JP2010053027A - 水硬性材料用収縮低減剤組成物 - Google Patents

水硬性材料用収縮低減剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】他の混和材料との組み合わせを必要とせず、安価で、硬化物の強度低下を抑制し、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持つ、汎用性の高い水硬性材料用収縮低減剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物は、下記A成分およびB成分を含有し、該A成分と該B成分の比率が固形分換算での重量比でA成分/B成分=99.9/0.1〜55/45である。
A成分:トリメチロールエタンのアルキレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物、1,3,5−ペンタトリオールのアルキレンオキシド付加物、4価以上の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物、ポリアルキレンイミンから選ばれる少なくとも1種。
B成分:ポリオキシアルキレン系重合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、水硬性材料用収縮低減剤組成物に関する。より詳細には、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持つ水硬性材料用収縮低減剤組成物に関する。
水硬性材料は、強度や耐久性等に優れた硬化物を与える。このことから、水硬性材料は、セメントペースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物として広く用いられている。水硬性材料は、土木・建築構造物を構築するために欠かすことができない。
水硬性材料は、硬化した後に、外気温や湿度条件等により、内部に残った未反応水分の散逸を起こす。このため、乾燥収縮が進行し、硬化物中にひび割れが生じ、強度や耐久性が低下するという問題がある。土木・建築構造物の強度や耐久性等が低下すると、安全性の低下や修復コストの増大など、重大な問題が生じる。
このような問題に対し、法規制が強化されてきている。1999年6月に成立した住宅の品質確保の促進に関する法律では、コンクリートのひび割れも瑕疵保証の対象となっている。2009年2月に改訂された、鉄筋コンクリート造に関する建築工事標準仕様書(JASS 5(日本建築学会))では、耐用年数が長期(100年以上)にわたるコンクリートにおける26週での収縮ひずみが800×10−6以下に規制されることとなった。
最近、コンクリート硬化物の乾燥収縮を低減させる方法として、水硬性材料用収縮低減剤が重要視されている。上記JASS 5の改訂と同時に、水硬性材料用収縮低減剤に関する建築学会基準の制定が予定されている。
水硬性材料用収縮低減剤として、炭素原子数1〜4のアルコールのアルキレンオキシド付加物(特許文献1参照)、2〜8価の多価アルコールのエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共付加物(特許文献2参照)、低級アルキルアミンのアルキレンオキシド付加物(特許文献3参照)、オリゴマー領域のポリプロピレングリコール(特許文献4参照)、低分子アルコール類(特許文献5参照)、2−エチルヘキサノールのアルキレンオキシド付加物(特許文献6参照)が報告されている。しかしながら、これらの水硬性材料用収縮低減剤は、コンクリートに使用した場合に強度が低下するという問題がある。このため、強度を保つためにセメントペースト分の割合を高くする必要があり、コンクリートコストが高くなるという問題が生じる。
コンクリートに使用した場合の強度低下を抑制し得る水硬性材料用収縮低減剤として、2〜8価の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物が報告されている(特許文献7、8参照)。しかしながら、これらの水硬性材料用収縮低減剤は、いずれも、粉末樹脂、膨張材などの他の混和材料との組み合わせが必要となっており、コンクリートコストが高くなるという問題は解決できていない。
特公昭56−51148号公報 特公平1−53214号公報 特公平1−53215号公報 特開昭59−152253号公報 特公平6−6500号公報 特許第2825855号公報 特開平9−301758号公報 特開2002−68813号公報
本発明の目的は、他の混和材料との組み合わせを必要とせず、安価で、硬化物の強度低下を抑制し、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持つ、汎用性の高い水硬性材料用収縮低減剤組成物を提供することにある。
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物は、
下記A成分およびB成分を含有し、該A成分と該B成分の比率が固形分換算での重量比でA成分/B成分=99.9/0.1〜55/45である。
A成分:トリメチロールエタンのアルキレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物、1,3,5−ペンタトリオールのアルキレンオキシド付加物、4価以上の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物、ポリアルキレンイミンから選ばれる少なくとも1種。
B成分:ポリオキシアルキレン系重合体。
好ましい実施形態においては、上記A成分におけるアルキレンオキシド付加物中のオキシアルキレン基が炭素原子数2〜3のオキシアルキレン基である。
好ましい実施形態においては、上記A成分におけるアルキレンオキシド付加物中のオキシアルキレン基がオキシエチレン基である。
好ましい実施形態においては、上記B成分が、一般式(1)で表される不飽和単量体を含む単量体成分を共重合して得られるポリオキシアルキレン系重合体である。
