JP2010078088A - 無段変速機の油圧ポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】アイドリングストップ時の円滑なクラッチ接続及び変速を担保しつつ、省エネルギー性能の向上を図ることのできる無段変速機の油圧ポンプ装置を提供すること。
【解決手段】電動ポンプ26による作動油の供給は、高圧回路として構成された第1油圧回路21に対して行なわれる。そして、第1油圧回路21内の油圧を調整するとともに該調整により生ずる余剰流を第2油圧回路22に供給する圧力調整弁39の上流には、電動ポンプ26による作動油の供給が行なわれる場合に、圧力調整弁39への作動油の流入、即ち第1油圧回路21から第2油圧回路22への作動油の流出を禁止すべく閉作動するストップ弁45が設けられる。
【選択図】図2
【解決手段】電動ポンプ26による作動油の供給は、高圧回路として構成された第1油圧回路21に対して行なわれる。そして、第1油圧回路21内の油圧を調整するとともに該調整により生ずる余剰流を第2油圧回路22に供給する圧力調整弁39の上流には、電動ポンプ26による作動油の供給が行なわれる場合に、圧力調整弁39への作動油の流入、即ち第1油圧回路21から第2油圧回路22への作動油の流出を禁止すべく閉作動するストップ弁45が設けられる。
【選択図】図2
Description
本発明は、無段変速機の油圧ポンプ装置に関するものである。
従来、車両用の変速機には、伝達ベルトが架け渡された一組のプーリの有効径を変化させることにより、その変速比を連続的に変更可能な無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)がある。そして、近年では、これに流体継手であるトルクコンバータを組み合わせることにより、低速トルクを増強して、よりスムーズな発進を可能とする構成が一般的となっている。
また、近年、停車とともにエンジンを停止する所謂アイドリングストップ機能を備えた車両が増えており、このような車両には、そのアイドリングストップ時における油圧発生源として電動ポンプが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
即ち、通常、エンジンの駆動力を上記CVT等の変速機構に伝達すべく接続されるクラッチは、油圧により作動する。このため、アイドリングストップによりエンジンポンプが停止した場合には、電動ポンプによりその作動油供給を継続することで、そのクラッチ締結圧を維持し、再発進時の円滑なクラッチ接続を担保するのである。
さて、上記のような所謂ベルト式のCVTにおける変速比制御は、油圧によって各プーリのV字溝幅を変更することにより行なわれる。そして、その制御油圧(クランプ圧及びクラッチの締結圧)は、その他の作動油圧(例えば、トルクコンバータのロックアップ作動圧等)よりも高いことから、多くの場合、その高い制御油圧を圧力調整弁で調整することにより、トルクコンバータ等に供給する中圧、及び潤滑部や冷却部に供給する低圧の油圧を段階的に作り出す構成となっている。
具体的には、例えば、図3に示す油圧ポンプ装置50のように、CVT51の各構成要素、即ちプライマリプーリ52及びセカンダリプーリ53、並びにクラッチ54に作動油を供給するための第1油圧回路55と、トルクコンバータ56及び潤滑部57に同作動油を供給するための第2油圧回路58とが形成される。また、第1油圧回路55内の油圧を調整するとともに該調整により生ずる余剰流を第2油圧回路58に供給する圧力調整弁59が設けられ、エンジンポンプ60及び電動ポンプ61による作動油の供給は、ともに高圧回路として構成された第1油圧回路55に対して行なわれる。尚、この油圧ポンプ装置50では、エンジンポンプ60による作動油供給時における電動ポンプ61内への逆流を防止するための逆止弁62が設けられている。そして、低圧回路として構成された第2油圧回路58には、その圧力調整弁59における圧力調整後の降圧された圧力で、その作動油の供給が行なわれるようになっている。
尚、第1油圧回路55には、変速制御弁63、挟圧力制御弁64、クラッチ制御弁65が設けられており、プライマリプーリ52、セカンダリプーリ53、及びクラッチ54は、その対応するこれらの各弁装置により制御された油圧によって作動する。また、第2油圧回路58には、トルクコンバータ56のロックアップ作動圧を確保するための圧力調整弁66及びロックアップ制御弁67が設けられている。そして、作動油の循環による潤滑及び冷却を必要とする部位としての潤滑部57には、この圧力調整弁66における圧力調整により生ずる低圧の余剰流が供給されるようになっている。
特開2004−316832号公報
