JP2010075986A - 冷間圧延機列、冷間圧延ライン、金属板の冷間圧延方法、ならびに、冷延金属板の製造方法 - Google Patents

冷間圧延機列、冷間圧延ライン、金属板の冷間圧延方法、ならびに、冷延金属板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高張力鋼板などの金属板Sとワークロール8,9の間のスリップを防止し、金属板Sを高圧下率、高速で圧延できる冷間圧延機列1、冷間圧延ライン100、金属板の冷間圧延方法、ならびに、冷延金属板の製造方法を提供する。
【解決手段】第1圧延機F1のロールを全て非駆動式とするとともに、第2圧延機以降(F2〜F6)のロールのうちの、金属板Sを直接圧延するワークロール2本(8,9)を駆動式とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷間圧延機列、冷間圧延ライン、金属板の冷間圧延方法、ならびに、冷延金属板の製造方法に関する。
環境問題の意識の高まり、とりわけ地球温暖化に関しては、二酸化炭素排出の抑制が社会的課題となっている。二酸化炭素排出を抑制するための方法の一つとして、自動車の軽量化がある。自動車の軽量化のためには、比重の小さいアルミニウムやマグネシウムの合金、あるいは、従来の鋼板よりも高強度の鋼板(高張力鋼板)などの使用が指向されている。
ところで、この高張力鋼板のような金属板を冷間圧延するには、いくつかの課題がある。
高張力鋼板は、変形抵抗が大きいため、加工したり変形させたりするに際しては、それだけ大きな力が必要になり、冷間圧延するに際しては、それだけ、反力である圧延荷重が大きくなる。また、圧延荷重が大きくなると、反力を受けるロールの撓みが大きくなり、圧延中の鋼板の形状が悪化しやすい。
高張力鋼板を圧延する際の圧延荷重を低減することを目的に、特許文献1には、圧延機のワークロールを小径化する方法が記載されている(後出図5のものもこれに含まれる)。
また、冷間圧延ではなく、熱間圧延においてであるが、特許文献2には、仕上圧延機を構成する後段圧延機に上下異径のワークロールを用い、上下ワークロールのうちの片側だけを駆動式とする方法が記載されている(後出図6のものもこれに含まれる。図中、白黒で四分円づつに分けて描いたのが駆動式のワークロールの電動機を意味する。)。
特開昭57−019106号公報 特開昭60−141303号公報
ところで、特許文献1の方法で高張力鋼板を冷間圧延すると、小径ワークロールの効果により、従来よりも高圧下率での圧延は可能になるものの、高速での圧延は逆に困難になる問題があった。
冷間タンデム圧延機(冷間圧延機列)では、下流の圧延機になるほど、ワークロールの周速は高速になる。高速化に伴い、小径ワークロールと鋼板との間に引き込まれる圧延油の量が増大する。
このため、図7に示すような、ロールバイト内の中立点(ロール速度とロールバイト内の板速度が一致する点)が、引き込まれる圧延油の量が増大することで、ロールバイトよりも出側に移動、すなわち、ワークロールの周速よりも鋼板の速度の方が速くなって、スリップし、スリップに起因するチャタリング、板厚偏差拡大などの問題が生じる場合がある。
小径ワークロールを用いた場合、その分、ワークロールの周速が速くなって、上記した問題が顕在化しやすくなる。
よって、小径ワークロールを用いた場合、圧延速度(最終圧延機のワークロールの周速)を300m/分以下に抑えて圧延する必要があり、従来の大径ワークロールで二回圧延する場合と比べて、さほどの能率向上は望めない。
また、特許文献2のように、熱間圧延における仕上圧延機を構成する後段圧延機に上下異径ワークロールを用い、上下ワークロールのうちの片側だけを駆動する方法も、冷間圧延に適用した場合、片側のワークロールだけで大きなトルクを負担しようとする結果、却ってスリップしやすくなる、という問題があった。
