本発明は、有底円筒形に形成された回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして水槽内に設置し、回転ドラムを回転駆動することにより回転ドラム内に収容した洗濯物を洗濯するドラム式洗濯機に関するものである。
このようなドラム式洗濯機で、水槽内の水を循環ポンプで循環させる循環機能を有したものが既に知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特許文献1は、1つのポンプを洗い工程やすすぎ工程では循環ポンプとして用い、すすぎ水や洗濯水を循環させ、洗濯工程初期では洗剤と洗濯水の積極的な攪拌、洗剤の早期溶け込みを図り、脱水や排水工程では排水ポンプとして用いる技術を開示しており、循環経路の循環ポンプ吸水側途中にフィルタケースを設けて、吸水中の夾雑物を捕集するようにもしている。これにより循環ポンプに夾雑物が入り込まなくなる。
特許文献2は、水槽内の水を循環ポンプで循環させることにより、洗剤がヒータ設置空間または特定空間に集まる現象を防止し、併せ、洗濯前に該当の洗濯物を迅速に加熱して洗濯効率を高められる技術を開示している。
特許文献3は、循環ポンプ部と糸屑類の洗濯屑を捕獲するフィルタリング部とを備えた循環ポンプユニットを洗濯機の外箱の底部である台板に設けて、水槽内の洗濯水を循環させるのに、弾性クッションを介して台板に設け、ポンプモータの振動が台板に伝播するのを防止し、結果、ポンプモータの振動と外箱の振動とが共振することで起こる騒音を防げるようにした技術を開示している。
特許文献4は、水槽内の水を回転ドラム内に加え、乾燥用のヒータまわりに噴射してヒータまわりに付着した糸屑類を除去できるようにした技術を開示している。
特開平11−276791号公報
特開2005−58741号公報
特開2006−223572号公報
特開2006−239142号公報
しかし、特許文献1〜3に開示の水循環技術はいずれも、洗濯水を配管端から回転ドラム内のみに噴射するようにしているので、洗い工程初期に洗剤が完全に溶解しきれていない洗剤液を直接回転ドラム内の洗濯物に噴射することになり、洗濯終了後に洗濯物表面および内部に洗剤が溶け残る場合があった。また、すすぎ工程初期に柔軟剤を投入する場合も、濃度の濃い柔軟剤が直接回転ドラム内の洗濯物に噴射されることにより、洗濯物にしみ等がつく場合もあった。一方、特許文献4に記載の技術は回転ドラム外部にも噴射できる特別な噴射ノズルを採用しているが、配管構造がさらに複雑になりさらなるコスト上昇の要因になっていた。
本発明の主たる目的は、複雑な構造を用いることなく、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に供給するので洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等を防止することがで
きるドラム式洗濯機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係るドラム式洗濯機は、有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして内部に配設する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記モータ等を制御して洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つを実行する制御手段と、前記水槽内の洗濯水を前記水槽に接続した循環経路を通じ、回転速度可変のモータからなる循環ポンプにより循環させる水循環系とを備え、前記水循環系は、前記水槽の前端壁裏面に設けた噴射口から噴射された洗濯水が前記水槽の前端壁裏面と前記回転ドラムの前端壁表面との間の流路を介して前記回転ドラム内に吐出されるようにし、前記制御手段は、前記洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を前記噴射口から噴射された洗濯水が回転ドラム内に入ることなく前記水槽の下方に落下する回転速度に制御する水槽内循環工程を設けたことを特徴としている。
これによって、循環系がその循環ポンプおよび循環経路によって洗い工程またはすすぎ工程などにて水槽内の水を吸引して水槽内に戻して循環させるのに、循環経路は水槽の前端壁に接続するだけで水槽および回転ドラムの各前端壁間で形成した流路に繋がって、この流路を通じ特別な配管なしに、前記各前端壁の内周部間で形成する環状出口から回転ドラム内に洗濯水を吐出させられ、また、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を変えることで洗濯水を回転ドラム内に吐出させずに、回転ドラム外の水槽内のみで洗濯水を循環させる水槽内循環工程を実行するので、回転ドラム外の水槽内で洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解しその濃度を均一にした後に、循環する洗濯水を回転ドラム内に供給するので、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等を防止することができる。
本発明のドラム式洗濯機によれば、洗濯水の吐出口が特別な形状、構造でなくとも、循環ポンプの回転速度を変えることで、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等を防止することができる。
第1の発明は、有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして内部に配設する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記モータ等を制御して洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つを実行する制御手段と、前記水槽内の洗濯水を前記水槽に接続した循環経路を通じ、回転速度可変のモータからなる循環ポンプにより循環させる水循環系とを備え、前記水循環系は、前記水槽の前端壁裏面に設けた噴射口から噴射された洗濯水が前記水槽の前端壁裏面と前記回転ドラムの前端壁表面との間の流路を介して前記回転ドラム内に吐出されるようにし、前記制御手段は、前記洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を前記噴射口から噴射された洗濯水が回転ドラム内に入ることなく前記水槽の下方に落下する回転速度に制御する水槽内循環工程を設けたことを特徴とするドラム式洗濯機とすることにより、循環系がその循環ポンプおよび循環経路によって洗い工程またはすすぎ工程などにて水槽内の水を吸引して水槽内に戻して循環させるのに、循環経路は水槽の前端壁に接続するだけで水槽および回転ドラムの各前端壁間で形成した流路に繋がって、この流路を通
じ特別な配管なしに、前記各前端壁の内周部間で形成する環状出口から回転ドラム内に洗濯水を吐出させられ、また、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を変えることで洗濯水を回転ドラム内に吐出させずに、回転ドラム外の水槽内のみで洗濯水を循環させる水槽内循環工程を実行するので、回転ドラム外の水槽内で洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解しその濃度を均一にした後に、循環する洗濯水を回転ドラム内に供給するので、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等の発生を防止することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの給水工程で、給水開始から水槽内循環工程を開始するまでに、規定時間もしくは規定水位に到達するまでの遅延時間を設けることを特徴とすることにより、循環ポンプ内に十分な水が入っていない状態で循環ポンプを駆動することや、使用者が給水栓を開け忘れていた場合に循環ポンプ内に水が全く無い状態で循環ポンプを駆動し続けることを避けることができる。これにより、循環ポンプ内の水が少ないことで起こる泡がみ音などの異音の発生や、循環ポンプが長時間駆動し続けることによる異常温度への上昇などを回避できるので、循環ポンプの信頼性を向上させることができる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、風呂水を吸水して水槽内に前記風呂水を供給する風呂水吸水手段をさらに備え、前記風呂水吸水手段により風呂水を使用して運転する場合は、前記風呂水吸水手段による風呂水の供給終了後に水槽内循環工程を開始することを特徴とすることにより、風呂水吸水手段と循環ポンプが同時に駆動することで生じる通常よりも大きな駆動音で使用者に不快感を与えることを回避できる。
第4の発明は、特に、第1の発明において、予約運転を設定する予約運転設定手段をさらに備え、前記予約運転設定手段により予約運転の設定を行った場合の運転時は、水槽内循環工程の時間を、予約運転を行わない場合よりも長くすることを特徴とすることにより、水槽内循環工程中に、予約待機中に固化しがちな洗剤を十分に溶解することができ、洗浄力の低下や洗濯物への洗剤残り等を回避することができる。
第5の発明は、特に、第1の発明において、水槽内の洗濯水の水温を検知する洗濯水温検知手段をさらに備え、前記洗濯水温検知手段により水温が低いと判断された場合は、水槽内循環工程の時間を、水温が高い場合よりも長くすることを特徴とすることにより、洗濯水の水温が低い場合でも、洗剤を十分に溶解することができ、洗浄力の低下や洗濯物への洗剤残り等を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態1のドラム式洗濯機は、図1に示すように、洗濯機本体2の内部に揺動自在に水槽3が配設され、水槽3内には、回転ドラム4が回転自在に配設され、回転ドラム4は、水槽3の背面に外側より取り付けられたモータ6により回転駆動される。
また、本実施の形態1のドラム式洗濯機は、モード設定や制御プログラムに従い、図1に示すモータ6、給水系7、排水系8、乾燥系9を自動制御して少なくとも洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程を行う機能を有したいわゆるドラム式洗濯乾燥機を構成している。しかし、乾燥系9は省略することができる。
給水系7は電磁弁(図示せず)の開閉によって実線矢印で示すように適時に給水でき、
また給水を利用して洗剤収容部7aの洗剤を水槽3内に適時に投入できるようになっている。
排水系8は、排水弁19の開閉によって洗い工程終了時、すすぎ工程終了時など必要なときに一点鎖線矢印で示すように、水槽3の下部に接続された排水管8aを介し、糸屑類を捕集し外部から取り外し可能の排水フィルタ8bを通過した後、排水できるようになっている。
