以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施形態の基板処理装置の平面図である。また、図2は基板処理装置の液処理部の正面図であり、図3は熱処理部の正面図であり、図4は基板載置部の周辺構成を示す図である。なお、図1から図4にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を付している。
本実施形態の基板処理装置は、半導体ウェハ等の基板に反射防止膜やフォトレジスト膜を塗布形成するとともに、パターン露光後の基板に現像処理を行う装置である。なお、本発明に係る基板処理装置の処理対象となる基板は半導体ウェハに限定されるものではなく、液晶表示器用のガラス基板等であっても良い。また、本発明に係る基板処理装置の処理内容は塗布膜形成や現像処理に限定されるものではなく、エッチング処理や洗浄処理であっても良い。
本実施形態の基板処理装置は、インデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5の5つの処理ブロックを並設して構成されている。インターフェイスブロック5には本基板処理装置とは別体の外部装置である露光装置(ステッパ)が接続配置されている。
インデクサブロック1は、複数のキャリアC(本実施形態では4個)を並べて載置する載置台11と、各キャリアCから未処理の基板Wを取り出すとともに、各キャリアCに処理済みの基板Wを収納する基板移載機構12とを備えている。基板移載機構12は、載置台11に沿って(Y方向に沿って)水平移動可能な可動台12aを備えており、この可動台12aに基板Wを水平姿勢で保持する保持アーム12bが搭載されている。保持アーム12bは、可動台12a上を昇降(Z方向)移動、水平面内の旋回移動、および旋回半径方向に進退移動可能に構成されている。これにより、基板移載機構12は、保持アーム12bを各キャリアCにアクセスさせて未処理の基板Wの取り出しおよび処理済みの基板Wの収納を行うことができる。なお、キャリアCの形態としては、基板Wを密閉空間に収納するFOUP(front opening unified pod)の他に、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッドや収納基板Wを外気に曝すOC(open cassette)であっても良い。
インデクサブロック1に隣接してバークブロック2が設けられている。インデクサブロック1とバークブロック2との間には、雰囲気遮断用の隔壁13が設けられている。この隔壁13にインデクサブロック1とバークブロック2との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS1,PASS2が上下に積層して設けられている。
上側の基板載置部PASS1は、インデクサブロック1からバークブロック2へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS1は3本の支持ピンを備えており、インデクサブロック1の基板移載機構12はキャリアCから取り出した未処理の基板Wを基板載置部PASS1の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS1に載置された基板Wを後述するバークブロック2の搬送ロボットTR1が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS2は、バークブロック2からインデクサブロック1へ基板Wを搬送するために使用される。基板載置部PASS2も3本の支持ピンを備えており、バークブロック2の搬送ロボットTR1は処理済みの基板Wを基板載置部PASS2の3本の支持ピン上に載置する。そして、基板載置部PASS2に載置された基板Wを基板移載機構12が受け取ってキャリアCに収納する。なお、後述する基板載置部PASS3〜PASS10の構成も基板載置部PASS1,PASS2と同じである。
基板載置部PASS1,PASS2は、隔壁13の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS1,PASS2には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、基板移載機構12やバークブロック2の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS1,PASS2に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。
次に、バークブロック2について説明する。バークブロック2は、露光時に発生する定在波やハレーションを減少させるために、フォトレジスト膜の下地に反射防止膜を塗布形成するための処理ブロックである。バークブロック2は、基板Wの表面に反射防止膜を塗布形成するための下地塗布処理部BRCと、反射防止膜の塗布形成に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー21,21と、下地塗布処理部BRCおよび熱処理タワー21,21に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR1とを備える。
バークブロック2においては、搬送ロボットTR1を挟んで下地塗布処理部BRCと熱処理タワー21,21とが対向して配置されている。具体的には、下地塗布処理部BRCが装置正面側に、2つの熱処理タワー21,21が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー21,21の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。下地塗布処理部BRCと熱処理タワー21,21とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー21,21から下地塗布処理部BRCに熱的影響を与えることを回避しているのである。
