JP2010074106A - 半導体チップ、半導体ウェーハおよびそのダイシング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の素子形成領域20と、互いに交差する帯状に設けられて素子形成領域20を個別に囲む、層間絶縁膜22が積層されたスクライブ線領域30とからなるとともに、スクライブ線領域30同士の交差部に部分的に設けられた、複数の層間絶縁膜22の少なくとも一部を積層方向の上下より挟む複数の補強パッド34および補強パッド34同士を接続するビア36からなるチッピング防止構造38を備える半導体ウェーハ12。
【選択図】図3
Description
アライメントマーク40は、アルミニウムなどの金属材料を十字状などに皮膜形成してなり、スクライブ線領域30同士の交差部に配置されている。
層間絶縁膜22の上面にはバリア膜23がそれぞれ積層されている。
シールリング251を構成するリング状パッド211は、素子形成領域20内部の金属配線210と同層に設けられ、素子形成領域20の外縁に沿って周回する矩形の帯状に形成されている。そして、積層されたリング状パッド211同士は、同じく素子形成領域20を周回して設けられたシール壁24で互いに連結されている。
アライメントマーク40が設けられたスクライブ線領域30、素子形成領域20およびシールリング部25の上面は、透明な表面保護膜42で被覆されている。
このとき、半導体ウェーハには、切断の衝撃により、アライメントマークなどの金属層と層間絶縁膜との剥離や割れ、クラッキングなどの破壊(以下、これらを総称して「チッピング」という。)が生じる。
チッピングが生じると、シールリングが破壊されて素子形成領域への水の浸入が許容されたり、素子形成領域自体が損傷して半導体チップの電気特性が劣化したりするという問題が生じる。
前記素子形成領域および前記スクライブ線領域は、複数の層間絶縁膜が積層されており、
当該半導体チップの少なくとも一つのコーナー部におけるスクライブ線領域内に部分的に設けられた、前記複数の層間絶縁膜の少なくとも一層を積層方向の上下より挟む複数のコーナーパッドおよび前記複数のコーナーパッド同士を接続するビアからなる構造体を有する。
すなわち、構造体は、コーナー部の一つのみに対して、当該コーナー部の全体または一部に亘って設けられていてもよく、複数のコーナー部に対して、各コーナー部の全体または一部にそれぞれ設けられていてもよい。
前記素子形成領域および前記スクライブ線領域は、複数の層間絶縁膜が積層されており、
前記スクライブ線領域同士の交差部に部分的に設けられた、前記複数の層間絶縁膜の少なくとも一層を積層方向の上下より挟む複数のパッドおよび前記パッド同士を接続するビアからなる構造体を備える。
かかる原理により、半導体ウェーハには、ダイシングの終端となるスクライブ線領域の交差部においてチッピングが生じやすいといえる。
すなわち、上記半導体ウェーハによれば、ダイシング工程にて半導体チップを個片化する際のチッピングが防止される。スクライブ線領域に設けるコーナーパッドとビアの位置をそのコーナー部とすることにより、素子形成領域の有効面積を損なうことがなく、半導体ウェーハの高い利用効率を維持することができる。
そして、上記半導体チップによれば、ダイシング工程後の衝撃負荷によってコーナー部に生じるチッピングについても防止することが可能である。
前記素子形成領域と前記スクライブ線領域は、複数の層間絶縁膜が積層されており、
前記スクライブ線領域の少なくとも一つの交差部に部分的に、前記複数の層間絶縁膜の少なくとも一層を積層方向の上下より挟む複数層の金属製のパッドと、前記パッド同士を接続するビアとからなる構造体を設けるとともに、
前記構造体が設けられた前記交差部をダイシングの終端として前記素子形成領域を分離することを特徴とする。
本発明の半導体チップによれば、ダイシング工程時における生産性が向上し、また、ダイシング工程後についてもコーナー部で生じるチッピングの伸展を防止することができる。
図1は、図13の本実施形態の半導体ウェーハ12の点線Aで囲まれた領域を拡大した平面図である。説明のため、シールリング部25および補強パッド34にはハッチングを施している。
