JP2010068596A - 電動機駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電機子巻線鎖交磁束量の可変制御が可能な電動機を駆動する駆動装置において、駆動装置の小型化と電動機の高出力化とを両立する。
【解決手段】電動機10は、界磁巻線50に界磁電流を流すことによって形成される界磁極を有する。昇圧コンバータ120は、バッテリBの出力電圧を電圧変換して電源ライン107および接地ライン105間に出力する。界磁巻線50は、バッテリBおよび電源ライン107間の電流経路上に電気的に接続され、スイッチング素子Q1によってスイッチングされた電圧が両端に印加されるように構成される。制御装置100は、スイッチング素子Q1および界磁巻線50に並列接続されるスイッチング素子Q3をスイッチング制御することにより、界磁電流を制御してロータおよびステータの間の磁束密度を調整するとともに、バッテリBの出力電圧を電圧指令値に従った電圧に変換する。
【選択図】図6

Description

この発明は、電動機駆動装置に関し、より特定的には、電機子巻線鎖交磁束量を調整可能な電動機を駆動するための電動機駆動装置に関する。
最近、環境に配慮した自動車としてハイブリッド自動車(Hybrid Vehicle)および電気自動車(Electric Vehicle)が注目されている。ハイブリッド自動車は、従来のエンジンに加え、インバータを介して直流電源により駆動されるモータを動力源とする自動車である。つまり、エンジンを駆動することにより動力源を得るとともに、直流電源からの直流電圧をインバータによって交流電圧に変換し、その変換した交流電圧によりモータを回転することによって動力源を得るものである。
また、電気自動車は、直流電源とインバータとインバータによって駆動されるモータとを動力源とする自動車である。
このようなハイブリッド自動車や電気自動車の駆動用モータとしては、回転子(以下、ロータとも称する。)に永久磁石を備え、その永久磁石による磁極と、固定子(以下、ステータとも称する。)において発生する回転磁界との磁気作用によって回転する永久磁石型モータや、ロータに界磁コイルを備え、界磁コイルに界磁電流を流すことによってロータに発生する磁界の回転軸と垂直方向の成分と、ステータにおいて発生する回転磁界との磁気作用によって回転する界磁巻線型モータなどが検討されている。
さらに、ハイブリッド自動車または電気自動車においては、直流電源からの直流電圧を昇圧コンバータによって昇圧し、その昇圧した直流電圧をモータを駆動するインバータに供給することも検討されている。
たとえば、特開2005−143157号公報(特許文献1)は、車両に設けられて動力を発生する界磁巻線モータと、バッテリと、バッテリと界磁巻線モータとの間に設けられた昇降圧インバータと、車両の運転状態に応じて界磁制御および昇降圧制御を行なうコントローラとを備える車両用モータ制御装置を開示する。
これによれば、昇降圧インバータは、インバータ部、昇降圧部およびコンデンサで構成される。昇降圧インバータは、バッテリからエンジン始動用界磁巻線モータ(始動用モータ)への電力の供給、および昇降圧部から始動用モータおよび後輪駆動用界磁巻線モータ(後輪駆動用モータ)の界磁巻線への電力供給を行なう。この場合、界磁巻線への電力供給の制御は、コントローラが界磁制御回路をオン・オフすることによって行なう。
特開2005−143157号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載の車両用モータ制御装置によれば、界磁巻線への電力供給を制御するための界磁制御回路が必要となる。そのため、車両用モータ制御装置の体格が大きくなるという問題が生じる。これらは、車両の室内空間を確保する観点から高まりつつある装置体格の小型化の要求に反するものである。
それゆえ、この発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、小型化と電動機の高出力化とを両立させた電動機駆動装置を提供することである。
この発明によれば、電動機駆動装置は、界磁巻線を含み、界磁巻線に界磁電流を流すことによって形成される界磁極を有する電動機の駆動装置である。電動機駆動装置は、電源と、電源の出力電圧を電圧変換して、第1および第2の電源線間に出力するコンバータと、第1および第2の電源線間の電圧を受けて、電動機を駆動制御する電力に変換するインバータとを備える。コンバータは、界磁巻線および第2の電源線間に電気的に接続される昇圧用スイッチング素子を含む。界磁巻線は、電源および第1の電源線間の電流経路上に電気的に接続されて、昇圧用スイッチング素子によってスイッチングされた電圧が両端に印加されるように構成される。電動機駆動装置は、界磁巻線に並列に接続される界磁用スイッチング素子と、昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子をスイッチング制御することにより、界磁電流を制御してロータおよびステータの間の磁束密度を調整するとともに、コンバータから第1の電源線に出力される昇圧電流を制御して電源の出力電圧を電圧指令値に従った電圧に変換する制御装置とをさらに備える。制御装置は、電圧指令値が電源の出力電圧に略等しい場合には、電動機の回転数および要求されるトルクに応じて界磁電流の目標値を設定し、その設定した界磁電流の目標値に基づいて、昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とを設ける。
好ましくは、制御装置は、電動機の回転数および要求されるトルクに応じて、界磁電流の目標値を設定する目標電流設定手段と、界磁電流の目標値に基づいて昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子のデューティー比を演算するデューティー比演算手段と、演算されたデューティー比に従って昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子をスイッチングするためのスイッチング制御信号を生成する制御信号生成手段とを含む。制御信号生成手段は、昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とが、デューティー比に従って設けられるようにスイッチング制御信号を生成する。
好ましくは、制御装置は、電圧指令値が電源の出力電圧よりも高い場合には、電動機の回転数および要求されるトルクに応じて昇圧電流の目標値をさらに設定し、界磁電流および昇圧電流の目標値に基づいて、昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子がオフされる期間と、界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とを設ける。
好ましくは、制御装置は、電動機の回転数および要求されるトルクに応じて、界磁電流の目標値および昇圧電流の目標値を設定する目標電流設定手段と、界磁電流の目標値および昇圧電流の目標値に基づいて昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子のデューティー比を演算するデューティー比演算手段と、演算されたデューティー比に従って昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子をスイッチングするためのスイッチング制御信号を生成する制御信号生成手段とを含む。制御信号生成手段は、昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子がオフされる期間と、界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とが、デューティー比に従って設けられるようにスイッチング制御信号を生成する。