これらの問題は、高張力鋼板の場合のみならず、金属板の冷間圧延全般について、高圧下率でしかも高速の圧延を指向した場合にいえることである。
本発明は、従来技術のかような問題を解決するべくなされたものであり、高張力鋼板などの金属板とワークロールの間のスリップを防止し、金属板を高圧下率、高速で圧延できる冷間圧延機列、冷間圧延ライン、金属板の冷間圧延方法、ならびに、冷延金属板の製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]複数の圧延機を列設した冷間圧延機列において、第1圧延機のロールを全て非駆動式とするとともに、第2圧延機以降のロールのうちの、金属板を直接圧延するワークロール2本を駆動式としたことを特徴とする冷間圧延機列。
[2]前記[1]の冷間圧延機列を備えた冷間圧延ライン。
[3]前記[1]の冷間圧延機列を用いた金属板の冷間圧延方法であって、第1圧延機の入側と出側それぞれにて金属板の単位断面積あたりに作用する張力が下式(1)を満足するように調整しながら圧延することを特徴とする金属板の冷間圧延方法。
t2−t1≧0.1×km ・・・(1)
ここで、
t2:出側張力(第1圧延機出側にて金属板の単位断面積あたりに作用する張力)、
t1:入側張力(第1圧延機入側にて金属板の単位断面積あたりに作用する張力)、
km:平均変形抵抗
であり、
km=(k1+2×k2)/3
で定義され、
k1:ロールバイト入口点の変形抵抗、
k2:ロールバイト出口点の変形抵抗を示す。
[4]前記第1圧延機に使用するエマルション圧延油の濃度を10質量%以上とすることを特徴とする前記[3]の金属板の冷間圧延方法。
[5]前記[3]または[4]の金属板の冷間圧延方法により冷延金属板を製造することを特徴とする冷延金属板の製造方法。
[6]前記金属板は、高張力鋼板であることを特徴とする前記[5]の冷延金属板の製造方法。
本発明によれば、金属板とワークロールの間のスリップを防止し、金属板を高圧下率、高速で圧延できる冷間圧延機列、冷間圧延ライン、金属板の冷間圧延方法、ならびに、冷延金属板の製造方法を提供できる。
本発明の冷間圧延機列1とそれを含む冷間圧延ライン100を、図1に示す。図1(a)は第1圧延機のロール群が4本、図1(b)は同6本で構成されている。
Sは鋼板である(ストリップともいう)。冷間圧延ライン100中の、2はペイオフリールであり、ペイオフリール2には、熱間圧延の際に鋼板Sの表面に生成したスケールが、酸洗、もしくは、機械的な方法で、除去された後、コイル状に巻き取られた、コイル3(コイル状に巻き取られた鋼板Sを、単にコイルと呼ぶ場合が多い。)が装填される。
そして、冷間圧延ライン100では、冷間圧延機列1を構成する、各圧延機の上下ワークロール8,9の間に、鋼板Sが通板され、挟圧されながら、上下ワークロール8,9が回転することで、鋼板Sは圧延され、板厚を減じられる。
圧延された鋼板Sは、テンションリール5によってコイル状に巻き取られ、冷間圧延後のコイル6になる。
冷間圧延機列1は、ペイオフリール側から第1〜第6圧延機(F1〜F6)で構成され、図1(a)に示すものの場合、第1〜第6圧延機は上バックアップロール7、上ワークロール8、下ワークロール9、下バックアップロール10、の4本から構成される。図1(b)に示すものの場合、第1圧延機は上バックアップロール7、上ワークロール8、下ワークロール9、下バックアップロール10、上中間ロール11、下中間ロール12の6本から構成される。
ここで、冷間圧延機列1は、6つの圧延機から構成されているが、5つ以下の圧延機でも構わない。
圧延機は、図1ではロール群のみを図示したが、図示しないハウジングなどからも構成され、また、ロール群は、チョックなどにより支持され、さらに、図示しない圧下装置により昇降する。
なお、エマルション上ヘッダー14、エマルション下ヘッダー15からは、エマルションがスプレーされ、ワークロール8,9と鋼板との間の潤滑が行われる。