図2は、スクライブ線領域30同士の交差部32の近傍に関する平面図であり、図1において鎖線で囲った交差部32近傍の拡大図に相当する。
図3は、半導体ウェーハ12の積層断面図であり、図2のIII−III断面図に相当する。
はじめに、本実施形態の半導体ウェーハ12の概要について説明する。
半導体ウェーハ12は、複数の素子形成領域20と、互いに交差する帯状に設けられて素子形成領域20を個別に囲むスクライブ線領域30と、からなる。
素子形成領域20およびスクライブ線領域30は、複数の層間絶縁膜22が積層されている。
そして、本実施形態の半導体ウェーハ12は、スクライブ線領域30同士の交差部32に部分的に設けられた、複数の層間絶縁膜22の少なくとも一層を積層方向(図中上下方向)の上下より挟む複数のパッド(補強パッド34)および補強パッド34同士を接続するビア36からなる構造体(チッピング防止構造38)を備えている。
ダイシングラインDLを、図3に二点鎖線で示す。
なお、本実施形態の半導体ウェーハ12では、素子形成領域20とスクライブ線領域30との間にシールリング部25が素子形成領域20を周回して設けられている。
シールリング部25を構成するシールリング251は、リング状パッド211とシール壁24とが接続されて素子形成領域20の全周を覆っている。シールリング251はダイシング工程で切除されるものではなく、半導体チップ10に固有の領域として残置される。
補強パッド34は、スクライブ線領域30に部分的に設けられている。具体的には、スクライブ線領域30同士が交差する交差部32の全体または一部に亘って設けられている。
層間絶縁膜22やバリア膜23は、素子形成領域20とスクライブ線領域30とに亘って形成されている。
なお、本実施形態において半導体チップ10や半導体ウェーハ12を構成する積層の上下方向とは、基板16を下として金属配線層21を上とした場合の相対的な位置関係を示すものであり、必ずしも重力方向の上下を意味するものではない。
Low−k材料としては、SiOC(炭素含有シリコン酸化物)のほか、HSQ(ハイドロジェンシルセスキオキサン)、MSQ(メチルシルセスキオキサン)、またはMHSQ(メチル化ハイドロジェンシルセスキオキサン)等のポリハイドロジェンシロキサン、ポリアリールエーテル(PAE)、ジビニルシロキサンービスーベンゾシクロブテン(BCB)、またはSilk(登録商標)等の芳香族含有有機材料、SOG、FOX(登録商標)(flowable oxide)、サイトップ(登録商標)などの有機材料を用いることができる。
また、比較的大きな誘電率が許容される層間絶縁膜22には、非Low−k材料を用いることができる。非Low−k材料としては、酸化珪素(SiO2)などの無機絶縁材料を用いることができる。
素子形成領域20は、様々な回路パターンが金属配線210によってそれぞれ形成された内部回路領域やIO(Input/Output)領域を含んでいる。
金属配線層21は、パターニングされた金属配線210を含む層である。本実施形態の金属配線210には銅などの金属材料を用い、層間絶縁膜22の内部に局所的に埋め込んで設けられる。したがって、層間絶縁膜22と金属配線層21とは積層方向に一部重複していてよい。
したがって、金属配線層21で挟まれる層間絶縁膜22の厚さに関しても、下層(下層絶縁膜22c)では薄く、中間層(中間層絶縁膜22b)では中程度であり、上層(上層絶縁膜22a)では厚く形成される。
そして、金属パッド26および金属配線210は、互いにシール壁24で厚さ方向に連結されてシールリング251を構成している。
また、素子形成領域20の最表面には、透明な表面保護膜42が設けられている。本実施形態の表面保護膜42は複数の層が積層して構成されている。具体的には、シリコン酸化膜43(SiO2)、シリコン酸化窒化膜44(SiON)、およびポリイミド膜45が下層から順に積層されている。
