JP2010086843A - 電池温度調節装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】拘束部材と接する電池セルの熱引けを防ぎ、全ての電池セルを適切に暖機することが可能な電池温度調節装置を提供する。
【解決手段】電池温度調節装置は、収納ケースと、電池セルと、拘束部材と、加熱部とを備える。収納ケース内には複数の電池セルが並べられている。拘束部材は、電池セルを収納ケース内に固定する。そして、拘束部材と電池セルとの間には加熱部が設けられる。拘束プレートに隣接する電池セルは、拘束プレートに熱を奪われやすく、熱引けが発生する。従って、電池温度調節装置は、加熱部を駆動させることで、拘束プレートに起因した電池セルの熱引けを防ぎ、拘束プレートに隣接する電池セルを暖機する。
【選択図】図2

Description

本発明は、温度調節媒体により電池の温度を調節する技術分野に関する。
従来から、直列接続された電池セルの温度を調節する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、電池温度調整装置において、外端部の電熱線の密度を中央部の電熱線の密度よりも高くし、外端部に対する加熱能力を上げる技術が開示されている。また、特許文献2には、内部にヒートパイプが配設された電池パックが記載されている。
特開平06−283215号公報 特開2001−297741号公報
電池セルを収納するケースには、電池セルを固定するための部材(拘束部材)が設置される。そして、拘束部材に近い電池セルは、拘束部材に熱を奪われるため、低温になりやすく(以下、これを「熱引け」と呼ぶ。)、暖機時でも昇温が遅い。しかしながら、特許文献1及び特許文献2には、上述の問題は、何ら検討されていない。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、拘束部材に起因した電池セルの熱引けを防ぎ、全ての電池セルを適切に暖機することが可能な電池温度調節装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、電池温度調節装置は、収納ケースと、前記収納ケース内に並べられた複数の電池セルと、前記電池セルを前記収納ケース内に固定する拘束部材と、前記拘束部材と当該拘束部材に隣接する電池セルとの間に設けられた加熱部と、を備える。
上記の電池温度調節装置は、ハイブリッド車両や電気自動車などに好適に適用される。電池温度調節装置は、収納ケースと、電池セルと、拘束部材と、加熱部とを備える。収納ケース内には複数の電池セルが並べられている。拘束部材は、電池セルを収納ケース内に固定する。そして、拘束部材と電池セルとの間には加熱部が設けられる。加熱部は、例えば抵抗加熱ヒータなどが該当する。電池温度調節装置は、加熱部を駆動することで、拘束部材に隣接する電池セルの暖機を実行する。一般的に、拘束プレートに隣接する電池セルは、拘束プレートに熱を奪われやすく、熱引けが発生する。従って、電池温度調節装置は、拘束部材とこれに隣接する電池セルとの間に加熱部を設置し、加熱部を駆動させることで、拘束プレートに起因した電池セルの熱引けを防ぐ。これにより、電池温度調節装置は、低温になりやすい電池セルを積極的に暖機することができる。
上記の電池温度調節装置の一態様では、前記収納ケース内に温度調節媒体を流入させる第1の暖機手段と、前記加熱部を駆動させる第2の暖機手段と、をさらに備える。この態様では、電池温度調節装置は、第1及び第2の暖機手段を有する。第1及び第2の暖機手段は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)である。第1の暖機手段は、収納ケース内に温度調節媒体を流入させる。温度調節媒体は、例えば車両の客室等の暖機された空気が該当し、その他水などの流体が該当する。従って、第1の暖機手段は、例えば、ブロアなどを駆動することによって、暖かい空気を収納ケース内へ送り込む。第2の暖機手段は、例えば、加熱部に制御信号を送信することにより、加熱部を駆動させる。このようにすることで、電池温度調節装置は、温度調節媒体により全ての電池セルを暖機しつつ、加熱部により拘束部材に隣接する電池セルを暖機する。これにより、電池温度調節装置は、拘束部材に起因した熱引けを防ぐことができ、かつ全ての電池セルを暖機することができる。
上記の電池温度調節装置の他の一態様では、前記第2の暖機手段は、前記加熱部による暖機をした場合の方が、前記加熱部による暖機をしない場合よりもエネルギー効率がよいときに、前記加熱部を駆動させる。一般に、電池セルが直列接続されている場合、低温な電池セルが存在すると、電池セル全体の入出力性能が低下する。従って、電池温度調節装置を搭載した車両は、低温な電池セルを使用することにより、エネルギー効率が低下する。即ち、エネルギー消費が増える。一方、加熱部が電気ヒータ等の場合、電池温度調節装置は、加熱部を駆動させる場合でも、所定量のエネルギー消費が伴う。従って、第2の暖機手段は、これらのエネルギー効率を比較し、加熱部による暖機をした場合の方が、加熱部による暖機をしない場合よりもエネルギー効率がよいときに、加熱部を駆動させる。このようにすることで、電池温度調節装置は、車両全体のエネルギー効率を考慮した電池セルの暖機を実行することができる。
