JP2010076642A - エアバッグ装置 - Google Patents

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岳樹 福山
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Abstract

【課題】車両の側突事故が発生した場合に乗員の保護を適正に行うことができるとともに、適用範囲を拡大することができるファーサイド用のエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】車両1の左右一対の運転席3、助手席4に着座する乗員P1,P2の間の空間に膨張展開されるエアバック装置において、エアバッグ22を、運転席3と助手席4の座部3a,4aの間に配設されたコンソールボックス8の上方に膨張展開される第1エアバッグ23及び第2エアバッグ24と、前記第1エアバッグ23の下部に設けられ、かつ前記コンソールボックス8の左側面を挟持する第1挟持部25と、前記第2エアバッグ24の下部に設けられ、かつ前記コンソールボックス8の右側面を挟持する第2挟持部26とにより構成する。前記第1及び第2挟持部25,26によって、コンソールボックス8の上部を挟持し、車両1の側突事故の際にエアバッグ22の車幅方向への移動を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の車幅方向に所定の間隔をおいて配設された左右一対の座席シートに着座する2人の乗員の間の空間に膨張展開されて、乗員を保護することができるファーサイド用のエアバッグ装置に関する。
自動車の側面に他の自動車が衝突する側突事故の場合に、座席シートに着座する乗員の保護を図るために、シートバックにはサイドドアの内側面と、乗員の側面との間の空間に膨張展開されるサイドエアバッグ装置が設けられるとともに、2人の乗員の間に膨張展開されるファーサイド用のエアバック装置が備えられている。前記サイドエアバッグ装置は、エアバッグの膨張展開状態において、該エアバッグがサイドドアの内側面によって位置規制されるので、エアバッグに乗員に対する反力が発生し、乗員の保護を適正に行うことができる。しかし、ファーサイド用のエアバッグ装置は、エアバッグが2人の乗員の間の空間に膨張展開され、エアバッグの下面は例えばコンソールボックスの上面に単に接触されているのみとなる。このため、エアバッグの車幅方向の移動を阻止することができないので、乗員がエアバッグに向かって移動されると、エアバッグも車幅方向に移動してしまい、乗員を適正に保護することができないという問題があった。
上記従来の問題を解消するために、特許文献1には自動車の前席乗員用保護装置が提案されている。この保護装置はインストルメントパネルの中央部に車両後方へ向かって突出する延長部(スイッチ操作面)を設け、車両衝撃検出手段からの信号により瞬時に膨張するエアバッグを前記延長部の下方の車体対応部位に設けている。そして、前記エアバッグが膨張時に少なくとも前記延長部の下面へ当接され、エアバッグが車幅方向に移動するのを規制するようにしている。
特開平5−208647号公報
ところが、特許文献1に開示された自動車の前席乗員用保護装置は、エアバッグが一つであるため、該エアバッグが二人の乗員の間の空間に膨張展開されて、十分な保護性能を確保しようとすると、エアバッグの膨張状態における容積を大きくしなければならず、膨張用ガスを供給するインフレータ(ガス発生源)の容量も大きくする必要があった。
又、上記の乗員用保護装置は、インストルメントパネルの中央部に延長部を設けた車両において、該延長部の下方に装着しなければならず、適用範囲が限定されるという問題があった。
さらに、上記の乗員用保護装置は、延長部によりエアバッグの上部が左右に分岐され、分岐部が上方に膨張される構成であるため、エアバッグの分岐部が左右均等に分岐されるとは限らない。そして、エアバッグの分岐膨張部の容積の差が大きくなると、延長部によるエアバッグの拘束が不適切となって、エアバッグの後部の展開状態が不安定となり、乗員の保護を適正に行うことができないという問題があった。