下地塗布処理部BRCは、図2に示すように、同様の構成を備えた3つの塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3を下から順に積層配置して構成されている。なお、3つの塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3を特に区別しない場合はこれらを総称して下地塗布処理部BRCとする。各塗布処理ユニットBRC1,BRC2,BRC3は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック22、このスピンチャック22上に保持された基板W上に反射防止膜用の塗布液を吐出する塗布ノズル23およびスピンチャック22上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー21には、基板Wを所定の温度にまで加熱する6個のホットプレートHP1〜HP6と、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP1〜CP3とが設けられている。この熱処理タワー21には、下から順にクールプレートCP1〜CP3、ホットプレートHP1〜HP6が積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー21には、レジスト膜と基板Wとの密着性を向上させるためにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)の蒸気雰囲気で基板Wを熱処理する3個の密着強化処理部AHL1〜AHL3が下から順に積層配置されている。なお、図3において「×」印で示した箇所には配管配線部や、予備の空きスペースが割り当てられている。
このように塗布処理ユニットBRC1〜BRC3や熱処理ユニット(ホットプレートHP1〜HP6、クールプレートCP1〜CP3、密着強化処理部AHL1〜AHL3)を多段に積層配置することにより、基板処理装置の占有スペースを小さくしてフットプリントを削減することができる。また、2つの熱処理タワー21,21を並設することによって、熱処理ユニットのメンテナンスが容易になるとともに、熱処理ユニットに必要なダクト配管や給電設備をあまり高い位置にまで引き延ばす必要がなくなるという利点がある。
図5は、搬送ロボットTR1を説明するための図である。図5(a)は搬送ロボットTR1の平面図であり、(b)は搬送ロボットTR1の正面図である。搬送ロボットTR1は、基板Wを略水平姿勢で保持する2個の保持アーム6a,6bを上下に近接させて備えている。保持アーム6a,6bは、先端部が平面視で「C」字形状になっており、この「C」字形状のアームの内側から内方に突き出た複数本のピン7で基板Wの周縁を下方から支持するようになっている。
搬送ロボットTR1の基台8は装置基台(装置フレーム)に対して固定設置されている。この基台8上に、ガイド軸9cが立設されるとともに、螺軸9aが回転可能に立設支持されている。また、基台8には螺軸9aを回転駆動するモータ9bが固定設置されている。そして、螺軸9aには昇降台10aが螺合されるとともに、昇降台10aはガイド軸9cに対して摺動自在とされている。このような構成により、モータ9bが螺軸9aを回転駆動することにより、昇降台10aがガイド軸9cに案内されて鉛直方向(Z方向)に昇降移動するようになっている。
また、昇降台10a上にアーム基台10bが鉛直方向に沿った軸心周りに旋回可能に搭載されている。昇降台10aには、アーム基台10bを旋回駆動するモータ10cが内蔵されている。そして、このアーム基台10b上に上述した2個の保持アーム6a,6bが上下に配設されている。各保持アーム6a,6bは、アーム基台10bに装備されたスライド駆動機構(図示省略)によって、それぞれ独立して水平方向(アーム基台10bの旋回半径方向)に進退移動可能に構成されている。
このような構成によって、図5(a)に示すように、搬送ロボットTR1は2個の保持アーム6a,6bをそれぞれ個別に基板載置部PASS1,PASS2、熱処理タワー21に設けられた熱処理ユニット、下地塗布処理部BRCに設けられた塗布処理ユニットおよび後述する基板載置部PASS3,PASS4に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、レジスト塗布ブロック3について説明する。バークブロック2と現像処理ブロック4との間に挟み込まれるようにしてレジスト塗布ブロック3が設けられている。このレジスト塗布ブロック3とバークブロック2との間にも、雰囲気遮断用の隔壁25が設けられている。この隔壁25にバークブロック2とレジスト塗布ブロック3との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS3,PASS4が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS3,PASS4は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS3は、バークブロック2からレジスト塗布ブロック3へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、バークブロック2の搬送ロボットTR1が基板載置部PASS3に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS4は、レジスト塗布ブロック3からバークブロック2へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS4に載置した基板Wをバークブロック2の搬送ロボットTR1が受け取る。
