JPH09103803A - オーステナイト系ステンレス鋼板の温間圧延方法 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼板の温間圧延方法

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JPH09103803A
JPH09103803A JP26113195A JP26113195A JPH09103803A JP H09103803 A JPH09103803 A JP H09103803A JP 26113195 A JP26113195 A JP 26113195A JP 26113195 A JP26113195 A JP 26113195A JP H09103803 A JPH09103803 A JP H09103803A
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rolling
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precoat
viscosity
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Hideo Yamamoto
秀男 山本
Takeo Yazawa
武男 矢澤
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】圧延初期おいても高潤滑性を確保し、圧延荷重
の減少を図り、圧延効率を高めると共に、高光沢の鋼板
の製造が可能な方法を提供する。 【解決手段】オーステナイト系ステンレス鋼板を80〜
200℃の温度範囲に加熱して温間圧延する方法であっ
て、圧延1パス目の潤滑油として、加熱前の鋼板表面に
塗布したプレコート油及び/又は1パス目の入り側で鋼
板表面に供給するニート油(好ましくは、40℃で20
〜100cSt の粘度で、かつエマルション油の原液粘度
よりも大きく、また粘度指数が140以上で乳化剤を含
まないプレコート油及び40℃で20〜100cSt の粘
度で、かつエマルション油の40℃における原液粘より
も大きいニート油)を用い、圧延2パス以降の潤滑油と
してエマルション油を用いて圧延することを特徴とする
オーステナイト系ステンレス鋼板の温間圧延方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧延中に焼付き疵
及びオイルピットの発生を生じさせることなく高光沢の
オーステナイト系ステンレス薄鋼板を製造することがで
きる高速、高能率の温間圧延する方法に関する。
【従来の技術】冷間圧延されたオーステナイト系ステン
レス鋼板は、厨房器具や内装用建材等に使用され、美観
上表面光沢度が高いことが要求さる。オーステナイト系
ステンレス鋼は変形抵抗が高く、加工硬化し易いことか
ら、冷間圧延では圧延油の導入量が少なく、高い圧延圧
力が得られる小径ワークロールのセンジミアミルが使用
されていた。圧延油は低粘度の鉱油を基油とした不水溶
性圧延油、あるいはこれを水溶性化した圧延油が使用さ
れていた。しかし、センジミアミルは圧延ロールが20
段にもなり、圧延機の構造が複雑でかつロール径が60
〜80mmと小径であるため圧延速度が制約され、生産性
が低いという問題があった。そこで近年、生産性を向上
させるため、圧延機としては構造が簡便でかつ形状制御
機能の良い、圧延ロールが12段のクラスターミル(ロ
ール径:80〜120mm)が開発され高速圧延が試みら
れるようになってきた。また、普通鋼用タンデムミルの
利用による高速圧延も試みられている。ところが、クラ
スターミルによる高速圧延では、冷却性不足および潤滑
性不足から発生する焼付き疵の防止のため、水溶性圧延
油の使用が必要になる。しかし、水溶性圧延油の場合
は、着火事故の恐れは解決するが、冷却性が増すため、
不水溶性圧延油よりロールバイトでの圧延油粘度が高く
なり、油膜が厚くなって十分な光沢性が得られないとい
う問題があった。一方、タンデムミルによる圧延の場
合、ロール径が大きいので圧延荷重が高くなり、潤滑性
不足による仕上げ板厚の制限、圧下率、圧延速度の制限
などの問題がより顕著になる。また、これらの冷間圧延
では、加工誘起マルテンサイトが生成して加工硬化を来
たし、中間焼鈍が必要となるため生産性が低下する。そ