エマルションとは、圧延油を水で希釈したものである。図2に示すように、油滴が界面活性剤を介することで、親水基の作用により、水中に溶解し、分散したものである。エマルションの粒子一つあたりの直径は1〜30μmである。
ここで、エマルションは、図3に示すようなエマルション給油システムにより供給される。ある濃度に希釈されたエマルションがタンク16に貯蔵され、ポンプ17を介して、ワークロール8,9と、ここでは図示していないが実際には図1と同じようにして存在する、鋼板Sの間に向けスプレーされる。
さらに具体的には、ロールバイトの出口の点(図7中のC)を目標にスプレーされ、そのようにして供給された後のエマルションは、オイルパン18により回収され、ポンプ19によりタンク16に戻される。
なお、図3は、第1圧延機のエマルション給油システムについてだけ図示したが、第2圧延機以降も、同様である。
図4は、第1圧延機の正面図であり、上述のロール群から構成される。ここで、全てのロールは非駆動となっている。
第1圧延機では母板の板厚が厚く、圧下量が鋼板の搬送方向下流側の他の圧延機に比較して大きいため、スリップが発生しやすい。さらに、変形抵抗の大きい高張力鋼板を圧延する場合には、ワークロールと鋼板との間の摩擦係数を低くする必要があるため、さらにスリップが発生しやすくなる。
発明者らは、冷間圧延機列1を構成する第1圧延機でのスリップ防止を鋭意検討した結果、第1圧延機のロールを全て非駆動式とするのがよいことを見出し、本発明に想到した。
なお、第2圧延機以降のロールのうちの、鋼板を直接圧延するワークロール2本を駆動式とする。
第1圧延機のロール群全てを非駆動とするのがよい理由は、非駆動とすることにより、ワークロールから鋼板に力を作用させるような、ワークロール側に付与すべき駆動トルクを、ゼロにできることである。
すなわち、ワークロールは、鋼板との間の摩擦力により、いわば、従動するかたちで回転させられる。このことにより、ワークロールの側から鋼板の側に力を作用させるようワークロールの側に付与すべき駆動トルクは、ゼロとした状態で、ワークロールが回転することになる。
このため、ロールバイト内に必ず中立点が存在することになり、潤滑の状態など、圧延条件が多少変動しても、先進率は一定のままとなり、殆どスリップなど発生しなくなる。
このように、ロール群全てを非駆動として圧延すると、いわゆる引き抜きの状態での圧延になる。
すなわち、第2圧延機の側から鋼板に作用する張力によって、第1圧延機での圧延が行なわれる。このような状態だと、潤滑の状態など、圧延条件の多少の変動により、摩擦係数が多少変動しても、中立点はロールバイト内に存在することになり、スリップしなくなる。
ところで、第1圧延機のロール群を全て非駆動にし、引き抜きの状態で圧延するためには、適切な入側全張力T1と、適切な出側全張力T2とが必要である。
T1>T2では、当然のことながら、鋼板は前進することができない。ロールバイト入出側での鋼板の断面積をそれぞれS1,S2とすると、単位断面積当たりの張力差ts=T2/S2−T1/S1=t2−t1は、ロールバイト入口の点Bにおける鋼板の変形抵抗をk1、出口の点Cにおけるそれをk2としたときに、平均変形抵抗(km=(k1+2×k2)/3)の10%以上とすることが好ましい。
すなわち、本発明の冷間圧延機列1を用いて、第1圧延機の入側と出側それぞれにて金属板の単位断面積あたりに作用する張力が下式(1)を満足するように調整しながら圧延するのが好ましい。
t2−t1≧0.1×km ・・・(1)
ここで、
t2:出側張力(第1圧延機出側にて金属板の単位断面積あたりに作用する張力)、
t1:入側張力(第1圧延機入側にて金属板の単位断面積あたりに作用する張力)、
km:平均変形抵抗
であり、
km=(k1+2×k2)/3
で定義され、
k1:ロールバイト入口点の変形抵抗、
k2:ロールバイト出口点の変形抵抗を示す。
