JP2010085788A - 定着装置および定着方法、ならびに画像形成装置 - Google Patents

定着装置および定着方法、ならびに画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 低温定着可能なトナーを用いた場合であっても、ホットオフセットの発生を防止することができる定着装置を提供する。
【解決手段】 定着装置40では、第1,2ヒータランプ67,77が、第1,2定着ベルト60,70を、トナー像を構成するトナー中に含有される結晶性ポリエステルの融点以上の所定の温度に加熱して、記録用紙上のトナー像を溶融させて定着させる。そして、第1,2冷却手段62,72が、第1,2定着ベルト60,70を、トナー像を構成するトナー中に含有される離型剤の融点以上、結晶性ポリエステルの融点未満の所定の温度に冷却する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、定着装置、および該定着装置を用いた定着方法、ならびに該定着装置を備える電子写真方式の画像形成装置に関する。
複写機、プリンタなどの電子写真方式の画像形成装置に備えられる定着装置は、互いに圧接された上定着ベルトと下定着ベルト(または下定着ローラ)とを含んで構成される。このような定着装置においては、上定着ベルトの内部に配置されたハロゲンランプなどからなる加熱手段により上定着ベルトを所定の温度(定着温度)に加熱した状態で、未定着トナー画像が形成された記録用紙を、上定着ベルトと下定着ベルト(または下定着ローラ)との圧接部(定着ニップ部)を通過させて、熱と圧力によりトナー画像を記録用紙に定着させる。
定着ベルトを用いる定着装置は、定着ニップ部の距離を長くすることができるため、熱エネルギーが記録用紙上の未定着トナーに伝わりやすく、優れた定着性を得ることができる。しかしながら、記録用紙上の未定着トナーが過度に加熱されると、ホットオフセットが発生する場合がある。
このような問題を解決するものとして、たとえば、特許文献1には、定着ベルトを冷却するファンが設けられた定着装置が開示されている。特許文献1に開示される定着装置は、記録用紙上の未定着トナーを加熱溶融させた後、ファンが定着ベルトを冷却することによってトナーを冷却するように構成されており、ホットオフセットが発生するのを防止することができる。
特開平4−216579号公報
省エネルギー化の要望に応えるために、低温で定着できるトナーの開発が進められている。このような低温定着可能なトナーは、結着樹脂として、結晶性ポリステルと非晶質ポリエステルとを含む。結晶性ポリエステルを含有したトナーは、比較的低い温度で溶融し、かつ定着強度の高いトナーとなるが、ホットオフセットが発生しやすい。
したがって本発明の目的は、低温定着可能なトナーを用いた場合であっても、ホットオフセットの発生を防止することができる定着装置、定着方法を提供することである。また、該定着装置を備える画像形成装置を提供することである。
本発明は、記録媒体上に形成される未定着のトナー像であって、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとからなる結着樹脂と、前記結晶性ポリエステルの融点よりも低い融点を有する離型剤とを含むトナーによって構成されるトナー像を溶融させて、記録媒体上にトナー像を定着させる定着装置において、
複数の支持ローラによって張架されて支持ローラの回転に伴って回転駆動する無端状のベルト部材であり、トナー像が形成される記録媒体表面に対向する定着ベルトと、
前記定着ベルトの表面温度が前記結晶性ポリエステルの融点以上の所定の温度となるように、前記定着ベルトを内側から加熱する加熱手段と、
前記加熱手段よりも前記定着ベルトの回転方向下流側に配置されて、前記定着ベルトの表面温度が前記離型剤の融点以上、前記結晶性ポリエステルの融点未満の所定の温度となるように、前記定着ベルトを内側から冷却する冷却手段とを含み、
前記定着ベルトの回転方向における、前記加熱手段と前記冷却手段との間に形成される定着ニップ部において、記録媒体上の未定着トナー像を定着させることを特徴とする定着装置である。
また本発明は、前記冷却手段がペルチェ素子からなり、
冷却手段から発生する冷却エネルギーに相当する発熱エネルギーを利用して、前記加熱手段による前記定着ベルトの加熱が行われるように構成されることを特徴とする。
また本発明は、前記加熱手段は、前記定着ベルトを張架する複数の支持ローラのうち、定着ベルトの回転方向最上流側に配置される支持ローラの内部に設けられることを特徴とする。
また本発明は、前記定着ベルトの延在方向に延びて、前記定着ベルトを外方から覆う断熱部材を備えることを特徴とする。
また本発明は、前記定着ベルトを介して前記冷却手段と対向するように配置され、
前記定着ベルトの表面温度が前記離型剤の融点以上、前記結晶性ポリエステルの融点未満の所定の温度となるように、前記定着ベルトを外側から冷却する第2冷却手段を備えることを特徴とする。
また本発明は、前記定着装置を用いて、記録媒体上にトナー像を定着させることを特徴とする定着方法である。
また本発明は、前記定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとからなる結着樹脂と、結晶性ポリエステルの融点よりも低い融点を有する離型剤とを含むトナーによって構成されるトナー像を溶融させて、記録媒体上にトナー像を定着させる定着装置である。本発明の定着装置では、加熱手段が、トナー像が形成される記録媒体表面に対向する定着ベルトの表面温度を、結晶性ポリエステルの融点以上の所定の温度に加熱して、記録媒体上のトナー像を構成するトナーを溶融させ、定着ベルトの回転方向における、加熱手段と冷却手段との間に形成される定着ニップ部において、記録媒体上の未定着トナー像を定着させる。そして、冷却手段が、定着ベルトの表面温度を、離型剤の融点以上、結晶性ポリエステルの融点未満の所定の温度に冷却する。
冷却手段は、定着ベルトの表面温度を結晶性ポリエステルの融点未満の温度に冷却するので、加熱手段によって加熱されて溶融状態にある記録媒体上のトナー像を構成するトナーを固化させることができ、ホットオフセットの発生を防止することができる。さらに、冷却手段によって冷却された定着ベルトの表面温度は、離型剤の融点以上の温度であるので、トナー像を構成するトナーに離型性が付与されて、トナー像が定着ベルトに付着してしまうのを防止し、ホットオフセットの発生を防止することができる。
また本発明によれば、冷却手段がペルチェ素子からなる。そして、定着装置は、冷却手段から発生する冷却エネルギーに相当する発熱エネルギーを利用して、加熱手段による定着ベルトの加熱が行われるように構成されている。ペルチェ素子は、2種類の金属板の接合部に電流を流すと、一方の金属板から他方の金属板に熱が移動するというペルチェ効果を利用した半導体素子である。このようなペルチェ素子では、接合部に電流が流れると、一方の金属板が吸熱して他方の金属板が発熱する。冷却手段では、ペルチェ素子の吸熱する側の金属板(以下、「吸熱面」と呼ぶ)で定着ベルトの冷却を行うが、ペルチェ素子の発熱する側の金属板(以下、「発熱面」と呼ぶ)から発生する冷却エネルギーに相当する発熱エネルギーを、定着ベルトを加熱するときの熱エネルギーとして有効利用することができ、エネルギー消費量を抑制することができる。
また本発明によれば、加熱手段は、前記定着ベルトを張架する複数の支持ローラのうち、定着ベルトの回転方向最上流側に配置される支持ローラの内部に設けられる。これによって、加熱手段による熱エネルギーを支持ローラ内部に蓄積することができるので、定着装置の停止後の再スタート時において、定着ベルトの表面温度を、速やかに、所定の温度に制御することができる。
また本発明によれば、定着装置は、定着ベルトの延在方向に延びて、定着ベルトを外方から覆う断熱部材を備える。これによって、加熱手段によって加熱された定着ベルトの熱が、定着装置外部に放出するのを抑制することができ、定着装置の停止後の再スタート時において、定着ベルトの表面温度を、速やかに、所定の温度に制御することができる。
また本発明によれば、定着装置は、定着ベルトを介して冷却手段と対向するように配置され、定着ベルトの表面温度が離型剤の融点以上、結晶性ポリエステルの融点未満の所定の温度となるように、定着ベルトを外側から冷却する第2冷却手段を備える。定着ベルトを、冷却手段によって内側から冷却し、第2冷却手段によって外側から冷却するので、冷却速度をはやくして所定の温度まで冷却することができる。
また本発明によれば、前記定着装置を用いて、記録媒体上にトナー像を定着させる定着方法である。未定着トナー像が形成された記録媒体が、定着ベルトが回転することによって定着ベルトに接触して搬送されると、トナー像を構成するトナーは、加熱手段によって結晶性ポリエステルの融点以上の所定の温度に加熱されて溶融し、記録媒体上に定着される。そして、加熱手段によって加熱されて溶融状態にあるトナーは、冷却手段によって結晶性ポリエステルの融点未満の温度に冷却されて固化する。したがって、ホットオフセットの発生が防止された状態で、記録媒体上にトナー像を定着させることができる。
また本発明によれば、画像形成装置が前記定着装置を備えることによって実現される。画像形成装置は、ホットオフセットの発生を防止することが可能な前記定着装置を備えているので、高品位な画像を形成することができる。
図1は、本発明の実施の一形態である画像形成装置1の構成を示す図である。本実施形態では、画像形成装置1は、スキャナユニット10またはネットワークを介して接続される各端末装置から送信される画像データに基づいて、記録媒体(記録用紙)に対してカラー画像またはモノクロ画像を形成する乾式電子写真方式のマルチファンクションプリンタである。画像形成装置1は、スキャナユニット10と、画像形成ユニット50と、定着装置40と、給紙ユニット20と、用紙搬送部30と、排紙トレイ31とを含む。