Figure 2010053027
(一般式(1)中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、lは0〜2の整数であり、mは0または1であり、AOは炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基AOの平均付加モル数を表し、nは2〜300であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
好ましい実施形態においては、上記単量体成分が、さらに一般式(2)で表される不飽和単量体を含む。
Figure 2010053027
(一般式(2)中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、または(CH)pCOOZ’基を表し、Z’は水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表し、pは0〜2の整数であり、Zは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表し、COOZ’基とCOOZ基が合計で2個以上存在する場合はこれらの中の2個が無水物を形成していても良い。)
好ましい実施形態においては、さらに、C成分としてAE剤、D成分として消泡剤を含有し、該C成分と該D成分の比率が固形分換算での重量比でC成分/D成分=99/1〜1/99である。
好ましい実施形態においては、上記A成分とC成分とD成分の合計と上記B成分の比率が固形分換算での重量比でA成分+C成分+D成分/B成分=99.9/0.1〜50/50である。
本発明によれば、他の混和材料との組み合わせを必要とせず、安価で、硬化物の強度低下を抑制し、優れた収縮低減機能によりコンクリート硬化体のひび割れ発生を抑制し、優れた減水機能を有し、耐凍結融解性を有することでコンクリート硬化体の耐久性を向上させることができる、汎用性の高い水硬性材料用収縮低減剤組成物を提供することができる。
≪水硬性材料用収縮低減剤組成物≫
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物は、下記A成分およびB成分を含有する。
A成分:トリメチロールエタンのアルキレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物、1,3,5−ペンタトリオールのアルキレンオキシド付加物、4価以上の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物、ポリアルキレンイミンから選ばれる少なくとも1種。
B成分:ポリオキシアルキレン系重合体。
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物において、A成分とB成分の比率は、固形分換算での重量比で、A成分/B成分=99.9/0.1〜55/45である。好ましくは、A成分/B成分=99.5/0.5〜60/40であり、より好ましくは、A成分/B成分=99/1〜60/40であり、さらに好ましくは、A成分/B成分=98/2〜70/30である。A成分とB成分の比率を上記範囲内に制御することにより、他の混和材料との組み合わせを必要とせず、安価で、硬化物の強度低下を抑制し、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持つ、汎用性の高い水硬性材料用収縮低減剤組成物を提供することができる。
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物は、A成分とB成分のみからなっていても良いし、本発明の効果を損なわない範囲で、他の任意の適切な成分を含んでいても良い。例えば、水が挙げられる。本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物中の、A成分とB成分の合計量の割合は、上記他の任意の適切な成分の種類によって変動しうる。例えば、A成分とB成分の相溶性の度合い、使用条件、使用対象などによって適宜設定される。A成分は1種のみでも良いし、2種以上を併用しても良い。B成分は1種のみでも良いし、2種以上を併用しても良い。本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物は、任意の適切な方法で調製すれば良い。例えば、A成分、B成分、および任意の他の成分を、任意の適切な方法で混合すれば良い。
A成分は、トリメチロールエタンのアルキレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物、1,3,5−ペンタトリオールのアルキレンオキシド付加物、4価以上の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物、ポリアルキレンイミンから選ばれる少なくとも1種である。A成分として、このような特定の化合物を採用することにより、B成分と組み合わせることで水硬性材料用収縮低減剤組成物とした場合に、硬化物の強度低下を抑制し得るとともに、優れた収縮低減機能を発現し得る。
A成分として、トリメチロールエタンのアルキレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物、1,3,5−ペンタトリオールのアルキレンオキシド付加物、4価以上の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物は、代表的には、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ペンタトリオール、4価以上の多価アルコールに、アルキレンオキシドを付加させることによって得られる。