しかしながら、無段変速機は、その制御圧として極めて高い油圧を必要とする一方、潤滑及び冷却用途では、多量の潤滑油を循環させる必要があることから、上記のように圧力調整弁を用いて高圧から低圧へと順次調圧する構成では、その圧力調整に伴うエネルギー損失が極めて大きい。そのため、上記電動ポンプによりアイドリングストップ時の作動油供給を行なう場合には、消費電力の増大のみならず、その大型化をも検討しなければならない。
尚、上記特許文献1には、CVTの各プーリにエンジンの駆動力を入力し及び接断するクラッチに対して、電動ポンプにより潤滑油供給を行なう構成が開示されている(特許文献1、第4図参照)。しかしながら、この従来例は、残る構成要素である各プーリに対しては、エンジンポンプにより作動油の供給が行なわれる構成となっている。このため、エンジンポンプが停止するアイドリングストップ時には、そのクランプ圧の維持が難しく、再発進時、円滑に変速比を変更できないおそれがあり、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、アイドリングストップ時の速やかなクラッチ接続及び円滑な変速比の変更を担保しつつ、省エネルギー性能の向上を図ることのできる無段変速機の油圧ポンプ装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、無段変速機の各構成要素に作動油を供給するための第1油圧回路と、前記無段変速機とエンジンとの間に介在されたトルクコンバータ、及び前記作動油の循環による潤滑又は冷却を要する部位に該作動油を供給するための第2油圧回路と、エンジン駆動により前記第1油圧回路に前記作動油を供給するエンジンポンプと、前記第1油圧回路内の油圧を調整するとともに該調整により生ずる余剰流を前記第2油圧回路に供給する圧力調整弁と、前記エンジンポンプの停止時にモータ駆動により前記第1油圧回路に前記作動油を供給する電動ポンプとを備えた無段変速機の油圧ポンプ装置において、前記電動ポンプによる前記作動油の供給時に前記第1油圧回路から前記第2油圧回路への該作動油の流出を禁止する弁装置を設けたこと、を要旨とする。
即ち、アイドリングストップによるエンジンの停止時間は短く、且つその間、潤滑及び冷却の要求は低くなる。従って、このような場合、上記構成のように、再発進時に備えて高圧を維持すべき部位、即ち無段変速機の各構成要件(プライマリプーリ、セカンダリプーリ、及びクラッチ)への作動油供給を優先することで、電動ポンプに要求される吐出量が少なくなる。その結果、駆動に伴う消費電力の増大を抑えるととも、その大型化を防ぐことができ、これにより、アイドリングストップ時の速やかなクラッチ接続及び円滑な変速比の変更を担保しつつ、その省エネルギー性能の向上を図ることができるようになる。
請求項2に記載の発明は、前記弁装置は、前記エンジンポンプの吐出圧に基づき作動する機械式の弁装置であること、を要旨とする。
即ち、電動ポンプの起動に先立ち、エンジンポンプが停止することにより、その吐出圧が低下する。従って、上記構成によれば、電子制御によらず、簡素な構成にて、確実に第1油圧回路から第2油圧回路への作動油の流出を禁止することができる。
即ち、電動ポンプの起動に先立ち、エンジンポンプが停止することにより、その吐出圧が低下する。従って、上記構成によれば、電子制御によらず、簡素な構成にて、確実に第1油圧回路から第2油圧回路への作動油の流出を禁止することができる。
本発明によれば、アイドリングストップ時の速やかなクラッチ接続及び円滑な変速比の変更を担保しつつ、省エネルギー性能の向上を図ることが可能な無段変速機の油圧ポンプ装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の車両1は、無段変速機(Continuously Variable Transmission、以下「CVT」とする)2を備えている。そして、エンジン3の発生する駆動力は、このCVT2で変速された後、図示しない駆動系へと伝達されるようになっている。
図1に示すように、本実施形態の車両1は、無段変速機(Continuously Variable Transmission、以下「CVT」とする)2を備えている。そして、エンジン3の発生する駆動力は、このCVT2で変速された後、図示しない駆動系へと伝達されるようになっている。
詳述すると、本実施形態では、駆動源であるエンジン3とCVT2との間には、トルクコンバータ4が介在されている。トルクコンバータ4は、回転自在に対向配置されたインペラ5及びタービン6を備えてなる。インペラ5には、エンジン3の出力部を構成するクランク軸7が接続され、タービン6には、同トルクコンバータ4の出力部を構成するタービン軸8が連結されている。そして、これらインペラ5及びタービン6の回転に伴って、当該インペラ5とタービン6との間に介在された粘性流体が循環流動することにより、その入出力間の差動を許容しつつトルク伝達することが可能な構成となっている。
