JP2010055482A - 商品販売データ処理装置およびその制御プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】 一般用医薬品の販売に課される条件を遵守しつつ販売処理を円滑化することが可能な商品販売データ処理装置およびその制御プログラムを提供すること。
【解決手段】 商品の販売にあたり、店員のサインオンを受け付け、販売される商品が一般用医薬品であるかどうか、一般用医薬品である場合にはどのリスク区分に属するかを判別し、サインオンした店員が有する薬剤師または登録販売者などの資格を取得する。そして、判別したリスク区分と取得した店員の資格とに基づいて、当該店員により当該商品の販売が可能であるか否かを判断する。このとき、販売が可能であると判断された商品については販売処理し、販売が不可能であると判断された商品については販売処理しない。
【選択図】 図10

Description

本発明は、コンビニエンスストア、スーパーマーケットおよびドラッグストアなどで商品の販売処理に使用される商品販売データ処理装置およびその制御プログラムに関する。
現在、コンビニエンスストア、スーパーマーケットおよびドラッグストアなどでは一般用医薬品の販売が行われている。一般用医薬品とは、医薬品のうち効能,効果の人体に対する作用が著しくなく、医薬関係者から提供された情報に基づき、需要者の選択により使用されるものである。
上記一般用医薬品は、薬事法36条の3において第1類医薬品,第2類医薬品および第3類医薬品の3つのリスク区分に分類されている。第1類医薬品とは、その副作用等により日常生活に支障をきたす程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうちその使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するものなどであり、第2類医薬品とは、その副作用等により日常生活に支障をきたす程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品(第1類医薬品を除く。)であって厚生労働大臣が指定するものであり、第3類医薬品とは、第1類医薬品及び第2類医薬品以外の一般用医薬品である。また、第2類医薬品のうち特に注意を要する医薬品については指定第2類医薬品と称され、通常の第2類医薬品と商品の包装への表示において若干異なる取扱いがなされる。
一般用医薬品の販売について、図18を用いて説明する。各リスク区分における規定は、販売に対応すべき専門家や情報提供に関して差異がある。すなわち、第1類医薬品は薬剤師でなければ販売することができないのに対し、第2類医薬品および第3類医薬品については薬剤師に加えて登録販売者も販売することができる。また、第1類医薬品は販売時において文書による情報提供が義務付けられているのに対し、第2類医薬品は積極的な情報提供については努力義務に止まり、第3類医薬品は積極的な情報提供について薬事法上の規定が設けられていない。ただし、第1類医薬品、第2類医薬品および第3類医薬品のすべてにおいて、購入者からの相談があった場合に情報提供を行わなければならない旨が規定されている。
ところで、従来コンビニエンスストア、スーパーマーケットおよびドラッグストアなどでは、POS(Point Of Sales)端末などの商品販売データ処理装置を用いて商品の販売処理が行われている。商品販売データ処理装置は、付属のスキャナを用いた商品に付されたバーコードのスキャニングなどによる商品コードの入力を受け付け、入力された商品コードに基づいて商品価格などの商品データを取得し、この商品データに基づいて商品を販売処理する。商品販売データ処理装置の中には、操作責任者の登録(サインオン)を受け付け、特定の権限を有する者のみにマネージャ業務などの処理を許可するものも知られている。(例えば特許文献1を参照)
特開2004−185112号公報
上記のように、一般用医薬品を販売する際にはリスク区分に応じて販売方法などが異なるが、客が購入しようとする商品のリスク区分をいちいち販売員が確認していたのでは、レジの販売処理が遅滞してしまう。そのため特に繁盛時などには、レジに行列ができて客を待たせてしまうなどして、店舗に対する客の心象を悪化させる蓋然性がある。また、商品販売データ処理装置を操作する店員が販売時にリスク区分を見落としてしまい、第1類医薬品の説明義務を履行しなかった場合などには、後に客とのトラブルを生じる原因となりかねない。
本発明は、上記のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、一般用医薬品の販売に課される条件を遵守しつつ販売処理を円滑化することが可能な商品販売データ処理装置およびその制御プログラムを提供することである。