好ましくは、電動機駆動装置は、電源および第1の電源線の間に界磁巻線をバイパスするように電流径路を形成するためのバイパス用スイッチング素子をさらに備える。制御装置は、電圧指令値が電源の出力電圧に等しく、かつ、界磁電流の目標値が所定値以下となる場合には、バイパス用スイッチング素子のオンデューティーを1に設定し、かつ、昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子をオフする。
好ましくは、電動機は、車両の駆動力を発生可能に構成される。制御装置は、車両の運転者のアクセル操作に基づいて車両の要求駆動力を演算し、その演算された車両の要求駆動力から電動機に要求されるトルクを演算する手段と、電動機の回転数および電動機に要求されるトルクに応じて、電圧指令値を設定する手段をさらに含む。デューティー比演算手段は、電動機の回転数が、電圧指令値が電源の出力電圧に等しくなる所定の回転数域にある場合には、界磁電流の目標値に基づいて昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子のデューティー比を演算する。制御信号生成手段は、昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とが、デューティー比に従って設けられるようにスイッチング制御信号を生成する。
好ましくは、デューティー比演算手段は、電動機の回転数が所定の回転数域を超える場合には、界磁電流および昇圧電流の目標値に基づいて昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子のデューティー比を演算する。制御信号生成手段は、昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子がオフされる期間と、界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とが、デューティー比に従って設けられるようにスイッチング制御信号を生成する。
好ましくは、電動機駆動装置は、電源および第1の電源線の間に界磁巻線をバイパスするように電流径路を形成するためのバイパス用スイッチング素子をさらに備える。デューティー比演算手段は、電動機に要求されるトルクが、電動機が出力可能な最大トルクを下回る場合には、バイパス用スイッチング素子のオンデューティーを1に設定する。制御信号生成手段は、オンデューティーに従ってバイパス用スイッチング素子がオンされ、かつ、昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子がオフされるようにスイッチング制御信号を生成する。
好ましくは、電動機は、回転可能な回転シャフトと、回転シャフトに固設されたロータコアと、異なる磁性の一組の磁極が、ロータコアの径方向に並ぶようにロータコアに設けられた磁石と、筒状に形成されたステータコアと、ステータコアの外周に設けられた界磁ヨークと、界磁ヨークとロータコアとの間に磁気回路を形成することで、ロータコアとステータコアとの間の磁束密度を制御可能に構成された界磁巻線とを備える。
本発明によれば、電機子巻線鎖交磁束量の可変制御が可能な電動機を駆動する駆動装置において、駆動装置の小型化と電動機の高出力化とを両立させることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[電動機の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る電動機駆動装置に適用される電動機の側断面図であり、図2は、図1のII−II線における断面図である。
図1および図2を参照して、電動機10は、回転シャフト41と、回転シャフト41に固設されたロータ(回転子)40と、ステータ(固定子)30の外周に設けられた界磁ヨーク21と、界磁コイル50とを備える。
ロータ40とステータ30との間には、エアギャップGPが設けられており、僅かに径方向に離間するように配置されている。
ロータ40は、回転シャフト41に固設されたロータコア43と、ロータコア43の外表面に設けられた磁石44とを含む。
ロータコア43は、円筒状に形成された積層ロータコア43aと、積層ロータコア43aの内周に設けられた圧粉ロータコア43bとからなる。圧粉ロータコア43bは、一体の磁性材料から構成されており、具体的には粉末成形磁性体(SMC:Soft Magnetic Composites)から構成されている。
積層ロータコア43aは、複数の電磁鋼板を軸方向に積層して構成されており、該電磁鋼板間に生じる隙間によって、軸方向の磁気抵抗が、径方向および周方向の磁気抵抗よりも大きくなっている。そのため、積層ロータコア43aの内部においては、磁石からの磁力線は、軸方向に流れ難く、径方向および周方向に流れ易くなっている。
これに対して、圧粉ロータコア43bは、粉末成形磁性体から構成されているため、軸方向の磁気抵抗は、積層ロータコア43aの軸方向の磁気抵抗よりも小さくなる。そのため、圧粉ロータコア43bの内部では、磁力線は軸方向に流れ易くなっている。
そして図2に示すように、積層ロータコア43aの外表面には、等間隔に隔てて設けられ、かつ、径方向外方に向けて突出する複数のロータティース(第1突極部)45が形成されている。
隣り合うロータティース45の間には、磁石44が設けられる。ロータティース45の外表面と磁石44の外表面とは、いずれも、回転シャフト41の中心軸線を中心とする仮想の同一円周上に位置している。すなわち、磁石44は、ロータ40の周方向にロータティース45と隣り合うように設けられ、かつ、各外周面が面一となるように設けられている。
磁石44のN極(第1磁極)とS極(第2磁極)とは、ロータ40の径方向に並ぶように配置されている。なお、本実施の形態においては、磁石44のN極がロータコア43の径方向外方に向けて配置され、磁石44のS極がロータコア43の径方向内方に向けて配置されているが、逆となるように配置されてもよい。
ステータ30は、中空円筒状に形成されたステータコア22と、ステータコア22の内表面に形成され、ステータコア22の径方向内方に向けて突出する複数のステータティース(第2突極部)23と、ステータティース23に巻き付けられたコイル24とを含む。
ステータティース23は、周方向に等間隔を隔てて形成されている。コイル24の一部はU相コイルを構成し、残りの一部のコイル24はV相コイルを構成し、残りのコイル24はW相コイルを構成する。そして、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルは、一方端が端子とされて図示しないインバータの三相ケーブル(U相ケーブル、V相ケーブルおよびW相ケーブル)にそれぞれ接続される。さらに、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルは、他方端が1点に共通接続されて中性点とされる。
制御装置100(図1)は、電動機駆動装置の外部に設けられたECU(Electronic Control Unit)からトルク指令値を受けると、その受けたトルク指令値によって指定されたトルクを出力するように、電動機10の各相に流す電流(モータ駆動電流)を制御する。制御されたモータ駆動電流は、三相ケーブルを介してコイル24へ供給される。
ステータコア22は、磁性鋼板を複数積層して形成されるため、磁性鋼板間にはエアギャップが生じている。そのため、ステータコア22の径方向および周方向の磁気抵抗は、軸方向の磁気抵抗よりも小さくなっている。これにより、ステータコア22内に入り込んだ磁力線は、ステータコア22の周方向および径方向に流れ易く、軸方向に流れ難くなっている。
図1に示すように、界磁ヨーク21は、ステータ30およびロータ40の両端部から軸方向に離間した位置に配置された天板部21aと、この天板部21aの周縁部に形成された円筒状の側壁部21bと、天板部21aに形成された円筒状の突部21cとを備えている。
天板部21aの中央部には、貫通孔21dが形成されており、貫通孔21d内には軸受46を介して、回転シャフト41が挿入されている。側壁部21bは、ステータコア22の外表面に固設されている。
界磁ヨーク21は、一体の磁性材料から構成されており、具体的には、3次元完全等方材料である粉末成形磁性体(SMC)から構成されている。このため、界磁ヨーク21の軸方向の磁気抵抗は、ステータコア22の軸方向の磁気抵抗より小さくされている。