こで特開昭63ー1009 号公報、特開平1ー21013 号公報に開
示されているような温間圧延方法が試みられるようにな
った。温間圧延は圧延材を予め80〜200℃に加熱し
て圧延することにより加工誘起マルテンサイトの生成を
抑えて圧延荷重の減少を図り、圧延パス回数を少なく
し、圧延効率を上げることを目的とするものである。加
熱しない通常の冷間圧延に比べ、少なくとも初期パスあ
るいは前段スタンドの圧延では潤滑条件が過酷になり、
焼付疵の発生が起こり易くなる。特開平5-179276号公報
には、潤滑性を向上させるために圧延油の粘度を高め、
かつSおよびP系の極圧剤を大量添加した圧延油を使用
する方法が開示されている。しかし、粘度が高いと後半
パスあるいは後段スタンドのロールバイト内に導入され
る油膜厚が増大し、よい光沢性が得られなくなることが
大きな問題となる。また、加熱した圧延材温度が圧延油
の供給により低下し、加熱温度の管理が困難になるとい
う問題があった。オーステナイト系ステンレス鋼板を加
熱して圧延する温間圧延においては、高光沢性を維持し
つつ高潤滑性を確保し、圧延荷重の減少を図り、圧延パ
ス数を少なくできる圧延方法は未だ確立されていないの
が現状である。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、オーステナ
イト系ステンレス鋼板の温間圧延における上記問題を解
消し、圧延初期おいても高潤滑性を確保し、圧延荷重の
減少を図り、圧延効率を高めると共に、高光沢の鋼板の
製造が可能な方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明者らは、オーステ
ナイト系ステンレス鋼板の温間圧延において光沢性と潤
滑性とを両立させることのできる圧延方法について種々
実験検討を行った。温間圧延において、高潤滑性を確保
する場合の一般的な潤滑方法は、鋼板表面にエマルショ
ン潤滑油を供給する方法が採られる。20〜200℃に
加熱された鋼板は潤滑油により抜熱され温度が降下して
圧延効率が低下する。そこで、潤滑油による鋼板の温度
低下に及ぼす影響を調べるため次のような試験を行っ
た。板厚が3mmのSUS301の鋼板を、50℃から
50℃間隔で200℃までの各温度に加熱した後、圧延
の直前で鉱油に合成エステル10%と乳化剤1%を添加
した潤滑油を下記に示すニート油及びエマルジョン油と
してノズルで鋼板表面に散布して圧下率を30%とした
1パスの温間圧延を行った。潤滑油散布量は平方メート
ル当たり20リットルと一定にし、潤滑油散布後0.5
秒後に鋼板表面の温度を測定すると共に、圧延荷重も測
定した。更に圧延後の鋼板表面の光沢度も測定した。な
お、比較用として加熱前にプレコート油をそのまま塗布
(塗布量2g/m2)し、上記と同じ圧延と測定を行っ
た。 ニート油 :液温50℃の原液 エマルション油:水に5%濃度で乳化分散、液温50℃ 図1は、潤滑油が鋼板の温度低下に及ぼす影響を上記試
験により調べた結果を示す図である。エマルション油は
水に油を乳化分散させた油であり、プレコート油及びニ
ート油は不水溶性の油である。図1より明かように、エ
マルション油は鋼板温度が50℃を超えるとプレコート
油及びニート油に比べて鋼板の温度を低下させる効果が
大きい。これはエマルション油が水を含んでいるためと
考えられる。図2は、加熱温度と圧延荷重との関係を示
す図で、圧延荷重は潤滑油の種類に関係なく圧延時の温
度が高いほど低下するが、100℃以上ではその程度が
小さくなることが分かる。また、水に乳化分散したエマ
ルション油の場合は温度低下が生じるため所定の圧下が
とり難く、150℃以上になると焼付疵が発生した。圧
延後の表面光沢を測定した結果、温度が高い方が光沢度
が高く、同一温度では荷重が低い方が光沢度は低下する
傾向となった。一般に、潤滑性は潤滑油の粘度に比例
し、光沢性は粘度に逆比例する関係にあるが、被圧延材
を加熱した温間圧延では80〜200℃の温度範囲が適
しており、100〜150℃の温度範囲に最適値がある
ことが判明した。このような試験の結果、被圧延材の加
熱による潤滑不足が問題となる圧延1パス目と2パス目
以降の光沢性が要求されるパスとでは潤滑剤の種類の形
態を変えることが必要であり、最初の1パスでは粘度お
よび潤滑性を高めたプレコート油及び/又はニート油を
供給して圧延し、2パス目以降の潤滑には低粘度のエマ
ルション油を供給して圧延することが効果的であるとい
