JP2010064563A - ハイブリッド車およびハイブリッド車における内燃機関の始動時の制御方法 - Google Patents

ハイブリッド車およびハイブリッド車における内燃機関の始動時の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内燃機関の始動する際に生じる車両の振動を抑制する。
【解決手段】エンジンをクランキングする際に生じるトルク脈動を脈動トルクTpとして設定すると共に設定した脈動トルクTpに基づいてトルク脈動を抑制するための制振トルクTvを設定し(S130,S140)、車両重量Mに基づいてダンパのねじれ共振を生じる周波数である共振周波数Fを設定すると共に設定した脈動トルクTpに対して設定した共振周波数Fの成分を抽出するようバンドパスフィルタによるフィルタ処理を施して共振成分Tfを演算し(S150)、クランキングトルクTsと制振トルクTvとの和から共振成分Tfを減じたトルクを出力するようモータを駆動してエンジンをクランキングする(S160,S200)。これにより、エンジンをクランキングする際のトルク脈動による振動とダンパのねじれ共振による振動を抑制できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ハイブリッド車およびハイブリッド車における内燃機関の始動時の制御方法に関する。
従来、この種のハイブリッド車としては、エンジンと、ダンパを介してエンジンのクランクシャフトに接続されると共に車軸に連結された駆動軸としてのリングギヤ軸に接続された3軸式の動力分配統合機構と、動力分配統合機構の第3の軸に動力を入出力する第1のモータと、駆動軸に動力を入出力する第2のモータとを備え、エンジンの始動時に第1のモータを駆動してエンジンのクランキングを行なうものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車では、エンジンの回転数が共振現象を生じやすい回転数の上限値に至るまでは比較的大きいトルクでエンジンをクランキングし、その後エンジンの回転数が燃料噴射制御などを開始する回転数に至るまで比較的小さいトルクでエンジンをクランキングすることにより、エンジンの始動に伴って共振現象を生じやすい回転数領域を迅速に通過させて、エンジンの始動に伴う共振の影響を低減している。
特開2005−48596号公報
こうしたハイブリッド車では、エンジンの始動時に共振の影響を受ける時間を短くして始動の際の振動を低減しているが、共振現象を生じやすい回転数領域を通過する際には少なからず共振の影響を受けるため、乗員に不快感を与えるおそれもある。
本発明のハイブリッド車およびハイブリッド車における内燃機関の始動時の制御方法は、内燃機関の始動する際に生じる車両の振動を抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車およびハイブリッド車における内燃機関の始動時の制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車は、
内燃機関と、前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して3つの回転要素のうちの第1の回転要素が接続されると共に車軸に連結された駆動軸に第2の回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構の第3の回転要素に回転子が接続された電動機と、前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
前記出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
前記検出された回転位置に基づいて前記内燃機関から出力されるトルクの脈動であるトルク脈動を低減する脈動低減トルクを設定する脈動低減トルク設定手段と、
前記検出された回転位置に基づいて前記トルク脈動を抽出すると共に該抽出したトルク脈動のうち前記ねじれ要素の共振周波数帯の成分である共振成分トルクを設定する共振成分トルク設定手段と、
前記内燃機関を始動するときには、前記内燃機関をクランキングするためのクランキングトルクと前記設定した脈動低減トルクとの和から前記設定した共振成分トルクを減じたトルクが前記電動機から出力されて前記内燃機関が始動されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて内燃機関から出力されるトルクの脈動であるトルク脈動を低減する脈動低減トルクを設定すると共にトルク脈動のうちねじれ要素の共振周波数帯の成分である共振成分トルクを設定し、内燃機関を始動するときには内燃機関をクランキングするためのクランキングトルクと設定した脈動低減トルクとの和から設定した共振成分トルクを減じたトルクが電動機から出力されて内燃機関が始動されるよう内燃機関と電動機とを制御する。これにより、脈動低減トルクを加味したトルクで内燃機関をクランキングするから内燃機関を始動する際に生じるトルク脈動による振動を抑制することができ、共振成分トルクを除いたトルクで内燃機関をクランキングするから内燃機関を始動する際に生じるねじれ要素の共振による振動を抑制することができる。
こうした本発明のハイブリッド車において、車重を検出する車重検出手段を備え、前記共振成分トルク設定手段は、前記検出された車重が大きいほど低い周波数帯を前記共振周波数帯として前記共振成分トルクを設定する手段である、ものとすることもできる。こうすれば、車重により変化するねじれ要素の共振特性に応じた共振成分トルクを設定できるから、車重が変化しても内燃機関を始動する際に生じるねじれ要素の共振による振動をより確実に低減することができる。
また、本発明のハイブリッド車において、前記内燃機関の出力軸の軸方向の車両の傾斜を検出する傾斜検出手段を備え、前記共振成分トルク設定手段は、前記検出された傾斜が大きいほど低い周波数帯を前記共振周波数帯として前記共振成分トルクを設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、車両の傾斜により変化するねじれ要素の共振特性に応じた共振成分トルクを設定できるから、車両の傾斜状態が変化しても内燃機関を始動する際に生じるねじれ要素の共振による振動をより確実に低減することができる。
