(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(演出図柄)を変動表示する変動表示部(演出表示装置9)を備え、該変動表示部に導出表示された識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果(大当り表示結果)となったときに、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御し、特別条件が成立したときに、当該特定遊技状態の終了後に、当該特定遊技状態(大当り遊技状態)とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態(確変状態)に移行させる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記特定遊技状態に制御するか否か、および、前記特別遊技状態に移行させるか否かを、前記識別情報の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ、図3のS26)と、
前記特別遊技状態に移行するか否かを、前記特定表示結果が表示されたタイミングで報知せず、前記特定表示結果が表示された後、前記特別遊技状態に移行するまでの間の所定タイミングにおいて報知する複数の移行報知演出(図10(A),(B)の昇格演出)のうちから、実行する移行報知演出を、前記事前決定手段による決定に基づいて決定する移行報知演出決定手段(演出制御用マイクロコンピュータ、図6のS705に含まれる昇格演出決定処理を実行するステップ)と、
該移行報知演出決定手段により決定された移行報知演出を実行する移行報知演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ、図6のS705に含まれる昇格演出実行処理を実行するステップ)とを含み、
前記移行報知演出決定手段は、
前記移行報知演出の態様に基づいて分類された複数種類の移行報知演出種別(図9の昇格演出種別)のうちいずれの移行報知演出種別に属する移行報知演出(昇格演出の演出パターン)を実行するかを決定する移行報知種別決定手段(演出制御用マイクロコンピュータ、図6のS705に含まれる昇格種別決定処理を実行するステップ)と、
該移行報知種別決定手段により決定された移行報知演出種別に属する移行報知演出(図10の演出パターン)のうちから実行する移行報知演出を決定する移行報知決定手段(演出制御用マイクロコンピュータ、図6のS705に含まれる昇格演出パターン決定処理を実行するステップ)とを含む。
特別遊技状態に移行するか否かを、特定表示結果が表示されたタイミングで報知せず、特定表示結果が表示された後、特別遊技状態に移行するまでの間の所定タイミングにおいて報知する移行報知演出を決定するための手段が、移行報知演出種別を決定する手段と、決定された移行報知演出種別に属する移行報知演出のうちから実行する移行報知演出を決定する手段とに分けられている。これにより、移行報知演出種別を決定する手段により決定可能な移行報知演出種別の数と、移行報知演出を決定する手段により決定可能な移行報知演出数との組合せにより、多種類の移行報知演出を設定して選択的に用いることができるようになる。また、移行報知演出種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各移行報知演出種別に属する各移行報知演出を選択する割合を変更しなくても、移行報知演出種別ごとの移行報知演出の出現割合を変更することができるようになる。これにより、移行報知演出の移行報知演出に関し、実行可能とする移行報知演出の移行報知演出数の変更設定、および、移行報知演出の移行報知演出の出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、移行報知演出の移行報知演出について、実行可能な移行報知演出数の設定、および、移行報知演出の出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができる。これにより、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。
このような構成によれば、特別遊技状態に移行するか否かを特定遊技状態が終了したタイミングで報知する第1の移行報知演出の方が、特別遊技状態に移行するか否かを特定遊技状態が終了する前のタイミングで報知する第2の移行報知演出よりも、特別遊技状態に移行することを報知する割合が高いので、比較的早いタイミングで移行報知演出が行なわれなくても、特別遊技状態に移行することに関して期待が持てるので、遊技の興趣を向上させることができる。
このような制御を行なえば、移行報知演出が、操作手段に対する操作がされたことを条件として実行される操作時移行報知演出を含むので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 前記遊技機に対する電力供給が停止したときにバックアップ電源(演出制御の変形例3におけるバックアップ電源)により実行中の制御データを記憶保持するバックアップ記憶手段(演出制御用マイクロコンピュータにおけるRAM)と、
電力供給が再開されたときに、前記バックアップ記憶手段に記憶保持された制御データに基づいて、遊技状態を復旧させるバックアップ復旧手段(演出制御の変形例3に示す演出状態復旧処理)とを備え、
前記移行報知演出実行手段は、前記事前決定手段が前記特別遊技状態に移行させることを決定した後、前記移行報知演出が完了する前に前記遊技機に対する電力供給が停止したときに、該電力供給が復旧した後、前記移行報知演出決定手段の決定に関わらず、前記特定別遊技状態に移行する旨を前記特定遊技状態の終了に関するタイミングで報知する(昇格演出を実行することが決定されている場合に電源断状態となったときには、電力供給が復旧したときに、元に決定されていたタイミングで昇格演出を実行せずに、エンディング表示が行なわれるタイミングで昇格演出を実行する制御を行なう)。
このような構成によれば、特別遊技状態に移行させることを決定した後、移行報知演出が完了する前に遊技機に対する電力供給が停止したときに、電力供給が復旧した後、決定された移行報知演出に関わらず、特定別遊技状態に移行する旨を特定遊技状態の終了に関するタイミングで報知するので、電力供給の停止後電力供給が復旧したときには、予め固定的に定められたタイミングで昇格演出を実行することができるため、電力供給が復旧したときの演出制御が複雑化するのを防ぐことができる。
(5) 前記事前決定手段の決定結果に基づいて、前記特定遊技状態に制御される可能性があることを報知する予告演出として、予め定められた系統にしたがって1段階から複数段階まで演出が段階的に変化し、前記特定遊技状態に制御される場合に前記特定遊技状態に制御されない場合よりも高い割合で予め定められた段階まで演出が変化するステップアップ予告演出を実行することを決定するステップアップ予告演出決定手段(図7のステップアップ予告種別、分岐ステップアップ種別をリーチ後予告として用いる変形例における予告演出決定処理を実行するステップ)と、
該予告演出決定手段の決定結果にしたがって、前記ステップアップ予告演出を実行するステップアップ予告演出実行手段(図7の「ステップアップ」予告種別に属する予告パターン、および、「分岐ステップアップ」予告種別に属する予告パターンをリーチ後予告として用いる変形例における予告演出決定処理を実行するステップ)とを備え、
前記ステップアップ予告演出決定手段は、
予め定められた通常系統で演出が段階的に変化する通常ステップアップ(図7のステップアップ1段階〜5段階予告が属するステップアップ)を予告種別とするか、所定段階までは前記通常系統と共通の演出に変化し、前記所定段階以降は前記通常系統と異なる演出に変化する分岐系統で演出が段階的に変化する分岐ステップアップ(図7の分岐ステップアップ2段階予告、分岐ステップアップ3段階予告が属する分岐ステップアップ)とするかと、前記ステップアップの変化の段階数とを決定することにより予告演出としてのステップアップ演出態様を決定するステップアップ演出態様決定手段(図7の「ステップアップ」予告種別に属する予告パターン、および、「分岐ステップアップ」予告種別に属する予告パターンをリーチ後予告として用いる変形例における図6のS705に含まれるリーチ後予告の予告種別決定処理を実行するステップ、および、リーチ後予告の予告パターン決定処理を実行するステップを実行するステップ)を含む。
このような構成によれば、ステップアップ予告演出として、予め定められた通常系統で演出が段階的に変化する通常ステップアップと、所定段階までは通常系統と共通の演出に変化し、所定段階以降は通常系統と異なる演出に変化する分岐系統で演出が段階的に変化する分岐ステップアップとが含まれるので、演出が多様化し、遊技者の興趣がさらに向上する。
このような構成によれば、分岐ステップアップにおける所定段階以降の演出として、操作手段が操作されたことを条件として実行される操作予告演出が実行されるので、演出の分岐先に操作予告演出が設けられていることにより、演出が多様化し、遊技者の興趣が向上する。
(7) 遊技媒体(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、各々を識別可能な複数種類の入賞用識別情報(リールに描かれた入賞用の図柄)を変動表示させる入賞用変動表示部(図柄表示装置)に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該入賞用変動表示部に導出された表示結果に応じて入賞(小役、再遊技役、特別役等の入賞)が発生可能である遊技機(演出制御の変形例4に示すスロットマシン)であって、
前記入賞用変動表示部の表示結果が導出される前に、遊技者にとって有利な特定遊技状態への移行を伴う特定入賞(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)を含む複数種類の入賞(小役、再遊技役、特別役等の入賞)各々の発生を許容するか否かを決定する入賞用事前決定手段(メイン制御部、入賞判定を行なう処理を実行するステップ)と、
前記入賞用事前決定手段の決定結果に応じて、前記入賞用変動表示部に表示結果を導出させる制御を行なう入賞用導出制御手段(メイン制御部、リールで表示結果を導出表示させる制御を行なう処理を実行するステップ)と、
前記特定入賞に対応する特定入賞表示結果が前記入賞用変動表示部に導出されたときに、前記特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段(メイン制御部、ボーナスの遊技状態に制御する処理を実行するステップ)と、
各々を識別可能な複数種類の演出用識別情報(演出用図柄)を変動表示する演出用変動表示部(液晶表示器55)と、
前記演出用変動表示部における演出用識別情報の表示結果が予め定められた特殊表示結果(レギュラーボーナスとなる表示結果、ビッグボーナスとなる表示結果)となることによって、遊技者にとって有利な有利遊技価値を付与する条件が成立している(内部抽選に当選してレギュラーボーナスまたはビッグボーナスの当選フラグがRAMに設定されている状態)ことを示唆する示唆演出手段(液晶表示器、可動役物等)と、
前記特殊表示結果とするか否かを、演出用識別情報の表示結果が導出表示される以前に決定する演出用事前決定手段(サブ制御部、演出制御の変形例4においてメイン制御部からの内部抽選結果コマンドに基づいて、レギュラーボーナスへの移行を許容するか否かと、ビッグボーナスへの移行を許可するか否かとを判定し、特殊表示結果を決定する処理を実行するステップ)と、
前記有利遊技価値として通常有利遊技価値(レギュラーボーナスまたはビッグボーナス後にRT(またはAT)が付与されないレギュラーボーナスまたはビッグボーナス)より有利な特別有利遊技価値(レギュラーボーナスまたはビッグボーナス後にRT(またはAT)が付与されるレギュラーボーナスまたはビッグボーナス)を付与するか否かを、前記特殊表示結果が表示されたタイミングで報知せず、前記特殊表示結果が表示された後、前記特別有利遊技価値が付与されたか判別できるまでの所定タイミングにおいて報知する複数の移行報知演出(図10(A),(B)の昇格演出と同様の昇格演出)のうちから、実行する移行報知演出を、前記演出用事前決定手段による決定に基づいて決定する移行報知演出決定手段(サブ制御部、図6のS705に含まれる昇格演出決定処理に対応する処理を実行するステップ)と、
該移行報知演出決定手段により決定された移行報知演出を実行する移行報知演出実行手段(サブ制御部、図6のS705に含まれる昇格演出実行処理に対応する処理を実行するステップ)とを含み、
前記移行報知演出決定手段は、
前記移行報知演出の態様に基づいて分類された複数種類の移行報知演出種別(図10と同様の昇格演出種別)のうちいずれの移行報知演出種別に属する移行報知演出を実行するかを決定する移行報知種別決定手段(サブ制御部、図6のS705に含まれる昇格種別決定処理に対応する処理を実行するステップ)と、
該移行報知種別決定手段により決定された移行報知演出種別に属する移行報知演出(図10と同様の演出パターン)のうちから実行する移行報知演出を決定する移行報知決定手段(サブ制御部、図6のS705に含まれる昇格演出パターン決定処理に対応する処理を実行するステップ)とを含む。
このような構成によれば、遊技媒体を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームを開始させることが可能となり、各々を識別可能な複数種類の入賞用識別情報を変動表示させる入賞用変動表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該入賞用変動表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能である遊技機において、有利遊技価値として通常有利遊技価値より有利な特別有利遊技価値を付与するか否かを、特殊表示結果が表示されたタイミングで報知せず、特殊表示結果が表示された後、特別有利遊技価値が付与されたか判別できるまでの所定タイミングにおいて報知する移行報知演出を決定するための手段が、移行報知演出種別を決定する手段と、決定された移行報知演出種別に属する移行報知演出のうちから実行する移行報知演出を決定する手段とに分けられている。これにより、移行報知演出種別を決定する手段により決定可能な移行報知演出種別の数と、移行報知演出を決定する手段により決定可能な移行報知演出数との組合せにより、多種類の移行報知演出を設定して選択的に用いることができるようになる。また、移行報知演出種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各移行報知演出種別に属する各移行報知演出を選択する割合を変更しなくても、移行報知演出種別ごとの移行報知演出の出現割合を変更することができるようになる。これにより、移行報知演出の移行報知演出に関し、実行可能とする移行報知演出の移行報知演出数の変更設定、および、移行報知演出の移行報知演出の出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、移行報知演出について、実行可能な移行報知演出数の設定、および、移行報知演出の出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができる。これにより、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機およびスロットマシンを示すが、本実施の形態に示す遊技機は、遊技者にとって有利な状態に制御する遊技機であれば、どのような遊技機であってもよい。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、遊技用媒体としての遊技球を遊技領域7に打込んで所定の遊技が行なわれる遊技機である。縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域がある。演出表示装置9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動表示を行なう変動表示装置(変動表示部)に相当する。演出図柄表示領域には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の識別情報を変動表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rがあるが、図柄表示エリア9Aの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリア9L、9C、9Rの3つの領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。「左」、「中」、「右」の各演出図柄は、スクロール表示等の変動態様で複数の図柄を予め定められた図柄の順番で巡回表示することにより演出表示をするものである。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴って演出表示装置で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
遊技盤6における下部の左側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、各々が識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(たとえば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、たとえば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件(遊技球が第1始動入賞口13に入賞したこと)または第2始動条件(遊技球が第2始動入賞口14に入賞したこと)が成立した後、変動表示の開始条件(たとえば、大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する変動表示が終了しているとき)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。すなわち、変動表示の実行条件は、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14に入賞したことにより成立する。また、変動表示の開始条件は、大当り遊技中でなくかつ先に始動入賞した保留記憶に起因する変動表示が終了することにより成立する。実行条件は成立しているが開始条件が成立していない変動表示に関するデータは、開始条件が成立するまで保留記憶データとして保留して記憶される。具体的に、保留記憶データは、後述する遊技制御用マイクロコンピュータのRAM55の所定領域に記憶される。
なお、入賞とは、入賞口等の予め入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
第1特別図柄表示器8aの近傍には、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の変動表示を行なう第1飾り図柄表示器9aが設けられている。この実施の形態では、第1飾り図柄表示器9aは、2つのLEDで構成されている。第1飾り図柄表示器9aは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。また、第2特別図柄表示器8bの近傍には、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての第2飾り図柄の変動表示を行なう第2飾り図柄表示器9bが設けられている。第2飾り図柄表示器9bは、2つのLEDで構成されている。第2飾り図柄表示器9bは、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
なお、第1飾り図柄と第2飾り図柄とを、飾り図柄と総称することがある。また、第1飾り図柄表示器9aと第2飾り図柄表示器9bとを、飾り図柄表示器と総称することがある。