本実施形態のスクライブ線領域30には、層間絶縁膜22を上下に挟む金属製のパッド(補強パッド34)が積層して設けられている。本実施形態の補強パッド34(34a,34b)は、金属パッド26および最上層の金属配線層21であるグローバル配線層21aとそれぞれ同層に設けられている。
そして、補強パッド34a,34bは、金属配線210と同一材料で構成されている。
すなわち、本実施形態の場合、上層にあたる補強パッド34aはアルミニウムからなり、下層の補強パッド34bは銅からなる。
ただし、補強パッド34を設ける積層高さ位置は種々をとることができ、後述する他の実施形態にて詳細に説明する。
ビア36は、素子形成領域20内部に設けられるシール壁24と同一の、銅などの金属材料からなる。ビア36は、同層で設けられるシール壁24と同一工程にて作製することができる。
具体的には、十字状をなす補強パッド34aの直下には、四本のL字状のビア361〜364が、線状部341,342に沿って、かつ当該L字の頂点を互いに突き合わせて配置されている。
したがって、半導体ウェーハ12をダイシングして素子形成領域20をそれぞれ個片化して半導体チップ10を作製するにあたっては、ビア361〜364同士の間をダイシングすることができる。すなわち、本実施形態の半導体ウェーハ12では、チッピング防止構造38を構成する金属製のビア361〜364をダイシングブレードが切断する必要がない。
すなわち、本実施形態において、十字状の交差部32に配置されるチッピング防止構造38は、平面視十字状である上層の補強パッド34aと、平面視L字状である下層の四つの補強パッド34bと、補強パッド34a,34bを互いに連結するビア36とで構成されている。
本実施形態による半導体ウェーハ12のダイシング方法を改めて説明する。この方法は、複数の素子形成領域20と、互いに交差する帯状に設けられて素子形成領域20を個別に囲むスクライブ線領域30と、からなる半導体ウェーハ12をダイシングして、素子形成領域20を含む半導体チップ10を個片化する方法に関する。
素子形成領域20とスクライブ線領域30には、複数の層間絶縁膜22が積層されている。
半導体ウェーハ12には、短冊状およびチップ状に個片化された際にも飛散することがないよう、基板16の裏面にダイシングシート(図示せず)が接着されている。そして、ダイシングブレードが半導体ウェーハ12のいずれかのエッジに対して斜め上方から押し当てられ、半導体ウェーハ12とともにダイシングシートの中途深さまでが切断される。
そして、本実施形態のダイシング方法では、チッピング防止構造38が設けられた交差部32をダイシングの終端として素子形成領域20を分離する。
半導体ウェーハ12を位置あわせする工程は様々であるが、ダイシング工程のほか、フォトリソグラフィー法を用いて表面保護膜42を成膜する際のマスクパターンとの位置あわせなどに用いることができる。
図4(a)は、本実施形態の半導体ウェーハ12をスクライブ線領域30でダイシングして得られる半導体チップ10の平面模式図であり、同図(b)はコーナー部33の拡大図である。
本実施形態の半導体ウェーハ12では、スクライブ線領域30同士の交差部32(図1を参照)は補強パッド34とともにダイシングされる。そして、ダイシング幅が切除されたスクライブ線領域30は、半導体チップ10のうち素子形成領域20の周辺に残置される。ダイシングされた半導体チップ10におけるスクライブ線領域30は、コーナー部33を含み、素子形成領域20の周囲に所定幅の帯状に形成される領域である。
素子形成領域20およびスクライブ線領域30は、複数の層間絶縁膜22が積層されている。
そして、本実施形態の半導体チップ10は、当該半導体チップ10の少なくとも一つのコーナー部33におけるスクライブ線領域30に部分的に設けられた、複数の層間絶縁膜22を積層方向の上下より挟む複数のコーナーパッド35および複数のコーナーパッド35同士を接続するビア362からなる構造体(チッピング防止構造38)を有している。
本実施形態の場合、図3に示すように、複数層のうち、最上層の層間絶縁膜22が補強パッド34(コーナーパッド35)で挟まれている。
すなわち、本実施形態の半導体チップ10は、素子形成領域20への水の浸入を防止するシールリング部25とともに、チッピング防止構造38を更に備えている。
