JP5034958B2 - ハイブリッド車およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車およびその制御方法に関し、詳しくは、内燃機関と電動機とを有し、内燃機関の間欠運転を伴って走行するハイブリッド車およびその制御方法に関する。
従来、この種のハイブリッド車としては、エンジンと、エンジンを熱源とする暖気を乗員室に送風する空調装置と、燃費を優先するよう指示するエコスイッチとを備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このハイブリッド車では、燃費を優先するよう指示されているときには、エンジン水温の変化に対して空調装置のブロワのレベルの変化が緩慢なマップを用いて空調装置のブロワを駆動すると共にエンジンがオフされやすいマップを用いてエンジンのオンオフを判定することにより、燃費の向上と乗員室の適正な暖房との両立を図っている。
特開2006−182165号公報
一般に、ハイブリッド車では、燃費を向上させることが課題の一つとされている。特に、上述のハイブリッド車のようにエコスイッチを備えるものでは、このエコスイッチがオンされたときの燃費をより向上させることが望まれている。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、燃費や快適性を考慮して走行する通常走行モードより燃費を優先する燃費優先走行モードが設定されたときに、燃費をより向上させることを主目的とする。
本発明のハイブリッド車およびその制御方法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド車は、
内燃機関と電動機とを有し、前記内燃機関の間欠運転を伴って走行するハイブリッド車であって、
燃費と快適性とを考慮して走行する通常走行モードと該通常走行モードより燃費を優先して走行する燃費優先走行モードとを切り替えて設定するモード設定スイッチと、
走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関に要求される要求パワーを設定する要求パワー設定手段と、
前記モード設定スイッチにより前記通常走行モードが設定されているときには前記設定された要求パワーに対して第1のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記モード設定スイッチにより前記燃費優先走行モードが設定されているときには前記設定された要求パワーに対して前記第1のヒステリシスより小さな第2のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド車では、燃費と快適性とを考慮して走行する通常走行モードが設定されているときには、走行に要求される要求駆動力に基づく内燃機関に要求される要求パワーに対して第1のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう内燃機関と電動機とを制御する。一方、通常走行モードより燃費を優先して走行する燃費優先走行モードが設定されているときには、要求パワーに対して第1のヒステリシスより小さな第2のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう内燃機関と電動機とを制御する。これにより、要求パワーに対してより適正なヒステリシスをもった停止判定や始動判定を用いて内燃機関を間欠運転すれば、燃費優先モードが設定されたときの燃費をより向上させることができる。
こうした本発明のハイブリッド車において、前記制御手段は、前記モード設定スイッチにより前記通常走行モードが設定されているときには前記設定された要求パワーが第1の所定パワー以上のときに前記始動判定を行なうと共に前記設定された要求パワーが前記第1の所定パワーより小さい第2の所定パワー未満のときに停止判定を行ない、前記モード設定スイッチにより前記燃費優先モードが設定されているときには前記設定された要求パワーが前記第1の所定パワー以上のときに前記始動判定を行なうと共に前記設定された要求パワーが前記第1の所定パワーより小さく前記第2の所定パワーより大きい第3の所定パワー未満のときに停止判定を行なう手段であるものとすることもできる。こうすれば、燃費優先モードが設定されているときに、通常走行モードが設定されているときに比して内燃機関が停止されやすくなり、燃費をより向上させることができる。
また、本発明のハイブリッド車において、前記制御手段は、車速が所定車速より大きいときには、前記設定された要求パワーに拘わらず前記内燃機関の運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。
さらに、本発明のハイブリッド車において、車軸に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸および前記出力軸に動力を入出力する電力動力入出力手段を備え、前記電動機は前記車軸または該車軸とは異なる車軸に連結されてなり、前記制御手段は、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する手段であるものとすることもできる。この態様の本発明のハイブリッド車において、前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段であるものとすることもできる。
本発明のハイブリッド車の制御方法は、
内燃機関と、電動機と、燃費と快適性とを考慮して走行する通常走行モードと該通常走行モードより燃費を優先して走行する燃費優先走行モードとを切り替えて設定するモード設定スイッチと、を備え、前記内燃機関の間欠運転を伴って走行するハイブリッド車の制御方法であって、