基板載置部PASS3,PASS4は、隔壁25の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS3,PASS4には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR1,TR2が基板載置部PASS3,PASS4に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。さらに、基板載置部PASS3,PASS4の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁25を貫通して上下に設けられている。
レジスト塗布ブロック3は、バークブロック2にて反射防止膜が塗布形成された基板W上にフォトレジスト膜を塗布形成するための処理ブロックである。なお、本実施形態では、フォトレジストとして化学増幅型レジストを用いている。レジスト塗布ブロック3は、下地塗布された反射防止膜の上にフォトレジスト膜を塗布形成するレジスト塗布処理部SCと、レジスト塗布処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー31,31と、レジスト塗布処理部SCおよび熱処理タワー31,31に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR2とを備える。
レジスト塗布ブロック3においては、搬送ロボットTR2を挟んでレジスト塗布処理部SCと熱処理タワー31,31とが対向して配置されている。具体的には、レジスト塗布処理部SCが装置正面側に、2つの熱処理タワー31,31が装置背面側に、それぞれ位置している。また、熱処理タワー31,31の正面側には図示しない熱隔壁を設けている。レジスト塗布処理部SCと熱処理タワー31,31とを隔てて配置するとともに熱隔壁を設けることにより、熱処理タワー31,31からレジスト塗布処理部SCに熱的影響を与えることを回避しているのである。
レジスト塗布処理部SCは、図2に示すように、同様の構成を備えた3つの塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3を下から順に積層配置して構成されている。なお、3つの塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3を特に区別しない場合はこれらを総称してレジスト塗布処理部SCとする。各塗布処理ユニットSC1,SC2,SC3は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック32、このスピンチャック32上に保持された基板W上にフォトレジストを吐出する塗布ノズル33およびスピンチャック32上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー31には、基板Wを所定の温度にまで加熱する6個の加熱部PHP1〜PHP6が下から順に積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー31には、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP4〜CP9が下から順に積層配置されている。
各加熱部PHP1〜PHP6は、基板Wを載置して加熱処理を行う通常のホットプレートの他に、そのホットプレートと隔てられた上方位置に基板Wを載置しておく基板仮置部と、該ホットプレートと基板仮置部との間で基板Wを搬送するローカル搬送機構34(図1参照)とを備えた熱処理ユニットである。ローカル搬送機構34は、昇降移動および進退移動が可能に構成されるとともに、冷却水を循環させることによって搬送過程の基板Wを冷却する機構を備えている。
ローカル搬送機構34は、上記ホットプレートおよび基板仮置部を挟んで搬送ロボットTR2とは反対側、すなわち装置背面側に設置されている。そして、基板仮置部は搬送ロボットTR2側およびローカル搬送機構34側の双方に対して開口している一方、ホットプレートはローカル搬送機構34側のみ開口し、搬送ロボットTR2側には閉塞している。従って、基板仮置部に対しては搬送ロボットTR2およびローカル搬送機構34の双方がアクセスできるが、ホットプレートに対してはローカル搬送機構34のみがアクセス可能である。
このような構成を備える各加熱部PHP1〜PHP6に基板Wを搬入するときには、まず搬送ロボットTR2が基板仮置部に基板Wを載置する。そして、ローカル搬送機構34が基板仮置部から基板Wを受け取ってホットプレートまで搬送し、該基板Wに加熱処理が施される。ホットプレートでの加熱処理が終了した基板Wは、ローカル搬送機構34によって取り出されて基板仮置部まで搬送される。このときに、ローカル搬送機構34が備える冷却機能によって基板Wが冷却される。その後、基板仮置部まで搬送された熱処理後の基板Wが搬送ロボットTR2によって取り出される。
このように、加熱部PHP1〜PHP6においては、搬送ロボットTR2が常温の基板仮置部に対して基板Wの受け渡しを行うだけで、ホットプレートに対する基板Wの受け渡しを行わないため、搬送ロボットTR2の温度上昇を抑制することができる。また、ホットプレートはローカル搬送機構34側のみ開口しているため、ホットプレートから漏出した熱雰囲気によって搬送ロボットTR2やレジスト塗布処理部SCが悪影響を受けることが防止される。なお、クールプレートCP4〜CP9に対しては搬送ロボットTR2が直接基板Wの受け渡しを行う。
搬送ロボットTR2の構成は、搬送ロボットTR1と全く同じである。よって、搬送ロボットTR2は2個の保持アームをそれぞれ個別に基板載置部PASS3,PASS4、熱処理タワー31に設けられた熱処理ユニット、レジスト塗布処理部SCに設けられた塗布処理ユニットおよび後述する基板載置部PASS5,PASS6に対してアクセスさせて、それらとの間で基板Wの授受を行うことができる。
