JP5177093B2 - ハイブリッド車およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車およびその制御方法に関する。
従来、この種の車両としては、所定の自動停止条件が成立したときにエンジンを自動停止させるものであって、自動停止条件を車両の走行中においても成立可能とするものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両では、車両が停止する前にエンジンを自動停止させることにより、乗員がエンジンの自動停止に伴う車体の振動を体感するのを抑制することができるとしている。
2005−344664号公報
エンジンと、発電機と、エンジンと発電機と車軸に連結された駆動軸とに接続された遊星歯車機構と、駆動軸に接続された電動機と、を備えるハイブリッド車では、エンジンを停止させる際に、エンジンの回転数が車両の共振回転数帯を迅速に通過するように発電機からエンジンの回転数を小さくする方向のトルクを出力する場合がある。この場合、エンジンや発電機の回転数が大きく変化するから、走行に要求される要求駆動力により走行するには、発電機からの出力によって遊星歯車機構を介して駆動軸に作用するトルクとエンジンや発電機の回転数の変化に伴って駆動軸に作用するトルクとを考慮して電動機を駆動制御することが望ましい。こうした制御をエンジンへの燃料噴射を停止したときに用いると、エンジンへの燃料噴射を停止した直後はエンジンの状態が不安定であるため、駆動軸に予期しない駆動力が出力される場合がある。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、内燃機関への燃料噴射を停止するときに駆動軸に予期しない駆動力が作用するのを抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸とに3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記内燃機関の停止指示がなされたときには、前記内燃機関に対しては燃料噴射が停止されるよう制御し、前記発電機に対しては前記内燃機関を回転停止させるための所定の停止用トルクが該発電機から出力されるよう制御し、前記電動機に対しては、前記内燃機関への燃料噴射が行なわれて該内燃機関が安定して運転されている状態から前記内燃機関への燃料噴射が停止されて該内燃機関が安定する状態に移行するのに要する時間として予め設定された所定時間が該内燃機関への燃料噴射が停止されてから経過するまでは前記発電機からの前記所定の停止用トルクの出力により前記遊星歯車機構を介して前記駆動軸に作用する発電機作用トルクを前記設定された要求駆動力に基づく前記電動機から出力すべき走行用トルクから減じたトルクが前記電動機から出力されるよう制御し、前記所定時間が経過した以降は前記内燃機関および前記発電機を含む回転系の回転数の変化に伴って前記駆動軸に作用すると考えられる慣性系トルクと前記発電機作用トルクとを前記走行用トルクから減じたトルクが前記電動機から出力されるよう制御する機関停止時制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、内燃機関の停止指示がなされたときには、内燃機関に対しては燃料噴射が停止されるよう制御し、発電機に対しては内燃機関を回転停止させるための所定の停止用トルクが発電機から出力されるよう制御する。そして、電動機に対しては、内燃機関への燃料噴射が行なわれて内燃機関が安定して運転されている状態から内燃機関への燃料噴射が停止されて内燃機関が安定する状態に移行するのに要する時間として予め定められた所定時間が内燃機関への燃料噴射が停止されてから経過するまでは発電機からの所定の停止用トルクの出力により遊星歯車機構を介して駆動軸に作用する発電機作用トルクを走行に要求される要求駆動力に基づく電動機から出力すべき走行用トルクから減じたトルクが電動機から出力されるよう制御し、所定時間が経過した以降は内燃機関および発電機を含む回転系の回転数の変化に伴って駆動軸に作用すると考えられる慣性系トルクと発電機作用トルクとを走行用トルクから減じたトルクが電動機から出力されるよう制御する。これにより、所定時間が経過するまでに慣性系トルクを考慮して電動機を制御することに伴って駆動軸に予期しない駆動力が作用するのを抑制することができる。もとより、設定された要求駆動力により近い駆動力によって走行することができる。ここで、「所定時間」としては、例えば、内燃機関への燃料噴射が停止されてから内燃機関から出力軸に作用するトルクが内燃機関の回転数を低下させる方向のトルクとなるまでに要する時間として予め定められた時間としたり、内燃機関への燃料噴射が停止されてから内燃機関の回転数が低下し始めるまでの時間として予め定められた時間としたりすることができる。
こうした本発明のハイブリッド車において、前記制御手段は、前記内燃機関を運転制御する機関用制御手段と、前記電動機を駆動制御すると共に前記機関用制御手段と通信可能に接続されて該機関用制御手段に前記内燃機関の制御指令を送信可能な主制御手段と、を備える手段であり、前記機関用制御手段は、前記主制御手段から前記内燃機関の停止指令を受信したときに、該内燃機関への燃料噴射を停止するよう該内燃機関を制御すると共に該制御後に前記主制御手段に燃料噴射停止完了信号を送信する手段であり、前記主制御手段は、前記内燃機関の停止指示がなされたときに、前記機関用制御手段に前記内燃機関の停止指令を送信し、該送信後に前記燃料噴射停止完了信号が入力されたときを前記内燃機関への燃料噴射が停止されたときとして制御する手段である、ものとすることができる。こうすれば、制御指令を受信してから機関用制御手段が内燃機関への燃料噴射を停止するまでに要する時間や主制御手段と機関用制御手段との通信遅れなどを考慮して電動機を制御することができる。