上記の電池温度調節装置の他の一態様では、前記第2の暖機手段は、前記加熱部による暖機をした場合の燃料消費量の予測値が、前記加熱部による暖機に起因して改善する燃料消費量の予測値より小さい場合に、前記エネルギー効率がよいと判断する。この態様では、第2の暖機手段は、燃費を基準として上述のエネルギー効率を比較する。これにより、第2の暖機手段は、加熱部による暖機をした場合としない場合とのいずれが、エネルギー効率が良いかを判定することができる。
上記の電池温度調節装置の他の一態様では、前記第2の暖機手段は、前記加熱部による暖機をした場合の消費電力の予測値が、前記加熱部による暖機に起因して改善する消費電力の予測値より小さい場合に、前記エネルギー効率がよいと判断する。この態様では、第2の暖機手段は、消費電力を基準として上述のエネルギー効率を比較する。これによっても、第2の暖機手段は、加熱部による暖機をした場合としない場合とのいずれが、エネルギー効率が良いかを判定することができる。
上記の電池温度調節装置の他の一態様では、前記加熱部と当該加熱部に隣接する拘束部材との間に設けられた断熱材をさらに備える。これにより、加熱部で発生した熱が拘束部材によって奪われない。従って、電池温度調節装置は、加熱部により、電池セルを効率よく暖機することができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
(全体構成)
図1は、第1実施形態に係る電池温度調節装置100の概略構成図を示す。なお、図中の実線矢印は空気の流れを示し、破線矢印は信号の入出力を示している。
電池温度調節装置100は、主に、吸入通路1と、ブロア2と、電池3と、電池温度センサ4と、収納ケース5と、排気通路6と、キャビン温度センサ7と、ECU10と、を備える。電池温度調節装置100は、例えば、ハイブリッド車両(HV車)や電気自動車(EV車)などに搭載される。
ブロア2は、キャビン(車室)の空気を吸入通路1から吸入して、当該空気を電池3に対して送風可能に構成されている。ブロア2は、ECU10から供給される制御信号S1によって動作などが制御される。電池3は、二次電池などで構成され、車両内の構成要素における電源として機能する。電池3は、後述するように、直列接続された複数の電池セルからなる。電池温度センサ4は、電池3の温度(以後、「電池温度Tb」と呼ぶ。)を検出可能に構成されたセンサであり、検出した電池温度に対応する検出信号S2をECU10に供給する。電池温度センサ4は、例えば、電池温度Tbとして、各電池セルの温度を検出する。この場合、例えば、各電池セルごとにセンサが設置される。
収納ケース5は、電池3を収納するためのケースである。収納ケース5は、吸入通路1と、排気通路6とに接続する。吸入通路1上には、ブロア2が設置されている。吸入通路1は、ブロア2の駆動により発生した風(以後、「ブロア風」と呼ぶ。)を収納ケース5内に送る。排気通路6は、電池3を暖機または冷却したブロア風を収納ケース5外へ排出する。
キャビン温度センサ5は、キャビンの空気の温度(以下、単に「キャビン温度Tc」と呼ぶ。)を検出可能に構成されたセンサであり、検出したキャビン温度に対応する検出信号S3をECU10に供給する。
ECU10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などを備えて構成され、主に、キャビンの空気を電池3に送風することで電池3の暖機が行われるように、ブロア2に対して制御を行う(即ち、ブロア2に対して制御信号S1を供給する)。この場合、ECU10は、一例として、電池温度センサ4から供給される検出信号S2及びキャビン温度センサ7から供給される検出信号S3に基づいて、ブロア2を駆動させる。従って、ECU10は、本発明における第1の加熱手段の一例である。また、後述するように、ECU10は、収納ケース内に配置されたヒータを駆動し、特定の電池セルを暖機する。従って、ECU10は、本発明における第2の加熱手段の一例である。
(収納ケース内の構成)
次に、収納ケース5内の構成について具体的に説明する。図2は、収納ケース5内の構成を示した図の一例である。図2に示すように、収納ケース5内には、電池セル3a乃至3kと、拘束プレート12x、12yと、ヒータ20x、20yと、が存在する。矢印は空気の流れを示す。
電池3は、電池セル3a乃至3kからなる。電池セル3a乃至3kは、直列接続されており、収納ケース5内にブロア風が吸入通路1から流入する向きと交差する向きに所定の間隔で並べられている。具体的には、電池セルが並ぶ方向と、ブロア風の風向き(流動方向)とは垂直である。以後、電池セルのうち、両端に配列された電池セル(ここでは、電池セル3a、3k)を、「端セル」と呼ぶ。
電池セル3a乃至3kの間には、空気が流通可能な流路9ab乃至9jkが形成される。例えば、電池セル3aと電池セル3bとの間には、流路9abが形成され、電池セル3bと電池セル3cとの間には流路9bcが形成される。
拘束プレート12x、12yは、電池セル3a乃至3kの位置を固定する部材である。拘束プレート12x、12yは、収納ケース5内で固定されている。拘束プレート12xは、ヒータ20xを介して端セル3aに隣接する。即ち、拘束プレート12xは、電池セル3a乃至3kのうち、端セル3aと最も近い位置に存在する。拘束プレート12yは、ヒータ20yを介して端セル3kと隣接する。拘束プレート12xと拘束プレート12yとは、図2に図示しない金属性のバンド等により電池3及びヒータ20x、20yを挟みこむように固定する。この形態の具体例について図3を用いて説明する。図3は、収納ケース5内を、図2の矢印90の方向から見た斜視図の一例である。図3に示すように、電池セル3a乃至3kは、2つの拘束プレート12x、12yの間に挟み込まれるように金属バンド12aによって固定されている。言い換えると、金属バンド12aは、拘束プレート12x、12yとヒータ20x、20yと電池セル3a乃至3kとを一括りにして縛るように、これらの外周に巻きついている。なお、拘束プレート12x及び12yは、本発明における拘束部材の一例である。
