JP2010083645A - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】シートの重送や不送りなどの給紙不良を防止しつつ、各種シートサイズに合せてシート後端を無段階に規制でき、ユーザビリティを向上させる。
【解決手段】給紙カセット1は、カセット本体1Aと、中板と、加圧ばね51と、カセット本体1Aにシート給送方向に沿ってスライド可能に設けられ、シートの後端を規制する第1後端規制体31とを備える。また、給紙カセット1は、第1後端規制体31にシート給送方向に沿ってスライド可能に設けられ、シートの後端を規制する第2後端規制体32を備える。第1後端規制体31は、カセット本体1Aに積載される所定サイズのシートを第1高さh1に規制する第1高さ規制部31Aを有する。また、第2後端規制体32は、カセット本体1Aに積載される所定サイズよりも小さいサイズのシートを第1高さh1よりも低い第2高さh2に規制する第2高さ規制部32Aを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、各種サイズのシートを積載可能な給紙カセットを有するシート給送装置、及びシート給送装置を備えた複写機、プリンタ、複写機能及びプリンタ機能を有する複合機、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
現在、複写機、プリンタ、複写機能及びプリンタ機能を有する複合機、ファクシミリ等の画像形成装置が広く利用されている。この種の画像形成装置の給紙カセットは、カセット本体に設けられた中板と、カセット本体と中板との間に配置された中板付勢部材としての加圧ばね(圧縮コイルばね)と、を備えているのが一般的である。そして、中板を加圧ばねにより付勢することによって、中板上に積載されたシートの先端を給紙ローラに圧接させて、給紙ローラにより給紙カセットに積載されているシートの最も上にあるシートから1枚ずつ分離給送されるように構成されている。
通常、中板上に積載されたシートの高さが高ければ加圧ばねの圧縮量が大きく、逆にシートの積載高さが低ければ加圧ばねの圧縮量が小さい。つまり、給紙カセットに積載されたシートの高さが高いほど、シートが中板によって給紙ローラに押圧されたときに給紙ローラに作用する圧力(給紙圧)が大きくなる。
そして、シートを安定して給送するためには、この給紙圧がシート積載高さに関係なく一定範囲内になければならない。そこで、従来は、加圧ばねのばね定数を適正に設定することにより、加圧ばねの圧縮量(すなわちシートの積載高さ)に関係なく、給紙圧が一定範囲内となるようにしている。
しかしながら、中板上に積載されるシートのサイズ差によるシート総重量の変化に対しては、ばね定数の設定のみでは十分に対処できない場合がある。例えば、A4やレター等のA5以上の大きさのシート(以下、大サイズシートという)と、A6サイズ等の大サイズシートよりも小サイズのシート(以下、小サイズシートという)を同じ枚数積載した場合、小サイズシートは大サイズシートよりも重量が軽い。そのため、加圧ばねのばね定数を大サイズシートに適合するように設定した場合、小サイズシートでは、給紙圧が高くなすぎてしまい、シートの重送が発生しやすくなってしまう。逆に、加圧ばねのばね定数を小サイズシートに適合するように設定した場合、大サイズシートは小サイズシートよりも重量が重いため、給紙圧が低くなり、シートの不送りが発生しやすくなってしまう。そして、シートを大量に積載できる大容量の給紙カセットほど、給紙圧のばらつきが大きくなる傾向にある。
そこで、従来、中板に着脱可能であり、シートサイズに応じて規制高さが異なり、中板に積載されるシートの枚数を規制する後端ガイドを備えた給紙カセットが提案されている(特許文献1参照)。そして、複数の位置決め孔のいずれかに適合する後端ガイドを取り付け、使用していない後端ガイドは、保持孔に取り付けるようにしている。この給紙カセットでは、給紙ローラに作用する給紙圧を一定範囲内とするために、シートサイズ毎に後端ガイドを着脱して、給紙ローラへの給紙圧が一定範囲内となるような積載高さに規制することができるため、シートの重送や不送りなどの給送不良が防止される。
特開平10−77123号公報
しかしながら、上記従来の給紙カセットでは、シートサイズを変更する度に、後端ガイドを着脱してシートサイズに適合した後端ガイドに交換する必要があったため、操作性が低くかった。また、取り外して使用していない後端ガイドを予め定められた保管箇所に設置するのを忘れてしまうと、後端ガイドを紛失してしまったり、破損してしまったりする可能性があった。また、シートサイズを変更するときは、中板に設けられた位置決め孔に後端ガイドを着脱するようにしていたため、中板に設けられた位置決め孔に対応しないサイズのシートを積載できないという問題があった。
そこで、本発明は、シートの重送や不送りなどの給紙不良を防止しつつ、各種シートサイズに合せてシート後端を無段階に規制でき、ユーザビリティが向上するシート給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明のシート給送装置は、シートが積載される給紙カセットと、前記給紙カセットに積載されたシートを給送する給紙ローラと、を備えたシート給送装置において、前記給紙カセットは、カセット本体と、前記カセット本体に昇降可能に設けられ、前記カセット本体に積載されたシートの先端側を前記給紙ローラに押圧可能な中板と、前記中板を前記給紙ローラに向けて付勢する中板付勢部材と、前記カセット本体にシート給送方向に沿って移動可能に設けられ、前記カセット本体に積載されたシートの後端を規制する第1後端規制体と、前記第1後端規制体に移動可能に設けられ、前記カセット本体に積載されたシートの後端を規制する第2後端規制体と、を備え、前記第1後端規制体は、前記カセット本体に積載される所定サイズのシートを、第1高さに規制する第1高さ規制部を有し、前記第2後端規制体は、前記カセット本体に積載される前記所定サイズよりも小さいサイズのシートを、前記第1高さよりも低い第2高さに規制する第2高さ規制部を有する、ことを特徴とするものである。
また、本発明の画像形成装置は、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部にシートを給送する上記シート給送装置と、を備えた、ことを特徴とするものである。
本発明によれば、第1高さ規制部及び第2高さ規制部によりシートサイズに合せてシート積載高さを制限することで、給紙ローラへの給紙圧を各種シートサイズに適合した一定範囲内とすることができ、シートの重送や不送りなどの給紙不良を防止できる。さらに、第1後端規制体及び第2後端規制体を移動させることで、各種シートサイズのシートの後端に合せて第1後端規制体及び第2後端規制体を無段階に設定でき、ユーザビリティが向上する。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る画像形成装置の一例としてのプリンタの概略構成を示す説明図である。
図1において、100はレーザビームプリンタであり、このレーザビームプリンタ100は、画像形成を行う画像形成部101と、画像形成部101にシートSを1枚ずつ分離給送するシート給送装置102等を備えている。