乾燥系9は、水槽3および回転ドラム4内の空気を送風機12によって図1の破線矢印で示すように循環させる。乾燥系9内には、糸屑類を捕集し除塵するフィルタ(図示せず)、除塵後の導入空気を除湿する除湿部(図示せず)、除湿後の空気を加熱して渇いた高温空気とする加熱部(図示せず)等を有する。
また、上記に加え、洗い工程時、すすぎ工程時など必要に応じ、水循環系16にて水槽3内の水を循環させて、洗いやすすぎの機能向上を図る機能も有している。この循環系16は、循環ポンプ20を駆動させることで、水槽3内の水を、排水管8aを介し、排水フィルタ8bを通過させ、水循環経路31の循環ポンプ20への流入側経路31a、循環ポンプ20および水循環経路31の循環ポンプ20からの吐出側経路31bを介して、水槽3内に戻すことを繰り返す。
また、運転コース等のモードや各種機能の選択は、洗濯機本体2の前面上部に設けられる操作パネル21から入力して行い、制御系22がその入力情報を基に操作パネル21上の表示手段で表示して使用者に知らせるとともに、操作パネル21での入力設定手段により運転開始が設定されると、水槽3内の水位を検知する水位検知手段等からのデータを入力して駆動を開始して、排水弁、給水弁などの動作を制御し、洗濯、脱水、乾燥などの運転を行う。
また、循環ポンプ20は、図1に示すように、洗濯機本体2の底部である台板2a上に固定している。具体的には、循環ポンプ20は、図2に示すように、インペラ20aを収容した樹脂製のポンプケーシング20bがその開口側で、循環モータ20cの金属製のモータケーシング20dの前端にある軸受隔壁20d1に当てがって一体化し、インペラ20aをモータ軸20eに直結したものとしてあり、これを樹脂製の取り付け座35に嵌め付けてある。取り付け座35はその周辺3か所にほぼC型の取り付け片35aを有し、これら取り付け片35aを台板2a上のボス部(図示せず)にボルト(図示せず)をねじ込むことにより取り付けている。
また、水循環経路31の吐出側経路31bは図1および図3に示すように、水槽3の開口13まわりの前端壁3hの最下部に設けた図3に示す噴射口51に外面から接続して、図1の矢印aのように、水槽3の前端壁3hの裏面とこれに対応する回転ドラム4の前端壁4bの表面との間に吐出側経路31bからの洗濯水を噴射し、それらの間で形成する流路52を通じて回転ドラム4内に吐出するようにしてある。このときの循環ポンプ20のモータ回転速度は、例えば3500rpmに設定している。これにより、吐出側経路31bからの水の噴射口51が回転ドラム4内の洗濯物と接触しない位置にあるので、洗濯物が引っ掛かって洗濯やすすぎ、乾燥などに必要な挙動を乱したり、あるいは洗濯物を傷めたり、破れたりするようなことを防止することができるし、見栄えのよい外観が損なわれない。併せ、流路52は水槽3および回転ドラム4の前端壁3h、4b間で形成しているため、特別な部品が不要でシール部材56を用いる程度の構造が簡単かつ安価で水漏れのリスクが低減する。
しかも噴射口51は、水槽3の前端壁3hの裏面において図3(c)に示すように回転
ドラム4の回転中心方向、具体的には、水槽3および回転ドラム4の前端壁3h、4b間の流路52における環状出口53に向かって開口しているので、噴射口51から噴射する洗濯水は流路52を回転ドラム4の回転中心側、具体的には環状出口53に向かって径方向に回転ドラム4の内側回転域に効率よく吐出させられ、洗濯物の多少にかかわらず洗濯水を効率よく供与できる。特に、水槽3の前端壁3hは噴射口51に対応する位置から内周近くに向かって洗濯機本体2の後部側に傾斜した傾斜面3h1およびこの傾斜面3h1から内周まで、回転ドラム4の開口54側に向け湾曲した湾曲面3h2を有していることにより、流路52に噴射される洗濯水を図3(c)に示すように、傾斜面3h1から湾曲面3h2に沿わせて、回転ドラム4の開口54を通じ回転ドラム4の奥側に向け吐出させられるので、洗濯水の洗濯物への供与効率を高められる。
ここで、水循環系16の構造としては、水槽3の前端壁3hの吐出側経路31bが接続される接続口51aから洗濯水を流路52に噴射させる噴射口51は、流路52へ回転ドラム4の回転中心側に向け周方向の所定範囲で開口したものとしている。このように、水槽3の前端壁3hに接続口51aを設けるのに、流路52に向いて開口する噴射口51を形成することで、吐出側経路31bからの洗濯水を、噴射51口を通じ流路52側に乱れなく案内して、回転ドラム4内に環状出口53の噴射口51の周方向域に対応した所定域から所定の方向に左右への広がりを伴い安定して吐出させられる。結果、水槽3の前端壁3hの吐出側経路31bを接続する接続口51aから流入する洗濯水を、接続口51に併せ設けられて流路52に向き開口する噴射口51により、噴射口51の周方向域に対応した開口を通じ流路52側に乱れなく案内して、環状出口53の噴射口51に対応する周方向の所定域から所定の方向に左右への広がりを伴い安定して吐出させて、回転ドラム4内の洗濯物にその多少にかかわらず有効に働かせさられる。
また、噴射口51は、接続口51aに接続される吐出側経路31bの接続端部55dとの間で、洗濯水を流路52への開口部に案内するようにしている。これにより、吐出側経路が接続される接続口に設けた噴射口が洗濯水を前記流路の側に案内するのに、吐出側経路の接続口への接続端部と協働した相互の簡単形状での合わせ形態にて、好適な案内条件を満足できる。結果、接続口51aに設けた噴射口51により流入する洗濯水を流路52の側に案内するのに、吐出側経路31bの接続口51aへの接続端部55dとの簡単形状での合わせ形態により、周方向に大きな吐出流幅、前後方向に十分な吐出流厚み、着水距離を大きくできる吐出流速度など、洗濯物の多少にかかわらず好適に働く条件を満足する案内ができ、しかも、配管構造は特に複雑化せず漏水リスクの増大がなく、コスト上昇の原因にもならない。結果、接続口51aに続いて設けた噴射口51により流入する洗濯水を流52路の側に案内するのに、吐出側経路31bの接続口51aへの接続端部55dとの簡単形状での合わせ形態により、周方向に大きな吐出流幅、前後方向に十分な吐出流厚み、着水距離を大きくできる吐出流速度など、洗濯物の多少にかかわらず好適に働く条件を満足する案内ができ、しかも、配管構造は特に複雑化せず漏水リスクの増大がなく、コスト上昇の原因にもならない。
また、噴射口51は、図3(a)に示すように水槽3の前端壁3hの底部のほぼ中心位置に開口し、この噴射口51と吐出側経路31とを図3に示す樹脂製のダクト55部によって接続してある。このダクト55は前後部材55a、55b二枚合せにして前後に扁平に形成してある。吐出側経路31bは噴射口51の開口位置に対し左右方向一方に偏って循環ポンプ20から水槽3の軸線とほぼ平行に前方へ延び、ダクト55はパイプ状の吐出側経路31bの前端と噴射口51とを後部材55a一端に一体形成した接続パイプ55cで吐出側経路31bにその延長部として接続され、この一端側から噴射口51の下方近くにまでほぼ水平に延びた後、他端側が噴射口51まで湾曲して立ち上がり、図3(c)に示すように立ち上がり部55dの後部材55aに一体成形した接続口55eによって噴射口51の水槽3の前端壁3hに開口する接続口51aにシール部材56を介し接続しねじ
57でねじ止めし固定してある。このように、水槽3の前端壁3hの接続口51aとの接続端部55dから水槽3の外周へ張り出し循環ポンプ20側に接続されるダクト55部を前後に扁平なものとしてあると、水槽3の前端壁3hと洗濯機本体2の前面壁との間に小さなスペースで配管できる。しかも、ダクト55の扁平形状によって洗濯水に噴射口51の開口などに見合う水流幅、水流厚みに整流して、接続口51aから噴射口51に向かわせ流路52に噴射されるようにし、環状出口53からの大きな周方向吐出幅、前後方向に十分な吐出厚み、着水距離を大きくできる吐出速度域を、流れに乱れなく満足することができ、洗濯、すすぎ効果をさらに高められる。また、ダクト55部が、水槽3の外周から前端壁3h下部の噴射口51の接続口51a近くの下まで横方向に延び、そこから接続口までの湾曲した立ち上がり部にて接続口51aに接続されているため、扁平流に整流した洗濯水を立ち上がり部の湾曲形状にて乱すことなく接続口51a、および扁平方向が一致した噴射口51に導き、流路52の周方向所定域に噴射させるので、環状出53のより広域からより安定して吐出させられ、洗濯水の洗濯物への働きを高められる。
特に、噴射口51は、水槽3の前端壁3hに開口する接続口51aからこれに平行で回転ドラム4の前端壁4b側に寄って一体形成された受け止め壁51cによって、接続口51aの口縁上部との間で環状出口53に向け開口するように形成され、接続口55dは受け止め壁51cとの間で、噴射口51に向け噴射通路をダクト55側からアール面にて滑らかに絞る絞り壁55fを備え、ダクト55から噴射口51に向かう洗濯水を加勢し、水槽3の前端壁3hの裏面の傾斜面3h1および湾曲面3h2に強く沿わせた高速流とするので、回転ドラム4内へ上方斜め後方に所定の経路で確実に吐出し左右に広がりながら放物線を描くより長い飛翔経路にて回転ドラム4内の洗濯物により広域から供与できるようになる。しかし、前記高速流とするための絞り通路はダクト55の接続口51aへの接続端部と噴射口51との間でどのように形成されてもよい。つまり、接続口51aに設けた噴射51により流入する洗濯水を流路52の側に案内するのに、吐出側経51bの接続口51への接続端部55との簡単形状での合わせ形態により、周方向に大きな吐出流幅、前後方向に十分な吐出流厚み、着水距離を大きくできる吐出流速度など、洗濯物の多少にかかわらず好適に働く条件を満足する案内ができ、しかも、配管構造は特に複雑化せず漏水リスクの増大がなく、コスト上昇の原因にもならない。
また、回転ドラム4の前端壁4bには図3(c)に示すように流路52を傾斜面3h1との間に絞り隙間Sを残して周方向に横切る環状のリブ状凸部4cが形成されている。さらに、このリブ状凸部4cはその位置が径方向に波打ち状に変化している。このため、リブ状凸部4cは回転ドラム4が回転すると噴射口51近傍での流路52に対する横切り位置、つまり絞り隙間Sの形成位置を図3(c)に3つの具体的位置で示すように径方向に変位させる。この結果、流路52を環状出口53に向かう洗濯水流は環状出口53近くで絞り隙間Sにより絞られる場合と、環状出口53から遠い位置で絞り隙間Sに絞られる場合とで、回転ドラム4内に向かう角度が上下に振れるので、回転ドラム4の軸線方向の広域に洗濯水を振り分け洗濯物に供与することができる。