ロールバイト入出側での単位断面積当たりの張力差が、平均変形抵抗の10%未満だと、第1圧延機における鋼板を引き抜く力が不足し、円滑にロールが回転しなくなる場合が出てくる。これを防止するためには、tsをkmの10%以上とすることが好ましい。また、tsがkmの40%を超えると、張力差が過大となり、エッジクラックに起因して破断してしまう場合が出てくる。これを防止するためには、tsをkmの40%以下とすることが好ましい。
ところで、上述のように、本発明の冷間圧延機列は、第1圧延機で鋼板の引き抜きを行うため、摩擦係数は低いほど好ましい。
圧延油を希釈して作られるエマルションは、濃度が高くなるに従い、鋼板表面に付着する油滴の量が多くなり、潤滑性が向上する。
しかし、エマルションの濃度が30質量%を超えると、ロールバイト内に引き込まれる圧延油の量が飽和するため、摩擦係数はほぼ一定になる。スプレーするエマルションの濃度は10質量%以上とすることが好ましく、圧延油の原液をスプレーしてもよいが、火災発生のおそれが出てくるとともに、ロールを冷却する能力が低下するため、10〜30質量%に圧延油を希釈したエマルションを第1圧延機にスプレーするのが好ましい。
次に、本発明におけるワークロールと鋼板との間の好ましい潤滑条件について説明する。図3に示したように、ワークロールと鋼板との間の潤滑には、圧延油を水で希釈したエマルションが使用される。
圧延油は、脂肪酸とアルコールをエステル結合させた、合成エステルを基油とするのが好ましい。合成エステルは、一般に熱分解しにくく、圧延中、安定した潤滑が維持できる。ここで、合成エステルは、上記のように、通常、脂肪酸とアルコールから合成され、脂肪酸としては、C12〜C36の一塩基酸または二塩基酸であり、アルコールとしては、C〜C18の一価または多価アルコールが挙げられる。
具体例としては、パルチミン酸エチルヘキシルエステル、オレイン酸ブチルエステル、イソステアリン酸ブチルカルビトーエステル、ペンタエリストールオレイン酸エステルなどが挙げられる。
この合成エステルの圧延油に、合成エステルと水との間の界面張力を低下させる、乳化剤を添加する。
また、酸化防止剤や、ワークロールと鋼板の接触部分における潤滑作用のある、リン酸エステルなどの極圧剤を添加してもよい。
この圧延油を水に希釈してエマルションとする。酸化防止剤はエマルションの劣化防止に役立つ。
エマルションの温度は、40〜60℃とするのが好ましい。40℃未満だと、バクテリアの発生により、エマルションが腐敗するおそれが出てくる。一方、60℃を超えると、水の蒸発が著しくなり、エマルション中の圧延油の濃度がすぐに濃化して濃度の管理が大変になる。また、加熱のための蒸気もそれだけ必要になり、コストが嵩む。
本発明の冷間圧延機列にて使用する圧延油の粘度は、20〜60cSt(20〜60×10-5m2/s)/50℃が好ましい。20cSt(20×10-5m2/s)/50℃未満だと、ロールバイト内に引き込まれるエマルションの量が少なくなり、圧延荷重が増大するとともに先述のヒートストリーク(単にヒートとも呼ぶ)が発生しやすくなる。60cSt(60×10-5m2/s)/50℃を超えると、第2圧延機以降でのスリップが発生しやすくなる。
また、エマルションの流量は、圧延機1基あたり200L/分以上としてスプレーするのが好ましい。200L/分未満では、ワークロールの温度が上昇し、鋼板表面にヒートストリークが発生しやすくなる。
(圧延条件)
本発明の効果を確認するため、本発明の冷間圧延機列を用いて高張力鋼板を冷間圧延した。以下に圧延条件を示す。圧延材(鋼板)は880MPa鋼板を用いた。880MPa鋼板は冷間圧延、焼鈍を経た後の引張試験(JIS Z2201準拠の試験片)において、引張応力が880MPa以上である。圧延時の変形抵抗は以下に示すようであり、一般的な低炭素鋼板の2倍以上の変形抵抗を有している。
圧延材(鋼板): 880MPa・・・Kf=946(0.02+ε)0.12
ここで、
Kf:変形抵抗(MPa)
ε:累積歪
である。その他の圧延条件は以下の通りである。
母板厚:2.4mm、板幅:1200mm
仕上厚:1.0mm