ここで、画像形成部101は、画像形成装置本体としてのレーザビームプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)100Aに対して着脱可能なプロセスカートリッジ200、転写ローラ6等を備えている。なお、プロセスカートリッジ200は、感光体ドラム7、帯電ローラ9、現像器10、不図示のクリーニング手段等を備えている。
シート給送装置102は、シートSが積載される給紙カセット1、周面の一部が切り欠かれた略半月形状を有する給紙ローラ3、加圧ばね20によって所定の加圧力で給紙ローラ3へ向けて付勢され、給紙ローラ3との間でニップを形成する分離パッド2を有する。給紙カセット1は、プリンタ本体100Aに取り外し可能に装着されている。
また、図1において、22はレーザスキャナユニット、15は定着装置、18,19は排紙トレイ21にシートSを排出する排紙ローラ対である。
次に、このように構成されたレーザビームプリンタ100の画像形成動作を説明する。
給紙カセット1に複数枚積載されたシートSは、中板50によって付与された押圧力により、その先端が給紙ローラ3に向けて押し上げられている。
不図示のパソコン等から画像情報が送られ、この画像情報を画像形成処理した不図示の制御部がプリント信号を発すると、給紙ローラ3が給紙時のみ反時計回りに回転し、給紙カセット1に積載されたシートSは画像形成部101に送り出される。なお、複数枚のシートSが給紙ローラ3と分離パッド2とのニップ部に入ったときには、分離パッド2の摩擦力により、最上位のシートSだけが画像形成部101に送り込まれる。
一方、このプリント命令と共に画像情報に基づきレーザスキャナユニット22からレーザ光が感光体ドラム上に照射され、これにより感光体ドラム7の表面上に潜像が形成される。さらに、この潜像を現像器10によって現像することにより、感光体ドラム7上にトナー画像が形成される。
そして、このようにして感光体ドラム7上に形成されたトナー画像は、この後、搬送ローラ4,5によって感光体ドラム7と転写ローラ6とのニップ部に送り込まれたシートSに転写される。
さらに、トナー画像が転写されたシートSは、定着装置15に送られ、定着装置15の加熱ローラ13とこれに圧接する加圧ローラ14とのニップ部へ導かれ、ニップ部を通過する過程でシート面に転写されたトナー像が加熱及び加圧されてシート面に定着される。この後、定着装置15を通過したシートSは排紙ローラ対18,19によって搬送され、排紙トレイ21上へ排出される。
ところで、給紙カセット1は、カセット本体1Aと、軸50aを支点として昇降可能にカセット本体1Aに支持された中板50と、を備えている。さらに、給紙カセット1は、カセット本体1Aと中板50との間に配置され、中板50を給紙ローラ3に向けて付勢する中板付勢部材としての加圧ばね51を備えている。この中板50を加圧ばね51で付勢することにより、カセット本体1A内に積載されたシートSの先端側を給紙ローラ3に押圧可能であり、シート給送動作を補助することができる。
図2は、中板50を取り外した状態を示す給紙カセット1の斜視図である。
カセット本体1Aは、略長方形状の底板部1aと、底板部1aに立設され、シートの先端に当接する先端壁部1bと、シート給送方向と直交する幅方向両側に立設された側壁部1cと、を有している。そして、カセット本体1Aは、後端側が開放されている。
給紙カセット1は、カセット本体1Aに積載されているシートの側端を規制する一対のサイド規制板25,26と、カセット本体1Aの後端側に設けられ、中板50上に積載されているシートの後端を規制する後端規制部1Bと、を備えている。
サイド規制板25,26は、それぞれからシート給送方向と直交する幅方向に延びるアーム部25a,26aを有し、アーム部25a,26aには、ピニオン27に噛合するラック25b,26bがそれぞれ形成されている。ピニオン27は、カセット本体1Aの底板部1aに回転可能に支持されている。これらアーム部25a,26a、ラック25b,26b及びピニオン27により、中板50に積載される各サイズのシートに応じてその位置を変更できる移動手段が構成されている。サイド規制板25,26は、この移動手段によりシート給送方向と直交する幅方向に移動可能となっている。すなわち、サイド規制板25,26の一方を移動させると他方も連動するようになっている。
後端規制部1Bは、A4やレター等のA5よりも大きい大きさの所定サイズのシート(以下、大サイズシートという)の後端を規制する第1後端規制体31を備え、第1後端規制体31がカセット本体1Aにシート給送方向に移動可能に設けられている。また、後端規制部1Bは、A6サイズ等のA5以下の所定サイズよりも小さいシート(以下、小サイズシートという)の後端を規制する第2後端規制体32を備え、第2後端規制体32が第1後端規制体31にシート給送方向に移動可能に設けられている。すなわち、第2後端規制体32は、第1後端規制体31により後端を規制するシートよりもサイズの小さいシートがカセット本体1Aに積載された際に、そのシートの後端を規制するためのものである。
第1後端規制体31は、カセット本体1A側に延びるように形成され、シートの後端を支持する底板部31aと、底板部31aに立設され、シートの後端に当接させるための第1壁部31bと、を有している。第1壁部31bは、幅方向略中央に切欠部X1が形成されている。また、第1後端規制体31は、シート給送方向と直交する幅方向両側に形成されたアーム部31cを有する。
第2後端規制体32は、底板部31a上であって底板部31aの幅方向略中央部分にシート給送方向にスライド可能に配置され、シートの後端に当接させるための第2壁部32aを有している。この第2後端規制体32の第2壁部32aは、第1壁部31bにおける切欠部X1に対応する位置(第1壁部31bと重ならない位置)に配置され、第2壁部32aがスライドしても、第1壁部31bに接触しないようになっている。これにより、第2後端規制体32を第1壁部31bよりもシート給送方向上流側に退避させても、第2後端規制体32は、第1壁部31bに接触することはない。なお、切欠部X1には、第2後端規制体32が脱落するのを防止するストッパ31fが設けられている。
本第1実施形態では、給紙カセット1は、第1後端規制体31をカセット本体1Aに対してシート給送方向に沿ってスライドさせる第1スライド機構30Aを備えている。また給紙カセット1は、第2後端規制体32を第1後端規制体31に対してシート給送方向に沿ってスライドさせる第2スライド機構30Bを備えている。
図3は、カセット本体1Aの表面側を示す斜視図であり、図4は、第1後端規制体31の裏面側を示す斜視図である。
図3に示すように、カセット本体1Aの底板部1a上には、第1後端規制体31の底板部31aをガイドするためにシート給送方向に延びる2つのガイド溝1d,1dが形成されている。また、側壁部1cの内側には、第1後端規制体31のアーム部31cを支持してシート給送方向への移動をガイドする爪部1eが形成されている。そして、図4に示すように、第1後端規制体31の底板部31aの下面には、シート給送方向に延び、ガイド溝1d,1dにスライド可能に嵌る2つの凸部31d,31dが形成されている。これにより、図2に示す第1後端規制体31は、カセット本体1Aに設けたガイド溝1d,1d及び爪部1eにガイドされながら、カセット本体1Aに対してシート給送方向に沿って底板部1a上をスライド可能となる。すなわち、これらガイド溝1d,1d、凸部31d,31d、爪部1e及びアーム部31cにより第1スライド機構30Aが構成されている。