ここに、リブ状凸部4cは、回転ドラム4の前端壁3h側に周方向に不均一に設けた吐出ガイドで、流路52に噴射され環状出口53から回転ドラム4内に吐出される洗濯水の吐出方向を前後に乱し、あるいは変化させ、吐出した洗濯水が回転ドラム4内への洗濯物に着水する位置が前後に乱し、または変化させるものといえ、このような吐出ガイドとしては、吐出ガイドは、周方向に波打ちした内周、周方向に前後に波打ちした壁面、前記流路側に突出し周方向に波打ちし、またはおよび断続したリブ状凸部または羽根、前記流路を通って噴射される洗濯水の通過抵抗を周方向に変化させる邪魔部、の少なくとも1つとして吐出方向を前後に乱しまたは変化させる作用を営むことができ、可能な限りそれらを複合して採用することができる。
これら放物線供与作用、前後振り分け作用によって洗濯水は洗濯物に前後方向にも偏りなく働き、洗剤の溶かし込効果、洗濯効果、すすぎ効果を高められる。
ところで、既述したように、洗濯水を噴射口51から回転ドラム4内のみに単純に噴射するようにした場合、洗い工程の初期においては、洗剤が完全に溶解しきれていない洗濯水を直接、回転ドラム4内の洗濯物に噴射することになり、洗濯終了時において、洗濯物表面および内部に洗剤が溶け残る場合がある。また、すすぎ工程の初期に柔軟剤を投入する場合においても、濃度の濃い柔軟剤が直接、回転ドラム4内の洗濯物に噴射されることになり、この濃度の濃い柔軟材により、洗濯物にしみ等がつく場合もある。一方、それを防止するために、回転ドラム4の外部にも噴射できる特別な噴射ノズルを採用すると、配管構造がさらに複雑になり、さらなるコスト上昇の原因になる。
そこで、本実施の形態1では、水槽3内の水を循環ポンプ20により循環させるのに、例えば回転速度制御が可能であるDCブラシレスモータを用いて、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、循環ポンプ20の回転速度を噴射口51から噴射した洗濯水が回転ドラム4内に入ることなく、図1の矢印bのように、受け止め壁51cと回転ドラム4の前端壁表面4bとの間を通って、水槽3の下方に落下する回転速度に制御する水槽内循環工程を設けている。このときの循環ポンプ20のモータ回転速度は、例えば1000rpmに設定している。この水槽内循環工程を実行することで、回転ドラム4の外側にある水槽3と水循環系16とで洗濯水を循環させることができる。
この結果、水槽内循環工程において、循環ポンプ20により水槽3と水循環系16とで洗濯水を循環させることで、洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解し、その濃度を均一にすることができる。そして、洗濯水の濃度が均一になった後に、循環ポンプ20の回転速度を、噴射口51から吐出した洗濯水が回転ドラム4内の洗濯物に供給する回転速度に上昇させることで、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りや高濃度の柔軟剤が直接洗濯物に付着することによるしみ等の発生を防止することができる。
また、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の給水工程の初期においては、給水開始から水槽内循環工程を開始するまでに、例えば10秒経過するか、もしくは水位が水槽3の下端から40mm程度に到達するまでの遅延時間を設けることで、循環ポンプ20内に十分な水が入っていない状態で循環ポンプ20駆動することや、使用者が給水栓を開け忘れていた場合においては循環ポンプ20内に水が全く無い状態で循環ポンプ20を駆動し続けることを防ぐことができる。
これにより、循環ポンプ20内の水が少ないことで起こる泡がみ音などの異音の発生や、循環ポンプ20内に水が全く無い状態で循環ポンプ20が長時間駆動し続けることによる異常温度上昇などを回避することができるので、循環ポンプの信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態1においては、風呂水を吸水して水槽3内に風呂水を供給する風呂水吸水手段7bを設けている。この風呂水吸水手段7bにより、風呂水を使用して運転する場合は、風呂水吸水手段7bの運転終了後に循環ポンプ20を駆動することにより、風呂水吸水手段7bと循環ポンプ20が同時に駆動することを防止する。
これにより、風呂水吸水手段7bと循環ポンプ20の2つのモータが同時に駆動することで生じる通常よりも大きな駆動音を防止することができ、使用者に不快感を与えることを回避することができる。
また、本実施の形態1においては、予約運転を設定する予約運転設定手段(図示せず)
を設けている。この予約運転設定手段により予約運転の設定を行った場合の運転時は、水槽内循環工程の時間を、予約運転を行わない場合と比べ、例えば2倍に長くすることで、予約待機中に固化しがちな洗剤を十分に溶解できる。
これにより、予約運転時も十分な洗浄力を得るとともに、洗濯物への洗剤残り等を回避することができる。
また、本実施の形態1においては、水槽3内の洗濯水の水温を検知する洗濯水温検知手段(図示せず)を設けている。この洗濯水温検知手段により、例えば5℃程度と水温が低いと判断された場合は、水槽内循環工程の時間を、例えば20℃程度と水温が通常と判断された場合と比べ、例えば2倍程度に長くすることで、低水温時でも洗剤を十分に溶解することができる。
これにより、洗浄力が低下したり、洗濯物に洗剤残り等が起こりやすい水温が低い場合でも、十分な洗浄力を得るとともに、洗濯物への洗剤残り等を回避することができる。
なお、本実施の形態では、水槽3内の水を循環させるのに循環ポンプ20を洗濯機本体2の底部である台板2a上に設置する構成としたが、これに限定されるものではなく、循環ポンプ20を水槽3の下部3bに設置する構成でも良く、同等の効果を奏することができる。
本発明にかかるドラム式洗濯機は、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、循環ポンプの回転速度を洗濯水が回転ドラム内に入ることなく水槽の下方に落下する回転速度に制御する水槽内循環工程を設けたので、回転ドラム外の水槽内で洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解しその濃度を均一にした後に、循環する洗濯水を回転ドラム内に供給するので、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等の発生を防止する効果を有し、有底円筒形に形成された回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして水槽内に設置し、回転ドラムを回転駆動することにより回転ドラム内に収容した洗濯物を洗濯するドラム式洗濯機として有用である。
本発明の実施の形態1に係るドラム式洗濯機の断面図
(a)同ドラム式洗濯機に用いた循環ポンプの断面図(b)同ドラム式洗濯機に用いた循環ポンプの側面図(c)同ドラム式洗濯機に用いた循環ポンプの下面図
(a)同ドラム式洗濯機の水循環経路の吐出側経路を水槽に接続するダクトを示す正面図(b)同ドラム式洗濯機の水循環経路の吐出側経路を水槽に接続するダクトを示す横断面図(c)同ドラム式洗濯機の水循環経路の吐出側経路を水槽に接続するダクトを示す縦断面図
符号の説明
3 水槽
3h 前端壁
4b 前端壁表面
20 循環ポンプ
51 噴射口
本発明は、有底円筒形に形成された回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして水槽内に設置し、回転ドラムを回転駆動することにより回転ドラム内に収容した洗濯物を洗濯するドラム式洗濯機に関するものである。
このようなドラム式洗濯機で、水槽内の水を循環ポンプで循環させる循環機能を有したものが既に知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特許文献1は、1つのポンプを洗い工程やすすぎ工程では循環ポンプとして用い、すすぎ水や洗濯水を循環させ、洗濯工程初期では洗剤と洗濯水の積極的な攪拌、洗剤の早期溶け込みを図り、脱水や排水工程では排水ポンプとして用いる技術を開示しており、循環経路の循環ポンプ吸水側途中にフィルタケースを設けて、吸水中の夾雑物を捕集するようにもしている。これにより循環ポンプに夾雑物が入り込まなくなる。
特許文献2は、水槽内の水を循環ポンプで循環させることにより、洗剤がヒータ設置空間または特定空間に集まる現象を防止し、併せ、洗濯前に該当の洗濯物を迅速に加熱して洗濯効率を高められる技術を開示している。
特許文献3は、循環ポンプ部と糸屑類の洗濯屑を捕獲するフィルタリング部とを備えた循環ポンプユニットを洗濯機の外箱の底部である台板に設けて、水槽内の洗濯水を循環させるのに、弾性クッションを介して台板に設け、ポンプモータの振動が台板に伝播するのを防止し、結果、ポンプモータの振動と外箱の振動とが共振することで起こる騒音を防げるようにした技術を開示している。
特許文献4は、水槽内の水を回転ドラム内に加え、乾燥用のヒータまわりに噴射してヒータまわりに付着した糸屑類を除去できるようにした技術を開示している。
特開平11−276791号公報
特開2005−58741号公報
特開2006−223572号公報
特開2006−239142号公報
しかし、特許文献1〜3に開示の水循環技術はいずれも、洗濯水を配管端から回転ドラム内のみに噴射するようにしているので、洗い工程初期に洗剤が完全に溶解しきれていない洗剤液を直接回転ドラム内の洗濯物に噴射することになり、洗濯終了後に洗濯物表面および内部に洗剤が溶け残る場合があった。また、すすぎ工程初期に柔軟剤を投入する場合も、濃度の濃い柔軟剤が直接回転ドラム内の洗濯物に噴射されることにより、洗濯物にしみ等がつく場合もあった。一方、特許文献4に記載の技術は回転ドラム外部にも噴射できる特別な噴射ノズルを採用しているが、配管構造がさらに複雑になりさらなるコスト上昇の要因になっていた。
本発明の主たる目的は、複雑な構造を用いることなく、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に供給するので洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等を防止することができるドラム式洗濯機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係るドラム式洗濯機は、有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして内部に配設する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記モータ等を制御して洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つを実行する制御手段と、前記水槽内の洗濯水を前記水槽に接続した循環経路を通じ、回転速度可変のモータからなる循環ポンプにより循環させる水循環系とを備え、前記水循環系は、前記水槽の前端壁裏面に設けた噴射口から噴射された洗濯水が前記水槽の前端壁裏面と前記回転ドラムの前端壁表面との間を通り、前記水槽の前端壁の内周部と前記回転ドラムの内周部との間により形成している環状出口から前記回転ドラム内に吐出されるようにし、前記制御手段は、前記洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を前記噴射口から噴射された洗濯水が回転ドラム内に入ることなく前記水槽の下方に落下する回転速度に制御する水槽内循環工程を設けたことを特徴としている。