すなわち、コーナーパッド35は、半導体チップ10のコーナー331のごく近傍のみならず、素子形成領域20の辺201に沿って、素子形成領域20の角部202を越える位置まで伸びて形成されている。
具体的には、本実施形態の半導体チップ10では、スクライブ線領域30の四つのコーナー部33にチッピング防止構造38がそれぞれ設けられている
すなわち、本実施形態の半導体チップ10および半導体ウェーハ12において、ビア36(361〜364)は、それぞれ一連の壁状に設けられた、いわゆるスリットビアであってもよく、または、微小間隔をあけて連続する複数本の柱状に設けられた、いわゆるつぶビアであってもよい。
ただし、ビア36の具体的な配置態様は種々をとることができ、後述する他の実施形態にて説明する。
本実施形態の半導体ウェーハ12は、スクライブ線領域30同士の交差部32にチッピング防止構造38を設けて層間絶縁膜22を補強している。これにより、当該交差部32を終端としてダイシングすることで、発生したチッピングの伸展を停止することができる。
また、層間絶縁膜22に外部から拘束力を与えることで、当該方向に割れが広がることが抑制され、チッピングの伸展が抑えられる。層間絶縁膜22を上下に挟む補強パッド34をビア36で連結することで、当該層間絶縁膜22は厚さ方向に拘束される。したがって、チッピング防止構造38を設けることにより、その近傍における層間絶縁膜22の内部や界面でのチッピングの伸展を抑制することができる。
また、ビア36同士の間をダイシングすることにより、スクライブ線領域30内でどちらの向きにチッピングが生じたとしても、ビア36およびこれと接続された補強パッド34とで当該チッピングを停止することができる。
これにより、半導体ウェーハ12をダイシングしてなる半導体チップ10のコーナー部33に、L字状のコーナーパッド35を形成することができる。
半導体チップ10は、層間絶縁膜22の少なくとも一層を積層方向の上下より挟む複数のコーナーパッド35と、複数のコーナーパッド35同士を接続するビア36とを、半導体素子領域11におけるスクライブ線領域内に部分的に備えている。具体的には、半導体素子領域11のコーナー部33にチッピング防止構造38は設けられている。これにより、当該コーナー部33を終端としてダイシングした場合に、素子形成領域20の内部にむけてチッピングが伸展することが防止されるため、本実施形態の半導体チップ10はダイシング工程における歩留まり率の高い構造であるといえる。
以上より、ダイシング工程およびその後の工程において、シールリング部25の内部や素子形成領域20の内部にチッピングが到達して半導体チップ10の機械的および電気的特性が低下することを防止することができる。
また本実施形態では、ビア36が、コーナーパッド35の延在方向に沿って伸びている。これにより、上記のチッピングの迂回による素子形成領域20への到達が、コーナーパッド35とともにビア36によっても防止される。よって、コーナーパッド35に挟まれた層間絶縁膜22の内部を伸展するチッピングを、ビア36によって好適に防止することができる。
本実施形態のダイシング方法は、スクライブ線領域30の少なくとも一つの交差部32に部分的に、複数の層間絶縁膜22の少なくとも一層を挟む複数層の金属製の補強パッド34と、補強パッド34同士を接続するビア36とからなるチッピング防止構造38を設けておき、かかる交差部32をダイシングの終端として素子形成領域20を分離する。
これにより、主としてチッピングが生じるダイシングの終端となる交差部32がチッピング防止構造38によって補強されるため、仮にチッピングが生じたとしても、これがシールリング部25や素子形成領域20の内部まで侵入することが防止される。
図5(a)から(d)は、半導体ウェーハ12のうち、スクライブ線領域30の交差部32に設けられたビア36の各種変形例を示す平面模式図である。十字状の補強パッド34その他の構成要素については第一実施形態と共通する。また、ビア36が複数列に並んで設けられており、十字状の補強パッド34の線状部341,342を直交X,Y軸上に配置した場合の各象限にビア36(361,362,363,364)がそれぞれ配置されることも第一実施形態と共通する。また、シールリング部25は図示を省略している。