本発明は、客が購入する商品を販売処理する商品販売データ処理装置において、各店員の資格を記憶した資格記憶手段と、各店員のサインオンを受け付けるサインオン受付手段と、販売される商品に割り当てられた所定の商品区分を判別する商品区分判別手段と、前記サインオン受付手段によりサインオンを受け付けた店員に対して前記資格記憶手段に記憶された資格を取得する資格取得手段と、前記商品区分判別手段により判別した商品区分と前記資格取得手段により取得した店員の資格とに基づいて、当該店員により当該商品の販売が可能であるか否かを判断する販売可否判断手段とを備え、前記販売可否判断手段により販売が可能であると判断された商品を販売処理し、販売が不可能であると判断された商品を販売処理しないことを特徴としている。
かかる手段を講じた本発明によれば、一般用医薬品の販売に課される条件を遵守しつつ販売処理を円滑化することが可能な商品販売データ処理装置およびその制御プログラムを提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明にかかる商品販売データ処理装置であるPOS端末1の制御回路を示す模式図である。POS端末1は、制御の中枢としてCPU2を搭載している。このCPU2に対し、各種制御プログラムなどの固定的データを格納したROM(Read Only Memory)3、RAM(Random Access Memory)4、I/O(Input/Output)ポート5、LAN(Local Area Network)インターフェイス(I/F)6、ハードディスクドライブ(HDD)7、キーボードコントローラ8、ディスプレイコントローラ9、客面ディスプレイコントローラ10、プリンタコントローラ11、スキャナインターフェイス(I/F)12およびスピーカコントローラ13などを、例えばPCIバスなどのバスライン14を介して接続している。
そして、I/Oポート5にモードスイッチ5aとドロワ開放装置5bとを接続し、LANインターフェイス6にLANケーブル6aを接続し、キーボードコントローラ8にキーボード8aを接続し、ディスプレイコントローラ9にタッチパネル式ディスプレイ9aのタッチパネルセンサ9bとディスプレイ部9cとを接続し、客面ディスプレイコントローラ10に客面ディスプレイ10aを接続し、プリンタコントローラ11にレシートプリンタ11aを接続し、スキャナインターフェイス12にスキャナ12aを接続し、スピーカコントローラ13にスピーカ13aを接続している。
RAM4は、操作責任者の登録(以下、サインオンと称す)をした店員に関する情報を記憶する責任者登録エリア4aや買上商品の商品販売データを登録するための商品登録エリア4bなど処理場面に応じて各種の記憶領域を形成する。モードスイッチ5aは各種業務モードを選択するためのものである。ドロワ開放装置5bは、CPU2からの指令に応じて図示しないドロワを開放する。LANインターフェイス6は、LANケーブル6aを介して接続される店舗サーバなどとのデータ通信を制御する。キーボードコントローラ8は、キーボード8aから操作されたキーに対応するキー信号を取り込みCPU2に通知する。ディスプレイコントローラ9は、CPU2からの指令によりディスプレイ部9cに各種の画面を選択的に表示させるとともに、タッチパネルセンサ9bの信号を取り込みタッチ位置座標を求めてCPU2に通知する。客面ディスプレイコントローラ10は、客の支払う合計金額等の表示データに対応した文字などを客面ディスプレイ10aに表示させる。プリンタコントローラ11は、レシートプリンタ11aによるレシート印字及びジャーナル印字を制御する。スキャナインターフェイス12は、スキャナ12aにてスキャニングされたバーコードデータを入力する。スピーカコントローラ13は、スピーカ13aによる音声の出力を制御する。なお、キーボード8aは、数値データを置数入力するための置数キーの他、PLUキー,小計キー,預/現計キー,合計キーなどの各種ファンクションキーを配設したものである。
ハードディスクドライブ7には、店員の資格などの情報を記憶した販売員マスタ7a(資格記憶手段)および一般用医薬品のリスク区分に応じた各種の情報を記憶した権限管理テーブル7bが記憶されている。
図2は、販売員マスタ7aのデータ構造の一例を示す模式図である。販売員マスタ7aには、店員ごとに一意に割り当てられた“10000001”,“10000002”などの店員コードに関連付けて店員の氏名および薬事法権限コードが記憶されている。この薬事法権限コードは、“1”が薬剤師、“2”が登録販売者、“0”が無資格者である旨を表している。
店員がPOS端末1の操作を担当するためには、上記サインオンをしなければならない。サインオンを行うためには、先ずキーボード8aに設けられたサインオンキーを操作してサインオンを宣言する。このようにサインオンが宣言された後にCPU2が実行するサインオン処理の流れ図を図3に示している。この処理は、ROM3に記憶された動作プログラムに基づいて実行される。