図2に示すように、第1後端規制体31の底板部31a上には、シート給送方向下流端から第1壁部31bの切欠部X1に対応する位置まで延びる2つのガイド溝31e,31eが設けられている。
また、第2後端規制体32の第2壁部32aは、第1後端規制体31の底板部31a上に配置されている2つのガイド溝31e,31eにスライド可能に嵌る不図示の凸部が形成されている。したがって、第2後端規制体32は、2つのガイド溝31e,31eにガイドされながら、シート給送方向に沿って第1後端規制体31の底板部31a上をスライド可能となる。すなわち、ガイド溝31e,31e及び不図示の凸部により第2スライド機構30Bが構成されている。
これら第1スライド機構30A及び第2スライド機構30Bにより、第1後端規制体31及び第2後端規制体32をシート給送方向の任意の位置に移動させることができる。そして、このように第1後端規制体31及び第2後端規制体32をスライドさせるだけで各種サイズのシートの後端を規制することができる。
ここで、図1に示す中板50上に積載されるシートSの高さが高ければ加圧ばね51の圧縮量が大きく、逆にシートSの積載高さが低ければ加圧ばね51の圧縮量が小さい。つまり、中板50上に積載されるシートSの高さが高いほど、給紙ローラ3に加わる給紙圧が増加する。
したがって、第1後端規制体31は、図2に示すように、第1壁部31b上端に設けられ、カセット本体側に突出し、シートの積載高さを第1高さh1に規制する第1高さ規制部としての第1高さ規制片31Aを有している。つまり、第1後端規制体31の第1高さ規制片31Aは、大サイズシートに対して給紙圧が一定範囲内となる高さ位置に設けられている。
これに対し、小サイズシートは、大サイズシートよりも重量が軽いため、給紙圧は大サイズシートよりも低いほうがよい。つまり、小サイズシートに対する給紙圧の適正値は、大サイズシートに対する給紙圧の適正値よりも小さい。そして、加圧ばね51の圧縮量が小さくなるほど、給紙ローラ3に圧接するシートの給紙圧は小さくなる。
そこで、本第1実施形態では、第2後端規制体32は、第2壁部32aの上端に設けられ、カセット本体側に突出し、シートの積載高さを第1高さh1よりも低い第2高さh2に規制する第2高さ規制部としての第2高さ規制片32Aを有している。つまり、第2高さ規制片32Aは、中板50上に積載される小サイズシートの積載高さが大サイズシートの積載高さよりも低くなるように、第1高さ規制片31Aよりも低い位置であり、小サイズシートに対して給紙圧が一定範囲内となる高さ位置に設けられている。
図5は、大サイズシートを給紙カセット1に積載する場合を示す説明図である。また、図6は、小サイズシートを給紙カセット1に積載する場合を示す説明図である。
本第1実施形態では、第1後端規制体31をシート給送方向にスライドさせることができるので、大サイズシートの後端に第1壁部31bを当接させてシート後端を規制することができる。この場合、図5に示すように、第2後端規制体32の第2高さ規制片32Aを第1壁部31bよりもシート給送方向上流側に退避させておけば、積載されたシートの後端に第2後端規制体32の第2高さ規制片32A及び第2壁部32aが接触することはない。そして、中板50上に積載される大サイズシートの積載高さは、第1高さ規制片31Aで第1高さh1に規制され、給紙ローラ3(図1)には、一定範囲内の給紙圧が作用する。
次に、第1後端規制体31をシート給送方向下流側にスライド移動させた際には、第2後端規制体32は第1後端規制体31と共に移動する。そして、図6に示しように、第2後端規制体32は、第1後端規制体31を第1後端規制体31の移動範囲のシート給送方向下流端までスライドさせた状態で、さらにシート給送方向下流側にスライドさせることができる。これにより、小サイズシートの後端に第2壁部32aを当接させてシート後端を規制することができる。そして、中板50上に積載される小サイズシートの積載高さは、第2高さ規制片32Aで第2高さh2に規制され、給紙ローラ3(図1)には、一定範囲内の給紙圧が作用する。
このように、第1後端規制体31の第1高さ規制片31A及び第2後端規制体32の第2高さ規制片32Aにより、大サイズシート及び小サイズシートの各種サイズのシートに合せてシート積載高さを制限することができる。したがって、給紙ローラ3への給紙圧を各サイズシートに適合した一定の範囲内とすることができ、シートの重送や不送りなどの給紙不良を防止することができる。また、第1後端規制体31及び第2後端規制体32を着脱することなく、スライドするだけで無段階に規制位置を設定することができ、ユーザビリティが向上する。
ここで、本第1実施形態では、第1後端規制体31及び第2後端規制体32を位置決めした後に、第1後端規制体31及び第2後端規制体32が移動しないようにロック可能に構成されている。図7は、第2後端規制体32を第1後端規制体31にロックする機構を示す説明図である。
まず、給紙カセット1は、図3に示すように、第1後端規制体31をカセット本体1Aの底板部1aにロックする第1ロック部33と、第1ロック部33によるロックを解除可能な第1ロック解除部34と、を備えている。さらに、給紙カセット1は、図7に示すように、第2後端規制体32を第1後端規制体31の底板部31aにロックする第2ロック部35と、第2ロック部35によるロックを解除可能な第2ロック解除部36と、を備えている。
詳述すると、まず、図3に示すように、カセット本体1Aの底板部1aには、シート給送方向に複数(図3では2つ)の歯としての凹部41a,41bがシート給送方向に沿って形成されている。そして、第1ロック部33は、凹部41a,41bと、凹部41a,41bのいずれかに歯合可能な歯としての凸部42aを有する第1ロック部材42と、第1ロック部材42を付勢する第1付勢部材としての圧縮コイルばねである第1付勢ばね43と、を有する。第1ロック部材42は、アーム状に形成され、その先端には凸部42aが設けられている。そして、第1付勢ばね43は、凸部42aが凹部41a又は41bに歯合する方向に付勢すべく、凸部42aが設けられている側と反対側に第1ロック部材42に接触して設けられている。
第1ロック部材42の先端と基端との間には、図4に示すように、第1後端規制体31の底板部31aに設けたボス31gが嵌る孔42bが形成されている。そして、第1ロック部材42は、この孔42bを中心に揺動可能(移動可能)に第1後端規制体31に支持されている。
図3に示す第1ロック部材42の基端には、第1付勢ばね43の付勢力に抗して第1ロック部材42の凸部42aとカセット本体1Aに形成した凹部41a,41bとの歯合を解除する方向に第1ロック部材42を操作可能な第1操作部44が設けられている。すなわち、第1ロック解除部34は、第1操作部44を有し、第1操作部44を操作することで、第1ロック部材42が歯合を解除する方向に移動させて第1ロック部材42によるロックを解除する。