ヒータ20x、20yは、熱を発生させることで電池3の暖機を行う。ヒータ20x、20yは、例えば電気により熱が発生する抵抗加熱ヒータやフィルム状のPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータである。具体的には、ヒータ20xは、拘束プレート12xと端セル3aとに挟まれる位置に配置され、隣接する端セル3aを加熱する。ヒータ20yは、拘束プレート12yと電池セル3kとに挟まれる位置に配置され、隣接する電池セル3kを加熱する。ヒータ20xとヒータ20yは、それぞれECU10と電気的に接続し、ECU10からの制御信号に基づき駆動し、熱を発生させる。ヒータ20x、20yは、本発明における加熱部の一例である。
(ECUの暖機制御)
次に、ECU10が行う電池3の暖機制御について説明する。ECU10の暖機制御は、ブロア2により電池3の暖機を行う場合と、ヒータ20x、20yにより電池3の暖機を行う場合の2通り存在する。
まず、ブロア2を用いた電池3の暖機制御について説明する。ECU10は、例えば、電池温度センサ4から電池温度Tbを検出し、電池3が所定の目標温度(以後、「暖機目標温度To」と呼ぶ。)に達しているか否か、即ち、電池3を暖機する必要があるか否か判定するとともに、キャビン温度センサ7からキャビン温度Tcを検出し、キャビンの空気により電池3を暖機可能か否か判定する。暖機目標温度Toは、例えば、電池3の入出力性能が最大付近となる電池セルの温度にする。そして、電池3を暖機する必要があると判断し、かつ、例えばキャビン温度Tcが電池温度Tbより高く、キャビンの空気により電池3を暖機可能と判断した場合、ECU10は、ブロア2に対し制御信号S1を送信し、ブロア2を駆動させる。これにより、ブロア2のプロペラが回転し、吸入通路1から排気通路6へのブロア風が発生する。また、吸入通路1はキャビンと接続しているため、ECU10は、エアコンなどにより暖機されたキャビンの空気をブロア風として収納プレート5内へ送ることができる。そして、ブロア風は、流路9ab乃至流路9jkを通過する過程で、電池セル3a乃至3kと接触し、電池セル3a乃至3kを加熱する。従って、ECU10は、ブロア2を駆動させることにより、電池セル3a乃至3kを暖機することができる。
次に、ヒータ20x、20yを用いた電池3の暖機制御について説明する。ECU10は、例えば、電池温度センサ4から電池温度Tbを検出し、電池3が暖機目標温度Toに達しているか否か判定する。このとき、ECU10は、電池温度Tbとして、端セル3a、3kの温度を用いるのが好ましい。そして、ECU10は、電池温度Tbが暖機目標温度Toに達していない場合、ECU10は、ヒータ20x、20yを駆動させて電池3を暖機させた場合と、ヒータ20x、20yを駆動させない場合とのどちらがエネルギー効率がよいか判断する。この判断方法については後述する。そして、ECU10は、ヒータ20x、20yを駆動させて電池3を暖機した方がエネルギー効率がよいと判断した場合、ECU10は、ヒータ20xとヒータ20yとに対しそれぞれ制御信号を送信し、ヒータ20x、20yを駆動させる。これにより、ヒータ20xに発生した熱で端セル3aが暖機され、ヒータ20yに発生した熱で端セル3kが暖機される。また、ヒータ20xとヒータ20yの熱で収納ケース5内の空気が暖機され、間接的に他の電池セル3b乃至3jも暖機される。
ここで、ヒータ20x、20yを用いて電池3を暖機することの効果について補足する。電池セル3a乃至3kのうち拘束プレート12xに最も近い端セル3aは、拘束プレート12xに熱を奪われやすい。同様に、電池セル3a乃至3kのうち拘束プレート12yに最も近い端セル3kは、拘束プレート12yに熱を奪われやすい。これに対し、ヒータ20xは、拘束プレート12xと端セル3aとの間に介在することで、拘束プレート12xと端セル3aが密着するのを防いでいる。さらに、ヒータ20xは、駆動することで熱を発生し、端セル3aを加熱する。これにより、電池温度調節装置100は、端セル3aの拘束プレート12xによる熱引けを抑制し、かつ端セル3aを暖機することができる。同様に、ヒータ20yは、拘束プレート12yと電池セル3kとが密着するのを防ぐとともに、熱を発生させることにより電池セル3kを加熱する。これにより、電池温度調節装置100は、端セル3kの拘束プレート12yによる熱引けを抑制し、かつ端セル3kを暖機することができる。従って、以上のようにヒータ20x、20yを設置することで、電池温度調節装置100は、特に低温な端セル3a、3bをヒータ20x、20yにより暖機することができる。