う知見を得た。本発明は、このような知見に基づき完成
したもので、その要旨は、「オーステナイト系ステンレ
ス鋼板を80〜200℃の温度範囲に加熱して温間圧延
する方法であって、圧延1パス目の潤滑油として、加熱
前の鋼板表面に塗布したプレコート油及び/又は1パス
目の入り側で鋼板表面に供給するニート油(好ましく
は、40℃で20〜100cSt の粘度で、かつエマルシ
ョン油の原液粘度よりも大きく、また粘度指数が140
以上で乳化剤を含まないプレコート油及び/又は40℃
で20〜100cSt の粘度で、かつエマルション油の4
0℃における原液粘度よりも大きいニート油)を用い、
圧延2パス目以降の潤滑油としてエマルション油を用い
て圧延することを特徴とするオーステナイト系ステンレ
ス鋼板の温間圧延方法」である。なお、上記粘度指数
は、JIS K228の規定によるものとする。
【発明の実施の形態】本発明の温間圧延方法における圧
延条件を上記のように限定した理由を以下に説明する。 1)鋼板の加熱温度(80〜200℃):80℃未満の
温度では、圧延中に加工誘起マルテンサイトが生成し、
加工硬化が著しくなり、圧延効率が低下するため、加熱
温度の下限は80℃とした。また、200℃を超えると
潤滑油の潤滑能が低下し、焼き付きが発生し易くなるた
め上限を200℃とした。 2)1パス目の潤滑油として、プレコート油及び/又は
ニート油を用い、2パス目以降はエマルション油を用い
る:1パス目の入り側でエマルション油を供給すると被
圧延材の温度が低下し、目標の温度にするのが困難であ
る。また、圧延速度(入側材料速度)の変化により被圧
延材の温度低下度も変化するため、加熱温度の管理が容
易でない。ニート油は、エマルション油より冷却性が小
さいため、被圧延材温度の低下が少なく、管理も容易で
ある。特にプレコート油を用いる場合は、被圧延材の加
熱前に塗布しておくからプレコート油による温度低下の
懸念は全くない。また、プレコート油もニート油も温間
での潤滑能の低下が少ない。このような理由により、1
パス目ではプレコート油及び/又はニート油を用いる。
なお、どちらか一方の油で効果は得られるが双方を用い
るとより効果が顕著になる。なお、プレコート油は、加
熱前の鋼板表面に予め塗布して用いる油をいい、またニ
ート油は不水溶性の油で圧延直前やパス間で鋼板表面に
液状で吹き付ける油をいう。エマルション油は、水溶性
の油(水中に乳化分散させた状態)で、圧延中に鋼板表
面に吹き付けて用いる油である。つまり、潤滑油の組成
の違いでなく、使用形態の違いにより呼び分けている。
プレコート油、ニート油は、一般に使用されている機械
加工油や機械用潤滑油でよく、鉱油、合成エステルを主
組成とし、脂肪酸や極圧添加剤を添加したものである。
エマルション油は、原液の組成的にはプレコート油、ニ
ート油と類似または同様で、界面活性剤(乳化剤)を含
有し、水に乳化分散させて使用する油である。従って、
エマルション油の原液はプレコート油としても使用でき
る。 3)プレコート油およびまたはニート油の粘度を40℃
で20〜100 cStとし、エマルション油の40℃にお
ける原液粘度より大きくする:被圧延材を加熱すると圧
延ロールバイト入口での温度が高くなり油膜厚さが低下
するため、焼付き疵が発生し易くなる。従って、油膜厚
確保のため、プレコート油およびニート油の粘度を従来
のエマルション油より高くする必要がある。具体的に
は、センジミアミル、クラスタミル等のステンレス鋼板
専用圧延機の場合、エマルション油は40℃で10〜2
0cSt であるのに対し、本発明法では20〜100cSt
とするのが望ましい。粘度があまり小さいと焼付きが発
生し易くなる。また、100cSt を超えるとオイルピッ
トが発生し易くなり光沢性が低下する恐れがあるので1
00cSt 未満にするのが好ましい。より好ましい範囲は
20〜50 cStである。 4)プレコート油は粘度指数を140 以上とした非乳化油
とする:1パス目ではプレコート油及び/又はニート油
を用いて圧延する際、被圧延材が加熱され20〜200
℃の温度になっているため油の粘度が低下する。粘度指
数(JISに規定された40℃と100℃との粘度か
ら、粘度の温度による変化を示す指数で、JISに規定
され、大きいほど粘度変化が小さい)が大きいほど粘度
変化が小さく、140以上とした場合に潤滑性と光沢性
を両立させることができる。また、プレコート油及び/