突部21cは、天板部21aの内表面に形成され、圧粉ロータコア43bの軸方向端部に向けて突出している。そして、突部21cの端部と圧粉ロータコア43bの端部との間で、磁力線が途切れない程度に、突部21cの端部と圧粉ロータコア43bの端部とが近接している。
このため、磁石44の表面からエアギャップGPおよびステータコア22を介して界磁ヨーク21に達し、界磁ヨーク21内を軸方向に流れ、突部21cから圧粉ロータコア43b内に入り込み、磁石44のS極に戻るという磁気回路(第1磁気回路)を形成することができる。
この磁気回路において、ステータコア22の径方向の磁気抵抗は小さく抑えられており、界磁ヨーク21内の磁気抵抗も小さく抑えられており、さらに、圧粉ロータコア43bの磁気抵抗も小さく抑えられているため、磁気エネルギーのロスを小さく抑えることができる。
なお、図1に示す例においては、円筒状の突部21cが界磁ヨーク21に形成されているが、圧粉ロータコア43bの端部に設けてもよい。
界磁コイル(巻線)50は、突部21cの外周面に巻き付けられている。この界磁コイル50に電流を流すことにより、突部21cの端部側にたとえば、N極の磁性を持たせるとともに、側壁部21bにS極の磁性を持たせることができる。あるいは、突部21cの端部側にS極の磁性を持たせるとともに、側壁部21bにN極の磁性を持たせることができる。なお、本実施の形態においては、界磁コイル50は、界磁ヨーク21の突部21cに設けられているが、この位置に限られず界磁ヨーク21に設けられていればよい。ここで、界磁コイル50が界磁ヨーク21に設けられているとは、界磁コイル50が界磁ヨーク21の表面に当接している場合に限られず、界磁ヨーク21内の磁力線の流れを制御可能な程度であれば、界磁ヨーク21の表面から離間している場合も含む。
上記のように構成された電動機10の動作について、図3および図4を用いて説明する。図3は、図1に示す界磁コイル50の電流が供給された状態における電動機10の側断面図であり、図4は、図3のIV−IV線における断面図である。
図3を参照して、界磁コイル50に電流を流すことにより、磁力線mt4を発生される。この磁力線mt4は、界磁ヨーク21の天板部21aを通り、側壁部21bからステータコア22内に入り込む。そして、磁力線mt4は、エアギャップGPを解して、ロータコア43内に入り込み、ロータコア43内を軸方向に進む。その後、磁力線mt4は、ロータコア43の軸方向端面から、突部21cの端面を介して、界磁ヨーク21内に入り込む。
このような磁気回路を発生させることにより、界磁ヨーク21の突部21cがS極の磁性を帯び、界磁ヨーク21の側壁部21cがN極の磁性を帯びることになる。
図4においては、磁石44の端部のうち、ロータ40の回転方向P前方側の端部側にステータティース23aが配置されており、磁石44の外主面の周方向の中央部は、ステータティース23aの端面の周方向の中央部に回転方向Pの後方側に位置している。このステータティース23aの内径側の端面がS極とされている。
このため、磁石44の外主面から出る磁力線mt1〜mt4は、径方向外方に向かうに従って、回転方向Pの前方側に向かうように傾斜し、ステータティース23aの端面に達する。このように、磁石44およびステータティース23a間の磁力線mt1〜mt3の磁気経路が傾斜し長くなっているので、磁気経路が最短となるようにロータ40に応力が加えられる。すなわち、磁石44は、ステータティース23aに向けて引っ張られることとなる。
ステータティース23aに対して、ロータ40の回転方向P後方側には、ステータティース23bが設けられており。このステータティース23bは、磁石44の中央部付近と対向している。ステータティース23bの内径側の端面は、N極とされており、磁石44と反発している。
このため、ステータティース23aからステータコア22内に入り込んだ磁力線mt1〜mt3は、ステータコア22内を周方向に流れる。このとき、上述したように、界磁コイル50に電流を流したことによって側壁部21bの内壁面がN極となっている。そのため、磁石44からの磁力線mt1〜mt3は、ステータティース23aの端面からステータコア22内に入り込むと、ステータコア22の周方向に沿って進む。すなわち、磁力線mt1〜mt3が、ステータティース23aに達した後、ステータコア22内を径方向に流れ、界磁ヨーク21に達するのが抑制されている。
そして、ステータティース23bに対して、ロータ40の回転方向P後方側には、ステータティース23cが設けられており、内径側の端面はN極とされている。このステータティース23cはロータティース45aと対向している。
ここで、ロータティース45aに隣接する磁石44の外表面はN極とされているため、ステータティース23cの端面からロータティース45aに向かう磁力線mt1〜mt3は、この磁石44のN極の影響を受けて、回転方向P後方に傾斜するようにロータティース45aに向けて流れる。そして、この経路長が最短となるように、ロータティース45aがステータティース23cに向けて良好に引き寄せられる。
このように、磁力線mt1〜mt3は、磁石44からエアギャップGPを介して、ステータティース23aに達してステータコア22内を周方向に通り、その後、ステータティース23cからエアギャップGPを介して積層ロータコア43a内に達し、再度磁石44に戻るという磁気回路K1を形成する。
一方、界磁コイル50に電流が供給されていない状態では、磁石44からの磁力線mt1〜mt3の一部(たとえば磁力線mt3)は、ステータティース23aに達した後、ステータコア22内を径方向に流れ、界磁ヨーク21に達する。そして、磁力線mt3は、界磁ヨーク21を軸方向に通り、突部21cから圧粉ロータコア43b内に入り込み、再度磁石44に戻るという磁気回路K2(図示せず)を形成する。
すなわち、界磁コイル50に電流を流すことによって、磁石44から発せられる磁力線mt1〜mt3が磁気回路K2を通ることを抑制し、磁力線mt1〜mt3が磁気回路K1を通るように制御することができる。これにより、磁石44から生じる一定の磁束量のうち、トルクの発生に大きく貢献する磁気回路K1を通る磁束量の割合を増加することができるため、大きなトルクを得ることができる。
さらに、界磁コイル50によって生じる磁力線mt4は、図4に示すように、磁気回路K1の一部であって、ステータティース23cからロータティース45aに達する経路を通り、その後、圧粉ロータコア43bに達する。このため、磁力線mt4もトルクの発生に寄与する。
以上に説明したように、界磁コイル50に電流を流すことによって、電動機10には「強め界磁制御」が施される。図5は、電動機10のトルクと回転数との関係を示す図である。なお、以下においては、界磁コイル50に供給される電流を「界磁電流」とも称し、かつ、該界磁電流を符号Ifを用いて表記することとする。
図5において、曲線k1は、界磁コイル50に電流が供給されていない状態(界磁電流If=0)における電動機10の出力特性を示す。一方、曲線k2は、界磁コイル50に電流が供給された状態(界磁電流If≠0)における電動機の出力特性を示す。
図5に示されるように、界磁コイル50に電流を流して電動機10に強め界磁制御を行なうことにより、低回転数から高回転数までの幅広い領域においてトルクが大きくなっていることが分かる。特に、回転数が低い領域において、大きなトルクが得られている。
なお、界磁コイル50に流す電流の向きを反転することにより電動機10に「弱め界磁制御」を施すこともできる。この場合、界磁コイル50に電流を流すことによって、磁気回路K1を通る磁束量の割合が減少する。
また、本実施の形態によれば、ロータ40の外周面のうち、磁石44の表面は、磁力線を発する領域として機能しており、ロータティース45は、発せられた磁力線を取り込む領域として機能している。そして、磁石44およびロータティース45は、ロータ40の軸方向に亘って延在しているため、ロータ40の外周面は、磁石44の表面とロータティース45の表面とから構成されている。そのため、ロータティース45の外周面の略全面を、磁力線の出力領域および磁力線の取入領域として機能させることが可能となるため、ロータ40の外周面の利用効率を向上することができる。その結果、小型のロータ40であっても所要の磁束量の出し入れを行なうことができるため、ロータ40自体をコンパクトに構成することができる。