飾り図柄の変動(変動表示)は、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、第1飾り図柄表示器9aにおける第1飾り図柄の変動表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、第2飾り図柄表示器9bにおける第2飾り図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点が同じであって、変動表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1飾り図柄表示器9aにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2飾り図柄表示器9bにおいて大当りを想起させる側のLEDが点灯されたままになる。なお、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの機能を、演出表示装置9で実現するようにしてもよい。すなわち、第1飾り図柄および第2飾り図柄が、演出表示装置9の表示画面において画像として変動表示されるように制御してもよい。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口(第2始動口)14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1状態)になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態は、遊技者にとって不利な状態(第2状態)であり、遊技球が第2始動入賞口14に入賞しない。したがって、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第1飾り図柄表示器9aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2飾り図柄表示器9bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(以下、合算保留記憶表示部18cという。)が設けられている。合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられているので、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、合算保留記憶表示部18cが設けられているので、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bは、設けられていなくてもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときとには、演出表示装置9において大当りを想起させるような特定表示結果としての演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、上側には、回転動作をする星形状の可動部材84が設けられている。可動部材84は、演出表示装置9の周囲の飾り部というような遊技者に視認可能な位置に設けられ、後述する可動部材予告のような所定の演出に応じて動作する部材である。より具体的に、可動部材84は、モータ88の回転軸に取付けられ、モータ88が回転することにしたがって駆動され、回転動作をする。可動部材84は、予告演出が実行されるとき等、予め定められた動作条件が成立したときに動作させられる。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、右側には、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cが設けられている。上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85cは、後述する擬似連の再変動演出(1回の変動期間中におけるそれぞれの再変動期間(初回変動の期間も含む。)に関連して実行されるような演出)が実行されるときに点滅する。ここで、擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものの複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(変動表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連の変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなる。本実施の形態では、擬似連の変動パターンによる変動表示が実行された場合であってもリーチにならない場合が生じ得る例について説明するが、擬似連の変動パターンによる変動表示が実行された場合には必ず最終の再変動においてリーチが成立するようにしてもよい。さらに、再変動の繰返し実行回数(擬似連における変動回数)によって演出の発生割合が変化するものでもよい。たとえば、再変動の実行回数が3回(初回変動を含めると4回変動される擬似連)まで行くと「リーチ確定」、または「スーパーリーチ確定」となるようなものでもよい。また、再変動の実行回数が所定回に達したときに、「大当り確定」となるようなものでもよい。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。可動部材78は、擬似連の演出が実行されるときに動作する。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときとに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行なうための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(たとえば、「○」および「×」)を変動表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。また、確変状態ではないが図柄の変動時間が短縮されている時短状態(特別図柄の変動表示時間が短縮される遊技状態)でも、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが時短状態でないときよりも高められる(多くされる)。このような確変状態および時短状態のそれぞれは、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態と呼ばれる。
なお、特別遊技状態は、次のような遊技状態であってもよい。a特別図柄の変動時間短縮制御(変動開始から表示結果の導出表示までの時間が変動時間短縮制御状態以外の通常状態での当該時間よりも短縮される制御)が行なわれる状態、b普通図柄の変動時間短縮制御が行なわれる状態、c普通図柄の当りの発生確率を向上させる制御が行なわれる状態、d普通図柄が当りとなったときに始動入賞口14に設けられた一対の可動片が開放される回数を増加させる開放回数増加制御が行なわれる状態、e始動入賞口14に設けられた一対の可動片の1回の開放時間を延長させる開放時間延長制御。特別遊技状態としては、確変状態および前記a〜前記eのうちのいずれかの単独制御、または、確変状態および前記a〜eのうちから2つ〜5つの状態が適宜組合わされた制御でもよい。つまり、前述したような制御を実行する対象となる特別遊技状態としては、予め定められた特別遊技状態発生条件が成立したときに特定遊技状態に加えて遊技者に有利な特別状態を付与する特別遊技状態であれば、どのような特別遊技状態であってもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられている。遊技盤6の遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26が設けられている。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3の上面における手前側の中央位置といった、パチンコ遊技機1の遊技機用枠における所定位置には、押下操作等により遊技者が操作可能な操作ボタン130が設置されている。なお、操作ボタン130は、押下操作が可能なものに限定されず、たとえば回転型セレクタのような回転操作が可能なものであってもよいし、タッチパネルのように接触操作や押圧操作が可能なものであってもよいし、レバー型スイッチのような傾動操作が可能なものであってもよい。また、操作ボタン130に代えて、たとえば赤外線センサやCCDセンサ、CMOSセンサのように、遊技者による所定の操作行為を検出できるセンサを用いてもよい。すなわち、操作ボタン130は、遊技者による所定の操作行為を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるものであればよい。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第1飾り図柄表示器9aにおいて第1飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄、第1飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、第2飾り図柄表示器9bにおいて第2飾り図柄の変動表示が開始され、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄、第2飾り図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
次に、パチンコ遊技機1の制御回路を説明する。パチンコ遊技機1の制御回路としては、主基板(遊技制御基板)よりなるメイン制御基板、演出制御基板および払出制御基板等の複数の制御基板を含むサブ制御基板とが設けられている。各制御基板には、電源基板から電源電力が供給される。
主基板には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPUおよびI/Oポート部を含む。この実施の形態では、ROMおよびRAMは遊技制御用マイクロコンピュータに内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータは、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPUのほかRAMが内蔵されていればよく、ROMは外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータには、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路が内蔵されている。
また、RAMは、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータにおいてCPUがROMに格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ(またはCPU)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPUがプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータに与える入力ドライバ回路も主基板に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータからの指令にしたがって駆動する出力回路も主基板に搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータは、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう。
演出制御基板は、演出制御用CPU、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。なお、RAMは外付けであってもよい。また、演出制御基板には、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)が設けられており、演出制御用CPUは、VDPを用いて演出表示装置9の表示制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータにおけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板において、演出制御用CPUは、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御、および、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御を行なうとともに、前述した装飾LED25および枠LED28等の各種発光体の発光制御(ランプ制御)、および、スピーカ27からの音声出力制御、および、可動部材78,84のモータを駆動する制御等のその他の演出装置の制御を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータから演出制御用マイクロコンピュータには、飾り図柄を変動表示する第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御と、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御とを含む各種演出装置の制御内容を指示する演出制御コマンドが送信される。演出制御用マイクロコンピュータは、演出制御コマンドを受信し、その演出制御コマンドに基づいて、第1飾り図柄表示器9aおよび第2飾り図柄表示器9bの表示制御と、演出図柄を変動表示する演出表示装置9の表示制御とを行なうとともに、前述したその他の各種演出装置の制御を行なう。具体的に、演出制御基板では、主基板からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、演出制御コマンドを受信する。
演出制御コマンドは、変動表示の表示結果(種別を特定した大当り、はずれ等)、変動表示の変動パターン(変動表示の開始も示す)、および、変動表示の停止、および、大当り制御時の演出表示の実行等の演出制御基板側で行なわれる演出図柄の変動表示等の演出制御に関する指示内容を示す指令情報である。
また、操作ボタン130からの操作信号が、演出制御用マイクロコンピュータに入力される。演出制御用マイクロコンピュータは、後述するように、操作ボタン130からの操作信号に基づいて、たとえば予告演出等の演出を行なう。
次に、遊技機の動作について説明する。図2は、主基板における遊技制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理等の各種ソフトウェアプログラムは、多数の処理ステップにより構成され、これら処理ステップが所定の順序で実行されることにより各種の処理を行なう。
遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになる。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ(具体的には、遊技制御用CPU)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSと呼ぶ)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用CPUは、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、遊技制御用CPUは、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化等)を行なった後(S4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、遊技制御用CPUが内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、遊技制御用CPUは、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(たとえば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用CPUは、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行なわれていないことを確認したら、遊技制御用CPUは初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行なわれたことを確認したら、遊技制御用CPUは、バックアップRAM領域のデータチェックを行なう(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行なう。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用CPUは、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行なう。
また、遊技制御用CPUは、電力供給復旧時のコマンドとしての停電復旧指定コマンドを演出制御基板に送信する(S43)。そして、S14に移行する。
初期化処理では、遊技制御用CPUは、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次RAM55における作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、特別図柄プロセスフラグ等制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。
また、遊技制御用CPUは、サブ基板(主基板以外のマイクロコンピュータが搭載された基板)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータが初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)を演出制御基板に送信する(S13)。たとえば、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータは、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行なう。なお、初期化処理において、遊技制御用CPUは、客待ちデモンストレーション指定(デモ指定)コマンドも送信する。
また、遊技制御用CPUは、乱数回路を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。遊技制御用CPU56は、たとえば、乱数回路設定プログラムにしたがって処理を実行することによって、乱数回路にランダムの値を更新させるための設定を行なう。
そして、遊技制御用CPUは、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータに内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(S15)。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、遊技制御用CPUは、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターン等を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄の当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。
タイマ割込が発生すると、遊技制御用CPUは、図3に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理を実行する(S20)。電源断信号は、たとえば電源基板に搭載されている電源監視回路920が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断処理において、遊技制御用CPUは、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なうスイッチ処理を実行する(S21)。
次に、遊技制御用CPUは、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通当り図柄決定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する判定用乱数更新処理を行なう(S23)。遊技制御用CPUは、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する初期値用乱数更新処理(S24)および表示用乱数更新処理(S25)を実行する。
さらに、遊技制御用CPUは、特別図柄プロセス処理を行なう(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。遊技制御用CPUは、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S27)。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用CPUは、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するため、および、普通図柄が当りとなったときに可変入賞球装置15を開放するため等の普通図柄の変動表示に関連する制御を行なうための普通図柄の普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行する。確変状態および時短状態等の特別遊技状態に制御されているときには、普通図柄プロセス処理において、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を高める(多くする)制御が行なわれる。遊技制御用CPUは、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、遊技制御用CPUは、演出制御用マイクロコンピュータに演出制御コマンドを送出する演出制御コマンド制御処理を行なう(S28)。
さらに、遊技制御用CPUは、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S29)。
また、遊技制御用CPUは、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S30)。具体的に遊技制御用CPUは、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aのいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、遊技制御用CPUは、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する出力処理を実行する(S31)。