次に、現像処理ブロック4について説明する。レジスト塗布ブロック3とインターフェイスブロック5との間に挟み込まれるようにして現像処理ブロック4が設けられている。レジスト塗布ブロック3と現像処理ブロック4との間にも、雰囲気遮断用の隔壁35が設けられている。この隔壁35にレジスト塗布ブロック3と現像処理ブロック4との間で基板Wの受け渡しを行うために基板Wを載置する2つの基板載置部PASS5,PASS6が上下に積層して設けられている。基板載置部PASS5,PASS6は、上述した基板載置部PASS1,PASS2と同様の構成を備えている。
上側の基板載置部PASS5は、レジスト塗布ブロック3から現像処理ブロック4へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、レジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が基板載置部PASS5に載置した基板Wを現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS6は、現像処理ブロック4からレジスト塗布ブロック3へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS6に載置した基板Wをレジスト塗布ブロック3の搬送ロボットTR2が受け取る。
基板載置部PASS5,PASS6は、隔壁35の一部に部分的に貫通して設けられている。また、基板載置部PASS5,PASS6には、基板Wの有無を検出する光学式のセンサ(図示省略)が設けられており、各センサの検出信号に基づいて、搬送ロボットTR2,TR3が基板載置部PASS5,PASS6に対して基板Wを受け渡しできる状態にあるか否かが判断される。さらに、基板載置部PASS5,PASS6の下側には、基板Wを大まかに冷却するための水冷式の2つのクールプレートWCPが隔壁35を貫通して上下に設けられている。
現像処理ブロック4は、露光された基板Wに対して現像処理を行うための処理ブロックである。現像処理ブロック4は、パターンが露光された基板Wに対して現像液を供給して現像処理を行う現像処理部SDと、現像処理に付随する熱処理を行う2つの熱処理タワー41,42と、現像処理部SDおよび熱処理タワー41,42に対して基板Wの受け渡しを行う搬送ロボットTR3とを備える。なお、搬送ロボットTR3は、上述した搬送ロボットTR1,TR2と全く同じ構成を有する。
現像処理部SDは、図2に示すように、同様の構成を備えた5つの現像処理ユニットSD1,SD2,SD3,SD4,SD5を下から順に積層配置して構成されている。なお、5つの現像処理ユニットSD1〜SD5を特に区別しない場合はこれらを総称して現像処理部SDとする。各現像処理ユニットSD1〜SD5は、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック43、このスピンチャック43上に保持された基板W上に現像液を供給するノズル44およびスピンチャック43上に保持された基板Wの周囲を囲繞するカップ(図示省略)等を備えている。
図3に示すように、インデクサブロック1に近い側の熱処理タワー41には、基板Wを所定の温度にまで加熱する5個のホットプレートHP7〜HP11と、加熱された基板Wを冷却して所定の温度にまで降温するとともに基板Wを当該所定の温度に維持するクールプレートCP10〜CP12とが設けられている。この熱処理タワー41には、下から順にクールプレートCP10〜CP12、ホットプレートHP7〜HP11が積層配置されている。一方、インデクサブロック1から遠い側の熱処理タワー42には、6個の加熱部PHP7〜PHP12とクールプレートCP13とが積層配置されている。各加熱部PHP7〜PHP12は、上述した加熱部PHP1〜PHP6と同様に、基板仮置部およびローカル搬送機構を備えた熱処理ユニットである。但し、各加熱部PHP7〜PHP12の基板仮置部はインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4の側には開口しているが、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3の側には閉塞している。つまり、加熱部PHP7〜PHP12に対してはインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4はアクセス可能であるが、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3はアクセス不可である。また、クールプレートCP13に対しても搬送ロボットTR4はアクセス可能であるが、搬送ロボットTR3はアクセス不可である。なお、熱処理タワー41に組み込まれた熱処理ユニットに対しては現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3がアクセスする。
また、熱処理タワー42には、現像処理ブロック4と、これに隣接するインターフェイスブロック5との間で基板Wの受け渡しを行うための2つの基板載置部PASS7,PASS8が上下に近接して組み込まれている。上側の基板載置部PASS7は、現像処理ブロック4からインターフェイスブロック5へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が基板載置部PASS7に載置した基板Wをインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が受け取る。一方、下側の基板載置部PASS8は、インターフェイスブロック5から現像処理ブロック4へ基板Wを搬送するために使用される。すなわち、インターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4が基板載置部PASS8に載置した基板Wを現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3が受け取る。なお、基板載置部PASS7,PASS8は、現像処理ブロック4の搬送ロボットTR3およびインターフェイスブロック5の搬送ロボットTR4の両側に対して開口している。