先ず、CPU2は、ST(ステップ)101として店員コードの入力を受け付ける。その間、ST102として店員コードが入力されたか否かを判断する。店員コードは、キーボード8aに設けられた置数キーの操作により入力することができるし、バーコード化された店員コードをスキャナ12aによりスキャニングして入力することもできる。
このような方法で店員コードが入力されると(ST102のYes)、ST103として入力された店員コードと同一の店員コードを有するレコードが販売員マスタ7aから検索され、ST104として該当するレコードがRAM4に形成された上記責任者登録エリア4aにロードされる。かくして店員のサインオンが完了する。
なお、上記サインオン処理において各部が実行する処理は、責任者登録手段を構成する。
また、POS端末1をキャッシャとして操作する者の他、その補助者や一般用医薬品に対する説明義務を履行するための有資格者など複数名が同時にサインオンすることも可能である。この場合においても、サインオンした各店員のレコードがキャッシャ、補助者または有資格者の別を特定可能にして責任者登録エリア4aにそれぞれロードされる。なお、一般用医薬品に対する説明義務を履行するための有資格者がサインオンした場合には、1つの取引が終了するごとにそのサインオンが解除されるなどの運用に設定することも可能である。
次に、上記権限管理テーブル7bについて説明する。図4は、権限管理テーブル7bのデータ構造の一例を示す模式図である。権限管理テーブル7bには、第1類医薬品、第2類医薬品、指定第2類医薬品および第3類医薬品のそれぞれのリスク区分ごとに、一般の販売員、薬剤師および登録販売者がPOS端末1にサインオンした場合の販売処理に関するデータが記憶されている。リスク区分ごとのデータには、販売フラグ、POPアップメッセージフラグ、POPアップメッセージナンバ(No.)、背景色および区分記号が記憶されている。販売フラグは、そのリスク区分の医薬品をサインオンした販売員の権限で販売することができるか否かを判別するためのフラグであり、“0”が販売可能、“1”が販売不可能である旨を示している。POPアップメッセージフラグは、図11〜図14,図16および図17にて後述のPOPアップメッセージを表示するか否かを判別するためのフラグであり、“0”がPOPアップメッセージを表示する旨を、“1”がPOPアップメッセージを表示しない旨を示している。POPアップメッセージナンバは、POPアップメッセージフラグが“0”である場合に表示するPOPアップ画面の種別を示している。背景色は、図15にて後述の商品登録画面40に商品情報を表示する際の背景色を示している。区分記号は、上記商品登録画面40に表示した商品情報と併せて表示すべき記号であり、本実施形態においては第1類医薬品に“A”、第2類医薬品に“B”、指定第2類医薬品に“C”、そして第3類医薬品に“D”をそれぞれ割り当てている。
なお、本実施形態における販売フラグは図18に示した各リスク区分の販売権限に基づいて設定され、POPアップメッセージフラグは全て“0”に設定されている。
さて、上記販売員マスタ7aに記憶されるデータは、販売員マスタメンテナンス処理にて編集することができる。図5は、販売員マスタメンテナンス処理にてCPU2が実行する処理の流れ図である。この処理は、キーボード8aに設けられた所定の操作キーの操作や、タッチパネル式ディスプレイ9aに表示された所定の操作キーのタッチ操作をトリガとして、ROM3に記憶された動作プログラムに基づいて実行される。
先ず、CPU2は、ST201として販売員マスタメンテナンス画面20を表示する。図6は、販売員マスタメンテナンス画面20の一例を示す模式図である。販売員マスタメンテナンス画面20は、販売員マスタ7aに記憶されたレコードを表示するデータ表示欄20aと各種操作キーを表示する操作キー表示エリア20bとを備えている。データ表示欄20aには、販売員マスタ7aに登録された各販売員の販売員コード、販売員の氏名および薬事法権限コードに基づいて判別される資格が一覧表示される。操作キー表示エリア20bには、各種操作に関するヘルプ画面を表示する際にタッチ操作するヘルプ(HELP)キー、新たな販売員のレコードを作製する際にタッチ操作する入力キー、キーボード8aのキー操作などで選択したレコードの内容を変更する際にタッチ操作する変更キー、同様に選択したレコードを削除する際にタッチ操作する削除キーおよび販売員マスタメンテナンス処理を終了する際にタッチ操作するための終了キーなどが表示される。
販売員マスタメンテナンス画面20が表示された状態で、CPU2は、ST202としてキーボード8aのキー操作や操作キー表示エリア20bに表示された操作キーのタッチ操作による各種入力を受け付ける。そして、何らかの入力を受け付けたときには、ST203としていずれの入力がなされたかを判定する。このとき、操作キー表示エリア20bに表示された入力キー若しくは変更キーがタッチ操作されたと判断されるときには(ST203の“入力キー,変更キー操作”)、ST205としてデータ表示欄20aに代えてそのとき選択されていたレコードを編集するための入力画面20cを表示する。なお、入力キー若しくは変更キーのタッチ操作以外の入力がなされたと判断されるときには(ST203の“その他”)、ST204としてその入力に応じた処理を実行する。例えば、操作キー表示エリア20bに表示された終了キーがタッチ操作されたときには、当該販売員マスタメンテナンス処理を終了する。