さらに、本発明のハイブリッド車において、前記共振成分トルク設定手段は、前記トルク脈動に対して前記共振周波数帯をパスするバンドパスフィルタを施して得られる成分を前記共振成分トルクとして設定する手段であるものとすることもできる。
本発明のハイブリッド車における内燃機関の始動時の制御方法は、
内燃機関と、前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して3つの回転要素のうちの第1の回転要素が接続されると共に車軸に連結された駆動軸に第2の回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構の第3の回転要素に回転子が接続された電動機と、前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車における前記内燃機関の始動時の制御方法であって、
前記出力軸の回転位置に基づいて前記内燃機関から出力されるトルクの脈動であるトルク脈動を低減する脈動低減トルクを設定すると共に前記トルク脈動のうち前記ねじれ要素の共振周波数帯の成分である共振成分トルクを設定し、前記内燃機関をクランキングするためのクランキングトルクと前記設定した脈動低減トルクとの和から前記設定した共振成分トルクを減じたトルクが前記電動機から出力されて前記内燃機関が始動されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する、
ことを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車における内燃機関の始動時の制御方法では、内燃機関の出力軸の回転位置に基づいて内燃機関から出力されるトルクの脈動であるトルク脈動を低減する脈動低減トルクを設定すると共にトルク脈動のうちねじれ要素の共振周波数帯の成分である共振成分トルクを設定し、内燃機関をクランキングするためのクランキングトルクと設定した脈動低減トルクとの和から設定した共振成分トルクを減じたトルクが電動機から出力されて内燃機関が始動されるよう内燃機関と電動機とを制御する。これにより、脈動低減トルクを加味したトルクで内燃機関をクランキングするから内燃機関を始動する際に生じるトルク脈動による振動を抑制することができ、共振成分トルクを除いたトルクで内燃機関をクランキングするから内燃機関を始動する際に生じるねじれ要素の共振による振動を抑制することができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にねじれ要素としてのダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサ、例えば、クランクシャフト26のポジション(クランク角CA)を検出するクランク角センサ23などから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、クランクシャフト26に取り付けられるダンパ28は、低捩れ特性をもった周知のコイルスプリング式トーショナルダンパである。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた図示しない温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算している。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,駆動輪63a,64bおよび車輪64a,64bに取り付けられたサスペンション66a〜66dの変位量を検出するハイトセンサ90a〜90dからのサスペンション変位量Ha〜Hdなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。また、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、実施例では、入力されたサスペンション変位量Ha〜Hdに各サスペンションのバネ定数を乗じて得られる各サスペンション66a〜66dにかかる荷重を合計して車両重量Mを演算するものとした。なお、車両重量Mは、更に、各座席のシートベルトの装着を検出する図示しないシートベルトロックセンサからの信号に基づいて把握可能な乗員数や燃料タンク内の燃料の残量を検出する図示しない燃料残量センサからの信号に基づいて計算できる燃料の重量を考慮して演算されるものとすることもできる。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に運転停止していたエンジン22を始動する際の動作について説明する。図2はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22の運転停止中にエンジンの始動要請がなされたときに実行される。
エンジン始動時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Neやクランク角CA,モータMG1,MG2のモータ回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の出力制限Wout,車両重量Mなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22のクランク角CAと回転数Neは、クランクポジションセンサ23により検出されたクランク角CAとこのクランク角CAに基づいて演算された回転数NeとをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の出力制限Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。また、車両重量Mは、ハイブリッド用電子制御ユニット70により別途演算されてROM74に記憶されたものを入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。
