JPH09150202A - 表面清浄性の高い冷延鋼板の製造方法 - Google Patents

表面清浄性の高い冷延鋼板の製造方法

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JPH09150202A
JPH09150202A JP31058895A JP31058895A JPH09150202A JP H09150202 A JPH09150202 A JP H09150202A JP 31058895 A JP31058895 A JP 31058895A JP 31058895 A JP31058895 A JP 31058895A JP H09150202 A JPH09150202 A JP H09150202A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄工程や連続焼鈍工程の高速通板に対応で
き、鋼板表面の清浄度の高い冷延鋼板の製造方法を提供
する。 【解決手段】 熱延鋼板を、冷間タンデムミルによる冷
間圧延ののち、洗浄および焼鈍により冷延鋼板とするに
あたり、冷間圧延を冷間タンデムミルの1以上のスタン
ドに、WC系超硬合金からなるワークロールを適用して
圧延する。とくに、最終スタンドを含む1以上のスタン
ドに、WC系超硬合金からなるワークロールを適用して
圧延することにより圧延中の摩耗粉の発生を減少させ、
鋼板表面の清浄度を高める効果が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブリキ用や自動車
用に供される冷延鋼板の製造方法に関し、とくに、表面
清浄度が高い冷延鋼板を高能率に製造する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ブリキ用や自動車用に向けられる
冷延鋼板は、冷間タンデムミルで圧延されたのち、洗浄
工程を経てバッチ炉で焼鈍されたり、圧延後、連続焼鈍
されて仕上げられる。一般に、鋼板の冷間圧延時には、
鋼板とロール間の潤滑剤として圧延油を多量に使用して
いる。このため、圧延後の鋼板表面には、圧延油と、圧
延加工時のロールと鋼板との摩擦によって発生した金属
摩耗粉が多量に残留している。これらを洗浄せず、次工
程である焼鈍に供すると、残留付着している圧延油が炭
化し、金属粉がそのまま鋼板表面に固着し、鋼板表面に
油焼けや油染み等のむらを発生させる。さらに、このよ
うなむらは、その後のめっき工程でめっきの部分剥離等
を生じ、品質不良となる。したがって、冷間圧延後に充
分な洗浄を施す必要があることが知られている。焼鈍工
程の前に、鋼板表面を電気清浄ラインによるアルカリ電
解洗浄を施す方法があるが、残留物が多くなると、洗浄
時間も長くなる。また、冷間タンデムミルの最終スタン
ドで圧延油の噴射に代えて洗浄剤および温水の噴射によ
り鋼板表面を清浄にする方法が採られる時もある。しか
し、近年、生産能率向上を図るため、各工程における通
板速度の増加が考えられ、洗浄工程の短縮が求められて
いる。そのため、洗浄が不十分となり鋼板表面にむらを
発生させて、めっき剥離が多発するという問題があっ
た。
【0003】冷間圧延中に摩耗粉が多量に発生すると、
圧延機まわりに付着して圧延油とともに鋼板表面に落下
して圧延後模様として残留するだけでなく、圧延油エマ
ルジョン中にも蓄積して、エマルジョンを鋼板に噴射し
た際にしぶき模様になる場合があり、鋼板表面の清浄性
を劣化させ問題となっていた。このようなことから、た
とえば、特公昭51−6689号公報には、圧延油を改
良し鋼板表面の清浄度を向上させる技術が、また、特公
平1−33553号公報には、冷間圧延の最終スタンド
で、カチオン性高分子化合物と非イオン界面活性剤を含