これによって、循環系がその循環ポンプおよび循環経路によって洗い工程またはすすぎ工程などにて水槽内の水を吸引して水槽内に戻して循環させるのに、循環経路は水槽の前端壁に接続するだけで水槽および回転ドラムの各前端壁間に繋がって、この水槽および回転ドラムの各前端壁間を通じ特別な配管なしに、前記各前端壁の内周部間で形成する環状出口から回転ドラム内に洗濯水を吐出させられ、また、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を変えることで洗濯水を回転ドラム内に吐出させずに、回転ドラム外の水槽内のみで洗濯水を循環させる水槽内循環工程を実行するので、回転ドラム外の水槽内で洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解しその濃度を均一にした後に、循環する洗濯水を回転ドラム内に供給するので、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等を防止することができる。
本発明のドラム式洗濯機によれば、洗濯水の吐出口が特別な形状、構造でなくとも、循環ポンプの回転速度を変えることで、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等を防止することができる。
第1の発明は、有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして内部に配設する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記モータ等を制御して洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つを実行する制御手段と、前記水槽内の洗濯水を前記水槽に接続した循環経路を通じ、回転速度可変のモータからなる循環ポンプにより循環させる水循環系とを備え、前記水循環系は、前記水槽の前端壁裏面に設けた噴射口から噴射された洗濯水が前記水槽の前端壁裏面と前記回転ドラムの前端壁表面との間を通り、前記水槽の前端壁の内周部と前記回転ドラムの内周部との間により形成している環状出口から前記回転ドラム内に吐出されるようにし、前記制御手段は、前記洗い工
程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を前記噴射口から噴射された洗濯水が回転ドラム内に入ることなく前記水槽の下方に落下する回転速度に制御する水槽内循環工程を設けたことを特徴とするドラム式洗濯機とすることにより、循環系がその循環ポンプおよび循環経路によって洗い工程またはすすぎ工程などにて水槽内の水を吸引して水槽内に戻して循環させるのに、循環経路は水槽の前端壁に接続するだけで水槽および回転ドラムの各前端壁間に繋がって、この水槽および回転ドラムの各前端壁間を通じ特別な配管なしに、前記各前端壁の内周部間で形成する環状出口から回転ドラム内に洗濯水を吐出させられ、また、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を変えることで洗濯水を回転ドラム内に吐出させずに、回転ドラム外の水槽内のみで洗濯水を循環させる水槽内循環工程を実行するので、回転ドラム外の水槽内で洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解しその濃度を均一にした後に、循環する洗濯水を回転ドラム内に供給するので、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等の発生を防止することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの給水工程で、給水開始から水槽内循環工程を開始するまでに、規定時間もしくは規定水位に到達するまでの遅延時間を設けることを特徴とすることにより、循環ポンプ内に十分な水が入っていない状態で循環ポンプを駆動することや、使用者が給水栓を開け忘れていた場合に循環ポンプ内に水が全く無い状態で循環ポンプを駆動し続けることを避けることができる。これにより、循環ポンプ内の水が少ないことで起こる泡がみ音などの異音の発生や、循環ポンプが長時間駆動し続けることによる異常温度への上昇などを回避できるので、循環ポンプの信頼性を向上させることができる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、風呂水を吸水して水槽内に前記風呂水を供給する風呂水吸水手段をさらに備え、前記風呂水吸水手段により風呂水を使用して運転する場合は、前記風呂水吸水手段による風呂水の供給終了後に水槽内循環工程を開始することを特徴とすることにより、風呂水吸水手段と循環ポンプが同時に駆動することで生じる通常よりも大きな駆動音で使用者に不快感を与えることを回避できる。
第4の発明は、特に、第1の発明において、予約運転を設定する予約運転設定手段をさらに備え、前記予約運転設定手段により予約運転の設定を行った場合の運転時は、水槽内循環工程の時間を、予約運転を行わない場合よりも長くすることを特徴とすることにより、水槽内循環工程中に、予約待機中に固化しがちな洗剤を十分に溶解することができ、洗浄力の低下や洗濯物への洗剤残り等を回避することができる。
第5の発明は、特に、第1の発明において、水槽内の洗濯水の水温を検知する洗濯水温検知手段をさらに備え、前記洗濯水温検知手段により水温が低いと判断された場合は、水槽内循環工程の時間を、水温が高い場合よりも長くすることを特徴とすることにより、洗濯水の水温が低い場合でも、洗剤を十分に溶解することができ、洗浄力の低下や洗濯物への洗剤残り等を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態1のドラム式洗濯機は、図1に示すように、洗濯機本体2の内部に揺動自在に水槽3が配設され、水槽3内には、回転ドラム4が回転自在に配設され、回転ドラム4は、水槽3の背面に外側より取り付けられたモータ6により回転駆動される。
また、本実施の形態1のドラム式洗濯機は、モード設定や制御プログラムに従い、図1に示すモータ6、給水系7、排水系8、乾燥系9を自動制御して少なくとも洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程を行う機能を有したいわゆるドラム式洗濯乾燥機を構成している。しかし、乾燥系9は省略することができる。
給水系7は電磁弁(図示せず)の開閉によって実線矢印で示すように適時に給水でき、また給水を利用して洗剤収容部7aの洗剤を水槽3内に適時に投入できるようになっている。
排水系8は、排水弁19の開閉によって洗い工程終了時、すすぎ工程終了時など必要なときに一点鎖線矢印で示すように、水槽3の下部に接続された排水管8aを介し、糸屑類を捕集し外部から取り外し可能の排水フィルタ8bを通過した後、排水できるようになっている。
乾燥系9は、水槽3および回転ドラム4内の空気を送風機12によって図1の破線矢印で示すように循環させる。乾燥系9内には、糸屑類を捕集し除塵するフィルタ(図示せず)、除塵後の導入空気を除湿する除湿部(図示せず)、除湿後の空気を加熱して渇いた高温空気とする加熱部(図示せず)等を有する。
また、上記に加え、洗い工程時、すすぎ工程時など必要に応じ、水循環系16にて水槽3内の水を循環させて、洗いやすすぎの機能向上を図る機能も有している。この循環系16は、循環ポンプ20を駆動させることで、水槽3内の水を、排水管8aを介し、排水フィルタ8bを通過させ、水循環経路31の循環ポンプ20への流入側経路31a、循環ポンプ20および水循環経路31の循環ポンプ20からの吐出側経路31bを介して、水槽3内に戻すことを繰り返す。
また、運転コース等のモードや各種機能の選択は、洗濯機本体2の前面上部に設けられる操作パネル21から入力して行い、制御系22がその入力情報を基に操作パネル21上の表示手段で表示して使用者に知らせるとともに、操作パネル21での入力設定手段により運転開始が設定されると、水槽3内の水位を検知する水位検知手段等からのデータを入力して駆動を開始して、排水弁、給水弁などの動作を制御し、洗濯、脱水、乾燥などの運転を行う。
また、循環ポンプ20は、図1に示すように、洗濯機本体2の底部である台板2a上に固定している。具体的には、循環ポンプ20は、図2に示すように、インペラ20aを収容した樹脂製のポンプケーシング20bがその開口側で、循環モータ20cの金属製のモータケーシング20dの前端にある軸受隔壁20d1に当てがって一体化し、インペラ20aをモータ軸20eに直結したものとしてあり、これを樹脂製の取り付け座35に嵌め付けてある。取り付け座35はその周辺3か所にほぼC型の取り付け片35aを有し、これら取り付け片35aを台板2a上のボス部(図示せず)にボルト(図示せず)をねじ込むことにより取り付けている。
また、水循環経路31の吐出側経路31bは図1および図3に示すように、水槽3の開口13まわりの前端壁3hの最下部に設けた図3に示す噴射口51に外面から接続して、図1の矢印aのように、水槽3の前端壁3hの裏面とこれに対応する回転ドラム4の前端壁4bの表面との間に吐出側経路31bからの洗濯水を噴射し、それらの間で形成する流路52を通じて回転ドラム4内に吐出するようにしてある。このときの循環ポンプ20のモータ回転速度は、例えば3500rpmに設定している。これにより、吐出側経路31bからの水の噴射口51が回転ドラム4内の洗濯物と接触しない位置にあるので、洗濯物
が引っ掛かって洗濯やすすぎ、乾燥などに必要な挙動を乱したり、あるいは洗濯物を傷めたり、破れたりするようなことを防止することができるし、見栄えのよい外観が損なわれない。併せ、流路52は水槽3および回転ドラム4の前端壁3h、4b間で形成しているため、特別な部品が不要でシール部材56を用いる程度の構造が簡単かつ安価で水漏れのリスクが低減する。
しかも噴射口51は、水槽3の前端壁3hの裏面において図3(c)に示すように回転ドラム4の回転中心方向、具体的には、水槽3および回転ドラム4の前端壁3h、4b間の流路52における環状出口53に向かって開口しているので、噴射口51から噴射する洗濯水は流路52を回転ドラム4の回転中心側、具体的には環状出口53に向かって径方向に回転ドラム4の内側回転域に効率よく吐出させられ、洗濯物の多少にかかわらず洗濯水を効率よく供与できる。特に、水槽3の前端壁3hは噴射口51に対応する位置から内周近くに向かって洗濯機本体2の後部側に傾斜した傾斜面3h1およびこの傾斜面3h1から内周まで、回転ドラム4の開口54側に向け湾曲した湾曲面3h2を有していることにより、流路52に噴射される洗濯水を図3(c)に示すように、傾斜面3h1から湾曲面3h2に沿わせて、回転ドラム4の開口54を通じ回転ドラム4の奥側に向け吐出させられるので、洗濯水の洗濯物への供与効率を高められる。