また、遊技制御用CPUは、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S32)。遊技制御用CPUは、たとえば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、遊技制御用CPUは、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示を実行する。
さらに、遊技制御用CPUは、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S33)。遊技制御用CPUは、たとえば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(たとえば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切替える。また、遊技制御用CPUは、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
始動入賞を契機として、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて、特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示が開始された後、所定時間(変動時間)が経過すると、特別図柄の変動表示結果である停止図柄を停止表示(導出表示)する。大当りにすることに決定されている場合には、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示される。はずれにすることに決定されている場合には、大当り図柄以外の特別図柄が停止表示される。大当り図柄が導出表示された場合には、遊技状態が、特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施の形態では、特別図柄として、「1」〜「8」の8種類の数字が設定されている。「1」〜「8」の特別図柄のうち、「1」,「2」が16R確変A大当り図柄に、「3」,「4」が16R確変B大当り図柄に、「5」,「6」が16R時短大当り図柄に、「7」が突然確変大当り図柄(2R確変大当り図柄)に、「8」がはずれ図柄に、各々設定されている。なお、“R”は、ラウンドを示す。よって、たとえば、16Rとは、ラウンド回数が16であることを示す。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに、16R大当りの図柄が停止表示された場合には、大当り遊技状態となり、可変入賞球装置20における開閉板が、所定期間(たとえば、29秒間)または所定個数(たとえば、10個)の入賞が発生するまでの期間、開放状態になって、可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態に変化させる単位ラウンドが開始される。16Rの大当り遊技状態では、ラウンドの回数は16回であり、第1ラウンドから第16ラウンドまで繰返し継続制御可能である。
また、第1特別図柄表示器8aに突然確変大当りの図柄が停止表示された場合には、ラウンドの回数が2回である大当り遊技状態(2R大当り状態)に移行する。また、2R大当り状態では、各ラウンドの開閉板の開時間は、16R大当り状態や16R大当り状態であるときよりも短い期間(たとえば、0.5秒間)になる。突然確変大当りは、可変入賞球装置20が短時間開くラウンドが2回という少ない回数実行されるものであり、大当り遊技状態の終了後に確変状態となるので、突然確変状態となったような印象を与える大当りであるため、突然確変大当りと呼ばれる。
また、すべての種別の大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態では、通常状態(確変状態や時短状態ではない状態)に比べて特別図柄の変動表示における特別図柄の変動時間が短縮される。さらに、時短状態においては、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数とが時短状態でないときよりも高められる(多くされる)。時短状態は、たとえば、所定回数(たとえば、100回)の特別図柄の変動表示が実行されること、および、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了する。なお、大当り状態が終了した後に、時短状態にせずに通常状態になるようにしてもよい。
遊技状態を確変状態に制御することに決定されている場合には、大当り遊技状態が終了した後、遊技状態が確変状態に制御される。確変状態は、たとえば、次に変動表示結果として大当り図柄が導出表示されるまで継続する。
また、確変状態では、低確率状態(通常状態)に比べて、大当りに決定される確率が高くなっている。たとえば、10倍になっている。具体的には、確変状態では、予め定められた大当り判定値の数が、通常状態に比べて10倍になっている。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められている。すなわち、始動入賞口13が開放しやすくなって、始動入賞が生じやすくなっている。具体的には、確変状態は、予め定められた普通図柄当り判定値の数が、通常状態に比べて多い。また、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めることに加えて、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。また、時短状態でも、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率を高めたり、可変入賞球装置15の開放回数または開放時間を多くしたり、可変入賞球装置15の開放回数および開放時間を多くしたりしてもよい。この実施の形態では、確変状態において、大当りに決定される確率が高くなることに加えて、普通図柄表示器10の停止図柄が当り図柄になる確率が高められる例を示した。しかし、確変状態においては、少なくとも、大当りに決定される確率が高くなればよい。
演出表示装置9の表示領域において、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示に対応して、演出図柄の変動表示が行なわれる。すなわち、演出表示装置9の表示領域では、開始条件が成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄の変動が開始され、たとえば、「左」→「右」→「中」の順序で演出図柄の停止図柄が停止表示(導出表示)される。なお、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて所定順序で演出図柄を停止表示してもよいし、「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて同時に停止図柄を停止表示してもよい。
演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて停止図柄が導出表示されるまでの期間(変動表示期間=変動時間)で、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別な演出を行なう特定のリーチを特別リーチ(スーパーリーチまたはプレミアムリーチ)という。特別リーチは、必ず大当りとなるときに選択されて表示されるように設定されたものであってもよい。
また、演出図柄の変動表示中に、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が大当り図柄になる可能性があることを、演出図柄の変動表示態様等によって遊技者に報知するための演出が実行されることがある。この実施の形態では、「すべり」、「擬似連」といった演出が実行可能である。
「すべり」の演出では、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動させてから、2つ以上の図柄表示エリア(たとえば、「左」および「右」の図柄表示エリア9L、9R)において演出図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した図柄表示エリアのうち所定数(たとえば、「1」または「2」)の図柄表示エリア(たとえば、「左」の図柄表示エリア9Lと「右」の図柄表示エリア9Rのいずれか一方または双方、本実施の形態においては「右」の図柄表示エリア9R)において演出図柄を再び変動させた後に停止表示させることによって、停止表示する演出図柄を変更させる演出表示が行なわれる。なお、仮停止表示において揺れ変動表示したり、短時間の仮停止の後に演出図柄を再変動させたりすること等によって、遊技者に停止表示された演出図柄が確定(最終停止)しない旨を報知することが好ましい。また、停止表示された演出図柄が確定したと遊技者が認識する程度に演出図柄を仮停止させてから、演出図柄を再変動させるようにしてもよい。
「擬似連」の演出では、特別図柄の変動表示の開始条件が1回成立したことに基づいて、「左」、「中」、「右」の図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を変動(初回変動)させてから、すべての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を仮停止表示させた後、すべての図柄表示エリア9L、9C、9Rにおいて演出図柄を再び変動(再変動)させる演出表示を所定回(たとえば、最大3回まで)行なう。
パチンコ遊技機1の遊技における各種制御内容は、次に示すような乱数値に基づいて、ランダムに決定される。大当りとするか否かは、たとえば乱数回路のような大当り判定用のランダムカウンタから抽出されることにより生成される大当り判定用の乱数値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かに基づいて決定される。大当りとすることが決定されたときの大当りの種別は、大当り種別判定用のランダムカウンタから抽出されることにより生成される大当り種別判定用の乱数値が、複数の大当り種別のそれぞれに対応して定められた大当り種別判定値のうちのどれと一致するか否かに基づいて決定される。また、特別図柄の大当り図柄は、突然確変大当り図柄を除き(「7」のみが決定される)、特別図柄判定用のランダムカウンタから抽出されることにより生成される大当り図柄判定用の乱数値が、大当り種別ごとに複数の大当り図柄ごとに予め定められた図柄判定値のうちのいずれと一致するか否かに基づいて決定される。なお、特別図柄のはずれ図柄は、「8」のみが決定されるので、乱数値による決定は行なわれない。
特別図柄の変動表示における変動パターンは、リーチとなる変動パターンを含む複数の変動パターン種別のうちから1つの変動パターン種別を選択決定した後、決定された変動パターン種別に属する複数の変動パターンのうちか1つの変動パターンを選択決定することに基づいて決定される。変動パターン種別は、変動パターンの演出の態様に基づいて複数種類の変動パターン種別に分類された変動パターンの大分類(種別)が特定される種別である。
大当り判定によりはずれとすることが決定されたときに、変動パターン種別は、変動パターン種別判定用のランダムカウンタから抽出されることにより生成される変動パターン種別判定用の乱数値が、複数の変動パターン種別のそれぞれに対応して定められた変動パターン種別判定値のうちのどれと一致するかに基づいて決定される。変動パターン種別に属する変動パターンは、変動パターン判定用のランダムカウンタから抽出されることにより生成される変動パターン判定用の乱数値が、複数の変動パターンのそれぞれに対応して定められた変動パターン判定値のうちのどれと一致するかに基づいて決定される。このように、はずれとなるときに、変動パターンは、変動パターン種別決定手段により1つの変動パターン種別を決定し、変動パターン種別決定手段により決定された種別に属する1つの変動パターンを変動パターン決定手段により決定することにより決定されるという2段階での決定が行なわれる。
一方、大当り判定により大当りとすることが決定されたときに、変動パターン種別は、大当り種別決定用のランダムカウンタを用いて決定された大当り種別を特定するデータに基づいて、決定された大当り種別に対応して定められた変動パターン種別に決定される。変動パターン種別に属する変動パターンは、はずれとすることが決定されたときと同様に、変動パターン判定用のランダムカウンタを用いて決定される。このように、大当りとなるときに、変動パターンは、変動パターン種別決定手段により1つの変動パターン種別を決定し、変動パターン種別決定手段により決定された種別に属する1つの変動パターンを変動パターン決定手段により決定することによって決定されるという2段階での決定が行なわれる。
なお、特別図柄の変動表示においてリーチとするか否かは、リーチ判定用のランダムカウンタから抽出されることにより生成されるリーチ判定用の乱数値が、予め定められたリーチ判定値と一致するか否かに基づいて決定するようにしてもよい。
普通図柄の当りとするか否かは、普通図柄当り判定用のランダムカウンタから抽出されることにより生成される大当り判定用の乱数値が、予め定められた普通図柄当り判定値と一致するか否かに基づいて決定される。
このような各種ランダムカウンタは、たとえば、2msec毎のような所定時間ごとに1ずつ加算され、下限値から上限値まで加算更新された後再度下限値から加算更新が繰返されることにより所定の数値範囲内で数値データの更新を巡回して繰返す数値データ更新手段であり、たとえば、ランダムカウンタごとに定められたランダムに生じ得る抽出タイミングで抽出されることにより、乱数値を生じさせることができる。
図3に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータは、大当り種別判定用乱数、および、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのランダムカウンタのカウントアップ(1加算)を行なう。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。
図4は、遊技制御用マイクロコンピュータが大当り判定および大当り種別判定を行なうときに用いるテーブルを示す説明図である。図4(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。図4(B)は第1特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図4(C)は、第2特図用大当り種別判定テーブルを示す説明図である。
図4(A)に示す大当り判定テーブルは、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとを含む。通常時大当り判定テーブルには、図4(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値に設定され、確変時大当り判定テーブルには、図4(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値に設定されている。図4(A)に示されるように、確変時であるときの方が、通常時であるときよりも、大当り判定値が多く設定されている。
大当り判定は、始動入賞に応じて大当り判定用のランダムカウンタから抽出した値が、通常状態であるか確変状態であるかに応じて設定されている大当り判定値と一致するか否かを判定することにより行なわれる。なお、大当り判定用のランダムカウンタから抽出した値が「1020〜1059」または「13320〜13477」であるときには、確変時であるか否かに関わらず、大当りと判定される。「1020〜1059」または「13320〜13477」の範囲内の判定値は、確率状態に関わらず、共通の大当り判定値である。図4(A),(B)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示している。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。
大当り判定用のランダムカウンタから抽出した値が大当り判定値と一致すると判定したときには、第1特別図柄の変動表示のときに図4(B)の第1特図用大当り種別判定テーブルを用い、第2特別図柄の変動表示のときに図4(C)の第2特図用大当り種別判定テーブルを用いて大当りの種別を決定する。図4(B)の第1特図用大当り種別判定テーブルは、第1特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用のランダムカウンタからの抽出値に基づいて、大当りの種別を決定するために参照されるテーブルである。図4(C)の第2特図用大当り種別判定テーブルは、第2特別図柄の変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用のランダムカウンタからの抽出値に基づいて、大当りの種別を決定するために参照されるテーブルである。
各大当り種別判定テーブルでは、大当り種別判定用のランダムカウンタの抽出値と比較される数値であって、16R確変大当りA、16R確変大当りB、突然確変大当り、および、16R時短大当りのそれぞれに対応した大当り種別判定値が設定されている。16R確変大当りBは、大当り遊技状態において確変大当りであるか否か不明な状態から確変大当りに昇格するか否かを示す昇格演出が行なわれて確変大当りに昇格する演出(昇格ありの演出)が行なわれる大当りである。一方、16R時短大当りは、大当り遊技状態において確変大当りであるか否か不明な状態から確変大当りに昇格するか否かを示す昇格演出が行なわれるが確変大当りに結果的に昇格しない演出(昇格なしの演出)が行なわれる大当りである。遊技制御用マイクロコンピュータでは、大当り種別判定用のランダムカウンタからの抽出値が一致した大当り種別判定値に対応する大当りの種別の大当り遊技状態に制御することが決定される。また、16R確変大当りAは、大当り遊技状態において昇格演出が行なわれない大当りである。
第2特図用大当り種別判定テーブルには、「16R確変大当りB」の判定値数が第1特図用大当り種別判定テーブルよりも多く設定されている。また、第1特図用大当り種別判定テーブルには、「突然確変大当り」の判定値数が第2特図用大当り種別判定テーブルよりも多く設定されている。突然確変大当りは、後述するように、ラウンド数が少なく開閉板開放時間が極めて短く設定されているため、実質的に賞球が得られない当りである。よって、確変中や時短中においては、第2始動入賞口14への入賞が増えて、突然確変大当りの発生する割合が低減され、かつ、16R確変大当りBの発生する割合が向上する。このため、たとえば、確変大当りが連続した場合の遊技者にとっての有利度合いを高くすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
第1特図用大当り種別判定テーブルおよび第2特図用大当り種別判定テーブルでは、また、第1特別図柄について「確変」の大当り種別が選択される割合と、第2特別図柄について「確変」の大当り種別が選択される割合とが等しくなるように設定されている。
図5は、変動パターン種別判定テーブルおよび変動パターン判定テーブルを示す説明図である。本実施の形態においては、変動パターン種別により、リーチの有無、リーチの種類、擬似連の有無、擬似連における変動回数等、変動パターンの大分類(種別)が特定される。変動パターンは、変動パターンの演出の態様に基づいて複数種類の変動パターン種別に分類されている。変動パターン種別判定テーブルおよび変動パターン判定テーブルは、遊技制御用マイクロコンピュータの記憶手段としてのROMに記憶されている。
図5において、(A)には、大当り判定の結果としてはずれとすることが決定されたときに用いられるはずれ時変動パターン種別判定テーブルおよびはずれ時変動パターン判定テーブルが示されている。また、(B)には、大当り判定の結果として大当りとすることが決定されたときに用いられる大当り時変動パターン種別判定テーブルおよび大当り時変動パターン判定テーブルが示されている。
図5(A)および図5(B)のそれぞれにおいて、「種別」という記載がされた欄は変動パターン種別判定テーブルを示す欄であり、「変動パターン」という記載がされた欄は変動パターン判定テーブルを示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図5(A)を例にとれば、「通常変動」の種別に属する変動パターンは、「通常変動1」および「通常変動2」である。
図5(A)に示すように、はずれ時変動パターン種別判定テーブルでは、「通常変動」、「通常特殊変動」、「ノーマルリーチ」、「擬似連なしスーパーリーチ」、「擬似連1回スーパーリーチ」、「擬似連2回スーパーリーチ」、および、「擬似連3回スーパーリーチ」のそれぞれの種別に、変動パターン種別判定値が割振られて設定されている。そして、各々の種別における変動パターンのそれぞれに変動パターン判定値が割振られて設定されている。
「通常変動」の種別は、通常特殊変動およびリーチとならない通常変動となる変動パターンが属する種別である。「通常特殊変動」の種別は、たとえば、突確ガセ(突然確変大当りと見せかけて実際には突然確変大当りとならない変動パターン)、および、擬似連で再変動が行なわれるときに最後の再変動でリーチとならない変動パターン等のリーチとならない特殊な通常変動の変動パターンが属する種別である。