第1操作部44は、ユーザが摘んで揺動操作することが可能であり、第1壁部31bに設けた開口部H1(図2)から露出するように配置されている。これにより、ユーザは、第1操作部44を操作することでロックを解除することができ、第1操作部44を操作しながら第1後端規制体31を容易にスライドさせることができる。そして、ユーザが第1操作部44を放すと、第1ロック部材42が第1付勢ばね43の付勢力により孔42bを中心に揺動し、凸部42aを凹部41a又は凹部41bに歯合させることができる。このように第1ロック部33により第1後端規制体31をカセット本体1Aにロックすることができる。
次に、第1後端規制体31の底板部31aには、図2及び図7に示すように、シート給送方向に沿って多数の歯を有するラック歯列45が形成されている。
第2ロック部35は、図7に示すように、ラック歯列45と、ラック歯列45に歯合可能な3つ(複数)の歯46aを有する第2ロック部材46と、第2ロック部材46を付勢する第2付勢部材としての圧縮コイルばねである第2付勢ばね47と、を有する。
第2ロック部材46は、基端が第2後端規制体32に揺動可能(移動可能)に支持され、先端にはシート給送方向の上流側に向かって延びて形成され、底板部31aに形成されているラック歯列45に対向する側の面に歯46aが形成されている。そして、第2付勢ばね47は、第2ロック部材46の歯46aが底板部31aのラック歯列45に歯合する方向に付勢するように、第2ロック部材46の歯46aが設けられている側の面と反対側の面に接触して設けられている。この第2ロック部材46の基端近傍には、爪部46bが形成されている。第2後端規制体32には、第2ロック部材46の爪部46bに当接し、第2付勢ばね47の付勢力に抗して第2ロック部材46の歯46aとラック歯列45との歯合を解除する方向に爪部46bを操作可能な第2操作部48が揺動可能(移動可能)に支持されている。すなわち、第2ロック解除部36は、第2操作部48を有し、第2操作部48を操作することで第2ロック部材46の爪部46bを押圧し、第2ロック部材46の歯合を解除する方向に移動させて第2ロック部材46によるロックを解除する。
第2操作部48は、ユーザが摘んで揺動操作することが可能であり、第2壁部32aに設けた開口部H2から露出するように配置されている。これにより、ユーザは、第2操作部48を操作してロックを解除することができ、第2操作部48を操作しながら第2後端規制体32を容易にスライドさせることができる。そして、ユーザが第2操作部48を放すと、第2ロック部材46が第2付勢ばね47の付勢力により揺動し、歯46aがラック歯列45に歯合する。このように第2ロック部35により第2後端規制体32を第1後端規制体31にロックすることができる。
なお、第2後端規制体32には各シートサイズに合せた位置に不図示のクリック部材が設けられており、クリック感によって第2後端規制体32を規定のシートサイズに合せた位置に位置決めすることができる。
ここで、底板部31aに形成したラック歯列45の各歯は、のこぎり歯形状に形成され、第2ロック部材46の歯46aは、ラック歯列45に歯合するのこぎり歯形状に形成されている。そして、ラック歯列45の各歯は、シート給送方向下流側の面が略垂直に形成されており、第2ロック部材46の歯46aは、シート給送方向上流側の面が略垂直に形成されている。そして、小サイズシートによって第2後端規制体32にシート給送方向上流側に向かう押圧力が働いた場合、ラック歯列45の各歯の略垂直な面と、第2ロック部材46の歯46aの略垂直な面とが当接して、大きな抵抗力が発生する。これにより、第2後端規制体32は、高い保持強度を確保することができ、小サイズシートに押圧された際にシート給送方向上流側への移動を効果的に抑止できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、本第2実施形態における画像形成装置としてのプリンタの給紙カセットを示す説明図である。
給紙カセット61は、カセット本体61Aと、後端規制部61Bと、カセット本体61Aに設けられたフックFを支点として昇降可能にカセット本体61Aに支持された中板70と、を備えている。さらに、給紙カセット61は、カセット本体61Aと中板70との間に配置され、中板70を不図示の給紙ローラに向けて付勢する中板付勢部材としての不図示の加圧ばねと、を備えている。この中板70が不図示の加圧ばねで付勢されることにより、カセット本体61A内に積載されたシートの先端側を不図示の給紙ローラに押圧可能であり、シート給送動作を補助することができる。
カセット本体61Aは、略長方形状の底板部61aと、底板部61aに立設され、シートの先端に当接する不図示の先端壁部と、シート給送方向と直交する幅方向両側に立設された側壁部61cと、を有している。そして、カセット本体61Aは後端側が開放され、この後端側に後端規制部61Bが設けられている。
後端規制部61Bは、中板70上に積載される所定サイズのシート(大サイズシート)の後端を規制する第1後端規制体71と、中板70上に積載される所定サイズよりも小さい小サイズシートの後端を規制する第2後端規制体72と、を備えている。つまり、第2後端規制体72は、第1後端規制体71で後端を規制するシートよりもサイズの小さいシートがカセット本体61Aに積載された際に、そのシートの後端を規制するためのものである。第1後端規制体71は、カセット本体61Aにシート給送方向に移動可能に設けられ、第2後端規制体72は、第1後端規制体71にシート給送方向に移動可能に設けられている。
第1後端規制体71は、カセット本体61A側に延びるように形成され、シートの後端を支持する底板部71aと、底板部71aに立設され、シートの後端に当接させるための第1壁部71bと、を有している。第1壁部71bは、幅方向略中央に切欠部X2が形成されている。また、第1後端規制体71は、シート給送方向と直交する幅方向両側に形成されたアーム部71cを有する。
第2後端規制体72は、底板部71a上であって底板部71aの幅方向略中央部分にシート給送方向にスライド可能に配置され、シートの後端に当接させるための第2壁部72aを有している。この第2後端規制体72の第2壁部72aは、第1壁部71bにおける切欠部X2に対応する位置(第1壁部71bと重ならない位置)に配置され、第2壁部72aがスライドしても、第1壁部71bに接触しないようになっている。これにより、第2後端規制体72を第1壁部71bよりもシート給送方向上流側に退避させても、第2後端規制体72は、第1壁部71bに接触することはない。なお、切欠部X2には、第2後端規制体72が脱落するのを防止するストッパ71fが設けられている。
本第2実施形態では、給紙カセット61は、第1後端規制体71をカセット本体61Aに対してシート給送方向に沿ってスライドさせる第1スライド機構80Aを備えている。また給紙カセット61は、第2後端規制体72を第1後端規制体71に対してシート給送方向に沿ってスライドさせる第2スライド機構80Bを備えている。
カセット本体61Aの底板部61a上には、第1後端規制体71の底板部71aをガイドするためにシート給送方向に延びる凸部61dが形成されている。また、側壁部61cの内側には、第1後端規制体71のアーム部71cを支持してシート給送方向への移動をガイドする爪部61eが形成されている。そして、第1後端規制体71の底板部71aの下面には、シート給送方向に延び、凸部61dがスライド可能に嵌るガイド溝71dが形成されている。これにより、第1後端規制体71は、カセット本体61Aに設けた凸部61d及び爪部61eにガイドされながら、カセット本体61Aに対してシート給送方向に沿って底板部61a上をスライド可能となる。すなわち、これら凸部61d、ガイド溝71d、爪部61e及びアーム部71cにより第1スライド機構80Aが構成されている。