本発明の主たる目的は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、ガス発生源の容量を低減することができるとともに、適用範囲を拡大することができるファーサイド用のエアバッグ装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、上記目的に加えて、車両の側突事故が発生した場合に乗員の保護を適正に行うことができるファーサイド用のエアバッグ装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の左右一対の座席シートに着座する乗員の間の空間に膨張展開されるエアバックを備えたエアバッグ装置であって、前記エアバッグは、左右一対の第1及び第2エアバッグにより構成され、両エアバッグは乗員の間の空間において互いに平行に、かつ車両の前後方向及び上下方向に膨張展開されるように構成され、前記第1及び第2エアバッグの前端部及び後端部の少なくとも一方は、連結手段により連結され、前記両座席シートの座部の間に配設された車室内構造体の前部、後部又は車両の天井部に前記エアバッグを折り畳んだ状態で収容する収容容器を設け、前記エアバッグの内部に膨張用ガスを供給するガス発生源を設けたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第1及び第2エアバッグの前端部が連結手段により連結され、第1エアバッグの下部には、膨張展開状態において、前記車室内構造体の一方の側面に押圧接触される第1挟持部が設けられ、第2エアバッグの下部には、前記車室内構造体の他方の側面に押圧接触される第2挟持部が設けられていることを要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2において、前記収容容器は、前記車室内構造体としてのコンソールボックスの後部に設けられ、前記第1及び第2エアバッグは、膨張展開状態において車両の天井部の下面に接触されるように形成されていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記第1及び第2エアバッグは基端部においてガス供給路により互に連通され、単一のガス発生源から前記ガス供給路に供給されたガスにより同時に膨張展開されるように構成されていることを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項において、前記第1及び第2エアバッグの内部には、各エアバッグの左右方向の膨張幅をそれぞれ規制する膨張幅規制手段が備えられていることを要旨とする。
(作用)
請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明は、エアバッグが左右一対の第1及び第2エアバッグにより分割構成され、両エアバッグは二人の乗員の間の空間において互いに平行に、かつ車両の前後方向及び上下方向に膨張展開される。このため、両エアバッグの間に隙間を形成することができ、一つのエアバッグの場合と比較して、エアバッグの膨張状態の容積を全体として低減することができ、ガス発生源の容量を低減することができる。又、第1及び第2エアバッグを車室内構造体の後部に配設したり、車両の天井部に配設したりすることができ、エアバッグ装置の適用範囲を拡大することができる。
さらに、請求項1記載の発明は、前記第1及び第2エアバッグの前端部及び後端部の少なくとも一方が連結手段により連結されているので、車両の側突事故の際に両エアバッグが乗員によって車幅方向へ外力を受けても両エアバッグが回動されるのを抑制することができる。このため、乗員の保護を適正に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、エアバッグの膨張展開状態において、第1及び第2エアバッグの下部に設けられた第1挟持部及び第2挟持部によって、車室内構造体の上部の左右両側面が挟持されるので、第1及び第2エアバッグが所定の位置に安定して保持される。このため、自動車の側突事故時に乗員によって第1及び第2エアバッグが車幅方向に押圧されても、前記第1及び第2挟持部によって、第1及び第2エアバッグの車幅方向への移動が抑制され、第1及び第2エアバッグにより乗員を適正に保護することができる。
請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明のエアバッグ装置によれば、ガス発生源の容量を低減することができ、適用範囲を拡大することができる。
請求項2に記載の発明のエアバッグ装置によれば、車両の側突事故が発生した場合に乗員の保護を適正に行うことができる。
以下、本発明を具体化したエアバッグ装置の一実施形態を図1〜図10にしたがって説明する。
なお、以下の説明において、上下方向は車両の上下方向と一致し、前後方向は車両の前後方向と一致し、左右方向は車両の幅方向であって車両前進時の左右方向と一致するものとする。
