JP2010085247A - Tftアレイの検査方法及びtftアレイ検査装置 - Google Patents

Tftアレイの検査方法及びtftアレイ検査装置 Download PDF

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Abstract

【課題】信号ライン間に電圧を一定時間印加する電圧印加では、欠陥点の電気的特性を変化させることが困難な欠陥種についても、欠陥点の電気的特性を変化させる。
【解決手段】信号ライン間に電圧を一定時間印加するという従来の手法に代えて、信号ライン間への電圧印加において、印加する電圧の極性を切り替え、欠陥点に流す電流の方向を切り替える手法とすることによって、電流の流れる方向によって電気抵抗に差異を有する電気特性を有する欠陥種であっても、欠陥点の電気的特性を変化させ、欠陥検出性能を向上させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶基板等の製造過程等で行われるTFTアレイ検査に関し、特に、TFTアレイ検査する際のTFTアレイ駆動に関する。
液晶基板や有機EL基板等のTFTアレイが形成された半導体基板の製造過程では、製造過程中にTFTアレイ検査工程を含み、このTFTアレイ検査工程において、TFTアレイの欠陥検査が行われている。
TFTアレイは、例えば液晶表示装置の画素電極を選択するスイッチング素子として用いられる。TFTアレイを備える基板は、例えば、走査線として機能する複数本のゲートラインが平行に配設されると共に、信号線として記載する複数本のソースラインがゲートラインに直交して配設され、両ラインが交差する部分の近傍にTFT(Thin film transistor)が配設され、このTFTに画素電極が接続される。液晶表示装置は、上記したTFTアレイが設けられた基板と対向基板との間に液晶層を挟むことで構成され、対向基板が備える対向電極と画素電極との間に画素容量が形成される。
このTFTアレイにおいて、走査線(ゲートライン)や信号線(ソースライン)の断線、走査線(ゲートライン)と信号線(ソースライン)の短絡、画素を駆動するTFTの特性不良による画素欠陥等の欠陥検査は、例えば、対向電極を接地し、ゲートラインの全部あるいは一部に、例えば、−15V〜+15Vの直流電圧を所定間隔で印加し、ソースラインの全部あるいは一部に検査信号を印加することによって行っている。(例えば、特許文献1の従来技術。)
TFTアレイ検査装置は、TFTアレイに検査用の駆動信号を入力し、そのときの電圧状態を検出することで欠陥検出を行う他に、液晶の表示状態を観察することによって、TFTアレイの欠陥検出を行うこともできる。液晶の表示状態を観察することによってTFTアレイを検査する場合には、TFTアレイ基板と対向電極との間に液晶層を挟んだ液晶表示装置の状態で検査する他に、液晶層と対向電極を備えた検査治具をTFTアレイ基板に取り付けることによって、液晶表示装置に至らない半製品の状態で検査することもできる。
TFTアレイには、その製造プロセス中に様々な欠陥が発生する可能性がある。欠陥の種類として、例えば、ピクセルとソースラインとの間に短絡欠陥(S−Dshort)、ピクセルとゲートラインとの間に短絡欠陥(G−Dshort)、ソースラインとゲートラインとの間に短絡欠陥(S−Gshort)、ピクセルとTFTとの間の断線(D−open)等がある。また、上記した各ピクセルにおける欠陥の他に、隣接するピクセル間で生じる隣接欠陥と呼ばれるものがある。この隣接欠陥として、例えば、横方向で隣接するピクセル間の欠陥、縦方向で隣接するピクセル間の欠陥、隣接するソースライン間の短絡、隣接するゲートライン間の短絡等が知られている。
TFTアレイの欠陥を検出する手法として、電子線照射によって得られる二次電子を検出することでピクセルの電位を検出する手法(例えば、特許文献2参照)や、ドレイン信号に流れる電流を検出する手法(例えば、特許文献3参照)が知られている。