次に、第1後端規制体71の底板部71a上には、シート給送方向下流端から第1壁部71bの切欠部X2に対応する位置まで延びるガイド溝71eが形成されている。
また、第2後端規制体72の第2壁部72aは、第1後端規制体71の底板部71a上に配置されているガイド溝71eにスライド可能に嵌る不図示の凸部が形成されている。したがって、第2後端規制体72は、ガイド溝31eにガイドされながら、シート給送方向に沿って第1後端規制体71の底板部71a上をスライド可能となる。すなわち、ガイド溝71e及び不図示の凸部により第2スライド機構80Bが構成されている。
これら第1スライド機構80A及び第2スライド機構80Bにより、第1後端規制体71及び第2後端規制体72をシート給送方向の任意の位置に移動させることができる。そして、このように第1後端規制体71及び第2後端規制体72をスライドさせるだけで各種サイズのシートの後端を規制することができる。
なお、中板70には、第2後端規制体72が進入する切り込み部70aが形成されている。
本第2実施形態では、第1後端規制体71は、第1壁部71b上端に設けられ、カセット本体61A側に突出し、シートの積載高さを第1高さh1に規制する第1高さ規制部としての第1高さ規制片71Aを有している。つまり、第1後端規制体71の第1高さ規制片71Aは、大サイズシートに対して給紙圧が一定範囲内となる高さ位置に設けられている。
また、第2後端規制体72は、第2壁部72aの上端に設けられ、カセット本体61A側に突出し、シートの積載高さを第1高さh1よりも低い第2高さh2に規制する第2高さ規制部としての第2高さ規制片72Aを有している。つまり、第2高さ規制片72Aは、中板70上に積載される小サイズシートの積載高さが大サイズシートの積載高さよりも低くなるように、第1高さ規制片71Aよりも低い位置であり、小サイズシートに対して給紙圧が一定範囲内となる高さ位置に設けられている。
このように、第1後端規制体71の第1高さ規制片71A及び第2後端規制体72の第2高さ規制片72Aにより、大サイズシート及び小サイズシートの各種サイズのシートに合せてシート積載高さを制限することができる。したがって、不図示の給紙ローラへの給紙圧を各サイズシートに適合した一定範囲内とすることができ、シートの重送や不送りなどの給紙不良を防止することができる。また、第1後端規制体71及び第2後端規制体72を着脱することなく、スライドするだけで無段階に規制位置を設定することができ、ユーザビリティが向上する。
ところで、本第2実施形態では、第1後端規制体71及び第2後端規制体72をロックする機構が上記第1実施形態と異なるものである。
ここで、本第2実施形態では、第1後端規制体71及び第2後端規制体72を位置決めした後に、第1後端規制体71及び第2後端規制体72が移動しないようにロック可能に構成されている。図9は、図8のV1−V1に沿う断面を示し、第1後端規制体71をカセット本体61Aにロックする機構を示す説明図である。また、図10は、図8のV2−V2に沿う断面を示し、第2後端規制体72を第1後端規制体71にロックする機構を示す説明図である。また、図11は、図8のV3−V3に沿う断面を示し、第2後端規制体72を第1後端規制体71に連結する機構を示す説明図である。
給紙カセット61は、図9に示すように、第1後端規制体71をカセット本体61Aの底板部61aにロックする第1ロック部81と、第1ロック部81によるロックを解除可能な第1ロック解除部82と、を備えている。
また、給紙カセット61は、図10に示すように、第2後端規制体72を第1後端規制体71の底板部71aにロックする第2ロック部83と、第2ロック部83によるロックを解除可能な第2ロック解除部84と、を備えている。
さらに、給紙カセット61は、図11に示すように、第2後端規制体72を第1壁部71bよりもシート給送方向上流側に退避させたときに、第2後端規制体72を第1後端規制体71の底板部71aに連結する連結部85を備えている。また、給紙カセット61は、第1後端規制体71のシート給送方向の移動範囲におけるシート給送方向下流端に第1後端規制体71を移動させた際に、連結部85による連結を解除する連結解除部86を備えている。
なお、図9〜図11に示すように、第2後端規制体72の第2壁部72aは、下部が開放する中空の箱型に形成されている。
まず、第1ロック部81及び第1ロック解除部82の構成について詳細に説明する。
図9に示すように、カセット本体61Aの底板部61aには、シート給送方向に沿って多数の歯からなるラック歯列87が形成されている。
そして、第1ロック部81は、カセット本体61Aのラック歯列87と、ラック歯列87に歯合可能な複数(3つ)の歯88aを有するアーム形状の第1ロック部材88と、を備えている。また、第1ロック部81は、第1ロック部材88の歯88aとカセット本体61Aのラック歯列87とが歯合するように第1ロック部材88を付勢する第1付勢部材としての圧縮コイルばねである第1付勢ばね89を備えている。
第1ロック部材88の先端には、ラック歯列87に対向する面に歯88aが形成されており、その反対側の面には、第1付勢ばね89が接触して設けられている。これにより、第1ロック部材88は第1ロック部材88の歯88aがラック歯列87に歯合する方向に第1付勢ばね89により付勢されている。
第1ロック部材88の先端と基端との間には、第1後端規制体71の軸71gが嵌る孔88bが形成されており、第1ロック部材88は、孔88bを中心に揺動可能(移動可能)に第1後端規制体71に支持されている。
また、給紙カセット61は、操作レバー90を備えている。この操作レバー90は、レバー本体90Aと、操作レバー90の回動中心近傍に形成された2つのカム部90B1,90B2を有する第1カム部材90Bと、を有しており、第1カム部材90Bにより第1操作部が構成されている。
そして、操作レバー90のレバー本体90Aの先端は、第2後端規制体72の第2壁部72aから露出するように配置されてユーザが操作可能となっており、第1カム部材90Bは、レバー本体90Aの基端に固定されて第2壁部72a内に配置されている。
つまり、操作レバー90の第1カム部材90Bは、一体に取り付けられたレバー本体90Aにより操作可能である。そして、第1カム部材90Bは、レバー本体90Aと一体に揺動することで、第1付勢ばね89の付勢力に抗して第1ロック部材88の歯88aとカセット本体61Aのラック歯列87との歯合を解除する方向に第1ロック部材88を操作可能である。
この操作レバー90の第1カム部材90Bは、第2後端規制体72に揺動操作可能に支持されており、第2後端規制体72をスライドさせた際には、第2後端規制体72と共に一体に移動する。この第2後端規制体72のスライド移動に伴って操作レバー90の第1カム部材90Bが第1ロック部材88の基端に接離する。