図7は、入力画面20cが表示された販売員マスタメンテナンス画面20の一例を示す模式図である。入力画面20cには、販売員コードの入力欄、販売員氏名の入力欄および資格の入力欄が表示される。各入力欄には、キーボード8aのキー操作によりデータ入力が可能であり、資格の入力欄には、上記薬事法権限コードと同様に当該店員が有する資格に応じて“0”,“1”または“2”のいずれかを入力する。
入力画面20cを表示した状態で、CPU2は、ST206として販売員コード、販売員氏名および資格のデータ編集を受け付ける。さらに、データ編集を受け付けている間、ST207として操作キー表示エリア20bに表示された一覧キーの操作を待つ。このとき、一覧キーの操作がなされた場合には(ST207のYes)、販売員コードの入力欄、販売員氏名の入力欄および資格の入力欄に入力されたデータで販売員マスタ7aのデータを更新する。すなわち、入力キーがタッチ操作されたことにより入力画面20cが表示されている場合には、販売員コードの入力欄、販売員氏名の入力欄および資格の入力欄に入力されたデータを新規データとして販売員マスタ7aに追加し、変更キーがタッチ操作されたことにより入力画面20cが表示されている場合には、変更キーがタッチ操作された際に選択されていたレコードに対応する販売員マスタ7a中のレコードを販売員コードの入力欄、販売員氏名の入力欄および資格の入力欄に入力されたデータで更新する。このように販売員マスタ7aのデータを更新した後には、ST208として入力画面20cに代えて再びデータ表示欄20aを表示し、ST202の処理に戻って各種入力を受け付ける。
次に、POS端末1による商品の販売処理について説明する。
図8は、商品の販売処理にてCPU2が実行する処理の流れ図である。この処理は、ROM3に記憶された動作プログラムに基づいて実行される。
先ず、CPU2は、ST301としてスキャナ12aによる商品に付されたバーコードのスキャニングやキーボード8aのキー操作による商品コードの入力を待つ。そして、商品コードが入力されたと判断したときには(ST301のYes)、ST302として入力された商品コードに基づいて商品マスタから商品データを取得する。上記商品マスタは、ハードディスクドライブ7に記憶しておいてもよいし、店舗サーバに記憶しておいてLANインターフェイス6を介して店舗サーバにアクセスし、商品コードに応じた商品データを取得するようにしてもよい。
そして、CPU2は、ST303として上記のように取得した商品データや買上点数などからなる商品販売データをRAM4に形成された商品登録エリア4bに登録する。このとき登録された商品販売データは、タッチパネル式ディスプレイ9aに表示された商品登録画面40に一覧表示される(商品情報表示手段)。
図9は、上記商品登録画面40の一例を示す模式図である。商品登録画面40は、レジ情報表示エリア40a、登録商品情報表示エリア40b,40c、合計金額等表示エリア40dおよび操作キー表示エリア40eを備えている。レジ情報表示エリア40aには、POS端末1が設置されたレジのレジナンバ(No.)、取引ごとに割り当てられる取引ナンバ(No.)およびサインオンした店員(キャッシャ)の氏名などが表示される。登録商品情報表示エリア40bには、商品登録エリア4bに登録された商品の商品名、単価、買上点数、割り引きまたは値引き金額および単価に点数を乗算して算出される商品単位の合計金額が表示される。登録商品情報表示エリア40cには、直前に商品登録エリア4bに登録された商品の商品名、単価、買上点数、割り引きまたは値引き金額および単価に点数を乗算して算出される商品単位の合計金額が表示される。合計金額等表示エリア40dには、当該取引の合計買上点数、小計金額、外税額、値割引合計金額および現段階の合計金額が表示される。操作キー表示エリア40eには、ヘルプキーや登録商品情報表示エリア40bを上下にスクロールするためのスクロールキーなどの各種操作キーが表示される。
このような商品登録画面40を表示した後、ST304としてST302の処理にて商品マスタから取得した商品データに基づいて、この商品が一般用医薬品であるか否かを判断する。このとき、一般用医薬品であると判断したときには(ST304のYes)、ST305としてPOS端末1にサインオンした店員により当該商品が販売可能であるかどうかなどの判断を行う販売権限照合処理を実行する。当該処理については、図10の説明にて後述する。一方、ST303の処理にて登録された商品が一般用医薬品でないと判断したときには(ST304のNo)、販売権限照合処理は実行しない。