続いて、始動時のトルクマップとエンジン22の始動要請がなされてからの経過時間tやエンジン22の回転数Neに基づいてエンジン22をクランキングするためにモータMG1から出力するクランキングトルクTsを設定する(ステップS120)。クランキングトルクTsの設定に用いられるトルクマップの一例とクランキングトルクTsをモータMG1から出力したときのエンジン22の回転数Neの変化の様子の一例とを図4に示す。実施例では、図4のトルクマップを用いて、エンジン22の始動要請がなされた時間t1の直後からレート処理により比較的大きなトルクをクランキングトルクTsに設定してエンジン22の回転数Neを迅速に増加させる。続いて、エンジン22の回転数Neがクランキングに伴ってダンパ28のねじれ共振を生じる回転数帯である共振回転数帯を通過したか共振回転数帯を通過するのに必要な時間以降の時間t2にエンジン22を安定して所定回転数Nref以上でモータリングすることができるトルクをクランキングトルクTsに設定し、電力消費を小さくすると共に駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用するトルクを小さくする。そして、エンジン22の回転数Neがエンジン22の燃料噴射制御や点火制御を開始する所定回転数Nrefに至った時間t3からレート処理を用いてクランキングトルクTsに値0を設定する。
こうしてクランキングトルクTsを設定すると、クランク角CAに基づいてエンジン22をクランキングする際に生じるトルク脈動としての脈動トルクTpを設定し(ステップS130)、設定した脈動トルクTpに基づいてエンジン22をクランキングする際に生じるトルク脈動を抑制するためにモータMG1から出力するトルクとしての制振トルクTvを設定する(ステップS140)。脈動トルクTpは、実施例では、エンジン22をクランキングしたときのクランク角CAと脈動トルクTpとの関係を予め定めて脈動トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、クランク角CAが与えられると記憶したマップから対応する脈動トルクTpを導出して設定するものとした。脈動トルク設定用マップの一例を図5に示す。図中、点線が脈動トルクTpを示す。脈動トルク設定用マップは、例えば、実験値に基づいて定めてもよく、エンジン22の諸元(圧縮比,ボア,ストローク,吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングの設定値など)からクランク角CAのときの燃焼室内の内圧を計算すると共に計算した内圧に基づいてピストンに作用する圧縮反力によりクランクシャフト26に作用するトルクをトルク脈動として計算し、この計算結果に基づいて定めてもよい。制振トルクTvは、実施例では、設定した脈動トルクTpとは逆位相のトルクを制振トルクTvとして設定するものとした。上述の図5に脈動トルクTpに基づいて設定された制振トルクTvとクランク角CAとの関係を示す。図中、実線が設定された制振トルクTvを示す。エンジン22を始動するときに、制振トルクTvを加味したトルクをモータMG1から出力すれば、エンジン22をクランキングできると共にエンジン22をクランキングする際に生じるトルク脈動による振動を抑制することができる。
こうして制振トルクTvを設定すると、エンジン22をクランキングする際のトルク脈動に伴ってダンパ28のねじれ共振を生じる周波数である共振周波数Fを車両重量Mに基づいて設定すると共にステップS130の処理で設定された脈動トルクTpに対して設定した共振周波数Fの成分を抽出するようバンドパスフィルタによるフィルタ処理を施して共振成分Tfを演算する(ステップS150)。ここで、共振周波数Fは、実施例では、車両重量Mと共振周波数Fとの関係を予め実験などにより定めて共振周波数設定用マップとしてROM74に記憶しておき、車両重量Mが与えられると記憶したマップから対応する共振周波数Fを導出して設定するものとした。共振周波数設定用マップの一例を図6に示す。バンドパスフィルタとしては、共振周波数Fの周波数帯域の成分を減衰せずにこれ以外の周波数帯域の成分を大幅に減衰する(例えば、1/10以下にする)フィルタを用いればよい。こうして演算された共振成分Tfは、エンジン22をクランキングする際に生じるトルク脈動からダンパ28のねじれ共振に影響を与える成分を抽出したものとなっている。したがって、エンジン22を始動するときに、共振成分Tfを除いたトルクをモータMG1から出力すれば、エンジン22をクランキングできると共にエンジン22をクランキングする際に生じるトルク脈動に伴うダンパ28のねじれ共振による振動を抑制することができる。
こうして共振成分Tfを演算すると、クランキングトルクTsと制振トルクTvとの和から共振成分Tfを減じたものをモータMG1のトルク指令Tm1*として設定し(ステップS160)、バッテリ50の出力制限Woutと設定したモータMG1のトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上限としてのトルク制限Tmaxを次式(1)により計算すると共に(ステップS170)、要求トルクTr*とトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρを用いてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮モータトルクTm2tmpを次式(2)により計算し(ステップS180)、計算したトルク制限Tmaxで仮モータトルクTm2tmpを制限した値をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS190)。ここで上述の式(2)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22をクランキングしている最中における動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクとの関係を示す共線図の一例を図7に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(2)は、図7の共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、図7中のR軸上の2つの太線矢印は、モータMG1からトルク指令Tm1*のトルクを出力してエンジン22をクランキングする際に駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2*が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示している。