ここで、水循環系16の構造としては、水槽3の前端壁3hの吐出側経路31bが接続される接続口51aから洗濯水を流路52に噴射させる噴射口51は、流路52へ回転ドラム4の回転中心側に向け周方向の所定範囲で開口したものとしている。このように、水槽3の前端壁3hに接続口51aを設けるのに、流路52に向いて開口する噴射口51を形成することで、吐出側経路31bからの洗濯水を、噴射51口を通じ流路52側に乱れなく案内して、回転ドラム4内に環状出口53の噴射口51の周方向域に対応した所定域から所定の方向に左右への広がりを伴い安定して吐出させられる。結果、水槽3の前端壁3hの吐出側経路31bを接続する接続口51aから流入する洗濯水を、接続口51に併せ設けられて流路52に向き開口する噴射口51により、噴射口51の周方向域に対応した開口を通じ流路52側に乱れなく案内して、環状出口53の噴射口51に対応する周方向の所定域から所定の方向に左右への広がりを伴い安定して吐出させて、回転ドラム4内の洗濯物にその多少にかかわらず有効に働かせさられる。
また、噴射口51は、接続口51aに接続される吐出側経路31bの接続端部55dとの間で、洗濯水を流路52への開口部に案内するようにしている。これにより、吐出側経路が接続される接続口に設けた噴射口が洗濯水を前記流路の側に案内するのに、吐出側経路の接続口への接続端部と協働した相互の簡単形状での合わせ形態にて、好適な案内条件を満足できる。結果、接続口51aに設けた噴射口51により流入する洗濯水を流路52の側に案内するのに、吐出側経路31bの接続口51aへの接続端部55dとの簡単形状での合わせ形態により、周方向に大きな吐出流幅、前後方向に十分な吐出流厚み、着水距離を大きくできる吐出流速度など、洗濯物の多少にかかわらず好適に働く条件を満足する案内ができ、しかも、配管構造は特に複雑化せず漏水リスクの増大がなく、コスト上昇の原因にもならない。結果、接続口51aに続いて設けた噴射口51により流入する洗濯水を流52路の側に案内するのに、吐出側経路31bの接続口51aへの接続端部55dとの簡単形状での合わせ形態により、周方向に大きな吐出流幅、前後方向に十分な吐出流厚み、着水距離を大きくできる吐出流速度など、洗濯物の多少にかかわらず好適に働く条件を満足する案内ができ、しかも、配管構造は特に複雑化せず漏水リスクの増大がなく、コスト上昇の原因にもならない。
また、噴射口51は、図3(a)に示すように水槽3の前端壁3hの底部のほぼ中心位置に開口し、この噴射口51と吐出側経路31とを図3に示す樹脂製のダクト55部によって接続してある。このダクト55は前後部材55a、55b二枚合せにして前後に扁平
に形成してある。吐出側経路31bは噴射口51の開口位置に対し左右方向一方に偏って循環ポンプ20から水槽3の軸線とほぼ平行に前方へ延び、ダクト55はパイプ状の吐出側経路31bの前端と噴射口51とを後部材55a一端に一体形成した接続パイプ55cで吐出側経路31bにその延長部として接続され、この一端側から噴射口51の下方近くにまでほぼ水平に延びた後、他端側が噴射口51まで湾曲して立ち上がり、図3(c)に示すように立ち上がり部55dの後部材55aに一体成形した接続口55eによって噴射口51の水槽3の前端壁3hに開口する接続口51aにシール部材56を介し接続しねじ57でねじ止めし固定してある。このように、水槽3の前端壁3hの接続口51aとの接続端部55dから水槽3の外周へ張り出し循環ポンプ20側に接続されるダクト55部を前後に扁平なものとしてあると、水槽3の前端壁3hと洗濯機本体2の前面壁との間に小さなスペースで配管できる。しかも、ダクト55の扁平形状によって洗濯水に噴射口51の開口などに見合う水流幅、水流厚みに整流して、接続口51aから噴射口51に向かわせ流路52に噴射されるようにし、環状出口53からの大きな周方向吐出幅、前後方向に十分な吐出厚み、着水距離を大きくできる吐出速度域を、流れに乱れなく満足することができ、洗濯、すすぎ効果をさらに高められる。また、ダクト55部が、水槽3の外周から前端壁3h下部の噴射口51の接続口51a近くの下まで横方向に延び、そこから接続口までの湾曲した立ち上がり部にて接続口51aに接続されているため、扁平流に整流した洗濯水を立ち上がり部の湾曲形状にて乱すことなく接続口51a、および扁平方向が一致した噴射口51に導き、流路52の周方向所定域に噴射させるので、環状出53のより広域からより安定して吐出させられ、洗濯水の洗濯物への働きを高められる。
特に、噴射口51は、水槽3の前端壁3hに開口する接続口51aからこれに平行で回転ドラム4の前端壁4b側に寄って一体形成された受け止め壁51cによって、接続口51aの口縁上部との間で環状出口53に向け開口するように形成され、接続口55dは受け止め壁51cとの間で、噴射口51に向け噴射通路をダクト55側からアール面にて滑らかに絞る絞り壁55fを備え、ダクト55から噴射口51に向かう洗濯水を加勢し、水槽3の前端壁3hの裏面の傾斜面3h1および湾曲面3h2に強く沿わせた高速流とするので、回転ドラム4内へ上方斜め後方に所定の経路で確実に吐出し左右に広がりながら放物線を描くより長い飛翔経路にて回転ドラム4内の洗濯物により広域から供与できるようになる。しかし、前記高速流とするための絞り通路はダクト55の接続口51aへの接続端部と噴射口51との間でどのように形成されてもよい。つまり、接続口51aに設けた噴射51により流入する洗濯水を流路52の側に案内するのに、吐出側経51bの接続口51への接続端部55との簡単形状での合わせ形態により、周方向に大きな吐出流幅、前後方向に十分な吐出流厚み、着水距離を大きくできる吐出流速度など、洗濯物の多少にかかわらず好適に働く条件を満足する案内ができ、しかも、配管構造は特に複雑化せず漏水リスクの増大がなく、コスト上昇の原因にもならない。
また、回転ドラム4の前端壁4bには図3(c)に示すように流路52を傾斜面3h1との間に絞り隙間Sを残して周方向に横切る環状のリブ状凸部4cが形成されている。さらに、このリブ状凸部4cはその位置が径方向に波打ち状に変化している。このため、リブ状凸部4cは回転ドラム4が回転すると噴射口51近傍での流路52に対する横切り位置、つまり絞り隙間Sの形成位置を図3(c)に3つの具体的位置で示すように径方向に変位させる。この結果、流路52を環状出口53に向かう洗濯水流は環状出口53近くで絞り隙間Sにより絞られる場合と、環状出口53から遠い位置で絞り隙間Sに絞られる場合とで、回転ドラム4内に向かう角度が上下に振れるので、回転ドラム4の軸線方向の広域に洗濯水を振り分け洗濯物に供与することができる。
ここに、リブ状凸部4cは、回転ドラム4の前端壁3h側に周方向に不均一に設けた吐出ガイドで、流路52に噴射され環状出口53から回転ドラム4内に吐出される洗濯水の吐出方向を前後に乱し、あるいは変化させ、吐出した洗濯水が回転ドラム4内への洗濯物
に着水する位置が前後に乱し、または変化させるものといえ、このような吐出ガイドとしては、吐出ガイドは、周方向に波打ちした内周、周方向に前後に波打ちした壁面、前記流路側に突出し周方向に波打ちし、またはおよび断続したリブ状凸部または羽根、前記流路を通って噴射される洗濯水の通過抵抗を周方向に変化させる邪魔部、の少なくとも1つとして吐出方向を前後に乱しまたは変化させる作用を営むことができ、可能な限りそれらを複合して採用することができる。
これら放物線供与作用、前後振り分け作用によって洗濯水は洗濯物に前後方向にも偏りなく働き、洗剤の溶かし込効果、洗濯効果、すすぎ効果を高められる。
ところで、既述したように、洗濯水を噴射口51から回転ドラム4内のみに単純に噴射するようにした場合、洗い工程の初期においては、洗剤が完全に溶解しきれていない洗濯水を直接、回転ドラム4内の洗濯物に噴射することになり、洗濯終了時において、洗濯物表面および内部に洗剤が溶け残る場合がある。また、すすぎ工程の初期に柔軟剤を投入する場合においても、濃度の濃い柔軟剤が直接、回転ドラム4内の洗濯物に噴射されることになり、この濃度の濃い柔軟材により、洗濯物にしみ等がつく場合もある。一方、それを防止するために、回転ドラム4の外部にも噴射できる特別な噴射ノズルを採用すると、配管構造がさらに複雑になり、さらなるコスト上昇の原因になる。
そこで、本実施の形態1では、水槽3内の水を循環ポンプ20により循環させるのに、例えば回転速度制御が可能であるDCブラシレスモータを用いて、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、循環ポンプ20の回転速度を噴射口51から噴射した洗濯水が回転ドラム4内に入ることなく、図1の矢印bのように、受け止め壁51cと回転ドラム4の前端壁表面4bとの間を通って、水槽3の下方に落下する回転速度に制御する水槽内循環工程を設けている。このときの循環ポンプ20のモータ回転速度は、例えば1000rpmに設定している。この水槽内循環工程を実行することで、回転ドラム4の外側にある水槽3と水循環系16とで洗濯水を循環させることができる。
この結果、水槽内循環工程において、循環ポンプ20により水槽3と水循環系16とで洗濯水を循環させることで、洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解し、その濃度を均一にすることができる。そして、洗濯水の濃度が均一になった後に、循環ポンプ20の回転速度を、噴射口51から吐出した洗濯水が回転ドラム4内の洗濯物に供給する回転速度に上昇させることで、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りや高濃度の柔軟剤が直接洗濯物に付着することによるしみ等の発生を防止することができる。
また、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の給水工程の初期においては、給水開始から水槽内循環工程を開始するまでに、例えば10秒経過するか、もしくは水位が水槽3の下端から40mm程度に到達するまでの遅延時間を設けることで、循環ポンプ20内に十分な水が入っていない状態で循環ポンプ20駆動することや、使用者が給水栓を開け忘れていた場合においては循環ポンプ20内に水が全く無い状態で循環ポンプ20を駆動し続けることを防ぐことができる。