ここで、ヒータ20x、20yを用いて電池3を暖機することの効果についてデータを用いてさらに補足する。図4は、配列順に番号付けされた28個の電池セルに対する電池セルの番号(セル番号)と電池セルの温度(セル温度)との関係を示す。図4において、実線70xは、拘束プレートと端セルとの間にヒータを設置していない場合(以後、「比較例」と呼ぶ。)におけるセル番号とセル温度との関係(グラフ)を示し、破線70yは、本実施形態と同様にヒータを拘束プレートと端セルとの間に介在させた場合におけるセル番号とセル温度とのグラフを示す。なお、図4では、セル番号1とセル番号28とが端セルに該当する。図4に示すように、比較例では、セル番号1乃至3の電池セルやセル番号26乃至28の電池セルなどの両端付近の電池セルの昇温は、中央付近の他の電池セルの昇温に比べ遅い。特に、端セルは、拘束プレートによる熱引け等に起因して温度が最も低くなっている。これに対し、本実施形態と同様にヒータを拘束プレートと端セルとの間に介在させた場合、破線70xに示すように、両端付近の電池セルの温度は、中央付近の電池セルの温度とほぼ同じである。一般的に、直列接続された電池セルの低温時での入出力性能(充電及び放電の性能)は、各電池セルの温度のうちの最低温度(以後、「電池セルの最低温度」と呼ぶ。)に影響を受ける。従って、電池温度調節装置100は、ヒータ20x、20yを設置することで、電池セルの最低温度を効率的に昇温させ、電池セルの入出力性能を向上させることができる。
次に、ECU10がヒータ20x、20yを駆動するか否かの判断方法について詳細する。上述したように、電池温度調節装置100は、電池セルの最低温度が低い場合、ヒータ20x、20yを駆動させることで、電池3を暖機し、電池セルの最低温度を昇温させることができる。その結果、電池3の入出力性能が向上するため、電池温度調節装置100を搭載する車両(以後、「搭載車両」と呼ぶ。)は、例えばハイブリッド車両であればEV走行がより長い時間できたり、回生エネルギーを増やすことができる。結果として、搭載車両は、燃料消費量を抑えて燃費を向上させることができる。以後、ヒータ20x、20yにより電池3を暖機することで、即ち電池3の入出力性能を向上させることで抑制される所定時間あたりの燃料消費量(燃費)を、以後「第1の燃料」と呼ぶ。
一方、電池温度調節装置100は、ヒータ20x、20yを駆動させる場合に電力を消費する。言い換えると、搭載車両は、ヒータ20x、20yに電力を消費することに起因して、その分EV走行を行う距離が減るなどにより、間接的に燃料消費量が増える。以後、ヒータ20x、20yが電池3の暖機に費やす消費電力の燃料相当分を、「第2の燃料」と呼ぶ。
そこで、ECU10は、ヒータ20x、20yを駆動させるか否かを判断するにあたり、第1の燃料の予測値(以後、「第1の予測値」と呼ぶ。)と、第2の燃料の予測値(以後、「第2の予測値」と呼ぶ。)とを算出する。ここで、第1及び第2の予測値の算出方法の一例を説明する。まず、第1の予測値の算出方法の一例を説明する。例えば、電池セルが低温状態の搭載車両を走行させた場合の燃費(以後、単に「低温時の燃費」と呼ぶ。)と、電池温度Tbを暖機目標温度To以上にして電池3を暖機した上で搭載車両を走行させた場合の燃費(以後、「暖機時の燃費」と呼ぶ。)と、を実験等により予め求めておく。低温時の燃費は、例えば、想定される電池セルの最低温度ごとに求めておく。そして、ECU10は、低温時の燃費と暖機時の燃費との情報をメモリに予め保存しておく。そして、ECU10は、ヒータ20x、20yを駆動させるか否かの判断時において、暖機時の燃費と電池セルの最低温度に対応する低温時の燃費とをメモリから抽出し、その差分値を第1の予測値とする。
次に、第2の予測値の算出方法の一例を説明する。まず、ヒータ20x、20yにより、低温状態の電池セルを暖機目標温度Toまで暖機するのに費やす消費電力を実験または理論的に予め求める。この消費電力は、想定される電池セルの最低温度ごとに求めておく。そして、求めた消費電力を理論的にまたは実験により燃料相当分に換算し、ECU10は、燃料相当分をメモリに予め保持しておく。そして、ECU10は、ヒータ20x、20yを駆動させるか否かの判断時において、電池セルの最低温度に対応する燃料相当分の値をメモリから検出し、それを第2の予測値とする。
そして、ECU10は、第1の予測値と第2の予測値とを比較し、第1の予測値が第2の予測値よりも大きければ、ヒータ20x、20yを駆動させる。これにより、ECU10は、搭載車両のエネルギー効率を向上させることができる。即ち、ヒータ20x、20yを駆動することで消費する第2の燃料よりも、電池3を暖機することにより改善する第1の燃料が大きい場合、ヒータ20x、20yを駆動させた方が、搭載車両のエネルギー効率がよくなる。従って、ECU10は、搭載車両全体のエネルギー効率を考慮し、第1の予測値が第2の予測値より大きい場合、ヒータ20x、20yを駆動させる。
一方、ECU10は、第1の予測値が第2の予測値以下の場合には、ヒータ20x、20yを駆動させない。これにより、ECU10は、ヒータ20x、20yを駆動させることによるエネルギー効率の悪化を防ぐ。即ち、電池3を暖機することにより改善する第1の燃料がヒータ20x、20yを駆動することで消費する第2の燃料以下の場合、ECU10は、ヒータ20x、20yを駆動させても、燃費を向上させることはできず、エネルギー効率が向上しない、または悪化する。従って、ECU10は、第1の予測値が第2の予測値と同じか小さい場合、燃費を考慮し、ヒータ20x、20yを駆動させない。
なお、上述の説明では、ECU10は、エネルギー効率を比較する基準として燃料(燃費)を用いていたが、これに限らず、例えば燃費に代えて電力を用いてもよい。この場合、ECU10は、電池3の入出力性能を向上させることで抑制される電力の予測値を第1の予測値とし、電池3を暖機するのに要するヒータ20x、20yの消費電力の予測値を第2の予測値としてそれぞれ求める。これらの電力の予測値は、燃費の予測値と同様に、電池セルの最低温度ごとに実験的に求めておく。そして、ECU10は、これらの電力の予測値の大小を判定することにより、エネルギー効率を比較する。その他、ECU10は、エネルギー効率の基準となる尺度に統一して第1及び第2の予測値を算出してもよい。いずれを単位として第1及び第2の予測値を算出した場合であっても、ECU10は、エネルギー効率が向上すると判断した場合に、即ち、第1の予測値が第2の予測値よりも大きい場合に、ヒータ20x、20yを駆動させる。