有する水溶液を洗浄液として鋼板表面に噴射する洗浄圧
延方法が提案されている。また、特開平5−23753
7号公報には、再生循環使用するエマルジョン型圧延油
の鉄分量をオンライン濃度管理することにより、表面清
浄度を高くする技術が示されている。
【0004】しかしながら、上記した方法では、まだ不
十分で、鋼板表面に油焼けや油にじにや、しぶき模様等
のむらが発生していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を有利に解決し、洗浄工程や連続焼鈍工程の高速通板に
対応でき、かつ鋼板表面の清浄度の高い冷延鋼板の製造
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】従来から、冷間圧延後の
鋼板表面の清浄度は、冷間圧延中に圧延ロールと鋼板が
接触するロールバイト内で発生する摩耗粉が大きく影響
することが知られていた。そこで、本発明者らは、この
摩耗粉がどのように生成するかその詳細について鋭意検
討した。その結果、摩耗粉は鋼板表面とロール表面との
微小な凝着が原因であり、摩耗粉の大部分が鋼板表面か
ら発生することを見出した。また、この摩耗粉は圧延油
とともにクーラント中に取り込まれ、クーラントの循環
とともに、再び鋼板表面に供給される。さらに、摩耗粉
と劣化した圧延油は、クーラント中で凝集してスカムと
称する凝集物となる。これらは、クーラントの循環とと
もに、再び鋼板表面に供給され、鋼板表面に付着する
と、これを起点としてヒートストリークが発生しやすく
なる。
【0007】そこで、本発明者らは、鋼板表面の清浄度
を高めるためには、上記した摩耗粉およびスカムを減少
する必要があり、そのためには、鋼板と圧延ロールとの
凝着を防止することに思い至り、本発明を構成したので
ある。すなわち、本発明は、冷間圧延工程ののち、洗浄
工程と焼鈍工程、または洗浄工程を含む連続焼鈍工程、
を経てなる冷延鋼板の製造方法において、前記冷間圧延
工程が冷間タンデムミルを用い、かつ1以上のスタンド
に、WC系超硬合金からなるワークロールを適用して圧
延することを特徴とする表面清浄性の高い冷延鋼板の製
造方法である。さらに、前記WC系超硬合金からなるワ
ークロールを、前記冷間圧延工程の最終スタンドを含む
1以上のスタンドに、適用するようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】鋼板と圧延ロールとの凝着を防止
する方法として、本発明者らは、鋼板と圧延ロールと
の接触を軽減する、圧延ロールを鋼板との凝着しにく
い材質とする2つの方法について考えた。しかし、
は、冷間圧延時には圧延油を供給して圧延しており、従
来から、ある程度、鋼板と圧延ロールとの接触は軽減さ
れていたのであるが、これだけでは、摩耗粉の発生は回
避されてはいないのが現状である。そこで、本発明者ら
は、圧延ロールの材質について注目した。その結果、鉄
系合金製圧延ロールでは、鋼板と凝着しやすく、摩耗粉
を多量に発生させてしまうが、WC系超硬合金製圧延ロ
ールを用いると摩耗粉の発生が非常に少ないことを見出
したのである。
【0009】本発明の方法を適用できる鋼種はとくに限
定しない。表面の清浄性が要求される鋼種であればいず
れでも有利に適用できる。本発明は、冷間圧延後に、洗
浄工程および焼鈍工程を有する冷延鋼板の製造に有効
で、とくに、洗浄工程を含む連続焼鈍工程を有する冷延
鋼板の製造に有効である。連続焼鈍工程を有する製造ラ
インでは、生産能率の向上という目標に対し、鋼板の通
板速度の増加が要望されており、洗浄に特段の配慮をせ
ずとも、鋼板表面の清浄度を高くできることが重要にな
るからである。たとえば、ブリキ用や自動車用の冷間圧