前記モード設定スイッチにより前記通常走行モードが設定されているときには走行に要求される要求駆動力に基づく前記内燃機関に要求される要求パワーに対して第1のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定した要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記モード設定スイッチにより前記燃費優先走行モードが設定されているときには前記要求パワーに対して前記第1のヒステリシスより小さな第2のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた前記内燃機関の間欠運転を伴って前記要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する、
ハイブリッド車の制御方法。
この本発明のハイブリッド車の制御方法では、燃費と快適性とを考慮して走行する通常走行モードが設定されているときには、走行に要求される要求駆動力に基づいて設定される内燃機関に要求される要求パワーに対して第1のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう内燃機関と電動機とを制御する。一方、通常走行モードより燃費を優先して走行する燃費優先走行モードが設定されているときには、要求パワーに対して第1のヒステリシスより小さな第2のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう内燃機関と電動機とを制御する。これにより、要求パワーに対してより適正なヒステリシスをもった停止判定や始動判定を用いて内燃機関を間欠運転すれば、燃費優先モードが設定されたときの燃費をより向上させることができる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号、例えば、エンジン22のクランクシャフト26のクランク角を検出する図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションなどが入力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構60およびデファレンシャルギヤ62を介して、最終的には車両の駆動輪63a,63bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。なお、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、電池温度Tbに基づいて入出力制限Win,Woutの基本値を設定し、バッテリ50の残容量(SOC)に基づいて出力制限用補正係数と入力制限用補正係数とを設定し、設定した入出力制限Win,Woutの基本値に補正係数を乗じることにより設定することができる。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,運転席近傍に取り付けられて燃費と快適性とを考慮して走行する通常走行モードと通常走行モードより燃費を優先して走行する燃費優先モードとを切り替えて設定するエコスイッチ90からのエコスイッチ信号ESWなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。なお、エコスイッチ信号ESWは、燃費優先モードが設定されているときにオンとなり、通常走行モードが設定されているときにオフとなる信号である。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作について説明する。図2はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
駆動制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accや車速センサ88からの車速V,エンジン22の回転数Ne,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,バッテリ50の入出力制限Win,Wout,エコスイッチ90からのエコスイッチ信号ESWなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、図示しないクランクポジションセンサにより検出されたクランクシャフト26の回転位置に基づいて計算されたものをエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。さらに、バッテリ50の入出力制限Win,Woutは、バッテリ50の電池温度Tbとバッテリ50の残容量(SOC)とに基づいて設定されたものをバッテリECU52から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したアクセル開度Accと車速Vとに基づいて車両に要求されるトルクとして駆動輪63a,63bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*とエンジン22に要求される要求パワーPe*とを設定する(ステップS110)。要求トルクTr*は、実施例では、アクセル開度Accと車速Vと要求トルクTr*との関係を予め定めて要求トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、アクセル開度Accと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求トルク設定用マップの一例を示す。要求パワーPe*は、設定した要求トルクTr*にリングギヤ軸32aの回転数Nrを乗じたものとバッテリ50が要求する充放電要求パワーPb*とロスLossとの和として計算することができる。なお、リングギヤ軸32aの回転数Nrは、車速Vに換算係数kを乗じること(Nr=k・V)によって求めたり、モータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで割ること(Nr=Nm2/Gr)によって求めることができる。