Tmax=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (1)
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (2)
こうしてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する(ステップS200)。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、クランキングトルクTsと制振トルクTvとの和から共振成分Tfを減じたトルクをトルク指令Tm1*として設定してモータMG1を駆動してエンジン22をクランキングするから、エンジン22をクランキングする際に生じるトルク脈動による振動を抑制すると共にダンパ28のねじれ共振による振動を抑制することができる。しかも、車両重量Mに応じて共振周波数Fを設定して共振成分Tfを演算するから乗員数や燃料の残量,積荷の重さなどに応じて車両重量Mが変化してもダンパ28のねじれ共振による振動をより確実に抑制することができる。
モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信すると、エンジン22の回転数Neをエンジン22の燃料噴射制御や点火制御などを開始すべき回転数としての所定回転数Nrefと比較し(ステップS210)、エンジン22の回転数Neが所定回転数Nref未満のときは、エンジン22の回転数Neが燃料噴射制御や点火制御を開始する回転数に至っていないと判断してステップS100の処理に戻りステップS100〜S210の処理を繰り返す。エンジン22の回転数Neが所定回転数Nref以上に至ったときには、エンジンECU24に燃料噴射制御や点火制御を開始する制御信号を送信し(ステップS220)、エンジン22が完爆するのを待って(ステップS230)本ルーチンを終了する。なお、燃料噴射制御と点火制御とを開始する制御信号を受信したエンジンECU24は、燃料噴射弁から燃料噴射の制御と点火プラグによる点火の制御を開始する。こうして本ルーチンが終了すると、エンジン22およびモータMG1,MG2を駆動するトルク変換運転モードや充放電運転モードにより走行するための図示しない駆動制御ルーチンが実行される。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、クランク角CAに基づいてエンジン22をクランキングする際に生じるトルク脈動を脈動トルクTpとして設定すると共に設定した脈動トルクTpに基づいてトルク脈動を抑制するためにモータMG1から出力するトルクとしての制振トルクTvを設定し、車両重量Mに基づいてダンパ28のねじれ共振を生じる周波数である共振周波数Fを設定すると共に設定した脈動トルクTpに対して共振周波数Fの成分を抽出するようバンドパスフィルタによるフィルタ処理を施して共振成分Tfを演算し、クランキングトルクTsと制振トルクTvとの和から共振成分Tfを減じたトルクを出力するようモータMG1を駆動してエンジン22をクランキングするから、エンジン22をクランキングする際に生じるトルク脈動を抑制することができると共にエンジン22をクランキングする際に生じるダンパ28のねじれ共振による振動を抑制することができる。しかも、車両重量Mに応じて共振周波数Fを設定して共振成分Tfを演算するから車両重量Mが変化してもダンパ28のねじれ共振による振動をより確実に抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、車両重量Mに基づいてダンパ28のねじれ共振を生じる周波数である共振周波数Fを設定するものとしたが、車両に搭載されるエンジン22のクランクシャフト26の軸方向(車両に対してエンジンが横置きの場合には車両の左右方向、車両に対してエンジンが縦置きの場合には車両の前後方向)の車両の傾斜角に基づいて共振周波数Fを設定するものとしてもよい。傾斜角は、例えば、車両の上下方向の加速度を検出する図示しない上下Gセンサからの車両の上下方向の加速度の値に基づいてハイブリッド用電子制御ユニット70により計算されたものを用いたりすることができる。そして、傾斜角と共振周波数Fとの関係を予め実験などにより定めて共振周波数設定用マップとしてROM74に記憶しておけば、傾斜角が与えられると記憶したマップから対応する共振周波数Fを導出して設定することができる。傾斜角と共振周波数Fとの関係の一例を図8に示す。図示するように、傾斜角が大きくなるほど共振周波数Fが小さくなるのは、傾斜角に応じてエンジン22を支える図示しないエンジンマウントのバネ特性が共振周波数Fを低下させる方向に変化することが要因の一つとして考えられる。