そして、操作レバー90の第1カム部材90Bは、第2後端規制体72を第1後端規制体71の第1壁部71bよりもシート給送方向上流側に退避させたときに第1ロック部材88の基端に当接する。このように、操作レバー90の第1カム部材90Bを第1ロック部材88の基端に当接させることで、操作レバー90により第1ロック部材88が操作可能となり、第1ロック部材88によるカセット本体61Aへのロックが解除可能となる。具体的に説明すると、操作レバー90のレバー本体90Aをシート給送方向上流側又は下流側の解除操作位置に操作することで、第1カム部材90Bが回動する。そして、カム部90B1又はカム部90B2が第1ロック部材88の基端を下方に押圧して、第1ロック部材88が軸71gを中心に揺動し、第1ロック部材88の歯88aがラック歯列87から離間することで、第1ロック部81によるロックが解除される。
このように、第1後端規制体71は、操作レバー90のレバー本体90Aを介して第1カム部材90Bが操作されてロックが解除された状態で、第2後端規制体72と共にシート給送方向にスライド可能となる。
そして、レバー本体90Aを基準位置(図9)に戻すことで第1ロック部材88が回動し、第1カム部材90Bによる第1ロック部材88への押圧が解除されて、第1ロック部材88の歯88aがラック歯列87に歯合し、第1後端規制体71がロックされる。
なお、カセット本体61Aの底板部61aに形成したラック歯列87の各歯は、のこぎり歯形状に形成され、第1ロック部材88の歯88aは、ラック歯列87に歯合するのこぎり歯形状に形成されている。そして、ラック歯列87の各歯は、シート給送方向下流側の面が略垂直に形成されており、第1ロック部材88の歯88aは、シート給送方向上流側の面が略垂直に形成されている。そして、大サイズシートによって第1後端規制体71にシート給送方向上流側に向かう押圧力が働いた場合、ラック歯列87の各歯の略垂直な面と、第1ロック部材88の歯88aの略垂直な面とが当接して、大きな抵抗力が発生する。これにより、第1後端規制体71は、高い保持強度を確保することができ、大サイズシートに押圧された際にシート給送方向上流側への移動を効果的に抑止できる。
次に、図10に示す第2ロック部83及び第2ロック解除部84の構成について詳細に説明する。
第1後端規制体71の底板部71aには、シート給送方向に沿って多数の歯からなるラック歯列91が形成されている。
そして、第2ロック部83は、第1後端規制体71のラック歯列91と、ラック歯列91に歯合可能な複数(5つ)の歯92aを有するアーム形状の第2ロック部材92と、を備えている。また、第2ロック部83は、第2ロック部材92の歯92aと第1後端規制体71のラック歯列91とが歯合するように第2ロック部材92を付勢する第2付勢部材としての圧縮コイルばねである第2付勢ばね93を備えている。
第2ロック部材92は、断面が略コ字形状に形成されている。そして、第2ロック部材92の先端には、ラック歯列91に対向する面に歯92aが形成されており、第2ロック部材92の基端には、第2付勢ばね93の一端が接触して設けられている。第2付勢ばね93の他端は、第2壁部72aの内面に固定されている。これにより、第2ロック部材92は第2ロック部材92の歯92aがラック歯列91に歯合する方向に第2付勢ばね93により付勢されている。
ところで、操作レバー90は、第2付勢ばね93の付勢力に抗して第2ロック部材92の歯92aと第1後端規制体71の底板部71aのラック歯列91との歯合を解除する方向に第2ロック部材92を操作可能な第2操作部としての第2カム部材90Cを有する。この第2カム部材90Cは、第1カム部材90B(図9参照)と連結されており、第1カム部材90Bと一体に操作される。つまり、レバー本体90Aが操作されると、第1カム部材90B及び第2カム部材90Cが一体に操作される。
第2ロック部材92、第2付勢ばね93及び第2カム部材90Cは、第2壁部72a内に配置されている。そして、第2ロック部材92は、その基端が第2カム部材90Cと第2付勢ばね93とで挟持されることで、第2後端規制体72の第2壁部に上下方向に移動可能に支持されている。
第2カム部材90Cには、2つのカム部90C1,90C2が形成されており、レバー本体90A(図9参照)を操作することで、第2カム部材90Cが回動する。そして、カム部90C1又はカム部90C2が第2ロック部材92の基端を上方に押圧して、第2ロック部材92が上方に移動し、第2ロック部材92の歯92aがラック歯列91から離間することで、第2ロック部83によるロックが解除される。
そして、レバー本体90A(図9)を基準位置に戻すことで、図10に示すように、第2カム部材90Cによる第2ロック部材92への押圧が解除されて第2ロック部材92が下方へ移動し、第2ロック部材92の歯92aがラック歯列91に歯合する。これにより、第2後端規制体72が第1後端規制体71にロックされる。
なお、第1後端規制体71の底板部71aに形成したラック歯列91の各歯は、のこぎり歯形状に形成され、第2ロック部材92の歯92aは、ラック歯列91に歯合するのこぎり歯形状に形成されている。そして、ラック歯列91の各歯は、シート給送方向下流側の面が略垂直に形成されており、第2ロック部材92の歯92aは、シート給送方向上流側の面が略垂直に形成されている。そして、小サイズシートによって第2後端規制体72にシート給送方向上流側に向かう押圧力が働いた場合、ラック歯列91の各歯の略垂直な面と、第2ロック部材92の歯92aの略垂直な面とが当接して、大きな抵抗力が発生する。これにより、第2後端規制体72は、高い保持強度を確保することができ、小サイズシートに押圧された際にシート給送方向上流側への移動を効果的に抑止できる。
次に、図11に示す連結部85及び連結解除部86について詳細に説明する。
まず、第1後端規制体71の底板部71aには、第2後端規制体72を第1壁部71bよりもシート給送方向上流側に退避させたときに第2後端規制体72の第2壁部72aに対向する貫通孔71hが形成されている。
連結部85は、第2後端規制体72の第2壁部72aに設けられ、第2後端規制体72を第1壁部71bよりもシート給送方向上流側に退避させたときに貫通孔71hに挿脱可能な突起部材94を有している。また、連結部85は、突起部材94が貫通孔71hに突出するように突起部材94を貫通孔71hの方向(下方)に付勢する突起付勢部材としての圧縮コイルばねである突起付勢ばね95を有している。
第2壁部72aの内側には、第2壁部72aに固定され、突起付勢ばね95が固定される突出部72bが形成されている。つまり、突起付勢ばね95の基端が突出部72bに固定され、突起付勢ばね95の先端に突起部材94が設けられている。これにより、貫通孔71hに突起部材94が対向した場合には、突起部材94が突起付勢ばね95に押圧されて貫通孔71hに突出することができる。
そして、このように突起部材94が貫通孔71hに突出した場合には、第2後端規制体72は、第1後端規制体71にロックされ、第1後端規制体71と第2後端規制体72とが連結した状態で一体にスライドさせることができる。
連結解除部86は、突起部材94の先端に当接するようにカセット本体61Aの底板部61aに設けられ、シート給送方向下流側に向かって第2後端規制体72に近づくように傾斜する傾斜面96aが形成されたリブ96を有している。
このリブ96には、傾斜面96aからシート給送方向下流側に延び、第1後端規制体71の底板部71aの上面よりも高い位置に設定された上端面96bを有している。