続いて、エコスイッチ信号ESWのオンオフを判定し(ステップS120)、エコスイッチ信号ESWがオフのとき、即ち通常走行モードが設定されているときには、エンジン22の始動条件が成立しているか否かの判定に用いる始動閾値Pstartに値P1を設定すると共にエンジン22の停止条件が成立しているか否かの判定に用いる停止閾値Pstopに値P2を設定する(ステップS130)。ここで、値P1や値P2は、実施例では、車速Vと値P1や値P2との関係とを予め定めて閾値設定マップとしてROM74に記憶しておき、車速Vが与えられると記憶したマップから対応する値P1や値P2をそれぞれ導出して設定するものとした。図4に閾値設定用マップの一例を示す。図中、実線は値P1を示し、破線は値P2を示す。なお、図4には、後述する値P3についても一点鎖線で示している。値P1は、図示するように、値P2より大きな値が設定される。従って、始動閾値Pstartと停止閾値Pstopとは、ヒステリシスをもって設定されることになる。このように始動閾値Pstartと停止閾値Pstopとを設定するのは、エンジン22の始動条件や停止条件が頻繁に成立してエンジン22の始動と停止とが頻繁に行なわれるのを回避するためである。即ち、乗り心地の悪化を抑制するためである。なお、値P1,P2,P3は、いずれも車速Vが後述する停止禁止車速Vpr未満の範囲で定められており、停止禁止車速Vprより若干小さな車速領域で車速Vが大きいほど小さくなる傾向に定められている。
こうして始動閾値Pstartと停止閾値Pstopとを設定すると、エンジン22が運転中であるか否かを判定し(ステップS150)、エンジン22が運転中のときには、車速Vを停止禁止車速Vprと比較すると共に(ステップS160)、要求パワーPe*を停止閾値Pstopと比較する(ステップS170)。ここで、停止禁止車速Vprは、エンジン22の間欠運転を許可する車速の上限値近傍の車速として設定されており、例えば、40km/hや50km/hなどを用いることができる。実施例のハイブリッド自動車20では、車速Vが大きいときにはモータMG2の回転数Nm2が大きく、モータMG2から出力される電力(回転数Nm2×トルクTm2)も大きくなる。このため、車速Vが大きいときには、モータMG2から出力されるトルクだけでは、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクTr*を満たすことができない場合があり、車速Vが停止禁止車速Vpr以上のときにエンジン22の運転を継続すべきと判断する。なお、このエンジン22の運転を継続すべき判断を緩慢に行なうために、上述の始動閾値Pstartや停止閾値Pstopを設定するのに用いた値P1,P2および後述する値P3は、図4に示すように、停止禁止車速Vprより若干小さな車速領域で車速Vが大きいほど小さくなる傾向に定められている。
車速Vが停止禁止車速Vpr以上のときや、車速Vが停止禁止車速V未満であっても要求パワーPe*が停止閾値Pstop以上のときには、エンジン22の運転を継続すべきと判断し、要求パワーPe*に基づいてエンジン22を運転すべき運転ポイントとしての目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定してエンジンECU24に送信する(ステップS180)。この設定は、エンジン22を効率よく動作させる動作ラインと要求パワーPe*とに基づいて行なわれる。エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を図5に示す。図示するように、目標回転数Ne*と目標トルクTe*は、動作ラインと要求パワーPe*(Ne*×Te*)が一定の曲線との交点により求めることができる。また、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによって示される運転ポイントで運転されるようにエンジン22における吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。
次に、エンジン22の目標回転数Ne*とモータMG2の回転数Nm2と動力分配統合機構30のギヤ比ρと減速ギヤ35のギヤ比Grとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とに基づいて式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算する(ステップS190)。ここで、式(1)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図を図6に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。なお、R軸上の2つの太線矢印は、モータMG1から出力されたトルクTm1がリングギヤ軸32aに作用するトルクと、モータMG2から出力されるトルクTm2が減速ギヤ35を介してリングギヤ軸32aに作用するトルクとを示す。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ-Nm2/(Gr・ρ) (1)
Tm1*=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