これにより、ダイシングされて半導体チップ10のコーナー部33にそれぞれ設けられるコーナーパッド35は、複数列のビア36によって互いに接合されることとなる。これにより、チッピング防止構造38はより強固に構成される。
なお、複数列のビア36(例えばビア361a,361b)は、それぞれ線状部341,342の交差中心Cから均等な距離に至る長さで延在している。
図示の態様では、素子形成領域20に近接する側のビア361bが、スクライブ線領域30の交差中心Cに近接する側のビア361aよりも長く形成されている。
これにより、交差中心Cの近傍で発生したチッピングが、仮にビア361aで停止されなかった場合も、素子形成領域20やシールリング部25(図4を参照)をより広くカバーするビア361bによってこれを停止することができる。
また、よりダイシングラインDLに近接するビア361aの長さを短くすることにより、ダイシングブレードの刃面または側面がビア36に接触した場合であっても、その接触長さが短くなり、ダイシングブレードの損耗を抑制している。
各半導体チップ10に与えられるチッピング防止構造38を中空ブロック状とすることで、その剛性が向上し、交差部32に発生するチッピングをさらに好適に防止することができる。
かかる構成により、交差中心Cの近傍で生じて素子形成領域20の角部202に向かうチッピングの伸展方向に対してチッピング防止構造38の斜線部366が正対することとなるため、チッピングが素子形成領域20の内部に侵入することが好適に防止される。
図6(a),(b)は、本実施形態の半導体ウェーハ12におけるチッピング防止構造38を示す平面模式図である。シールリング部25は図示を省略している。
スクライブ線領域30の交差部32に設けられたチッピング防止構造38には、当該交差部32を挟んで隣接する素子形成領域20同士の間に、同層内で互いに分離して形成された複数の補強パッド34が設けられている。
したがって、分割パッド343a〜343d同士は、ダイシング幅以上の間隔をもって離間して設けられている。
かかる構成により、スクライブ線領域30をダイシングする際に、補強パッド34を切断する必要がないため、ダイシングブレードの損耗を抑えることができる。
また、補強パッド34を分割パッド343,344に同層内で分割したことにより、一方の分割パッドにチッピングが到達した場合の応力が、他の分割パッドに伝達されることを抑えている。
図7は、本実施形態の半導体ウェーハ12の積層断面図である。
本実施形態の半導体ウェーハ12は、三層以上の補強パッド34が積層されて、その最上層の補強パッド34aが下層の補強パッド34bとビア36で接続されている。
これにより、ダイシング時に半導体ウェーハ12の厚さ方向のどの高さ位置でチッピングが生じたとしても、これが層間絶縁膜22の内部または界面を伸展して素子形成領域20の内部まで到達することを防止する。
図8は、本実施形態の半導体ウェーハ12の積層断面図である。本実施形態の半導体ウェーハ12は、三層以上の補強パッド34が層間絶縁膜22をそれぞれ挟んで積層され、その一部の層の補強パッド34同士が互いにビア36で接続されている。
具体的には、本実施形態の半導体ウェーハ12の場合、比較的上層の絶縁膜(上層絶縁膜22aおよび中間層絶縁膜22bの一部もしくは全部)のみについて、これを挟む補強パッド34同士がビア36で接続されている。そして、下層絶縁膜22cについては、これを挟む補強パッド34同士をビアで接続していない。
ダミーパッド34cを設けることにより、素子形成領域20の内部の金属配線210をCMP(Chemical Mechanical Polishing)法で所定の厚さに研磨する際に、厚さ方向の研磨速度を素子形成領域20とスクライブ線領域30とで平準化することができる。
かかる作用は、ダミーパッド34cのみならず、ビア36で接続された補強パッド34a,34bも同様に有している。