[電動機駆動装置の構成]
上述したように、本実施の形態によれば、電動機10の界磁制御は、界磁コイル50を流れる界磁電流Ifによって磁気回路K1を通る磁束量と磁気回路K2を通る磁束量を調整することにより、電機子巻線鎖交磁束量を調整することにより行なわれる。
しかしながら、かかる界磁制御を実現するためには、界磁コイル50に界磁電流Ifを供給するための電源回路を新たに設置する必要が生じる。この電源回路の設置は、電動機駆動装置を大型化させる、および装置コストを増大させるといった不具合に繋がる。
そこで、本実施の形態による電動機駆動装置は、以下に述べるように、電源からの電圧を電動機10の駆動電圧に変換するための電力変換装置の構成要素であるリアクトルを、界磁コイル50として兼用する構成とする。
図6は、本発明の実施の形態に従う電動機駆動装置の概略ブロック図である。
図6を参照して、電動機駆動装置1000は、バッテリBと、昇圧コンバータ120と、インバータ140と、コンデンサC2と、電圧センサ110,130と、電流センサ240とを備える。
電動機10は、図1および図2で示される構成からなる。すなわち、電動機10は、回転シャフトに固設されたロータと、ステータの外周に設けられた界磁ヨークと、界磁コイル50とを備えている。
本実施の形態において、電動機10は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。また、電動機10は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえばエンジン始動を行ない得るようなモータである。
バッテリBは、ニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池からなる。なお、本実施の形態では、二次電池で構成されたバッテリBを「直流電源」とする構成について説明するが、バッテリBに代えて、電気二重層キャパシタ等の蓄電装置を適用することも可能である。電圧センサ110は、バッテリBから出力される直流電圧VBを検出し、検出した直流電圧VBを制御装置100へ出力する。
昇圧コンバータ120は、リアクトルL1と、スイッチング制御される電力用半導体スイッチング素子(以下、単に「スイッチング素子」とも称する)Q1,Q2とを含む。
リアクトルL1は、一方端がバッテリBの電源ライン106に接続され、他方端がスイッチング素子Q1およびスイッチング素子Q2の接続ノードに接続される。なお、本実施の形態において、リアクトルL1は、電動機10の界磁ヨーク21(図1)に巻き付けられる。すなわち、リアクトルL1は、スイッチング素子Q1,Q2によってスイッチングされた電圧が印加されるとともに、電動機10における界磁コイル50を構成する。
スイッチング素子Q1,Q2は、電源ライン107と接地ライン105との間に直列に接続される。スイッチング素子Q1,Q2のオン・オフは、制御装置100からのスイッチング制御信号SE1,SE2によって制御される。
この発明の実施の形態において、スイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、あるいは、電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子Q1,Q2に対しては、逆並列ダイオードD1,D2が配置されている。
平滑コンデンサC2は、電源ライン107および接地ライン105の間に接続される。電圧センサ130は、平滑コンデンサC2の両端の電圧VH(昇圧コンバータ120の昇圧後電圧に相当)を検出し、その検出した電圧VHを制御装置100へ出力する。
インバータ140の直流電圧側は、電源ライン107および接地ライン105を介して昇圧コンバータ120と接続される。
インバータ140は、電源ライン107および接地ライン105の間に並列に設けられる、U相アーム150と、V相アーム160と、W相アーム170とから成る。各相アームは、電源ライン107および接地ライン105の間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。たとえば、U相アーム150は、スイッチング素子Q5,Q6から成り、V相アーム160は、スイッチング素子Q7,Q8から成り、W相アーム170は、スイッチング素子Q9,Q10から成る。また、スイッチング素子Q5〜Q10に対して、逆並列ダイオードD5〜D10がそれぞれ接続されている。スイッチング素子Q5〜Q10のオン・オフは、制御装置100からのスイッチング制御信号PWMIによって制御される。
各相アームの中間点は、電動機10の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、電動機10は、3相同期モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通に接続されて構成される。U相コイルの他端がスイッチング素子Q5,Q6の中間点に、V相コイルの他端がスイッチング素子Q7,Q8の中間点に、W相コイルの他端がスイッチング素子Q9,Q10の中間点にそれぞれ接続されている。インバータ140は、制御装置100からのスイッチング制御信号PWMIに応答したスイッチング素子Q5〜Q10のオン・オフ制御(スイッチング制御)により、昇圧コンバータ120と電動機10との間で双方向の電力変換を行なう。
具体的には、インバータ140は、制御装置100によるスイッチング制御に従って、電源ライン107から受ける直流電圧を3相交流電圧に変換し、その変換した3相交流電圧を電動機10へ出力することができる。これにより、電動機10は、指定されたトルクを発生するように駆動される。
また、インバータ140は、電動機駆動装置1000が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、電動機10が発電した3相交流電圧を制御装置100によるスイッチング制御に従って直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を電源ライン107へ出力することができる。
なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合との回生発電を伴なう制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車速を減速(または加速を中止)させることを含む。
電動機10には電流センサ240が設けられる。3相電流Iu,Iv,Iwの瞬時値の和は零であるので、図6に示すように電流センサ240は2相分のモータ電流(たとえば、U相電流IuおよびW相電流Iw)を検出するように配置すれば足りる。電流センサ240によって検出されたモータ電流Iu,Iwは制御装置100へ入力される。さらに、制御装置100は、モータ指令としての、電動機10のトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNの入力を受ける。
以上の構成からなる電動機駆動装置1000において、昇圧コンバータ120は、電源ライン106および107の間に形成される電流経路上に電気的に接続されるリアクトルL1を含むチョッパ型回路として構成される。リアクトルL1の両端には、スイッチング素子Q1,Q2のオン・オフによりスイッチングされた電圧が印加される。
さらに、リアクトルL1は、電動機10の界磁ヨーク21に巻き付けられることによって界磁コイル50(図1)を構成する。したがって、リアクトルL1に電流が流れることにより、上述したような電動機10の界磁制御が行なわれることになる。
このように昇圧コンバータ120のリアクトルL1を電動機10の界磁コイル50として兼用する構成としたことによって、界磁コイル50には電源ライン106および107の間を流れる電流が供給されることになる。したがって、界磁コイル50に電流を供給するための電源回路を新たに設ける必要性がなくなるため、電動機駆動装置1000が大型化する、および装置コストが増大するのを防止することができる。