続いて、要求トルクTr*に設定したトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除したものを加えて更に減速ギヤ35のギヤ比Grで除してモータMG2から出力すべきトルクの仮の値である仮トルクTm2tmpを次式(3)により計算し(ステップS280)、バッテリ50の入出力制限Win,Woutと設定したトルク指令Tm1*に現在のモータMG1の回転数Nm1を乗じて得られるモータMG1の消費電力(発電電力)との偏差をモータMG2の回転数Nm2で割ることによりモータMG2から出力してもよいトルクの上下限としてのトルク制限Tm2min,Tm2maxを次式(4)および式(5)により計算し(ステップS290)、この計算した仮トルクTm2tmpを式(6)によりトルク制限Tm2min,Tm2maxで制限してモータMG2のトルク指令Tm2*を設定すると共に(ステップS300)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS310)、駆動制御ルーチンを終了する。ここで、式(3)は、図6の共線図から容易に導くことができる。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*でモータMG1が駆動されると共にトルク指令Tm2*でモータMG2が駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内でエンジン22を効率よく運転して駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
Tm2tmp=(Tr*+Tm1*/ρ)/Gr (3)
Tm2min=(Win-Tm1*・Nm1)/Nm2 (4)
Tm2max=(Wout-Tm1*・Nm1)/Nm2 (5)
Tm2*=max(min(Tm2tmp,Tm2max),Tm2min) (6)
エンジン22が運転されているときに、ステップS160で車速Vが停止禁止車速Vpr未満であると共にステップS170で要求パワーPe*が停止閾値Pstop未満のときには、エンジン22の運転を停止すべきと判断し、エンジン22の運転を停止する制御信号をエンジンECU24に送信する(ステップS200)。制御信号を受信したエンジンECU24は、燃料噴射制御や点火制御を停止してエンジン22を停止する。そして、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共に(ステップS210)、設定したトルク指令Tm1*と入出力制限Win,Woutとを用いてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し(ステップS280〜300)、トルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信して(ステップS310)、駆動制御ルーチンを終了する。こうした制御により、エンジン22の運転を停止し、モータMG2からバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
エンジン22が停止されており、ステップS150でエンジン22が運転中でないと判定されるときには、エンジン22を始動している最中であるか否かを判定する(ステップS220)。いま、エンジン22が停止されているときを考えているからエンジン22を始動している最中ではないと判定され、車速Vを停止禁止車速Vprと比較すると共に(ステップS230)、要求パワーPe*を始動閾値Pstartと比較する(ステップS240)。車速Vが停止禁止車速Vpr未満であると共に要求パワーPe*が始動閾値Pstart未満のときには、エンジン22の停止を継続すべきと判断し、上述したステップS210,S280〜S310の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。
エンジン22が停止されていると共に、ステップS230で車速Vが停止禁止車速Vpr以上のときや車速Vが停止禁止車速Vpr未満であってもステップS240で要求パワーPe*が始動閾値Pstart以上のときには、エンジン22を始動すべきと判断し、モータMG1のトルク指令Tm1*にエンジン22を始動するためにモータMG1から出力すべきクランキングトルクTcrを設定し(ステップS250)、エンジン22の回転数Neが燃料噴射制御や点火制御を開始する点火開始回転数Nfire以上に至っているか否かを判定する(ステップS260)。いま、エンジン22の始動開始時を考えているから、エンジン22の回転数Neは小さく、点火開始回転数Nfire未満であると判定され、設定したトルク指令Tm1*と入出力制限Win,Woutとを用いて上述したステップS280〜S310の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。ここで、クランキングトルクTcrは、エンジン22の回転数Neが迅速にエンジン22が共振する固有共振回転数を通過して点火開始回転数Nfireに至るよう比較的大きな値が用いられ、エンジン22を始動すべきと判断してからの図示しない計時処理により計時される時間に対応するトルクが設定される。
エンジン22を始動している最中は、ステップS150でエンジン22が運転中でないと判定されると共にステップS220でエンジン22を始動している最中であると判定されるから、前述したステップS250,S260,S280〜S310の処理が繰り返し実行され、エンジン22の回転数Neが点火開始回転数Nfire以上に至ると(ステップS260)、燃料噴射制御と点火制御とが開始されるよう制御信号をエンジンECU24に送信し(ステップS270)、ステップS280〜S310の処理を実行して駆動制御ルーチンを終了する。制御信号を受信したエンジンECU24は、吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。そして、エンジン22が完爆すると、ステップS150でエンジン22が運転中であると判定されるようになる。こうした制御により、停止しているエンジン22を始動しながらモータMG2からバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行することができる。