次に、インターフェイスブロック5について説明する。インターフェイスブロック5は、現像処理ブロック4に隣接して設けられ、本基板処理装置とは別体の外部装置である露光装置に対して基板Wの受け渡しを行うブロックである。本実施形態のインターフェイスブロック5には、露光装置との間で基板Wの受け渡しを行うための搬送機構55の他に、フォトレジスト膜が形成された基板Wの周縁部を露光する2つのエッジ露光部EEWと、現像処理ブロック4内に配設された加熱部PHP7〜PHP12、クールプレートCP13およびエッジ露光部EEWに対して基板Wを受け渡しする搬送ロボットTR4とを備えている。
エッジ露光部EEWは、図2に示すように、基板Wを略水平姿勢で吸着保持して略水平面内にて回転させるスピンチャック56や、このスピンチャック56に保持された基板Wの周縁に光を照射して露光する光照射器57などを備えている。2つのエッジ露光部EEWは、インターフェイスブロック5の中央部に上下に積層配置されている。このエッジ露光部EEWと現像処理ブロック4の熱処理タワー42とに隣接して配置されている搬送ロボットTR4は上述した搬送ロボットTR1〜TR3と同様の構成を備えている。
また、図2に示すように、2つのエッジ露光部EEWの下側には基板戻し用のリターンバッファRBFが設けられ、さらにその下側には2つの基板載置部PASS9,PASS10が上下に積層して設けられている。リターンバッファRBFは、何らかの障害によって現像処理ブロック4が基板Wの現像処理を行うことができない場合に、現像処理ブロック4の加熱部PHP7〜PHP12で露光後の加熱処理を行った後に、その基板Wを一時的に収納保管しておくものである。このリターンバッファRBFは、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。また、上側の基板載置部PASS9は搬送ロボットTR4から搬送機構55に基板Wを渡すために使用するものであり、下側の基板載置部PASS10は搬送機構55から搬送ロボットTR4に基板Wを渡すために使用するものである。なお、リターンバッファRBFに対しては搬送ロボットTR4がアクセスを行う。
搬送機構55は、図2に示すように、Y方向に水平移動可能な可動台55aを備え、この可動台55a上に基板Wを保持する保持アーム55bを搭載している。保持アーム55bは、可動台55aに対して昇降移動、旋回動作および旋回半径方向への進退移動が可能に構成されている。このような構成によって、搬送機構55は、露光装置との間で基板Wの受け渡しを行うとともに、基板載置部PASS9,PASS10に対する基板Wの受け渡しと、基板送り用のセンドバッファSBF(図1参照)に対する基板Wの収納および取り出しを行う。センドバッファSBFは、露光装置が基板Wの受け入れをできないときに、露光処理前の基板Wを一時的に収納保管するもので、複数枚の基板Wを多段に収納できる収納棚によって構成されている。
以上のインデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5には常に清浄空気がダウンフローとして供給されており、各ブロック内でパーティクルの巻き上がりや気流によるプロセスへの悪影響を回避している。また、各ブロック内は装置の外部環境に対して若干陽圧に保たれ、外部環境からのパーティクルや汚染物質の進入などを防いでいる。
また、上述したインデクサブロック1、バークブロック2、レジスト塗布ブロック3、現像処理ブロック4およびインターフェイスブロック5は、本実施形態の基板処理装置を機構的に分割した単位である。各ブロックは、各々個別のブロック用フレーム(枠体)に組み付けられ、各ブロック用フレームを連結して基板処理装置が構成されている。
一方、本実施形態では、基板搬送に係る搬送制御単位を機械的に分割したブロックとは別に構成している。本明細書では、このような基板搬送に係る搬送制御単位を「セル」と称する。1つのセルは、基板に所定の処理を行う複数の処理部とそれら複数の処理部に対して基板搬送を行う1台の搬送ロボットとを含んで構成されている。そして、上述した各基板載置部が、セル内に基板Wを受け入れるための入口基板載置部またはセルから基板Wを払い出すための出口基板載置部として機能する。そして、セル間の基板Wの受け渡しも基板載置部を介して行われる。なお、本明細書では基板を搬送するロボットという意味においてインデクサブロック1の基板移載機構12やインターフェイスブロック5の搬送機構55も搬送ロボットに含める。また、「処理部」は、下地塗布処理部、レジスト塗布処理部、現像処理部、ホットプレート、クールプレート、密着強化処理部、加熱部およびエッジ露光部を含む。
図6は、本実施形態の基板処理装置のセル配置を示す図である。本実施形態の基板処理装置には、インデクサセルC1、バークセルC2、レジスト塗布セルC3、現像処理セルC4、露光後ベークセルC5およびインターフェイスセルC6の6つのセルが含まれている。インデクサセルC1は、載置台11と基板移載機構12とを含み、結果的に機械的に分割した単位であるインデクサブロック1と同じ構成となっている。また、バークセルC2は、下地塗布処理部BRCと2つの熱処理タワー21,21と搬送ロボットTR1とを含む。このバークセルC2も、結果として機械的に分割した単位であるバークブロック2と同じ構成になっている。よって、基板載置部PASS1は、インデクサセルC1を基準にして言えば送り用出口基板載置部に相当し、バークセルC2を基準にして言えば送り用入口基板載置部に相当する。また、基板載置部PASS2は、インデクサセルC1を基準にして言えば戻り用入口基板載置部に相当し、バークセルC2を基準にして言えば戻り用出口基板載置部に相当する。なお、「送り」とはインデクサブロック1からインターフェイスブロック5に向けて露光前の基板Wを搬送することであり、「戻り」とはインターフェイスブロック5からインデクサブロック1に向けて露光後の基板Wを搬送することである。
