制御を行って、適切な搬送制御を実現することができる。
セル間でのトータルの搬送制御とは、第1には、セル間で搬送スケジュールの調整を行う搬送制御であり、上述したセル間スケジューラMSa,MSbにより実現される。これを実現することによって、各種の要因(例えば、塗布処理部においてカップリンスを行う場合、熱処理部において設定温度の変更処理を行う場合、処理液の温度変更を行う場合、どこかの処理部にて異常が検知された場合、等)により基板Wを受け入れ不可能なセルが発生した場合に、それに起因するプロセスリスクを削減することができる。
また、第2には、セル間をまたぐ全体タクト搬送を担保した搬送制御であり、上述したセル間スケジューラMScにより実現される。これを実現することによって、同一ロットの基板Wの搬送履歴、処理履歴を等しくすることができる。
〈4.変形例〉
〈4−1.多階層化〉
上記の実施の形態に係る基板処理装置1においては、上位階層のスケジューラ(セル間スケジューラMS)は、被制御区画(上記の実施の形態においては、各セル)間での基板Wの受け渡しのタイミングを制御し、被制御区画内の搬送スケジュールについては下位階層のスケジューラ(セルスケジューラCS)が管理する構成をとっている。
この構成をそのまま適用して、さらなる多階層化を形成することができる。例えば、上記の実施の形態に係る基板処理装置1の制御階層を3階層から形成する場合について図16を参照しながら説明する。図16は、3階層から形成される搬送スケジューラの構成を示すブロック図である。
第3階層のスケジューラは、上述したセルスケジューラCS1〜CS6であり、これが各セルC1〜C6内の基板Wの搬送スケジュールをそれぞれ管理する。
第2階層のスケジューラ(第2階層セル間スケジューラMS11,MS12)のうち、一方のセル間スケジューラMS11は、セルスケジューラCS1,CS2,CS3の上位のスケジューラとしてこれらを統括的に管理する。具体的には、セルスケジューラCS1,CS2,CS3のそれぞれに対して、基板Wをセルから払い出す(もしくは、セル内に受け入れる)タイミングを指示することによって、セル間で基板Wを受け渡しするタイミングを制御する。他方のセル間スケジューラMS12は、セルスケジューラCS4,CS5,CS6の上位のスケジューラとしてこれらを統括的に管理する。具体的には、セルスケジューラCS4,CS5,CS6のそれぞれに対して、基板Wをセルから払い出す(もしくは、セル内に受け入れる)タイミングを指示することによって、セル間で基板Wを受け渡しするタイミングを制御する。第2階層セル間スケジューラMS11,MS12の具体的な機能構成は、上述したセル間スケジューラMSと全く同様である。
第1階層のスケジューラ(第1階層セル間スケジューラMS1)は、第2階層セル間スケジューラMS11,MS12の上位のスケジューラとしてこれらを統括的に管理する。具体的には、第2階層セル間スケジューラMS11,MS12のそれぞれに対して、基板Wを当該スケジューラが管理する被制御区画から払い出す(もしくは、当該被制御区画内に受け入れる)タイミングを指示することによって、被制御区画間で基板Wを受け渡しするタイミングを制御する。ただし、第2階層セル間スケジューラMS11が管理する被制御区画C10は、インデクサセルC1とバークセルC2とレジスト塗布セルC3とから構成される。また、第2階層セル間スケジューラMS12が管理する被制御区画C20は、現像処理セルC4と露光後ベークセルC5とインターフェイスセルC6とから構成される。第1階層セル間スケジューラMS1の具体的な機能構成は、上述したセル間スケジューラMSと全く同様である。
このように、上述したセル間スケジューラMSの構成をそのまま適用して、制御階層を多階層化することができる。これにより、システムの大型化にも容易に対応することが可能となる。例えば、上記の実施の形態に係る基板処理装置1が組み込まれた複数の装置からなるシステムを構成する場合、各装置の最上位のスケジューラのさらに上位にこれらを統括して管理するスケジューラを設け、これに各装置間で基板Wを受け渡しするタイミングを制御させればよい。
〈4−2.その他の変形例〉
上記の実施の形態においては、セル間スケジューラMSaは基板Wの払い出しの停止指示を与えることによってセル間での基板Wの受け渡しのタイミングを制御していたが、基板Wの受け入れの停止指示を与えることによってこれを制御してもよい。
同様に、セル間スケジューラMSbは基板Wの払い出しの停止指示を与えることによってこれを制御してもよい。ただし、この場合、セル間スケジューラMSbは、停止指示を与えるセルスケジューラCSが管理するセルから隣接するセルに向けて払い出された基板Wの枚数が、当該隣接するセルの安全枚数に達した時点で、停止指示を与える。例えば、バークセルC2の安全枚数が「4枚」と特定されている場合、セル間スケジューラMSbは、インデクサセルC1がバークセルC2に向けて4枚目の基板Wを払い出した時点で、インデクサセルスケジューラCS1に対して基板Wの払い出しの停止指示を与える。
また、この発明に係る基板処理装置の構成は図1から図4に示したような形態に限定されるものではなく、種々の配置構成を採用することが可能である。
また、この発明に係る基板処理装置の処理対象となる基板Wは半導体ウエハに限定されるものではなく、液晶ガラス基板であってもよい。