特開平5−307192号公報 特開平11−265678号公報 特開2005−221598号公報
TFT基板に検査信号を印加してTFT基板に形成されるパネルを駆動させ、各ピクセルの電位を検出器で読み取り、正常状態の電位と欠陥状態の電位とでは電位が異なることに基づいて、この電位変化からTFTアレイの欠陥の有無を検査する際、検査信号を印加する前に電圧を印加することによって、欠陥部分の電気特性を変化させ、欠陥部分の電位変化を大きく強調させることが知られている。
例えば、ゲート(Gate)信号ライン、ソース(Source)信号ライン、共通(Cs)ラインに異なる電圧を一定時間印加すると、各信号ライン間に短絡欠陥がある場合、欠陥点に大きな電流が流れて、欠陥点の電気的特性を大きく変化させることができる。
図7はTFTアレイの欠陥例を説明するための図である。図7(a)はゲート信号ラインGとソース信号ラインSとの間に短絡欠陥(ショートライン欠陥)がある例を示している。欠陥点Aにおいて、ゲート信号ライン14e(Ge)とソース信号ライン15o(So)とが短絡している。なお、図7において、11はTFT、12はピクセル(画素電極)、13は付加容量、14はゲート信号ライン、15はソース信号ラインを示している。
図8は検査信号とピクセルの電位を示す図である。図8(a),(b)はゲート信号Go,Geを示し、図8(c),(d)はソース信号So,Seを示している。図8(a),(b)のゲート信号Go,Geと図8(c),(d)のソース信号So,Seとの組み合わせによって、TFTアレイの全ピクセルに正電圧(ここでは10v)と負電圧(ここでは−10v)を交互に印加する。
図9(a)、(b)はピクセルが正常な状態であるとき、全ピクセルに同電圧(ここでは10vおよび−10V)を印加したときに発生するピクセル(ITO)の電圧状態を示している。図9(a)は全ピクセルに+10Vを印加する場合を示し、図8(e)中の1−5の期間に対応している。また、図9(b)は全ピクセルに−10Vを印加する場合を示し、図8(f)中の6−10の期間に対応している。
TFT基板上のTFTアレイを図9に示すような一様に駆動する信号パターンによって欠陥検査を行ったときに、例えば、図7(a)に示す短絡欠陥(ショートライン欠陥)が存在する場合には、その短絡欠陥の欠陥点Aが存在するラインに接続されるピクセル(ITO)の電圧状態は、本来あるべき電圧状態(例えば、+10Vあるいは−10V)と異なる。
図9(c)、(d)はピクセルが短絡欠陥を含むとき、全ピクセルに同電圧(ここでは10vおよび−10V)を印加したときに発生するピクセル(ITO)の電圧状態を示している。図9(c)は全ピクセルに+10Vを印加する場合を示し、図8(f)中の1−5の期間に対応している。また、図9(d)は全ピクセルに−10Vを印加する場合を示し、図8(f)中の6−10の期間に対応している。
短絡欠陥が存在するラインに接続されるピクセルは、例えば、+20Vあるいは−15Vを示し、正常ピクセルの場合と異なる電位を示す。この電位差を検出することで、TFTアレイの欠陥の有無を検出することができる。
ここで、TFT基板に検査信号を印加する前に、ゲート信号ライン、ソース信号ライン、共通信号ラインに異なった電圧を一定時間印加することによって、欠陥点の電気的特性を変化させ、欠陥点の電位変化を大きくすることで、欠陥検出を容易とすることが知られている。
例えば、信号ライン間に短絡欠陥がある場合、信号ライン間に電圧を一定時間印加して欠陥点に大電流を流し、これによって欠陥点の電気抵抗といった電気的特性を変化させ、これによって、正常時と欠陥時におけるピクセルの電位差を拡大させ、欠陥検出を容易とする。