また、本発明のハイブリッド車において、前記制御手段は、前記発電機作用トルクに対して慣性率を乗じることにより前記慣性系トルクを演算する手段であるものとすることもできる。この場合、前記制御手段は、予め設定された目標慣性率に対して緩変化処理を施すことにより前記慣性率を設定する手段であるものとすることもできる。こうすれば、慣性系トルクをより簡易に設定して電動機を制御することができる。
本発明のハイブリッド車の制御方法は、
内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車における前記内燃機関の停止指示がなされたときの制御方法であって、
前記内燃機関に対しては燃料噴射が停止されるよう制御し、前記発電機に対しては前記内燃機関を回転停止させるための所定の停止用トルクが該発電機から出力されるよう制御し、前記電動機に対しては、前記内燃機関への燃料噴射が行なわれて該内燃機関が安定して運転されている状態から前記内燃機関への燃料噴射が停止されて該内燃機関が安定する状態に移行するのに要する時間として予め設定された所定時間が該内燃機関への燃料噴射が停止されてから経過するまでは前記発電機からの前記所定の停止用トルクの出力により前記遊星歯車機構を介して前記駆動軸に作用する発電機作用トルクを走行に要求される要求駆動力に基づく前記電動機から出力すべき走行用トルクから減じたトルクが前記電動機から出力されるよう制御し、前記所定時間が経過した以降は前記内燃機関および前記発電機を含む回転系の回転数の変化に伴って前記駆動軸に作用すると考えられる慣性系トルクと前記発電機作用トルクとを前記走行用トルクから減じたトルクが前記電動機から出力されるよう制御する、
ことを特徴とする。
この本発明のハイブリッド車の制御方法では、内燃機関の停止指示がなされたときには、内燃機関に対しては燃料噴射が停止されるよう制御し、発電機に対しては内燃機関を回転停止させるための所定の停止用トルクが発電機から出力されるよう制御する。そして、電動機に対しては、内燃機関への燃料噴射が行なわれて内燃機関が安定して運転されている状態から内燃機関への燃料噴射が停止されて内燃機関が安定する状態に移行するのに要する時間として予め定められた所定時間が内燃機関への燃料噴射が停止されてから経過するまでは発電機からの所定の停止用トルクの出力により遊星歯車機構を介して駆動軸に作用する発電機作用トルクを走行に要求される要求駆動力に基づく電動機から出力すべき走行用トルクから減じたトルクが電動機から出力されるよう制御し、所定時間が経過した以降は内燃機関および発電機を含む回転系の回転数の変化に伴って駆動軸に作用すると考えられる慣性系トルクと発電機作用トルクとを走行用トルクから減じたトルクが電動機から出力されるよう制御する。これにより、所定時間が経過するまでに慣性系トルクを考慮して電動機を制御することに伴って駆動軸に予期しない駆動力が作用するのを抑制することができる。もとより、設定された要求駆動力により近い駆動力によって走行することができる。ここで、「所定時間」としては、例えば、内燃機関への燃料噴射が停止されてから内燃機関から出力軸に作用するトルクが内燃機関の回転数を低下させる方向のトルクとなるまでに要する時間として予め定められた時間としたり、内燃機関への燃料噴射が停止されてから内燃機関の回転数が低下し始めるまでの時間として予め定められた時間としたりすることができる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停止時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 実施例のトルク指令設定用マップにおけるモータMG1のトルク指令Tm1*とエンジン22の回転数Neとの関係の一例を示す説明図である。 エンジン22を停止する際の動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 時刻tstartにエンジン22の停止指示がなされたときのエンジン22の回転数NeやエンジンECU24からの燃料噴射の停止完了信号の受信状況,慣性率kの時間経過の様子の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aと、このリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26のクランク角を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションなどが入力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介してモータMG2がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、エンジン22の停止指示がなされてエンジン22を停止する際の動作について説明する。図2はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停止時駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、例えば、エンジン22の運転を伴って走行しているときに、バッテリ50の残容量(SOC)が充電を要求しない所定残容量以上でエンジン22に要求される動力が予め定められた停止用動力未満となったときなどに開始される。