図1に示すように、車両1の床面2には、車両1の幅方向に並んで配置される座席シートとしての運転席3と、助手席4とが取り付けられている。運転席3は、乗員P1の臀部から大腿部を支える座部3aと、リクライニング可能に構成された背もたれ部3bと、乗員P1の頭部を支えるヘッドレスト部3cとにより構成されている。これと同様に、助手席4は、乗員P2の臀部から大腿部を支える座部4aと、リクライニング可能に構成された背もたれ部4bと、乗員P2の頭部を支えるヘッドレスト部4cとにより構成されている。
前記車両1の左右両側には、同車両1の側部の骨格の一部を構成するボディサイド5がそれぞれほぼ鉛直に設けられるとともに、同車両1の上部には、天井部7がほぼ水平に設けられている。又、前記ボディサイド5にはピラー6が上方に延設されて、同ピラー6により前記天井部7が支持されている。
前記運転席3と助手席4との間には、床面2の一部が上方に突出した突出床部2aが形成されるとともに、同突出床部2aには長手方向が車両前後方向になるように配置されたほぼ直方体形状をなす車室内構造体としてのコンソールボックス8が設けられている。このコンソールボックス8は前記突出床部2aに固定されているコンソール本体9と、同コンソール本体9の上方に取り付けられるほぼ矩形の蓋体10とにより構成されている。図2に示すように、前記コンソール本体9の前部側には携帯品などを収納するためのほぼ直方体形状の収容空間11が形成されている。前記蓋体10は前記座部3a,4aの上面よりも上方に位置している。なお、これらコンソール本体9及び蓋体10はいずれも樹脂材料によって形成されている。
前記突出床部2aの前記コンソールボックス8よりも前方にはシフトレバー12が装着されている。図2及び図4に示すように、前記コンソール本体9の後部側には、エアバッグ装置14を収容するためのほぼ直方体形状の収容凹部9aが形成されている。
次に、前記コンソール本体9の収容凹部9aに収容されたエアバッグ装置14について説明する。
図3に示すように、前記収容凹部9aには有底四角箱状の収容容器16が収容され、該収容容器16はボルト17を前記コンソール本体9の収容凹部9aの底部に形成された雌ネジ9bに螺合することにより前記コンソール本体9に取り付けられている。前記収容容器16の内部には後に詳述するエアバッグ22が折り畳んだ状態で収容されている。収容容器16の底板16aには前記エアバッグ22に膨張用ガスを供給するためのガス発生源としてのインフレータ18を保持するリテーナ19が取り付けられている。前記インフレータ18の内部には図示しないガス発生剤が収容されている。前記リテーナ19の外周面にはフランジ部19aが設けられ、該フランジ部19aはボルト20によって底板16aに締め付け固定されている。
次に、前記エアバッグ22の構成について以下に説明する。
前記エアバッグ22は概略的に見て、図1に示すように、乗員P1,P2の間の空間において、前後方向及び上下方向にそれぞれ膨張展開される第1エアバッグ23及び第2エアバッグ24と、前記第1エアバッグ23の下端部に一体的に設けられ、かつ前記コンソールボックス8の左側面に押圧接触される第1挟持部25と、前記第2エアバッグ24の下端部に一体に設けられ、かつ前記コンソールボックス8の右側面に押圧接触される第2挟持部26とによって構成されている。
図4〜図9に示すように、前記エアバッグ22は織布製の外形状がほぼ同じの二枚の基布31,32の周縁を結合部により結合することによって構成されている。一方の前記基布31は図4に示すように前記第1及び第2エアバッグ23,24を形成する第1及び第2布片31a,31bと、両布片31a,31bを下端部において連結するための連結用布片31cとを備えている。又、基布31は、第1及び第2挟持部25,26を形成するための第1挟持用布片31d及び第2挟持用布片31eを備えている。
他方の前記基布32は、図5に示すように前記第1布片31aの周縁に結合されて、前記第1エアバッグ23を形成するための第1布片32aと、前記第2布片31bの周縁に結合されて、前記第2エアバッグ24を形成する第2布片32bと、前記第1及び第2布片32a,32bを下端部において連結するとともに、前記連結用布片31cの前後端縁に結合されて、後記ガス供給路42(図8参照)を形成するための連結用布片32cとを備えている。前記基布32の第1布片32aの前側下端部には前記基布31の第1挟持用布片31dの周縁に結合されて前記第1挟持部25を形成するための第1挟持用布片32dが形成されている。同様に、前記基布32の第2布片32bの前側下端部には前記基布31の第2挟持用布片31eの周縁に結合されて前記第2挟持部26を形成するための第2挟持用布片32eが形成されている。
前記基布32の連結用布片32cには、前記インフレータ18を上下方向に貫通するための取付孔32fが形成されている。