「ノーマルリーチ」の種別は、変動中にリーチになるものの特別なリーチ演出が行なわれることなく停止する変動パターンであるノーマルリーチが属する種別である。「擬似連なしスーパーリーチ」は、擬似連が行なわれないときにスーパーリーチとなる変動パターンが属する種別である。「擬似連1回スーパーリーチ」は、擬似連で再変動が1回行なわれるときに最後の再変動でスーパーリーチとなる変動パターンが属する種別である。「擬似連2回スーパーリーチ」は、擬似連で再変動が2回行なわれるときに最後の再変動でスーパーリーチとなる変動パターンが属する種別である。「擬似連3回スーパーリーチ」は、擬似連で再変動が3回行なわれるときに最後の再変動でスーパーリーチとなる変動パターンが属する種別である。
変動パターンの欄において、「ノーマル」はノーマルリーチを示している。「スーパーA」は、たとえば第1のキャラクタが表示されるスーパーリーチAを示している。「スーパーB」は、たとえば第2のキャラクタが表示されるスーパーリーチBを示している。また、「1コマ」、「2コマ」の「コマ」は、演出図柄において、大当り図柄に対するはずれ図柄のずれ数(図柄数)を示している。つまり、演出図柄は、前述のように予め定められた図柄の順番で巡回表示されるものであり、最終停止図柄としてのはずれ図柄が、大当り図柄から図柄の順番で何図柄ずれているかを「コマ」という単位で示している。したがって、たとえば、「1コマ前」は大当り図柄の1図柄(1コマ)前を示している。また、「1コマ後」は大当り図柄の1図柄(1コマ)後を示している。
図5(A)においては、はずれ時に用いられる変動パターンであるので、「通常変動」および「通常特殊変動」のようなリーチとならない変動パターンが選択される割合の方が、「ノーマルリーチ」、「擬似連なしスーパーリーチ」、「擬似連1回スーパーリーチ」、「擬似連2回スーパーリーチ」、および、「擬似連3回スーパーリーチ」のようなリーチとなる変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。また、リーチとならない通常変動パターンが選択される割合の方が、「ノーマルリーチ」、「擬似連なしスーパーリーチ」、「擬似連1回スーパーリーチ」、「擬似連2回スーパーリーチ」、および、「擬似連3回スーパーリーチ」のようなリーチとなる変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。また、図5(A)においては、リーチとなる変動パターンのうち、「ノーマルリーチ」のようなノーマルリーチとなる変動パターンが選択される割合の方が、「擬似連なしスーパーリーチ」、「擬似連1回スーパーリーチ」、「擬似連2回スーパーリーチ」、および、「擬似連3回スーパーリーチ」のようなスーパーリーチとなる変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。
また、図5(A)において、各変動パターン種別について、各種別に属する複数種類の変動パターンは、たとえば選択される割合が異なる等、所定の割合で変動パターン判定値が割振られている。たとえば、「擬似連なしスーパーリーチ」、「擬似連1回スーパーリーチ」、「擬似連2回スーパーリーチ」、および、「擬似連3回スーパーリーチ」の種別において、擬似連の回数が多い変動パターン種別である程、「スーパーA」よりも「スーパーB」が選択される割合が高くなるように変動パターン判定値が割振られるともに、はずれのコマ数が少なくなるように変動パターン判定値が割振られている。
このようなはずれ変動パターン種別判定テーブルおよびはずれ変動パターン判定テーブルにおいては、パチンコ遊技機1の開発時に、変動パターン種別および変動パターンの出現割合を変更する場合、次のようにデータの設定変更を行なえばよい。たとえば、擬似連1回〜3回の変動パターン種別のような擬似連回数が異なる変動パターンについて擬似連1回の変動パターンの出現割合を変更する等、擬似連回数の出現割合を変更したければ、変動パターン種別判定テーブルにおいて、「擬似連1回スーパーリーチ」、「擬似連2回スーパーリーチ」、および、「擬似連3回スーパーリーチ」での変動パターン種別判定値の割振りを変更するデータの設定変更を行なえばよい。この場合には、擬似連1回〜3回の変動パターン種別のような該当する変動パターン種別の選択割合を変更すれば、「ノーマルリーチ」ような他の変動パターン種別の選択割合を調整することなく、かつ、擬似連1回〜3回の変動パターン種別の各種別に属する変動パターンの選択割合を個別に調整することなく、擬似連回数が異なる変動パターンの出現割合を変更することができる。また、たとえば、「スーパーA」の変動パターンの出現割合を変更したければ、変動パターン判定テーブルにおいて、各スーパーリーチの変動パターン種別内での変動パターン判定値の割振りを変更するデータの設定変更を行なえばよい。この場合には、該当する変動パターン種別内での変動パターンの選択割合を変更すれば、他の変動パターン種別の変動パターンの選択割合を調整することなく、変動パターンの出現割合を変更することができる。このように、設定変更をしたい変動パターンがある場合に、設定変更の対象となる変動パターンに関する設定変更を行なえば、設定変更の対象とならない変動パターンの選択割合を調整する必要なく設定変更ができるので、パチンコ遊技機の開発時の設定負担が軽減される。このようなはずれ変動パターン種別判定テーブルおよびはずれ変動パターン判定テーブルについて得られる効果は、同様に構成される図5(B)に示す大当り時変動パターン種別判定テーブルおよび大当り時変動パターン判定テーブルについても同様に得ることができる。
図5(B)に示すように、大当り時変動パターン種別判定テーブルでは、「16R確変A」、「16R確変B」(昇格あり)、「16R時短」(昇格なし)、および、「突確」のそれぞれを種別として設定されている。
「16R確変A」の種別は、16R確変大当りAとなるときに実行される各種ノーマルリーチ、および、各種スーパーリーチとなる変動パターンが属する種別である。「16R確変B」の種別は、16R確変大当りBとなるときに実行される各種ノーマルリーチ、および、各種スーパーリーチとなる変動パターンが属する種別である。「16R時短」の種別は、16R時短大当りとなるときに実行される各種ノーマルリーチ、および、各種スーパーリーチとなる変動パターンが属する種別である。「突確」の種別は、突然確変大当りとなるときに実行される変動パターン(突然確変1、突然確変2)が属する種別である。
図5(B)の変動パターンの欄において、「擬似連」が示されていない変動パターンは、擬似連とならない変動パターンであり、「擬似連1回」のように擬似連となる変動パターン(回数は再変動が行なわれる回数)である。また、「擬似連1回 スーパーA」のように、「擬似連」に加えて、「ノーマル」「スーパーA」のようなリーチの種類が示されている変動パターンは、擬似連が行なわれ、かつ、擬似連の最後の再変動において、示された種類のリーチとなる変動パターンである。たとえば、「擬似連4回 スーパーA 当り」という変動パターンは、擬似連で再変動が4回行なわれるときに最後の再変動でスーパーリーチAとなって大当りとなる変動パターンである。
図5(B)の変動パターンの欄において、「ノーマル」、「スーパーA」および「スーパーB」のように、図5(A)の変動パターンの欄に示された変動パターン名と同じ変動パターン名の変動パターンは、同じ変動態様で変動表示が実行される変動パターンである。たとえば、図5(B)の変動パターンの欄における擬似連1回スーパーAは、図5(A)の変動パターンの欄に示された「擬似連1回スーパーリーチ」の種別の「スーパーA」の変動パターンと同じ変動態様で変動表示が実行される変動パターンである。これにより、大当りとなるときも、はずれとなるときも、変動表示が実行されるときにおいて、ある程度の時間が経過するまでは、同様の変動態様で変動表示が行なわれるので、はずれとなることが早々と遊技者に知られてしまわないようにすることができる。
また、図5(B)の変動パターンの欄において、「擬似連4回 スーパーA」、および、「擬似連4回 スーパーA」は、大当りとなるときにのみ選択される変動パターンである。したがって、変動表示において擬似連の再変動が4回実行されたときには、必ず大当りとなる。
図5(B)においては、大当り時に用いられる変動パターンであるので、「ノーマルリーチ」、「擬似連なしスーパーリーチ」、「擬似連1回スーパーリーチ」、「擬似連2回スーパーリーチ」、および、「擬似連3回スーパーリーチ」のようなリーチとなる変動パターンが選択される割合の方が、「通常変動」および「通常特殊変動」のようなリーチとならない変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン判定値が割振られている。このように大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、リーチとなる変動パターンが選択される割合が高いので、リーチとなる変動パターンで変動表示が実行されることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、「ノーマルリーチ」、「擬似連なしスーパーリーチ」、「擬似連1回スーパーリーチ」、「擬似連2回スーパーリーチ」、および、「擬似連3回スーパーリーチ」のようなリーチとなる変動パターンが選択される割合の方が、リーチとならない通常変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン判定値が割振られている。また、図5(B)においては、リーチとなる変動パターンのうち、「擬似連なしスーパーリーチ」、「擬似連1回スーパーリーチ」、「擬似連2回スーパーリーチ」、および、「擬似連3回スーパーリーチ」のようなスーパーリーチとなる変動パターンが選択される割合の方が、「ノーマルリーチ」のようなノーマルリーチとなる変動パターンが選択される割合よりも高くなるように変動パターン種別判定値が割振られている。このように大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、リーチとなるときに、スーパーリーチとなる変動パターンが選択される割合が高いので、スーパーリーチとなる変動パターンで変動表示が実行されることにより、遊技者の大当りへの期待感をより一層高めることができる。
また、図5(A)のテーブルよりも図5(B)のテーブルの方が、変動パターンとして、擬似連の変動パターンが決定される割合が高くなるように、図5(A)のテーブルで変動パターン種別判定値が設定されているともに、図5(B)のテーブルで変動パターン種別判定値が設定されている。さらに、図5(A)のテーブルよりも図5(B)のテーブルの方が、変動パターンとして、擬似連の変動パターンが決定されるときの再変動回数の平均値が多くなるように、図5(A)のテーブルで変動パターン種別判定値が設定されているともに、図5(B)のテーブルで変動パターン種別判定値が設定されている。これにより、擬似連の変動パターンが実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高め、さらに、擬似連での再変動回数が多くなるほど、遊技者の大当りへの期待感をより一層高めることができる。
前述の特別図柄プロセス処理(S26)においては、変動表示が実行される前のタイミングにおいて、所定のランダムカウンタの値を抽出する処理を行ない、その抽出値に基づき、次のように、図5に示すテーブルを用いて変動パターンを決定する処理を行なう。
大当り判定結果によりはずれとすることが決定されたときには、変動パターン種別判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図5(A)のはずれ時変動パターン種別判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、はずれ時変動パターン種別判定テーブルを用いて変動パターン種別を決定する処理を行なう。そして、変動パターン判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図5(A)のはずれ時変動パターン判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した変動パターン種別について、はずれ時変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する処理を行なう。
また、大当り判定結果により大当りとすることが決定されたときには、図5(B)の大当り時変動パターン種別判定テーブルを選択する処理を行ない、大当り種別の判定結果を特定するデータに基づいて、決定された大当り種別に対応して定められた変動パターン種別を決定する処理を行なう。そして、変動パターン判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、図5(B)の大当り時変動パターン判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、大当り時変動パターン判定テーブルを用いて変動パターンを決定する処理を行なう。
なお、図5に示したテーブルでは、変動パターン種別および変動パターンが、現在の遊技状態に関わらず、決定される例について説明した。しかし、これに限らず、変動パターン種別および変動パターンが、現在の遊技状態に応じたテーブルを用いて、決定されるようにしてもよい。たとえば、遊技状態が通常状態、確変状態、時短状態各々に応じて、変動パターン種別および変動パターンを決定するためのテーブルが設けられているものであってもよい。
また、図5(A)に示すテーブルにおいて、変動パターン種別として擬似連に決定されたときには、変動パターンとして擬似連の変動パターンのみが選択される例について説明した。すなわち、変動パターン種別を決定することにより、擬似連となるか否かが決定される例について説明した。しかし、図5(B)に示すテーブルのように、擬似連の有無は、変動パターン種別決定のみでは確定せず、さらに変動パターン選択まで行なって特定されるように構成してもよい。たとえば、一の変動パターン種別は、擬似連(再変動回数が異なる複数種類の擬似連を含む)および擬似連以外の変動(ノーマルリーチ、スーパーリーチ等)を含む複数種類のパターンを特定するものであってよい。そして、変動パターンとして、擬似連の変動パターンが選択されるか否かにより、擬似連の有無を特定するように構成してもよい。
また、変動パターン種別の区分けは、リーチ状態となったときのスーパーリーチの種類が同じもの(スーパーリーチA等)を1つの種別としてもよい。また、変動パターン種別判定に用いる判定値は、変動表示の開始条件が成立したときの保留記憶数に応じて異なるように設定されてもよい。
図5に示すように、変動パターンを決定するための手段が、変動パターン種別を決定する手段(変動パターン種別を決定する処理)と、変動パターンを決定する手段(変動パターンを決定する処理)とに分けられている。これにより、変動パターン種別を決定する手段により決定可能な変動パターン種別の数と、変動パターンを決定する手段により決定可能な変動パターン数との組合せにより、多種類の変動パターンを設定して選択的に用いることができるようになる。また、変動パターン種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各変動パターン種別に属する各変動パターンを選択する割合を変更しなくても、各変動パターン種別ごとの変動パターンの出現割合を変更することができるようになる。これにより、変動パターンに関し、実行可能とする変動パターン数の変更設定、および、変動パターンの出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、変動パターンについて、実行可能な変動パターン数の設定、および、変動パターンの出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができ、これにより、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。
図5に示すテーブルを用いて変動パターンが決定されると、決定した変動パターンを示す変動パターンコマンドが、変動表示の開始を示す演出制御コマンドとして、遊技制御用マイクロコンピュータから演出制御用マイクロコンピュータへ送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータは、そのような変動パターンコマンドを含む演出制御コマンドを受信したときに、受信したコマンドの指示内容を分析し、受信したコマンドに対応して、飾り図柄および演出図柄の制御に加え、スピーカ27からの音の出力制御、および、各種ランプの発光制御を行なう。
次に、演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ(具体的には、演出制御用CPU)の動作を説明する。図6は、演出制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータが実行するメイン処理等の各種ソフトウェアプログラムは、多数の処理ステップにより構成され、これら処理ステップが所定の順序で実行されることにより各種の処理を行なう。
演出制御用CPUは、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S701)。その後、演出制御用CPUは、タイマ割込フラグの監視(S702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPUは、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPUは、そのフラグをクリアし(S703)、S704〜S709の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPUは、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPUは、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、第1飾り図柄表示制御処理を行なう(S706)。第1飾り図柄表示制御処理では、第1飾り図柄表示器9aの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄表示制御処理を行なう(S707)。第2飾り図柄表示制御処理では、第2飾り図柄表示器9bの表示制御を実行する。また、合算保留記憶表示部18cの表示状態の制御を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S708)。さらに、演出の態様等を決定するために用いられる乱数を生成するためのカウンタ(ランダムカウンタ)のカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S709)。その後、S702に移行する。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する特別図柄プロセス処理のように、第1飾り図柄表示制御処理と第2飾り図柄表示制御処理とを共通化して、すなわち一つのプログラムモジュールで実現するようにして、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するプログラム容量を減らすようにしてもよい。
次に、演出の態様等を決定するために用いられるランダムカウンタについて説明する。演出図柄の表示結果として導出表示する停止図柄は、演出図柄決定用のランダムカウンタから抽出されることにより生成される演出図柄の停止図柄決定用の乱数値が、複数の停止図柄のそれぞれに対応して定められた図柄決定値のうちのどれと一致するか否かに基づいて決定される。
大当り予告演出の一種として後述するリーチ前予告の種別は、リーチ前予告種別判定用のランダムカウンタが抽出されることにより生成されるリーチ前予告種別判定用の乱数値が、複数の種別のそれぞれに対応して定められたリーチ前予告種別判定値のうちのどれと一致するか否かに基づいて決定される。また、このようなリーチ前予告の予告パターンは、リーチ前予告パターン判定用のランダムカウンタが抽出されることにより生成されるリーチ前予告パターン判定用の乱数値が、複数の予告パターンのそれぞれに対応して定められたリーチ前予告判定値のうちのどれと一致するか否かに基づいて決定される。
大当り予告演出の一種として後述するリーチ後予告の種別は、リーチ後予告種別判定用のランダムカウンタが抽出されることにより生成されるリーチ後予告種別判定用の乱数値が、複数の種別のそれぞれに対応して定められたリーチ後予告種別判定値のうちのどれと一致するか否かに基づいて決定される。また、このようなリーチ後予告の予告パターンは、リーチ後予告パターン判定用のランダムカウンタが抽出されることにより生成されるリーチ後予告パターン判定用の乱数値が、複数の予告パターンのそれぞれに対応して定められたリーチ後予告判定値のうちのどれと一致するか否かに基づいて決定される。
大当り遊技状態における演出の一種として後述する昇格演出の種別は、昇格種別判定用のランダムカウンタが抽出されることにより生成される昇格種別判定用の乱数値が、複数の種別のそれぞれに対応して定められた昇格種別判定値のうちのどれと一致するか否かに基づいて決定される。また、このような昇格演出の演出パターンは、昇格演出パターン判定用のランダムカウンタが抽出されることにより生成される昇格演出パターン判定用の乱数値が、複数の演出パターンのそれぞれに対応して定められた演出パターン判定値のうちのどれと一致するか否かに基づいて決定される。