なお、商品マスタから取得される商品データには、当該商品が第1類医薬品、第2類医薬品、指定第2類医薬品、第3類医薬品または一般用医薬品以外の商品のいずれであるかを特定するためのリスク区分情報が含まれており、ST304の処理においては、このリスク区分情報に基づいて当該商品が一般用医薬品であるか否かが判断される。
上記販売権限照合処理の後またはST304の処理にて一般用医薬品でないと判断したときには、CPU2は、ST306としてキーボード8aに設けられた小計キーが操作されているか否かを判断する。小計キーが操作されていないと判断したときには(ST306のNo)、再びST301の処理に戻って商品コードの入力を待つ。
一方、小計キーが操作されていると判断したときには(ST306のYes)、ST307として当該取引の合計金額からの値引き/割引処理などを行い、ST308としてキーボード8aに設けられた締めキーの操作を待つ。そして、締めキーが操作されたときには(ST308のYes)、ST309として客からの預り金額から当該取引の合計金額を減算することで釣銭額を算出してタッチパネル式ディスプレイ9aおよび客面ディスプレイ10aに表示し、I/Oポート5を介してドロワ開放装置5bにドロワを開放させ、レシートプリンタ11aを制御して当該取引の内容を印字したレシートを発行させるなどの締め処理を実行する。この締め処理の後、商品販売処理を終了する。
続いて、上記販売権限照合処理について説明する。図10は、商品販売権限照合処理においてCPU2が実行する処理の流れ図である。この処理は、ROM3に記憶された動作プログラムに基づいて実行される。
先ず、CPU2は、ST401としてST303の処理にて登録された商品のリスク区分を、ST302の処理にて商品マスタから取得した商品データに含まれるリスク区分情報に基づいて判別する(商品区分判別手段)。次に、ST402として責任者登録エリア4aを参照し、現在サインオンしている店員の薬事法権限コードを取得する(資格取得手段)。そして、ST403としてST401の処理にて取得した商品のリスク区分とST402の処理にて取得した店員の薬事法権限コードとに基づいて当該店員により当該商品の販売が可能であるか否かを判断する(販売可否判断手段)。具体的には、権限管理テーブル7bを参照し、当該商品のリスク区分および当該店員の薬事法権限コードで特定される販売フラグが“0”である場合には販売可能であると判断し、“1”である場合には販売不可能であると判断する。なお、メインでPOS端末1を操作する店員の他、その補助者や説明義務を履行するための有資格者がサインオンしているときには、それら全ての店員の薬事法権限コードを取得していずれかの店員により当該商品の販売が可能であるか否かを判断する。
上記販売権限照合の結果、販売可能であると判断したときには(ST403の“販売可”)、CPU2は、ST404として権限管理テーブル7bを参照し、当該商品のリスク区分および当該店員の薬事法権限コードで特定されるPOPアップメッセージフラグが“0”であるか否かを判断する。
POPアップメッセージフラグが“0”である場合には(ST404のYes)、当該商品が一般用医薬品である旨のPOPアップメッセージを表示する(メッセージ報知手段)。具体的には、権限管理テーブル7bを参照し、当該商品のリスク区分および当該店員の薬事法権限コードで特定されるPOPアップメッセージナンバに応じたPOPアップ画面をタッチパネル式ディスプレイ9aに表示する。
このとき表示されるPOPアップ画面の一例を図11〜図14に示している。図11は登録された商品が第1類医薬品である場合に表示されるPOPアップ画面30の一例を示す図、図12は登録された商品が第2類医薬品である場合に表示されるPOPアップ画面31の一例を示す図、図13は登録された商品が指定第2類医薬品である場合に表示されるPOPアップ画面32の一例を示す図、そして、図14は登録された商品が第3類医薬品である場合に表示されるPOPアップ画面33の一例を示す図である。各POPアップ画面30〜33には、それぞれの医薬品のリスク区分とともに、“お客様に情報提供を行ってください”のように情報提供を促すメッセージが表示される。特に、第1類医薬品の場合には、薬剤師による情報提供が義務付けられているので、“お客様をカウンターにご案内してください”のように積極的な情報提供を促すメッセージが表示される。
このようにPOPアップ画面が表示された後またはST404の処理にてPOPアップメッセージフラグが“0”でないと判断された場合には、CPU2は、ST406としてキーボード8aに設けられた確定キーが操作されるのを待つ。この間店員は、表示されたPOPアップ画面を確認して当該商品が一般用医薬品であることを認識し、リスク区分に応じた接客などを行うことができる。