すなわちチッピング防止構造38を構成する補強パッド34a,34bは、チッピングを防止する手段であるとともに、素子形成領域20とスクライブ線領域30の研磨速度を同等にする手段としても機能している。
図9は、本実施形態の半導体ウェーハ12の積層断面図である。本実施形態の半導体ウェーハ12は、多孔質絶縁膜からなる下層絶縁膜22cの最上層(最上位多孔質層22c1)を挟む補強パッド34同士がビア36で接続されている。
図10は、本実施形態の半導体ウェーハ12におけるチッピング防止構造38を示す平面模式図である。シールリング部25は図示を省略している。
本実施形態のチッピング防止構造38は、ビア36で接続された補強パッド34(343a〜343d)が、それぞれダイシングラインDLに沿って延在する二本の線状部341,342を含む。
11 半導体素子領域
12,112 半導体ウェーハ
16 基板
20 素子形成領域
201 辺
202 角部
21 金属配線層
210 金属配線
21a グローバル配線層
21b セミグローバル配線層
21c ローカル配線層
211 リング状パッド
22 層間絶縁膜
22a 上層絶縁膜
22b 中間層絶縁膜
22c 下層絶縁膜
23 バリア膜
24 シール壁
25 シールリング部
251 シールリング
26 金属パッド
30 スクライブ線領域
32 交差部
33 コーナー部
331 コーナー
34,34a,34b,34b1,34b2 補強パッド
34c ダミーパッド
341,342 線状部
343,344,343a〜343d,344a〜344d 分割パッド
35,351,352 コーナーパッド
36,361〜364,361a,361b ビア
365 平行線部
366 斜線部
38 チッピング防止構造
40 アライメントマーク
42 表面保護膜
43 シリコン酸化膜
44 シリコン酸化窒化膜
45 ポリイミド膜
DL ダイシングライン
EL 延長線
Claims (24)
- 素子形成領域と、前記素子形成領域の周囲を囲むスクライブ線領域と、からなる半導体チップであって、
前記素子形成領域および前記スクライブ線領域は、複数の層間絶縁膜が積層されており、
当該半導体チップの少なくとも一つのコーナー部におけるスクライブ線領域内に部分的に設けられた、前記複数の層間絶縁膜の少なくとも一層を積層方向の上下より挟む複数のコーナーパッドおよび前記複数のコーナーパッド同士を接続するビアからなる構造体を有する半導体チップ。 - 前記素子形成領域は前記複数の層間絶縁膜中に配線を備え、前記スクライブ線領域における前記コーナーパッドは前記配線と同層に設けられている請求項1に記載の半導体チップ。
- 前記コーナーパッドが、前記配線と同一材料で構成されている請求項2に記載の半導体チップ。
- 前記コーナー部には複数層の前記層間絶縁膜が積層されており、該複数層のうちの一部の前記層間絶縁膜が、前記ビアで互いに接続された前記コーナーパッドにて前記上下より挟まれていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の半導体チップ。
- 前記コーナー部には、基板の上部に、三層以上の前記コーナーパッドが前記層間絶縁膜をそれぞれ挟んで積層されており、
最上層の前記コーナーパッドが、下層の前記コーナーパッドと前記ビアで接続されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の半導体チップ。 - 前記コーナー部には、基板の上部に、多孔質有機材料からなる多孔質絶縁膜が前記層間絶縁膜として設けられるとともに、前記多孔質絶縁膜が前記コーナーパッドに挟まれており、かつ、
最上層の前記多孔質絶縁膜を挟む前記コーナーパッド同士が、前記ビアで接続されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の半導体チップ。 - 前記コーナー部には、三層以上の前記コーナーパッドが前記層間絶縁膜をそれぞれ挟んで積層されており、