しかしながら、本出願人の発明者は、信号ライン間に電圧を一定時間印加する手法では、欠陥点の電気的特性を変化させることが困難な場合があることを見出した。例えば、電流の流れる方向に特異性を有し、電流の流れる方向によって電気抵抗に差異を有するダイオードに類似した電気特性を有する欠陥種があることを見出した。図7(b)は、信号ライン間の欠陥点において流れる電流に方向性がある場合を示している。欠陥点Bは、例えば、ゲート信号ラインGeからソース信号ラインSoに向かい方向の電気抵抗が低く、ソース信号ラインSoからゲート信号ラインGeに向かう方向の電気抵抗が高い場合を示している。
このような抵抗特性を有する欠陥点Bに対して、ゲート信号ラインGeに高い電圧を印加し、ソース信号ラインSoに低い電圧を印加した場合には、欠陥点Bに大電流を流すことができ、電気的特性を変化させることができるが、逆に、ソース信号ラインSoに高い電圧を印加し、ゲート信号ラインGeに低い電圧を印加した場合には、欠陥点Bに大電流は流れず、電気的特性を変化させることができない。
図10は、検査信号の前に電圧を一定時間印加する例を示している。図10(a),(b)はゲート信号Go,Geを示し、図10(c),(d)はソース信号So,Seを示している。
ゲート信号Go,Geは、検査信号の前段階で電圧(ここでは−30V)を一定時間印加し、ソース信号So,Seは、検査信号の前段階で電圧(ここでは+30V)を一定時間印加する。
図10(e)はピクセルが正常である場合のピクセルの電位を示し、図10(f)は欠陥ピクセルに対して電圧印加の処理を行わない場合のピクセルの電位を示し、図10(g),(h)は欠陥ピクセルに対して電圧印加の処理を行う場合のピクセルの電位を示している。
欠陥の短絡状態が不完全であるとき、欠陥ピクセルに対して電圧印加の処理を行わない場合には、図10(f)に示すように、検出されるピクセル電位は正常ピクセルと類似した電圧状態となり、欠陥判定に誤りが生じる場合がある。
これに対して、電圧印加の処理を行うことによって欠陥部位の電気的特性を変化させた場合には、図10(g)に示すように、検出されるピクセル電位は正常ピクセルと異なる電圧状態となり、欠陥判定が可能となる。一方、電圧印加の処理において、電圧の印加方向が逆方向である場合には、図10(h)に示すように、検出されるピクセル電位は正常ピクセルと類似した電圧状態となり、欠陥判定に誤りが生じる場合がある。
このように欠陥種では、信号ライン間に電圧を一定時間印加するという従来の手法によっては、欠陥点の電気的特性を変化させることが困難な場合があり、欠陥検出を向上させるという効果が得られないという問題が生じる。
そこで、本発明は上記課題を解決して、TFTアレイ検査において、信号ライン間に電圧を一定時間印加する電圧印加では、欠陥点の電気的特性を変化させることが困難な欠陥種についても、欠陥点の電気的特性を変化させることを目的とする。
より詳細には、TFTアレイ検査において、電流の流れる方向によって電気抵抗に差異を有する電気特性を有する欠陥種であっても、欠陥点の電気的特性を変化させ、欠陥検出性能を向上させることを目的とする。
本発明は、信号ライン間に電圧を一定時間印加するという従来の手法に代えて、信号ライン間への電圧印加において、印加する電圧の極性を切り替え、欠陥点に流す電流の方向を切り替える手法とすることによって、電流の流れる方向によって電気抵抗に差異を有する電気特性を有する欠陥種であっても、欠陥点の電気的特性を変化させ、欠陥検出性能を向上させる。
本発明は、TFTアレイの検査において、方法の態様と装置の態様とすることができる。本発明のTFTアレイの検査方法の態様は、TFT基板に検査信号を印加し、ピクセルの電位変化からTFTアレイの欠陥を検査するTFTアレイの検査方法であり、検査前電圧印加工程、検査信号印加工程、および欠陥検出工程の工程を順に行う。
検査前電圧印加工程は、検査信号印加工程の前段階の工程であり、アレイを構成する各信号線に対して検査前電圧を印加する。検査信号印加工程は、TFT基板に検査信号を印加してピクセルに電圧を印加して、ピクセルを所定の電位状態とする。欠陥検出工程は、ピクセルの電位を検出し、正常ピクセルで検出される電位と比較することによってTFTアレイの欠陥を検出する。