又はニート油を使用することにより、1パス目での温度
低下が小さくなるので、2パス以降にエマルション油を
使用しても圧延温度が従来よりも少し高い状態がしばら
く続くため、高潤滑性のプレコート油及び/又はニート
油はエマルション油で簡単に洗浄されず残留しているこ
とが望ましい。そのためにはエマルション油の原油のよ
うな乳化剤が添加された乳化油では洗浄され易いため不
適当であり、乳化剤の含まれない非乳化油とすることが
潤滑性維持のため必要である。なお、粘度指数はベース
油として合成エステル等を使用して高めることが望まし
いが、ポリイソブチレン、ポリメタアクリレート等の高
分子ポリマーからなる市販の粘度指数向上剤を使用して
もよい。図3は、圧延各パス後のプレコート油の残留比
を示す図である。鉱油に硫化油脂(S10%)を1%添
加してなる40℃における粘度50cStからなるプレコ
ート油を塗布したSUS301の鋼板を130℃に加熱
した後、1パス圧延以降は合成エステルを主組成とした
濃度5%のエマルション油(40℃における原液粘度3
0 cSt)を用いて5パスの圧延をし、各パス後で圧延を
中断し、材料表面に付着している油量中のプレコート油
の比率を測定した結果を示している。3パス目までは2
0%以上残留し、潤滑性向上に寄与できる。ただし、エ
マルションより低粘度の場合はその限りではなかった。
一方、最終の5パスになると5%以下に減少している。
5%以下であれば光沢性に影響を及ぼさない。 5)プレコート油をステンレス薄鋼板上に塗布した後、
その鋼板を80〜200℃に加熱する:圧延油の潤滑作
用は圧延油中の油性剤(脂肪酸、エステルのように極性
基を有した化合物)および極圧剤がステンレス薄鋼板上
に吸着あるいは反応して生じる。吸着および反応は高温
ほど、時間が長いほど進行し易いため、プレコート油を
ステンレス鋼板上に塗布した後、鋼板を加熱する方が、
加熱後塗布するより潤滑性が高くなるためである。極圧
剤としては、圧延材と化学反応して、低融点あるいは低
剪断強度の硫化鉄、燐酸鉄になるS系およびP系の化合
物がよく、特にS含有量が20wt%以上のポリサルファイ
ドを1wt%以上添加することが望ましい。なお、プレコ
ート油の塗布油量は1g/m2以上が望ましい。圧延材の粗
さが大きい場合は平均粗さ(Ra:μm)に相当する油膜厚以
上とすることが望ましく、例えば、Ra: 2μm の場合は
油膜厚として2μm (プレコート油の比重が0.9の場
合は1.8g/m2)以上となる。圧延材の加熱手段は短時
間で目標温度に加熱できる方法であれば特に限定しな
い。例えば、直接通電加熱法、高周波誘導加熱法、輻射
熱加熱法、熱風加熱法等である。なお、加熱温度を80
〜200℃に限定した理由は前記した通りである。温間
圧延は、従来の冷間圧延に代わる圧延であり、被圧延材
は熱延鋼板で、成分組成は特に限定するものでなく、オ
ーステナイト系ステンレス鋼であれば本発明の方法に適
用できる。代表的なステンレス鋼としては、SUS30
1、304、316、317等である。本発明の実施に
用いる圧延機は、レバース式、タンデム式のどちらでも
よく、ロール径も80mmから600mmの大径ロール
のロールが使用でき、従来の普通鋼のタンデム圧延機も
利用できる。
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を更に詳し
く説明する。 (実施例1)4Hiレバース圧延機により、表1に示す基
本圧延条件でSUS301の熱延鋼板の温間圧延を実施
した。
【表1】 ロールは、材質がSKD11の直径80mm、表面粗さ
Ra で0.05μm のワークロールと、直径が330m
mのバックアップロールを用いた。また、熱延鋼板の寸
法は板厚が2.6mm、板幅が700mmであった。圧
延時の潤滑油は表2に示す性状のニート油、プレコート
油、エマルション油から選択して使用した。圧延材の加
熱および潤滑油の組合せは表3に示す条件で行った。
【表2】 5パス圧延後の鋼板表面の焼付疵発生状況を目視で観察
し、板厚および表面光沢(JIS に示すGs(45#) で測定)
を測定し、油の潤滑性および鋼板の表面光沢性の評価を
行った。結果を表3に併記した。なお、総合評価の基準
は以下の通りとした。 ◎・・・ 板厚:0.75mm未満、、焼付き:なし、光沢度:48
0 超 ○・・・ 板厚:0.75〜0.85mm、焼付き:なし、光沢度:44