停止時駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、エンジン22への燃料噴射が停止されるよう燃料カット信号をエンジンECU24に送信し(ステップS100)、エンジンECU24から燃料噴射の停止完了信号が受信されたか否かを判定する(ステップS110)。燃料カット信号を受信したエンジンECU24は、エンジン24への燃料噴射を停止し、燃料噴射を停止した後に停止完了信号をハイブリッド用電子制御ユニット70に送信する。
いまは、エンジン22の停止指示がなされてエンジンECU24に燃料カット信号を送信した直後を考えているから、まだエンジンECU24から燃料噴射の停止完了信号は受信されておらず(ステップS110)、続いて、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Woutなど制御に必要なデータを入力する(ステップS130)。ここで、エンジン22の回転数Neは、図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいて演算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を設定する(ステップS140)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。
次に、エンジン22の回転数Neに基づいてモータMG1のトルク指令Tm1*を設定する(ステップS150)。モータMG1のトルク指令Tm1*は、実施例では、エンジン22の回転数Neとトルク指令Tm1*との関係を予め定めて図示しないトルク指令設定用マップとしてROM74に記憶しておき、エンジン22の回転数Neが与えられると記憶したマップから対応するトルク指令Tm1*を導出して設定するものとした。図4に、実施例のトルク指令設定用マップにおけるモータMG1のトルク指令Tm1*とエンジン22の回転数Neとの関係の一例を示す。モータMG1のトルク指令Tm1*は、図示するように、エンジン22の回転数Neが車両の共振回転数帯(例えば、300rpm〜600rpmなど)を迅速に通過してエンジン22がスムーズに停止されるよう設定される。
続いて、燃料噴射の停止完了信号が受信されてからの経過時間tを所定時間trefと比較する(ステップS160)。所定時間trefは、エンジン22への燃料噴射が行なわれてエンジン22が安定して運転されている状態からエンジン22への燃料噴射が停止されてエンジン22が安定する状態に移行するまでに要する移行所要時間として予め実験などにより定められた時間(例えば、数十msecなど)を用いることができる。なお、移行所要時間としては、例えば、燃料噴射の停止完了信号が受信されてからエンジン22からクランクシャフト26に作用するトルクがエンジン22の回転数Neを上昇させる方向のトルクから低下させる方向のトルクに変化するまでの時間としたり、停止完了信号が受信されてからエンジン22の回転数Neが低下し始めるまでの時間としたりすることができる。また、経過時間tは、本ルーチンが開始されるときに値0にリセットされるものとし、いまは、まだエンジンECU24からの停止完了信号が受信されていないときを考えているから、経過時間tは所定時間tref未満である。
そして、経過時間tが所定時間trefに至っていないときには、エンジン22への燃料噴射が停止されていないか燃料噴射が停止されていてもエンジン22の状態が安定していないと判断し、要求トルクTr*にトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えてモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(1)により計算し(ステップS170)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(2)および式(3)により計算すると共に(ステップS200)、設定した仮トルクTm2tmpをトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS210)。 式(2)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22を停止する際の動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図5に示す。図中、S軸,C軸,R軸は、それぞれサンギヤ31の回転数,キャリア34の回転数,リングギヤ32の回転数Nrを示す。なお、R軸上の3つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1が動力分配統合機構30を介してリングギヤ軸32aに作用する作用トルク(=−Tm1/ρ)と、エンジン22およびモータMG1を含む回転系の回転数の変化に伴ってリングギヤ軸32aに作用すると考えられる慣性系トルク(=k・Tm1/ρ)と、モータMG2からリングギヤ軸32aに出力されるトルクTm2とを示す。ただし、いまは、慣性系トルクを考慮せずに仮トルクTm2tmpを設定する。即ち、経過時間tが所定時間trefに至っていないときには、仮トルクTm2tmpには、要求トルクTr*からモータMG1の出力による作用トルクを減じたトルクを設定するのである。この理由については後述する。