次に、前記エアバッグ22の製造方法について説明する。
図6に示すように一方の基布31の第1及び第2布片31a,31bの片面(エアバッグ22の完成状態で裏面となる)に対し、テザー形成用の短冊状の布片33,34を縫糸35によりそれぞれ二箇所に縫着する。他方の基布32の第1及び第2布片32a,32bの片面(エアバッグの完成状態で裏面となる)に対し、同様にテザー形成用の短冊状の布片33,34を縫糸35によりそれぞれ二箇所に縫着する。
その後、図7に示すように、前記両基布31,32を偏平状態のまま重ね合わせて、その前縁及び側縁を縫糸或いは接着剤などの結合部36により結合する。前記結合部36の形成範囲は、図7の点Eから点Fまでの長い方の周縁となっている。基布31,32の直線状の後縁には、前記結合部36が形成されていない。この基布31,32の非結合部は、第1及び第2布片31a,31b、連結用布片31c,32c、第1挟持用布片31d,32d及び第2挟持用布片31e,32eの反転用の開口部37を形成する。そして、この開口部37にエアバッグ22の各布片を通すことにより各布片を表裏反転して、図8に示すようにテザー形成用の布片33,34及び結合部36がエアバッグ22の内側になるようにする。この工程により、第1布片31a,32a及び結合部36によって前記第1エアバッグ23が形成され、第2及び第2布片31b,32b及び結合部36によって第2エアバッグ24が形成される。又、第1挟持用布片31d,32d及び結合部36によって、第1挟持部25が形成され、第2挟持用布片31e,32e及び結合部36によって第2挟持部26が形成される。
その後、互いに対応する複数の前記布片33,34をそれぞれ前記開口部37から引き出して縫糸38により連結し、膨張幅規制手段としてのテザー39(図10参照)を形成する。このテザー39によって、図10に示すように第1及び第2エアバッグ23,24の車幅方向の膨張幅が所定幅となるようになっている。
さらに、図7に示すように、前記開口部37からインフレータ18を保持したリテーナ19を前記連結用布片31c,32cの間に形成されたリテーナ収容部40に進入し、前記取付孔32fからリテーナ19を外部(下方)に導出し、フランジ部19aをリテーナ収容部40に収容する。その後、図8に鎖線で示すように、前記開口部37を新たに縫糸或いは接着剤などの結合部41によって結合する。この工程により連結用布片31c,32c及び結合部36,41によってインフレータ18から噴射されるガスを前記第1及び第2エアバッグ23,24にそれぞれ導くためのガス供給路42が形成される。
図9に示すように、前記第1及び第2エアバッグ23,24の前端縁は、上下二箇所において、例えば縫糸や紐或いは接着剤などの連結手段としての連結部43により連結されている。この連結部43により、第1及び第2エアバッグ23,24が膨張展開されたときに、両第1及び第2エアバッグ23,24が車幅方向に離隔されないようにするとともに、第1及び第2挟持部25,26が車幅方向に離隔される距離を制限するようにしている。
図3に示すように、前記リテーナ収容部40に収容された前記リテーナ19のフランジ部19aには、前述したように収容容器16の底板16aに形成された貫通孔に挿入されたボルト20が螺合され、エアバッグ22の基布32の連結用布片32cが収容容器16の底板16aに連結される。インフレータ18の上端部に形成されたガス噴射孔18aが前記ガス供給路42の内部に位置するようにしている。
図3に示すように、前記エアバッグ22の第1及び第2エアバッグ23,24は蛇腹折り構造として収容容器16の内部に収容されている。同様に前記第1及び第2挟持部25,26も図示しないが蛇腹折り構造として収容容器16の内部に収容されている。前記収容容器16の上端開口縁にはエアバッグカバー44が嵌合固定されている。このエアバッグカバー44には、前記エアバッグ22が膨張展開される際に、エアバッグカバー44を破断開口させるための破断予定部44aが形成されている。
次に、前記のように構成されたエアバッグ装置14の動作について説明する。