なお、共振周波数Fは、車両重量Mや傾斜角以外の他のパラメータを用いてを設定されるものとしてもよく、予め定めた固定値が設定されるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、クランク角CAと脈動トルクTpとの関係を予め定めて脈動トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、クランク角CAが与えられると記憶したマップから対応する脈動トルクTpを導出して設定し、設定した脈動トルクTpとは逆位相のトルクを制振トルクTvとして設定するものとしたが、脈動トルクTpを設定せずに、トルク脈動とクランク角CAとの関係を求めておきトルク脈動を抑制するための逆位相のトルクを制振トルクTvとして求めて予めROM74に制振トルク設定用マップとして記憶しておき、クランク角CAが与えられるとマップから対応する制振トルクTvを導出して設定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22のクランクシャフト26にダンパ28を介して接続されると共にモータMG1の回転軸やリングギヤ軸32aに接続される動力分配統合機構30とリングギヤ軸32aに接続されるモータMG2とを備えるものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図9における車輪65a,65bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の列車などの車両の形態としてもよいし、こうした車両における内燃機関の始動時の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30が「遊星歯車機構」に相当し、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1が「電動機」に相当し、インバータ41を介してモータMG1と電力のやりとりを行なうバッテリ50が「蓄電手段」に相当し、クランク角センサ23が「回転位置検出手段」に相当し、クランク角CAに基づいてエンジン22をクランキングする際に生じるトルク脈動を脈動トルクTpとして設定すると共に設定した脈動トルクTpに基づいてトルク脈動を抑制するためにモータMG1から出力するトルクとしての制振トルクTvを設定する図2のエンジン始動時駆動制御ルーチンのステップS130,S140の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「脈動低減トルク設定手段」に相当し、エンジン22をクランキングする際のトルク脈動に伴ってダンパ28のねじれ共振を生じる周波数である共振周波数Fを車両重量Mに基づいて設定すると共にクランク角CAに基づいて設定した脈動トルクTpに対して設定した共振周波数Fの成分を抽出するようバンドパスフィルタによるフィルタ処理を施して共振成分Tfを演算する図2のエンジン始動時駆動制御ルーチンのステップS130,S150の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「共振成分トルク設定手段」に相当し、クランキングトルクTsと制振トルクTvとの和から共振成分Tfを減じたものをモータMG1のトルク指令Tm1*として設定してモータECU40に送信するする図2のエンジン始動時駆動制御ルーチンのステップS160,S200の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とトルク指令Tm1*に基づいてモータMG1を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。また、サスペンション66a〜66dの変位量を検出するハイトセンサ90a〜90dとハイトセンサ90a〜90dからのサスペンション変位量Ha〜Hdに基づいて車両重量Mを演算するハイブリッド用電子制御ユニット70とが「車重検出手段」に相当し、車両の上下方向の加速度を検出する図示しない上下Gセンサと上下Gセンサからの車両の上下方向の加速度の値に基づいて傾斜角を計算するハイブリッド用電子制御ユニット70とが「傾斜検出手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「遊星歯車機構」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものなど、内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して3つの回転要素のうちの第1の回転要素が接続されると共に車軸に連結された駆動軸に第2の回転要素が接続されたものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、遊星歯車機構の第3の回転要素に回転子が接続されたものであれば如何なるタイプの電動機としても構わない。「蓄電手段」としては、バッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、電動機と電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。「回転位置検出手段」としては、クランク角センサ23に限定されるものではなく、内燃機関の出力軸の回転位置を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「脈動低減トルク設定手段」としては、クランク角CAに基づいてエンジン22をクランキングする際に生じるトルク脈動を脈動トルクTpとして設定すると共に設定した脈動トルクTpに基づいてトルク脈動を抑制するためにモータMG1から出力するトルクとしての制振トルクTvを設定するものに限定されるものではなく、検出された回転位置に基づいて内燃機関から出力されるトルクの脈動であるトルク脈動を低減する脈動低減トルクを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「共振成分トルク設定手段」としては、エンジン22をクランキングする際のトルク脈動に伴ってダンパ28のねじれ共振を生じる周波数である共振周波数Fを車両重量Mに基づいて設定すると共にクランク角CAに基づいて設定した脈動トルクTpに対して設定した共振周波数Fの成分を抽出するようバンドパスフィルタによるフィルタ処理を施して共振成分Tfを演算するものに限定されるものではなく、検出された回転位置に基づいてトルク脈動を抽出すると共に抽出したトルク脈動のうちねじれ要素の共振周波数帯の成分である共振成分トルクを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、クランキングトルクTsと制振トルクTvとの和から共振成分Tfを減じたものをモータMG1のトルク指令Tm1*として設定してモータMG1を制御するものに限定されるものではなく、内燃機関を始動するときには、内燃機関をクランキングするためのクランキングトルクと設定した脈動低減トルクとの和から設定した共振成分トルクを減じたトルクが電動機から出力されて内燃機関が始動されるよう内燃機関と電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。