JP2010059814A - 内燃機関のバランサ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の駆動力がクランクシャフトから少なくとも2段階に伝達される2つ以上の被回転駆動体を備える内燃機関のバランサ装置において、ヘリカルギヤの回転動作に伴って発生するスラスト力を良好に低減させ得る構成を提供することを目的とする。
【解決手段】クランクシャフト12に固定された第1ヘリカルギヤ14を備える。第1ヘリカルギヤ14に噛み合わされる第2ヘリカルギヤ20を介してクランクシャフト12から上記駆動力が伝達される第1バランサシャフト16を備える。第1バランサシャフト16に固定された第3ヘリカルギヤ22を備える。第3ヘリカルギヤ22に噛み合わされる第4ヘリカルギヤ24を介して第1バランサシャフト16から上記駆動力が伝達される第2バランサシャフト24を備える。第2ヘリカルギヤ20のねじれ方向と第3ヘリカルギヤ22のねじれ角の方向とが、同一方向に設定されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関のバランサ装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、内燃機関のバランサ装置が開示されている。この従来の
バランサ装置では、クランク軸とバランス軸とを並列配置するとともに、この両軸を第1のはすば歯車列(ヘリカルギヤ)で連結し、この第1のはすば歯車列により生ずるスラスト荷重の偶力を相殺すべく歯すじ方向を異ならせしめた第2のはすば歯車列を第1のはすば歯車列に対応させて設けている。
実開昭61−47140号公報 特開平4−224338号公報 特開2001−295891号公報
上記従来のバランサ装置は、クランク軸から内燃機関の駆動力が伝達される被回転駆動体が1本(すなわち、クランク軸と並行するバランス軸が1本)とされた構造において、クランク軸とバランス軸とが、2組のはすば歯車列によって連結されたものである。上記従来の公報には、被回転駆動体が2つ以上である場合(より具体的には、内燃機関の駆動力が少なくとも2段階に2つ以上の被回転駆動体に伝達される場合)については言及されていない。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、内燃機関の駆動力がクランクシャフトから少なくとも2段階に伝達される2つ以上の被回転駆動体を備える内燃機関のバランサ装置において、ヘリカルギヤの回転動作に伴って発生するスラスト力を良好に低減させ得る構成を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関のバランサ装置であって、
内燃機関のクランクシャフトに固定された第1ヘリカルギヤと、
前記第1ヘリカルギヤに噛み合わされる第2ヘリカルギヤとバランスウェイトとが固定され、前記第1ヘリカルギヤおよび前記第2ヘリカルギヤを介して前記クランクシャフトから前記内燃機関の駆動力が伝達される第1バランサシャフトと、
前記第1バランサシャフトに固定された第3ヘリカルギヤと、
前記第3ヘリカルギヤに噛み合わされる第4ヘリカルギヤとバランスウェイトとが固定され、前記第3ヘリカルギヤおよび前記第4ヘリカルギヤを介して前記第1バランサシャフトから前記内燃機関の駆動力が伝達される第2バランサシャフトと、を備え、
前記第2ヘリカルギヤのねじれ方向と前記第3ヘリカルギヤのねじれ角の方向とが、同一方向に設定されていることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記クランクシャフトに固定された第5ヘリカルギヤと、
前記第5ヘリカルギヤに噛み合わされる第6ヘリカルギヤと慣性マスとが固定され、前記第5ヘリカルギヤおよび前記第6ヘリカルギヤを介して前記クランクシャフトから前記内燃機関の駆動力が伝達される第3バランサシャフトと、を更に備え、
前記第1ヘリカルギヤのねじれ方向と前記第5ヘリカルギヤのねじれ方向とが、逆方向に設定されていることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記第1ヘリカルギヤおよび前記第5ヘリカルギヤのそれぞれに生ずるスラスト力が同じ大きさとなるように、前記第1ヘリカルギヤのねじれ角と前記第5ヘリカルギヤのねじれ角とが設定されていることを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記第2ヘリカルギヤおよび前記第3ヘリカルギヤのそれぞれに生ずるスラスト力が同じ大きさとなるように、前記第2ヘリカルギヤのねじれ角と前記第3ヘリカルギヤのねじれ角とが設定されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、内燃機関の駆動力がクランクシャフトから第1バランサシャフト、更には、第2バランサシャフトに伝達された際に、第2ヘリカルギヤに発生するスラスト力と第3ヘリカルギヤに発生するスラスト力とが互いに打ち消されるようにすることができる。これにより、第1バランサシャフトに発生する合計のスラスト力を良好に低減することが可能となる。