そして、確定キーが操作されたときには(ST406のYes)、POPアップ画面を消去し、ST407として権限管理テーブル7bからST401の処理にて判別したリスク区分に応じた背景色を取得し、取得した背景色を商品登録画面40の登録商品情報表示エリア40cの背景色に設定する。さらに、ST408として権限管理テーブル7bからST401の処理にて判別したリスク区分に応じた区分記号を取得し、取得した区分記号を商品登録画面40の登録商品情報表示エリア40cに表示する。そして、当該販売権限照合処理を終了する。
なお、ST407の処理において背景色を設定し、ST408の処理において区分記号を表示する各部の処理は、商品登録画面40に表示される商品情報の表示方法を選択的に変更する表示方法変更手段を構成する。
上記ST407およびST408の処理にて、リスク区分に応じて登録商品情報表示エリア40cの背景色が設定され、区分記号が表示された商品登録画面40の一例を図15に示している。登録商品情報表示エリア40cに表示された“胃腸薬”は第1類医薬品であるとする。この場合、ST407の処理では、権限管理テーブル7bに第1類医薬品の背景色として記憶された“&H000000FF&”に登録商品情報表示エリア40cの背景色が設定される(図15では彩色に代えて斜線を付している)。さらに、ST408の処理では、権限管理テーブル7bに第1類医薬品の区分記号として記憶された“A”が表示される。
このような背景色の設定と区分記号の表示とは、新たに商品が登録されて登録商品情報表示エリア40cに表示されていた前回の商品販売データが登録商品情報表示エリア40bに移動された際にも維持される。例えば、図15に示した商品登録画面40において、前回に登録処理された商品である“頭痛薬”が第2類医薬品であるとする。この場合、“頭痛薬”に関する商品販売データが登録商品情報表示エリア40bに表示された際には、その背景色が権限管理テーブル7bに第2類医薬品の背景色として記憶された“&H0000FF00&”に設定され(図15では彩色に代えて縦線を付している)、権限管理テーブル7bに第2類医薬品の区分記号として記憶された“B”が表示される。なお、一般用医薬品ではない“抗菌ガーゼ”や“化粧品”には背景色が設定されず、区分記号も表示されない。
次に、上記ST403の処理における販売権限照合の結果、販売不可であると判断されたとき(ST403の“販売不可”)にCPU2が実行する処理について説明する。かかる場合には、先ず上記ST404の処理と同様にST409として権限管理テーブル7bを参照し、当該商品のリスク区分および当該店員の薬事法権限コードで特定されるPOPアップメッセージフラグが“0”であるか否かを判断する。
POPアップメッセージフラグが“0”である場合には(ST409のYes)、現在サインオンしている店員では当該商品を販売できない旨のPOPアップメッセージを表示する(販売不可報知手段)。具体的には、権限管理テーブル7bを参照し、当該商品のリスク区分および当該店員の薬事法権限コードで特定されるPOPアップメッセージナンバに応じたPOPアップ画面をタッチパネル式ディスプレイ9aに表示する。
このとき表示されるPOPアップ画面の一例を図16,図17に示している。図16は登録された商品が第1類医薬品であり、サインオンした店員が薬剤師でない場合に表示されるPOPアップ画面34の一例を示す図、図17は登録された商品が第2類医薬品、指定第2類医薬品または第3類医薬品であり、サインオンした店員が薬剤師でも登録販売者でもない場合に表示されるPOPアップ画面35の一例を示す図である。各POPアップ画面34,35には、“第1類医薬品の為、販売できません。”や“一般用医薬品の為、販売できません。”のような商品を販売することができない旨のメッセージとともに、“販売権限は薬剤師”や“販売権限は薬剤師、登録販売者”のように販売権限を有する資格者が表示される。
このように商品を販売することができない旨のPOPアップ画面が表示された後またはST409の処理にてPOPアップメッセージフラグが“0”でないと判断された場合には(ST409の“No”)、新たな店員のサインオンを受け付け、ST411としてかかるサインオンの有無を判断する。なお、サインオンは、図3にて説明した手順で行われる。
新たな店員のサインオンがなされたと判断したときには(ST411のYes)、ST402の処理に戻って新たにサインオンした店員の薬事法権限コードを取得し、ST403として販売権限照合を行う。このとき新たな店員により当該商品が販売可能であると判断したときには(ST403の“販売可”)、ST404〜ST408の処理を実行し、販売不可能であると判断したときには(ST403の“販売不可”)、再びST409,ST410の処理を実行して新たな店員のサインオンを受け付ける。
一方、ST411の処理にて新たな店員のサインオンがなされていないと判断した時には(ST411のNo)、ST412として確定キーが操作されたか否かを判断する。確定キーが操作されていないと判断したときには(ST412のNo)、再びST411の処理に戻って新たな店員のサインオンを受け付け、その有無を判断する。すなわち、ST411およびST412の処理においては、確定キーの操作若しくは新たな店員のサインオンが行われるのを待つこととなる。