本発明のTFTアレイの検査方法は、検査前電圧印加工程を特徴的に備えるものであり、電圧値が時系列で変化する検査前電圧を生成し、この生成した検査前電圧を少なくとも一つの信号線に印加し、信号線間に極性を異にする電圧を切り替えて印加する。
本発明の検査前電圧印加工程は、電圧値が時系列で変化する検査前電圧として、電圧の極性が時系列で変化する検査前電圧を生成することができる。
この検査前電圧の印加によって、電流の流れる方向によって電気抵抗に差異を有する電気特性を有する欠陥種であっても、両方向から検査前電圧を印加することができ、欠陥点の電気的特性を変化させることができる。
本発明のTFTアレイの検査装置の態様は、TFT基板に検査信号を印加し、ピクセルの電位変化からTFTアレイの欠陥を検査するTFTアレイの検査装置であり、ピクセルの電位を検出する検出部と、検査前電圧を生成しTFT基板に印加する検査前電圧生成部と、検査信号を生成しTFT基板に印加する検査信号生成部と、検出部が検出する電位に基づいてTFTアレイの欠陥を検出する欠陥検出部とを備える。
本発明の検査前電圧生成部は、電圧値が時系列で変化する検査前電圧を少なくとも一つの信号線に印加し、信号線間に極性を異にする電圧を切り替えて印加する。本発明の検査信号生成部は、検査前電圧生成部によって検査前電圧をTFT基板に印加した後、検査信号をTFT基板に印加する。本発明の欠陥検出部は、検査信号の印加時において検出部で検出したピクセルの電位を正常ピクセルの電位と比較することによって、TFTアレイの欠陥を検出する。
本発明の検査前電圧生成部は、電圧値が時系列で変化する検査前電圧として、電圧の極性が時系列で変化する検査前電圧を生成することができる。
本発明のTFTアレイ検査方法、検査装置は、短絡欠陥に限らず、検査前電圧の印加によって欠陥部位の電気的特性が変化する欠陥種について適用することができる。
また、本発明のTFTアレイ検査方法、検査装置は、ゲート信号ラインとソース信号ライン間に欠陥にかぎらず、ピクセルとソースラインとの間に短絡欠陥(S−Dshort)、ピクセルとゲートラインとの間に短絡欠陥(G−Dshort)、ピクセルとTFTとの間の断線(D−open)等についても適用することができる。
本発明によれば、TFTアレイ検査において、信号ライン間に電圧を一定時間印加する電圧印加では、欠陥点の電気的特性を変化させることが困難な欠陥種についても、欠陥点の電気的特性を変化させることができる。
また、本発明によれば、TFTアレイ検査において、電流の流れる方向によって電気抵抗に差異を有する電気特性を有する欠陥種であっても、欠陥点の電気的特性を変化させ、欠陥検出性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明のTFTアレイ検査装置の概略図である。
TFTアレイ検査装置1は、検査前電圧を生成する検査前電圧生成部4と、アレイ検査用の検査信号を生成する検査信号生成部5と、検査前電圧生成部4で生成した検査前電圧および検査信号生成部5で生成した検査信号をTFT基板20に印加するプローバ10と、TFT基板のピクセルの電位を検出する機構(2、3、7)と、検出信号に基づいてTFTアレイの欠陥を検出する欠陥検出部8を備える。
プローバ10は、プローブピン(図示していない)が設けられたプローバフレームを備える。プローバ10は、TFT基板20上に載置する等によってプローブピンをTFT基板20上に設けた電極に接触させ、この電極を介してTFTアレイに検査前電圧および検査信号を印加する。
TFT基板のピクセルの電圧印加状態を検出する機構は種々の構成とすることができる。図1に示す構成は電子線による検出構成であり、TFT基板20上に電子線を照射する電子線源2、照射された電子線によってTFT基板20のピクセル(図示していない)から放出される二次電子を検出する二次電子検出器3、二次電子検出器3の検出信号を信号処理してTFT基板20のピクセルの電位状態を検出する信号処理部7等を備える。