スキャナユニット10は、原稿の画像を読取る。スキャナユニット10は、図示しないプラテンガラス、露光ランプ、反射ミラー、結像レンズ、CCD(Charge Coupled
Device)を備えている。スキャナユニット10では、露光ランプが原稿の表面をプラテンガラスを介して照射し、反射ミラーが原稿の反射光を結像レンズへと導く。そして、結像レンズが原稿の反射光をCCDに集光させて、原稿の表面の画像をCCD上に結像させる。このようにして、スキャナユニット10は、原稿の画像を読取る。このようにして、スキャナユニット10が原稿の画像を読取ると、原稿の画像を示す画像データがマイクロコンピュータなどの制御部に入力され、ここで画像データに各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成ユニット50へと出力される。
画像形成ユニット50は、感光体ドラム51と、帯電装置52と、レーザスキャナユニット(LSU)53と、現像ユニット54と、転写ローラ55と、クリーニング装置56とを含む。帯電装置52、現像ユニット54、転写ローラ54およびクリーニング装置56は、感光体ドラム51の回転方向まわりに、この順序で配置される。
感光体ドラム51は、図示しない駆動手段によって軸線まわりに回転駆動可能に支持され、図示しない導電性基体と、導電性基体の表面に形成される有機感光層とを含む。導電性基体および有機感光層は、この分野で常用されるものを使用することができる。また、シリコンなどを用いる無機感光層を形成してなる感光体ドラムを使用することもできる。
帯電装置52は、感光体ドラム51を臨み、感光体ドラム51の長手方向に沿って感光体ドラム51表面から間隙を有して離隔するように配置され、感光体ドラム51表面を所定の極性および電位に帯電させる。帯電装置52には、スコロトロン帯電器、コロトロン帯電器、帯電ローラや帯電ブラシを用いた接触型帯電器などが使用できる。
LSU53は、レーザ露光器であり、画像データに応じたレーザ走査による露光を行い、帯電装置52によって帯電された感光体ドラム51の表面電位を変化させることで、画像データに応じた静電潜像を形成する。
現像ユニット54は、感光体ドラム51を臨んで配置され、静電潜像が形成された感光体ドラム51の表面に現像剤を供給し、静電潜像をトナー像に現像する。現像剤としては、たとえば、非磁性トナーからなる非磁性一成分現像剤、非磁性トナーおよびキャリアからなる非磁性二成分現像剤、磁性トナーからなる磁性現像剤などを挙げることができる。
以下に、本発明において使用される現像剤について説明する。
(トナー)
本発明において現像ユニット54が供給するトナーは、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとからなる結着樹脂と、結晶性ポリエステルの融点よりも低い融点を有する離型剤とを含み、その他添加剤として、着色剤、帯電制御剤を含む。
<結着樹脂>
トナーは、結着樹脂として、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとを含む。結晶性ポリエステルとは、結晶性指数が0.6〜1.5、好ましくは0.8〜1.2であるポリエステルをいい、非晶質ポリエステルとは、結晶性指数が1.5より大きいか、0.6未満であり、好ましくは1.5より大きいポリエステルをいう。ここで、結晶性指数とは、樹脂の結晶化の度合いの指標となる物性であり、軟化点と吸熱の最高ピーク温度との比(軟化点/吸熱の最高ピーク温度)により定義されるものである。結晶性指数が1.5を超える樹脂は非晶質であり、0.6未満の樹脂は結晶性が低く、非晶質部分が多い。結晶化の度合いは、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(たとえば、反応温度、反応時間、冷却速度)などにより調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークはガラス転移に起因するピークとする。
結晶性ポリエステルおよび非晶質ポリエステルは、例えば特開2006−113473号公報で開示される公知の方法で製造でき、原料モノマーとしてアルコール成分とカルボン酸成分を縮重合させて得られる。
結晶性ポリエステルは、結晶性ポリエステルにおけるアルコール成分としては、炭素数2〜8の脂肪族ジオールなどの、樹脂の結晶性を促進させるモノマーが含有されていることが好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどが挙げられ、特にα,ω−直鎖アルカンジオールが好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族ジオールの含有量は、結晶性の高さの観点から、アルコール成分中、80モル%以上が好ましい。さらに、その中の1種の脂肪族ジオールが、アルコール成分中の70モル%以上を占めているのが望ましい。
カルボン酸成分としては、フマル酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸などの炭素数2〜30、好ましくは2〜8の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸などが挙げられる。これらの中では、結晶化度の高さの観点から、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。なお、カルボン酸成分には、カルボン酸、その無水物およびそのアルキル(炭素数1〜3)エステルが含まれるが、これらの中では、カルボン酸が好ましい。脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、70モル%以上が好ましい。
なお、結晶性ポリエステルにおけるカルボン酸成分とアルコール成分のモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、結晶性ポリエステルの高分子量化を図る際には、カルボン酸成分よりもアルコール成分が多い方が好ましく、さらに減圧反応時、アルコール成分の留去によりポリエステルの分子量を容易に調整できる観点からは、0.9以上1未満が好ましい。結晶性ポリエステルを製造する際のアルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、たとえば、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、120〜230℃の温度で行うことができる。
また、低温定着性の観点から、結晶性ポリエステルの融点(吸熱の最高ピーク温度)は、80〜130℃であり、軟化点は、100〜150℃であることが好ましい。
非晶質ポリエステルは、非晶質ポリエステルにおけるアルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール;エチレングリコール、プロピレングリコールなどの脂肪族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価以上のアルコールなどが挙げられる。
前記アルコール成分の中では、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物などの芳香族ジオールなどの樹脂の非晶質化を促進するモノマーが好ましく、さらに帯電性の観点から、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、50モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;およびこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステルなどが挙げられ、これらの中では、帯電性の観点からは、芳香族系のカルボン酸化合物が好ましく、結晶性ポリエステルの分散性の観点からは、脂肪族系のカルボン酸化合物が好ましく、フマル酸がより好ましい。なお、本発明においてカルボン酸化合物とは、ジカルボン酸、その無水物およびそのアルキル(炭素数1〜3)エステルを指す。
非晶質ポリエステルを製造する際のアルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、たとえば、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で行うことができる。
また、非晶質ポリエステルの軟化点は、80〜150℃であることが好ましい。また、非晶質ポリエステルは、低温定着性と耐オフセット性の両立の観点から、軟化点の異なる2種類の非晶質ポリエステルからなることが好ましく、その軟化点の差は、好ましくは10℃以上、より好ましくは20〜60℃である。低軟化点ポリエステルの軟化点は、低温定着性の観点から、好ましくは80〜120℃であり、高軟化点ポリエステルの軟化点は、耐オフセット性の観点から、好ましくは120〜150℃である。高軟化点ポリエステルの低軟化点ポリエステルに対する重量比(高軟化点ポリエステル/低軟化点ポリエステル)は、20/80〜80/20であることが好ましい。
また、非晶質ポリエステルの酸価は、1〜50mgKOH/gが好ましく、10〜30mgKOH/gがより好ましい。また、非晶質ポリエステルのガラス転移温度は、粉砕性および保存安定性の観点から、40〜80℃であることが好ましい。