次に、演出制御用マイクロコンピュータにおいて、実行することが決定される大当り予告の予告演出について説明する。パチンコ遊技機1では、大当り予告として、リーチ状態となる変動表示において、リーチ状態となる前のタイミングで実行されるリーチ前予告と、リーチ状態となった後のタイミングで実行されるリーチ後予告とのうち、いずれか一方または両方を実行することが可能である。これら大当り予告は、演出制御用マイクロコンピュータにおいて、実行するか否かの決定および実行する予告パターンがランダムカウンタを用いてランダムに決定される。
演出制御用マイクロコンピュータは、受信した演出制御コマンドに基づいて、実行する変動表示の変動パターンがリーチとなる変動パターン(以下、リーチ変動パターンという)であるかどうかを確認する。そして、変動パターンがリーチ変動パターンであるときに、リーチ前予告とリーチ後予告とのそれぞれの大当り予告について、予告の実行の有無を決定するとともに、予告を実行するときには、予告パターンを決定する。
具体的に、リーチ前予告およびリーチ後予告における予告パターンのそれぞれは、複数の予告種別のうちから1つの予告種別を選択決定した後、決定された予告種別に属する複数の予告パターンのうちから1つの予告パターンを選択決定することに基づいて決定される。予告種別は、予告パターンの演出の態様に基づいて複数種類の予告パターンに分類された予告パターンの大分類(種別)が特定される種別である。
演出制御用マイクロコンピュータでは、リーチ前予告種別判定テーブルを用いてリーチ前予告種別を決定し、リーチ前予告パターン判定テーブルを用いてリーチ前予告パターンを決定する。
図7は、リーチ前予告種別判定テーブルおよびリーチ前予告パターン判定テーブルの一部の例を示す説明図である。本実施の形態においては、リーチ前予告種別により、リーチ前予告の有無、リーチ前予告の種類、リーチ前予告パターンの大分類(種別)が特定される。リーチ前予告パターンは、リーチ前予告パターンの演出の態様に基づいて複数種類の予告種別に分類されている。リーチ前予告種別判定テーブルおよびリーチ前予告パターン判定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータの記憶手段としてのROMに記憶されている。
リーチ前予告種別判定テーブルとしては、図5に示す変動パターン種別判定テーブルと同様に、大当り判定の結果としてはずれとすることが決定されたときに用いられるはずれ時リーチ前予告種別判定テーブルと、大当り判定の結果として大当りとすることが決定されたときに用いられる大当り時リーチ前予告種別判定テーブルとに分けられている。より具体的に、はずれ時リーチ前予告種別判定テーブルおよび大当り時リーチ前予告種別判定テーブルのそれぞれにおいては、たとえば、後述する図9のテーブルと同様に、「ノーマル」、「スーパーA」、および、「スーパーB」というようなリーチの種類ごとに、判定テーブルが分けられている。はずれ時リーチ前予告種別判定テーブルと、大当り時リーチ前予告種別判定テーブルとのそれぞれは、リーチ状態の種類に基づいて異なる割振りで、複数種類の予告種別のうちから実行する予告種別を決定できるように、データが設定されている。
また、リーチ前予告パターン判定テーブルとしては、図5に示す変動パターン判定テーブルと同様に、大当り判定の結果としてはずれとすることが決定されたときに用いられるはずれ時リーチ前予告パターン判定テーブルと、大当り判定の結果として大当りとすることが決定されたときに用いられる大当り時リーチ前予告パターン判定テーブルとに分けられている。より具体的に、はずれ時リーチ前予告パターン判定テーブルおよび大当り時リーチ前予告パターン判定テーブルのそれぞれにおいては、たとえば、後述する図9のテーブルと同様に、「押しボタンチャンス」、「ステップアップ」、「分岐ステップアップ」、および、「台詞」というような予告の種別ごとに、判定テーブルが分けられている。
図7においては、リーチ前予告種別判定テーブルおよびリーチ前予告パターン判定テーブルの一部の例として、変動パターンが大当りとなり、スーパーリーチAの変動パターンが選択されるときに用いられるテーブルが示されている。
図7において、「種別」という記載がされた欄はリーチ前予告パターン種別判定テーブル(一部)を示す欄であり、「予告パターン」という記載がされた欄はリーチ前予告パターン判定テーブル(一部)を示す欄である。リーチ前予告パターン判定テーブルの各種別に対応して示されている予告パターンが、各種別に属する予告パターンである。たとえば、一例として、「押しボタン」の種別に属する予告パターンは、「押しボタンチャンスA」、「押しボタンチャンスB」、「押しボタンチャンスC」である。
図7に示すように、リーチ前予告パターン種別判定テーブルでは、「予告無」、「押しボタン」、「ステップアップ」、「分岐ステップアップ」、および、「台詞」のそれぞれの種別に、リーチ前予告種別判定値が割振られて設定されている。また、リーチ前予告パターン判定テーブルでは、各予告パターン種別について、属する複数の予告パターンに、リーチ前予告パターン判定値が割振られて設定されている。たとえば、一例として、「押しボタン」の種別に属する予告パターンについては、「押しボタンチャンスA」、「押しボタンチャンスB」、および、「押しボタンチャンスC」のそれぞれの予告パターンに、リーチ前予告パターン判定値が割振られて設定されている。
「予告無」の種別は、リーチ前予告を実行しないことを示す種別である。「押しボタン」の種別は、操作ボタン130の操作に応じて予告演出を実行する押しボタンチャンス予告の予告パターン(押しボタンチャンスA〜C)が属する種別である。「ステップアップ」の種別は、予告の態様を複数段階の予告ステップでステップアップさせる予告演出を実行するステップアップ予告の予告パターン(ステップアップ1段階〜5段階)が属する種別である。「分岐ステップアップ」の種別は、ステップアップ予告において予告ステップが複数に分岐する予告パターン(分岐ステップアップ2段階,3段階)が属する種別である。
前述のステップアップ予告は、大当り遊技状態に制御される可能性があることを報知する予告演出として、予め定められた系統にしたがって1段階から複数段階まで演出が段階的に変化し、大当り遊技状態に制御される場合に大当り遊技状態に制御されない場合よりも高い割合で予め定められた段階まで演出が変化する演出である。ステップアップ予告には、前述の「ステップアップ」の種別に属する予告パターンの予告のように、予め定められた通常系統で演出が段階的に変化する通常ステップアップを行なう予告演出と、前述の「分岐ステップアップ」の種別に属する予告パターンの予告のように、所定段階までは通常系統と共通の演出に変化し、所定段階以降は通常系統と異なる演出に変化する分岐系統で演出が段階的に変化する分岐ステップアップを行なう予告演出とが含まれている。このように、ステップアップ予告演出として、予め定められた通常系統で演出が段階的に変化する通常ステップアップと、所定段階までは通常系統と共通の演出に変化し、所定段階以降は通常系統と異なる演出に変化する分岐系統で演出が段階的に変化する分岐ステップアップとが含まれるので、演出が多様化し、遊技者の興趣がさらに向上する。
「台詞」の種別は、キャラクタが表示されるとともに、当該キャラクタに付随して予告を示唆する台詞等の所定の台詞が表示される(キャラクタの台詞であることを示す表示がされる)台詞予告の予告パターン(台詞1〜5)が属する種別である。
予告パターンの欄において、「押しボタンチャンスA」〜「押しボタンチャンスC」は、演出態様が異なる複数の押しボタン予告の予告パターンを示している。「ステップアップ1段階」〜「ステップアップ5段階」は、ステップアップする予告ステップの段階が1段階〜5段階というように異なるステップアップ予告の予告パターンを示している。「分岐ステップアップ2段階」、「分岐ステップアップ3段階」は、分岐する段階が2段階、3段階というように異なる分岐ステップアップ予告の予告パターンを示している。「台詞1」〜「台詞5」は、台詞の内容等が異なる台詞予告の予告パターンを示している。
大当り時リーチ前予告種別判定テーブルとはずれ時リーチ前予告種別判定テーブルとにおいては、「押しボタンチャンス」、「ステップアップ」、「分岐ステップアップ」、および、「台詞」というような予告の種別ごとに、選択される割合が大当り時とはずれ時とで異なるようにリーチ前予告種別判定値が割振られている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、特定の予告種別が選択される割合が高いので、特定の予告種別で予告演出が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、大当り時リーチ前予告種別判定テーブルとはずれ時リーチ前予告種別判定テーブルとにおいては、「押しボタンチャンス」について、大当りとなるときには、押しボタンチャンスがA<B<Cの関係で予告パターンが選択される割合が高くなるようにリーチ前予告パターン判定値が設定されている。また、「ステップアップ」について、大当りとなるときには、ステップアップの段階が1段階<2段階<3段階<4段階<5段階の関係で予告パターンが選択される割合が高くなるようにリーチ前予告パターン判定値が設定されている。つまり、「ステップアップ」の予告パターンは、大当り遊技状態に制御される場合に大当り遊技状態に制御されない場合よりも高い割合で予め定められた段階まで演出が変化する。また、「分岐ステップアップ」について、大当りとなるときには、分岐ステップが2段階<3段階の関係で予告パターンが選択される割合が高くなるようにリーチ前予告パターン判定値が設定されている。つまり、「分岐ステップアップ」の予告パターンは、大当り遊技状態に制御される場合に大当り遊技状態に制御されない場合よりも高い割合で予め定められた段階まで演出が変化する。また、「台詞」について、大当りとなるときには、台詞が台詞1<台詞2<台詞3<台詞4<台詞5の関係で予告パターンが選択される割合が高くなるようにリーチ前予告パターン判定値が設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、各予告種別のうちの特定の予告パターンが選択される割合が高いので、特定の予告パターンで予告演出が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
前述の演出制御プロセス処理(S705)においては、変動表示が実行される前のタイミングにおいて、所定のランダムカウンタの値を抽出する処理を行ない、その抽出値に基づき、次のように、図7に示すテーブルを用いてリーチ前予告の予告パターンを決定する予告演出決定処理を行なう。
リーチ前予告の予告演出決定処理においては、演出制御コマンドにより、リーチとする変動パターンが指定され、かつ、はずれとすることが指定されたときには、リーチ前予告種別判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、はずれ時リーチ前予告種別判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、はずれ時リーチ前予告種別判定テーブルを用いてリーチ前予告の予告種別を決定する予告種別決定処理を行なう。そして、リーチ前予告の予告演出決定処理においては、リーチ前予告パターン判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、はずれ時リーチ前予告パターン判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した予告種別について、はずれ時リーチ前予告パターンテーブルを用いてリーチ前予告パターンを決定する予告パターン決定処理を行なう。
リーチ前予告の予告演出決定処理においては、演出制御コマンドにより、リーチとする変動パターンが指定され、かつ、大当りとすることが指定されたときには、リーチ前予告種別判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、大当り時リーチ前予告種別判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、大当り時リーチ前予告種別判定テーブルを用いてリーチ前予告の予告種別を決定する予告種別決定処理を行なう。そして、リーチ前予告の予告演出決定処理においては、リーチ前予告パターン判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、大当り時リーチ前予告パターン判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した予告種別について、大当り時リーチ前予告パターン判定テーブルを用いてリーチ前予告パターンを決定する予告パターン決定処理を行なう。
このように決定されたリーチ前予告パターンによるリーチ前予告は、演出制御プロセス処理(S705)において、当該リーチ前予告を行なうステップよりなる予告演出実行処理により、リーチ状態となる前の所定のタイミングで実行される。
次に、「分岐ステップアップ」の予告パターンの具体例を説明する。図8は、「分岐ステップアップ」の予告パターンの具体例を説明する説明図である。図8においては、分岐ステップアップ2段階の予告パターンが一例として示されている。
図8を参照して、「分岐ステップアップ」の予告パターンにおいては、たとえばリーチ状態となった後、分岐ステップアップ前の段階で、演出表示装置9において、キャラクタ画像Aが表示される。キャラクタ画像Aは、前述したステップアップ1段階〜5段階の予告パターンのステップアップの第1段階において表示されるキャラクタ画像と共通のキャラクタである。これにより、分岐ステップアップにおいては、分岐ステップアップ前の段階までは、ステップアップ1段階〜5段階の予告パターンと共通の演出が行なわれる。このように、「分岐ステップアップ」の予告パターンにおいて、分岐ステップアップ前の段階は、ステップアップ1段階〜5段階の予告パターンのステップアップの第1段階と同様の演出が行なわれる段階であるので、分岐ステップアップのうちの第1段階のステップである。遊技者はこの段階でリーチが分岐するか否かを把握できない。ここでは、通常系統でステップアップするステップアップ1段階〜5段階の予告パターンの1段階まで、「分岐ステップアップ」の予告パターンが共通の演出に変化する例を示したが、複数段階まで共通の演出に変化するように設定してもよく、所定段階までは通常系統と共通の演出に変化するのであれば、共通の演出に変化する段階数は何回であってもよい。そして、リーチ状態となった後、第1の所定時間T1が経過すると、分岐ステップアップ1段階目の画像制御により、表示されていたキャラクタ画像Aが、そのキャラクタ画像Aと同種類のキャラクタ画像であるキャラクタ画像AAと、別種類のキャラクタ画像であるキャラクタ画像ABとのどちらかに変化する第1回目の分岐ステップアップ演出が行なわれる。そして、リーチ状態となった後、第2の所定時間T2が経過すると、分岐ステップアップ2段階目の画像制御により、次のような第2回目の分岐ステップアップ演出が行なわれる。
キャラクタ画像AAが表示されていた場合には、そのキャラクタ画像AAと同種類のキャラクタ画像であるキャラクタ画像AAAと、別種類のキャラクタ画像であるキャラクタ画像AABとのどちらかに変化することにより演出内容が分岐するステップアップ演出が行なわれる。キャラクタ画像ABが表示されていた場合には、そのキャラクタ画像ABと同種類のキャラクタ画像であるキャラクタ画像ABBと、別種類のキャラクタ画像であるキャラクタ画像ABAとのどちらかに変化することにより演出内容が分岐するステップアップ演出が行なわれる。なお、ステップアップ1段階〜5段階の予告パターンでは、キャラクタ画像A以外のキャラクタ画像は表示されない。このように、分岐ステップアップ」の予告パターンにおいては、前述したような所定段階以降はステップアップ1段階〜5段階の予告パターンのような通常系統と異なる演出に変化する分岐系統で演出が段階的に変化する。
そして、このような分岐ステップアップの予告パターンにおいては、キャラクタ画像AAA,AAB,ABB,ABAにステップアップする最終のステップアップ演出が行なわれたときに、演出内容の分岐先の一部(たとえばキャラクタ画像AAAが表示される分岐先)において、たとえば、前述の押しボタンチャンスで説明したような操作ボタン130の操作に応じて予告演出を実行可能とするボタン予告演出が行なわれる。このようなボタン予告演出では、所定期間内に操作ボタン130が操作されると所定の予告演出が行なわれ、所定期間内に操作ボタン130が操作されないと所定の予告演出が行なわれない。操作ボタン130が操作されたか否かは、演出制御用マイクロコンピュータにおいて、操作ボタン130から入力される操作検出信号に基づいて判断する。このように、分岐ステップアップの予告パターンにおいては、演出内容の分岐先にボタン予告演出が設けられていることにより、演出が多様化し、遊技者の興趣が向上する。また、大当りとすることが決定されているときに、はずれとするときと比べて、演出内容の分岐先としてボタン予告演出が設けられている分岐先が選択される割合を高く設定することにより、演出内容の分岐先としてボタン予告演出が表示されると、大当りとなる期待感が高まるので、遊技者の興趣をより一層向上させることができる。また、分岐ステップアップの予告演出種別には、予告ステップが複数に分岐する分岐ステップアップが複数属するので、演出が多様化し、遊技者の興趣がさらに向上する。
また、前述の分岐ステップアップ3段階では、図8に示したような分岐ステップアップが3段階まで実行される。
なお、分岐ステップアップの予告パターンにおいては、演出内容の分岐先にボタン予告演出が設けられなくてもよい。また、分岐ステップアップの予告パターンにおいては、演出内容の分岐先のすべてにボタン予告演出が設けられてもよい。また、ボタン予告演出においては、所定時間内に操作ボタン130が操作されないときでも、所定の予告演出が行なわれるようにしてもよい。
次に、リーチ後予告について説明する。演出制御用マイクロコンピュータでは、リーチ後予告種別判定テーブルを用いてリーチ後予告種別を決定し、リーチ後予告パターン判定テーブルを用いてリーチ後予告パターンを決定する。
図9は、リーチ後予告種別判定テーブルおよびリーチ後予告パターン判定テーブルを示す説明図である。本実施の形態においては、リーチ後予告種別により、リーチ後予告の有無、および、リーチ後予告の種類等、リーチ後予告パターンの大分類(種別)が特定される。リーチ後予告パターンは、リーチ後予告パターンの演出の態様に基づいて複数種類の予告種別に分類されている。リーチ後予告種別判定テーブルおよびリーチ後予告パターン判定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータの記憶手段としてのROMに記憶されている。
リーチ後予告種別判定テーブルとしては、「400回ハマリ」と呼ばれるような400回連続で変動表示の結果大当りとならず、その後まだ次の大当りが発生していないという特定条件が成立しているときに用いる特定時リーチ後予告種別判定テーブルと、そのような特定条件が成立していないときに用いる通常時リーチ後予告種別判定テーブルとが設けられている。通常時リーチ後予告種別判定テーブルと、特定時リーチ後予告種別判定テーブルとのそれぞれは、図5に示す変動パターン種別判定テーブルと同様に、大当り判定の結果としてはずれとすることが決定されたときに用いられるはずれ時リーチ後予告種別判定テーブルと、大当り判定の結果として大当りとすることが決定されたときに用いられる大当り時リーチ後予告種別判定テーブルとに分けられている。通常時リーチ後予告種別判定テーブルとが設けられている。
通常時リーチ後予告種別判定テーブルについて、はずれ時リーチ後予告種別判定テーブルははずれ通常時リーチ後予告種別判定テーブルと呼ばれ、大当り時リーチ後予告種別判定テーブルは大当り通常時リーチ後予告種別判定テーブルと呼ばれる。また、特定時リーチ後予告種別判定テーブルについて、はずれ時リーチ後予告種別判定テーブルははずれ特定時リーチ後予告種別判定テーブルと呼ばれ、大当り時リーチ後予告種別判定テーブルは大当り特定時リーチ後予告種別判定テーブルと呼ばれる。これら各予告種別判定テーブルにおいては、前述した図7のテーブルと同様に、「ノーマル」、「スーパーA」、および、「スーパーB」というようなリーチの種類ごとに、判定テーブルが分けられている。通常時リーチ後予告種別判定テーブルと、特定時リーチ後予告種別判定テーブルとのそれぞれは、リーチ状態の種類に基づいて異なる割振りで、複数種類の予告種別のうちから実行する予告種別を決定できるように、データが設定されている。
また、リーチ後予告パターン判定テーブルとしては、前述の特定の条件が成立しているときに用いる特定時リーチ後予告パターン判定テーブルと、そのような特定の条件が成立していないときに用いる通常時リーチ後予告パターン判定テーブルとが設けられている。通常時リーチ後予告パターン判定テーブルと、特定時リーチ後予告パターン判定テーブルとのそれぞれは、図5に示す変動パターンパターン判定テーブルと同様に、大当り判定の結果としてはずれとすることが決定されたときに用いられるはずれ時リーチ後予告パターン判定テーブルと、大当り判定の結果として大当りとすることが決定されたときに用いられる大当り時リーチ後予告パターン判定テーブルとに分けられている。