レジスト塗布セルC3は、レジスト塗布処理部SCと2つの熱処理タワー31,31と搬送ロボットTR2とを含む。このレジスト塗布セルC3も、結果として機械的に分割した単位であるレジスト塗布ブロック3と同じ構成になっている。よって、基板載置部PASS3は、バークセルC2を基準にして言えば送り用出口基板載置部に相当し、レジスト塗布セルC3を基準にして言えば送り用入口基板載置部に相当する。また、基板載置部PASS4は、バークセルC2を基準にして言えば戻り用入口基板載置部に相当し、レジスト塗布セルC3を基準にして言えば戻り用出口基板載置部に相当する。
一方、現像処理セルC4は、現像処理部SDと熱処理タワー41と搬送ロボットTR3とを含む。上述したように、搬送ロボットTR3は熱処理タワー42の加熱部PHP7〜PHP12に対してアクセスすることができず、現像処理セルC4に熱処理タワー42は含まれない。この点において、現像処理セルC4は機械的に分割した単位である現像処理ブロック4と異なる。そして、基板載置部PASS5は、レジスト塗布セルC3を基準にして言えば送り用出口基板載置部に相当し、現像処理セルC4を基準にして言えば送り用入口基板載置部に相当する。また、基板載置部PASS6は、レジスト塗布セルC3を基準にして言えば戻り用入口基板載置部に相当し、現像処理セルC4を基準にして言えば戻り用出口基板載置部に相当する。
また、露光後ベークセルC5は、現像処理ブロック4に位置する熱処理タワー42と、インターフェイスブロック5に位置するエッジ露光部EEWと搬送ロボットTR4とを含む。すなわち、露光後ベークセルC5は、機械的に分割した単位である現像処理ブロック4とインターフェイスブロック5とにまたがるものである。このように露光後加熱処理を行う加熱部PHP7〜PHP12と搬送ロボットTR4とを含んで1つのセルを構成しているので、露光後の基板Wを速やかに加熱部PHP7〜PHP12に搬入して熱処理を行うことができる。このような構成は、パターンの露光を行った後なるべく速やかに加熱処理を行う必要のある化学増幅型レジストを使用した場合に好適である。
なお、熱処理タワー42に含まれる基板載置部PASS7,PASS8は現像処理セルC4の搬送ロボットTR3と露光後ベークセルC5の搬送ロボットTR4との間の基板Wの受け渡しのために介在する。すなわち、基板載置部PASS7は、現像処理セルC4を基準にして言えば送り用出口基板載置部に相当し、露光後ベークセルC5を基準にして言えば送り用入口基板載置部に相当する。また、基板載置部PASS8は、現像処理セルC4を基準にして言えば戻り用入口基板載置部に相当し、露光後ベークセルC5を基準にして言えば戻り用出口基板載置部に相当する。
インターフェイスセルC6は、外部装置である露光装置に対して基板Wの受け渡しを行う搬送機構55を含んで構成されている。このインターフェイスセルは、搬送ロボットTR4やエッジ露光部EEWを含まない点で、機械的に分割した単位であるインターフェイスブロック5とは異なる構成となっている。なお、エッジ露光部EEWの下方に設けられた基板載置部PASS9,PASS10は露光後ベークセルC5の搬送ロボットTR4とインターフェイスセルC6の搬送機構55との間の基板Wの受け渡しのために介在する。すなわち、基板載置部PASS9は、露光後ベークセルC5を基準にして言えば送り用出口基板載置部に相当し、インターフェイスセルC6を基準にして言えば送り用入口基板載置部に相当する。また、基板載置部PASS10は、露光後ベークセルC5を基準にして言えば戻り用入口基板載置部に相当し、インターフェイスセルC6を基準にして言えば戻り用出口基板載置部に相当する。
次に、本実施形態の基板処理装置の制御機構について説明する。図7は、制御機構の概略を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態の基板処理装置は、メインコントローラMC、セルコントローラCC、ユニットコントローラUCの3階層からなる制御システムを備えている。メインコントローラMC、セルコントローラCC、ユニットコントローラUCのハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、各コントローラは、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えている。
第1階層のメインコントローラMCは、基板処理装置全体に1つ設けられており、装置全体の管理、メインパネル(図示省略)の管理およびセルコントローラCCの管理を主に担当する。また、メインコントローラMCは、処理対象となる基板Wについての処理手順を記述したフローレシピを保持しており、当該基板Wの処理が開始された時点でそのフローレシピを各セルごとに分割してセルコントローラCCに渡す。