第2の発明によれば、内燃機関の駆動力がクランクシャフトから第1バランサシャフトおよび第3バランサシャフトに伝達された際に、第1ヘリカルギヤに発生するスラスト力と第5ヘリカルギヤに発生するスラスト力とが互いに打ち消されるようにすることができる。これにより、クランクシャフトに発生する合計のスラスト力を良好に低減することが可能となる。
第3の発明によれば、第1ヘリカルギヤおよび第5ヘリカルギヤのそれぞれの被駆動構造物の存在に起因してクランク軸に作用するスラスト力を確実に相殺することが可能となる。
第4の発明によれば、第1バランサクランク軸に作用するスラスト力を確実に相殺することが可能となる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の内燃機関のバランサ装置10の構成を説明するための概略図である。本実施形態の内燃機関のバランサ装置10は、直列4気筒型エンジンに適用されている。内燃機関のクランクシャフト12には、4つの気筒(#1〜#4)用のクランクピン12a〜12dが設けられている。より具体的には、#1気筒用のクランクピン12aと#4気筒用のクランクピン12dとが同位相となり、#2気筒用のクランクピン12bと#3気筒用のクランクピン12cとが同位相となるように設定されている。また、上記クランクピン12a、12cと上記クランクピン12b、12dとの間が、逆位相となるように設定されている。
図1に示すように、クランクシャフト12における#3気筒用のクランクピン12cと#4気筒用のクランクピン12dとの間の部位には、クランクシャフト12の軸中心と同心の第1ヘリカルギヤ14が固定されている。ここでは、図1に示すように、第1ヘリカルギヤ14のねじれ方向を、「R方向」と称し、当該第1ヘリカルギヤ14のねじれ方向と逆のねじれ方向を、「L方向」と称することとする。
また、図1に示すバランサ装置10は、クランクシャフト12と平行になるように配置された第1バランサシャフト16を備えている。第1バランサシャフト16には、半円柱状に形成されたバランスウェイト(偏心マス)18とともに、第1ヘリカルギヤ14に噛み合わされる第2ヘリカルギヤ20が固定されている。第2ヘリカルギヤ20のねじれ方向は、第1ヘリカルギヤ14の対となるギヤであるのでL方向とされている。尚、第1ヘリカルギヤ14と第2ヘリカルギヤ20とのギヤ比は、1:2とされている。
第1バランサシャフト16には、更に、第3ヘリカルギヤ22が固定されている。第3ヘリカルギヤ22のねじれ方向は、第2ヘリカルギヤ20と同じねじれ方向(L方向)とされている。尚、これらの第2ヘリカルギヤ20および第3ヘリカルギヤ22は、第1バランサシャフト16の軸中心と同心となるようにして固定されている。
また、図1に示すバランサ装置10は、クランクシャフト12および第1バランサシャフト16と平行になるように配置された第2バランサシャフト24を備えている。第2バランサシャフト24には、半円柱状に形成されたバランスウェイト(偏心マス)26とともに、第3ヘリカルギヤ22に噛み合わされる第4ヘリカルギヤ28が固定されている。第4ヘリカルギヤ28のねじれ方向は、第3ヘリカルギヤ22の対となるギヤであるのでR方向とされている。尚、第4ヘリカルギヤ28は、第2バランサシャフト24の軸中心と同心となるようにして固定されている。また、第3ヘリカルギヤ22と第4ヘリカルギヤ28とのギヤ比は、1:1とされている。
また、クランクシャフト12における#1気筒用のクランクピン12aと#2気筒用のクランクピン12bとの間の部位には、クランクシャフト12の軸中心と同心の第5ヘリカルギヤ30が固定されている。第5ヘリカルギヤ30のねじれ方向は、上記第1ヘリカルギヤ14のねじれ方向と逆方向となるようにするため、L方向とされている。より具体的には、図1に示すように、第1ヘリカルギヤ14のねじれ角は、図1の水平線から上向きに+βとされており、第5ヘリカルギヤ30のねじれ角は、図1の水平線から下向きに−βとされている。