また、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとは、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、少なくとも1種の共通の化合物を原料モノマーとするものであることが好ましい。かかる共通の化合物は、カルボン酸成分であることが好ましく、結晶性ポリエステルの結晶化度を高める観点から、フマル酸およびフタル酸がより好ましく、フマル酸がさらに好ましい。
結晶性ポリエステルの含有量は、トナー粒子中、低温定着性および保存安定性の観点から、3〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。また、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの重量比(結晶性ポリエステル/非晶質ポリエステル)は、3/97〜50/50が好ましく、5/95〜35/65がより好ましい。
<離型剤>
本発明において使用するトナー中に含有される離型剤は、トナーを記録用紙に定着させるときに、トナーに離型性を付与するために添加される。離型剤としては、たとえば、ポリプロピレンやポリエチレンの合成ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の植物系ワックス、パラフィンワックス(日本精鑞株式会社製;HNP−3、HNP−5、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12、HNP−51など)が使用できる。ただし、離型剤は、結晶性ポリエステルの融点より低い融点を有するものが使用される。離型剤の融点は、65〜100℃であることが好ましい。
<着色剤>
着色剤としては、トナーに一般に用いられている公知の顔料や染料を使用できる。具体的には、黒トナー用着色剤としては、カーボンブラックやマグネタイトなどを挙げることができる。
イエロートナー用着色剤としては、C.I.ピグメント・イエロー1、C.I.ピグメント・イエロー3、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー98などのアセト酢酸アリールアミド系モノアゾ黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー17などのアセト酢酸アリールアミド系ジスアゾ黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー155などの縮合モノアゾ系黄色顔料、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー185などのその他黄色顔料、C.I.ソルベント・イエロー19、C.I.ソルベント・イエロー77、C.I.ソルベント・イエロー79、C.I.ディスパース・イエロー164などの黄色染料などを挙げることができる。
マゼンタトナー用着色剤としては、C.I.ピグメント・レッド48、C.I.ピグメント・レッド49:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド81、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド146、C.I.ピグメント・レッド184、C.I.ピグメント・レッド238、C.I.ピグメント・バイオレット19などの赤色もしくは紅色顔料、C.I.ソルベント・レッド49、C.I.ソルベント・レッド52、C.I.ソルベント・レッド58、C.I.ソルベント・レッド8などの赤色系染料などを挙げることができる。
シアントナー用着色剤としては、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4などの銅フタロシアニンおよびその誘導体の青色系染顔料、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36(フタロシアニン・グリーン)などの緑色顔料などを挙げることができる。着色剤の添加量としては、結着樹脂100重量部に対して1〜15重量部程度であることが好ましく、より好適には2〜10重量部の範囲で用いられる。
<帯電制御剤>
帯電制御剤は、トナーに好ましい帯電性を付与するために添加される。本発明のトナーに使用できる帯電制御剤としては、正電荷制御用または負電荷制御用の帯電制御剤を使用できる。負電荷制御用の帯電制御剤としては、クロムアゾ錯体染料、鉄アゾ錯体染料、コバルトアゾ錯体染料、サリチル酸もしくはその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体もしくは塩化合物、ナフトール酸もしくはその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体もしくは塩化合物、ベンジル酸もしくはその誘導体のクロム・亜鉛・アルミニウム・ホウ素錯体もしくは塩化合物、長鎖アルキル・カルボン酸塩、長鎖アルキル・スルフォン酸塩などを挙げることができる。
正電荷制御用の帯電制御剤としては、ニグロシン染料、およびその誘導体、トリフェニルメタン誘導体、四級アンモニウム塩、四級ホスフォニウム塩、四級ピリジニウム塩、グアニジン塩、アミジン塩などの誘導体などを挙げることができる。これらの帯電制御剤の添加量としては、結着樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲内が好ましく、0.5〜10重量部の範囲内がさらに好ましい。
次に、本発明において使用するトナーを製造する製造方法について説明する。本発明において使用するトナーは、混練粉砕法や凝集法など、公知の方法によって製造できる。たとえば、混練粉砕法は、結着樹脂、離型剤、着色剤、帯電制御剤を、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサーなどの気流混合機により混合し、得られる原料混合物を2軸混練機やオープンロール混練機などの溶融混練機により100〜180℃程度の温度で混練し、得られる混練物を冷却固化し、固化物をジェットミルなどのエア式粉砕機により粉砕し、必要に応じて分級などの粒度調整を行うことにより製造することができる。
トナーを構成するトナー粒子の粒径としては、ベックマン・コールター株式会社製のコールターカウンタで100μmのアパーチャーを用いて測定した体積平均粒径として、4〜7μmの範囲内のものが好ましく、これによってドット再現性に優れ、カブリやトナー飛散のない、高画質画像が得られる。体積平均粒径が4μm未満では流動性が悪くハンドリングが困難になり、7μmを超えるとドット再現性が低下するので、体積平均粒径として4〜7μmが好ましい。
以上のようにして製造されるトナーには、粉体流動性向上、摩擦帯電性向上、耐熱性、長期保存性改善、クリーニング特性改善および感光体表面摩耗特性制御などの機能を担う外添剤を混合してもよい。
使用できる外添剤としては、平均粒径が7〜200nmのシリカ、酸化チタン、あるいはアルミナなどの無機微粒子が使用でき、それらの無機微粒子の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルにより表面処理を施すことによって疎水性を付与した無機微粒子は、高湿下において電気抵抗や帯電量の低下が少なくなるので好ましい。外添剤の添加量としては、0.2〜3重量%以下が好ましい。0.2重量%未満では、流動性の向上効果を与えることが難しく、逆に3重量%を超えると、定着性が低下する。また、外添剤の添加方法としては、トナー粒子と外添剤をヘンシェルミキサーなどの気流混合機で混合する方法が一般に行われる。
以上のようにして、必要に応じて外添剤が外添されるトナーは、そのまま一成分現像剤として使用することができ、またキャリアと混合して二成分現像剤として使用することができる。一成分現像剤として使用する場合、キャリアを用いることなくトナーのみで使用する。また、一成分現像剤として使用する場合、ブレードおよびファーブラシを用い、現像スリーブで摩耗帯電させてスリーブ上にトナーを付着させることによってトナーを搬送し、画像形成を行う。
二成分現像剤として使用する場合、トナーをキャリアとともに用いる。キャリアとしては、体積平均粒径が20〜45μmの磁性体粒子を使用できる。キャリアの体積平均粒径が20μm未満では、現像時に現像ローラから感光体ドラム51にキャリアが移動することにより、得られる画像に白抜けが発生する場合がある。また、45μmを超えるとドット再現性が悪くなり、画像が粗くなる。なお、前記キャリアの体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置HELOS(SYMPATEC株式会社製)に乾式分散装置RODOS(SYMPATEC株式会社製)を用いて、分散圧3.0barの条件下で測定したときの値である。
キャリアの飽和磁化としては、飽和磁化が低いほど感光体ドラム51と接する磁気ブラシ(現像ローラ表面に形成される)が柔らかくなるので、静電潜像に忠実な画像が得られるが、飽和磁化が低すぎると、感光体ドラム51の表面にキャリアが付着し、白抜け現象が発生しやすくなり、飽和磁化が高すぎると、磁気ブラシの剛直化により、静電潜像に忠実な画像が得られにくくなるため、キャリアの飽和磁化として30〜100emu/gの範囲内のものが好適に使用される。
このようなキャリアとして、磁性を有するコア粒子表面に被覆層を設けた被覆キャリアが一般的によく使用される。コア粒子としては公知の磁性粒子が使用できるが、フェライト系粒子が飽和磁化の高いキャリアが得られることから、感光体ドラム51へのキャリア付着量を低減させ好ましい。フェライト系粒子としては公知のものを使用でき、たとえば、亜鉛系フェライト、ニッケル系フェライト、銅系フェライト、ニッケル−亜鉛系フェライト、マンガン−マグネシウム系フェライト、銅−マグネシウム系フェライト、マンガン−亜鉛系フェライト、マンガン−銅−亜鉛系フェライトなどが挙げられる。