延鋼帯の製造に有効である。
【0010】本発明においては、冷間タンデムミルの圧
延ワークロールにWC系超硬合金製圧延ロールを用い
る。本発明において、WC系超硬合金は、主成分として
のWC(炭化タングステン)粉末に、Ni、Co、T
i、Cr、Ni基合金、Co基合金を、さらに、必要に
応じてTiC、Ta(Nb)C等を添加、焼結したもの
である。Co、Ni等の量、炭化物粒度を調節すること
により、特性は大幅に変化させることができる。圧延ロ
ールは耐圧強度を大きくする必要があり、Ni、Coと
いった靱性の高い金属あるいは合金を添加することが好
ましい。
【0011】WC系超硬合金は、各種原料粉末を混合、
成形し、焼結によりつくられる。粗大空隙をなくすため
に、焼結後、熱間静水圧プレスを行うのが好ましい。そ
して、本発明のWC系超硬合金からなる圧延ロールは、
WC系超硬合金の一体ロールを用いてもよいが、コスト
的にみて高価なため、ロールバレル部のみWC系超硬合
金製とし、ロールネック部は従来の鋼合金製とする複合
ロールか、あるいは、ロールバレル表層のみWC系超硬
合金製とする複合ロールとしてもよい。さらに、ロール
バレル部表層のみWC系超硬合金製の複合ロールとする
方法としては、公知の方法がすべて適用できるが、たと
えば、鋼合金製軸芯部にWC系超硬合金製リングを嵌合
したり、あるいは、鋼合金製軸芯部にWC系超硬合金を
溶射しても良い。
【0012】冷間タンデムミルの全部のスタンドにWC
系超硬合金製圧延ロールを適用することも可能である
が、コストを考慮して、少なくとも1スタンド以上に適
用すれば鋼板表面の清浄度を高められる。更に、少なく
とも最終スタンドに適用すれば、著しく清浄度の高い鋼
板が製造できる。
【0013】
【実施例】
(実施例1)2.0mm厚の普通鋼熱延鋼帯を用いて、
該鋼帯を焼鈍・酸洗したのち、5スタンド冷間タンデム
ミルの全スタンドに、外周がCoを10重量%含有し、
残りがWCであるWC系超硬合金で、軸芯がハイス鋼で
ある嵌合による複合ロールをワークロールとして適用
し、圧延油として60℃、濃度2%、平均粒径10μm
の牛脂系圧延油エマルジョンを循環給油方式で供給しつ
つ、0.2mmまで高速冷間圧延した。
【0014】なお、従来例として、同種の熱延鋼帯(板
厚2.0mm)を用いて、5スタンド冷間タンデムミル
の全スタンドに5%Cr鍛鋼のワークロールを適用し、
上記と同様に0.2mmまで圧延した。圧延後、コイル
から試料を採取し、鋼板表面に残留した摩耗粉を測定
し、さらに、コイルを巻き戻して表面を観察し、ヒート
ストリーク発生の有無を調べた。またこれら鋼帯を電解
洗浄工程を有する連続焼鈍ラインで焼鈍したのち、鋼板
表面についてむらの発生を観察した。なお、鋼板表面上
に残留する摩耗粉の測定は、鋼板表面を酸を浸透させた
綿で拭きとる方法により鉄粉を測定し残留摩耗粉量とし
た。その結果を表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】表1より、本発明例の場合には、圧延後の
鋼板表面に残留する摩耗粉の量が著しく少なく、ヒート
ストリーク発生も無く、また、連続焼鈍後の鋼板表面に
は、むらを生じることもなかった。一方、従来例では、
圧延後の鋼板表面に残留する摩耗粉の量も多く、圧延方
向の最終部分に軽度なヒートストリークの発生がみら
れ、また、連続焼鈍後の鋼板表面に油じみ状の軽度のむ
らを生じていた。
【0017】(実施例2)3.0mm厚の普通鋼熱延鋼
帯を用いて、該鋼帯を焼鈍・酸洗したのち、4スタンド
冷間タンデムミルの第1スタンド〜第3スタンドに、ロ
ールバレル部がCoを5重量%含有するWC系超硬合金
で、ロールネック部がセミハイス鋼である複合ロールを
ワークロールとして適用し、第4スタンドはセミハイス