しかしながら、その一方で、本構成では、昇圧コンバータ120による昇圧動作を行なっているときには、界磁コイル50には常に電流が駆動されるため、必然的に電動機10の界磁制御が行なわれることになる。そして、このときの界磁電流は、昇圧コンバータ120における昇圧比に依存した大きさとなるため、上述した電機子鎖交磁束量の調整に必要な電流値に必ずしも一致したものとはなっていない。
すなわち、リアクトルL1を界磁コイル50として兼用した構成では、電動機10の界磁制御と昇圧動作の制御(昇圧制御)とを互いに独立して実行することができないという問題が生じる。その結果、車両の運転状態に応じて適宜変化する電動機10への要求出力に追随するように電動機10の駆動制御できない可能性がある。
そこで、本実施の形態による電動機駆動装置は、図6に示すように、リアクトルL1に対して並列接続されたスイッチング素子Q3およびダイオードD3をさらに備える構成とする。本構成においてスイッチング素子Q3をオンすることにより、リアクトルL1に蓄積された電力に応じて、直流電流がスイッチング素子Q3およびダイオードD3に流れるように電流経路が形成される。
図6の構成において、昇圧コンバータ120のスイッチング素子Q1が本発明での「昇圧用スイッチング素子」に対応し、スイッチング素子Q3が本発明での「界磁用スイッチング素子」に対応する。
本実施の形態では、制御装置100は、以下に述べるように、電動機10の力行動作時には、スイッチング素子Q1,Q2のスイッチング制御に併せて、スイッチング素子Q3のスイッチング制御を実行する。これにより、昇圧コンバータ120における昇圧制御と電動機10の界磁制御とを互いに独立に実行することができる。
[電動機駆動装置の制御構造]
電子制御ユニット(ECU)で構成される制御装置100は、マイクロコンピュータ、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)(ともに図示せず)を含んで構成される。制御装置100は、所定のプログラム処理に従って、上位の電子制御ユニット(ECU)から入力されたモータ指令に従って電動機10が動作するように、昇圧コンバータ120およびインバータ140のスイッチング制御のためのスイッチング制御信号SE1,SE2(昇圧コンバータ120)、およびPWMI(インバータ140)を生成する。すなわち、制御装置100は、昇圧コンバータ120およびインバータ140による電力変換動作を制御する。
さらに、制御装置100は、電動機10の界磁コイル50に界磁電流Ifが供給されるように、リアクトルL1に並列接続されたスイッチング素子Q3のスイッチング制御のためのスイッチング制御信号SE3を生成する。すなわち、制御装置100は、電動機10の界磁制御を実行する。
本実施の形態では、制御装置100は、電動機10の運転状態に応じて昇圧コンバータ120の出力電流(以下、昇圧電流とも称する)Ibの目標値(目標昇圧電流)Ib*を設定するとともに、界磁電流Ifの目標値(目標界磁電流)If*を設定する。そして、目標昇圧電流Ib*および目標界磁電流If*に基づいて、スイッチング素子Q1,Q3のデューティー比(オン期間比率)を設定する。以下に、スイッチング素子Q1,Q3のデューティー比の設定動作について説明する。
図7は、制御装置100によるスイッチング素子Q1〜Q3のスイッチング制御を説明するための図である。当該スイッチング制御は、図中のパターン(i)からパターン(iii)までを制御の1周期として行なわれる。図8は、スイッチング制御の1周期における界磁電流Ifおよび昇圧電流Ibのタイミングチャートである。
パターン(i)を参照して、最初に、スイッチング素子Q1がオンされ、スイッチング素子Q2,Q3がオフされることにより、直流電流は、図中に矢印で示されるように、バッテリB、リアクトルL1およびスイッチング素子Q1からなる回路をバッテリBからスイッチング素子Q1の方向へ流れる。この期間において、リアクトルL1には電力は蓄積される。そのため、図8に示されるように、当該期間(期間T1に相当)において、リアクトルL1を流れる電流(界磁電流)Ifは増加する。
次に、パターン(ii)に示すように、スイッチング素子Q1がオフされることにより、スイッチング素子Q1〜Q3が全てオフされる。そうすると、リアクトルL1に蓄積された電力に応じて、直流電流(昇圧電流)IbがリアクトルL1からダイオードD2を介してコンデンサC2側に流れる。
この場合、図8の期間T2に示されるように、ダイオードD2を流れる昇圧電流Ibは徐々に減少する。従って、リアクトルL1を流れる界磁電流Ifも徐々に減少する。
最後に、パターン(iii)を参照して、スイッチング素子Q3がオンされ、スイッチング素子Q1,Q2がオフされると、リアクトルL1、スイッチング素子Q3およびダイオードD3からなる回路をリアクトルL1からスイッチング素子Q3の方向へ直流電流が流れる。この場合、図8の期間T3に示されるように、リアクトルL1を流れる界磁電流Ifは、リアクトルL1に蓄積された残りの電力が減少にするのに従って、徐々に減少する。また、ダイオードD2は通電されず、昇圧電流Ibは0Aに減少する。
なお、このとき、コンデンサC2に蓄積された電力がインバータ140に供給されることによってコンデンサC2の電位が低下すると、その電位の低下を補うように、図中の点線矢印で示される昇圧電流IbがリアクトルL1からダイオードD2を介してコンデンサC2側に流れる。
このようなパターン(i)〜(iii)を繰返して、昇圧コンバータ120は昇圧動作を行なう。そして、昇圧コンバータ120からは、期間T1から期間T3までの昇圧電流Ibを平均した電流(平均昇圧電流Ib_av)が出力される。すなわち、平均昇圧電流Ib_avは、期間T2における昇圧電流Ibを1制御周期(=期間T1+期間T2+期間T3)で除算した値となる。
さらに、リアクトルL1においては、期間T1から期間T3までの各期間における界磁電流Ifを平均した電流(平均界磁電流If_av)が流れる。そして、この平均界磁電流If_avに応じて電動機10の界磁制御が行なわれる。
すなわち、平均昇圧電流Ib_avおよび平均界磁電流If_avは、1制御周期における期間T1、期間T2および期間T3の比率を変化させることによって、互いに独立に設定することができる。したがって、本実施の形態では、設定した昇圧電流目標値Ib*および界磁電流目標値If*と、平均昇圧電流Ib_avおよび平均界磁電流If_avとがそれぞれ一致するように、当該比率を設定することによって、昇圧制御と電動機10の界磁制御とを互いに独立に制御することが可能となる。
なお、昇圧後の電圧VH(インバータ140の直流側電圧に相当)の目標値がバッテリBから供給された直流電圧VBに等しいことにより昇圧コンバータ120による昇圧動作が不要なときであって、かつ、電動機10の界磁制御が必要とされる場合には、パターン(ii)に示されるスイッチング動作(スイッチング素子Q1〜Q3を全てオフ)を行なわないこと、すなわち、図8に示した期間T2を零とすることにより、電動機10の界磁制御のみを行なうことができる。
図9は、電動機10の界磁制御のみを行なう場合のスイッチング素子Q1〜Q3のスイッチング制御を説明するための図である。図10は、スイッチング制御の1周期における界磁電流Ifおよび昇圧電流Ibのタイミングチャートである。なお、図9のパターン(i)および(iii)に示されるスイッチング動作は、図7のパターン(i)および(iii)で説明したスイッチング動作とそれぞれ一致している。
すなわち、パターン(i)を参照して、最初に、スイッチング素子Q1がオンされ、スイッチング素子Q2,Q3がオフされることにより、リアクトルL1には電力が蓄積される。そのため、図10に示されるように、当該期間(期間T1に相当)において、リアクトルL1を流れる界磁電流Ifが増加する。