これらのフェライト系粒子は、公知の方法で作製できる。たとえば、FeやMg(OH)などのフェライト原料を混合し、この混合粉を加熱炉で加熱して仮焼する。得られた仮焼品を冷却後、振動ミルでほぼ1μm程度の粒子となるように粉砕し、粉砕粉に分散剤と水を加えてスラリーを作製する。このスラリーを湿式ボールミルで湿式粉砕し、得られる懸濁液をスプレードライヤーで造粒乾燥することによって、フェライト粒子が得られる。
被覆層を構成する被覆材としては、公知の樹脂材料が使用でき、たとえば、アクリル樹脂やシリコーン樹脂などが使用できる。特に、ストレートシリコーン樹脂(アルキル置換シリコーン樹脂)を被覆した被覆キャリアは、クリーニングブレードのエッジ部の欠損拡大を遅らせることができるので好ましい。
シリコーン樹脂としては公知のものが使用でき、たとえば、シリコーンワニス(株式会社東芝社製:TSR115、TSR114、TSR102、TSR103、YR3061、TSR110、TSR116、TSR117、TSR108、TSR109、TSR180、TSR181、TSR187、TSR144、TSR165、信越化学工業株式会社製:KR271、KR272、KR275、KR280、KR282、KR267、KR269、KR211、KR212)、アルキッド変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR184、TSR185)、エポキシ変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR194、YS54)、ポリエステル変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR187)、アクリル変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR170、TSR171)、ウレタン変性シリコーンワニス(株式会社東芝製:TSR175)、反応性シリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製:KA1008、KBE1003、KBC1003、KBM303、KBM403、KBM503、KBM602、KBM603)などが挙げられる。
被覆材には、キャリアの体積抵抗率値を制御するために、導電材が添加される。導電材としては、たとえば、酸化ケイ素、アルミナ、カーボンブラック、グラファイト、酸化亜鉛、チタンブラック、酸化鉄、酸化チタン、酸化スズ、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
これらの導電材の中でも、作製安定性、コスト、電気抵抗の低さという観点からカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの種類は特に限定されないが、DBP(ジブチルフタレート)吸油量が90〜170ml/100gの範囲にあるものが、作製安定性に優れる点で好ましい。また、一次粒径として100nm以下のものが分散性に優れるため特に好ましい。導電材は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。導電材の使用量としては、被覆材100重量部に対して0.1〜20重量部が使用される。
被覆材をキャリア粒子に被覆するには、公知の方法が採用できる。たとえば、被覆材の有機溶媒溶液中にキャリア粒子を浸漬させる浸漬法、被覆材の有機溶媒溶液をキャリア粒子に噴霧するスプレー法、キャリア粒子を流動エアにより浮遊させた状態で被覆材の有機溶媒溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア粒子と被覆材の有機溶媒溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法などが挙げられる。このとき、被覆材の有機溶媒溶液には被覆材とともに抵抗値制御用の導電材が添加される。
転写ローラ55は、図示しない駆動手段によって軸線まわりに回転駆動可能に支持されて、感光体ドラム51を臨んで配置され、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加されており、このバイアス電圧を記録用紙に与えることによって、現像ユニット54によって現像されて感光体ドラム51上に形成されたトナー像を記録用紙に転写する。
クリーニング装置56は、図示しないクリーニングブレードと、クリーナハウジングとを備えている。クリーニングブレードは、エッジ部を感光体ドラム51の表面に感光体ドラム51の回転方向に対して逆向きに圧接させて配置することにより、エッジ部にて感光体ドラム51表面の残留物を掻き取るものである。クリーナハウジングは、掻き取られた残留物を収容するものである。
用紙搬送部30は、複数の搬送ローラからなり、記録用紙を給紙ユニット20から排紙トレイ31に向けて搬送する。このとき、用紙搬送部30によって搬送される記録用紙は、画像形成ユニット50でトナー像が形成されて、本発明の定着装置40へと導かれる。
図2は、本発明の第1実施形態である定着装置40の構成を示す図である。定着装置40は、記録用紙上に形成されるトナー像であって、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとからなる結着樹脂と、結晶性ポリエステルの融点よりも低い融点を有する離型剤とを含む前述したトナーによって構成されるトナー像を溶融させて、記録用紙上にトナー像を定着させる。
定着装置40は、互いに対向するように配置されて、逆方向に回転駆動する第1定着ベルト60と第2定着ベルト70とを含み、第1定着ベルト60と第2定着ベルト70との間を通過する記録用紙上に形成された未定着のトナー像を溶融させて、記録用紙上にトナー像を定着させる装置である。定着装置40においては、対向して配置される2つの定着ベルトのうち、第1定着ベルト60の表面が、記録用紙の両面のうち未定着トナー像が形成される側の表面に接触する。なお、記録用紙の両面に画像を形成する場合には、まず一方面側の未定着トナー像が第1定着ベルト60表面に接触して定着処理され、その後、手動で、または反転機構などを用いて記録用紙を反転させて、他方面側の未定着トナー像が第1定着ベルト60表面に接触して定着処理される。記録用紙の他方面側の未定着トナー像を定着処理するときには、一方面側には既に定着処理された定着トナー像が形成されており、この一方面側は第2定着ベルト70表面に接触することになる。
第1定着ベルト60は、複数の支持ローラである第1加熱ローラ61と第1牽引ローラ63とによって張架されて、第1加熱ローラ61の回転に伴って回転駆動する無端状のベルト部材である。第2定着ベルト70は、第1定着ベルト60と同様に構成されており、第2加熱ローラ71と第2牽引ローラ73とによって張架されて、第2加熱ローラ71の回転に伴って回転駆動する無端状のベルト部材であり、第1定着ベルト60と対向するように第1定着ベルト60の延在方向(回転方向)に延びて配置される。
第1定着ベルト60および第2定着ベルト70は、それぞれ、耐熱性を有するポリイミドからなる厚さ1mmのベース層の外側に、PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)チューブからなる厚さ約30μmの離型層が設けられて構成されている。なお、離型層の材料としては、耐熱性、耐久性に優れ、トナーとの離型性が優れているものであればよく、PFAの他、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系材料を使用してもよい。
第1加熱ローラ61および第2加熱ローラ71は、それぞれ、回転可能に設けられ、図示しない駆動手段である駆動モータによって回転駆動される。この第1加熱ローラ61および第2加熱ローラ71の回転に伴って、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70が、それぞれ回転するようになっている。第1加熱ローラ61および第2加熱ローラ71は、それぞれ、アルミニウムからなる円筒状のドラムで、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70の回転方向最上流側に配置されている。
そして、第1加熱ローラ61の内部には、熱輻射を行うハロゲンランプからなる加熱手段である第1ヒータランプ67が設けられ、第2加熱ローラ71の内部には、熱輻射を行うハロゲンランプからなる加熱手段である第2ヒータランプ77が設けられている。このように、加熱手段である第1ヒータランプ67および第2ヒータランプ77が、第1加熱ローラ61および第2加熱ローラ71の内部に設けられることによって、加熱手段による熱エネルギーを各加熱ローラ内部に蓄積することができるので、定着装置40の停止後の再スタート時において、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70の加熱手段近傍領域における温度を、速やかに、所定の温度に調整することができる。なお、本実施の形態では、第1ヒータランプ67および第2ヒータランプ77のそれぞれは、1本のハロゲンランプからなるが、これに限らず、たとえば、記録用紙のサイズに応じて最適な温度分布を形成できるように、軸方向に発熱分布を分割した複数のハロゲンランプを用いてもよい。