また、「車重検出手段」としては、サスペンション66a〜66dの変位量を検出するハイトセンサ90a〜90dとハイトセンサ90a〜90dからのサスペンション変位量Ha〜Hdに基づいて車両重量Mを演算するものとに限定されるものではなく、車重を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「傾斜検出手段」としては、車両の上下方向の加速度を検出する図示しない上下Gセンサと上下Gセンサからの車両の上下方向の加速度の値に基づいて傾斜角を計算するものとに限定されるものではなく、内燃機関の出力軸と同方向の車両の傾斜を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行されるエンジン始動時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 クランキングトルクTsの設定に用いられるトルクマップの一例とクランキングトルクTsをモータMG1から出力したときのエンジン22の回転数Neの変化の様子の一例とを示す説明図である。 脈動トルク設定用マップの一例および脈動トルクTpに基づいて設定された制振トルクTvとクランク角CAとの関係の一例を示す説明図である。 共振周波数設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22をクランキングしている最中における動力分配統合機構30の各回転要素の回転数とトルクとの関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 傾斜角と共振周波数Fとの関係の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、23 クランク角センサ、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b,65a,65b 車輪、66a〜66d サスペンション、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90a〜90d ハイトセンサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (5)

  1. 内燃機関と、前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して3つの回転要素のうちの第1の回転要素が接続されると共に車軸に連結された駆動軸に第2の回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構の第3の回転要素に回転子が接続された電動機と、前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
    前記出力軸の回転位置を検出する回転位置検出手段と、
    前記検出された回転位置に基づいて前記内燃機関から出力されるトルクの脈動であるトルク脈動を低減する脈動低減トルクを設定する脈動低減トルク設定手段と、
    前記検出された回転位置に基づいて前記トルク脈動を抽出すると共に該抽出したトルク脈動のうち前記ねじれ要素の共振周波数帯の成分である共振成分トルクを設定する共振成分トルク設定手段と、
    前記内燃機関を始動するときには、前記内燃機関をクランキングするためのクランキングトルクと前記設定した脈動低減トルクとの和から前記設定した共振成分トルクを減じたトルクが前記電動機から出力されて前記内燃機関が始動されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド車であって、
    車重を検出する車重検出手段を備え、
    前記共振成分トルク設定手段は、前記検出された車重が大きいほど低い周波数帯を前記共振周波数帯として前記共振成分トルクを設定する手段である、
    ハイブリッド車。
  3. 請求項1または2記載のハイブリッド車であって、
    前記内燃機関の出力軸の軸方向の車両の傾斜を検出する傾斜検出手段を備え、
    前記共振成分トルク設定手段は、前記検出された傾斜が大きいほど低い周波数帯を前記共振周波数帯として前記共振成分トルクを設定する手段である、
    ハイブリッド車。
  4. 請求項1ないし3いずれか1つの請求項に記載のハイブリッド車であって、
    前記共振成分トルク設定手段は、前記トルク脈動に対して前記共振周波数帯をパスするバンドパスフィルタを施して得られる成分を前記共振成分トルクとして設定する手段である、
    ハイブリッド車。
  5. 内燃機関と、前記内燃機関の出力軸にねじれ要素を介して3つの回転要素のうちの第1の回転要素が接続されると共に車軸に連結された駆動軸に第2の回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記遊星歯車機構の第3の回転要素に回転子が接続された電動機と、前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車における前記内燃機関の始動時の制御方法であって、
    前記出力軸の回転位置に基づいて前記内燃機関から出力されるトルクの脈動であるトルク脈動を低減する脈動低減トルクを設定すると共に前記トルク脈動のうち前記ねじれ要素の共振周波数帯の成分である共振成分トルクを設定し、前記内燃機関をクランキングするためのクランキングトルクと前記設定した脈動低減トルクとの和から前記設定した共振成分トルクを減じたトルクが前記電動機から出力されて前記内燃機関が始動されるよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する、
    ことを特徴とするハイブリッド車における前記内燃機関の始動時の制御方法。
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