鋼のワークロールを使用し、圧延油として40℃、濃度
1%、平均粒径5μm の合成エステル系圧延油エマルジ
ョンを循環給油方式で供給しつつ、1.0mmまで高速
冷間圧延した。
【0018】なお、従来例として、同種の熱延鋼帯(板
厚3.0mm)を用いて、4スタンド冷間タンデムミル
の全スタンドにセミハイス鋼のワークロールを適用し、
上記と同様に1.0mmまで圧延した。圧延後、コイル
から試料を採取し、鋼板表面に残留した摩耗粉を測定
し、さらに、コイルを巻き戻して表面を観察し、ヒート
ストリーク発生の有無を調べた。またこれら鋼帯を電解
洗浄工程を有する連続焼鈍ラインで焼鈍したのち、鋼板
表面についてむらの発生を観察した。その結果を表2に
示す。
【0019】
【表2】
【0020】表2より、本発明例の場合には、圧延後の
鋼板表面に残留する摩耗粉の量が著しく少なく、ヒート
ストリーク発生も無く、また、連続焼鈍後の鋼板表面に
は、むらを生じることもなかった。一方、従来例では、
圧延後の鋼板表面に残留する摩耗粉の量も多く、圧延方
向の最終部分に軽度なヒートストリークの発生がみら
れ、また、連続焼鈍後の鋼板表面に油じみ状の軽度のむ
らを生じていた。
【0021】(実施例3)2.0mm厚の普通鋼熱延鋼
帯を用いて、該鋼帯を焼鈍・酸洗したのち、6スタンド
冷間タンデムミルの第5スタンドおよび第6スタンド
に、Niを8重量%含有するWC系超硬合金の一体ロー
ルをワークロールとして適用し、第1スタンド〜第4ス
タンドは3%Cr鍛鋼のワークロールを使用し、圧延油
として65℃、濃度10%、平均粒径12μm のパーム
油エマルジョンを直接給油方式で供給しつつ、0.15
mmまで高速冷間圧延した。
【0022】なお、従来例として、同種の熱延鋼帯(板
厚2.0mm)を用いて、6スタンド冷間タンデムミル
の全スタンドに3%Cr鍛鋼のワークロールを適用し、
上記と同様に0.15mmまで圧延した。圧延後、コイ
ルから試料を採取し、鋼板表面に残留した摩耗粉を測定
し、さらに、コイルを巻き戻して表面を観察し、ヒート
ストリーク発生の有無を調べた。またこれら鋼帯を電解
洗浄工程を有する連続焼鈍ラインで焼鈍したのち、鋼板
表面についてむらの発生を観察した。その結果を表3に
示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3より、本発明例の場合には、圧延後の
鋼板表面に残留する摩耗粉の量が著しく少なく、ヒート
ストリーク発生も無く、また、連続焼鈍後の鋼板表面に
は、むらを生じることもなかった。一方、従来例では、
圧延後の鋼板表面に残留する摩耗粉の量も多く、圧延方
向の最終部分に軽度なヒートストリークの発生がみら
れ、また、連続焼鈍後の鋼板表面に油じみ状の軽度のむ
らを生じていた。
【0025】(実施例4)2.3mm厚の普通鋼熱延鋼
帯を用いて、該鋼帯を焼鈍・酸洗したのち、5スタンド
冷間タンデムミルの第5スタンドに、外周をCoを30
%含有するWC系超硬合金で、軸芯をハイス鋼とし嵌合
により複合ロールとしたワークロールを適用し、第1ス
タンド〜第4スタンドは5%Cr鍛鋼のワークロールを
使用し、圧延油として40℃、濃度3%、平均粒径6μ
m の合成エステル系圧延油エマルジョンを循環給油方式
で供給しつつ、0.5mmまで高速冷間圧延した。
【0026】さらに、同種の熱延鋼帯を用い、5スタン
ド冷間タンデムミルの第1スタンドに外周をCoを30
%含有するWC系超硬合金で、軸芯をハイス鋼とし嵌合
により複合ロールとしたワークロールを適用し、第2〜
第5スタンドには5%Cr鍛鋼のワークロールを使用
し、上記と同様に圧延した。なお、従来例として、同種
の熱延鋼帯(板厚2.3mm)を用いて、5スタンド冷
間タンデムミルの全スタンドに5%Cr鍛鋼のワークロ
