JP2010064636A - シートのアンカー部構造 - Google Patents

Abstract

【課題】 チャイルドシートのアンカー、シートバックのテザーアンカーなどのシートに設けたアンカー部の取付性と、外観品質を向上させることである。
【手段】 アンカー３のカバー部材イを不織布に合成樹脂材を含浸させて略容体状に成形した不織布で形成し、そのカバー部材イに一体に縫着部１１を設けて、シートの外被部材２に縫着したことを特徴とする。
【選択図】
図２

Description

本発明はシートクッションにチャイルドシートのアンカー、シートバックのテザー
アンカーなどのシートのアンカー部構造に関する。

従来この種のアンカーはシートの外面より突出しないように、シートに設けた凹部内に配設されている(例えば、特開２００４−５８７６４号公報、特開２００２−１５４３５８号公報)。

そして、このアンカーに、係止するラッチなどの係止部材を係合する際、アンカー周囲のシートの表皮材が損傷しないように、或いは、アンカー周囲の外観を良好にするために、アンカーを有する凹部内に合成樹脂製の略容体状カバーを装着している。

特開２００４−５８７６４号公報 特開２００２−１５４３５８号公報

以上のように、前記従来品はシートの表面に設けた凹部内に合成樹脂製容体状のカバーを装着し、このカバーに設けたスリットよりアンカーをカバー内に挿入している。

従って、カバーが合成樹脂で成形されているため、カバー周囲のシートの表皮材に対する一体感がなく、シートの外観品質が損なわれている。

また、カバーを凹部内から脱落しないように、カバーの底部等をシートの固定部材に締結しなければならず、その作業性が頗る悪い不具合があった。

そこで、本発明は斯様な合成樹脂製カバーによる不具合を除去することを目的とする。

以上の目的を達成するための本発明に係るシートのアンカー部構造は、シート表面に設けた凹部内に配設してシートと別体の係止部材を係止するアンカーと、前記凹部内に装着され開口縁に鍔状の縫着部を延設する略容体状のカバー部材とを有し、該カバー部材は不織布に合成樹脂材を含浸させて成形した成形不織布で形成し、前記カバーの縫着部をシートの外被部材に一体に縫着してなる構成である。

そして、前記アンカーはチャイルドシート装着用のＩＳＯＦＩＸ方式のワイヤで、前記シートの外被部材はシートクッションの表皮材である。

また、前記アンカーはシートバックの背面側に設けて車体側のラッチが係合するストライカで、前記シートの外被部材はシートバックの背面に有するカーペットである。

本発明によれば、カバー部材が不織布に合成樹脂材を含浸させて成形した成形不織布で形成され、シートの表皮材などの外被部材に縫着しているため、カバー部材の取付が簡単になるし、外被部材と一体感ある外観になり、シートの外観品質を向上し得る。

また、前記合成樹脂製カバー部材に対して異物感がないし、容体状のカバー部材内にアンカーを挿入するスリットを設けたものにおいては、そのスリットの開口幅を狭め、スリットからのシート内部が視覚されないように成形不織布で成形できる。

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1−図3は本発明の第１実施例で、斯かる実施例はチャイルドシート装着用のアンカ
ー部構造を示す。

このアンカー部構造は従来と同様にシートクッションＳＣのシートバックＳＢ側に
配設されており、シートクッションＳＣのフレーム（不図示）に固設したチャイルドシート装着用のＩＳＯＦＩＸ方式のワイヤ３が、カバー部材イ内に設けてあり、このワイ
ヤ３にチャイルドシート（不図示）の係止部材たるチエッキングを係合することにより、チャイルドシートがシートクッションＳＣ上に取付けられる。

カバー部材イにはアンカーであるワイヤ３が内部に配設され、このカバー部材イは不織布に合成樹脂材を含浸させてプレスなどで略容体状に成形した成形不織布、例えば実開平７−１５４４８号に開示されている材質、成形方法で成形されている。

そして、このカバー部材イはシートクッションＳＣに設けた凹部５に嵌合する略容体状の本体１０と、この本体１０の開口縁より外方に鍔状に延設した縫着部１１と、前記ワイヤ３を本体１０内に挿入するスリット１２とから構成されている。

以上の縫着部１１はシートクッションＳＣの前記凹部５周囲におけるシートの外被部材たる表皮材２の端末２０、２０に一体に縫着して、カバー部材イを固定している。

このカバー部材イ付の表皮材２をシートクッションＳＣの発泡体製パッド４の表面に接着して、カバー部材イの本体１０を凹部５内に装着することにより、ワイヤ3が弾性変形するスリット１２より本体１０内に配設される。