コイル重量:25ton
なお、第1圧延機で圧下率25%の冷間圧延を行なった場合、ロールバイト入口での変形抵抗は592MPa、ロールバイト出口での変形抵抗は821MPaになる。したがって、平均変形抵抗km=745MPaである。
以上の条件のもと、以下のように、本発明例および従来例の比較を行った。
(本発明例)
本発明例1−1〜4では、図1(a)に示す冷間圧延機列により、そして、本発明例2−1〜4では、図1(b)に示す冷間圧延機列により、上記の880MPa鋼板を冷間圧延した。圧延条件は、トータル圧下率58.3%とし、1.0mmまで仕上げた。
潤滑に用いた圧延油は、粘度30cSt(30×10-5m2/s)/50℃の合成エステル(オレイン酸ブチルエステル)を基油とし、ノニオン乳化剤(ポリオキシエチレン脂肪酸エステル)を基油に対して0.5質量%、酸化防止剤を基油に対して0.2質量%、リン酸エステルを基油に対して0.4質量%含み、50℃の温水で、1,5,12,20質量%の4条件に希釈し、エマルションにした後、50℃に加熱し、第1圧延機の入側から、ワークロールと鋼板との間に、流量300L/分でスプレーした。第1圧延機以外の圧延機では、1質量%に希釈したエマルションを同じ条件でスプレーした。
さらにその他の条件を以下に示す。
1 : 本発明例1−1〜4では第1圧延機を4段圧延機とし、上下ワークロール直径500mm、バックアップロール直径1000mm、胴長1800mmとし、第1圧延機の入側と出側それぞれにて金属板の単位断面積あたりに作用する張力の関係(t2−t1)/km×100は14.4%(単位断面積当たりの張力t1=29.4MPa、t2=137MPaとし、圧延油の濃度を4条件に変化させた。
2 : 本発明例2−1〜4では第1圧延機を6段圧延機とし、上下ワークロール直径360mm、バックアップロール直径1000mm、中間ロール直径500mm、胴長1800mmとし、第1圧延機の入側と出側それぞれにて金属板の単位断面積あたりに作用する張力の関係(t2−t1)/km×100は14.4%(単位断面積当たりの張力t1=29.4MPa、t2=137MPaとし、圧延油の濃度を4条件に変化させた。
3 : 本発明例3−1〜4では第1圧延機を4段圧延機とし、上下ワークロール直径500mm、バックアップロール直径1000mm、胴長1800mmとし、第1圧延機の入側と出側それぞれにて金属板の単位断面積あたりに作用する張力の関係(t2−t1)/km×100は5.7%(単位断面積当たりの張力t1=29.4MPa、t2=71.9MPaとし、圧延油の濃度を4条件に変化させた。
4 : 本発明例4−1〜4では第1圧延機を6段圧延機とし、上下ワークロール直径360mm、バックアップロール直径1000mm、中間ロール直径500mm、胴長1800mmとし、第1圧延機の入側と出側それぞれにて金属板の単位断面積あたりに作用する張力の関係(t2−t1)/km×100は5.7%(単位断面積当たりの張力t1=29.4MPa、t2=71.9MPaとし、圧延油の濃度を4条件に変化させた。
(従来例)
従来例5−1〜4では、図5に示す冷間圧延機列により、上記の880MPa鋼板を冷間圧延した。鋼板の圧延の条件および圧下率は本発明例の場合と同じである。なお、ここで、第1,2および第5圧延機について、ワークロール直径500mm、バックアップロール直径1000mmとした。第3,4圧延機には、小径ワークロールを配置し、そのワークロール、中間ロール、バックアップロールの直径は、150mmとした。また、全てのワークロールの胴長を1800mmとした。潤滑の条件も本発明例と同様、第1圧延機のエマルション濃度を変更したが、第1圧延機以外の圧延機では、エマルション濃度は1質量%とした。
従来例6−1〜4では、図6に示す冷間圧延機列により、上記の880MPa鋼板を冷間圧延した。小径ワークロール直径360mm、ワークロール直径500mm、中間ロール直径500mm、バックアップロール直径1000mm、胴長1800mmとした。