ールを適用し、上記と同様に0.5mmまで圧延した。
【0027】圧延後、コイルから試料を採取し、鋼板表
面に残留した摩耗粉を測定し、さらに、コイルを巻き戻
して表面を観察し、ヒートストリーク発生の有無を調べ
た。またこれら鋼帯を電解洗浄工程を有する連続焼鈍ラ
インで焼鈍したのち、鋼板表面についてむらの発生を観
察した。その結果を表4に示す。
【0028】
【表4】
【0029】表4より、本発明例の場合には、圧延後の
鋼板表面に残留する摩耗粉の量が著しく少なく、ヒート
ストリーク発生も無く、また、連続焼鈍後の鋼板表面に
は、むらを生じることもなかった。WC系超硬合金を第
1スタンドに適用した場合は、最終スタンドに適用した
場合にくらべ、摩耗粉の付着が多いが、ヒートストリー
クの発生や、焼鈍後のむらの発生はなかった。一方、従
来例では、圧延後の鋼板表面に残留する摩耗粉の量も多
く、圧延方向の最終部分に軽度なヒートストリークの発
生がみられ、また、連続焼鈍後の鋼板表面に油じみ状の
軽度のむらを生じていた。
【0030】(実施例5)2.6mm厚の普通鋼熱延鋼
帯を用いて、該鋼帯を焼鈍・酸洗したのち、4スタンド
冷間タンデムミルの第3スタンドおよび第4スタンド
に、外周がNiを5重量%含有するWC系超硬合金で、
軸芯が冷間ダイス鋼で嵌合により複合ロールとしたワー
クロールを適用し、第1スタンド〜第2スタンドはセミ
ハイス鍛鋼のワークロールを使用し、圧延油として55
℃、濃度1%、平均粒径10μm の合成エステル系圧延
油エマルジョンを循環給油方式で供給しつつ、0.8m
mまで高速冷間圧延した。
【0031】さらに、同種の熱延鋼帯を用い、4スタン
ド冷間タンデムミルの第1スタンドおよび第2スタンド
に外周をNiを5%含有するWC系超硬合金で、軸芯を
冷間ダイス鋼とし嵌合により複合ロールとしたワークロ
ールを適用し、第3〜第4スタンドにはセミハイス鋼の
ワークロールを使用し、上記と同様に圧延した。なお、
従来例として、同種の熱延鋼帯(板厚2.6mm)を用
いて、4スタンド冷間タンデムミルの全スタンドにセミ
ハイス鋼のワークロールを適用し、上記と同様に0.8
mmまで圧延した。
【0032】圧延後、コイルから試料を採取し、鋼板表
面に残留した摩耗粉を測定し、さらに、コイルを巻き戻
して表面を観察し、ヒートストリーク発生の有無を調べ
た。またこれら鋼帯を電解洗浄工程を有する連続焼鈍ラ
インで焼鈍したのち、鋼板表面についてむらの発生を観
察した。その結果を表5に示す。
【0033】
【表5】
【0034】表5より、本発明例の場合には、圧延後の
鋼板表面に残留する摩耗粉の量が著しく少なく、ヒート
ストリーク発生も無く、また、連続焼鈍後の鋼板表面に
は、むらを生じることもなかった。WC系超硬合金を第
1スタンドおよび第2スタンドに適用した場合は、第3
スタンドおよび最終スタンドに適用した場合にくらべ、
摩耗粉の付着が多いが、ヒートストリークの発生や、焼
鈍後のむらの発生はなかった。一方、従来例では、圧延
後の鋼板表面に残留する摩耗粉の量も多く、圧延方向の
最終部分に軽度なヒートストリークの発生がみられ、ま
た、連続焼鈍後の鋼板表面に油じみ状の軽度のむらを生
じていた。
【0035】(実施例6)2.0mm厚の普通鋼熱延鋼
帯を用いて、該鋼帯を焼鈍・酸洗したのち、6スタンド
冷間タンデムミルの第4スタンド〜第6スタンドに、ロ
ールバレル部がNiを15重量%含有するWC系超硬合
金で、ロールネック部が5%Cr鍛鋼である複合ロール
をワークロールとして適用し、第1スタンド〜第3スタ
ンドは5%Cr鍛鋼のワークロールを使用し、圧延油と
して65℃、濃度10%、平均粒径12μm のパーム油
エマルジョンを直接給油方式で供給しつつ、0.15m
mまで高速冷間圧延した。