通常時リーチ後予告パターン判定テーブルについて、はずれ時リーチ後予告パターン判定テーブルははずれ通常時リーチ後予告パターン判定テーブルと呼ばれ、大当り時リーチ後予告パターン判定テーブルは大当り通常時リーチ後予告パターン判定テーブルと呼ばれる。また、特定時リーチ後予告パターン判定テーブルについて、はずれ時リーチ後予告パターン判定テーブルははずれ特定時リーチ後予告パターン判定テーブルと呼ばれ、大当り時リーチ後予告パターン判定テーブルは大当り特定時リーチ後予告パターン判定テーブルと呼ばれる。これら各予告パターン判定テーブルにおいては、前述した図7のテーブルと同様に、「タイトル」、「背景変化」、および、「群」というような予告の種別ごとに、判定テーブルが分けられている。
図9においては、(A)にはずれ通常時リーチ後予告種別判定テーブルおよびはずれ通常時リーチ後予告パターン判定テーブル、(B)に大当り通常時リーチ後予告種別判定テーブルおよび大当り通常時リーチ後予告パターン判定テーブル、(C)にはずれ特定時リーチ後予告種別判定テーブルおよびはずれ特定時リーチ後予告パターン判定テーブル、(D)に大当り特定時リーチ後予告種別判定テーブルおよび大当り特定時リーチ後予告パターン判定テーブルが示されている。図9の構成は、前述した図7と同様である。
図9に示すように、(A)のはずれ通常時リーチ後予告種別判定テーブルでは、「予告無」、「タイトル」、および、「背景変化」のそれぞれの種別に、リーチ後予告種別判定値が割振られて設定されている。
「予告無」の種別は、リーチ後予告を実行しないことを示す種別である。「タイトル」の種別は、所定のタイトル文字を表示する予告演出を実行するタイトル予告の予告パターン(タイトル1〜3)が属する種別である。「背景変化」の種別は、演出表示装置9で演出図柄の背景として表示される背景画像を変化させる予告演出を実行する背景変化予告の予告パターン(背景1〜3)が属する種別である。
変動パターンの欄において、「タイトル1」〜「タイトル3」は、演出態様が異なる複数のタイトル予告の予告パターンを示している。「背景1」〜「背景3」は、演出態様が異なる背景予告の予告パターンを示している。また、リーチ後予告パターン判定テーブルでは、各予告パターン種別について、属する複数の予告パターンに、リーチ後予告パターン判定値が割振られて設定されている。たとえば、一例として、「タイトル」の種別に属する予告パターンについては、「タイトル1」、「タイトル2」、および、「タイトル3」のそれぞれの予告パターンに、リーチ後予告パターン判定値が割振られて設定されている。
(C)のはずれ特定時リーチ後予告種別判定テーブル、および、(D)の大当り特定時リーチ後予告種別判定テーブルのそれぞれでは、「ノーマル」、「スーパーA」、および、「スーパーB」というようなリーチの種類ごとに、「予告無」、「タイトル」、および、「背景変化」に加えて、特定条件成立時特有の予告種別としての「群」の種別が設けられ、それぞれの種別に、リーチ後予告種別判定値が割振られて設定されている。「群」の種別は、同種または別種のキャラクタ、図形、文字列等の画像が複数で群れをなして表示する予告演出を実行する群予告の予告パターン(群1、群2、群プレミアム)が属する種別である。これにより、前述の特定条件が成立したときには、特定条件が成立していないときに表示されない予告種別の予告パターンで予告演出が実行される場合があるので、予告演出を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(B)の大当り通常時リーチ後予告種別判定テーブルでは、「タイトル」、および、「背景変化」のそれぞれの種別に対応して、大当り決定時特有の予告パターンとしての「タイトルプレミアム」、および、「背景プレミアム」の予告パターンが設けられ、それぞれの予告パターンに、リーチ後予告パターン判定値が割振られて設定されている。また、(D)の大当り特定時リーチ後予告種別判定テーブルでは、「タイトル」、「背景変化」、および、「群」のそれぞれの種別に対応して、大当り決定時特有の予告パターンとしての「タイトルプレミアム」、「背景プレミアム」、および、「群プレミアム」の予告パターンが設けられ、それぞれの予告パターンに、リーチ後予告パターン判定値が割振られて設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときに表示されない予告パターンで予告演出が実行される場合があるので、予告演出を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(B)の大当り通常時リーチ後予告種別判定テーブルと、(A)のはずれ通常時リーチ後予告種別判定テーブルとにおいては、「タイトル」、および、「背景変化」というような予告の種別ごとに、選択される割合が大当り時とはずれ時とで異なるように予告種別判定値が割振られている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、特定の予告種別が選択される割合が高いので、特定の予告種別で予告演出が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
また、(B)の大当り通常時リーチ後予告パターン判定テーブルおよび(D)の大当り特定時リーチ後予告パターン判定テーブルと、(A)のはずれ通常時リーチ後予告パターン判定テーブルおよび(C)のはずれ特定時リーチ後予告パターン判定テーブルとにおいては、「タイトル1〜3」について、大当りとなるときには、タイトルが1<2<3の関係で予告パターンが選択される割合が高くなるように設定されている。また、「背景1〜3」について、大当りとなるときには、背景が1<2<3の関係の関係で予告パターンが選択される割合が高くなるように設定されている。また、「群1,2」について、大当りとなるときには、群が1<2の関係の関係で予告パターンが選択される割合が高くなるように設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べて、特定の予告パターンが選択される割合が高いので、特定の予告パターンで予告演出が実行されたときに、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。
前述の演出制御プロセス処理(S705)においては、変動表示が実行される前のタイミングにおいて、所定のランダムカウンタの値を抽出する処理を行ない、その抽出値に基づき、次のように、図9に示すテーブルを用いてリーチ後予告の予告パターンを決定する予告演出決定処理を行なう。リーチ後予告の予告パターンを決定する予告演出決定処理は、たとえば、前述したリーチ前予告の予告パターンを決定する予告演出決定処理を行なった後に実行される。
また、前述したリーチ前予告の予告パターンを決定する処理において必ず大当りとなる予告パターンが設けられ、その予告パターンでのリーチ前予告を実行することが決定されたときには、リーチ後予告の予告パターンを決定する処理を実行しないようにする禁則処理を行なう。なお、このような禁則処理は行なわないようにしてもよい。
リーチ後予告の予告演出決定処理においては、演出制御コマンドにより、リーチとする変動パターンが指定され、かつ、はずれとすることが指定されたときには、リーチ後予告種別判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、はずれ時リーチ後予告種別判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、はずれ時リーチ後予告種別判定テーブルを用いてリーチ後予告の予告種別を決定する予告種別決定処理を行なう。そして、リーチ後予告の予告演出決定処理においては、リーチ後予告パターン判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、はずれ時リーチ後予告パターン判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した予告種別について、はずれ時リーチ後予告パターン判定テーブルを用いてリーチ後予告パターンを決定する予告パターン決定処理を行なう。
リーチ後予告の予告演出決定処理においては、演出制御コマンドにより、リーチとする変動パターンが指定され、かつ、大当りとすることが指定されたときには、リーチ後予告種別判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、大当り時リーチ後予告種別判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、大当り時リーチ後予告種別判定テーブルを用いてリーチ後予告の予告種別を決定する予告種別決定処理を行なう。そして、リーチ後予告の予告演出決定処理においては、リーチ後予告パターン判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、大当り時リーチ後予告パターン判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した予告種別について、大当り時リーチ後予告パターン判定テーブルを用いてリーチ後予告パターンを決定する予告パターン決定処理を行なう。
このように決定されたリーチ後予告パターンによるリーチ後予告は、演出制御プロセス処理(S705)において、当該リーチ後予告を行なうステップよりなる予告演出実行処理により、リーチ状態後の所定のタイミングで実行される。
また、前述の演出制御プロセス処理(S705)においては、前述の「400回ハマリ」と呼ばれるような400回連続で変動表示の結果大当りとならず、その後まだ次の大当りが発生していないという特定条件が成立しているか否かを判定するために、表示結果がはずれとなる変動表示が連続して実行されるごとに1ずつ変動回数を加算更新するハマリ変動回数カウンタを設け、演出制御コマンドが示す表示結果に基づいて、表示結果がはずれとなる変動表示が連続した回数をハマリ変動回数カウンタにより計数する処理を行なう。このようなハマリ変動回数カウンタは、表示結果が大当りとなることを指示する演出制御コマンドを受信したときに行なわれる変動表示が終了した後にリセットされる。
前述のようにはずれ時リーチ後予告パターン判定テーブルを用いてリーチ後予告パターンを決定する処理を行なう場合においては、ハマリ変動回数カウンタの計数値を確認して特定条件が成立しているか否かを判定する。そして、特定条件が成立していないときには、はずれ通常時リーチ後予告種別判定テーブル、および、はずれ通常時リーチ後予告パターン判定テーブルを用いて予告パターンを決定する。一方、特定条件が成立しているときには、はずれ特定時リーチ後予告種別判定テーブル、および、はずれ特定時リーチ後予告パターン判定テーブルを用いて予告パターンを決定する。
また、前述のように大当り時リーチ後予告パターン判定テーブルを用いてリーチ後予告パターンを決定する処理を行なう場合においては、ハマリ変動回数カウンタの計数値を確認して特定条件が成立しているか否かを判定する。そして、特定条件が成立していないときには、大当り通常時リーチ後予告種別判定テーブル、および、大当り通常時リーチ後予告パターン判定テーブルを用いて予告パターンを決定する。一方、特定条件が成立しているときには、大当り特定時リーチ後予告種別判定テーブル、および、大当り特定時リーチ後予告パターン判定テーブルを用いて予告パターンを決定する。
図7および図9に示すように、予告演出を決定するための手段が、予告種別を決定する手段(予告種別を決定する処理)と、予告パターンを決定する手段(予告パターンを決定する処理)とに分けられている。これにより、予告種別を決定する手段により決定可能な予告種別の数と、予告パターンを決定する手段により決定可能な予告パターン数との組合せにより、多種類の予告パターンを設定して選択的に用いることができるようになる。また、予告種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各予告種別に属する各予告パターンを選択する割合を変更しなくても、各予告種別ごとの予告パターンの出現割合を変更することができるようになる。これにより、予告パターンに関し、実行可能とする予告パターン数の変更設定、および、予告パターンの出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、予告パターンについて、実行可能な予告パターン数の設定、および、予告パターンの出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができ、これにより、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。
図7および図9に示す各予告種別判定テーブルおよび各予告パターン判定テーブルにおいては、パチンコ遊技機1の開発時に予告種別および予告パターンの出現割合を変更する場合、次のようにデータの設定変更を行なえばよい。たとえば、図9のリーチ後予告の判定テーブルを例にとれば、「タイトル」の予告種別の予告パターンの出現割合を変更する等、ある予告種別の予告パターンの出現割合を変更したければ、予告種別判定テーブルにおいて、「タイトル」、「背景変化」での予告種別判定値の割振りを変更するデータの設定変更を行なえばよい。この場合には、予告種別の選択割合を変更すれば、予告種別の各種別に属する予告パターンの選択割合を個別に調整することなく、擬似連回数が異なる予告パターンの出現割合を変更することができる。また、たとえば、「タイトル1」の予告パターンの出現割合を変更したければ、予告パターン判定テーブルにおいて、各「タイトル」の予告種別内での予告パターン判定値の割振りを変更するデータの設定変更を行なえばよい。この場合には、該当する予告種別内での予告パターンの選択割合を変更すれば、他の予告種別の予告パターンの選択割合を調整することなく、予告パターンの出現割合を変更することができる。このように、設定変更をしたい予告パターンがある場合に、設定変更の対象となる予告パターンに関する設定変更を行なえば、設定変更の対象とならない予告パターンの選択割合を調整する必要なく設定変更ができるので、パチンコ遊技機の開発時の設定負担が軽減される。
なお、前述したようなリーチ前予告演出に用いる「ステップアップ」の予告種別および「分岐ステップアップ」の予告種別等の各種予告種別に属する予告パターンは、リーチ後予告演出に用いる予告種別に属する予告パターンとして用いるようにしてもよい。具体的には、リーチ前予告のために行なう予告種別決定処理と予告パターン決定処理とを含む予告演出決定処理、および、予告演出実行処理を実行する。また、前述したようなリーチ後予告演出に用いる「タイトル」の予告種別等の各種予告種別に属する予告パターンは、リーチ前予告演出に用いる予告種別に属する予告パターンとして用いるようにしてもよい。具体的には、リーチ後予告のために行なう予告種別決定処理と予告パターン決定処理とを含む予告演出決定処理、および、予告演出実行処理を実行する。したがって、リーチ前予告演出に用いる予告種別に属する予告パターンをリーチ後予告演出に用いる予告種別に属する予告パターンとして用いるようにした場合には、リーチ前予告演出について説明した効果をリーチ後予告演出においても得ることができる。また、リーチ後予告演出に用いる予告種別をリーチ前予告演出に用いる予告種別として用いるようにした場合には、リーチ後予告演出について説明した効果をリーチ前予告演出においても得ることができる。
次に、昇格演出について説明する。演出制御用マイクロコンピュータでは、昇格種別判定テーブルを用いて昇格演出の種別を決定し、昇格演出パターン判定テーブルを用いて昇格演出の演出パターンを決定する。
図10は、昇格種別判定テーブルおよび昇格演出パターン判定テーブルを示す説明図である。本実施の形態においては、昇格種別により、昇格演出の種類という昇格パターンの大分類(種別)が特定される。昇格演出の演出パターンは、昇格演出の演出パターンの演出態様に基づいて複数種類の昇格種別に分類されている。昇格種別判定テーブルおよび昇格演出パターン判定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータの記憶手段としてのROMに記憶されている。
昇格種別判定テーブルとしては、昇格なし演出が行なわれるときに用いられる昇格なし種別判定テーブルと、昇格あり演出が行なわれるときに用いられる昇格あり種別判定テーブルとが設けられている。昇格演出パターン判定テーブルとしては、昇格なし演出が行なわれるときに用いられる昇格なし演出パターン判定テーブルと、昇格あり演出が行なわれるときに用いられる昇格あり演出パターンテーブルとが設けられている。
図10においては、(A)に昇格なし種別判定テーブルおよび昇格なし演出パターン判定テーブルが示され、(B)に昇格あり種別判定テーブルおよび昇格あり演出パターン判定テーブルが示されている。
図10において、「種別」という記載がされた欄は昇格なし種別判定テーブルまたは昇格あり種別判定テーブルを示す欄であり、「演出パターン」という記載がされた欄は昇格なし演出パターン判定テーブルまたは昇格あり演出パターン判定テーブルを示す欄である。昇格なし種別判定テーブルおよび昇格あり種別判定テーブルのそれぞれの判定テーブルの各種別に対応して示されている予告パターンが、各種別に属する演出パターンである。たとえば、一例として、「ストーリー」の種別に属する演出パターンは、「敵Aバトル敗北」および「敵Bバトル敗北」である。
図10(A)に示すように、昇格なし種別判定テーブルでは、「ストーリー」、および、「チャンス報知」のそれぞれの種別に、昇格種別判定値が割振られて設定されている。「ストーリー」の種別は、後述するようなストーリー性があるバトル演出を行なうストーリー演出の演出パターン(敵Aバトル敗北、敵Bバトル敗北)が属する種別である。「ストーリー」として図示する演出パターンにおいて、たとえば、「敵Aバトル敗北」は、敵Aとバトル演出を行なって敗北し、昇格しない演出パターンである。また、昇格なし演出パターン判定テーブルでは、各昇格なし演出種別について、属する複数の演出パターンに、昇格演出パターン判定値が割振られて設定されている。
「チャンス報知」の種別は、後述するような福引演出を行なうチャンス報知演出の演出パターンとしての複数種類の演出パターンが属する種別である。図示するチャンス報知演出の演出パターンは、大当り遊技状態において、7R(第7ラウンド)、11R(第11ラウンド)、および、16R(第16ラウンド)のうち、予め定められた単数ラウンドまたは複数ラウンドにおいて、昇格するか否かを示す演出パターンである。図示する演出パターンにおいて、「無」は福引演出が実行されないことを示し、福引チャンス(ハズレ)は、福引を行なった結果はずれとなることを示すデータである。たとえば、「7R:無 11R:福引チャンス(ハズレ) 16R:無」の演出パターンは、7Rで福引演出が実行されず、11Rで福引演出が実行されてはずれとなり、16Rで福引演出が実行されず、結果的に昇格しない演出パターンを示している。
図10(B)に示すように、昇格あり種別判定テーブルでは、「エンディング昇格」、「ストーリー」、「チャンス報知」、および、「完全告知」のそれぞれの種別に、昇格種別判定値が割振られて設定されている。また、昇格あり演出パターン判定テーブルでは、各演出パターン種別について、属する複数の演出パターンに、昇格演出パターン判定値が割振られて設定されている。
「エンディング昇格」の種別は、最終ラウンド(16R)において、所定の昇格演出を行なうエンディング昇格演出の演出パターン(演出なし、演出あり)が属する種別である。「完全告知」の種別は、予め定められた複数のラウンドのうち、特定のラウンドにおいて、必ず昇格することを告知する完全告知を行なう演出パターン(4、8、11、16ラウンド)が属する種別である。それぞれの予告パターンに、リーチ後予告パターン判定値が割振られて設定されている。
「ストーリー」として図示する演出パターンにおいて、たとえば、「敵Aバトル勝利」は、敵Aとバトル演出を行なって勝利し、昇格する演出パターンである。「敵Aバトル復活勝利」は、敵Aとバトル演出を行なって一旦敗北した後、復活して勝利し、昇格する演出パターンである。福引チャンス(確変)は、福引を行なった結果当りとなって確変となることを示すデータである。「チャンス報知」として図示する演出パターンにおいて、「福引チャンス(確変)」は、福引を行なった結果当りとなって昇格する演出をすることを示すデータである。また、(B)の昇格あり演出パターン判定テーブルでは、(A)の昇格なし演出パターン判定テーブルと比べて、7R、11R、16Rのうち、16Rのような大当り遊技状態の終了時に近いタイミングのみで福引演出が行なわれるときの演出パターン(図10の(A),(B)における「7R:無 11R:無 16R:福引チャンス」に関して、選択される割合が高くなるように演出パターン判定値が設定されている。さらに、(B)の昇格あり演出パターン判定テーブルでは、(A)の昇格なし演出パターン判定テーブルと比べて、7R、11Rのような大当り遊技状態の終了時から遠いタイミングで福引演出が行なわれるときの演出パターン(たとえば、図10の(A),(B)における7R:福引チャンス 等」に関して、選択される割合が高くなるように演出パターン判定値が設定されている。これにより、7Rおよび11R等の比較的早いラウンドで昇格演出が行なわれなくても、昇格することに関して期待が持てるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、「完全告知」として図示する演出パターンにおいて、たとえば、「4ラウンド」の演出パターンは、4Rで完全告知が実行されて昇格する演出パターンを示している。