第2階層のセルコントローラCCは、6つのセル(インデクサセルC1、バークセルC2、レジスト塗布セルC3、現像処理セルC4、露光後ベークセルC5およびインターフェイスセルC6)のそれぞれに対して個別に設けられている。すなわち、セルコントローラCCは、6つの搬送ロボット(搬送ロボットTR1〜TR4、基板移載機構12および搬送機構55)のそれぞれについて1つずつ設けられており、インデクサセルC1の基板移載機構12にセルコントローラCC1が、バークセルC2の搬送ロボットTR1にセルコントローラCC2が、レジスト塗布セルC3の搬送ロボットTR2にセルコントローラCC3が、現像処理セルC4の搬送ロボットTR3にセルコントローラCC4が、露光後ベークセルC5の搬送ロボットTR4にセルコントローラCC5が、インターフェイスセルC6の搬送機構55にセルコントローラCC6がそれぞれ対応して設けられている。なお、6つのセルコントローラCC1〜CC6を特に区別しない場合はこれらを総称して単にセルコントローラCCと称する。
各セルコントローラCCは、対応するセル内の搬送ロボットの管理および該搬送ロボットが搬送を担当する処理部の動作の管理を主に担当する。具体的には、各セルコントローラCCは、メインコントローラMCから受け取ったフローレシピの一部に従って搬送コントローラTCや後述のユニットコントローラUCを管理して対応するセル内での搬送ロボットの搬送動作やセル内の処理部の動作を制御する。なお、搬送コントローラTC1〜TC6は、それぞれセルコントローラCC1〜CC6上で所定のアプリケーションが動作することによって実現される制御部であり、対応する搬送ロボットを直接制御する。6つの搬送コントローラTC1〜TC6を特に区別しない場合はこれらを総称して単に搬送コントローラTCと称する。
第3階層のユニットコントローラUCは、処理部を個別に直接管理する最下層のコントローラである。本実施形態では、セルコントローラCC2〜CC5のそれぞれの管理下にユニットコントローラUC1〜UC4が設けられている。ユニットコントローラUC1〜UC3は、それぞれスピンコントローラおよびベークコントローラを含む。スピンコントローラは下地塗布処理部、レジスト塗布処理部、現像処理部のような回転処理部を制御する。ベークコントローラはホットプレート、クールプレート、密着強化処理部、加熱部のような熱処理部を制御する。また、ユニットコントローラUC4はエッジ露光コントローラおよびベークコントローラを含む。エッジ露光コントローラは、エッジ露光部を制御する。
各ユニットコントローラUCは、その上位のセルコントローラCCの指示に従ってセル内に配置された各処理部の機構を直接制御する。例えば、ユニットコントローラUC1を構成するスピンコントローラはセルコントローラCC2の指示に従って基板Wの回転数が所定数となるように塗布処理ユニットBRC1〜BRC3のスピンモータを制御し、ベークコントローラはセルコントローラCC2の指示に従ってプレート温度が所定温度となるようにホットプレートHP1〜HP6のヒータを制御する。
このように、本実施形態では、最上層のメインコントローラMCと最下層のユニットコントローラUCとの間に中間コントローラとしてのセルコントローラCCを設け、3階層の制御システムとしている。従来、基板処理装置内の基板搬送管理はメインコントローラMCが担当していたのであるが、本実施形態ではその役割をセルコントローラCCが担っている。すなわち、メインコントローラMCが処理手順を記述したフローレシピを分割して各セルコントローラCCに渡し、各セルコントローラCCはそのフローレシピの一部に従って対応するセル内の基板搬送管理を行うのである。そして、セル内での処理手順が終了すると、セルコントローラCCは、所定の基板載置部に基板Wを置いたという情報を該基板Wの識別コードとともに隣のセルのセルコントローラCCに送り、その基板Wを受け取ったセルのセルコントローラCCは、当該基板載置部から基板Wを受け取ったという情報を元のセルのセルコントローラCCに返すという情報の送受信を行う。なお、このような情報の送受信はメインコントローラMCを介して行われる。
例えば、バークセルC2のセルコントローラCC2の場合、フローレシピを分割した一部(反射防止膜の塗布形成に関する部分)がメインコントローラMCから渡され、それに従ってセルコントローラCC2が搬送コントローラTC2を介して搬送ロボットTR1の搬送動作を管理する。また、フローレシピを分割した一部に従って、セルコントローラCC2はユニットコントローラUC1を介して塗布処理ユニットBRC1〜BRC3や熱処理ユニットの動作を管理する。そして、バークセルC2内にて基板Wへの反射防止膜の塗布形成が終了すると、セルコントローラCC2は、基板載置部PASS3に反射防止膜形成済の基板Wを置いたという情報を該基板Wの識別コードとともにレジスト塗布セルC3のセルコントローラCC3に送る。基板載置部PASS3から該基板Wを受け取ったレジスト塗布セルC3のセルコントローラCC3は、その旨の情報をバークセルC2のセルコントローラCC2に返す。なお、他のセルコントローラCCについてもこれと同様の制御を行っている。
次に、本実施形態の基板処理装置における処理動作の概略について説明する。まず、インデクサセルC1(インデクサブロック1)の基板移載機構12が所定のキャリアCから未処理の基板Wを取り出し、上側の基板載置部PASS1に載置する。基板載置部PASS1に未処理の基板Wが載置されると、バークセルC2の搬送ロボットTR1が保持アーム6a,6bのうちの一方を使用してその基板Wを受け取る。そして、搬送ロボットTR1は受け取った未処理の基板Wを密着強化処理部AHL1〜AHL3のいずれかに搬送する。密着強化処理の終了した基板Wは搬送ロボットTR1によって取り出され、クールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって塗布処理ユニットBRC1〜BRC3のいずれかに搬送され、反射防止膜用の塗布液が回転塗布される。
塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR1によってホットプレートHP1〜HP6のいずれかに搬送される。ホットプレートにて基板Wが加熱されることによって、塗布液が乾燥されて基板W上に下地の反射防止膜が形成される。その後、搬送ロボットTR1によってホットプレートから取り出された基板Wは再びクールプレートCP1〜CP3のいずれかに搬送されて冷却される。なお、このときにクールプレートWCPによって基板Wを冷却するようにしても良い。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR1によって基板載置部PASS3に載置される。
反射防止膜が形成された基板Wが基板載置部PASS3に載置されると、レジスト塗布セルC3の搬送ロボットTR2がその基板Wを受け取って塗布処理ユニットSC1〜SC3のいずれかに搬送する。塗布処理ユニットSC1〜SC3では、基板Wにフォトレジストが回転塗布される。なお、レジスト塗布処理には精密な基板温調が要求されるため、基板Wを塗布処理ユニットSC1〜SC3に搬送する直前にクールプレートCP4〜CP9のいずれかに搬送するようにしても良い。
レジスト塗布処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR2によって加熱部PHP1〜PHP6のいずれかに搬送される。加熱部PHP1〜PHP6にて基板Wが加熱処理されることにより、フォトレジスト中の溶媒成分が除去されて基板W上にレジスト膜が形成される。その後、搬送ロボットTR2によって加熱部PHP1〜PHP6から取り出された基板WはクールプレートCP4〜CP9のいずれかに搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR2によって基板載置部PASS5に載置される。
レジスト膜が形成された基板Wが基板載置部PASS5に載置されると、現像処理セルC4の搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取ってそのまま基板載置部PASS7に載置する。そして、基板載置部PASS7に載置された基板Wは露光後ベークセルC5の搬送ロボットTR4によって受け取られ、エッジ露光部EEWに搬入される。エッジ露光部EEWにおいては、基板Wの周縁部の露光処理が行われる。エッジ露光処理が終了した基板Wは搬送ロボットTR4によって基板載置部PASS9に載置される。そして、基板載置部PASS9に載置された基板WはインターフェイスセルC6の搬送機構55によって受け取られ、装置外の露光装置に搬入され、パターン露光処理に供される。
パターン露光処理が終了した基板Wは再びインターフェイスセルC6に戻され、搬送機構55によって基板載置部PASS10に載置される。露光後の基板Wが基板載置部PASS10に載置されると、露光後ベークセルC5の搬送ロボットTR4がその基板Wを受け取って加熱部PHP7〜PHP12のいずれかに搬送する。加熱部PHP7〜PHP12では、露光時の光化学反応によって生じた生成物をレジスト膜内に均一に拡散させるための加熱処理(Post Exposure Bake)が行われる。露光後加熱処理が終了した基板Wは搬送ロボットTR4によって取り出され、クールプレートCP13に搬送されて冷却される。冷却後の基板Wは搬送ロボットTR4によって基板載置部PASS8に載置される。
基板載置部PASS8に基板Wが載置されると、現像処理セルC4の搬送ロボットTR3がその基板Wを受け取って現像処理ユニットSD1〜SD5のいずれかに搬送する。現像処理ユニットSD1〜SD5では、基板Wに現像液を供給して現像処理を進行させる。やがて現像処理が終了した後、基板Wは搬送ロボットTR3によってホットプレートHP7〜HP11のいずれかに搬送され、さらにその後クールプレートCP10〜CP12のいずれかに搬送される。
その後、基板Wは搬送ロボットTR3によって基板載置部PASS6に載置される。基板載置部PASS6に載置された基板Wは、レジスト塗布セルC3の搬送ロボットTR2によってそのまま基板載置部PASS4に載置される。さらに、基板載置部PASS4に載置された基板Wは、バークセルC2の搬送ロボットTR1によってそのまま基板載置部PASS2に載置される。基板載置部PASS2に載置された処理済みの基板WはインデクサセルC1の基板移載機構12によって所定のキャリアCに収納される。このようにして一連の処理が完了する。
本実施形態では、3階層の制御システムとすることによって各コントローラの制御負荷を分散して軽減している。すなわち、メインコントローラMCは中間コントローラたるセルコントローラCCのみに対して信号の送受信を行ってセルコントローラCCのみを管理し、ユニットコントローラUCを直接には管理しない。そして、ユニットコントローラUCはセルコントローラCCによって管理している。また、上述したような一連の基板搬送は、セルコントローラCCが対応するセル内の搬送ロボットの搬送動作を管理することによって実行されるものであり、メインコントローラMCが装置全体の基板搬送を管理するものではない。さらに、各セルコントローラCCは、隣接するセル内での搬送スケジュールを考慮することなく、それぞれのセル内だけの基板搬送スケジュールを管理しているため、装置全体の構成が大きくなっても各セルコントローラCCの搬送制御の負担が増加することはない。このため、各コントローラの負担が過度に増大することが抑制され、処理部や搬送ロボットを安定して的確に制御することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、本発明に係る基板処理装置の構成は図1から図4に示したような形態に限定されるものではなく、必要に応じて検査ユニットを搭載した検査ブロックを組み入れたり、或いはインデクサブロック1、バークブロック2およびレジスト塗布ブロック3だけによって構成するようにしても良い。このように装置構成を変化させたとしても、各セルコントローラCCは、対応するセル内のみを管理すれば良いため負担が大幅に変化することが無い。その結果、装置構成を容易に変化させることができる。