また、図1に示すバランサ装置10は、クランクシャフト12と平行になるように配置された第3バランサシャフト32を備えている。第3バランサシャフト32には、ヘロンバランサ(慣性マス)34とともに、第5ヘリカルギヤ30に噛み合わされる第6ヘリカルギヤ36が固定されている。第6ヘリカルギヤ36のねじれ方向は、第5ヘリカルギヤ30の対となるギヤであるのでR方向とされている。尚、第6ヘリカルギヤ36は、第3バランサシャフト32の軸中心と同心となるようにして固定されている。
以上のように構成された本実施形態のバランサ装置10によれば、内燃機関の駆動力が、第1ヘリカルギヤ14および第2ヘリカルギヤ20を介して、クランクシャフト12から第1バランサシャフト16に伝達されることになる。第1バランサシャフト16に伝達された内燃機関の駆動力は、更に、第3ヘリカルギヤ22および第4ヘリカルギヤ28を介して、第2バランサシャフト24に伝達されることになる。
上記のように、第1ヘリカルギヤ14と第2ヘリカルギヤ20とのギヤ比が1:2とされているので、第1バランサシャフト16は、クランクシャフト12が1回転する間に、クランクシャフト12とは反対方向に2回転することになる。また、第3ヘリカルギヤ22と第4ヘリカルギヤ28とのギヤ比が1:1とされているので、第2バランサシャフト24は、第1バランサシャフト16と同じ速度で当該第1バランサシャフト16と反対方向に回転することになる。以上のような構成によって、バランサ装置10は、内燃機関の実動時に生ずる2次振動を良好に打ち消すことのできる2次バランサとして機能することができるようになり、また、第2バランサシャフト24を備えていることで、第1バランサシャフト16を設けたことに起因して生ずる内燃機関の横方向(クランクシャフト12の軸線およびピストン(図示省略)の軸線のそれぞれと直交する方向)の振動成分をも良好に打ち消すことができる。また、クランクシャフト12と反対方向に回転するヘロンバランサ34を備えたことによっても、内燃機関の実動時に生ずる上下振動を効果的に打ち消せるようになる。
図2は、一対のヘリカルギヤA、Bを回転させた際に生ずるスラスト力の方向を説明するための図である。尚、ここでは、ねじれ方向がR方向であるヘリカルギヤを「ヘリカルギヤA」と称し、ねじれ方向がL方向であるヘリカルギヤを「ヘリカルギヤB」と称して説明を行うものとする。
図2に示すように、ヘリカルギヤA、Bは、歯すじがねじれているので、回転すると、スラスト力(回転軸方向に働く力)が発生する。また、図2に示すように、ねじれ方向が同じヘリカルギヤA、Bであっても、そのヘリカルギヤA、Bが駆動側のギヤであるか被駆動側のギヤであるかによって、発生するスラスト力の方向が異なるものとなる。
以上説明した本実施形態のバランサ装置10の構成によれば、内燃機関の駆動力がクランクシャフト12から第1バランサシャフト16に伝達される際には、ねじれ方向がL方向である第1ヘリカルギヤ14が駆動側のギヤとなり、ねじれ方向がR方向である第2ヘリカルギヤ20が被駆動側のギヤとなるので、第2ヘリカルギヤ20には、図1の右方向側にスラスト力が発生することになる。
また、内燃機関の駆動力が第1バランサシャフト16から第2バランサシャフト24に伝達される際には、ねじれ方向が第2ヘリカルギヤ20と同じくR方向である第3ヘリカルギヤ22が駆動側のギヤとなり、ねじれ方向がL方向である第4ヘリカルギヤ28が被駆動側のギヤとなるので、第3ヘリカルギヤ22には、図1の左方向側にスラスト力が発生することになる。
本実施形態では、第1バランサシャフト16に固定された2つのヘリカルギヤである第2ヘリカルギヤ20と第3ヘリカルギヤ22との間で、ねじれ方向が同じR方向に設定されている。このため、上記のように、内燃機関の駆動力がクランクシャフト12から第1バランサシャフト16、更には、第2バランサシャフト24に伝達された際に、第2ヘリカルギヤ20に発生するスラスト力と第3ヘリカルギヤ22に発生するスラスト力とが互いに打ち消されるようにすることができる。これにより、第1バランサシャフト16に発生する合計のスラスト力を良好に低減することが可能となる。
更に、本実施形態のバランサ装置10の構成によれば、内燃機関の駆動力がクランクシャフト12から第1バランサシャフト16に伝達される際には、ねじれ方向がL方向である第1ヘリカルギヤ14が駆動側のギヤとなり、ねじれ方向がR方向である第2ヘリカルギヤ20が被駆動側のギヤとなるので、第1ヘリカルギヤ14には、図1の左方向側にスラスト力が発生することになる。
また、内燃機関の駆動力がクランクシャフト12から第3バランサシャフト32に伝達される際には、ねじれ方向がR方向である第5ヘリカルギヤ30が駆動側のギヤとなり、ねじれ方向がL方向である第6ヘリカルギヤ36が被駆動側のギヤとなるので、第5ヘリカルギヤ30には、図1の右方向側にスラスト力が発生することになる。