ST412の処理にて確定キーが操作されたと判断したときには(ST412のYes)、ST413として商品登録エリア4bから当該商品の商品販売データを削除して登録をキャンセルする。しかる後、当該販売権限照合処理を終了する。
以上説明したように、POS端末1は、登録される商品が一般用医薬品である場合には、自動的にサインオンした店員が当該医薬品を販売することができるか否かを判断し、当該店員では販売することができない商品である場合には販売権限を有する店員が新たにサインオンしない限り商品の登録を許可しない。そのため、販売権限を有しない者が商品を販売してしまうなど、薬事法に基づく規定に違反する事態を防止し、一般用医薬品の販売に課される条件を遵守することができる。
また、登録される商品が一般用医薬品であり、サインオンした店員が販売権限を有する者であった場合にも、POPアップ画面を表示してどのリスク区分に属する医薬品であるのかを報知する。さらに、そのリスク区分に応じて客への情報提供を促すメッセージを表示する。そのため、当該POS端末1を操作する店員は、いちいち商品に表示されたリスク区分を確認することなく販売される商品がどのリスク区分に属する一般用医薬品であるのかどうか、また、情報提供が義務付けられているのかどうかを知ることができる。
さらに、登録された商品が一般用医薬品である場合においては、POPアップ画面が表示される他、商品登録画面40の登録商品情報表示エリア40bに表示される当該商品の商品販売データの表示領域に所定の背景色が設定され、区分記号が併せて表示されるので、これまでに登録した商品に一般用医薬品が含まれているかどうか、含まれている場合にはどのリスク区分に属する一般用医薬品であるのかを容易に認識することができる。そのため、買上商品を一通り登録処理した後に登録商品情報表示エリア40bを確認して、一般用医薬品が含まれている場合には情報提供を行うべく客を別カウンターに案内したり、その場で情報提供を行ったりといった販売手順をとることができる。
また、販売員マスタに記憶されるレコードは、販売員マスタメンテナンス画面にて編集することができるので、新たな店員が加わった場合や既存の店員が薬剤師または登録販売者の資格を取得した場合でも容易に設定変更が可能である。
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階においては、その要旨を逸脱しない範囲内にて各構成要素を適宜変形して具体化することができる。
例えば、販売権限照合処理におけるPOPアップ画面の表示(ST405およびST410の処理)とともに、またはPOPアップ画面の表示に代えてスピーカ13aにより所定の音声を出力するようにしてもよい。このように音声を出力する場合には、ST405の処理においては当該商品のリスク区分が識別できるような音声を出力し、ST410の処理においては商品の販売ができない旨を認識できるような音声を出力すれば、店員が容易に商品のリスク区分または販売不可であることを把握することができるので効果的である。
また、図4に示した権限管理テーブル7b中の各パラメータは店舗の運営に応じて適宜設定変更が可能である。例えば、上記実施形態においては、全てのPOPアップメッセージフラグを“0”に設定して、登録される商品が一般用医薬品の場合には必ず何らかのPOP画面が表示されるようにしたが、いずれかのPOPアップメッセージフラグを“1”に設定して、登録される商品が所定のリスク区分である場合にはPOP画面が表示されないようにしてもよい。
また、薬事法やその関連規則などの改正に伴いリスク区分が変更されたり、新たな販売資格が生じたりした場合であっても、販売員マスタ7aおよび権限管理テーブル7bを適当に変更することにより、上記販売員マスタメンテナンス処理や上記販売権限照合処理などを実行することができる。
また、登録された商品が一般用医薬品である場合には、そのリスク区分を客に報知すべく客面ディスプレイ10aにリスク区分の表示などを行うようにしてもよい。このようにすれば、客も自分が購入しようとする商品のリスク区分を把握することができるので、リスク区分に応じて商品の購入を再考したり、店員に当該商品の説明を求めたりすることができる。
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全体構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