これにより、第1後端規制体71と第2後端規制体72とが連結された状態で第1後端規制体71をシート給送方向下流側に向かってスライドさせた際には、突起部材94が突起付勢ばね95の付勢力に抗して上方に傾斜面96aに押圧される。そして、第1後端規制体71を第1後端規制体71の移動範囲のシート給送方向下流端までスライドさせたときに突起部材94が上端面96bに乗り上がって当接することで貫通孔71hから離脱し、連結部85による連結が解除される。
次に、第1後端規制体71と第2後端規制体72とスライドさせる場合について詳細に説明する。
まず、第1後端規制体71及び第2後端規制体72が連結部85で連結されている状態の場合について説明すると、ユーザが図9に示す操作レバー90のレバー本体90Aを操作することにより、カセット本体61Aと第1後端規制体71とのロックが解除される。
このとき、図10に示す第1後端規制体71と第2後端規制体72とのロックも解除されるが、第1後端規制体71と第2後端規制体72とが図11に示す連結部85で連結されているので、第2後端規制体72は第1後端規制体71に対して移動不能である。したがって、操作レバー90を操作することにより、第1後端規制体71と第2後端規制体72とが一体にスライド移動することとなる。
このとき、第2後端規制体72の第2壁部72aと第2高さ規制片72Aとは、第1後端規制体71の第1壁部71bよりもシート給送方向上流側に退避している。したがって、中板70上に大サイズシートが積載された場合、このシートの後端を第1後端規制体71の第1壁部71bで規制する際には、第2壁部72a及び第2高さ規制片72Aがシートの後端に接触することはない。そして、第1後端規制体71に設けられた第1高さ規制片71Aにより、大サイズシートの積載高さを第1高さh1に規制することができる。
次に、第1後端規制体71を第1後端規制体71の移動範囲のシート給送方向下流端までスライドさせた場合には、図11に示す突起部材94が傾斜面96aに上方に押圧され、その後、乗り上がった上端面96bに押圧されることで貫通孔71hから離脱する。これにより、第1後端規制体71と第2後端規制体72との連結が解除される。
図12は、第1後端規制体71と第2後端規制体72との連結が解除された場合の第2後端規制体72の移動状態を示す説明図である。
第1後端規制体71は、移動範囲のシート給送方向下流端に移動しているので、シート給送方向下流側への移動が規制されて移動不能である。そして、第2後端規制体72は、第1後端規制体71との連結が解除されているので、図12の矢印方向に第1後端規制体71に対してシート給送方向下流側へスライド可能となる。そして、操作レバー90のレバー本体90Aの操作により、図10に示す第2ロック部83のロックが解除され、図12に示すように、第2後端規制体72をスライド移動させることができる。
このように第2後端規制体72がスライドすることで第1ロック部材88の基端と第1カム部材90Bとが離間するので、第1ロック部材88が操作不能となり、第1ロック部材88の歯88aがラック歯列87に歯合した状態が維持される。つまり、第1後端規制体71をカセット本体61Aにロックした状態が維持される。
そして、第1後端規制体71をカセット本体61Aにロックした状態で操作レバー90のレバー本体90Aをユーザが操作することにより、第2後端規制体72をスライドさせることができる。そして第2後端規制体72に設けられた第2高さ規制片72Aによって小サイズシートの積載高さを第2高さh2に規制することができる。
なお、第2後端規制体72を第1壁部71bよりもシート給送方向上流側に退避させることにより、第1ロック部材88の基端と第1カム部材90Bとが接触し、第1ロック部材88を操作レバー90により操作することが可能となる。このように第1ロック部材88の基端と第1カム部材90Bとを接触させることにより、操作レバー90のレバー本体90Aを操作することで、第1ロック部81によるロックが解除可能となる。
そして、この状態で操作レバー90を操作しながら第1後端規制体71と共に第2後端規制体72をシート給送方向上流側に移動させることにより、連結部85の突起部材94が貫通孔71hに突出し、第2後端規制体72が第1後端規制体71に連結される。
このように本第2実施形態では、連結部85により第2後端規制体72を第1後端規制体71に連結することで、後端規制部61Bを大サイズシートの後端に合せるときに、第1後端規制体71と第2後端規制体72とが一体に移動することとなる。したがって、後端規制部61Bを大サイズシートの後端に合せるときに、ユーザが誤って第2後端規制体72を第1後端規制体71に対してシート給送方向下流側に移動させてしまうのを防止することができる。
第1実施形態に係る画像形成装置の一例としてのプリンタの概略構成を示す説明図である。 中板を取り外した状態を示す給紙カセットの斜視図である。 カセット本体の表面側を示す斜視図である。 第1後端規制体の裏面側を示す斜視図である。 大サイズシートを給紙カセットに積載する場合を示す説明図である。 小サイズシートを給紙カセットに積載する場合を示す説明図である。 第2後端規制体を第1後端規制体にロックする機構を示す説明図である。 本第2実施形態における画像形成装置としてのプリンタの給紙カセットを示す説明図である。 図8のV1−V1に沿う断面を示し、第1後端規制体をカセット本体にロックする機構を示す説明図である。 図8のV2−V2に沿う断面を示し、第2後端規制体を第1後端規制体にロックする機構を示す説明図である。 図8のV3−V3に沿う断面を示し、第2後端規制体を第1後端規制体に連結する機構を示す説明図である。 第1後端規制体と第2後端規制体との連結が解除された場合の第2後端規制体の移動状態を示す説明図である。
符号の説明
1,61 給紙カセット
1A,61A カセット本体
1B,61B 後端規制部
3 給紙ローラ
31,71 第1後端規制体
31A,71A 第1高さ規制部(第1高さ規制片)
31a,71a 底板部
31b,71b 第1壁部
32,72 第2後端規制体
32A,72A 第2高さ規制部(第2高さ規制片)
32a,72a 第2壁部
33,81 第1ロック部
34,82 第1ロック解除部
35,83 第2ロック部
36,84 第2ロック解除部
42 第1ロック部材
43 第1付勢部材(第1付勢ばね)
44 第1操作部
45 歯(ラック歯列)
46 第2ロック部材
46a 歯
47 第2付勢部材(第2付勢ばね)
48 第2操作部
50,70 中板
51 中板付勢部材(加圧ばね)
71h 貫通孔
85 連結部
86 連結解除部
87 歯(ラック歯列)
88 第1ロック部材
88a 歯
89 第1付勢部材(第1付勢ばね)
90B 第1操作部(第1カム部材)
90C 第2操作部(第2カム部材)
91 歯(ラック歯列)
92 第2ロック部材
92a 歯
93 第2付勢部材(第2付勢ばね)
94 突起部材
95 突起付勢部材(突起付勢ばね)
96 リブ
96a 傾斜面
100 画像形成装置(レーザビームプリンタ)
101 画像形成部
102 シート給送装置
h1 第1高さ
h2 第2高さ

Claims (11)

  1. シートが積載される給紙カセットと、前記給紙カセットに積載されたシートを給送する給紙ローラと、を備えたシート給送装置において、
    前記給紙カセットは、
    カセット本体と、