なお、従来例5−1〜4、従来例6−1〜4とも、第1圧延機の入側と出側それぞれにて金属板の単位断面積あたりに作用する張力の関係(t2−t1)/km×100は12.2%とし、圧延油の濃度を4条件に変化させた。
(実験結果)
以上のような条件下で、本発明例1−1〜4では、第1圧延機の圧下率を25%とし、第1圧延機以外の圧延機は圧下率を等しくした。
従来例5−1〜4では、第3,4圧延機の圧下率を20%とし、その他の圧延機は圧下率を等しくした。また、従来例6−1〜4では、本発明例と圧下率の条件を同じにした。実験結果を表1に示す。
Figure 2010075986
従来例5−1〜4,6−1〜4では、圧延速度を上げるとスリップが発生し、高速での圧延ができなかった。一方、本発明例では、どれも、従来例よりも高い速度まで、スリップしないで圧延できた。特に、本発明例1−3,1−4,2−3,2−4では、最終圧延機のワークロール周速を、1000m/分まで上げることができ、スリップは発生しなかった。
以上の通りである。なお、以上の説明では、高張力鋼板を冷間圧延する場合について説明したが、本発明の冷間圧延機列は、高張力鋼板のみならず、あらゆる金属板の冷間圧延に用いることができる。
本発明の冷間圧延機列を用いて金属板を冷間圧延し、冷延金属板を製造すれば、金属板とワークロールの間のスリップを防止し、金属板を高圧下率でしかも高速で圧延できる。
本発明の実施の形態について説明するための線図 エマルションについて説明するための線図 本発明の実施の形態について説明するための線図 本発明の実施の形態について説明するための線図 従来技術について説明するための線図 従来技術について説明するための線図 ロールバイトと中立点について説明するための線図
符号の説明
1 冷間圧延機列
2 ペイオフリール
3 コイル
4 小径ロール群
5 テンションリール
6 冷間圧延後のコイル
7 上バックアップロール
8 上ワークロール
9 下ワークロール
10 下バックアップロール
11 上中間ロール
12 下中間ロール
14 エマルション上ヘッダー
15 エマルション下ヘッダー
16 タンク
17 ポンプ
18 オイルパン
19 ポンプ
100 冷間圧延ライン
A 搬送方向
B ロールバイトの入口の点
C ロールバイトの出口の点
S 鋼板

Claims (6)

  1. 複数の圧延機を列設した冷間圧延機列において、第1圧延機のロールを全て非駆動式とするとともに、第2圧延機以降のロールのうちの、金属板を直接圧延するワークロール2本を駆動式としたことを特徴とする冷間圧延機列。
  2. 請求項1の冷間圧延機列を備えた冷間圧延ライン。
  3. 請求項1の冷間圧延機列を用いた金属板の冷間圧延方法であって、第1圧延機の入側と出側それぞれにて金属板の単位断面積あたりに作用する張力が下式(1)を満足するように調整しながら圧延することを特徴とする金属板の冷間圧延方法。
    t2−t1≧0.1×km ・・・(1)
    ここで、
    t2:出側張力(第1圧延機出側にて金属板の単位断面積あたりに作用する張力)、
    t1:入側張力(第1圧延機入側にて金属板の単位断面積あたりに作用する張力)、
    km:平均変形抵抗
    であり、
    km=(k1+2×k2)/3
    で定義され、
    k1:ロールバイト入口点の変形抵抗、
    k2:ロールバイト出口点の変形抵抗を示す。
  4. 前記第1圧延機に使用するエマルション圧延油の濃度を10質量%以上とすることを特徴とする請求項3の金属板の冷間圧延方法。
  5. 請求項3または請求項4の金属板の冷間圧延方法により冷延金属板を製造することを特徴とする冷延金属板の製造方法。
  6. 前記金属板は、高張力鋼板であることを特徴とする請求項5の冷延金属板の製造方法。
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