これにより、循環ポンプ20内の水が少ないことで起こる泡がみ音などの異音の発生や、循環ポンプ20内に水が全く無い状態で循環ポンプ20が長時間駆動し続けることによる異常温度上昇などを回避することができるので、循環ポンプの信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態1においては、風呂水を吸水して水槽3内に風呂水を供給する風呂水吸水手段7bを設けている。この風呂水吸水手段7bにより、風呂水を使用して運転する場合は、風呂水吸水手段7bの運転終了後に循環ポンプ20を駆動することにより、風
呂水吸水手段7bと循環ポンプ20が同時に駆動することを防止する。
これにより、風呂水吸水手段7bと循環ポンプ20の2つのモータが同時に駆動することで生じる通常よりも大きな駆動音を防止することができ、使用者に不快感を与えることを回避することができる。
また、本実施の形態1においては、予約運転を設定する予約運転設定手段(図示せず)を設けている。この予約運転設定手段により予約運転の設定を行った場合の運転時は、水槽内循環工程の時間を、予約運転を行わない場合と比べ、例えば2倍に長くすることで、予約待機中に固化しがちな洗剤を十分に溶解できる。
これにより、予約運転時も十分な洗浄力を得るとともに、洗濯物への洗剤残り等を回避することができる。
また、本実施の形態1においては、水槽3内の洗濯水の水温を検知する洗濯水温検知手段(図示せず)を設けている。この洗濯水温検知手段により、例えば5℃程度と水温が低いと判断された場合は、水槽内循環工程の時間を、例えば20℃程度と水温が通常と判断された場合と比べ、例えば2倍程度に長くすることで、低水温時でも洗剤を十分に溶解することができる。
これにより、洗浄力が低下したり、洗濯物に洗剤残り等が起こりやすい水温が低い場合でも、十分な洗浄力を得るとともに、洗濯物への洗剤残り等を回避することができる。
なお、本実施の形態では、水槽3内の水を循環させるのに循環ポンプ20を洗濯機本体2の底部である台板2a上に設置する構成としたが、これに限定されるものではなく、循環ポンプ20を水槽3の下部3bに設置する構成でも良く、同等の効果を奏することができる。
本発明にかかるドラム式洗濯機は、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、循環ポンプの回転速度を洗濯水が回転ドラム内に入ることなく水槽の下方に落下する回転速度に制御する水槽内循環工程を設けたので、回転ドラム外の水槽内で洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解しその濃度を均一にした後に、循環する洗濯水を回転ドラム内に供給するので、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等の発生を防止する効果を有し、有底円筒形に形成された回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして水槽内に設置し、回転ドラムを回転駆動することにより回転ドラム内に収容した洗濯物を洗濯するドラム式洗濯機として有用である。
本発明の実施の形態1に係るドラム式洗濯機の断面図
(a)同ドラム式洗濯機に用いた循環ポンプの断面図(b)同ドラム式洗濯機に用いた循環ポンプの側面図(c)同ドラム式洗濯機に用いた循環ポンプの下面図
(a)同ドラム式洗濯機の水循環経路の吐出側経路を水槽に接続するダクトを示す正面図(b)同ドラム式洗濯機の水循環経路の吐出側経路を水槽に接続するダクトを示す横断面図(c)同ドラム式洗濯機の水循環経路の吐出側経路を水槽に接続するダクトを示す縦断面図
3 水槽
3h 前端壁
4b 前端壁表面
20 循環ポンプ
51 噴射口
本発明は、有底円筒形に形成された回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして水槽内に設置し、回転ドラムを回転駆動することにより回転ドラム内に収容した洗濯物を洗濯するドラム式洗濯機に関するものである。
このようなドラム式洗濯機で、水槽内の水を循環ポンプで循環させる循環機能を有したものが既に知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特許文献1は、1つのポンプを洗い工程やすすぎ工程では循環ポンプとして用い、すすぎ水や洗濯水を循環させ、洗濯工程初期では洗剤と洗濯水の積極的な攪拌、洗剤の早期溶け込みを図り、脱水や排水工程では排水ポンプとして用いる技術を開示しており、循環経路の循環ポンプ吸水側途中にフィルタケースを設けて、吸水中の夾雑物を捕集するようにもしている。これにより循環ポンプに夾雑物が入り込まなくなる。
特許文献2は、水槽内の水を循環ポンプで循環させることにより、洗剤がヒータ設置空間または特定空間に集まる現象を防止し、併せ、洗濯前に該当の洗濯物を迅速に加熱して洗濯効率を高められる技術を開示している。
特許文献3は、循環ポンプ部と糸屑類の洗濯屑を捕獲するフィルタリング部とを備えた循環ポンプユニットを洗濯機の外箱の底部である台板に設けて、水槽内の洗濯水を循環させるのに、弾性クッションを介して台板に設け、ポンプモータの振動が台板に伝播するのを防止し、結果、ポンプモータの振動と外箱の振動とが共振することで起こる騒音を防げるようにした技術を開示している。
特許文献4は、水槽内の水を回転ドラム内に加え、乾燥用のヒータまわりに噴射してヒータまわりに付着した糸屑類を除去できるようにした技術を開示している。
特開平11−276791号公報
特開2005−58741号公報
特開2006−223572号公報
特開2006−239142号公報
しかし、特許文献1〜3に開示の水循環技術はいずれも、洗濯水を配管端から回転ドラム内のみに噴射するようにしているので、洗い工程初期に洗剤が完全に溶解しきれていない洗剤液を直接回転ドラム内の洗濯物に噴射することになり、洗濯終了後に洗濯物表面および内部に洗剤が溶け残る場合があった。また、すすぎ工程初期に柔軟剤を投入する場合も、濃度の濃い柔軟剤が直接回転ドラム内の洗濯物に噴射されることにより、洗濯物にしみ等がつく場合もあった。一方、特許文献4に記載の技術は回転ドラム外部にも噴射できる特別な噴射ノズルを採用しているが、配管構造がさらに複雑になりさらなるコスト上昇
の要因になっていた。
本発明の主たる目的は、複雑な構造を用いることなく、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に供給するので洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等を防止することができるドラム式洗濯機を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明に係るドラム式洗濯機は、有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして内部に配設する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽内の洗濯水を前記水槽に接続した循環経路を通じ、前記循環経路内に設けられ回転速度可変の循環モータからなる循環ポンプにより前記回転ドラム内に循環させる水循環系と、前記モータ等を制御して洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つを実行する制御手段とを備え、前記水循環系は、前記循環ポンプの吐出側に形成された吐出側経路からの洗濯水を前記水槽の前端壁の下部の裏面に設けられ上方に向け開口した噴射口に案内するように構成し、前記制御手段は、前記洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程において、前記循環ポンプの循環モータ回転速度を第1の所定回転速度に設定することで、前記噴射口から噴射された洗濯水が前記回転ドラム内に吐出されるようにし、前記洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を前記第1の所定回転速度より低い第2の所定回転速度に設定することで、前記噴射口から噴射された洗濯水が前記回転ドラム内に入ることなく前記水槽の下方に落下する水槽内循環工程を実行するようにしたことを特徴としている。
これによって、循環系がその循環ポンプおよび循環経路によって洗い工程またはすすぎ工程などにて水槽内の水を吸引して水槽内に戻して循環させるのに、循環経路は水槽の前端壁に接続するだけで水槽および回転ドラムの各前端壁間に繋がって、この水槽および回転ドラムの各前端壁間を通じ特別な配管なしに、前記各前端壁の内周部間で形成する環状出口から回転ドラム内に洗濯水を吐出させられ、また、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を変えることで洗濯水を回転ドラム内に吐出させずに、回転ドラム外の水槽内のみで洗濯水を循環させる水槽内循環工程を実行するので、回転ドラム外の水槽内で洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解しその濃度を均一にした後に、循環する洗濯水を回転ドラム内に供給するので、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等を防止することができる。
本発明のドラム式洗濯機によれば、洗濯水の吐出口が特別な形状、構造でなくとも、循環ポンプの回転速度を変えることで、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等を防止することができる。
第1の発明は、有底円筒形に形成された回転ドラムと、前記回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして内部に配設する水槽と、前記回転ドラムを回転駆動するモータと、前記水槽内の洗濯水を前記水槽に接続した循環経路を通じ、前記循環経路内に設けられ回転速度可変の循環モータからなる循環ポンプにより前記回転ドラム内に循環させる水循環系と、前記モータ等を制御して洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つを実行する制御手段とを備