第1ヒータランプ67は、後述する温度制御手段90により制御されて、未定着トナー像が形成される記録用紙表面に接触する側の定着ベルトである第1定着ベルト60を、ベルト自身の第1加熱ローラ61と接触する領域である加熱手段近傍領域における温度が結晶性ポリエステルの融点以上の温度であり、130〜200℃の範囲から選ばれる所定の温度(定着温度)となるように、ベルト内側から加熱する。
第2ヒータランプ77は、後述する温度制御手段90により制御されて、定着トナー像が形成される(またはトナー像が形成されていない)記録用紙表面に接触する側の定着ベルトである第2定着ベルト70を、ベルト自身の第2加熱ローラ71と接触する領域である加熱手段近傍領域における温度が結晶性ポリエステルの融点以上の所定の温度となるように、ベルト内側から加熱する。第2ヒータランプ77の加熱による第2定着ベルト70の加熱手段近傍領域における温度は、第1定着ベルト60において設定される前記定着温度よりも20〜50℃低い温度に設定されるのが好ましい。
また、第1定着ベルト60と第2定着ベルト70とが対向して配置されるとき、第1加熱ローラ61と第2加熱ローラ71とは、ばね部材からなる弾性部材(不図示)によって、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70を介して所定の荷重(たとえば、400N)で圧接されている。これによって、第1定着ベルト60と第2定着ベルト70との間に圧力が発生し、トナー像の熱溶融が促進される。
第1牽引ローラ63および第2牽引ローラ73は、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70を介して対向するように配置されて、ばね部材からなる弾性部材(不図示)がそれぞれ付設され、第1加熱ローラ61および第2加熱ローラ71から水平方向に離れるように、所定の荷重(たとえば、100N)がかけられている。これによって、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70のたるみがなくなり、記録用紙の搬送をスムーズに行うことができる。
さらに、本発明の定着装置40には、第1加熱ローラ61よりも第1定着ベルト60の回転方向下流側における第1定着ベルト60の内側に、ペルチェ素子からなる第1冷却手段62が配置されている。このとき、第1冷却手段62は、ペルチェ素子吸熱面が第2定着ベルト70と対向する側の第1定着ベルト60の内面に近接して対向し、ペルチェ素子発熱面が第2手着ベルト70と対向する側とは反対側の第1定着ベルト60の内面に対向するように配置されている。これによって、第1冷却手段62は、ペルチェ素子吸熱面の吸熱作用により第2定着ベルト70と対向する側の第1定着ベルト60の内面を冷却し、ペルチェ素子発熱面の発熱作用(ペルチェ素子吸熱面における冷却エネルギーに相当する発熱エネルギーで発熱する作用)により第2定着ベルト70と対向する側とは反対側の第1定着ベルト60の内面を加熱する。
つまり、第1定着ベルト60の表面は、回転駆動に伴って、第1加熱ローラ61によって加熱された後、回転方向下流側に配置される第1冷却手段62のペルチェ素子吸熱面の吸熱作用によって冷却され、さらにその後、第1冷却手段62のペルチェ素子発熱面の発熱作用によって加熱されることになる。このようにして、ペルチェ素子吸熱面における冷却エネルギーに相当して、ペルチェ素子発熱面から発生する発熱エネルギーを、第1定着ベルト60を加熱するときの熱エネルギーとして有効利用するので、エネルギー消費量を抑制することができる。
また、第2加熱ローラ71よりも第2定着ベルト70の回転方向下流側における第2定着ベルト70の内側に、ペルチェ素子からなる第2冷却手段72が配置されている。このとき、第2冷却手段72は、ペルチェ素子吸熱面が第1定着ベルト60と対向する側の第2定着ベルト70の内面に近接して対向し、ペルチェ素子発熱面が第1手着ベルト60と対向する側とは反対側の第2定着ベルト70の内面に対向するように配置されている。これによって、第2冷却手段72は、ペルチェ素子吸熱面の吸熱作用により第1定着ベルト60と対向する側の第2定着ベルト70の内面を冷却し、ペルチェ素子発熱面の発熱作用により第1定着ベルト60と対向する側とは反対側の第2定着ベルト70の内面を加熱する。
つまり、第2定着ベルト70の表面は、回転駆動に伴って、第2加熱ローラ71によって加熱された後、回転方向下流側に配置される第2冷却手段72のペルチェ素子吸熱面の吸熱作用によって冷却され、さらにその後、第2冷却手段72のペルチェ素子発熱面の発熱作用によって加熱されることになる。このようにして、ペルチェ素子吸熱面における冷却エネルギーに相当して、ペルチェ素子発熱面から発生する発熱エネルギーを、第2定着ベルト70を加熱するときの熱エネルギーとして有効利用するので、エネルギー消費量を抑制することができる。
ここで、第1冷却手段62は、第1加熱ローラ61よりも第1定着ベルト60の回転方向下流側で、かつ回転方向最下流側に配置されて第1定着ベルト60を懸架する第1牽引ローラ63の近傍に配置される。そして、第2冷却手段72は、第2加熱ローラ71よりも第2定着ベルト70の回転方向下流側で、かつ回転方向最下流側に配置されて第2定着ベルト70を懸架する第2牽引ローラ73の近傍に配置される。
そして、第1冷却手段62および第2冷却手段72のそれぞれのペルチェ素子発熱面の発熱作用によって、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70の内面を、エネルギー損失が十分に抑制された状態で加熱することが可能なように、第1加熱ローラ61および第2加熱ローラ71の外径と、第1牽引ローラ63および第2牽引ローラ73の外径とが設定されている。つまり、第1牽引ローラ63および第2牽引ローラ73の外径が、第1加熱ローラ61および第2加熱ローラ71の外径に対して所定の割合に設定されて、小さな外径に設定されることによって、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70の内面が、第1冷却手段62および第2冷却手段72のペルチェ素子発熱面に近接することになる。具体的には、第1牽引ローラ63および第2牽引ローラ73の外径は、第1加熱ローラ61および第2加熱ローラ71の外径に対して、20〜80%の割合に設定すればよい。
また、第1冷却手段62および第2冷却手段72のそれぞれのペルチェ素子発熱面で発生する熱エネルギーを電気エネルギーに変換して、その電気エネルギーを第1ヒータランプ67および第2ヒータランプ77に供給するようにしてもよい。
後述する温度制御手段90により制御される第1冷却手段62によって冷却される第1定着ベルト60は、第1冷却手段62の近傍である冷却手段近傍領域の温度が、トナー像を構成するトナーに含有される離型剤の融点以上、結晶性ポリエステルの融点未満の所定の温度に調整される。また、第1定着ベルト60の冷却手段近傍領域の温度は、第1定着ベルト60とそれに接するトナーとの間に生じる温度差、すなわち熱伝達速度を考慮して、トナーに含有される離型剤の融点以上、結晶性ポリエステルの融点より15℃低い温度以下に調整されるのが好ましい。
また、後述する温度制御手段90により制御される第2冷却手段72によって冷却される第2定着ベルト70は、第2冷却手段72の近傍である冷却手段近傍領域の温度が、トナー像を構成するトナーに含有される離型剤の融点以上、結晶性ポリエステルの融点未満の所定の温度に調整される。
また、定着装置40には、第1定着ベルト60の回転方向において第1加熱ローラ61よりも下流側で、かつ第1冷却手段62よりも上流側における第1定着ベルト60の温度を検出するサーミスタからなる第1加熱側温度検出手段65が、第1定着ベルト60の幅手方向(回転方向に直交する方向)中央部に接触するように配置されている。また、第2定着ベルト70の回転方向において第2加熱ローラ71よりも下流側で、かつ第2冷却手段72よりも上流側における第2定着ベルト70の温度を検出するサーミスタからなる第2加熱側温度検出手段75が、第2定着ベルト70の幅手方向(回転方向に直交する方向)中央部に接触するように配置されている。なお、第1加熱側温度検出手段65の第1定着ベルト60の幅手方向に対する配置位置と、第2加熱側温度検出手段75の第2定着ベルト70の幅手方向に対する配置位置とは、前記中央部に限定されるものではなく、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70の幅手方向端部に配置してもよく、また、第1ヒータランプ67および第2ヒータランプ77の発熱量が幅手方向中央部と端部とで異なる場合には、幅手方向に複数の温度検出手段を設けてもよい。
また、定着装置40には、第1定着ベルト60の回転方向において第1冷却手段62よりも下流側で、かつ第1牽引ローラ63よりも上流側における第1定着ベルト60の温度を検出するサーミスタからなる第1冷却側温度検出手段66が、設けられている。また、第2定着ベルト70の回転方向において第2冷却手段72よりも下流側で、かつ第2牽引ローラ73よりも上流側における第2定着ベルト70の温度を検出するサーミスタからなる第2冷却側温度検出手段76が、設けられている。