また、トルクコンバータ4には、ロックアップクラッチ9が設けられている。そして、そのロックアップクラッチ9を締結させることで、インペラ5とタービン6との相対回転を規制、即ちその入出力部間の差動を禁止することが可能となっている。
一方、本実施形態のCVT2は、その溝幅を可変可能に構成されたプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12に伝達ベルト13を架け渡してなる所謂ベルト式CVTである。
具体的には、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12は、軸方向に移動可能な可動錐体11a,12aと固定錐体11b,12bとを同軸に対向配置することにより形成され、伝達ベルト13は、これら可動錐体11a,12aと固定錐体11b,12bとの間に形成されたV字溝に架け渡されている。そして、本実施形態のCVT2は、その各可動錐体11a,12aが固定錐体11b,12bとの間に伝達ベルト13を挟み込む力、即ちクランプ圧を制御することによって、その溝幅を変更、つまり連続的に変速比を変更することが可能となっている。
本実施形態では、CVT2の入力部を構成するプライマリ軸14は、クラッチ15を介して上記トルクコンバータ4の出力部を構成するタービン軸8と接続されている。即ち、エンジン3の発生する駆動力は、このクラッチ15を接続することによりCVT2を構成するプーリ対に入力される。そして、当該CVT2において変速された後、同CVT2の出力部を構成するセカンダリ軸16から駆動系へと伝達される構成となっている。
ここで、本実施形態では、上記CVT2、及びクラッチ15、並びにトルクコンバータ4(のロックアップクラッチ9)は、油圧により作動する。そして、本実施形態の車両1には、その油圧、即ちCVT2のクランプ圧、クラッチ15の締結圧、及びトルクコンバータ4のロックアップ作動圧を発生させるための作動油を供給し、並びに作動油の循環による潤滑及び冷却を必要とする部位(潤滑部17)に該作動油を供給する油圧ポンプ装置20が設けられている。
詳述すると、図2に示すように、本実施形態の油圧ポンプ装置20は、CVT2の各構成要素、即ちプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12、並びにクラッチ15に作動油を供給するための第1油圧回路21と、上記トルクコンバータ4及び潤滑部17に作動油を供給するための第2油圧回路22とを備えている。そして、油圧ポンプ装置20は、これら各油圧回路に作動油を供給する油圧ポンプとして、エンジン3により駆動されるエンジンポンプ24と、モータ25により駆動される電動ポンプ26との二つの油圧ポンプを備えている。
尚、本実施形態の車両1には、停車とともにエンジンを停止する所謂アイドリングストップ機能が備えられている。そして、電動ポンプ26は、このアイドリングストップ時等、エンジン3の停止時におけるエンジンポンプ24の代替として、その作動油の供給を実行する。
本実施形態では、これらの各油圧ポンプによる作動油の供給は、ともに高圧回路として構成された第1油圧回路21に対して行なわれる。尚、エンジンポンプ24及び電動ポンプ26の各出口油路27,28には、それぞれ、その停止時における作動油の逆流を禁止する逆止弁29,30が設けられている。そして、低圧回路(及び中圧回路)として構成された第2油圧回路22への作動油供給は、その第1油圧回路21の圧力調整により生ずる余剰流によって行なわれる。
具体的には、第1油圧回路21において、プライマリプーリ11の油圧ピストン11cに連通する第1油路31には、変速制御弁32が設けられ、セカンダリプーリ12の油圧ピストン12cに連通する第2油路33には、挟圧制御弁34が設けられている。また、クラッチ15(の油圧室)に作動油を供給するための第3油路36には、クラッチ制御弁37が設けられている。そして、プライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12、並びにクラッチ15は、これらの各弁装置により制御された油圧によって作動する。
また、本実施形態では、第1油圧回路21と第2油圧回路22とを接続する第4油路38が設けられるとともに、該第4油路38には、第1油圧回路21内の油圧を調整するための圧力調整弁39が設けられている。そして、この圧力調整弁39のドレイン流、即ちその圧力調整により生ずる低圧の余剰流が、第2油圧回路22へと流れるようになっている。