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ (1)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (2)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (3)
こうしてモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定すると、設定したモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信し(ステップS220)、エンジン22の回転数Neを停止回転数Nstopと比較し(ステップS230)、エンジン22の回転数Neが停止回転数Nstop以上のときにはステップS110の処理に戻る。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。ここで、停止回転数Nstopは、エンジン22の回転が停止したか否かを判定するための回転数として予め定められた回転数(例えば、50rpmや100rpmなど)を用いることができる。
こうしてモータMG1からエンジン22の回転数Neを低下させる方向のトルクを出力させながら走行しているときに、エンジンECU24から燃料噴射の停止完了信号が受信されると(ステップS110)、エンジン22への燃料噴射が停止されたと判断して、図示しないタイマによる経過時間tの計時処理を開始する(ステップS120)。このように経過時間tの計時処理が開始された後は、経過時間tが所定時間trefに至るまでは(ステップS160)、上述のステップS110,S130〜S170,S200〜S230の処理を繰り返し実行し、エンジン22の回転数Neを低下させる方向のトルクがモータMG1から出力されるようモータMG1を制御すると共に要求トルクTr*からモータMG1の出力による作用トルクを減じたトルクがモータMG2から出力されるようモータMG2を制御する。なお、こうして経過時間tの計時処理を開始した後は、ステップS110では、既に燃料噴射の停止完了信号は受信されているので再度経過時間tの計時処理を開始することなくステップS130に進む。
そして、経過時間tが所定時間trefに至ると(ステップS160)、エンジン22への燃料噴射が停止されてエンジン22の状態が安定したと判断し、目標慣性率k*と前回この処理によって設定された慣性率(前回k)とを用いて慣性率kを次式(4)により設定する(ステップS180)。目標慣性率k*は、エンジン22およびモータMG1を含む回転系の回転数の変化に伴ってリングギヤ軸32aに作用するトルクを考慮してモータMG2を駆動するための値として予め実験などにより定められる値(例えば、値0.6や値0.7など)を用いることができる。ここで、式(4)中、「τ」は、なまし係数であり、この式(4)は、慣性率kを目標慣性率k*に向けてなまし処理を施して設定するための式である。慣性率kは、本ルーチンが開始されるときに値0にリセットされるものとし、経過時間tが所定時間trefに至った以降は、値0から目標慣性率k*に向けて滑らかに変化する値が設定されることになる。こうして慣性率kが設定されると、設定された慣性率kと要求トルクTr*とモータMG1のトルク指令Tm1*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて仮トルクTm2tmpを次式(5)により設定すると共に(ステップS190)、設定された仮トルクTm2tmpを上述の式(2)および式(3)により設定されたトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信し(ステップS200〜S220)、エンジン22の回転数Neが停止回転数Nstop以上のときには(ステップS230)、上述したステップS110〜S160,S180〜S220の処理を繰り返し実行する。ここで、式(5)は、要求トルクTr*とモータMG1の出力による作用トルク(−Tm1/ρ)とに加え、エンジン22およびモータMG1を含む回転系の回転数の変化に伴って駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用すると考えられる慣性系トルク(k・Tm1/ρ)を考慮してモータMG2の仮トルクTm2tmpを設定するための式であり、図5の共線図から容易に導くことができる。即ち、経過時間tが所定時間trefに至った以降は、要求トルクTr*からモータMG1の出力による作用トルクと慣性系トルクとを減じたトルクが仮トルクTm2tmpに設定されてモータMG2が駆動されるのである。いまは、モータMG1からエンジン22の回転数Neを低下させるトルクが出力されてエンジン22やモータMG1を含む回転系の回転数が比較的大きく変化するときを考えているから、こうした慣性系トルクを考慮してモータMG2を駆動することにより、要求トルクTr*により近い駆動力を駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力して走行することができる。
k=(1-τ)・前回k+τ・k* (4)
Tm2tmp=Tr*+Tm1*/ρ・(1-k) (5)
このように経過時間tが所定時間trefに至り、モータMG1からはエンジン22の回転数Neを低下させるトルクが出力されると共にモータMG2からは要求トルクTr*からモータMG1の出力による作用トルクと慣性系トルクとを減じたトルクが出力されているときに、エンジン22の回転数Neが停止回転数Nstop未満に至ったときには(ステップS230)、エンジン22の停止を完了したと判断して本ルーチンを終了する。