TFT基板のピクセルは、印加された検査信号の電圧に応じた電位状態にある。このピクセルに電子線が照射されると、ピクセルの電位に応じた二次電子を放出される。この二次電子を検出することによって、TFT基板のピクセルの電位状態を検出することができる。
欠陥検出部8は、信号処理部7で取得したTFT基板のピクセルの電位状態に基づいて、正常状態における電位状態と比較することによってTFTアレイの欠陥を検出する。
なお、ここでは、TFT基板のピクセルの電位状態を検出する機構(2、3、7)を用いてTFTアレイの欠陥を検出する構成例を示しているが、TFT基板が液晶表示装置を構成している場合には、検査信号によって液晶を駆動して、検査信号による表示パターンを表示させ、この表示状態を撮像装置で撮像して取得した撮像画像に画像処理することで欠陥検査を行う他、表示像を目視で観察してもよい。また、TFT基板がTFTアレイのみを備える段階の場合には、検査信号を印加する治具に液晶層や対向電極を設けることで一時的に液晶表示装置を構成して、上記のようにして欠陥検査を行っても良い。
検査前電圧生成部4は、TFT基板20上に形成されるTFTアレイに印加する検査前電圧を生成する。この検査前電圧は、欠陥点での電気抵抗等の電気的特性を変えて、この欠陥点の電位変化を大きくする電圧信号である。この検査前電圧は、検出する欠陥種に応じた電圧変化パターンを備える。
電圧変化パターンは、変化する電圧値、電圧の変化周期、電圧を印加する信号ラインの組み合わせ、およびこれらの組み合わせ等とすることができる。
検査信号生成部5は、TFT基板20上に形成されるTFTアレイを駆動する検査信号を生成する。この検査信号は、検出する欠陥種に応じた検査パターンを備える。
走査制御部6は、TFT基板20上のTFTアレイの検査位置を走査するために、ステージ9や電子線源2を制御する。ステージ9は、載置するTFT基板20をXY方向に移動し、また、電子線源2はTFT基板20に照射する電子線をXY方向に振ることで、電子線の照射位置を走査する。走査位置が検出位置となる。
なお、上記したTFTアレイ検査装置の構成は一例であり、この構成に限られるものではない。
電子線を用いたTFTアレイ検査装置では、ピクセル(ITO電極)に対して電子線を照射し、この電子線照射によって放出される二次電子を検出することによって、ピクセル(ITO電極)に印加された電圧波形を二次電子波形に変えて、信号によるイメージ化し、これによってTFTアレイの電気的検査を行う。
本発明の検査前電圧印加は、電圧値が時系列で変化する検査前電圧を生成し、生成した検査前電圧を少なくとも一つの信号線に印加し、信号線間に極性を異にする電圧を切り替えて印加する。
図2は、本発明による検査前電圧印加の動作例を説明するものである。なお、図2では、ソース信号ラインとゲート信号ライン間に短絡欠陥の欠陥点Cがある場合を示している。
図2(a)は検査前電圧を印加する前の状態を示し、図2(b)はソース信号ラインからゲート信号ラインに向かって検査前電圧を印加した状態を示し、図2(c)はゲート信号からラインソース信号ラインに向かって検査前電圧を印加した状態を示している。
図2(b)において、欠陥点Cで電流方向はゲート信号からラインソース信号ラインに向かう電気特性を有しているため、ソース信号ラインからゲート信号ラインに向かって検査前電圧を印加した場合には大電流は流れず、欠陥点Cの電気的特性を変えることはできない。
一方、図2(c)において、ゲート信号ラインからソース信号ラインに向かって検査前電圧を印加した場合には大電流が流れ、欠陥点Cの電気的特性を変えることができる。
したがって、信号線間に極性を異にする電圧を切り替えて印加することによって、図2(b)に示す検査前電圧の印加と図2(c)に示す検査前電圧の印加とを行うことができる。