ステップS120でエコスイッチ信号ESWがオンのとき、即ち燃費優先モードが設定されているときには、始動閾値Pstartにエコスイッチ信号ESWがオフのときと同一の値P1を設定すると共に停止閾値Pstopに値P3を設定し(ステップS140)、この設定した始動閾値Pstartと停止閾値Pstopとを用いて上述したステップS150〜S310を実行して駆動制御ルーチンを終了する。ここで、値P3は、図4中一点鎖線で示すように、値P1より小さく値P2より大きな値が設定される。したがって、燃費優先モードが設定されているときには、始動閾値Pstartと停止閾値Pstopとは、通常走行モードが設定されているときに比して小さなヒステリシスをもって設定されることになる。このように始動閾値Pstartと停止閾値Pstopとを設定するのは、燃費優先モードが設定されているときに、通常走行モードが設定されているときに比して乗り心地が若干低下しても燃費をより向上させるためである。即ち、ヒステリシスを小さくして停止閾値Pstopを大きく設定すると、要求パワーPe*が停止閾値Pstop未満であると判定されやすくなることによってエンジン22が停止されやすくなり、この結果、燃費優先モードが設定されているときにはエンジン22の停止時間を長くすることができ、燃費をより向上させることができるのである。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、エコスイッチ信号ESWがオフのときには、始動閾値Pstartに値P1を設定すると共に停止閾値Pstopに値P2を設定し、エコスイッチ信号EWSがオンのときには、始動閾値Pstartに値P1を設定すると共に停止閾値Pstopに値P2より大きな値P3を設定し、この始動閾値Pstartと停止閾値Pstopとを用いたエンジン22の間欠運転を伴って駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求駆動力Tr*が出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するから、燃費優先モードが設定されているときに、通常走行モードが設定されているときに比してエンジン22が停止されやすくすることができ、燃費をより向上させることができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、始動閾値Pstartにエコスイッチ信号ESWに拘わらず値P1を設定するものとしたが、始動閾値Pstartには、エコスイッチ信号ESWに応じた値を設定するものとしてもよい。この場合、エコスイッチ信号ESWがオンのときの停止閾値Pstopと始動閾値Pstartとの差が、エコスイッチ信号ESWがオフのときの停止閾値Pstopと始動閾値Pstartとの差より小さくなるよう始動閾値Pstartを設定するものとすればよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、車速Vが停止禁止車速Vpr以上のときには、要求パワーPe*に拘わらずエンジン22の運転を継続すべきと判断するものとしたが、車速Vが停止禁止車速Vpr以上のときでも要求パワーPe*に基づいてエンジン22の始動判定と停止判定とを行なうものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、停止閾値Pstopや始動閾値Pstartを設定するのに用いる値P2,P3,P1は、車速Vに基づいて設定されるものとしたが、これらの値は、駆動軸としてのリングギヤ軸32aの回転数NrやモータMG2の回転数Nm2などに基づいて設定されるものとしてもよいし、エコスイッチ信号ESWだけに基づく一定の値としてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、減速ギヤ35を介して駆動軸としてのリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしたが、リングギヤ軸32aにモータMG2を直接取り付けるものとしてもよいし、減速ギヤ35に代えて2段変速や3段変速,4段変速などの変速機を介してリングギヤ軸32aにモータMG2を取り付けるものとしても構わない。
実施例ハイブリッド自動車20では、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図7における車輪63c,63dに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図8の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
本実施例では、駐車状態でエンジン22の始動が要請されたときの本発明の内容をハイブリッド自動車20として説明したが、こうしたハイブリッド車の制御方法の形態としてもよい。
ここで、実施例や変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、エコスイッチ90が「モード設定スイッチ」に相当し、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定する図2の駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求駆動力設定手段」に相当し、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*に基づいてエンジン22から出力すべき要求パワーPe*を設定する図2の駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求パワー設定手段」に相当し、エコスイッチ信号ESWがオフのときには、始動閾値Pstartに値P1を設定すると共に停止閾値Pstopに値P2を設定し、エコスイッチ信号EWSがオンのときには、始動閾値Pstartに値P1を設定すると共に停止閾値Pstopに値P3を設定し、この始動閾値Pstartと停止閾値Pstopとを用いたエンジン22の間欠運転を伴ってバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とモータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定してエンジンECU24やモータECU40に送信する図2の駆動制御ルーチンのステップS120〜S310の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいてエンジン22を制御するエンジンECU24とトルク指令Tm1*,Tm2*に基づいてモータMG1,MG2を制御するモータECU40とが「制御手段」に相当する。また、動力分配統合機構30とモータMG1が「電力動力入出力手段」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当し、さらに、対ロータ電動機130も「電力動力入出力手段」に相当する。