本実施形態では、クランクシャフト12に固定された2つのヘリカルギヤである第1ヘリカルギヤ14と第5ヘリカルギヤ30との間で、ねじれ方向が逆方向に設定されている。このため、上記のように、内燃機関の駆動力がクランクシャフト12から第1バランサシャフト16および第3バランサシャフト32に伝達された際に、第1ヘリカルギヤ14に発生するスラスト力と第5ヘリカルギヤ30に発生するスラスト力とが互いに打ち消されるようにすることができる。これにより、クランクシャフト12に発生する合計のスラスト力を良好に低減することが可能となる。
ところで、上述した実施の形態1においては、第2ヘリカルギヤ20および第3ヘリカルギヤ22のねじれ方向を同じR方向に設定しているが、これらのヘリカルギヤ20、22のねじれ方向は、このような設定に限らず、ともにL方向に設定してもよい。また、上述した実施の形態1においては、第1ヘリカルギヤ14のねじれ方向をL方向とし、第5ヘリカルギヤ30のねじれ方向をR方向とすることで、両者の間でねじれ方向が逆方向となるようにしている。しかしながら、ヘリカルギヤ14、30のねじれ方向は、このような設定に限らず、例えば、上記第2ヘリカルギヤ20のねじれ方向をL方向としたことに伴って第1ヘリカルギヤ14のねじれ方向をR方向とした場合には、第5ヘリカルギヤ30のねじれ方向をL方向に設定してもよい。
実施の形態2.
次に、図3を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
図3は、本発明の実施の形態2の内燃機関のバランサ装置40の構成を説明するための概略図である。尚、図3において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
本実施形態の内燃機関のバランサ装置40は、直列2気筒型エンジンに適用されている。内燃機関のクランクシャフト42には、2つの気筒(#1、#2)用のクランクピン42a、42bが設けられている。より具体的には、#1気筒用のクランクピン42aと#2気筒用のクランクピン42bとが同位相となるように設定されている。
本実施形態のバランサ装置40は、基本的に、上述した実施の形態1のバランサ装置10と同様の構成を有している。しかしながら、本実施形態では、第1ヘリカルギヤ14と第2ヘリカルギヤ44とのギヤ比は、1:1となるように、第2ヘリカルギヤ44が第2ヘリカルギヤ20から変更されている。ただし、第2ヘリカルギヤ44のねじれ方向は、実施の形態1と同様である。
以上のように構成されたバランサ装置40によれば、第1ヘリカルギヤ14と第2ヘリカルギヤ44とのギヤ比が1:1とされているので、第1バランサシャフト16は、クランクシャフト42と同じ速度で当該クランクシャフト42とは反対方向に回転することになる。また、第2バランサシャフト24が、第1バランサシャフト16と同じ速度で当該第1バランサシャフト16と反対方向に回転する点は、実施の形態1と同じである。以上のような構成によって、バランサ装置40は、内燃機関の実動時に生ずる1次振動を良好に打ち消すことのできる1次バランサとして機能することができるようになり、また、第2バランサシャフト24を備えていることで、第1バランサシャフト16を設けたことに起因して生ずる内燃機関の横方向の振動成分をも良好に打ち消すことができる。また、クランクシャフト42と反対方向に回転するヘロンバランサ34を備えたことによっても、内燃機関の実動時に生ずる上下振動を効果的に打ち消せるようになる。
以上のように直列2気筒型エンジンに対して適用された本実施形態のバランサ装置40においても、実施の形態1と同様に、第1バランサシャフト16に固定された2つのヘリカルギヤである第2ヘリカルギヤ44と第3ヘリカルギヤ22との間で、ねじれ方向が同じR方向に設定されている。このため、内燃機関の駆動力がクランクシャフト42から第1バランサシャフト16、更には、第2バランサシャフト24に伝達された際に、第2ヘリカルギヤ44に発生するスラスト力と第3ヘリカルギヤ22に発生するスラスト力とが互いに打ち消されるようにすることができる。これにより、第1バランサシャフト16に発生する合計のスラスト力を良好に低減することが可能となる。
更に、本実施形態では、実施の形態1と同様に、クランクシャフト12に固定された2つのヘリカルギヤである第1ヘリカルギヤ14と第5ヘリカルギヤ30との間で、ねじれ方向が逆方向に設定されている。このため、内燃機関の駆動力がクランクシャフト42から第1バランサシャフト16および第3バランサシャフト32に伝達された際に、第1ヘリカルギヤ14に発生するスラスト力と第5ヘリカルギヤ30に発生するスラスト力とが互いに打ち消されるようにすることができる。これにより、クランクシャフト42に発生する合計のスラスト力を良好に低減することが可能となる。
実施の形態3.