図6に、時刻tstartにエンジン22の停止指示がなされたときのエンジン22の回転数NeやエンジンECU24からの燃料噴射の停止完了信号の受信状況,慣性率kの時間経過の様子の一例を示す。なお、図中、慣性率kの実線は、燃料噴射の停止完了信号が受信されてから所定時間trefが経過した後になまし処理を用いて慣性率kを設定する実施例の様子を示し、破線は、エンジン22の停止指示がなされたときに直ちになまし処理を用いて慣性率kを設定する比較例の様子を示す。ここで、燃料噴射の停止完了信号が受信されてから所定時間trefが経過するまではエンジン22およびモータMG1を含む回転系の回転数の変化に伴って駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用すると考えられる慣性系トルクを考慮せずにモータMG2を駆動し、所定時間trefが経過した以降に慣性系トルクを考慮してモータMG2を駆動する理由について説明する。一般的に、エンジン22は、燃料噴射が行なわれてからその燃料が点火されて爆発燃焼に伴うトルクが出力されるまでにタイムラグがあるから、エンジン22への燃料噴射が停止されても、その直前に噴射された燃料が点火されてエンジン22から爆発燃焼に伴うトルクが出力される場合がある。また、エンジン22への燃料噴射を停止するときには、図示しないスロットルバルブのスロットル開度や図示しない吸気バルブの開閉タイミングを変更する場合もある。したがって、エンジン22への燃料噴射を停止した直後はエンジン22の状態が不安定となり、こうしたエンジン22への燃料噴射を停止した直後に慣性系トルクを考慮してモータMG2を駆動制御すると、リングギヤ軸32aに予期しないトルクが出力される場合がある。このため、実施例では、エンジン22への燃料噴射が停止されてから所定時間trefが経過するまではエンジン22の状態が不安定であると判断して慣性系トルクを考慮せずにモータMG2を駆動し、所定時間trefが経過した以降にエンジン22の状態が安定したと判断し慣性率kに基づく慣性系トルクを考慮してモータMG2を駆動するのである。これにより、エンジン22の状態が不安定であるときに慣性系トルクを考慮してモータMG2を駆動することに伴ってリングギヤ軸32aに予期しないトルクが作用するのを抑制することができる。しかも、実施例では、エンジンECU24から燃料噴射の停止完了信号を受信したときに、エンジン22への燃料噴射が停止されたと判断して経過時間tの計時処理を開始するものとしたから、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの燃料カット信号に応じてエンジンECU24がエンジン22への燃料噴射を停止するまでに要する時間や、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24との通信遅れを考慮してモータMG2を駆動制御することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エンジン22の停止指示がなされたときに、エンジン22に対しては燃料噴射が停止されるよう制御し、モータMG1に対してはエンジン22を回転停止させるためのトルクが出力されるよう制御し、モータMG2に対しては、燃料噴射の停止完了信号が受信されてから所定時間trefが経過するまではモータMG1の出力によって動力分配統合機構30を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用する作用トルクを要求トルクTr*から減じたトルクがモータMG2から出力されるよう制御し、所定時間trefが経過した以降はエンジン22とモータMG1とを含む回転系の回転数の変化に伴ってリングギヤ軸32aに作用すると考えられる慣性系トルクとモータMG1の出力による作用トルクとを要求トルクTr*から減じたトルクがモータMG2から出力されるよう制御するから、所定時間trefが経過するまでに慣性系トルクを考慮してモータMG2を駆動することに伴って駆動軸としてのリングギヤ軸32aに予期しない駆動力が作用するのを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、経過時間tが所定時間trefに至った以降は、目標慣性率k*に基づいて慣性率kを設定するものとしたが、目標慣性率k*は、所定のパラメータに基づく値を設定するものとしてもよく、例えば、モータMG1の回転数Nm1の変化量やエンジンの回転数Neの変化量が大きいほど大きい値を設定するものとしてもよい。また、目標慣性率k*は、経過時間tが所定時間trefに至ってから予め定められた時間t1が経過するまでは値k1を設定すると共にこの時間t1が経過した以降は値k1より小さな値k2を設定するものとしてもよいし、動力分配統合機構30などのギヤのガタ詰めが行なわれている間は値k3を設定すると共にこうしたギヤのガタ詰めが完了した以降は値k3より大きな値k4を設定するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、慣性率kは、目標慣性率k*に対してなまし処理を施して設定するものとしたが、なまし処理に代えてまたは加えて目標慣性率k*に対してレート処理を施して設定するものとしてもよい。