次に、パターン(iii)に示すように、スイッチング素子Q3がオンされ、スイッチング素子Q1,Q2がオフされると、リアクトルL1に蓄積された電力に応じて、リアクトルL1からスイッチング素子Q3の方向へ界磁電流Ifが流れる。この場合、図10の期間T3に示されるように、界磁電流Ifは、徐々に減少する。
このようなパターン(i)および(ii)を繰り返すことにより、リアクトルL1には、期間T1および期間T3における界磁電流Ifを平均した電流(平均界磁電流If_av)が流れる。そして、この平均界磁電流If_avに応じて電動機10の界磁制御が行なわれる。
一方、この場合、ダイオードD2は通電されないために昇圧電流Ibは0Aとなるため、昇圧コンバータ120は昇圧動作を行なわない。ただし、コンデンサC2に蓄積された電力がインバータ140に供給されることによってコンデンサC2の電位が低下した場合には、その電位の低下を補うように、図中の点線矢印で示される昇圧電流IbがリアクトルL1からダイオードD2を介してコンデンサC2側に流れる。
このように、昇圧制御が不要とされ、電動機10の界磁制御のみを行なう場合には、1制御周期における期間T1および期間T2の比率を変化させることによって、平均昇圧電流Ib_avを零としながら、平均界磁電流If_avを界磁電流目標値If*に一致させることができる。
このとき、スイッチング素子Q1〜Q3が全てオフされる期間(図8の期間T2に相当)が零となる。そのため、当該期間において、直流電流IbがリアクトルL1からダイオードD2を介してコンデンサC2側に流れるのが積極的に阻止される。これにより、ダイオードD2による電力損失を低減することができるため、電動機駆動装置1000のエネルギー効率を高めることが可能となる。その結果、電動車両の燃費向上を図ることができる。
以上に述べたように、本実施の形態によれば、昇圧コンバータ120のスイッチング素子Q1およびリアクトルL1に並列接続されたスイッチング素子Q3のデューティー比を制御することにより、昇圧コンバータ120から出力される昇圧電流Ibと界磁コイル50に供給される界磁電流Ifとを互いに独立に設定することができる。
これによれば、昇圧コンバータ120のリアクトルL1を電動機10の界磁コイルとして兼用した構成において、電動機10への要求出力に応じて、昇圧制御と電動機10の界磁制御とを互いに独立に実行することができる。これにより、低回転域では強め界磁によって大きなトルクが得られるとともに、高回転域では昇圧制御により高効率が実現される。その結果、電動機駆動装置1000の大型化およびコストの増大を抑えながら、電動機10の高出力化を実現することができる。
[電動機駆動装置の適用例]
以下では、本実施の形態に従う電動機駆動装置1000が搭載された電動車両の制御方法について説明する。
電動機10への要求出力(トルク×回転数)は、電動機駆動装置1000が搭載された電動車両の運転状況に応じて適宜変化する。そのため、電動機駆動装置1000では、要求出力に応じて最適な電動機10の駆動制御を適宜実行することが求められる。
図11は、電動機10のトルクと回転数との関係を示す図である。
図11において、曲線k3は、昇圧後の電圧VH(インバータ140の直流側電圧に相当。以下、この直流電圧を、以下「システム電圧」とも称する)がバッテリBからの直流電圧VBに等しい場合の電動機10のトルクと回転数との関係を示す。一方、曲線k4は、システム電圧VHを直流電圧VBよりも大きくした場合(VH=V2(>VB))の電動機10のトルクと回転数との関係を示す。
図11に示されるように、システム電圧VHを高くすることにより、すなわち、昇圧電流Ibを増加させることにより、高回転領域におけるトルクが大きくなっていることが分かる。システム電圧VHを、電動機10の運転状態に応じて電動機10の誘起電圧と略同じとなるように可変制御することによって、電動機駆動装置1000に発生する電力損失を最小とすることができるためである。
そして、この図11に示したトルクと回転数との関係と、上述した図5の関係とを重ね合わせることにより、電動機10のトルクと回転数との関係は、図12に示される3つの動作領域[I]〜[III]に分類することができる。
具体的には、図12の動作領域[I]は、低回転数から高回転数までの回転域において電動機10のトルクが相対的に小さくなる領域である。そのため、電動機10への要求出力(トルク×回転数)が動作領域[I]に属する場合においては、昇圧制御および電動機10の界磁制御のいずれも行なうことなく、要求出力に電動機10の出力を一致させることができる。すなわち、動作領域[I]は、昇圧制御および界磁制御がともに不要とされる領域である。
これに対して、図12の動作領域[II]は、回転数が低く、かつ、トルクが相対的に大きくなる領域である。そのため、電動機10への要求出力が動作領域[II]に属する場合には、上述したように、電動機10に強め界磁制御を行なうことによって、要求出力に従った大きなトルクを電動機10から出力させることができる。すなわち、動作領域[II]は、界磁制御が必要とされ、かつ、昇圧制御が不要とされる領域である。
さらに、図12の動作領域[III]は、高回転数までトルクが相対的に大きくなる領域である。電動機10への要求出力が動作領域[III]に属する場合については、昇圧制御および電動機10の界磁制御の双方を行なうことによって、要求出力に電動機10の出力を一致させることができる。すなわち、動作領域[III]は、昇圧制御および界磁制御がともに必要とされる領域である。
なお、以上に述べた動作領域[I]〜[III]は、バッテリBから電動機10へ向けて電力供給して電動機10を駆動するモード、すなわち、「力行モード」に対応している。これに対して、図中の動作領域[IV]は、電動機10からの電力をバッテリBへ回生するモード、すなわち、「回生モード」に対応している。
そこで、本実施の形態に従う電動機駆動装置1000においては、車両に要求される駆動力に基づいて電動機10の要求出力(トルク×回転数)を算出するとともに、図12に示されるトルクと回転数との関係に基づいて、電動機10が算出した要求出力を出力するのに最適な制御モードを設定する構成とする。
詳細には、制御装置100の上位の電子制御ユニット(ECU)が、運転者によるアクセル操作によって開かれたアクセル開度などから車両に要求される駆動力を演算し、その演算した要求駆動力に基づいて電動機10の要求出力(トルク×回転数)を算出する。
次に、制御装置100は、図12のトルクと回転数との関係を予めマップとして記憶しておき、上位の電子制御ユニットから電動機10の要求出力を受けると、当該マップを参照することにより、算出した電動機10の要求出力が属する動作領域の種別に基づいて、最適な制御モードを設定する。
図13は、電動機10の要求出力が属する動作領域と最適な制御モードとの関係を説明するための図である。
図13を参照して、電動機10の要求出力が動作領域[I]に属するときには、昇圧制御および界磁制御を不実行とする制御モードが設定される。
これに対して、電動機10の要求出力が動作領域[II]に属するときには、昇圧制御を不実行とし、かつ界磁制御を実行する制御モードが設定される。
また、電動機10の要求出力が動作領域[III]に属するときには、昇圧制御および界磁制御を実行する制御モードが設定される。
なお、電動機10の要求出力が動作領域[IV]に属するとき、すなわち「回生モード」に属するときには、上述した「力行モード」とは異なり、昇圧コンバータ120が降圧動作を行なうようにスイッチング素子Q1,Q2がスイッチング制御され、スイッチング素子Q3がオフ固定される。
この場合、リアクトルL1には昇圧動作時とは逆方向(バッテリBに向かう方向)に界磁電流Ifが流れるため、電動機10においては弱め界磁制御が行なわれることになるが、「力行モード」とは異なり、電動機10の出力不足といった問題には至らないためである。
そして、図13に示される関係に従って制御モードが設定されると、その設定された制御モードに基づいてスイッチング素子Q1〜Q3のスイッチング制御が行なわれる。
詳細には、図13のうち、昇圧制御を不実行とし、かつ界磁制御を実行する制御モード(動作領域[II]に相当)においては、図9で説明した方法によって、パターン(i)およびパターン(iii)が制御の1周期として繰り返し行なわれる。