上記検査前電圧の両方向の印加動作により、欠陥点Cの電気的特性は変化する。図3は欠陥点Cの電気的特性の変化状態を説明するための図である。図3(a)は、本発明による検査前電圧の両方向の印加を行う前の状態を示している。欠陥点Cの電気抵抗は、正常状態よりも低い抵抗値であるが、ある程度の抵抗値を有している。一方、図3(b)は、本発明による検査前電圧の両方向の印加を行った後の状態を示している。欠陥点Cの電気抵抗は、検査前電圧を印加する前よりも低い抵抗値となり、短絡欠陥の電気特性を明確に表す状態となる。
図4は、本発明による検査前電圧の印加例を説明するものである。図4において、検査信号の前に、電圧値が時系列で変化する検査前電圧を生成し、この検査前電圧を少なくとも一つの信号線に印加し、信号線間に極性を異にする電圧を切り替えて印加する例を示している。図4(a),(b)はゲート信号Go,Geを示し、図4(c),(d)はソース信号So,Seを示している。
ゲート信号Go,Geは、検査信号の前段階で極性を異にする電圧(ここでは+30Vと−30V)を時系列で変化させて印加し、ソース信号So,Seは、検査信号の前段階で極性を異にする電圧(ここでは−30Vと+30V)を時系列で変化させて印加する。
ゲート信号Go,Geとソース信号So,Seとは、互いに逆極性となるように変化させ、ゲート信号ラインとソース信号ラインとの間に60Vの電位差が印加されるようにする。これによって、欠陥点に大電流を流すことができる。図4(f)は共通信号ラインCsを示している。ここでは、検査前電圧の印加時に、共通信号ラインCsに電圧を印加しないため、任意の電圧とすることができる。
図4(f)はピクセルが正常である場合のピクセルの電位を示し、図4(f)は欠陥ピクセルに対して電圧印加の処理を行わない場合のピクセルの電位を示し、図4(h)は欠陥ピクセルに対して電圧印加の処理を行う場合のピクセルの電位を示している。
欠陥の短絡状態が不完全であるとき、欠陥ピクセルに対して電圧印加の処理を行わない場合には、図4(g)に示すように、検出されるピクセル電位は正常ピクセルと類似した電圧状態となり、欠陥判定に誤りが生じる場合がある。
これに対して、信号線間に極性を異にする検査前電圧を切り替えて印加する処理を行うことによって欠陥部位の電気的特性を変化させた場合には、図4(h)に示すように、検出されるピクセル電位は正常ピクセルと異なる電圧状態となり、欠陥判定が可能となる。
図5、図6は信号線間に極性を異にする検査前電圧を切り替えて印加する処理の有無によりピクセルの電位状態を説明するための図である。なお、図6(a),図6(b)はピクセルが正常状態の場合を示している。
図5(a),図6(c),図6(d)は、本発明による検査前電圧を切り替えて印加する処理を行わない場合のピクセルの電位状態を示している。この電位状態は、図4(g)の示す電位状態に対応するものである。このときには、ピクセルの電位状態は、ソース信号ラインに印加した電圧10Vあるいは−10Vに近い電圧(10V+Δv)あるいは(10V−Δv)となる。なお、Δvは欠陥点での短絡欠陥の程度に応じた電気抵抗値によって定まる電圧変動分である。
一方、図5(b),図6(e),図6(f)は、本発明による検査前電圧を切り替えて印加する処理を行った場合のピクセルの電位状態を示している。この電位状態は、図4(h)の示す電位状態に対応するものである。このとき、欠陥点において、ソース信号ラインとゲート処理との間で短絡状態に変化している場合には、ピクセルの電位状態は、ソース信号ラインに印加した電圧20Vあるいは−20Vとなる。
欠陥検査は、正常なピクセルの電位との比較で行うため、本発明による検査前電圧を切り替えて印加する処理によって、図5(b),図6(e),図6(f)に示すようピクセルの電位状態を大きく変えることで欠陥検出の検出精度を向上させることができる。