更に、第2油圧回路22には、トルクコンバータ4のロックアップ作動圧を確保するための圧力調整弁40が設けられており、これにより、トルクコンバータ4に作動油を供給する第5油路41の圧力は、作動油の循環による潤滑及び冷却を必要とする部位としての潤滑部17に当該潤滑油を供給する第6油路42の圧力よりも高く維持されている。そして、トルクコンバータ4(のロックアップクラッチ9、図1参照)は、更に第5油路41に設けられたロックアップ制御弁43によって制御された油圧により作動し、及び第6油路42には、その圧力調整弁40における圧力調整により生ずる低圧の余剰流が供給されるようになっている。
また、本実施形態では、第1油圧回路21と第2油圧回路22とを接続する第4油路38における圧力調整弁39の上流には、その閉作動により第1油圧回路21から第2油圧回路22への作動油の流出を規制可能なストップ弁45が設けられている。そして、このストップ弁45は、エンジンポンプ24が停止して電動ポンプ26による作動油の供給が行なわれる場合には、圧力調整弁39への作動油の流入、つまり第1油圧回路21から第2油圧回路22への作動油の流出を禁止すべく閉作動するように構成されている。
具体的には、本実施形態のストップ弁45には、上記エンジンポンプ24の出口油路27に連通する第7油路46の圧力とコイルバネ47の圧力(弾性力)との圧力差に基づいて、その開作動位置P1と閉作動位置P2とが切り替わる機械式の弁装置(切替弁)が採用されている。そして、このストップ弁45は、コイルバネ47の圧力よりも第7油路46の圧力が高い場合には開作動位置P1となり、第7油路46の圧力による力よりもコイルバネ47の力が高い場合には、図2に示されるような閉作動位置P2となるように構成されている。即ち、電動ポンプ26の起動に先立ち、エンジンポンプ24が停止することにより、その吐出圧、つまりその出口油路27に連通する第7油路46の圧力が低下する。そして、コイルバネ47の力が当該第7油路46の圧力を上回ることにより、ストップ弁45が閉作動するのである。
このように、本実施形態では、電動ポンプ26による作動油の供給が行なわれる場合、ストップ弁45が閉作動することで、第1油圧回路21は閉回路となる。そして、電動ポンプ26による作動油の供給を当該第1油圧回路21に限定することによって、電動ポンプ26の駆動に伴う消費電力の増大を抑えるとともに、その大型化を防ぐ構成となっている。
即ち、アイドリングストップによるエンジン3の停止時間は短く、且つその間、潤滑及び冷却の要求は低くなる。従って、このような場合には、アイドリングストップからの再発進時に備えて高圧を維持すべき部位、即ちCVT2の各構成要件であるプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12、並びにクラッチ15への作動油供給を優先する。つまり、上記のように、高い油圧を必要とするCVT2ではあるが、その作動に要求される流量自体は、回路内の漏れ流量及び変速時の変速流量のみであり、多くを必要としない。そのため、アイドリングストップ時の電動ポンプ26による作動油の供給を第1油圧回路21に限定することで、当該電動ポンプ26に要求される吐出量が少なくなり、その結果、比較的小さなモータ25での駆動が可能、且つその消費電力の大幅な低減が可能となるのである。
尚、本実施形態では、クラッチ15に作動油を供給するための第3油路36には圧力センサ48が設けられており、電動ポンプ26は、その圧力センサ48により検出される圧力が、CVT2(クラッチ16)の作動圧として最適な値となるよう、コントローラ49によりその作動が制御されている。具体的には、その検出される圧力が、予め設定された上記の最適値から乖離するほど、より大きな電流が電動ポンプ26の駆動源であるモータ25に通電される構成となっている。そして、本実施形態では、これにより、アイドリングストップ時の速やかなクラッチ接続及び円滑な変速比の変更を担保しつつ、その省エネルギー性能の向上を図る構成となっている。
以上、本実施形態によれば、以下のような作用・効果を得ることができる。
(1)電動ポンプ26による作動油の供給は、高圧回路として構成された第1油圧回路21に対して行なわれる。そして、第1油圧回路21内の油圧を調整するとともに該調整により生ずる余剰流を第2油圧回路22に供給する圧力調整弁39の上流には、電動ポンプ26による作動油の供給が行なわれる場合に、第1油圧回路21から第2油圧回路22への作動油の流出を禁止すべく閉作動するストップ弁45が設けられる。