    前記カセット本体に昇降可能に設けられ、前記カセット本体に積載されたシートの先端側を前記給紙ローラに押圧可能な中板と、
    前記中板を前記給紙ローラに向けて付勢する中板付勢部材と、
    前記カセット本体にシート給送方向に沿って移動可能に設けられ、前記カセット本体に積載されたシートの後端を規制する第1後端規制体と、
    前記第1後端規制体に移動可能に設けられ、前記カセット本体に積載されたシートの後端を規制する第2後端規制体と、を備え、
    前記第1後端規制体は、前記カセット本体に積載される所定サイズのシートを、第1高さに規制する第1高さ規制部を有し、
    前記第2後端規制体は、前記カセット本体に積載される前記所定サイズよりも小さいサイズのシートを、前記第1高さよりも低い第2高さに規制する第2高さ規制部を有する、
    ことを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記第1後端規制体は、シートの後端を支持し、前記カセット本体に対してスライド可能な底板部と、前記底板部に立設され、シートの後端に当接させるための第1壁部と、を有し、
    前記第2後端規制体は、前記底板部にスライド可能に設けられ、シートの後端に当接させるための第2壁部を有し、
    前記第1高さ規制部は、前記第1壁部に前記カセット本体側に突出するように設けられ、
    前記第2高さ規制部は、前記第2壁部に前記カセット本体側に突出するように設けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
  3. 前記第1後端規制体を前記カセット本体にロックする第1ロック部と、
    前記第1ロック部によるロックを解除可能な第1ロック解除部と、
    前記第2後端規制体を前記底板部にロックする第2ロック部と、
    前記第2ロック部によるロックを解除可能な第2ロック解除部と、を備えた、
    ことを特徴とする請求項2に記載のシート給送装置。
  4. 前記カセット本体には、複数の歯がシート給送方向に沿って形成されており、
    前記第1ロック部は、前記第1後端規制体に移動可能に設けられ、前記カセット本体の歯に歯合可能な歯を有する第1ロック部材と、前記第1ロック部材の歯と前記カセット本体の歯とが歯合するように前記第1ロック部材を付勢する第1付勢部材と、を有し、
    前記第1ロック解除部は、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記第1ロック部材の歯と前記カセット本体の歯との歯合を解除する方向に前記第1ロック部材を操作可能な第1操作部を有する、
    ことを特徴とする請求項3に記載のシート給送装置。
  5. 前記底板部には、複数の歯がシート給送方向に沿って形成されており、
    前記第2ロック部は、前記第2後端規制体に移動可能に設けられ、前記底板部の歯に歯合可能な歯を有する第2ロック部材と、前記第2ロック部材の歯と前記底板部の歯とが歯合するように前記第2ロック部材を付勢する第2付勢部材と、を有し、
    前記第2ロック解除部は、前記第2付勢部材の付勢力に抗して前記第2ロック部材の歯と前記底板部の歯との歯合を解除する方向に前記第2ロック部材を操作可能な第2操作部を有する、
    ことを特徴とする請求項4に記載のシート給送装置。
  6. 前記第1ロック解除部は、前記第2後端規制体を前記第1壁部よりもシート給送方向上流側に退避させたときに前記第1ロック部によるロックを解除可能に構成されている、
    ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  7. 前記カセット本体には、複数の歯がシート給送方向に沿って形成されており、
    前記第1ロック部は、前記第1後端規制体に移動可能に設けられ、前記カセット本体の歯に歯合可能な歯を有する第1ロック部材と、前記第1ロック部材の歯と前記カセット本体の歯とが歯合するように前記第1ロック部材を付勢する第1付勢部材と、を有し、
    前記第1ロック解除部は、前記第2後端規制体を前記第1壁部よりもシート給送方向上流側に退避させたときに前記第1ロック部材に当接し、前記第1付勢部材の付勢力に抗して前記第1ロック部材の歯と前記カセット本体の歯との歯合を解除する方向に前記第1ロック部材を操作可能な第1操作部を有する、
    ことを特徴とする請求項6に記載のシート給送装置。
  8. 前記底板部には、複数の歯がシート給送方向に沿って形成されており、
    前記第2ロック部は、前記第2後端規制体に移動可能に設けられ、前記底板部の歯に歯合可能な歯を有する第2ロック部材と、前記第2ロック部材の歯と前記底板部の歯とが歯合するように前記第2ロック部材を付勢する第2付勢部材と、を有し、
    前記第2ロック解除部は、前記第2付勢部材の付勢力に抗して前記第2ロック部材の歯と前記底板部の歯との歯合を解除する方向に前記第2ロック部材を操作可能な第2操作部を有し、
    前記第2操作部は、前記第1操作部と連結されて、前記第1操作部と一体に操作される、
    ことを特徴とする請求項7に記載のシート給送装置。
  9. 前記第2後端規制体を前記第1壁部よりもシート給送方向上流側に退避させたときに、前記第2後端規制体を前記底板部に連結する連結部と、
    前記第1後端規制体の移動範囲におけるシート給送方向下流端に前記第1後端規制体を移動させた際に、前記連結部による連結を解除する連結解除部と、を備えた、
    ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のシート給送装置。
  10. 前記底板部には、前記第2後端規制体を前記第1壁部よりもシート給送方向上流側に退避させたときに前記第2後端規制体に対向する貫通孔が形成され、
    前記連結部は、前記第2後端規制体に設けられ、前記第2後端規制体を前記第1壁部よりもシート給送方向上流側に退避させたときに前記貫通孔に挿脱可能な突起部材と、前記突起部材が前記貫通孔に突出するように前記突起部材を前記貫通孔の方向に付勢する突起付勢部材と、を有し、
    前記連結解除部は、前記突起部材の先端に当接するように前記カセット本体に設けられ、シート給送方向下流側に向かって前記第2後端規制体に近づくように傾斜する傾斜面が形成されたリブを有し、
    前記突起部材が前記貫通孔に突出して前記第2後端規制体が前記第1後端規制体にロックされ、
    前記第1後端規制体をシート給送方向下流側に向かってスライドさせた際に、前記突起部材が前記突起付勢部材の付勢力に抗して前記傾斜面に押圧され、前記第1後端規制体を前記シート給送方向下流端にスライドさせたときに前記突起部材が前記貫通孔から離脱して連結が解除される、
    ことを特徴とする請求項9に記載のシート給送装置。
  11. シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部にシートを給送する請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシート給送装置と、を備えた、
    ことを特徴とする画像形成装置。
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