すべての前記コーナーパッドが、前記ビアで互いに接続されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の半導体チップ。 - 二以上の前記コーナー部に、前記構造体が互いに離間してそれぞれ設けられている請求項1から7のいずれかに記載の半導体チップ。
- 前記ビアで接続された前記コーナーパッドの少なくとも一方が、前記コーナー部を挟む二辺にそれぞれ沿って延在する二本の線状部を含む請求項1から8のいずれかに記載の半導体チップ。
- 前記線状部の延在方向に沿って伸びる前記ビアが、複数列に並んで設けられている請求項9に記載の半導体チップ。
- 前記線状部が、互いに交差してL字状をなしている請求項9または10に記載の半導体チップ。
- 前記ビアで接続された前記コーナーパッドの少なくとも一方が、前記コーナー部に隣接する前記素子形成領域の辺の延長線を越えて設けられている請求項1から11のいずれかに記載の半導体チップ。
- 前記素子形成領域と前記スクライブ線領域との間に設けられて前記素子形成領域の周囲を囲むシールリング部をさらに備える請求項1から12のいずれかに記載の半導体チップ。
- 前記半導体チップのコーナーと前記シールリング部のコーナーとの間に、同層内で互いに分離して形成された複数の前記コーナーパッドが設けられている請求項13に記載の半導体チップ。
- 前記ビアで接続された前記コーナーパッドの少なくとも一方が、前記半導体チップのコーナーに対向して延在する斜線部を含む請求項1から14のいずれかに記載の半導体チップ。
- 複数の素子形成領域と、互いに交差する帯状に設けられて前記素子形成領域を個別に囲むスクライブ線領域と、からなる半導体ウェーハであって、
前記素子形成領域および前記スクライブ線領域は、複数の層間絶縁膜が積層されており、
前記スクライブ線領域同士の交差部に部分的に設けられた、前記複数の層間絶縁膜の少なくとも一層を積層方向の上下より挟む複数のパッドおよび前記パッド同士を接続するビアからなる構造体を備える半導体ウェーハ。 - 前記素子形成領域は前記複数の層間絶縁膜中に配線を備え、前記スクライブ線領域における前記パッドは前記配線と同層に設けられている請求項16に記載の半導体ウェーハ。
- 前記スクライブ線領域には複数層の前記層間絶縁膜が積層されており、該複数層のうちの一部の前記層間絶縁膜が、前記ビアで互いに接続された前記パッドにて前記上下より挟まれていることを特徴とする請求項16または17に記載の半導体ウェーハ。
- 複数列の前記ビアが、前記スクライブ線領域の幅方向に所定の間隔をもって互いに平行して設けられている請求項16から18のいずれかに記載の半導体ウェーハ。
- 前記ビアで接続された前記パッドの少なくとも一方が、前記スクライブ線領域の延在方向にそれぞれ伸びる二本の線状部が交差した十字状をなす請求項16から19のいずれかに記載の半導体ウェーハ。
- 前記素子形成領域と前記スクライブ線領域との間に、前記素子形成領域の周囲を囲むシールリング部が設けられている請求項16から20のいずれかに記載の半導体ウェーハ。
- 前記構造体が、前記スクライブ線領域同士のすべての交差部にそれぞれ設けられている請求項16から21のいずれかに記載の半導体ウェーハ。
- 複数の素子形成領域と、互いに交差する帯状に設けられて前記素子形成領域を個別に囲むスクライブ線領域と、からなる半導体ウェーハをダイシングして、前記素子形成領域を含む半導体チップを個片化する方法であって、
前記素子形成領域と前記スクライブ線領域は、複数の層間絶縁膜が積層されており、
前記スクライブ線領域の少なくとも一つの交差部に部分的に、前記複数の層間絶縁膜の少なくとも一層を積層方向の上下より挟む複数層の金属製のパッドと、前記パッド同士を接続するビアとからなる構造体を設けるとともに、
前記構造体が設けられた前記交差部をダイシングの終端として前記素子形成領域を分離することを特徴とする半導体ウェーハのダイシング方法。 - 前記パッドの少なくとも一部を、前記半導体ウェーハを位置あわせするためのアライメントマークとして用いることを特徴とする請求項23に記載の半導体ウェーハのダイシング方法。
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