また、定着装置40では、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70の回転方向における、第1加熱ローラ61および第2加熱ローラ71と、第1冷却手段62および第2冷却手段72との間には、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70を介して互いに圧接して定着ニップ部を形成する一対の加圧ローラ64,74が配置されるのが好ましい。これによって、第1定着ベルト60と第2定着ベルト70との間を通過して、第1ヒータランプ67によって加熱されて溶融された記録用紙上の未定着トナー像のトナー同士を、一対の加圧ローラ64,74の圧接力によって密着させることができ、記録用紙上のトナー像の定着強度を向上させることができる。一対の加圧ローラ64,74は、それぞれ、表面に耐熱性を有するシリコンゴム(JIS−A硬さが20度程度)からなる厚さ3mm程度の弾性層を備え、ばね部材からなる弾性部材(不図示)によって、互いに所定の荷重(たとえば、500N)がかけられて圧接している。
さらに、定着装置40は、第1定着ベルト60の延在方向に延びて、第1定着ベルト60における、第2定着ベルト70と対向する領域以外の領域を外方から覆う断熱材からなる第1断熱部材68を備え、第2定着ベルト70の延在方向に延びて、第2定着ベルト70における、第1定着ベルト60と対向する領域以外の領域を外方から覆う断熱材からなる第2断熱部材78を備えるように構成されるのが好ましい。これによって、第1断熱部材68は、第1ヒータランプ67によって加熱された第1定着ベルト60の熱が定着装置40の外部に放出するのを防止し、第2断熱部材78は、第2ヒータランプ77によって加熱された第2定着ベルト70の熱が定着装置40の外部に放出するのを防止することができる。そのため、定着装置40の停止後の再スタート時において、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70の加熱手段近傍領域における温度を、速やかに、所定の温度に調整することができる。第1断熱部材68および第2断熱部材78を構成する材料としては、200℃以上の耐熱性を有する断熱材を好ましく使用することができ、セラミックファイバーやグラスウールなどをポリイミド樹脂で挟み込んだ板状体が使用できる。
図3は、定着装置40の温度制御手段90の構成を示す図である。定着装置40に備えられる温度制御手段90は、制御用集積回路基板からなる温度制御部91と電力供給部92とを備え、第1加熱側温度検出手段65および第1冷却側温度検出手段66による検出結果に基づいて、第1定着ベルト60の加熱手段近傍領域における温度と冷却手段近傍領域における温度とが所定の温度となるように、第1ヒータランプ67および第1冷却手段62を制御し、第2加熱側温度検出手段75および第2冷却側温度検出手段76による検出結果に基づいて、第2定着ベルト70の加熱手段近傍領域における温度と冷却手段近傍領域における温度とが所定の温度となるように、第2ヒータランプ77および第2冷却手段72を制御する。
温度制御手段90の温度制御部91は、第1定着ベルト加熱側温度制御部91a、第1定着ベルト冷却側温度制御部91b、第2定着ベルト加熱側温度制御部91cおよび第2定着ベルト冷却側温度制御部91dを備え、それぞれ、第1加熱側温度検出手段65、第1冷却側温度検出手段66、第2加熱側温度検出手段75、第2冷却側温度検出手段76に接続され、各温度検出手段により検出された温度データは、温度制御部91に送られる。
温度制御手段90の電力供給部92は、第1ヒータランプ電力供給部92a、第1冷却手段電力供給部92b、第2ヒータランプ電力供給部92cおよび第2冷却手段電力供給部92dを備え、それぞれ、第1定着ベルト加熱側温度制御部91a、第1定着ベルト冷却側温度制御部91b、第2定着ベルト加熱側温度制御部91cおよび第2定着ベルト冷却側温度制御部91dに接続される。そして、第1ヒータランプ電力供給部92aは第1ヒータランプ67に接続され、第1冷却手段電力供給部92bは第1冷却手段62に接続され、第2ヒータランプ電力供給部92cは第2ヒータランプ77に接続され、第2冷却手段電力供給部92dは第2冷却手段72に接続され、温度制御部91からの信号に基づき、それぞれ電力を供給することによって、第1定着ベルト60、第2定着ベルト70の温度を所定の温度となるよう制御するようになっている。
次に、定着装置40の動作について説明する。定着装置40によれば、画像形成ユニット50から所定の定着速度(たとえば、175mm/秒)で搬送され、第1定着ベルト60と第2定着ベルト70との間に形成される定着ニップ部に供給される記録用紙を、回転駆動する第1定着ベルト60と第2定着ベルト70とで狭持しながら搬送する。
このとき、第1ヒータランプ67および第2ヒータランプ77は、温度制御手段90によって制御されて、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70の回転方向最上流側である、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70のそれぞれの加熱手段近傍領域における温度が、結晶性ポリエステルの融点以上の所定の温度となるように加熱し、記録用紙上の未定着トナー像を溶融させる。このように、第1ヒータランプ67が第1定着ベルト60を加熱し、第2ヒータランプ77が第2定着ベルト70を加熱するので、片方の定着ベルトを過度に加熱しなくても、第1定着ベルト60と第2定着ベルト70との間を通過する記録用紙上の未定着トナー像を十分に溶融することができる。
そして、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70を介して互いに圧接する一対の加圧ローラ64,74は、溶融された記録用紙上のトナー像のトナー同士を、圧接力によって密着させる。これによって、記録用紙上のトナー像の定着強度を向上させることができる。
そして、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70の回転方向において、加圧ローラ64,74よりも下流側に配置される第1冷却手段62および第2冷却手段72は、温度制御手段90によって制御されて、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70のそれぞれの冷却手段近傍領域における温度が、トナー像を構成するトナーに含有される離型剤の融点以上、結晶性ポリエステルの融点未満の所定の温度となるように冷却する。これによって、第1ヒータランプ67および第2ヒータランプ77によって加熱されて溶融状態にある、記録用紙上のトナー像を構成するトナーを、固化させることができ、ホットオフセットの発生や定着汚れの発生を防止することができる。このとき、第1冷却手段62および第2冷却手段72によって冷却される、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70のそれぞれの冷却手段近傍領域における温度は、トナー像を構成するトナーに含有される離型剤の融点以上であるので、トナー像を構成するトナーに離型性が付与されて、トナー像が第1定着ベルト60に付着してしまうのを防止し、ホットオフセットの発生を防止することができる。
以上のようにして定着装置40によってトナー像の定着処理が行われて、第1定着ベルト60および第2定着ベルト70の回転方向最下流側に配置される第1牽引ローラ63および第2牽引ローラ73のローラ間を通過した後の記録用紙は、画像形成装置1の排紙トレイ31に排出される。
図4は、本発明の第2実施形態である定着装置140の構成を示す図である。第2実施形態である定着装置140は、前述した定着装置40に類似し、対応する部分については同一の参照符号を付して説明を省略する。定着装置140は、前述した定着装置40と同様に構成される第1定着ベルト60と、第1定着ベルト60の回転方向最上流側に配置される支持ローラである第1加熱ローラ61に対して第1定着ベルト60を介して圧接可能に設けられる定着ローラ171とを含み、第1定着ベルト60と定着ローラ171との間を通過する記録用紙上に形成された未定着のトナー像を溶融させて、記録用紙上にトナー像を定着させる装置である。定着装置140においては、前述したように、第2定着ベルト70の代わりに定着ローラ171が配置されて、第1定着ベルト60と定着ローラ171との間を通過する記録用紙上に形成された未定着のトナー像を溶融させて、記録用紙上にトナー像を定着させるように構成されること以外は、定着装置40と同様に構成されている。
定着装置140において、温度制御手段90は、第1加熱側温度検出手段65および第1冷却側温度検出手段66による検出結果に基づいて、第1定着ベルト60の加熱手段近傍領域における温度と冷却手段近傍領域における温度とが所定の温度となるように、第1ヒータランプ67、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御する。
定着装置140において、第1ヒータランプ67は、温度制御手段90によって制御されて、第1定着ベルト60の回転方向最上流側である、第1定着ベルト60の加熱手段近傍領域における温度が、結晶性ポリエステルの融点以上の所定の温度となるように加熱し、記録用紙上の未定着トナー像を溶融させる。そして、第1定着ベルト60を介して互いに圧接する一対の加圧ローラ64,74は、溶融された記録用紙上のトナー像のトナー同士を、圧接力によって密着させる。そして、第1定着ベルト60の回転方向において、加圧ローラ64,74よりも下流側に配置される第1冷却手段62および第2冷却手段72は、温度制御手段90によって制御されて、第1定着ベルト60の冷却手段近傍領域における温度が、トナー像を構成するトナーに含有される離型剤の融点以上、結晶性ポリエステルの融点未満の所定の温度となるように冷却する。これによって、第1ヒータランプ67によって加熱されて溶融状態にある、記録用紙上のトナー像を構成するトナーを、固化させることができ、ホットオフセットの発生や定着汚れの発生を防止することができる。このとき、第1冷却手段62および第2冷却手段72によって冷却される、第1定着ベルト60の冷却手段近傍領域における温度は、トナー像を構成するトナーに含有される離型剤の融点以上であるので、トナー像を構成するトナーに離型性が付与されて、トナー像が第1定着ベルト60に付着してしまうのを防止し、ホットオフセットの発生を防止することができる。