また、目標慣性率k*をそのまま慣性率kに設定するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジンECU24からの燃料噴射の停止完了信号が受信されたときに経過時間tの計時処理を開始するものとしたが、エンジン22の停止指示がなされたときやエンジンECU24に燃料カット信号を送信するときに経過時間tの計時処理を開始するものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに直接モータMG2を取り付けるものとしたが、減速ギヤを介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしてもよいし、2段変速や3段変速,4段変速などの変速機を介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしても構わない。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図7における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
また、こうしたハイブリッド自動車に適用するものに限定されるものではなく、列車など自動車以外の車両の形態としても構わない。さらに、こうしたハイブリッド車の制御方法の形態としてもよい。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「遊星歯車機構」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する図3の駆動制御ルーチンのステップS140の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、エンジン22の停止指示がなされたときに、エンジンECU24に燃料カット指示を送信し、エンジン22の回転数Neが車両の共振回転数帯を迅速に通過してエンジン22がスムーズに停止されるようモータMG1のトルク指令Tm1*を設定してモータECU40に送信し、エンジンECU24から燃料噴射の停止完了信号が入力されてから所定時間trefが経過するまではモータMG1の出力によって動力分配統合機構30を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用する作用トルクを要求トルクTr*から減じたトルクがモータMG2から出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信し、所定時間trefが経過した以降はエンジン22とモータMG1とを含む回転系の回転数の変化に伴ってリングギヤ軸32aに作用すると考えられる慣性系トルクとモータMG1の出力による作用トルクとを要求トルクTr*から減じたトルクがモータMG2から出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信するハイブリッド用電子制御ユニット70と、燃料カット指示に基づいてエンジン22への燃料噴射を停止してハイブリッド用電子制御ユニット70に停止完了信号を送信するエンジンECU24と、トルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「機関停止時制御手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。「遊星歯車機構」としては、動力分配統合機構30に限定されるものではなく、車軸に連結された駆動軸と内燃機関の出力軸と発電機の回転軸とに3つの回転要素が接続されたものであれば如何なるものとしても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「蓄電手段」としては、二次電池としてのバッテリ50に限定されるものではなく、キャパシタなど、発電機や電動機と電力のやりとりが可能であれば如何なるものとしても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものや走行経路が予め設定されているものにあっては走行経路における走行位置に基づいて要求トルクを設定するものなど、走行に要求される要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「機関停止時制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「機関停止時制御手段」としては、エンジン22の停止指示がなされたときに、エンジン22への燃料噴射を停止し、エンジン22の回転数Neが車両の共振回転数帯を迅速に通過してエンジン22がスムーズに停止されるようモータMG1を制御し、エンジン22への燃料噴射を停止してから所定時間trefが経過するまではモータMG1の出力によって動力分配統合機構30を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに作用する作用トルクを要求トルクTr*から減じたトルクがモータMG2から出力されるようモータMG2を制御し、所定時間trefが経過した以降はエンジン22とモータMG1とを含む回転系の回転数の変化に伴ってリングギヤ軸32aに作用すると考えられる慣性系トルクとモータMG1の出力による作用トルクとを要求トルクTr*から減じたトルクがモータMG2から出力されるようモータMG2を制御するものに限定されるものではなく、内燃機関の停止指示がなされたときには、内燃機関に対しては燃料噴射が停止されるよう制御し、発電機に対しては内燃機関を回転停止させるための所定の停止用トルクが発電機から出力されるよう制御し、電動機に対しては、内燃機関への燃料噴射が行なわれて内燃機関が安定して運転されている状態から内燃機関への燃料噴射が停止されて内燃機関が安定する状態に移行するのに要する時間として予め定められた所定時間が内燃機関への燃料噴射が停止されてから経過するまでは発電機からの停止用トルクの出力により遊星歯車機構を介して駆動軸に作用する発電機作用トルクを走行に要求される要求駆動力に基づく電動機から出力すべき走行用トルクから減じたトルクが電動機から出力されるよう制御し、所定時間が経過した以降は内燃機関および発電機を含む回転系の回転数の変化に伴って駆動軸に作用すると考えられる慣性系トルクと発電機作用トルクとを走行用トルクから減じたトルクが電動機から出力されるよう制御するものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド車の製造産業などに利用可能である。