ここで、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、回転軸に回転子が接続され固定子の回転磁界により回転子を回転駆動させて回転軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「モード設定スイッチ」としては、エコスイッチ90に限定されるものではなく、燃費と快適性とを考慮して走行する通常走行モードと該通常走行モードより燃費を優先して走行する燃費優先走行モードとを切り替えて設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「要求駆動力設定手段」としては、アクセル開度Accと車速Vとに基づいて要求トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、アクセル開度Accだけに基づいて要求トルクを設定するものや走行経路が予め設定されているものにあっては走行経路における走行位置に基づいて要求トルクを設定するものなど、走行に要求される要求駆動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。
「要求パワー設定手段」としては、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求される要求トルクTr*に基づいてエンジン22から出力すべき要求パワーPe*を設定する駆動制御ルーチンのステップS110の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70に限定されるものではなく、要求駆動力に基づいて内燃機関に要求される要求パワーを設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制御手段」としては、ハイブリッド用電子制御ユニット70とエンジンECU24とモータECU40とからなる組み合わせに限定されるものではなく単一の電子制御ユニットにより構成されるなどとしてもよい。また、「制御手段」としては、エコスイッチ信号ESWがオフのときには、始動閾値Pstartに値P1を設定すると共に停止閾値Pstopに値P2を設定し、エコスイッチ信号EWSがオンのときには、始動閾値Pstartに値P1を設定すると共に停止閾値Pstopに値P3を設定し、この始動閾値Pstartと停止閾値Pstopとを用いたエンジン22の間欠運転を伴ってバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で駆動軸としてのリングギヤ軸32aに要求トルクTr*を出力して走行するようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するものに限定されるものではなく、モード設定スイッチにより通常走行モードが設定されているときには要求パワーに対して第1のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう内燃機関と電動機とを制御し、モード設定スイッチにより燃費優先走行モードが設定されているときには要求パワーに対して第1のヒステリシスより小さな第2のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた内燃機関の間欠運転を伴って要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。「電力動力入出力手段」としては、動力分配統合機構30とモータMG1との組み合わせによるものや対ロータ電動機130に限定されるものではなく、回転軸に接続されると共に回転軸とは独立に回転可能に内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って回転軸と出力軸とに動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「3軸式動力入出力手段」としては、上述の動力分配統合機構30に限定されるものではなく、ダブルピニオン式の遊星歯車機構を用いるものや複数の遊星歯車機構を組み合わせて4以上の軸に接続されるものやデファレンシャルギヤのように遊星歯車とは異なる作動作用を有するものなど、駆動軸と出力軸と発電機の回転軸との3軸に接続され3軸のうちのいずれかに軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力するものであれば如何なるものとしても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など、動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの発電機としても構わない。なお、実施例や変形例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、車両の製造産業に利用可能である。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 ハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される駆動制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 要求トルク設定用マップの一例を示す説明図である。 