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
図4は、本発明の実施の形態3の内燃機関のバランサ装置50の構成を説明するための概略図である。尚、図4において、上記図1に示す構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。また、ここでは、直列4気筒型エンジンを例にとって説明を行うこととするが、実施の形態1に対する実施の形態2の関係と同様に、本実施形態のバランサ装置50の特徴部分を、直列2気筒型エンジンに適用することはもちろん可能である。
本実施形態においても、上述した実施の形態1、2と同様に、クランクシャフト12に固定された2つのヘリカルギヤである第1ヘリカルギヤ52と第5ヘリカルギヤ54との間で、ねじれ方向が逆方向に設定されている。そのうえで、本実施形態では、第1ヘリカルギヤ52および第5ヘリカルギヤ54のそれぞれに生ずるスラスト力が同じ大きさとなるように、第1ヘリカルギヤ52のねじれ角βと第5ヘリカルギヤ54のねじれ角αとを設定するようにしている。
ヘリカルギヤに生ずるスラスト力Fは、次の(1)式のように表すことができる。また、(1)式中に登場するヘリカルギヤの入力トルクTは、次の(2)式のように表すことができる。
=F・tanβ=2000・T/d・tanβ ・・・(1)
T=I・dω/dt ・・・(2)
ただし、上記(1)式において、Fはヘリカルギヤの歯幅中央に集中した歯面に垂直な荷重の接線方向(円周方向)分力、βはヘリカルギヤのねじれ角、dはヘリカルギヤの半径、Iは対象となるヘリカルギヤが固定されたシャフト全体のイナーシャ、および、dω/dtは対称となるシャフトの角加速度である。
上記(1)、(2)式において、イナーシャI、ヘリカルギヤの半径dは設計時に定める既知の値である。このため、上記(1)、(2)式によれば、対象となるシャフトの角加速度dω/dtをある値とした場合における、スラスト力Fとヘリカルギヤのねじれ角βとの関係を得ることができる。よって、これらの式を用いることとすれば、第1ヘリカルギヤ52や第5ヘリカルギヤ54のスラスト力Fをある値とするために必要なヘリカルギヤのねじれ角β、αを求めることができる。
第1ヘリカルギヤ52が回転する際、当該第1ヘリカルギヤ52に生ずるスラスト力Fには、当該第1ヘリカルギヤ52を介して内燃機関の駆動力が伝達される第1バランサシャフト16および第2バランサシャフト24のそれぞれのイナーシャが影響を与えることになる。一方、第5ヘリカルギヤ54が回転する際、当該第5ヘリカルギヤ54に生ずるスラスト力Fには、当該第5ヘリカルギヤ54を介して内燃機関の駆動力が伝達される第3バランサシャフト32のイナーシャが影響を与えることになる。
従って、本実施形態のねじれ角の決定手法によれば、例えば、ヘロンバランサ34を備える第3バランサシャフト32のイナーシャが、第1バランサシャフト16および第2バランサシャフト24の合計のイナーシャよりも大きいような場合であれば、第5ヘリカルギヤ54のねじれ角αが第1ヘリカルギヤ52のねじれ角βよりも小さくなる方向で、かつ、双方のヘリカルギヤ52、54に生ずるスラスト力が逆向きの力であって同じ大きさとなるようにねじれ角α、βが設定されることになる。
以上説明した本実施形態のヘリカルギヤ52、54のねじれ角の設定手法によれば、ヘリカルギヤ52、54のそれぞれの被駆動構造物(第1ヘリカルギヤ52にはバランサシャフト16、24が相当、第2ヘリカルギヤ54にはバランサシャフト32が相当)の存在に起因してクランクシャフト12に作用するスラスト力Fを確実に相殺することが可能となる。