(処理フロー)
次に、フローチャートを用いて第1実施形態に係る処理の手順について説明する。図5は、ECU10が行う制御の処理手順を表すフローチャートである。この処理は、ECU10によって所定の間隔に従い繰り返し実行される。なお、以後において、ECU10がブロア2を駆動させる、または駆動状態を継続させることを「ブロア2をONにする」と表現し、ECU10がブロア2を停止させる、または停止状態を継続させることを「ブロア2をOFFにする」と表現する。同様に、ECU10がヒータ20x、20yを駆動させる、または駆動状態を継続させることを「ヒータ20x、20yをONにする」と表現し、ECU10がヒータ20x、20yを停止させる、または停止状態を継続させることを「ヒータ20x、20yをOFFにする」と表現する。
まず、ECU10は、電池温度Tb及びキャビン温度Tcを取得する(ステップS1)。具体的には、ECU10は、電池温度センサ4から送信される検出信号S2に基づき電池温度Tbを取得し、キャビン温度センサ7から送信される検出信号S3に基づきキャビン温度Tcを取得する。ECU10は、電池温度Tbとして、例えば、電池セルの最低温度を用いる。
次に、ECU10は、電池温度Tbがキャビン温度Tcよりも小さいか否か判断する(ステップS2)。そして、電池温度Tbがキャビン温度Tc以上であると判定した場合(ステップS2;No)、ECU10は、ブロア2をOFFにし、ヒータ20x、20yをOFFにする(ステップS3)。電池温度Tbがキャビン温度Tc以上の場合、ECU10は、ブロア2を駆動させてブロア風を収納ケース5内に送っても、ブロア風によって電池3を暖機することはできない。また、キャビン温度Tcが電池温度Tb以上の場合、ECU10は、電池3が暖機目標温度Toに十分に達しているとみなす。従って、ECU10は、ステップS3に示すように、ブロア2及びヒータ20x、20yを駆動しない。
一方、電池温度Tbがキャビン温度Tcよりも小さい場合(ステップS2;Yes)、ECU10は、次に電池温度Tbが暖機目標温度Toよりも小さいか否か判定する(ステップS4)。そして、電池温度Tbが暖機目標温度To以上の場合(ステップS4;No)、ECU10は、電池3が十分に暖機されており、電池3を加熱する必要がないと判断し、ブロア2をOFFにし、ヒータ20x、20yをOFFにする(ステップS3)。
次に、ECU10は、ブロア2をONにする許可があるか否か判断する(ステップS5)。例えば、ECU10は、メモリ等に保存されたフラグ等を参照し、暖機以外の処理等に起因してブロア2の駆動が禁止されていないか否か判断する。そして、ブロア2をONにする許可がないと判断した場合(ステップS5;No)、ECU10は、ブロア2をOFFにするとともに、ヒータ20x、20yをOFFにする(ステップS3)。
一方、ブロア2をONにする許可があると判断した場合(ステップS5;Yes)、ECU10は、第1の予測値及び第2の予測値をそれぞれ算出する(ステップS6)。第1の予測値と第2の予測値との算出方法の一例は、上述した通り、電池温度Tbに基づき電池温度Tbと燃費とのマップをメモリから参照することで算出する。
そして、ECU10は、第1の予測値が第2の予測値よりも大きいか否か判定する(ステップS7)。そして、第1の予測値が第2の予測値よりも大きい場合(ステップS7;Yes)、ECU10は、ブロア2をONにするとともに、ヒータ20x、20yをONにする(ステップS8)。即ち、ECU10は、電池温度Tbがキャビン温度Tc及び暖機目標温度Toより小さく、かつブロア2をONにする許可があることから、ブロア2をONにする。さらに、ECU10は、第1の予測値が第2の予測値よりも大きいことから、ヒータ20x、20yさせた方が、ヒータ20x、20yを駆動させない場合よりもエネルギー効率が向上すると判断し、ヒータ20x、20yをONにする。これにより、ECU10は、電池3を暖機し、電池3の入出力性能を向上させ、結果として搭載車両の燃費を向上させることができる。
一方、第1の予測値が第2の予測値以下の場合(ステップS7;No)、ECU10は、ブロア2のみをONにし、ヒータ20x、20yをOFFにする(ステップS9)。即ち、この場合、ECU10は、電池温度Tbがキャビン温度Tc及び暖機目標温度Toより小さく、かつブロア2をONにする許可があることから、ブロア2をONにする。一方、ECU10は、ヒータ20x、20yを駆動させることで、却って搭載車両の燃費が悪化すると判断し、ヒータ20x、20yについては駆動させない。従って、この場合、電池温度調節装置100は、キャビンの空気を利用して、ブロア風を収納ケース5内に流すことで、電池3の暖機を実行する。これにより、電池温度調節装置100は、ヒータ20x、20yの駆動に起因した搭載車両の燃費の悪化を防ぐことができる。