え、前記水循環系は、前記循環ポンプの吐出側に形成された吐出側経路からの洗濯水を前記水槽の前端壁の下部の裏面に設けられ上方に向け開口した噴射口に案内するように構成し、前記制御手段は、前記洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程において、前記循環ポンプの循環モータ回転速度を第1の所定回転速度に設定することで、前記噴射口から噴射された洗濯水が前記回転ドラム内に吐出されるようにし、前記洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を前記第1の所定回転速度より低い第2の所定回転速度に設定することで、前記噴射口から噴射された洗濯水が前記回転ドラム内に入ることなく前記水槽の下方に落下する水槽内循環工程を実行するようにしたことを特徴とするドラム式洗濯機とすることにより、循環系がその循環ポンプおよび循環経路によって洗い工程またはすすぎ工程などにて水槽内の水を吸引して水槽内に戻して循環させるのに、循環経路は水槽の前端壁に接続するだけで水槽および回転ドラムの各前端壁間に繋がって、この水槽および回転ドラムの各前端壁間を通じ特別な配管なしに、前記各前端壁の内周部間で形成する環状出口から回転ドラム内に洗濯水を吐出させられ、また、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、前記循環ポンプの回転速度を変えることで洗濯水を回転ドラム内に吐出させずに、回転ドラム外の水槽内のみで洗濯水を循環させる水槽内循環工程を実行するので、回転ドラム外の水槽内で洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解しその濃度を均一にした後に、循環する洗濯水を回転ドラム内に供給するので、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等の発生を防止することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの給水工程で、給水開始から水槽内循環工程を開始するまでに、規定時間もしくは規定水位に到達するまでの遅延時間を設けることを特徴とすることにより、循環ポンプ内に十分な水が入っていない状態で循環ポンプを駆動することや、使用者が給水栓を開け忘れていた場合に循環ポンプ内に水が全く無い状態で循環ポンプを駆動し続けることを避けることができる。これにより、循環ポンプ内の水が少ないことで起こる泡がみ音などの異音の発生や、循環ポンプが長時間駆動し続けることによる異常温度への上昇などを回避できるので、循環ポンプの信頼性を向上させることができる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、風呂水を吸水して水槽内に前記風呂水を供給する風呂水吸水手段をさらに備え、前記風呂水吸水手段により風呂水を使用して運転する場合は、前記風呂水吸水手段による風呂水の供給終了後に水槽内循環工程を開始することを特徴とすることにより、風呂水吸水手段と循環ポンプが同時に駆動することで生じる通常よりも大きな駆動音で使用者に不快感を与えることを回避できる。
第4の発明は、特に、第1の発明において、水槽内の洗濯水の水温を検知する洗濯水温検知手段をさらに備え、前記洗濯水温検知手段により水温が低いと判断された場合は、水槽内循環工程の時間を、水温が高い場合よりも長くすることを特徴とすることにより、洗濯水の水温が低い場合でも、洗剤を十分に溶解することができ、洗浄力の低下や洗濯物への洗剤残り等を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態1のドラム式洗濯機は、図1に示すように、洗濯機本体2の内部に揺動自在に水槽3が配設され、水槽3内には、回転ドラム4が回転自在に配設され、回転ドラム4は、水槽3の背面に外側より取り付けられたモータ6により回転駆動される。
また、本実施の形態1のドラム式洗濯機は、モード設定や制御プログラムに従い、図1に示すモータ6、給水系7、排水系8、乾燥系9を自動制御して少なくとも洗い工程、すすぎ工程、脱水工程、乾燥工程を行う機能を有したいわゆるドラム式洗濯乾燥機を構成している。しかし、乾燥系9は省略することができる。
給水系7は電磁弁(図示せず)の開閉によって実線矢印で示すように適時に給水でき、また給水を利用して洗剤収容部7aの洗剤を水槽3内に適時に投入できるようになっている。
排水系8は、排水弁19の開閉によって洗い工程終了時、すすぎ工程終了時など必要なときに一点鎖線矢印で示すように、水槽3の下部に接続された排水管8aを介し、糸屑類を捕集し外部から取り外し可能の排水フィルタ8bを通過した後、排水できるようになっている。
乾燥系9は、水槽3および回転ドラム4内の空気を送風機12によって図1の破線矢印で示すように循環させる。乾燥系9内には、糸屑類を捕集し除塵するフィルタ(図示せず)、除塵後の導入空気を除湿する除湿部(図示せず)、除湿後の空気を加熱して渇いた高温空気とする加熱部(図示せず)等を有する。
また、上記に加え、洗い工程時、すすぎ工程時など必要に応じ、水循環系16にて水槽3内の水を循環させて、洗いやすすぎの機能向上を図る機能も有している。この循環系16は、循環ポンプ20を駆動させることで、水槽3内の水を、排水管8aを介し、排水フィルタ8bを通過させ、水循環経路31の循環ポンプ20への流入側経路31a、循環ポンプ20および水循環経路31の循環ポンプ20からの吐出側経路31bを介して、水槽3内に戻すことを繰り返す。
また、運転コース等のモードや各種機能の選択は、洗濯機本体2の前面上部に設けられる操作パネル21から入力して行い、制御系22がその入力情報を基に操作パネル21上の表示手段で表示して使用者に知らせるとともに、操作パネル21での入力設定手段により運転開始が設定されると、水槽3内の水位を検知する水位検知手段等からのデータを入力して駆動を開始して、排水弁、給水弁などの動作を制御し、洗濯、脱水、乾燥などの運転を行う。
また、循環ポンプ20は、図1に示すように、洗濯機本体2の底部である台板2a上に固定している。具体的には、循環ポンプ20は、図2に示すように、インペラ20aを収容した樹脂製のポンプケーシング20bがその開口側で、循環モータ20cの金属製のモータケーシング20dの前端にある軸受隔壁20d1に当てがって一体化し、インペラ20aをモータ軸20eに直結したものとしてあり、これを樹脂製の取り付け座35に嵌め付けてある。取り付け座35はその周辺3か所にほぼC型の取り付け片35aを有し、これら取り付け片35aを台板2a上のボス部(図示せず)にボルト(図示せず)をねじ込むことにより取り付けている。
また、水循環経路31の吐出側経路31bは図1および図3に示すように、水槽3の開口13まわりの前端壁3hの最下部に設けた図3に示す噴射口51に外面から接続して、図1の矢印aのように、水槽3の前端壁3hの裏面とこれに対応する回転ドラム4の前端壁4bの表面との間に吐出側経路31bからの洗濯水を噴射し、それらの間で形成する流路52を通じて回転ドラム4内に吐出するようにしてある。このときの循環ポンプ20のモータ回転速度は、例えば3500rpmに設定している。これにより、吐出側経路31bからの水の噴射口51が回転ドラム4内の洗濯物と接触しない位置にあるので、洗濯物が引っ掛かって洗濯やすすぎ、乾燥などに必要な挙動を乱したり、あるいは洗濯物を傷め
たり、破れたりするようなことを防止することができるし、見栄えのよい外観が損なわれない。併せ、流路52は水槽3および回転ドラム4の前端壁3h、4b間で形成しているため、特別な部品が不要でシール部材56を用いる程度の構造が簡単かつ安価で水漏れのリスクが低減する。
しかも噴射口51は、水槽3の前端壁3hの裏面において図3(c)に示すように回転ドラム4の回転中心方向、具体的には、水槽3および回転ドラム4の前端壁3h、4b間の流路52における環状出口53に向かって開口しているので、噴射口51から噴射する洗濯水は流路52を回転ドラム4の回転中心側、具体的には環状出口53に向かって径方向に回転ドラム4の内側回転域に効率よく吐出させられ、洗濯物の多少にかかわらず洗濯水を効率よく供与できる。特に、水槽3の前端壁3hは噴射口51に対応する位置から内周近くに向かって洗濯機本体2の後部側に傾斜した傾斜面3h1およびこの傾斜面3h1から内周まで、回転ドラム4の開口54側に向け湾曲した湾曲面3h2を有していることにより、流路52に噴射される洗濯水を図3(c)に示すように、傾斜面3h1から湾曲面3h2に沿わせて、回転ドラム4の開口54を通じ回転ドラム4の奥側に向け吐出させられるので、洗濯水の洗濯物への供与効率を高められる。
ここで、水循環系16の構造としては、水槽3の前端壁3hの吐出側経路31bが接続される接続口51aから洗濯水を流路52に噴射させる噴射口51は、流路52へ回転ドラム4の回転中心側に向け周方向の所定範囲で開口したものとしている。このように、水槽3の前端壁3hに接続口51aを設けるのに、流路52に向いて開口する噴射口51を形成することで、吐出側経路31bからの洗濯水を、噴射51口を通じ流路52側に乱れなく案内して、回転ドラム4内に環状出口53の噴射口51の周方向域に対応した所定域から所定の方向に左右への広がりを伴い安定して吐出させられる。結果、水槽3の前端壁3hの吐出側経路31bを接続する接続口51aから流入する洗濯水を、接続口51に併せ設けられて流路52に向き開口する噴射口51により、噴射口51の周方向域に対応した開口を通じ流路52側に乱れなく案内して、環状出口53の噴射口51に対応する周方向の所定域から所定の方向に左右への広がりを伴い安定して吐出させて、回転ドラム4内の洗濯物にその多少にかかわらず有効に働かせさられる。
また、噴射口51は、接続口51aに接続される吐出側経路31bの接続端部55dとの間で、洗濯水を流路52への開口部に案内するようにしている。これにより、吐出側経路が接続される接続口に設けた噴射口が洗濯水を前記流路の側に案内するのに、吐出側経路の接続口への接続端部と協働した相互の簡単形状での合わせ形態にて、好適な案内条件を満足できる。結果、接続口51aに設けた噴射口51により流入する洗濯水を流路52の側に案内するのに、吐出側経路31bの接続口51aへの接続端部55dとの簡単形状での合わせ形態により、周方向に大きな吐出流幅、前後方向に十分な吐出流厚み、着水距離を大きくできる吐出流速度など、洗濯物の多少にかかわらず好適に働く条件を満足する案内ができ、しかも、配管構造は特に複雑化せず漏水リスクの増大がなく、コスト上昇の原因にもならない。結果、接続口51aに続いて設けた噴射口51により流入する洗濯水を流52路の側に案内するのに、吐出側経路31bの接続口51aへの接続端部55dとの簡単形状での合わせ形態により、周方向に大きな吐出流幅、前後方向に十分な吐出流厚み、着水距離を大きくできる吐出流速度など、洗濯物の多少にかかわらず好適に働く条件を満足する案内ができ、しかも、配管構造は特に複雑化せず漏水リスクの増大がなく、コスト上昇の原因にもならない。
また、噴射口51は、図3(a)に示すように水槽3の前端壁3hの底部のほぼ中心位置に開口し、この噴射口51と吐出側経路31とを図3に示す樹脂製のダクト55部によって接続してある。このダクト55は前後部材55a、55b二枚合せにして前後に扁平に形成してある。吐出側経路31bは噴射口51の開口位置に対し左右方向一方に偏って