なお、上記説明では欠陥検出について示しているが、本発明のTFTアレイ検査方法、検査装置は、ゲート信号ラインとソース信号ライン間に欠陥にかぎらず、ピクセルとソースラインとの間に短絡欠陥(S−Dshort)、ピクセルとゲートラインとの間に短絡欠陥(G−Dshort)、ピクセルとTFTとの間の断線(D−open)等についても適用することができる。
本発明は、液晶製造装置におけるTFTアレイ検査工程の他、有機ELや種々の半導体基板が備えるTFTアレイの欠陥検査に適用することができる。
本発明のTFTアレイ検査装置の概略図である。 本発明による検査前電圧印加の動作例を説明するものである。 欠陥点の電気的特性の変化状態を説明するための図である。 本発明による検査前電圧の印加例を説明するものである。 信号線間に極性を異にする検査前電圧を切り替えて印加する処理の有無によりピクセルの電位状態を説明するための図である。 信号線間に極性を異にする検査前電圧を切り替えて印加する処理の有無によりピクセルの電位状態を説明するための図である。 TFTアレイの欠陥例を説明するための図である。 検査信号とピクセルの電位を示す図である。 ピクセルの電位状態を説明するための図である。 従来の検査信号の前に電圧を一定時間印加する例を示す図である。
符号の説明
1…TFTアレイ検査装置、2…電子線源、3…検出器、4…検査前電圧生成部、5…検査信号生成部、6…走査制御部、7…信号処理部、8…欠陥検出部、9…ステージ、10…プローブ、20…TFT基板、11…TFT、12…ピクセル(画素電極)、13…付加容量、14…ゲート信号ライン、15…ソース信号ライン、16…Cs信号ライン。

Claims (4)

  1. TFT基板に検査信号を印加し、ピクセルの電位変化からTFTアレイの欠陥を検査するTFTアレイの検査方法であって、
    前記TFT基板に検査信号を印加してピクセルに電圧を印加する検査信号印加工程と、
    前記検査信号印加工程の前工程であって、アレイを構成する各信号線に対して検査前電圧を印加する検査前電圧印加工程と、
    ピクセルの電位を検出し、正常ピクセルで検出される電位と比較することによってTFTアレイの欠陥を検出する欠陥検出工程とを備え、
    前記検査前電圧印加工程は、電圧値が時系列で変化する検査前電圧を生成し、当該生成した検査前電圧を少なくとも一つの信号線に印加し、信号線間に極性を異にする電圧を切り替えて印加することを特徴とする、TFTアレイの検査方法。
  2. 検査前電圧印加工程は、電圧の極性が時系列で変化する検査前電圧を生成することを特徴とする、請求項1に記載のTFTアレイの検査方法。
  3. TFT基板に検査信号を印加し、ピクセルの電位変化からTFTアレイの欠陥を検査するTFTアレイの検査装置であって、
    前記ピクセルの電位を検出する検出部と、
    検査前電圧を生成しTFT基板に印加する検査前電圧生成部と、
    検査信号を生成しTFT基板に印加する検査信号生成部と、
    前記検出部が検出する電位に基づいてTFTアレイの欠陥を検出する欠陥検出部とを備え、
    前記検査前電圧生成部は、電圧値が時系列で変化する検査前電圧を少なくとも一つの信号線に印加し、信号線間に極性を異にする電圧を切り替えて印加し、
    前記検査信号生成部は、前記検査前電圧生成部によって検査前電圧をTFT基板に印加した後、検査信号をTFT基板に印加し、
    前記欠陥検出部は、検査信号の印加時において前記検出部で検出したピクセルの電位を正常ピクセルの電位と比較することによって、TFTアレイの欠陥を検出することを特徴とする、TFTアレイの検査装置。
  4. 前記検査前電圧生成部は、電圧の極性が時系列で変化する検査前電圧を生成することを特徴とする、請求項3に記載のTFTアレイの検査装置。
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