20,120 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、MG1,MG2 モータ。

Claims (5)

  1. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸とに3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車であって、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記内燃機関の停止指示がなされたときには、前記内燃機関に対しては燃料噴射が停止されるよう制御し、前記発電機に対しては前記内燃機関を回転停止させるための所定の停止用トルクが該発電機から出力されるよう制御し、前記電動機に対しては、前記内燃機関への燃料噴射が行なわれて該内燃機関が安定して運転されている状態から前記内燃機関への燃料噴射が停止されて該内燃機関が安定する状態に移行するのに要する時間として予め設定された所定時間が該内燃機関への燃料噴射が停止されてから経過するまでは前記発電機からの前記停止用トルクの出力により前記遊星歯車機構を介して前記駆動軸に作用する発電機作用トルクを前記設定された要求駆動力に基づく前記電動機から出力すべき走行用トルクから減じたトルクが前記電動機から出力されるよう制御し、前記所定時間が経過した以降は前記内燃機関および前記発電機を含む回転系の回転数の変化に伴って前記駆動軸に作用すると考えられる慣性系トルクと前記発電機作用トルクとを前記走行用トルクから減じたトルクが前記電動機から出力されるよう制御する機関停止時制御手段と、
    を備えるハイブリッド車。
  2. 請求項1記載のハイブリッド車であって、
    前記制御手段は、前記内燃機関を運転制御する機関用制御手段と、前記電動機を駆動制御すると共に前記機関用制御手段と通信可能に接続されて該機関用制御手段に前記内燃機関の制御指令を送信可能な主制御手段と、を備える手段であり、
    前記機関用制御手段は、前記主制御手段から前記内燃機関の停止指令を受信したときに、該内燃機関への燃料噴射を停止するよう該内燃機関を制御すると共に該制御後に前記主制御手段に燃料噴射停止完了信号を送信する手段であり、
    前記主制御手段は、前記内燃機関の停止指示がなされたときに、前記機関用制御手段に前記内燃機関の停止指令を送信し、該送信後に前記燃料噴射停止完了信号が入力されたときを前記内燃機関への燃料噴射が停止されたときとして前記電動機を制御する手段である、
    ハイブリッド車。
  3. 請求項1または2記載のハイブリッド車であって、
    前記制御手段は、前記発電機作用トルクに対して慣性率を乗じることにより前記慣性系トルクを演算する手段である、
    ハイブリッド車。
  4. 請求項3記載のハイブリッド車であって、
    前記制御手段は、予め設定された目標慣性率に対して緩変化処理を施すことにより前記慣性率を設定する手段である、
    ハイブリッド車。
  5. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、車軸に連結された駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3つの回転要素が接続された遊星歯車機構と、前記駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記発電機および前記電動機と電力のやりとりが可能な蓄電手段と、を備えるハイブリッド車における前記内燃機関の停止指示がなされたときの制御方法であって、
    前記内燃機関に対しては燃料噴射が停止されるよう制御し、前記発電機に対しては前記内燃機関を回転停止させるための所定の停止用トルクが該発電機から出力されるよう制御し、前記電動機に対しては、前記内燃機関への燃料噴射が行なわれて該内燃機関が安定して運転されている状態から前記内燃機関への燃料噴射が停止されて該内燃機関が安定する状態に移行するのに要する時間として予め設定された所定時間が該内燃機関への燃料噴射が停止されてから経過するまでは前記発電機からの前記停止用トルクの出力により前記遊星歯車機構を介して前記駆動軸に作用する発電機作用トルクを走行に要求される要求駆動力に基づく前記電動機から出力すべき走行用トルクから減じたトルクが前記電動機から出力されるよう制御し、前記所定時間が経過した以降は前記内燃機関および前記発電機を含む回転系の回転数の変化に伴って前記駆動軸に作用すると考えられる慣性系トルクと前記発電機作用トルクとを前記走行用トルクから減じたトルクが前記電動機から出力されるよう制御する、
    ことを特徴とするハイブリッド車の制御方法。
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