図1に示す車両1のボディサイド5に衝突(側突)があった場合には、車両1に所定以上の衝撃が加わったことが衝突検知センサ(図示略)によって検出されて制御回路から駆動電流が図3に示す前記インフレータ18に出力されて、点火装置(図示略)による点火が行われる。その結果、インフレータ18のガス発生剤から発生したガスがガス噴射孔18aからガス供給路42に噴射され、該ガス供給路42からエアバッグ22内に流入してエアバッグ22が上方に向かって膨張する。そして、エアバッグ22の膨張に伴い、その膨張の圧力によりエアバッグカバー44の破断予定部44aが破断されて、エアバッグカバー44が開口する。続いて、第1エアバッグ23及び第2エアバッグ24が図1に示すように乗員P1,P2の間の空間に膨張展開される。これとほぼ同期して、前記第1エアバッグ23及び第2エアバッグ24の内部に供給されたガスが前記第1挟持部25及び第2挟持部26の内部に供給されることによって、第1及び第2挟持部25,26が下方に向かって膨張展開され、第1及び第2挟持部25,26が前記コンソールボックス8の上部を挟持するように膨張展開される。又、前記第1及び第2エアバッグ23,24の上端部は車両1の天井部7の下面に押圧接触される。このため、車両1の側突事故の際に乗員P1(又は乗員P2)が図1において矢印R(又はL)で示す車幅方向に移動されても、エアバッグ22の移動が抑制されるので、乗員P1(又はP2)の保護が適正に行われる。
上記実施形態のエアバッグ装置14によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、前記エアバッグ22を乗員P1,P2の間の空間に膨張展開される第1及び第2エアバッグ23,24に分割し、両エアバッグは二人の乗員の間の空間において互いに平行に、かつ車両の前後方向及び上下方向に膨張展開されるように構成した。このため、両エアバッグ23,24の間に隙間を形成することができ、一つのエアバッグの場合と比較して、エアバッグ23,24の膨張状態の容積を低減することができる。従って、インフレータ18の容量を低減することができる。又、第1及び第2エアバッグ23,24を車室内構造体の後部又は前部に配設したり、車両1の天井部7に配設したりすることができ、エアバッグ装置の適用範囲を拡大することができる。
(2)上記実施形態では、前記第1及び第2エアバッグ23,24の前端部を連結部43により連結したので、車両1の側突事故の際に両エアバッグ23,24が乗員によって車幅方向へ外力を受けても両エアバッグ23,24が回動されるのを抑制することができる。このため、乗員P1,P2の保護を適正に行うことができる。
(3)上記実施形態では、前記第1及び第2エアバッグ23,24の下部に前記コンソールボックス8の上部を車幅方向から挟持する第1及び第2挟持部25,26を設けた。このため、図1及び図10に示すように、コンソールボックス8の左右両側面を前記第1及び第2挟持部25,26によって挟持することができ、エアバッグ22の車幅方向の移動を防止することができる。又、エアバッグ22の基端部(リテーナ収容部40)は、図3に示すように、リテーナ19によって、収容容器16の底板16aに連結されている。このため、図1、図2及び図10に示すように、エアバッグ22が膨張展開された状態で、第1及び第2挟持部25,26によってエアバッグ22がその基端部(収容容器16)を中心として水平方向に回動するのが阻止され、エアバッグ22により乗員P1(P2)の移動が阻止されて、乗員に対する反力をエアバッグ22に付与することができ、乗員の保護を適正に行うことができる。
(4)上記実施形態では、図1及び図2に示すように、エアバッグ22が膨張展開された状態で、第1及び第2エアバッグ23,24の上端面が車両1の天井部7の下面に押圧接触されるようにした。このため、エアバッグ22の上端部が天井部7の下面に摩擦接触されて、エアバッグ22が第1及び第2挟持部25,26を中心として図1において、車幅方向に回動されるのが阻止され、エアバッグ22を所定位置に保持する機能が向上し、非接触の場合と比較して、乗員の保護性能をさらに向上することができる。
(5)上記実施形態では、図4,5に示す二枚の基布31と基布32を例えば縫糸によって図7〜図9に示すように結合することによってエアバッグ22を形成したので、エアバッグ22の構造を簡素化して、製造を容易に行いコストを低減することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図11に示すように、前記第1エアバッグ23と第2エアバッグ24との間に膨張展開される第3エアバッグ51を設け、該バッグ51の下端面を前記コンソール本体9(蓋体10)の上面に押圧接触するようにしてもよい。この場合には、エアバッグ22をコンソール本体9にさらに安定して保持させることができる。
・図示しないが、前記第1及び第2挟持部25,26を省略してもよい。
・図示しないが、天井部7にエアバッグ装置14を装着し、エアバッグ22が膨張展開されて、その下端部に設けた第1及び第2挟持部25,26がコンソール本体9の左右両側面を挟持するようにしてもよい。
・前記第1及び第2エアバッグ23,24をそれぞれ個別に構成し、個別のインフレータ18によりそれぞれ膨張展開されるようにしてもよい。