閾値設定用マップの一例を示す説明図である。 エンジン22の動作ラインの一例と目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定する様子を示す説明図である。 エンジン22からパワーを出力している状態で走行しているときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120,220 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 エコスイッチ、230 対ロータ電動機、232 インナーロータ 234 アウターロータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (5)

  1. 内燃機関と電動機とを有し、前記内燃機関の間欠運転を伴って走行するハイブリッド車であって、
    燃費と快適性とを考慮して走行する通常走行モードと該通常走行モードより燃費を優先して走行する燃費優先走行モードとを切り替えて設定するモード設定スイッチと、
    走行に要求される要求駆動力を設定する要求駆動力設定手段と、
    前記設定された要求駆動力に基づいて前記内燃機関に要求される要求パワーを設定する要求パワー設定手段と、
    前記モード設定スイッチにより前記通常走行モードが設定されているときには前記設定された要求パワーに対して第1のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記モード設定スイッチにより前記燃費優先走行モードが設定されているときには前記設定された要求パワーに対して前記第1のヒステリシスより小さな第2のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する制御手段と、
    を備え
    前記制御手段は、前記モード設定スイッチにより前記通常走行モードが設定されているときには前記設定された要求パワーが第1の所定パワー以上のときに前記始動判定を行なうと共に前記設定された要求パワーが前記第1の所定パワーより小さい第2の所定パワー未満のときに停止判定を行ない、前記モード設定スイッチにより前記燃費優先モードが設定されているときには前記設定された要求パワーが前記第1の所定パワー以上のときに前記始動判定を行なうと共に前記設定された要求パワーが前記第1の所定パワーより小さく前記第2の所定パワーより大きい第3の所定パワー未満のときに停止判定を行なう手段である、
    ハイブリッド車。
  2. 前記制御手段は、車速が所定車速より大きいときには、前記設定された要求パワーに拘わらず前記内燃機関の運転を伴って前記設定された要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御する手段である請求項記載のハイブリッド車。
  3. 請求項1または2記載のハイブリッド車であって、
    車軸に連結された駆動軸に接続されると共に該駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸および前記出力軸に動力を入出力する電力動力入出力手段を備え、
    前記電動機は前記車軸または該車軸とは異なる車軸に連結されてなり、
    前記制御手段は、前記設定された要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電力動力入出力手段と前記電動機とを制御する手段である、
    ハイブリッド車。
  4. 前記電力動力入出力手段は、前記内燃機関の出力軸と前記駆動軸と回転軸との3軸に接続され該3軸のうちいずれか2軸に入出力した動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、前記回転軸に動力を入出力可能な発電機と、を備える手段である請求項記載のハイブリッド車。
  5. 内燃機関と、電動機と、燃費と快適性とを考慮して走行する通常走行モードと該通常走行モードより燃費を優先して走行する燃費優先走行モードとを切り替えて設定するモード設定スイッチと、を備え、前記内燃機関の間欠運転を伴って走行するハイブリッド車の制
    御方法であって、
    前記モード設定スイッチにより前記通常走行モードが設定されているときには走行に要求される要求駆動力に基づく前記内燃機関に要求される要求パワーに対して第1のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた前記内燃機関の間欠運転を伴って前記設定した要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御し、前記モード設定スイッチにより前記燃費優先走行モードが設定されているときには前記要求パワーに対して前記第1のヒステリシスより小さな第2のヒステリシスをもった停止判定と始動判定とを用いた前記内燃機関の間欠運転を伴って前記要求駆動力に基づく駆動力により走行するよう前記内燃機関と前記電動機とを制御するステップを含み、
    前記ステップは、前記モード設定スイッチにより前記通常走行モードが設定されているときには前記設定された要求パワーが第1の所定パワー以上のときに前記始動判定を行なうと共に前記設定された要求パワーが前記第1の所定パワーより小さい第2の所定パワー未満のときに停止判定を行ない、前記モード設定スイッチにより前記燃費優先モードが設定されているときには前記設定された要求パワーが前記第1の所定パワー以上のときに前記始動判定を行なうと共に前記設定された要求パワーが前記第1の所定パワーより小さく前記第2の所定パワーより大きい第3の所定パワー未満のときに停止判定を行なうステップである、
    ハイブリッド車の制御方法。
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