5 〜480 ×・・・ ○の板厚、焼付き、光沢度の評価で1つでも満足
しない場合
【表3】 表3より明かなように、全て同一の潤滑油で圧延した比
較例に比べ、本発明の実施例は全て焼付きの発生はな
く、圧延後の板厚も小さくなり潤滑性にも優れている。
また、光沢も高光沢を維持できている。特に、プレコー
ト油を塗布した後鋼板を加熱した本発明例の成績が優れ
ている。 (実施例2)4Hi形式の5スタンドタンデムミルによ
り、圧延荷重1500トンの定荷重で最終スタンドの圧
延速度400m/minの条件でSUS304の熱延鋼板の温間
圧延を実施した。ロールは、材質がSKD11の直径5
70mm、表面粗さRaで0.05μm のワークロールと
直径が1550mmのバックアップロールを用いた。ま
た、熱延鋼板の寸法は板厚が3.0mm、板幅が100
0mmであった。圧延時の潤滑油は表2に示す性状のニ
ート油、プレコート油、エマルション油から選択して使
用した。圧延材の加熱および潤滑油の組合せは表4に示
す条件で行った。5パス圧延後の鋼板表面の焼付疵発生
状況を目視で観察し、板厚および表面光沢(JIS に示す
Gs(45#) で測定)を測定し、油の潤滑性および鋼板の表
面光沢性の評価を行った。結果を表4に併記した。な
お、総合評価の基準は以下の通りとした。 ◎・・・ 板厚:0.9mm 未満、焼付き:なし、光沢度:315
超 ○・・・ 板厚:0.9 〜1.1mm 、焼付き:なし、光沢度:30
0 〜315 ×・・・ ○の板厚、焼付き、光沢度の評価で1つでも満足
しない場合
【表4】 表4より明かなように、全て同一の潤滑油で圧延した比
較例に比べ、本発明の実施例は全て焼付きの発生はな
く、圧延後の板厚も小さくなり潤滑性にも優れている。
また、光沢も高光沢を維持できている。特に、プレコー
ト油を塗布した後鋼板を加熱した本発明例の成績が優れ
ている。
【発明の効果】被圧延材の加熱温度を80℃以上とした
ステンレス薄鋼板を圧延する際、1パス目ではプレコー
ト油およびまたはニート油を供給して圧延し、2パス目
以降はエマルション油を供給して圧延する本発明方法に
より、高光沢性を維持しつつ高潤滑性が確保され、圧延
荷重の減少を図り、圧下率の増大により仕上げ板厚の減
少、あるいは圧延パス数の減少を図ることができる。ま
た、プレコート油およびまたはニート油の粘度が40℃
で20〜100 cStと、エマルション油の原液粘度より
大きくした場合の方が更に効果的であり、更にプレコー
ト油は粘度指数を140以上とした非乳化油とし、か
つ、ステンレス薄鋼板上に塗布した後、鋼板を加熱する
潤滑方法により最もよい効果的が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱した被圧延材に潤滑油を吹付けた際の圧延
材の温度変化を示す図である。
【図2】加熱温度と圧延荷重との関係を示す図
【図3】圧延各パス後のプレコート油の残留比を示す図
である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーステナイト系ステンレス鋼板を80〜
    200℃の温度範囲に加熱して温間圧延する方法であっ
    て、圧延1パス目の潤滑油として、加熱前の鋼板表面に
    塗布したプレコート油及び/又は1パス目の入り側で鋼
    板表面に供給するニート油を用い、圧延2パス目以降の
    潤滑油としてエマルション油を用いて圧延することを特
    徴とするオーステナイト系ステンレス鋼板の温間圧延方
    法。
  2. 【請求項2】圧延1パス目の潤滑油が、40℃で20〜
    100 cStの粘度で、かつエマルション油の40℃にお
    ける原液粘度よりも大きいプレコート油及び/又はニー
    ト油である請求項1記載のオーステナイト系ステンレス
    鋼板の温間圧延方法。
  3. 【請求項3】プレコート油として、粘度指数が140以
    上で乳化剤を含まない油を用いる請求項1又は2記載の
    オーステナイト系ステンレス鋼板の温間圧延方法。
JP26113195A 1995-10-09 1995-10-09 オーステナイト系ステンレス鋼板の温間圧延方法 Pending JPH09103803A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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