なお、ステップS2において、電池温度Tbがキャビン温度Tc以上と判断した場合、ECU10は、ブロア2をOFFにし、ヒータ20x、20yをOFFにした。しかし、これに代えて、ECU10は、電池温度Tbがキャビン温度Tc以上と判断した場合であっても、電池温度Tbが暖機目標温度Toより小さければ、ヒータ20x、20yをONにしてもよい。同様に、ステップS5において、ブロア2をONにする許可がないと判断した場合であっても、ECU10は、ヒータ20x、20yをONにしてもよい。これにより、ECU10は、端セル3a、3kをヒータ20x、20yで加熱できる。また、収納ケース5内の空気がヒータ20x、20yにより加熱されることで、間接的に端セル3a、3k以外の電池セルも加熱される。ただし、この場合であっても、ECU10は、第1及び第2の予測値を算出し、第1の予測値が第2の予測値よりも大きいと判断したときのみヒータ20x、20yをONにするのが好ましい。
(変形例)
上述の実施形態では、電池温度調節装置100は、キャビンの空気を利用してブロア2により電池3を暖機する風を生成していた。しかし、本発明が適用可能な構成はこれに限らず、これに代わり、電池温度調節装置100は、液体などの流体により電池3を暖機してもよい。この場合、ブロア2の代わりにポンプ等が設置される。なお、この変形例は、以後の実施形態においても適用可能である。
[第2実施形態]
上述の実施形態では、拘束プレート12x、12yは、端セル3a、3kに隣接し、電池セルが並ぶ方向から電池3を挟み込むように固定していた。しかし、本発明が適用可能な電池温度調節装置100の構成はこれに限定されず、これに代えて、またはこれに加えて、拘束プレートは、端セル3a、3k以外の電池セルに隣接していてもよい。この場合であっても、電池温度調節装置100は、拘束プレートと、それに隣在する電池セルとの間にヒータを介在させることで、拘束プレートに起因した電池3の熱引けを防止する。
図6(a)は、拘束プレートが電池セルの両端と中央に設置された場合における収納ケース5内の上面図の一例を示す。図6(a)では、拘束プレート12xは、端セル3aと収納ケース5の内壁との間に設置され、ヒータ20xを介して端セル3aと隣在する。拘束プレート12yは、端セル3kと収納ケース5の内壁との間に設置され、ヒータ20yを介して端セル3kと隣接する。そして、拘束プレート12zは、中央付近に配置された電池セル3eと電池セル3fとの間に設置され、ヒータ20vを介して電池セル3eと隣在するとともに、ヒータ20wを介して電池セル3fと隣接する。
このように、ヒータ20x、20y、20v、20wを夫々設置することで、電池温度調節装置100は、拘束プレート12x乃至12zに起因した電池セルの熱引けを防ぐことができる。即ち、ヒータ20x、20y、20v、20wは、拘束プレート12x乃至12zとこれに隣接する電池セル3e、3fとが密着するのを防いでいる。さらに、ECU10の制御に基づき駆動することで、ヒータ20x、20y、20v、20wは、電池セル3e、3fを加熱することができる。以上のように、拘束プレート12zが電池セル間にさらに設置された場合であっても、電池温度調節装置100は、拘束プレート12zに起因した熱引けを防ぐことができる。
図6(b)は、電池3を四方から囲むように拘束プレートが設置された場合における収納ケース5内の上面図の一例を示す。図6(b)では、拘束プレート12x、12yは、図6(a)に示す拘束プレート12x、12yと同一位置に配置されている。拘束プレート12xxは、電池3と排気通路6との間に設置され、排気通路6と対向する電池セル3e、3fの側面に沿うように設置される。拘束プレート12yyは、電池3と吸入通路1との間に設置され、吸入通路1と対向する電池セル3e、3fの側面に沿うように設置される。即ち、拘束プレート12xxと拘束プレート12yyとは、電池セル3a乃至3kが並ぶ方向と垂直方向から電池セル3e、3fを挟む位置に配置されている。ヒータ20xxは、拘束プレート12xxと電池セル3e、3fとの間に設置されている。ヒータ20yyは、拘束プレート12yyと電池セル3e、3fとの間に設置されている。
このように、ヒータ20x、20y、20xx、20yyを夫々設置することで、電池温度調節装置100は、拘束プレート12x、12y、12xx、12yyに起因した電池セルの熱引けを防ぐことができる。即ち、ヒータ20x、20y、20xx、20yyは、拘束プレート12x、12y、12xx、12yyとこれに隣接する電池セル3e、3fとが密着するのを防いでいる。さらに、ECU10の制御に基づき駆動することで、ヒータ20x、20y、20v、20wは、これらに隣接する電池セル3e、3fを加熱することができる。以上のように、電池3を囲むように拘束プレート12x、12y、12xx、12yyが設置された場合であっても、電池温度調節装置100は、拘束プレート12x、12y、12xx、12yyに起因した熱引けを防ぐことができる。
なお、第2実施形態に係るECU10の制御は、図5に示すフローチャートと同一であるため省略する。
[第3実施形態]
上述の実施形態では、電池温度調節装置100は、拘束プレートと電池セルとの間にヒータを設置し、当該ヒータを駆動させることで、拘束プレートに起因する熱引けを防止していた。一方、本実施形態では、ヒータに代えて断熱材を拘束プレートと電池セルとの間に介在させることによって、電池温度調節装置100は、拘束部材に起因する電池セルの熱引けを防ぐ。
図7(a)は、第3実施形態に係る収納ケース5内の上面図の一例である。図7(a)に示すように、第3実施形態において、電池温度調節装置100は、断熱材30x、30yを備える。断熱材30xは、拘束プレート12xとこれに隣接する電池セル3aとの間に配置される。断熱材30yは、拘束プレート12yとこれに隣接する電池セル3kとの間に配置される。断熱材30x、30yは、例えば真空断熱材や発泡材である。