前述の演出制御プロセス処理(S705)においては、変動表示が実行される前のタイミング(変動表示終了後、大当り遊技状態の表示が実行される前のタイミングであってもよい)において、所定のランダムカウンタの値を抽出する処理を行ない、その抽出値に基づき、次のように、図10に示すテーブルを用いて昇格演出の演出パターンを決定する昇格演出決定処理を行なう。
昇格演出決定処理においては、演出制御コマンドにより、16R確変大当りB(昇格あり)とすることが指定されたときには、昇格種別判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、昇格あり種別判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、昇格あり種別判定テーブルを用いて昇格演出の種別を決定する昇格種別決定処理を行なう。そして、昇格演出決定処理においては、昇格演出パターン判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、昇格あり演出パターン判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した予告種別について、昇格あり演出パターン判定テーブルを用いて昇格演出の演出パターンを決定する昇格演出パターン決定処理を行なう。
昇格演出決定処理においては、演出制御コマンドにより、16R時短大当り(昇格なし)とすることが指定されたときには、昇格種別判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、昇格なし種別判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、昇格なし種別判定テーブルを用いて昇格演出の種別を決定する昇格種別決定処理を行なう。そして、昇格演出決定処理においては、昇格演出パターン判定用のランダムカウンタから数値データを抽出する処理を行なうとともに、昇格なし演出パターン判定テーブルを選択する処理を行ない、その抽出値に基づき、前述のように決定した予告種別について、昇格なし演出パターン判定テーブルを用いて昇格演出の演出パターンを決定する昇格演出パターン決定処理を行なう。
このように決定された昇格演出パターンによる昇格演出は、演出制御プロセス処理(S705)において、当該昇格演出を行なうステップよりなる昇格演出実行処理により、大当り遊技状態制御された後の所定のタイミングで実行される。
図10に示すように、昇格演出を決定するための手段が、昇格種別を決定する手段(昇格種別を決定する処理)と、昇格の演出パターンを決定する手段(昇格演出パターンを決定する処理)とに分けられている。これにより、昇格種別を決定する手段により決定可能な昇格種別の数と、演出パターンを決定する手段により決定可能な演出パターン数との組合せにより、多種類の昇格演出の演出パターンを設定して選択的に用いることができるようになる。また、昇格種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各昇格種別に属する各演出パターンを選択する割合を変更しなくても、各昇格種別ごとの演出パターンの出現割合を変更することができるようになる。これにより、昇格演出の演出パターンに関し、実行可能とする昇格演出の演出パターン数の変更設定、および、昇格演出の演出パターンの出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、昇格演出の演出パターンについて、実行可能な演出パターン数の設定、および、演出パターンの出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができ、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。
次に、演出表示装置9で表示される昇格演出の表示例を説明する。図11および図12は、「チャンス報知」の昇格種別に属する演出パターンの一例を示す表示画面図である。図11および図12においては、大当り遊技状態の7Rにおいてのみ福引演出が行なわれ、昇格する場合と、昇格しない場合とが示されている。
図11を参照して、(A)に示すように確変大当りとなることを示さない大当り表示結果が表示された後、(B),(C)に示すように1R〜7Rの大当り遊技状態の演出が行なわれる。そして、7Rにおいて、(D)に示すように、「福引チャンス、金の玉が出たら確変」というようなメッセージが表示された後、(E)に示すように、福引を行なうことを示す画像が表示されるとともに、「ボタンを押してください」という操作ボタン130の操作を要求するメッセージが表示される。
図12を参照して、その後、昇格ありの演出パターンを実行することが決定されているときには、(F)〜(I)に示す画像表示が行なわれる。一方、昇格なしの演出パターンを実行することが決定されているときには、(J)〜(M)に示す画像表示が行なわれる。
昇格ありの演出パターンを実行することが決定されているときには、所定時間内に操作ボタン130が操作されると、福引の結果、(F)に示すように「確変」という文字を示す金の玉が出る表示が行なわれ、確変となることが示される。そして、(G),(H)に示すように8R〜16Rの大当り遊技状態の演出が行なわれた後、(I)に示すように、エンディング表示として、「大当り終了、確変」というような昇格ありを報知するメッセージが表示される。
一方、昇格なしの演出パターンを実行することが決定されているときには、所定時間内に操作ボタン130が操作されると、福引の結果、(J)に示すように「残念」という文字を示す白い玉が出る表示が行なわれ、確変とならないことが示される。そして、(K),(L)に示すように8R〜16Rの大当り遊技状態の演出が行なわれた後、(M)に示すように、エンディング表示として、「大当り終了、時短」というような昇格なしを報知するメッセージが表示される。
昇格ありの演出パターンを実行することが決定されているときと、昇格なしの演出パターンを実行することが決定されているときとのいずれのときであっても、所定時間内に操作ボタン130が操作されないときには、福引の結果を示す昇格演出が行なわれない。このような制御を行なえば、昇格演出が、操作ボタン130に対する操作がされたことを条件として実行される昇格演出を含むので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
図13および図14は、「ストーリー」の昇格種別に属する演出パターンの一例を示す表示画面図である。図13および図14においては、敵Aを敵としてバトル演出が行なわれ、昇格する場合と、昇格しない場合とが示されている。
「ストーリー」の昇格種別に属する演出パターンでの演出の概要は次のとおりである。図13および図14を参照して、「ストーリー」の昇格種別に属する演出パターンにおいては、大当り表示結果が表示された後、遊技者の味方となる味方キャラクタ94が、敵キャラクタA〜Cとのうちのいずれかと料理を競う料理対決によるバトル演出を行ない、そのバトル演出の結果として、味方キャラクタ94が勝利するかまたは敗北する演出が行なわれる。味方キャラクタ94が勝利する演出パターンは「昇格あり」の演出パターンであり、味方キャラクタ94が敗北する演出パターンは「昇格なし」の演出パターンである。
次に、「ストーリー」の昇格種別に属する演出パターンを具体的に説明する。図13を参照して、(A)に示すように大当り表示結果が表示された後、(B)に示すように「食材をゲットせよ」という指令を示すメッセージが表示される。そして、(C),(D)に示すように1R〜3Rにおいて、味方キャラクタ94が登場して食材を獲得する画像が表示された後、4Rにおいて、(E)に示すように敵キャラクタA〜Cが登場して「料理対決」というタイトルメッセージが表示され、獲得した食材を用いて料理対決が行なわれることが示される。
敵Aとのバトル演出を行なう演出パターンを実行することが決定されているときには、5Rにおいて、(F)に示すように、味方キャラクタ94と敵キャラクタAとが登場して、「豚対決」というタイトルメッセージが表示され、豚料理による対決が行なわれることが示される。そして、6Rにおいて、(G)に示すように豚料理による対決が開始される画像表示が行なわれる。その後、7Rにおいて、(H)に示すように味方キャラクタ94の料理が完成する画像表示が行なわれるとともに、8Rにおいて、(I)に示すように敵キャラクタAの料理が完成する画像表示が行なわれ、9Rにおいて、(J)に示すように完成した料理の試食が行なわれることを示す画像表示が行なわれる。
図14を参照して、その後、バトル演出において勝利する(昇格する)演出パターンを実行することが決定されているときには、たとえば、(K)〜(M)に示す画像表示が行なわれる。一方、バトル演出において復活勝利する(昇格あり)演出パターンを実行することが決定されているときには、(N)〜(R)に示す画像表示が行なわれる。
昇格ありの演出パターンのうち、前述したような「勝利」の演出パターンを実行することが決定されているときには、16Rにおいて、(K)に示すように、試食結果の採点として味方キャラクタ94の方が敵キャラクタAよりもポイント数が上回る画像表示が行なわれ、(L)に示すように示すように味方キャラクタ94がバトル演出としての料理対決に勝利した画像表示が行なわれる。その後、(M)に示すように、エンディング表示として、「大当り終了、確変」というような昇格ありを報知するメッセージが表示される。
一方、昇格ありの演出パターンのうち、前述したような「復活勝利」の演出パターンを実行することが決定されているときには、16Rにおいて、(N)に示すように、試食結果の採点として敵キャラクタAの方がA味方キャラクタ94よりもポイント数が上回る画像表示が行なわれ、(O)に示すように示すように味方キャラクタ94がバトル演出としての料理対決に敗北した画像表示が行なわれる。その後、(P)に示すように、エンディング表示として、「大当り終了、時短」というような昇格なしを報知するメッセージが表示される。昇格なしの「敗北」の演出パターンを実行することが決定されているときには、このような表示により、エンディング表示が終了する。一方、「復活勝利」の演出パターンを実行することが決定されているときには、(Q)に示すように示すように、敗北した味方キャラクタ94が復活して再度登場し、(R)に示すように、「大当り終了、確変」というような昇格ありを報知するメッセージが表示される。
なお、このようなバトル演出の演出態様としては、対決を行なう敵キャラクタに応じて異なる演出態様が設定されている。たとえば、敵キャラクタごとに料理対決をするときの食材が異なるように演出態様が設定されている。また、このようなバトル演出の演出態様としては、対決を行なう敵キャラクタごとに対決方法が異なるように設定してもよい。たとえば、敵キャラクタAについては料理対決、敵キャラクタBについては自動車レース対決、敵キャラクタCについてはスポーツ対決というように、敵キャラクタごとに対決方法が異なるように設定すればよい。
図15は、「完全告知」の昇格種別に属する演出パターンの一例を示す表示画面図である。図15においては、大当り遊技状態の8Rにおいて完全告知の演出が行なわれ、昇格する場合が示されている。
図15を参照して、(A)に示すように大当り表示結果が表示された後、(B)〜(D)に示すように1R〜8Rの大当り遊技状態の演出が行なわれる。そして、8Rにおいて、(E)に示すように、「バリーン」というメッセージが表示されるとともに、画像が割れるような表示が行なわれた後、(F)に示すように「確変ゲット」というようなメッセージが表示される。その後、(G),(H)に示すように9R〜16Rの大当り遊技状態の演出が行なわれる。そして、(I)に示すように、エンディング表示として、「大当り終了、確変」というような昇格ありを報知するメッセージが表示される。
次に、パチンコ遊技機1での演出制御に関する各種の変形例を示す。
〔演出制御の変形例1〕
前述した実施の形態においては、リーチ前予告とリーチ後予告とのそれぞれについて、図7および図9に示すように、リーチ前予告およびリーチ後予告のそれぞれに含まれる予告種別に属する予告パターンのみを予告演出として選択して実行する例を示した。しかし、これに限らず、リーチ前予告およびリーチ後予告のそれぞれに含まれる予告種別とは別の種別の予告演出をこれらの予告演出と同じ変動表示中に実行可能(たとえば、同時に実行可能)となるようにしてもよい。たとえば、リーチ前予告およびリーチ後予告のそれぞれは、演出表示装置9を主として用いて予告演出を行なう予告であるので、これら予告演出と同様に演出表示装置9を用いて予告演出を行なうと演出表示装置9において演出が重複して予告演出が判別しにくくなるおそれがある。
そこで、たとえば、枠LED28、上演出LED85a、中演出LED85bおよび下演出LED85等の予め定められた発光体を、予告演出以外の状態では実行されないような特別な発光パターンで発光させる制御を行なうことにより特別な予告を行なえばよい。このような特別な予告としての発光を用いた予告は、フラッシュ予告と呼ばれる。また、たとえば、スピーカ27から、予告演出以外の状態では出力されないような特別な音声を出力させる制御を行なうことにより特別な予告を行なうようにしてもよい。また、これら発光体による予告演出と、音による予告演出とを組合せて予告を行なうようにしてもよい。
このような特別な予告を行なうか否かについての決定、および、行なうときの予告パターンは、前述の演出制御プロセス処理(S705)において、変動表示が実行される前のタイミングにおいて、前述したリーチ前予告に用いるランダムカウンタおよびリーチ後予告に用いるランダムカウンタとは異なる特定のランダムカウンタの値を抽出する処理を行ない、その抽出値に基づき、次のように、予め定められた特別予告判定用のテーブルを用いて決定する処理を行なうステップよりなる特別予告決定処理により決定される。このような処理は、たとえば、特別予告判定用のテーブルは、リーチ前予告およびリーチ後予告の場合と同様に、2段階で予告パターンを決定するような、予告の種別を決定するためのテーブルと、予告の種別に属する予告パターンを決定するためのテーブルとを設けてもよく、単に1段階で予告パターンを決定するためのテーブルを設けてもよい。このように決定された予告パターンによる特別な予告は、演出制御プロセス処理(S705)において、当該特別な予告を行なうステップよりなる特別予告演出実行処理により、所定のタイミングで実行される。
このような特別な予告を行なうようにすれば、複数種類の予告演出が1回の変動表示において、たとえば、同時に実行しても演出同士が相互干渉しないように実行可能となるので、予告演出を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
〔演出制御の変形例2〕
前述した実施の形態において、福引演出を行なうチャンス報知においては、操作ボタン130が所定時間内に操作されなければ昇格するか否かが示されない例を示した。しかし、これに限らず、福引演出を行なうチャンス報知においては、チャンス報知が実行されるときにおいて、7R、11R、16Rのいずれの演出タイミングにおいても所定時間内に操作ボタン130が操作されないときには、大当り遊技状態のエンディング表示が行なわれるときに、たとえば、図12(I),(M)のように、昇格するか否かの演出を行なうようにしてもよい。そのような演出は、前述の演出制御プロセス処理(S705)において、福引演出が行なわれたタイミングにおいて操作ボタン130が操作された回数を、所定のカウンタ(操作回数カウンタ)で計数し、大当り遊技状態のエンディング表示が行なわれるときに、その大当り遊技状態においてチャンス報知が実行されたにも関わらず、操作回数カウンタの値が0であるときに、昇格するか否かの演出を実行するようにすればよい。
このような制御を行なえば、操作ボタン130が操作されなければ昇格するか否かの演出が行なわれないチャンス報知において、遊技者が操作しなくても、昇格するか否かの演出が行なわれることとなるので、遊技者の操作が煩雑化せず、操作が行なわれなくても確変状態についての遊技者の期待感を高めることができる。
〔演出制御の変形例3〕
前述した実施の形態において、演出制御用マイクロコンピュータにおけるRAMが電源バックアップされていない例を示した。しかし、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータにおけるRAMを電源バックアップする構成を採用してもよい。その場合には、たとえば、停電等により電力供給が断たれたとき(電源断状態となったとき)に、実行中の昇格演出および予告演出等の演出表示装置9等の演出装置で実行されている各種の演出を実行するための制御データを、バックアップ電源により電源バックアップされるRAMにおいてバックアップ保存し、電力供給が復旧したときに、バックアップ保存した制御データを用いて、中断した演出を再開することが可能となる。このような制御データをバックアップ保存する処理は、図6に示す演出制御用マイクロコンピュータのメイン処理において、図3のS20と同様の処理ステップよりなり、制御データをRAMにバックアップ保存する電源断処理を実行することにより行なう。また、このようなバックアップ保存した制御データを用いて、中断した演出を再開する処理は、図2のS7,S8,S41,S42と同様の処理ステップよりなり、中断した演出を再開する演出状態復旧処理を実行することにより行なう。
このような構成において、確変大当りとすることが決定され、昇格ありの昇格演出を実行することが決定されている場合に、その決定後、昇格演出が完了する前に電源断状態となったときには、電源供給が復旧したときに、昇格演出の決定内容に関わらず、すなわち、元に決定されていたタイミングで昇格演出を実行せずに、一元的に、予め固定的に定めされたタイミングとして、エンディング表示が行なわれるタイミングで昇格演出を実行する制御を行なう。たとえば、「チャンス報知」で7Rにおいて福引チャンスの昇格演出を行なうことが決定されている場合に、電源断状態後、電源供給が復旧したときに、元に決定されていた7Rのタイミングで昇格演出を実行せずに、エンディング表示が行なわれるタイミングで昇格演出を実行する制御を行なう。
このような制御を行なえば、確変状態に移行させることを決定した後、昇格演出が完了する前にパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止したときに、電力供給が復旧した後、中断した演出を再開したときに、決定された昇格演出の内容に関わらず、予め固定的に定められたタイミングで昇格演出を実行することができるので、電力供給が復旧したときの演出制御が複雑化するのを防ぐことができる。
〔演出制御の変形例4〕
前述した実施の形態に示した各種予告演出および昇格演出を含む各種演出制御は、次に示すようなスロットマシンにおいて実行するようにしてもよい。
スロットマシンにおいては、メダル投入部からメダルが投入されるまたはMAXBETボタンが操作されることにより賭数が設定されると、スタートレバーの操作が有効となる。そして、遊技者によってスタートレバーが操作されると、内部抽選の処理が実行されるとともに図柄表示装置に設けられている複数のリールのそれぞれが回転を始める。各リールには、各々を識別可能な複数種類の入賞用識別情報としての入賞用図柄複数配列されており、変動表示が行なわれる。内部抽選において特別役(たとえば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス)に当選した場合には、たとえば、図柄表示装置とは別の液晶表示器および可動役物等の演出装置を用いた演出が行なわれることにより、内部当選した旨が遊技者に報知される。
遊技者がリールのそれぞれに対応するストップボタンを操作したことによりすべてのリールが停止した時点で、図柄表示装置で表示されている各リールの上段、中段、下段の3段の入賞用図柄のうちの賭数に応じて定められる有効な入賞ライン(有効ライン)上に位置する入賞用図柄の組合せによって入賞したか否かが決定される。有効ライン上の入賞用図柄の組合せが、予め定められた特定の表示態様となって入賞が発生した場合には、音、光、液晶表示器の表示によって所定の遊技演出がなされ、遊技状態が移行する等、入賞に応じたゲームが開始される。
液晶表示器は、各々を識別可能な複数種類の演出用(装飾用)の識別情報としての演出用左図柄、演出用中図柄、演出用右図柄の演出用図柄が変動表示される、遊技に関連する演出画像等を表示可能な変動表示部であり、前述したパチンコ遊技機1の演出表示装置9と同様の機能を有する表示装置として設けられている。
スロットマシンにおいて、大当り遊技状態のような遊技者にとって有利な特定遊技状態は、遊技者にとって有利な有利遊技価値のうちの通常有利遊技価値であり、レギュラーボーナスおよびビッグボーナスが該当する。ここで、遊技機における遊技価値とは、遊技機の遊技領域に設けられた可変入賞球装置の状態が打球の入賞しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、所定の入賞が発生しやすい遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にとって有利な状態になるための権利を発生させたりすることや、遊技媒体の払出の条件が成立しやすくなる状態になることをいう。また、確変状態のような、特定遊技状態の終了後に制御される遊技状態であって、特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別遊技状態は、遊技者にとって有利な有利遊技価値のうち通常有利遊技価値よりも有利な特別有利遊技価値であり、レギュラーボーナス後またはビッグボーナス後にRT(またはAT)が付与されないレギュラーボーナスまたはビッグボーナスを特定遊技状態とした場合において、レギュラーボーナス後またはビッグボーナス後にRT(またはAT)が付与されるレギュラーボーナスまたはビッグボーナスが該当する。ここで、RTはリプレイタイムを示し、ATはアシストタイムを示している。RTおよびATの内容については、後述する。