【0036】さらに、同種の熱延鋼帯を用い、6スタン
ド冷間タンデムミルの第2スタンド〜第4スタンドに、
ロールバレル部がNiを15重量%含有するWC系超硬
合金で、ロールネック部が5%Cr鍛鋼である複合ロー
ルをワークロールとして適用し、第1スタンド、第5ス
タンドおよび第6スタンドは5%Cr鍛鋼のワークロー
ルを使用し、上記と同様に0.15mmまで圧延した。
【0037】なお、従来例として、同種の熱延鋼帯(板
厚2.0mm)を用いて、6スタンド冷間タンデムミル
の全スタンドに5%Cr鍛鋼のワークロールを適用し、
上記と同様に0.15mmまで圧延した。圧延後、コイ
ルから試料を採取し、鋼板表面に残留した摩耗粉を測定
し、さらに、コイルを巻き戻して表面を観察し、ヒート
ストリーク発生の有無を調べた。またこれら鋼帯を電解
洗浄工程を有する連続焼鈍ラインで焼鈍したのち、鋼板
表面についてむらの発生を観察した。その結果を表6に
示す。
【0038】
【表6】
【0039】表6より、本発明例の場合には、圧延後の
鋼板表面に残留する摩耗粉の量が著しく少なく、ヒート
ストリーク発生も無く、また、連続焼鈍後の鋼板表面に
は、むらを生じることもなかった。WC系超硬合金を第
2スタンド〜第4スタンドに適用した場合は、第4スタ
ンド〜第6スタンドに適用した場合にくらべ、摩耗粉の
付着が多いが、ヒートストリークの発生や、焼鈍後のむ
らの発生はなかった。一方、従来例では、圧延後の鋼板
表面に残留する摩耗粉の量も多く、圧延方向の最終部分
に軽度なヒートストリークの発生がみられ、また、連続
焼鈍後の鋼板表面に油じみ状の軽度のむらを生じてい
た。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
圧延中に発生する摩耗粉を著しく減少でき、鋼板表面の
ヒートストリークやむら模様を防止できる。本発明によ
り、連続焼鈍工程の通板速度を増加できるようになり、
高能率な冷延鋼板の製造が可能になった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金子 智弘 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 福原 明彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 岡田 一仁 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷間圧延工程ののち、洗浄工程と焼鈍工
    程、または洗浄工程を含む連続焼鈍工程、を経てなる冷
    延鋼板の製造方法において、前記冷間圧延工程が冷間タ
    ンデムミルを用いるものであり、かつ1以上のスタンド
    に、WC系超硬合金からなるワークロールを適用して圧
    延することを特徴とする表面清浄性の高い冷延鋼板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記WC系超硬合金からなるワークロー
    ルを、前記冷間圧延工程の最終スタンドを含む1以上の
    スタンドに、適用することを特徴とする請求項1記載の
    表面清浄性の高い冷延鋼板の製造方法。
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JP2010075986A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Jfe Steel Corp 冷間圧延機列、冷間圧延ライン、金属板の冷間圧延方法、ならびに、冷延金属板の製造方法

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