なお、スリット１２は本体１０の底部から側部に向けて設けてあり、ワイヤ３が固定される図３に示す左右側部の上端部を除く部分の開口幅はワイヤ３の外径より狭くし、スリット１２からシート内部が視覚されないように形成されている。

従って、カバー部材イはパッド３に接着などして固定されている表皮材２に一体に縫着されているため、カバー部材イの取付が簡単で脱落することがないし、表皮材２と一体感がある外観を呈するため、シートの外観品質が向上する。

また、カバー部材イは保形性を有するため、変形せずワイヤ３に対する前記チエッキングが行い易い。
更に、カバー部材イは従来の合成樹脂製カバー部材に対して柔軟性を有するので、着座時に異物感となることがない。

図４−図６は、本発明の第２実施例で、斯かる実施例はシートバックＳＢの背面に設けたテザーアンカー部構造を示す。

このテザーアンカー部はカバー部材口内に配置しているアンカーに、シートバックＳＢ後方の車体に設けたラッチ(不図示)が係合することにより、シートバックＳＢが固定される構造であり、前記アンカーはラッチが係合するストライカ３０で、このストライカ３０はシートバックＳＢ内のフレーム４０に溶接されている。

図４、５に示すカバー部材ロは底部より向かい合う側部にスリット１２Ａを有する略容体状の本体１０Ａと、この本体１０Ａの開口縁に一体に延設した縫着部１１Ａとから構成され、図示する縫着部１１ＡはシートバックＳＢの背面全面を被覆する大きさで、その周縁を外被部材たるシートバックＳＢの表皮材のまち２２、２２、２２に縫着されている。

図６に示すカバー部材ロ´の縫着部１１Ｂは、シートバックＳＢの背面に有する外被部材たるカーペット２Ａ、２Ａに縫着されるように、小形に形成されている。

以上のカバー部材ロ、ロ´はいずれも、前記実施例と同様に成形不織布で成形されており、シートバックＳＢの背面に有するパネル6が、前記縫着部１１Ａ、カーペット２Ａの内面側に設けてあり、このパネル6に、ストライカ３０が露出する通口が開孔されている。

以上のカバー部材ロ、ロ´の縫着部１１Ａ、１１Ｂを縫着後、本体１０Ａをストライカ３０に向けて押し込むと、ストライカ３０がスリット１２Ａから本体１０Ａ内に挿入されて、図示する状態になる。

なお、スリット１２Ａの開口幅は、前記第１実施例と同様に、ストライカ３０の外径より狭くして、スリット１２ＡよりシートバックＳＢ内部が視覚されないようにしている。

また、パネル６に対して、縫着部１１Ａ、カーペット２Ａは接着などによって固着して、カバー部材ロ、ロ´がシートバックＳＢから脱落することがないようにしている。

従って、以上の第２実施例も、前記第１実施例と同様な作用効果を奏する。そして、カバー部材ロの縫着部１１Ａを図４、図5に示すように、シートバックＳＢの背面全面を被覆するものにすることにより、シートバックＳＢの背面に設けるカーペットが不要になるし、シートバックＳＢの外観品質も向上し得る。

本発明に係る構造を有するシートの斜視図。 図１のＡ部の拡大図。 図２の分解斜視図。 本発明の他の実施例の構造を有するシートの斜視図。 図４のＸ―Ｘ線部分断面図。 他の実施例の図４のＸ―Ｘ線部分断面図。

符号の説明

イ… カバー部材、ロ…カバー部材、ロ´…カバー部材、１１…カバー部材の縫着部、１１Ａ…カバー部材の縫着部、１２…カバー部材のスリット、１２Ａ…カバー部材のスリット、３…アンカー、３０…アンカー。

Claims (3)

1. シート表面に設けた凹部内に配設してシートと別体の係止部材を係止するアンカー と、
   前記凹部内に装着され開口縁に鍔状の縫着部を延設する略容体状のカバー部材とを有 し、
   該カバー部材は不織布に合成樹脂材を含浸させて成形した成形不織布で形成し、
   前記カバーの縫着部を前記シートの外被部材に一体に縫着してなるシートのアンカー 部構造。
2. 前記アンカーはチャイルドシート装着用のＩＳＯＦＩＸ方式のワイヤで、前記シート の外被部材はシートクッションの表皮材である請求項１記載のシートのアンカー部構 造。
3. 前記アンカーはシートバックの背面側に設けて車体側のラッチが係合するストライカ で、前記シートの外被部材はシートバックの背面に有するカーペットである請求項１記 載のシートのアンカー部構造。