本発明の一実施形態におけるPOS端末の制御回路を示す模式図。 同実施形態における販売員マスタのデータ構造の一例を示す模式図。 同実施形態におけるサインオン処理にてCPUが実行する処理の流れ図。 同実施形態における権限管理テーブルのデータ構造の一例を示す模式図。 同実施形態において販売員マスタメンテナンス処理にてCPUが実行する処理の流れ図。 同実施形態における販売員マスタメンテナンス画面の一例を示す模式図。 同実施形態における入力画面が表示された販売員マスタメンテナンス画面の一例を示す模式図。 同実施形態において商品の販売処理にてCPUが実行する処理の流れ図。 同実施形態において商品登録画面の一例を示す模式図。 同実施形態における商品販売権限照合処理にてCPUが実行する処理の流れ図。 同実施形態におけるPOPアップ画面の一例を示す図。 同実施形態におけるPOPアップ画面の一例を示す図。 同実施形態におけるPOPアップ画面の一例を示す図。 同実施形態におけるPOPアップ画面の一例を示す図。 同実施形態における商品登録画面の一例を示す図。 同実施形態におけるPOPアップ画面の一例を示す図。 同実施形態におけるPOPアップ画面の一例を示す図。 一般用医薬品のリスク区分を説明するための図。
符号の説明
1…POS端末、2…CPU、7a…販売員マスタ、7b…権限管理テーブル、9a…タッチパネル式ディスプレイ、20…販売員マスタメンテナンス画面、30〜35…POPアップ画面、40…商品登録画面

Claims (9)

  1. 客が購入する商品を販売処理する商品販売データ処理装置において、
    各店員の資格を記憶した資格記憶手段と、
    各店員のサインオンを受け付けるサインオン受付手段と、
    販売される商品に割り当てられた所定の商品区分を判別する商品区分判別手段と、
    前記サインオン受付手段によりサインオンを受け付けた店員に対して前記資格記憶手段に記憶された資格を取得する資格取得手段と、
    前記商品区分判別手段により判別した商品区分と前記資格取得手段により取得した店員の資格とに基づいて、当該店員により当該商品の販売が可能であるか否かを判断する販売可否判断手段とを備え、
    前記販売可否判断手段により販売が可能であると判断された商品を販売処理し、販売が不可能であると判断された商品を販売処理しないことを特徴とする商品販売データ処理装置。
  2. 前記販売可否判断手段により商品の販売が不可能であると判断されたとき、その旨を報知する販売不可報知手段をさらに備えてなることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
  3. 前記商品区分判別手段により取得した商品区分に基づいて所定のメッセージを報知するメッセージ報知手段をさらに備えてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品販売データ処理装置。
  4. 販売される商品の商品情報を一覧表示する商品情報表示手段と、
    前記商品区分に基づいて前記商品情報表示手段により表示される商品情報の表示方法を選択的に変更する表示方法変更手段とをさらに備えてなることを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1に記載の商品販売データ処理装置。
  5. 前記表示方法変更手段は、前記商品区分に基づいて前記商品情報表示手段により表示される商品情報の表示領域の背景色を変更することを特徴とする請求項4に記載の商品販売データ処理装置。
  6. 前記表示方法変更手段は、前記商品区分に基づいて前記商品情報表示手段により表示される商品情報に所定の記号を付すことを特徴とする請求項4に記載の商品販売データ処理装置。
  7. 前記所定の商品区分は、一般用医薬品に割り当てられたリスク区分であることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか1に記載の商品販売データ処理装置。
  8. 前記資格記憶手段に記憶される店員の資格は、薬剤師、登録販売者およびその他の者のうちいずれかであることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1に記載の商品販売データ処理装置。
  9. 客が購入する商品を販売処理する商品販売データ処理装置の制御プログラムであって、
    前記商品販売データ処理装置に、
    各店員のサインオンを受け付けるサインオン受付機能と、
    販売される商品に割り当てられた所定の商品区分を判別する商品区分判別機能と、
    各店員の資格を記憶した資格記憶手段から前記サインオン受付機能によりサインオンを受け付けた店員の資格を取得する資格取得機能と、
    前記商品区分判別機能により判別された商品区分と前記資格取得機能により取得された店員の資格とに基づいて、当該店員により当該商品の販売が可能であるか否かを判断する販売可否判断機能と、
    この販売可否判断機能により販売が可能であると判断された商品を販売処理し、販売が不可能であると判断された商品を販売処理しない商品販売機能と、
    を実現させるための制御プログラム。
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