この場合、スイッチング素子Q1およびスイッチング素子Q3のデューティー比は、電動機10の要求出力に基づいて設定された目標界磁電流If*と平均界磁電流If_avとが一致するように設定される。
そして、スイッチング素子Q1のみがオンされる期間とスイッチング素子Q3のみがオンされる期間がデューティー比に従って設けられるように、スイッチング制御信号SE1〜SE3が生成される。
これに対して、昇圧制御および界磁制御を実行する制御モード(動作領域[III]に相当)においては、図7で説明した方法によって、パターン(i)からパターン(iii)までを制御の1周期として繰り返し行なわれる。
この場合、スイッチング素子Q1,Q3のデューティー比は、電動機10の要求出力に基づいて設定された目標昇圧電流Ib*および目標界磁電流If*が、平均昇圧電流Ib_avおよび平均界磁電流If_avとそれぞれ一致するように設定される。
そして、スイッチング素子Q1のみがオンされる期間、スイッチング素子Q1〜Q3が全てオフされる期間およびスイッチング素子Q3のみがオンされる期間がデューティー比に従って設けられるように、スイッチング制御信号SE1〜SE3が生成される。
さらに、図13のうち、昇圧制御および界磁制御を不実行とする制御モード(動作領域[I]に相当)については、以下に述べるように、バッテリBの正極と電源ライン107とを昇圧コンバータ120を介さず直接的に接続するためのスイッチング素子Q4を新たに設けた構成とすることによって実現される。
図14は、制御装置100によるスイッチング素子Q4のスイッチング制御を説明するための図である。当該スイッチング制御では、制御装置100がスイッチング制御信号SE4を生成することにより、図中のパターン(iv)が制御の1周期に亘って継続して行なわれる。
パターン(iv)を参照して、スイッチング素子Q4がオンされ、スイッチング素子Q1〜Q3がオフされることにより、直流電流は、図中に矢印で示されるように、バッテリBからスイッチング素子Q4を介して電源ラインの方向に流れる。そのため、リアクトルL1を流れる界磁電流Ifは0Aとなる。
この場合、リアクトルL1には電流が供給されないため、界磁制御および昇圧制御がともに行なわれない。また、リアクトルL1に発生する電力損失が略零に抑えられる。すなわち、スイッチング素子Q4を設けたことにより、リアクトルL1による電力損失を低減することができる。その結果、電動機駆動装置1000のエネルギー効率を高めることが可能となるため、電動車両の燃費向上を図ることができる。
なお、図14の構成において、スイッチング素子Q4は、本発明における「バイパス用スイッチング素子」に対応する。
図15は、制御装置100による電動機10の駆動制御を説明するためのフローチャートである。
図15を参照して、制御装置100は、電動機10への要求出力として、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNを取得する(ステップS01)。このトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNは、制御装置100の上位の電子制御ユニット(ECU)により、運転者によるアクセル操作によって開かれたアクセル開度などから演算した車両に要求される駆動力に基づいて算出される。
次に、制御装置100は、図13のトルクと回転数との関係を予めマップとして記憶しておき、当該マップを参照することにより、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNが属する動作領域の種別に基づいて、最適な制御モードを設定する(ステップS02)。
さらに、制御装置100は、トルク指令値TRおよびモータ回転数MRNに基づいて、目標昇圧電流Ib*および目標界磁電流If*を演算する(ステップS03)。そして、制御装置100は、ステップS02で設定した制御モードと、目標昇圧電流Ib*および目標界磁電流If*とに基づいて、スイッチング素子Q1〜Q4のデューティー比を設定する(ステップS04)。
最後に、制御装置100は、設定したデューティー比に従って、スイッチング素子Q1〜Q4のスイッチング制御のためのスイッチング制御信号SE1〜SE4を生成する。すなわち、制御装置100は、電動機10の界磁制御を行なうとともに、昇圧コンバータ120による昇圧動作を制御する(ステップS05)。
以上に述べたように、本実施の形態に従う電動機駆動装置を搭載した電動車両においては、低回転域(すなわち、低車速域)では大きなトルクが得られるとともに、高回転域(すなわち、高車速域)では高効率で電動機を駆動させることができる。その結果、駆動装置の小型化が図られるとともに、電動機の高出力化による車両の走行性能の向上を実現することができる。
なお、上述した電動機10においては、磁石をロータの外表面に設けているが、これに限らず、ロータ内に磁石を埋め込んでもよい。すなわち、本発明に係る電動機駆動装置は、SPM(Surface Permanent Magnet)のみならず、IPM(Interior Permanent Magnet)にも適用することができる。このように構成されたロータにおいては、マグネットトルク(永久磁石とコイルとの吸引反発力)およびリラクタンストルク(磁力線の曲がりを直線にする力=コイルが鉄を引きつける力)の両方を有効に利用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態に係る電動機駆動装置に適用される電動機の側断面図である。 図1のII−II線における断面図である。 図1に示す界磁コイルの電流が供給された状態における電動機の側断面図である。 図3のIV−IV線における断面図である。 電動機のトルクと回転数との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に従う電動機駆動装置の概略ブロック図である。 制御装置によるスイッチング素子Q1〜Q3のスイッチング制御を説明するための図である。 スイッチング制御の1周期における界磁電流Ifおよび昇圧電流Ibのタイミングチャートである。 電動機の界磁制御のみを行なう場合のスイッチング素子Q1〜Q3のスイッチング制御を説明するための図である。 スイッチング制御の1周期における界磁電流Ifおよび昇圧電流Ibのタイミングチャートである。 電動機のトルクと回転数との関係を示す図である。 界磁制御および昇圧制御が行なわれたときの電動機のトルクと回転数との関係を示す図である。 電動機の要求出力が属する動作領域と最適な制御モードとの関係を説明するための図である。 制御装置によるスイッチング素子Q4のスイッチング制御を説明するための図である。 制御装置による電動機の駆動制御を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10,11,14,15 電動機、21 界磁ヨーク、21a 天板部、21b,21c 側壁部、21d 貫通孔、22 ステータコア、23,23a,23b,23c ステータティース、24 コイル、30 ステータ、40,70 ロータ、41 回転シャフト、42b,42d 内側ロータコア、42a,42c 外側ロータコア、43,71,72 ロータコア、43U 上側ロータ、43D 下側ロータ、43a 積層ロータコア、43b 圧粉ロータコア、44,44a〜44e,44A,44B 磁石、45,45a,45U,45D ロータティース、46 軸受、50,50A,50B 界磁コイル、51 突出部、60 リング磁石、100 制御装置、105 接地ライン、106,107 電源ライン、110,130 電圧センサ、120 昇圧コンバータ、140 インバータ、150 U相アーム、160 V相アーム、170 W相アーム、240 電流センサ、1000 電動機駆動装置、B バッテリ、C2 コンデンサ、D1,D2,D5〜D10 逆並列ダイオード、D3 ダイオード、L1 リアクトル、Q1〜Q10 スイッチング素子。

Claims (9)

  1. 界磁巻線を含み、前記界磁巻線に界磁電流を流すことによって形成される界磁極を有する電動機の駆動装置であって、