循環ポンプ20から水槽3の軸線とほぼ平行に前方へ延び、ダクト55はパイプ状の吐出側経路31bの前端と噴射口51とを後部材55a一端に一体形成した接続パイプ55cで吐出側経路31bにその延長部として接続され、この一端側から噴射口51の下方近くにまでほぼ水平に延びた後、他端側が噴射口51まで湾曲して立ち上がり、図3(c)に示すように立ち上がり部55dの後部材55aに一体成形した接続口55eによって噴射口51の水槽3の前端壁3hに開口する接続口51aにシール部材56を介し接続しねじ57でねじ止めし固定してある。このように、水槽3の前端壁3hの接続口51aとの接続端部55dから水槽3の外周へ張り出し循環ポンプ20側に接続されるダクト55部を前後に扁平なものとしてあると、水槽3の前端壁3hと洗濯機本体2の前面壁との間に小さなスペースで配管できる。しかも、ダクト55の扁平形状によって洗濯水に噴射口51の開口などに見合う水流幅、水流厚みに整流して、接続口51aから噴射口51に向かわせ流路52に噴射されるようにし、環状出口53からの大きな周方向吐出幅、前後方向に十分な吐出厚み、着水距離を大きくできる吐出速度域を、流れに乱れなく満足することができ、洗濯、すすぎ効果をさらに高められる。また、ダクト55部が、水槽3の外周から前端壁3h下部の噴射口51の接続口51a近くの下まで横方向に延び、そこから接続口までの湾曲した立ち上がり部にて接続口51aに接続されているため、扁平流に整流した洗濯水を立ち上がり部の湾曲形状にて乱すことなく接続口51a、および扁平方向が一致した噴射口51に導き、流路52の周方向所定域に噴射させるので、環状出53のより広域からより安定して吐出させられ、洗濯水の洗濯物への働きを高められる。
特に、噴射口51は、水槽3の前端壁3hに開口する接続口51aからこれに平行で回転ドラム4の前端壁4b側に寄って一体形成された受け止め壁51cによって、接続口51aの口縁上部との間で環状出口53に向け開口するように形成され、接続口55dは受け止め壁51cとの間で、噴射口51に向け噴射通路をダクト55側からアール面にて滑らかに絞る絞り壁55fを備え、ダクト55から噴射口51に向かう洗濯水を加勢し、水槽3の前端壁3hの裏面の傾斜面3h1および湾曲面3h2に強く沿わせた高速流とするので、回転ドラム4内へ上方斜め後方に所定の経路で確実に吐出し左右に広がりながら放物線を描くより長い飛翔経路にて回転ドラム4内の洗濯物により広域から供与できるようになる。しかし、前記高速流とするための絞り通路はダクト55の接続口51aへの接続端部と噴射口51との間でどのように形成されてもよい。つまり、接続口51aに設けた噴射51により流入する洗濯水を流路52の側に案内するのに、吐出側経51bの接続口51への接続端部55との簡単形状での合わせ形態により、周方向に大きな吐出流幅、前後方向に十分な吐出流厚み、着水距離を大きくできる吐出流速度など、洗濯物の多少にかかわらず好適に働く条件を満足する案内ができ、しかも、配管構造は特に複雑化せず漏水リスクの増大がなく、コスト上昇の原因にもならない。
また、回転ドラム4の前端壁4bには図3(c)に示すように流路52を傾斜面3h1との間に絞り隙間Sを残して周方向に横切る環状のリブ状凸部4cが形成されている。さらに、このリブ状凸部4cはその位置が径方向に波打ち状に変化している。このため、リブ状凸部4cは回転ドラム4が回転すると噴射口51近傍での流路52に対する横切り位置、つまり絞り隙間Sの形成位置を図3(c)に3つの具体的位置で示すように径方向に変位させる。この結果、流路52を環状出口53に向かう洗濯水流は環状出口53近くで絞り隙間Sにより絞られる場合と、環状出口53から遠い位置で絞り隙間Sに絞られる場合とで、回転ドラム4内に向かう角度が上下に振れるので、回転ドラム4の軸線方向の広域に洗濯水を振り分け洗濯物に供与することができる。
ここに、リブ状凸部4cは、回転ドラム4の前端壁3h側に周方向に不均一に設けた吐出ガイドで、流路52に噴射され環状出口53から回転ドラム4内に吐出される洗濯水の吐出方向を前後に乱し、あるいは変化させ、吐出した洗濯水が回転ドラム4内への洗濯物に着水する位置が前後に乱し、または変化させるものといえ、このような吐出ガイドとし
ては、吐出ガイドは、周方向に波打ちした内周、周方向に前後に波打ちした壁面、前記流路側に突出し周方向に波打ちし、またはおよび断続したリブ状凸部または羽根、前記流路を通って噴射される洗濯水の通過抵抗を周方向に変化させる邪魔部、の少なくとも1つとして吐出方向を前後に乱しまたは変化させる作用を営むことができ、可能な限りそれらを複合して採用することができる。
これら放物線供与作用、前後振り分け作用によって洗濯水は洗濯物に前後方向にも偏りなく働き、洗剤の溶かし込効果、洗濯効果、すすぎ効果を高められる。
ところで、既述したように、洗濯水を噴射口51から回転ドラム4内のみに単純に噴射するようにした場合、洗い工程の初期においては、洗剤が完全に溶解しきれていない洗濯水を直接、回転ドラム4内の洗濯物に噴射することになり、洗濯終了時において、洗濯物表面および内部に洗剤が溶け残る場合がある。また、すすぎ工程の初期に柔軟剤を投入する場合においても、濃度の濃い柔軟剤が直接、回転ドラム4内の洗濯物に噴射されることになり、この濃度の濃い柔軟材により、洗濯物にしみ等がつく場合もある。一方、それを防止するために、回転ドラム4の外部にも噴射できる特別な噴射ノズルを採用すると、配管構造がさらに複雑になり、さらなるコスト上昇の原因になる。
そこで、本実施の形態1では、水槽3内の水を循環ポンプ20により循環させるのに、例えば回転速度制御が可能であるDCブラシレスモータを用いて、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、循環ポンプ20の回転速度を噴射口51から噴射した洗濯水が回転ドラム4内に入ることなく、図1の矢印bのように、受け止め壁51cと回転ドラム4の前端壁表面4bとの間を通って、水槽3の下方に落下する回転速度に制御する水槽内循環工程を設けている。このときの循環ポンプ20のモータ回転速度は、例えば1000rpmに設定している。この水槽内循環工程を実行することで、回転ドラム4の外側にある水槽3と水循環系16とで洗濯水を循環させることができる。
この結果、水槽内循環工程において、循環ポンプ20により水槽3と水循環系16とで洗濯水を循環させることで、洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解し、その濃度を均一にすることができる。そして、洗濯水の濃度が均一になった後に、循環ポンプ20の回転速度を、噴射口51から吐出した洗濯水が回転ドラム4内の洗濯物に供給する回転速度に上昇させることで、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りや高濃度の柔軟剤が直接洗濯物に付着することによるしみ等の発生を防止することができる。
また、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の給水工程の初期においては、給水開始から水槽内循環工程を開始するまでに、例えば10秒経過するか、もしくは水位が水槽3の下端から40mm程度に到達するまでの遅延時間を設けることで、循環ポンプ20内に十分な水が入っていない状態で循環ポンプ20駆動することや、使用者が給水栓を開け忘れていた場合においては循環ポンプ20内に水が全く無い状態で循環ポンプ20を駆動し続けることを防ぐことができる。
これにより、循環ポンプ20内の水が少ないことで起こる泡がみ音などの異音の発生や、循環ポンプ20内に水が全く無い状態で循環ポンプ20が長時間駆動し続けることによる異常温度上昇などを回避することができるので、循環ポンプの信頼性を向上させることができる。
また、本実施の形態1においては、風呂水を吸水して水槽3内に風呂水を供給する風呂水吸水手段7bを設けている。この風呂水吸水手段7bにより、風呂水を使用して運転する場合は、風呂水吸水手段7bの運転終了後に循環ポンプ20を駆動することにより、風呂水吸水手段7bと循環ポンプ20が同時に駆動することを防止する。
これにより、風呂水吸水手段7bと循環ポンプ20の2つのモータが同時に駆動することで生じる通常よりも大きな駆動音を防止することができ、使用者に不快感を与えることを回避することができる。
また、本実施の形態1においては、予約運転を設定する予約運転設定手段(図示せず)を設けている。この予約運転設定手段により予約運転の設定を行った場合の運転時は、水槽内循環工程の時間を、予約運転を行わない場合と比べ、例えば2倍に長くすることで、予約待機中に固化しがちな洗剤を十分に溶解できる。
これにより、予約運転時も十分な洗浄力を得るとともに、洗濯物への洗剤残り等を回避することができる。
また、本実施の形態1においては、水槽3内の洗濯水の水温を検知する洗濯水温検知手段(図示せず)を設けている。この洗濯水温検知手段により、例えば5℃程度と水温が低いと判断された場合は、水槽内循環工程の時間を、例えば20℃程度と水温が通常と判断された場合と比べ、例えば2倍程度に長くすることで、低水温時でも洗剤を十分に溶解することができる。
これにより、洗浄力が低下したり、洗濯物に洗剤残り等が起こりやすい水温が低い場合でも、十分な洗浄力を得るとともに、洗濯物への洗剤残り等を回避することができる。
なお、本実施の形態では、水槽3内の水を循環させるのに循環ポンプ20を洗濯機本体2の底部である台板2a上に設置する構成としたが、これに限定されるものではなく、循環ポンプ20を水槽3の下部3bに設置する構成でも良く、同等の効果を奏することができる。
本発明にかかるドラム式洗濯機は、洗い工程、すすぎ工程の少なくとも1つの工程の開始時に、循環ポンプの回転速度を洗濯水が回転ドラム内に入ることなく水槽の下方に落下する回転速度に制御する水槽内循環工程を設けたので、回転ドラム外の水槽内で洗剤や柔軟剤を早期に洗濯水に溶解しその濃度を均一にした後に、循環する洗濯水を回転ドラム内に供給するので、無用なコスト上昇を抑えつつ洗剤や柔軟材を早期に洗濯水に溶解させ、その後洗濯水を回転ドラム内に吐出供給するので、洗剤や柔軟剤の効果を向上させるとともに、洗濯物への洗剤残りやしみ等の発生を防止する効果を有し、有底円筒形に形成された回転ドラムを、開口する正面側から底部となる背面側に向けて回転軸方向が水平または水平方向から下向き傾斜となるようにして水槽内に設置し、回転ドラムを回転駆動することにより回転ドラム内に収容した洗濯物を洗濯するドラム式洗濯機として有用である。
本発明の実施の形態1に係るドラム式洗濯機の断面図
(a)同ドラム式洗濯機に用いた循環ポンプの断面図(b)同ドラム式洗濯機に用いた循環ポンプの側面図(c)同ドラム式洗濯機に用いた循環ポンプの下面図
(a)同ドラム式洗濯機の水循環経路の吐出側経路を水槽に接続するダクトを示す正面図(b)同ドラム式洗濯機の水循環経路の吐出側経路を水槽に接続するダクトを示す横断面図(c)同ドラム式洗濯機の水循環経路の吐出側経路を水槽に接続するダクトを示す縦断面図
3 水槽
3h 前端壁
4b 前端壁表面
20 循環ポンプ
51 噴射口