ところで、上述した実施の形態3においては、クランクシャフト12にそれぞれ固定された第1ヘリカルギヤ52と第5ヘリカルギヤ54とに対して、これらのヘリカルギヤ52、54のそれぞれに生ずるスラスト力Fが同じ大きさとなるように、第1ヘリカルギヤ52のねじれ角βと第5ヘリカルギヤ54のねじれ角αとを設定するようにしている。しかしながら、本発明におけるヘリカルギヤのねじれ角の設定対象は、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、第1バランサシャフト16にそれぞれ固定された第2ヘリカルギヤ20と第3ヘリカルギヤ22とに対して、これらのヘリカルギヤ20、22のそれぞれに生ずるスラスト力Fが同じ大きさとなるように、これらのヘリカルギヤ20、22のそれぞれのねじれ角を設定するようにしてもよい。
本発明の実施の形態1の内燃機関のバランサ装置の構成を説明するための概略図である。 一対のヘリカルギヤA、Bを回転させた際に生ずるスラスト力の方向を説明するための図である。 本発明の実施の形態2の内燃機関のバランサ装置の構成を説明するための概略図である。 本発明の実施の形態3の内燃機関のバランサ装置の構成を説明するための概略図である。
符号の説明
10、40、50 バランサ装置
12、42 クランクシャフト
12a、12b、12c、12d、42a、42b クランクピン
14、52 第1ヘリカルギヤ
16 第1バランサシャフト
20、44 第2ヘリカルギヤ
22 第3ヘリカルギヤ
24 第2バランサシャフト
28 第4ヘリカルギヤ
30、54 第5ヘリカルギヤ
32 第3バランサシャフト
34 ヘロンバランサ
36 第6ヘリカルギヤ

Claims (4)

  1. 内燃機関のクランクシャフトに固定された第1ヘリカルギヤと、
    前記第1ヘリカルギヤに噛み合わされる第2ヘリカルギヤとバランスウェイトとが固定され、前記第1ヘリカルギヤおよび前記第2ヘリカルギヤを介して前記クランクシャフトから前記内燃機関の駆動力が伝達される第1バランサシャフトと、
    前記第1バランサシャフトに固定された第3ヘリカルギヤと、
    前記第3ヘリカルギヤに噛み合わされる第4ヘリカルギヤとバランスウェイトとが固定され、前記第3ヘリカルギヤおよび前記第4ヘリカルギヤを介して前記第1バランサシャフトから前記内燃機関の駆動力が伝達される第2バランサシャフトと、を備え、
    前記第2ヘリカルギヤのねじれ方向と前記第3ヘリカルギヤのねじれ角の方向とが、同一方向に設定されていることを特徴とする内燃機関のバランサ装置。
  2. 前記クランクシャフトに固定された第5ヘリカルギヤと、
    前記第5ヘリカルギヤに噛み合わされる第6ヘリカルギヤと慣性マスとが固定され、前記第5ヘリカルギヤおよび前記第6ヘリカルギヤを介して前記クランクシャフトから前記内燃機関の駆動力が伝達される第3バランサシャフトと、を更に備え、
    前記第1ヘリカルギヤのねじれ方向と前記第5ヘリカルギヤのねじれ方向とが、逆方向に設定されていることを特徴とする請求項1記載の内燃機関のバランサ装置。
  3. 前記第1ヘリカルギヤおよび前記第5ヘリカルギヤのそれぞれに生ずるスラスト力が同じ大きさとなるように、前記第1ヘリカルギヤのねじれ角と前記第5ヘリカルギヤのねじれ角とが設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関のバランサ装置。
  4. 前記第2ヘリカルギヤおよび前記第3ヘリカルギヤのそれぞれに生ずるスラスト力が同じ大きさとなるように、前記第2ヘリカルギヤのねじれ角と前記第3ヘリカルギヤのねじれ角とが設定されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関のバランサ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012225264A (ja) * 2011-04-20 2012-11-15 Isuzu Motors Ltd エンジンの振動低減装置

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