電池セル3aと拘束プレート12xとの間に断熱材30xを介在させることで、電池セル3aと拘束プレート12xとは密着しない。また、断熱材30xは、電池セル3aから拘束プレート12xへの熱の伝導を遮断する。従って、電池温度調節装置100は、拘束プレート12xに起因した電池セル3aの熱引けを防ぐことができる。同様に、電池セル3kと拘束プレート12yとの間に断熱材30yを介在させることで、電池セル3kと拘束プレート12yとは密着しない。また、断熱材30yは、電池セル3kから拘束プレート12yへの熱の伝導を遮断する。従って、電池温度調節装置100は、拘束プレート12yに起因した電池セル3kの熱引けを防ぐことができる。
以上のように、第3実施形態に係る電池温度調節装置100は、ヒータに代えて断熱材を拘束プレートと電池セルとの間にそれぞれ配置することで、電力を使用することなく拘束プレートに起因した電池3の熱引けを防ぐ。なお、第3実施形態は、第2実施形態にも適用することができる。即ち、拘束プレート12x、12yに代えて、または加えて別個の拘束プレートが設置された場合であっても、電池温度調節装置100は、拘束プレートとこれに隣接する電池セルとの間に、断熱材が設置される。
[第4実施形態]
第1乃至第3実施形態では、電池温度調節装置100は、ヒータまたは断熱材のいずれか一方を電池セルと拘束プレートとの間に介在させることで、拘束プレートに起因した電池セルの熱引けを防止し、電池セルの暖機を実行していた。これに対し、第4実施形態に係る電池温度調節装置100では、拘束プレートとこれに隣接する電池セルとの間に断熱材を設置し、さらに断熱材と電池セルとの間にヒータを設置する。これにより、電池温度調節装置100は、ヒータの消費電力を低減しつつ、電池セルを暖機する。
図7(b)は、第4実施形態に係る収納ケース5内の上面図の一例である。図7(b)に示すように、第4実施形態に係る電池温度調節装置100は、ヒータ20x、20yと、断熱材30x、30yと、を備える。ヒータ20x及び断熱材30xは、拘束プレート12xと拘束プレート12xに隣接する電池セル3aとの間に設置される。具体的には、ヒータ20xは、断熱材30xと電池セル3aとに対し、挟まれるようにして隣接する。断熱材30xは、拘束プレート12xとヒータ20xとに対し、挟まれるようにして隣接する。同様にして、ヒータ20y及び断熱材30yは、拘束プレート12yと拘束プレート12yに隣接する電池セル3kとの間に設置される。具体的には、ヒータ20yは、断熱材30yと電池セル3kとに対し、挟まれるようにして隣接する。断熱材30yは、拘束プレート12yとヒータ20yとに対し、挟まれるようにして隣接する。
拘束プレート12xとヒータ20xとの間に断熱材30xを介在させることで、拘束プレート12xとヒータ20xとは密着しない。また、断熱材30xは、ヒータ20xから拘束プレート12xへの熱の伝導を遮断する。従って、電池温度調節装置100は、ヒータ20xで発生する熱が拘束プレート12xに奪われないため、ヒータ20xで発生する熱を効率良く電池セルの暖機に充てることができる。同様に、拘束プレート12yとヒータ20yとの間に断熱材30yを介在させることで、拘束プレート12yとヒータ20yとは密着しない。また、断熱材30yは、ヒータ20yから拘束プレート12yへの熱の伝導を遮断する。従って、電池温度調節装置100は、ヒータ20yで発生する熱が拘束プレート12yに奪われないため、ヒータ20yで発生する熱を効率良く電池セルの暖機に充てることができる。
以上のように、第4実施形態に係る電池温度調節装置100は、拘束プレートとこれに隣接する電池セルとの間に断熱材を設置し、さらに断熱材と電池セルとの間にヒータを設置することで、ヒータの消費電力を低減することができる。なお、第4実施形態は、第2実施形態にも適用することができる。即ち、拘束プレート12x、12yに代えて、または加えて別個の拘束プレートが設置された場合であっても、拘束プレートとこれに隣接する電池セルとの間に、断熱材とヒータを設置する。この場合であっても、断熱材は拘束プレートと隣接し、ヒータは電池セルと隣接する。
[第5実施形態]
上述の実施形態では、電池温度調節装置100は、断熱材またはヒータの少なくとも一方を拘束プレートと電池セルとの間に設置することで、拘束プレートに隣接する電池セルの熱引けを防いだ。これに対し、第5実施形態に係る電池温度調節装置100は、金属やヒートパイプなどの伝熱体を複数の電池セルと接するように収納ケース5内に設置することで、これらの電池セルの温度を均一化する。これにより、電池温度調節装置100は、電池セルの最低温度を上昇させる。
図8(a)は、全ての電池セルに接するように1つの伝熱体が配置された場合における収納ケース5内の上面図の一例を示す。図8(a)では、伝熱体40が、電池セル3a乃至3kの全ての上面に接するように、電池セル3a乃至3kに跨って設置されている。伝熱体40は、例えば矩形の金属、ヒートパイプ等であり、電池セルの熱を他の電池セルへ伝導可能な伝熱体である。
図8(a)では、電池セル3a乃至3kは互いに伝熱体40を介して熱交換を行う。これについて説明する。伝熱体40は、全ての電池セル3a乃至3kと接している。従って、高温な電池セルの熱は、伝熱体40を介して低温な電池セルへ奪われる。また、上述したように、電池セルの温度は、中央側に配列された電池セルほど高温になる。特に、電池セル3a及び3kは、拘束プレート20xまたは20yに隣接するため、熱引けが生じ、低温になる。しかし、伝熱体40が設置されることで、中央側に配置された電池セル3e乃至3g等の熱が伝熱体40を介して端に配置された電池セル3a、3k等に分配される。その結果、電池セル3a乃至3kの各温度は均一化される。従って、図8(a)において、電池温度調節装置100は、電池セルの最低温度を上昇させることができる。