・図示しないが、車両1の後部座席のファーサイドのエアバッグ装置14として具体化してもよい。
・図示しないが、前記収容空間11の内部に前記エアバッグ装置14を装着してもよい。この場合には、エアバッグ22の膨張展開時に前記蓋体10が開放されるように構成する。
・前記第1及び第2エアバッグ23,24の後端縁を前記連結部43と同様に連結してもよい。又、両エアバッグ23,24の後端縁のみを連結部43により連結するようにしてもよい。
・前記第1及び第2エアバッグ23,24の連結部43を一箇所又は三箇所以上に設けてもよい。連結部43を一箇所にする場合には、エアバッグ22の前側又は後側に縦長に設けるのが好ましい。連結部43を複数(二箇所以上)箇所に設けるのが望ましい。
・前記第1及び第2エアバッグ23,24の上端部を天井部7に接触させないように構成してもよい。
・前記第1エアバッグ23及び第2エアバッグ24がそれぞれ個別に膨張展開されるように構成してもよい。
・前記エアバッグ装置14をコンソール本体9の前部に設け、エアバッグ22が後方に膨張展開されるようにしてもよい。
(定義)この明細書において、車室内構造体とは、前述したコンソールボックス8以外に、前記床面2に設けた突出床部2a、突出床部2aに設けたシフトレバー12或いはアームレストを含む。
この発明のエアバッグ装置を具体化した1実施形態を示すエアバッグの膨張展開状態を示す車両の略体横断面図。 同じくエアバッグの膨張展開状態を示す車両の側断面図。 エアバック装置の非膨張折り畳み収納状態を示す断面図。 エアバックを構成する一方の基布を屈曲した状態を示す斜視図。 エアバッグを構成する他方の基布を屈曲した状態を示す斜視図 エアバッグを構成する二枚の基布を展開した状態を示す斜視図。 二枚の基布及びテザーによるエアバッグの製造方法を説明するための斜視図。 エアバッグの製造方法を説明するための斜視図。 エアバッグの非膨張・展開状態の斜視図。 エアバッグの膨張・展開状態の縦断面図。 この発明の別の実施形態を示す車両の略体横断面図。
符号の説明
P1,P2…乗員、1…車両、3a,4a…座部、7…天井部、8…コンソールボックス、14…エアバッグ装置、16…収容容器、22…エアバッグ、23…第1エアバッグ、24…第2エアバッグ、25…第1挟持部、26…第2挟持部、42…ガス供給路、43…連結手段としての連結部。

Claims (5)

  1. 車両の左右一対の座席シートに着座する乗員の間の空間に膨張展開されるエアバックを備えたエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグは、左右一対の第1及び第2エアバッグにより構成され、両エアバッグは乗員の間の空間において互いに平行に、かつ車両の前後方向及び上下方向に膨張展開されるように構成され、前記第1及び第2エアバッグの前端部及び後端部の少なくとも一方は、連結手段により連結され、前記両座席シートの座部の間に配設された車室内構造体の前部、後部又は車両の天井部に前記エアバッグを折り畳んだ状態で収容する収容容器を設け、前記エアバッグの内部に膨張用ガスを供給するガス発生源を設けたことを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 請求項1において、前記第1及び第2エアバッグの前端部が連結手段により連結され、第1エアバッグの下部には、膨張展開状態において、前記車室内構造体の一方の側面に押圧接触される第1挟持部が設けられ、第2エアバッグの下部には、前記車室内構造体の他方の側面に押圧接触される第2挟持部が設けられていることを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 請求項1又は2において、前記収容容器は、前記車室内構造体としてのコンソールボックスの後部に設けられ、前記第1及び第2エアバッグは、膨張展開状態において車両の天井部の下面に接触されるように形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、前記第1及び第2エアバッグは基端部においてガス供給路により互に連通され、単一のガス発生源から前記ガス供給路に供給されたガスにより同時に膨張展開されるように構成されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、前記第1及び第2エアバッグの内部には、各エアバッグの左右方向の膨張幅をそれぞれ規制する膨張幅規制手段が備えられていることを特徴とするエアバッグ装置。
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