(1)電動ポンプ26による作動油の供給は、高圧回路として構成された第1油圧回路21に対して行なわれる。そして、第1油圧回路21内の油圧を調整するとともに該調整により生ずる余剰流を第2油圧回路22に供給する圧力調整弁39の上流には、電動ポンプ26による作動油の供給が行なわれる場合に、第1油圧回路21から第2油圧回路22への作動油の流出を禁止すべく閉作動するストップ弁45が設けられる。
即ち、アイドリングストップによるエンジン3の停止時間は短く、且つその間、潤滑及び冷却の要求は低くなる。従って、このような場合、再発進時に備えて高圧を維持すべき部位、即ちCVT2の各構成要件であるプライマリプーリ11及びセカンダリプーリ12、並びにクラッチ15への作動油供給を優先することで、電動ポンプ26に要求される吐出量が少なくなる。その結果、駆動に伴う消費電力の増大を抑えるとともに、その大型化を防ぐことができ、これにより、アイドリングストップ時の速やかなクラッチ接続及び円滑な変速比の変更を担保しつつ、その省エネルギー性能の向上を図ることができるようになる。
(2)ストップ弁45には、エンジンポンプ24の出口油路27に連通する第7油路46の圧力、つまりエンジンポンプ24の吐出圧による力とコイルバネ47の力(弾性力)との力の差に基づいて、その開作動位置P1及び閉作動位置P2が切り替わる機械式の弁装置(切替弁)が採用される。
即ち、電動ポンプ26の起動に先立ち、エンジンポンプ24が停止することにより、その吐出圧、つまりその出口油路27に連通する第7油路46の圧力が低下する。従って、上記構成によれば、電子制御によらず、簡素な構成にて確実にストップ弁45を閉作動させることができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・本実施形態では、ストップ弁45には、エンジンポンプ24の吐出圧とコイルバネ47の圧力(弾性力)との圧力差に基づいて、その開作動位置P1及び閉作動位置P2が切り替わる機械式の弁装置(切替弁)が採用されることした。しかし、これに限らず、当該ストップ弁45として電磁弁を用いる構成としてもよい。
・本実施形態では、ストップ弁45には、エンジンポンプ24の吐出圧とコイルバネ47の圧力(弾性力)との圧力差に基づいて、その開作動位置P1及び閉作動位置P2が切り替わる機械式の弁装置(切替弁)が採用されることした。しかし、これに限らず、当該ストップ弁45として電磁弁を用いる構成としてもよい。
・本実施形態では、ストップ弁45は、第4油路38における圧力調整弁39の上流に設けられることとした。しかし、これに限らず、第1油圧回路21から第2油圧回路22への作動油の流出を禁止可能であれば、設置位置はこれに限るものではなく、例えば、圧力調整弁39にストップ弁45の機能を持たせる構成であってもよい。
・本実施形態では、クラッチ15に作動油を供給するための第3油路36に圧力センサ48を設け、当該圧力センサ48により検出される圧力がCVT2(クラッチ16)の作動圧として最適な値となるように電動ポンプ26を制御することとした。しかし、これに限らず、圧力センサ48の設置は、第1油圧回路21内のその他の箇所としてもよい。
2…無段変速機(CVT)、3…エンジン、4…トルクコンバータ、9…ロックアップクラッチ、11…プライマリプーリ、11c…油圧ピストン、12…セカンダリプーリ、12c…油圧ピストン、13…伝達ベルト、15…クラッチ、17…潤滑部、20…油圧ポンプ装置、21…第1油圧回路、22…第2油圧回路、24…エンジンポンプ、25…モータ、26…電動ポンプ、27…出口油路、39…圧力調整弁、45…ストップ弁、P1…開作動位置、P2…閉作動位置。
Claims (2)
- 無段変速機の各構成要素に作動油を供給するための第1油圧回路と、前記無段変速機とエンジンとの間に介在されたトルクコンバータ、及び前記作動油の循環による潤滑又は冷却を要する部位に該作動油を供給するための第2油圧回路と、エンジン駆動により前記第1油圧回路に前記作動油を供給するエンジンポンプと、前記第1油圧回路内の油圧を調整するとともに該調整により生ずる余剰流を前記第2油圧回路に供給する圧力調整弁と、前記エンジンポンプの停止時にモータ駆動により前記第1油圧回路に前記作動油を供給する電動ポンプとを備えた無段変速機の油圧ポンプ装置において、
前記電動ポンプによる前記作動油の供給時に前記第1油圧回路から前記第2油圧回路への該作動油の流出を禁止する弁装置を設けたこと、
を特徴とする無段変速機の油圧ポンプ装置。 - 請求項1に記載の無段変速機の油圧ポンプ装置において、
前記弁装置は、前記エンジンポンプの吐出圧に基づき作動する機械式の弁装置であること、を特徴とする無段変速機の油圧ポンプ装置。
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