(実施例)
以下、本発明について、実施例および比較例を用いてより詳細に説明する。
<各物性値の測定方法>
トナーおよびトナーを構成する樹脂の各物性値は、以下に示すようにして測定した。
[樹脂の酸価]
トナーを構成するポリエステル樹脂の酸価は、JIS K 0070に規定される方法により測定される。この場合、酢酸エチル不溶分が3.0重量%以上の場合は、酸価測定溶媒はジオキサンを用いた。
[樹脂の軟化点]
フローテスター(商品名:CFT−100C、株式会社島津製作所製)において、荷重10kgf/cm2(0.98MPa)を与えて試料1gがダイ(ノズル口径1.0mm、長さ1.0mm)から押出されるように設定し、昇温速度毎分6℃で加熱し、ダイから試料の半分量が流出したときの温度(1/2流出温度)を求め、軟化点とした。
[樹脂のガラス転移温度]
日本工業規格(JIS)K7121−1987に準じ、示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用いて、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線のガラス転移に相当する吸熱ピークの高温側のベースラインを低温側に延長した直線と、ピークの立ち上がり部分から頂点までの曲線に対して勾配が最大になるような点で引いた接線との交点の温度をガラス転移温度(Tg)として求めた。
[樹脂の融点(吸熱の最高ピーク温度)]
示差走査熱量計(商品名:DSC220、セイコー電子工業株式会社製)を用いて、試料1gを昇温速度毎分10℃で加熱してDSC曲線を測定した。得られたDSC曲線の吸熱ピークの最も高温側にあるピークの温度である吸熱の最高ピーク温度を融点とした。
[樹脂の結晶性指数]
上記にしたがって測定した軟化点および吸熱の最高ピーク温度を用い、下記式から結晶性の度合いとして、結晶性指数を算出した。
結晶性指数=軟化点/吸熱の最高ピーク温度
[トナーの体積平均粒径]
電解液(商品名:ISOTON−II、ベックマン・コールター株式会社製)50mlに、トナー20mgおよびアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム1mlを加え、超音波分散器(商品名:UH−50、株式会社エスエムテー製)を用いて、超音波周波数20kHzで3分間分散処理し、測定用試料を調製した。この測定用試料について、粒度分布測定装置(商品名:コールターマルチサイザーII、ベックマン・コールター株式会社製)を用い、アパーチャ径100μm、測定粒子数50000カウントの条件下に測定を行い、試料粒子の体積粒度分布からトナーの体積平均粒径を求めた。
<非晶質ポリエステルおよび結晶性ポリエステルの製造>
[非晶質ポリエステルAの製造]
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1750g、テレフタル酸706gおよび酸化ジブチル錫4gを窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃で20時間かけ反応させた後、圧力8.3kPaにて1時間反応させて、酸価11.6mgKOH/g、軟化点100℃、ガラス転移点63℃、吸熱の最高ピーク温度67℃、結晶性指数1.5の非晶質ポリエステルAを得た。
[非晶質ポリエステルBの製造]
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン873g、ポリオキシエチレン(2,2)−2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン813g、フマル酸435g、酸化ジブチル錫4gおよびハイドロキノン1gを窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、200℃で8時間かけて反応させた後、圧力8.3kPaにて1時間反応させた。さらに210℃にて無水トリメリット酸240gを添加し、軟化点に達するまで反応させて、酸価4.2mgKOH/g、軟化点149℃、ガラス転移温度64℃、吸熱の最高ピーク温度67℃、結晶性指数2.2の非晶質ポリエステルBを得た。
[結晶性ポリエステルCの製造]
1,6−ヘキサンジオール826g、フマル酸812g、酸化ジブチル錫4gおよびハイドロキノン1gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間かけて反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、圧力8.3kPaにてさらに所望の結晶性指数に達するまで反応させて、軟化点109℃、吸熱の最高ピーク温度(融点)113℃、結晶性指数0.97の結晶性ポリエステルCを得た。
<トナーの製造>
非晶質ポリエステルAの50重量部、非晶質ポリエステルBの30重量部、結晶性ポリエステルCの20重量部、C.I.ピグメント・ブルー15:3の5重量部、ホウ素化合物(日本カーリット株式会社製LR−147)の2重量部、および離型剤としてパラフィンワックス(日本精鑞株式会社製HNP−10;融点75℃)の3重量部を、ヘンシェルミキサーで10分間混合した後、混練分散処理装置(三井鉱山株式会社製:ニーディックスMOS140−800)で溶融混練した。
溶融混練物を冷却後、その混練物をカッティングミルで粗粉砕した後、ジェット式粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製:IDS−2型)によって微粉砕し、微粉砕後、風力分級機(日本ニューマチック工業株式会社製:MP−250型)を用いて分級を行うことによって、体積平均粒径が6.5μmの母体トナー粒子を得た。
次に、得られた母体トナー粒子の100重量部に、個数平均粒径が12nmのヘキサメチルジシラザンで表面を処理したシリカ微粒子を外添剤として1.5重量部加えて、撹拌羽根の先端速度を15m/秒に設定した気流混合機(三井鉱山株式会社製:ヘンシェルミキサー)で2分間撹拌することによってトナーTを作製した。
<二成分現像剤の作製>
[キャリアの製造]
フェライト原料として、酸化鉄(株式会社KDK製)50mol%、酸化マンガン(株式会社KDK製)35mol%、酸化マグネシウム(株式会社KDK製)14.5mol%、および酸化ストロンチウム(株式会社KDK製)0.5mol%をボールミルで4時間粉砕し、得られたスラリーをスプレードライヤーにて乾燥し、得られた真球状の粒子をロータリーキルンにて930℃で2時間仮焼した。得られた仮焼粉を、湿式粉砕機(粉砕媒体としてスチールボール使用)により、平均粒子径2μm以下にまで微粉砕した。このスラリーにPVAを2重量%添加し、スプレードライヤーにより造粒、乾燥し、電気炉にて、温度1100℃、酸素濃度0体積%で4時間、本焼成を行った。その後、解砕、分級を行うことによって、体積平均粒径が44μm、体積抵抗率が1×10Ω・cmのフェライト成分からなるコア粒子を得た。
次に、コア粒子を被覆する第一被覆層を形成するための被覆用塗液として、シリコーン樹脂(数平均分子量:約15000)100重量部と、導電材としてカーボンブラック(1次粒径25nm、吸油量150ml/100g)3重量部、硬化剤としてオクチル酸5重量部とをトルエンに溶解および分散し、被覆用塗液を調製した。
調製した被覆用塗液を、スプレー被覆装置により前記フェライト成分からなるコア粒子に被覆した。トルエンを完全に蒸発除去し、体積平均粒径が45μm、シリコーン樹脂の被覆率100%、体積抵抗率が2×1011Ω・cm、飽和磁化65emu/g、のキャリアKを作製した。
[二成分現像剤の調整]
キャリアKとトナーTとを混合することによって、二成分現像剤を作製した。キャリアKとトナーTとの混合は、トナーTの6重量部と、キャリアKの94重量部とを、ナウターミキサー(商品名:VL−0、ホソカワミクロン株式会社製)に投入し、20分間撹拌混合することによって行った。
<評価>
以上のようにして作製した二成分現像剤を、前述した定着装置40を備える画像形成装置1に充填して、気温20℃湿度65%の環境下における、低温定着性とホットオフセット性とを評価した。
画像形成装置1の画像形成条件として、1辺が2cmとなる正方形のベタ画像(100%濃度)を記録用紙の中央部に印刷し、ベタ画像における記録用紙上のトナー付着量が0.5mg/cm、非画像部におけるトナー付着量が最も少なくなる条件に、感光体ドラム51の表面電位および現像バイアスをそれぞれ調整した。定着装置40の定着条件として、定着速度を150mm/秒に設定し、記録用紙として、A4サイズの電子写真用紙(マルチレシーバー:シャープドキュメントシステム株式会社製)を使用した。
[低温定着性評価]
画像サンプルの定着強度は、印字面を中にして折り曲げた後、850gのローラを一定加圧になるように一往復転がすことにより荷重を与え、境界部分の折り曲げ部分をエアーブラシで吹き払うことにより、折り曲げ部分にできる白地のライン幅を測定し、最大ライン幅が0.3mm未満の画像を良好と判断した。
[ホットオフセット評価]
1辺が2cmとなる正方形のベタ画像(100%濃度)が記録用紙の中央部に位置する画像を10枚連続で印刷し、正規の場所以外に印刷されたベタ画像の画像濃度が0.1以上のとき、ホットオフセットの発生が「あり」と判断し、それ以外を「なし」と判断した。
(実施例1)