スロットマシンには、パチンコ遊技機1の主基板に相当する遊技制御基板、パチンコ遊技機1の演出制御基板に相当する演出制御基板、および、電源基板等が設けられている。電源基板によってスロットマシンを構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。そして、スロットマシンにおいては、パチンコ遊技機1の場合と同様に、遊技制御基板に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータよりなるメイン制御部によって遊技状態が制御され、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータよりなるサブ制御部によって遊技状態に応じた演出が制御される。したがって、前述した実施の形態に示すような各種予告演出および昇格演出を含む各種演出は、スロットマシンにおいて、メイン制御部およびサブ制御部の働きにより、演出用図柄を変動表示可能な前述の液晶表示器を用いて、同様に実行させることが可能である。
具体的に、メイン制御部は、サブ制御部に内部抽選結果を示す内部抽選結果コマンド、各リールの停止を示す停止コマンド、入賞が生じたことを示す入賞コマンド、および、遊技状態を示す遊技状態コマンド等のコマンドを送信する。サブ制御部は、メイン制御部から送信されるコマンドを受けて、液晶表示器における変動表示制御、LED等の各種発光体の駆動制御、および、スピーカからの楽曲等の音声の出力制御のような各種の演出に関する制御を行ない、演出制御基板に搭載された制御回路の各部を制御する。
また、スロットマシンでは、内部抽選で特別役(レギュラーボーナス、ビッグボーナス)に当選している可能性があること(内部抽選に当選して特別役の当選フラグがメイン制御部のRAMに設定されている状態である可能性があること)を示唆する示唆演出液晶表示器および可動役物等の演出部材を用いて実行される。特に、内部抽選処理により、特別役の発生を許容する旨を決定されたことに基づいて、メイン制御部は、液晶表示器の表示画面に表示される左・中・右の演出用図柄の停止図柄の組合せとして特殊表示結果(たとえば「3.3.3」が揃うこと)となるように示唆演出を実行する制御を行なう。
液晶表示器551において、3つの演出用図柄のそれぞれは、左,中,右の変動表示領域で変動表示される。たとえば、ゲームが開始されるときに、スタートレバーが操作されたことに応じて、演出用図柄が一斉に変動表示を開始する。そして、液晶表示器では、ゲームにおいてストップボタンが操作されると、停止されるリールに対応して演出用図柄を停止させる。液晶表示器においては、いずれか2つのストップボタンが操作された段階で、演出用図柄によりリーチ表示態様を発生させてリーチ演出をする制御を行なうことが可能である。このようなリーチ演出をすることにより、図柄表示装置を用いたゲームにおいてレギュラーボーナスおよびビッグボーナスのような遊技者にとって有利な有利状態に制御されるか否かを示す演出を行なうことが可能となる。
なお、遊技者によって有利な遊技状態としては、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに限らず、たとえば、リールの導出条件(たとえば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム(AT))や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップボタン506L,506C,506Rが操作された際に表示されている入賞用図柄500が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行なうことで入賞用図柄500の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(たとえばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイム(RT)や集中状態)、さらには、これらを組合せた遊技状態(たとえばアシストタイムとリプレイタイムを組合せたART)を搭載してもよい。前述したように、ビッグボーナスおよびレギュラーボーナスとしては、レギュラーボーナス後またはビッグボーナス後にRT(またはAT)が付与されないレギュラーボーナスまたはビッグボーナスと、レギュラーボーナス後またはビッグボーナス後にRT(またはAT)が付与されるレギュラーボーナスまたはビッグボーナスとが設けられている。
このようなスロットマシン501は、前述した実施の形態に示した各種演出に関する制御と同様の制御を行なうことが可能である。たとえば、各種予告演出および昇格演出については、次のように実行可能である。
メイン制御部における入賞判定を行なう処理プログラムにより、内部抽選の処理が実行されることによって、図柄表示装置の表示結果が導出される前に、特別役、小役、再遊技役等の入賞各々の発生を許容するか否かが決定される。メイン制御部におけるリールで表示結果を導出表示させる制御を行なう処理プログラムにより、入賞の決定結果に応じて、図柄表示装置に表示結果を導出させる制御が行なわれる。
サブ制御部が実行する制御プログラムにおいて、液晶表示器により、表示させる演出用図柄の表示結果が予め定められた特殊表示結果(たとえば「3・3・3」)となることによって、内部抽選に当選してビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの当選フラグがRAMに設定されているというような遊技者にとって有利な状態に移行する移行条件が成立していることを示唆する制御が行なわれる。サブ制御部が実行する制御プログラムにおいて、メイン制御部からの内部抽選結果コマンドに基づいて、レギュラーボーナスへの移行を許容するか否かと、ビッグボーナスへの移行を許可するか否かとを判定し、該判定結果に基づいて、演出用図柄の表示結果が導出表示される以前に、特殊表示結果とするか否かを判定する。
サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、図6のS705に含まれるリーチ後予告の予告演出決定処理に対応する処理を実行するステップにより、演出用図柄の表示結果が特殊表示結果となる可能性があることを液晶表示器での演出用図柄の変動表示においてリーチ状態になった後に報知する複数の予告演出(たとえば、図9(A)〜(D)と同様の予告演出)のうちから、実行する予告演出が決定される。サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、図6のS705に含まれるリーチ後予告の予告演出実行処理に対応する処理を実行するステップにより、決定された予告演出が実行される。
サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、図6のS705に含まれるリーチ後予告の予告種別決定処理に対応する処理を実行するステップにより、予告演出の態様に基づいて分類された複数種類の予告演出種別(図9と同様の予告種別)のうちいずれの予告演出種別に属する予告演出を実行するかが決定される。サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、図6のS705に含まれるリーチ後予告の予告パターン決定処理に対応する処理を実行するステップにより、決定された予告演出種別に属する予告演出(図9と同様の予告パターン)のうちから実行する予告演出が決定される。
サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、図6のS705に含まれる昇格演出決定処理に対応する処理を実行するステップにより、有利遊技価値として通常有利遊技価値(レギュラーボーナスまたはビッグボーナス後にRT(またはAT)が付与されないレギュラーボーナスまたはビッグボーナス)より有利な特別有利遊技価値(レギュラーボーナスまたはビッグボーナス後にRT(またはAT)が付与されるレギュラーボーナスまたはビッグボーナス)を付与するか否かを、前記特殊表示結果が表示されたタイミングで報知せず、前記特殊表示結果が表示された後、前記特別有利遊技価値が付与されたか判別できるまでの所定タイミングにおいて報知する図10(A),(B)の昇格演出と同様の複数の移行報知演出のうちから、実行する移行報知演出が決定される。サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、図6のS705に含まれる昇格演出実行処理に対応する処理を実行するステップにより、決定された移行報知演出が実行される。
サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、図6のS705に含まれる昇格種別決定処理に対応する処理を実行するステップにより、移行報知演出の態様に基づいて分類された複数種類の移行報知演出種別(図10と同様の昇格演出種別)のうちいずれの移行報知演出種別に属する移行報知演出を実行するかが決定される。サブ制御部が実行する制御プログラムのうち、図6のS705に含まれる昇格演出パターン決定処理に対応する処理を実行するステップにより、決定された移行報知演出種別に属する移行報知演出(図10と同様の演出パターン)のうちから実行する移行報知演出が決定される。
このように、スロットマシンにおいても、前述したパチンコ遊技機1と同様の制御を行なうことができる。これにより、このようなスロットマシンにおいて、前述したパチンコ遊技機1の制御に関して得られる効果と同様の効果を得ることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図7および図9に示すように、リーチ前予告およびリーチ後予告のような予告演出を決定するための手段(リーチ前予告の予告演出実行処理を実行するステップ、リーチ後予告の予告演出実行処理を実行するステップ)が、予告種別を決定する手段(リーチ前予告の予告種別を決定する処理を実行するステップ、リーチ後予告の予告種別を決定する処理を実行するステップ)と、予告パターンを決定する手段(リーチ前予告の予告パターンを決定する処理を実行するステップ、リーチ後予告の予告パターンを決定する処理を実行するステップ)とに分けられている。これにより、予告種別を決定する手段により決定可能な予告種別の数と、予告パターンを決定する手段により決定可能な予告パターン数との組合せにより、多種類の予告パターンを設定して選択的に用いることができるようになる。また、予告種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各予告種別に属する各予告パターンを選択する割合を変更しなくても、各予告種別ごとの予告パターンの出現割合を変更することができるようになる。これにより、予告パターンに関し、実行可能とする予告パターン数の変更設定、および、予告パターンの出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、予告パターンについて、実行可能な予告パターン数の設定、および、予告パターンの出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができ、これにより、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。また、スロットマシンについては、演出図柄の表示結果が特殊表示結果となる可能性があることをリーチ状態になった後に報知する予告演出に関し、同様の効果を得ることができる。
(2) 図9に示すように、通常時リーチ後予告種別判定テーブルと、特定時リーチ後予告種別判定テーブルとのそれぞれは、リーチ状態の種類に基づいて異なる割振りで、複数種類の予告種別のうちからいずれの予告演出種別に属する演出を実行するかを決定できるように、データが設定されている。これにより、リーチ状態の種類に基づいて異なる割振りで、複数種類の予告種別のうちから実行する予告種別が決定されるので、リーチ状態の種類および予告演出種別の組合せと、大当り判定の決定結果との関係に基づいて、変動表示結果への期待感を向上させることができる。
(3) 図9に示すように、図9の(C),(D)の予告選択テーブルは、変動表示が400回実行されても大当りとならないこと(400ハマリ)を条件(特定条件)として用いられ、(C),(D)の予告選択テーブルが用いられるときにのみ、「群」予告の種別が選択決定可能となるので、特定条件が成立しているか否かで選択され得る予告演出の種別の範囲が異なるため、予告演出を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(4) 演出制御の変形例1に示したように、リーチ前予告およびリーチ後予告のそれぞれに含まれる予告種別とは異なる種別の予告演出を、リーチ前予告およびリーチ後予告の実行を決定する処理とは別の特別予告決定処理により決定されるようにしたので、複数種類の予告演出が1回の変動表示において、たとえば、同時に実行しても演出同士が相互干渉しないように実行可能となるので、予告演出を多様化することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 図7のステップアップの予告種別および分岐ステップアップの予告種別の予告パターンをリーチ後予告として用いる変形例として説明したように、リーチ後予告に関し、ステップアップ予告演出として、予め定められた通常系統で演出が段階的に変化する通常ステップアップと、所定段階までは通常系統と共通の演出に変化し、所定段階以降は通常系統と異なる演出に変化する分岐系統で演出が段階的に変化する分岐ステップアップとが含まれるので、演出が多様化し、遊技者の興趣がさらに向上する。
(6) 図8に示したように、分岐ステップアップの予告パターンにおいては、分岐ステップアップにおける所定段階以降の演出として、操作手段が操作されたことを条件として実行される操作予告演出が実行されるので、演出内容の分岐先にボタン予告演出としての分岐ボタン演出が設けられている。これにより、演出が多様化し、遊技者の興趣が向上する。
(7) 図10に示すように、昇格演出を決定するための手段(昇格演出実行処理を実行するステップ)が、昇格種別を決定する手段(昇格種別決定処理を実行するステップ)と、昇格の演出パターンを決定する手段(昇格演出パターン決定処理を実行するステップ)とに分けられている。これにより、昇格種別を決定する手段により決定可能な昇格種別の数と、演出パターンを決定する手段により決定可能な演出パターン数との組合せにより、多種類の昇格演出の演出パターンを設定して選択的に用いることができるようになる。また、昇格種別を決定する手段における種別決定の割合を変更するだけで、各昇格種別に属する各演出パターンを選択する割合を変更しなくても、各昇格種別ごとの演出パターンの出現割合を変更することができるようになる。これにより、昇格演出の演出パターンに関し、実行可能とする昇格演出の演出パターン数の変更設定、および、昇格演出の演出パターンの出現割合の変更設定が容易になる。したがって、遊技機の開発段階において、昇格演出の演出パターンについて、実行可能な演出パターン数の設定、および、演出パターンの出現率の設定をする際に生じる設定の制限を緩和することができ、遊技機の開発段階における設計の簡素化を図ることができる。また、スロットマシンについては、有利遊技価値として通常有利遊技価値より有利な特別有利遊技価値を付与するか否かを、特殊表示結果が表示されたタイミングで報知せず、特殊表示結果が表示された後、特別有利遊技価値が付与されたか判別できるまでの所定タイミングにおいて報知する演出に関し、同様の効果を得ることができる。
(8) 図10において、(B)の昇格あり演出パターン判定テーブルでは、(A)の昇格なし演出パターン判定テーブルと比べて、7R、11R、16Rのうち、16Rのような大当り遊技状態の終了時に近いタイミングのみで福引演出が行なわれるときの演出パターン(図10の(A),(B)における「7R:無 11R:無 16R:福引チャンス」に関して、選択される割合が高くなるように演出パターン判定値が設定されている。さらに、図10において、(B)の昇格あり演出パターン判定テーブルでは、(A)の昇格なし演出パターン判定テーブルと比べて、7R、11Rのような大当り遊技状態の終了時から遠いタイミングで福引演出が行なわれるときの演出パターン(たとえば、図10の(A),(B)における7R:福引チャンス 等」に関して、選択される割合が高くなるように演出パターン判定値が設定されている。これにより、7Rおよび11R等の比較的早いラウンドで昇格演出が行なわれなくても、昇格することに関して期待が持てるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 図11、図12に示す「チャンス報知」の昇格演出、および、演出制御の変形例2に示す「チャンス報知」の昇格演出のように、昇格演出が、操作ボタン130に対する操作がされたことを条件として実行される昇格演出を含むので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(10) 演出制御の変形例3に示すように、確変状態に移行させることを決定した後、昇格演出が完了する前にパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止したときに、電力供給が復旧した後、中断した演出を再開したときに、決定された昇格演出の内容に関わらず、元に決定されていたタイミングで昇格演出を実行せずに、エンディング表示が行なわれるタイミングというような予め固定的に定められたタイミングで昇格演出を実行することができるので、電力供給が復旧したときの演出制御が複雑化するのを防ぐことができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板として、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載した演出制御基板を示したが、これに限らず、スピーカ27を駆動する音声出力基板および各種LED等の発光体を駆動するランプドライバ基板を、演出制御基板とは別に設けてもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
(2) 上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータは、演出制御用マイクロコンピュータに対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータが他の基板(たとえば、音声出力基板やランプドライバ基板など)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板における演出制御用に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板、ランプドライバ基板等の他の基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、またはたとえば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9および飾り図柄表示器9a,9bを制御する演出制御用マイクロコンピュータに送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータは、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータから直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行なうのと同様に、音声出力基板、ランプドライバ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行なうことができる。
(3) 上記の実施の形態では、特別図柄表示器を2つ設けた例を示した。しかし、これに限らず、特別図柄表示器は、1つだけ設けてもよい。また、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータが制御する変動表示装置として、演出表示装置9および飾り図柄表示器9a,9bの2つを設けた例を示した。しかし、これに限らず、演出制御用マイクロコンピュータが制御する表示装置としては、演出表示装置9を設けてもよい。また、上記の実施の形態では、変動表示装置として、特別図柄表示器、演出表示装置、および、飾り図柄表示器という複数種類の変動表示装置を設けた例を示した。しかし、これに限らず、変動表示装置としては、特別図柄表示器のみを設けてもよい。その場合において、特別図柄表示器は、演出表示装置のような各種の画像を表示する機能を有する画像表示装置により構成されてもよい。
(4) 上記の実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行なう可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
(5) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。