図8(b)は、2つの伝熱体が配置された場合における収納ケース5内の上面図の一例を示す。図8(b)において、2つの伝熱体40x、40xが収納ケース5内に設置されている。伝熱体40xは、電池セル3a乃至3eの全ての上面と接するように、電池セル3a乃至3eに跨って設置されている。同様に、伝熱体40yは、電池セル3f乃至3kの全ての上面と接するように、電池セル3f乃至3kに跨って設置されている。
図8(b)では、電池セル3a乃至3eは伝熱体40xを介して互いに熱交換を行い、電池セル3f乃至3kは伝熱体40yを介して互いに熱交換を行う。これについて詳細する。伝熱体40xは、電池セル3a乃至3eの全てと接している。従って、中央側の高温な電池セル3e、3d等の熱が、伝熱体40xを通じて端付近に配置された低温な電池セル3a、3bに伝導する。その結果、電池セル3a乃至3eの温度が均一化される。同様に、伝熱体40yは、電池セル3f乃至3kの全てと接している。従って、中央側の高温な電池セル3f、3g等の熱が、伝熱体40yを通じて端付近に配置された低温な電池セル3j、3kに伝導する。その結果、電池セル3f乃至3kの温度が均一化される。従って、図8(b)において、電池温度調節装置100は、電池セルの最低温度を上昇させることができる。
次に、本実施形態における効果について補足する。図9は、配列順に番号付けされた28個の電池セルに対する電池セルの番号(セル番号)と電池セルの温度(セル温度)との関係を示す。図9において、実線71xは、本実施形態において伝熱体40を設置する前の各セル番号に対応するセル温度を示し、破線71yは、伝熱体40を設置後40分経過したときの各セル番号に対応するセル温度を示す。実線71xに示すように、伝熱体40が設置されていない状態では、両端部の電池セルの温度は、中央部の電池セルの温度よりも低い。これに対し、破線71yに示すように、伝熱体40を設置した場合、中央部の電池セルの温度が下がる一方、両端付近に配置された電池セルの温度は上昇する。その結果、電池セルの最低温度は上昇している。
以上のように、端付近に配置された電池セルと中央付近に配置された電池セルとに接する伝導体を設けることで、電池温度調節装置100は、高温な電池セルの熱を利用して低温な電池セルの温度を上昇させることができる。その結果、電池温度調節装置100は、電池セルの最低温度を昇温させることができる。
電池温度調節装置の概略構成を示す図である。 第1実施形態に係る電池温度調節装置の収納ケース内の上面図の一例である。 拘束プレート及び電池セル部分の斜視図の一例である。 電池セルの配列番号とそれに対応するセル温度との関係を示すグラフである。 ヒータの駆動制御及びブロアの駆動制御の流れを示すフローチャートの一例である。 第2実施形態に係る電池温度調節装置の収納ケース内の上面図の一例である。 第3及び第4実施形態に係る電池温度調節装置の収納ケース内の上面図の一例である。 第5実施形態に係る電池温度調節装置の収納ケース内の構成の一例を示す図である。 第6実施形態における電池セルの配列番号とそれに対応するセル温度との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 吸入通路
2 ブロア
3 電池
4 電池温度センサ
5 収納ケース
6 排気通路
7 キャビン温度センサ
12x、12y、12z、12xx、12yy 拘束プレート
20x、20y、20xx、20yy ヒータ
30x、30y 断熱材
40 伝熱体

Claims (6)

  1. 収納ケースと、
    前記収納ケース内に並べられた複数の電池セルと、
    前記電池セルを前記収納ケース内に固定する拘束部材と、
    前記拘束部材と当該拘束部材に隣接する電池セルとの間に設けられた加熱部と、
    を備えることを特徴とする電池温度調節装置。
  2. 前記収納ケース内に温度調節媒体を流入させる第1の暖機手段と、
    前記加熱部を駆動させる第2の暖機手段と、
    をさらに備える請求項1に記載の電池温度調節装置。
  3. 前記第2の暖機手段は、前記加熱部による暖機をした場合の方が、前記加熱部による暖機をしない場合よりもエネルギー効率がよいときに、前記加熱部を駆動させる請求項1または2に記載の電池温度調節装置。
  4. 前記第2の暖機手段は、前記加熱部による暖機をした場合の燃費の予測値が、前記加熱部による暖機に起因して改善する燃費の予測値より小さい場合に、前記エネルギー効率がよいと判断する請求項3に記載の電池温度調節装置。
  5. 前記第2の暖機手段は、前記加熱部による暖機をした場合の消費電力の予測値が、前記加熱部による暖機に起因して改善する消費電力の予測値より小さい場合に、前記エネルギー効率がよいと判断する請求項3に記載の電池温度調節装置。
  6. 前記加熱部と当該加熱部に隣接する拘束部材との間に設けられた断熱材をさらに備える請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電池温度調節装置。
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