    電源と、
    前記電源の出力電圧を電圧変換して、第1および第2の電源線間に出力するコンバータと、
    前記第1および第2の電源線間の電圧を受けて、前記電動機を駆動制御する電力に変換するインバータとを備え、
    前記コンバータは、前記界磁巻線および前記第2の電源線間に電気的に接続される昇圧用スイッチング素子を含み、
    前記界磁巻線は、前記電源および前記第1の電源線間の電流経路上に電気的に接続されて、前記昇圧用スイッチング素子によってスイッチングされた電圧が両端に印加されるように構成され、
    前記電動機駆動装置は、
    前記界磁巻線に並列に接続される界磁用スイッチング素子と、
    前記昇圧用スイッチング素子および前記界磁用スイッチング素子をスイッチング制御することにより、前記界磁電流を制御して前記ロータおよび前記ステータの間の磁束密度を調整するとともに、前記コンバータから前記第1の電源線に出力される昇圧電流を制御して前記電源の出力電圧を電圧指令値に従った電圧に変換する制御装置とをさらに備え、
    前記制御装置は、前記電圧指令値が前記電源の出力電圧に略等しい場合には、前記電動機の回転数および要求されるトルクに応じて前記界磁電流の目標値を設定し、その設定した前記界磁電流の目標値に基づいて、前記昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、前記界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とを設ける、電動機駆動装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記電動機の回転数および要求されるトルクに応じて、前記界磁電流の目標値を設定する目標電流設定手段と、
    前記界磁電流の目標値に基づいて前記昇圧用スイッチング素子および前記界磁用スイッチング素子のデューティー比を演算するデューティー比演算手段と、
    演算された前記デューティー比に従って前記昇圧用スイッチング素子および前記界磁用スイッチング素子をスイッチングするためのスイッチング制御信号を生成する制御信号生成手段とを含み、
    前記制御信号生成手段は、前記昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、前記界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とが、前記デューティー比に従って設けられるように前記スイッチング制御信号を生成する、請求項1に記載の電動機駆動装置。
  3. 前記制御装置は、前記電圧指令値が前記電源の出力電圧よりも高い場合には、前記電動機の回転数および要求されるトルクに応じて前記昇圧電流の目標値をさらに設定し、前記界磁電流および前記昇圧電流の目標値に基づいて、前記昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、前記昇圧用スイッチング素子および前記界磁用スイッチング素子がオフされる期間と、前記界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とを設ける、請求項1に記載の電動機駆動装置。
  4. 前記制御装置は、
    前記電動機の回転数および要求されるトルクに応じて、前記界磁電流の目標値および前記昇圧電流の目標値を設定する目標電流設定手段と、
    前記界磁電流の目標値および前記昇圧電流の目標値に基づいて前記昇圧用スイッチング素子および前記界磁用スイッチング素子のデューティー比を演算するデューティー比演算手段と、
    演算された前記デューティー比に従って前記昇圧用スイッチング素子および前記界磁用スイッチング素子をスイッチングするためのスイッチング制御信号を生成する制御信号生成手段とを含み、
    前記制御信号生成手段は、前記昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、前記昇圧用スイッチング素子および前記界磁用スイッチング素子がオフされる期間と、前記界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とが、前記デューティー比に従って設けられるように前記スイッチング制御信号を生成する、請求項3に記載の電動機駆動装置。
  5. 前記電源および前記第1の電源線の間に前記界磁巻線をバイパスするように電流径路を形成するためのバイパス用スイッチング素子をさらに備え、
    前記制御装置は、前記電圧指令値が前記電源の出力電圧に等しく、かつ、前記界磁電流の目標値が所定値以下となる場合には、前記バイパス用スイッチング素子のオンデューティーを1に設定し、かつ、前記昇圧用スイッチング素子および前記界磁用スイッチング素子をオフする、請求項1に記載の電動機駆動装置。
  6. 前記電動機は、車両の駆動力を発生可能に構成され、
    前記制御装置は、
    前記車両の運転者のアクセル操作に基づいて前記車両の要求駆動力を演算し、その演算された前記車両の要求駆動力から前記電動機に要求されるトルクを演算する手段と、
    前記電動機の回転数および前記電動機に要求されるトルクに応じて、前記電圧指令値を設定する手段をさらに含み、
    前記デューティー比演算手段は、前記電動機の回転数が、前記電圧指令値が前記電源の出力電圧に等しくなる所定の回転数域にある場合には、前記界磁電流の目標値に基づいて前記昇圧用スイッチング素子および前記界磁用スイッチング素子のデューティー比を演算し、
    前記制御信号生成手段は、前記昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、前記界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とが、前記デューティー比に従って設けられるように前記スイッチング制御信号を生成する、請求項1に記載の電動機駆動装置。
  7. 前記デューティー比演算手段は、前記電動機の回転数が前記所定の回転数域を超える場合には、前記界磁電流および前記昇圧電流の目標値に基づいて前記昇圧用スイッチング素子および前記界磁用スイッチング素子のデューティー比を演算し、
    前記制御信号生成手段は、前記昇圧用スイッチング素子のみがオンされる期間と、前記昇圧用スイッチング素子および界磁用スイッチング素子がオフされる期間と、前記界磁用スイッチング素子のみがオンされる期間とが、前記デューティー比に従って設けられるように前記スイッチング制御信号を生成する、請求項6に記載の電動機駆動装置。
  8. 前記電源および前記第1の電源線の間に前記界磁巻線をバイパスするように電流径路を形成するためのバイパス用スイッチング素子をさらに備え、
    前記デューティー比演算手段は、前記電動機に要求されるトルクが、前記電動機が出力可能な最大トルクを下回る場合には、前記バイパス用スイッチング素子のオンデューティーを1に設定し、
    前記制御信号生成手段は、前記オンデューティーに従って前記バイパス用スイッチング素子がオンされ、かつ、前記昇圧用スイッチング素子および前記界磁用スイッチング素子がオフされるように前記スイッチング制御信号を生成する、請求項7に記載の電動機駆動装置。
  9. 前記電動機は、
    回転可能な回転シャフトと、
    前記回転シャフトに固設されたロータコアと、
    異なる磁性の一組の磁極が、前記ロータコアの径方向に並ぶように前記ロータコアに設けられた磁石と、
    筒状に形成されたステータコアと、
    前記ステータコアの外周に設けられた界磁ヨークと、
    前記界磁ヨークと前記ロータコアとの間に磁気回路を形成することで、前記ロータコアと前記ステータコアとの間の磁束密度を制御可能に構成された界磁巻線とを備える、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の電動機駆動装置。
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