温度制御手段90が第1ヒータランプ67、第2ヒータランプ77、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御して、第1加熱側温度検出手段65による検出温度が150℃、第2加熱側温度検出手段75による検出温度が130℃、第1冷却側温度検出手段66による検出温度が80℃、第2冷却側温度検出手段76による検出温度が80℃となるように、定着装置40を稼動させた。
(実施例2)
温度制御手段90が第1ヒータランプ67、第2ヒータランプ77、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御して、第1加熱側温度検出手段65による検出温度が150℃、第2加熱側温度検出手段75による検出温度が130℃、第1冷却側温度検出手段66による検出温度が75℃、第2冷却側温度検出手段76による検出温度が75℃となるように、定着装置40を稼動させた。
(実施例3)
温度制御手段90が第1ヒータランプ67、第2ヒータランプ77、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御して、第1加熱側温度検出手段65による検出温度が150℃、第2加熱側温度検出手段75による検出温度が130℃、第1冷却側温度検出手段66による検出温度が90℃、第2冷却側温度検出手段76による検出温度が80℃となるように、定着装置40を稼動させた。
(実施例4)
温度制御手段90が第1ヒータランプ67、第2ヒータランプ77、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御して、第1加熱側温度検出手段65による検出温度が170℃、第2加熱側温度検出手段75による検出温度が150℃、第1冷却側温度検出手段66による検出温度が95℃、第2冷却側温度検出手段76による検出温度が95℃となるように、定着装置40を稼動させた。
(実施例5)
温度制御手段90が第1ヒータランプ67、第2ヒータランプ77、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御して、第1加熱側温度検出手段65による検出温度が170℃、第2加熱側温度検出手段75による検出温度が150℃、第1冷却側温度検出手段66による検出温度が110℃、第2冷却側温度検出手段76による検出温度が100℃となるように、定着装置40を稼動させた。
(実施例6)
温度制御手段90が第1ヒータランプ67、第2ヒータランプ77、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御して、第1加熱側温度検出手段65による検出温度が170℃、第2加熱側温度検出手段75による検出温度が170℃、第1冷却側温度検出手段66による検出温度が110℃、第2冷却側温度検出手段76による検出温度が110℃となるように、定着装置40を稼動させた。
(比較例1)
温度制御手段90が第1ヒータランプ67、第2ヒータランプ77、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御して、第1加熱側温度検出手段65による検出温度が150℃、第2加熱側温度検出手段75による検出温度が130℃、第1冷却側温度検出手段66による検出温度が115℃、第2冷却側温度検出手段76による検出温度が115℃となるように、定着装置40を稼動させた。
(比較例2)
温度制御手段90が第1ヒータランプ67、第2ヒータランプ77、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御して、第1加熱側温度検出手段65による検出温度が170℃、第2加熱側温度検出手段75による検出温度が150℃、第1冷却側温度検出手段66による検出温度が120℃、第2冷却側温度検出手段76による検出温度が120℃となるように、定着装置40を稼動させた。
(比較例3)
温度制御手段90が第1ヒータランプ67、第2ヒータランプ77、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御して、第1加熱側温度検出手段65による検出温度が150℃、第2加熱側温度検出手段75による検出温度が130℃、第1冷却側温度検出手段66による検出温度が70℃、第2冷却側温度検出手段76による検出温度が70℃となるように、定着装置40を稼動させた。
(比較例4)
温度制御手段90が第1ヒータランプ67、第2ヒータランプ77、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御して、第1加熱側温度検出手段65による検出温度が150℃、第2加熱側温度検出手段75による検出温度が120℃、第1冷却側温度検出手段66による検出温度が65℃、第2冷却側温度検出手段76による検出温度が65℃となるように、定着装置40を稼動させた。
評価結果を表1に示す。
(比較例5)
温度制御手段90が第1ヒータランプ67、第2ヒータランプ77、第1冷却手段62および第2冷却手段72を制御して、第1加熱側温度検出手段65による検出温度が110℃、第2加熱側温度検出手段75による検出温度が110℃、第1冷却側温度検出手段66による検出温度が65℃、第2冷却側温度検出手段76による検出温度が65℃となるように、定着装置40を稼動させた。
評価結果を表1に示す。
Figure 2010085788
表1から明らかに、定着ベルト表面における加熱手段近傍領域の温度が結晶性ポリエステルの融点以上に制御され、定着ベルト表面における冷却手段近傍領域の温度が離型剤の融点以上、結晶性ポリエステルの融点未満に制御された、実施例1〜6では、低温定着性が良好で、かつホットオフセットの発生が防止される結果となった。
本発明の実施の一形態である画像形成装置1の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態である定着装置40の構成を示す図である。 定着装置40の温度制御手段90の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態である定着装置140の構成を示す図である。
符号の説明
1 画像形成装置
40,140 定着装置
50 画像形成ユニット
51 感光体ドラム
52 帯電装置
53 レーザスキャナユニット
54 現像ユニット
55 転写ローラ
56 クリーニング装置
60 第1定着ベルト
61 第1加熱ローラ
62 第1冷却手段
63 第1牽引ローラ
64,74 加圧ローラ
65 第1加熱側温度検出手段
66 第1冷却側温度検出手段
67 第1ヒータランプ
68 第1断熱部材
70 第2定着ベルト
71 第2加熱ローラ
72 第2冷却手段
73 第2牽引ローラ
75 第2加熱側温度検出手段
76 第2冷却側温度検出手段
77 第2ヒータランプ
78 第2断熱部材
90 温度制御手段
171 定着ローラ

Claims (7)

  1. 記録媒体上に形成される未定着のトナー像であって、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとからなる結着樹脂と、前記結晶性ポリエステルの融点よりも低い融点を有する離型剤とを含むトナーによって構成されるトナー像を溶融させて、記録媒体上にトナー像を定着させる定着装置において、
    複数の支持ローラによって張架されて支持ローラの回転に伴って回転駆動する無端状のベルト部材であり、トナー像が形成される記録媒体表面に対向する定着ベルトと、
    前記定着ベルトの表面温度が前記結晶性ポリエステルの融点以上の所定の温度となるように、前記定着ベルトを内側から加熱する加熱手段と、
    前記加熱手段よりも前記定着ベルトの回転方向下流側に配置されて、前記定着ベルトの表面温度が前記離型剤の融点以上、前記結晶性ポリエステルの融点未満の所定の温度となるように、前記定着ベルトを内側から冷却する冷却手段とを含み、
    前記定着ベルトの回転方向における、前記加熱手段と前記冷却手段との間に形成される定着ニップ部において、記録媒体上の未定着トナー像を定着させることを特徴とする定着装置。
  2. 前記冷却手段がペルチェ素子からなり、
    冷却手段から発生する冷却エネルギーに相当する発熱エネルギーを利用して、前記加熱手段による前記定着ベルトの加熱が行われるように構成されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記加熱手段は、前記定着ベルトを張架する複数の支持ローラのうち、定着ベルトの回転方向最上流側に配置される支持ローラの内部に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記定着ベルトの延在方向に延びて、前記定着ベルトを外方から覆う断熱部材を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置。
  5. 前記定着ベルトを介して前記冷却手段と対向するように配置され、
    前記定着ベルトの表面温度が前記離型剤の融点以上、前記結晶性ポリエステルの融点未満の所定の温度となるように、前記定着ベルトを外側から冷却する第2冷却手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の定着装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の定着装置を用いて、記録媒体上にトナー像を定着させることを特徴とする定着方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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