上記4価以上の多価アルコールとしては、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、ポリグリセリン、アドニトール、アラビトール、キシリトール、マンニトール、グルコース、フルクトース、マンノース、インドース、ソルボース、グロース、タロース、タガトース、ガラクトース、アロース、プシコース、アルトロース、アラビノース、リブロース、リボース、キシロース、キシルロース、リキソース、トレオース、エリトルロース、ラムノース、セロビオース、マルトース、イソマルトース、トレハロース、シュウクロース、ラフィノース、ゲンチアノース、メレジトースなどが挙げられる。上記4価以上の多価アルコールとしては、好ましくは、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセリン縮合物、ポリグリセリンが挙げられ、より好ましくは、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ポリグリセリンが挙げられる。
すなわち、A成分として特に好ましくは、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−ペンタトリオール、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、ポリグリセリンに、アルキレンオキシドを付加させることによって得られる、多価アルコールのアルキレンオキシド付加物である。
A成分において、多価アルコールのアルキレンオキシド付加物中のオキシアルキレン基としては、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基が好ましい。該オキシアルキレン基は1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。多価アルコールのアルキレンオキシド付加物中のオキシアルキレン基としては、より好ましくは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素原子数2〜3のオキシアルキレン基であり、特に好ましくはオキシエチレン基である。
A成分において、多価アルコールのアルキレンオキシド付加物中のオキシアルキレン基として少なくともオキシエチレン基が用いられる場合は、付加されるオキシアルキレン基中、オキシエチレン基が50〜100モル%含まれていることが好ましく、70〜100モル%含まれていることがより好ましく、90〜100モル%含まれていることがさらに好ましい。
A成分において、多価アルコールのアルキレンオキシド付加物における、アルキレンオキシドの平均付加モル数は、該多価アルコールの水酸基1モルあたり、好ましくは1〜500モルであり、より好ましくは1〜400モルであり、さらに好ましくは1〜300モルである。該多価アルコールの水酸基1モルあたりのアルキレンオキシドの平均付加モル数が1モルより小さいと、著しい凝結遅延が起こって強度が低下するおそれがある。該多価アルコールの水酸基1モルあたりのアルキレンオキシドの平均付加モル数が500モルより大きいと、十分な収縮低減性が得られないおそれがある。
A成分において、上記ポリアルキレンイミンとしては、例えば、下記の(a)〜(c)のポリアルキレンイミンが挙げられる。
(a)エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等の単独重合体、共重合体。特に、エチレンイミンの単独重合体、エチレンイミンとプロピレンイミンの共重合体が好ましい。
(b)上記(a)で示したポリアルキレンイミンに含まれる活性水素含有アミノ基に対してアルキレンオキシドを付加重合した、ポリエーテル鎖を有するポリアルキレンイミン。特に、上記アミノ基の活性水素の当量を超えるアルキレンオキシドを付加重合した、ポリエーテル鎖を有するポリアルキレンイミンが好ましい。上記ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミンが好ましい。上記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシドが好ましい。
(c)上記(a)で示したポリアルキレンイミンに含まれる窒素原子の一部あるいは全てに、
(i)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸、
(ii)上記カルボン酸と炭素数1〜20のアルコールとのモノもしくはジエステル、
(iii)上記カルボン酸と炭素数1〜30のアルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを1〜300モル付加させたアルコキシ(ポリ)アルキレングリコールとのモノもしくはジエステル、
をMichael付加させた、カルボキシル基あるいはエステル基を有するポリアルキレンイミン。上記不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸が好ましい。上記(a)で示したポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミンが好ましい。
A成分において、上記ポリアルキレンイミンの重量平均分子量は、好ましくは300〜500000、より好ましくは500〜100000、さらに好ましくは600〜10000である。
上記A成分として、アミン類を用いることもできる。このようなアミン類としては、例えば、
(i)エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどの(ポリ)アルキレンポリアミン;このような(ポリ)アルキレンポリアミンに含まれる活性水素含有アミノ基に対してアルキレンオキシドを付加重合して得られる、ポリエーテル鎖を有する(ポリ)アルキレンポリアミン;
(ii)ポリアルキレンイミンおよび/またはポリアルキレンポリアミンと硫酸、リン酸、アジピン酸などの多塩基酸との縮合によって得られるポリアミドポリアミン;ポリアルキレンイミンおよび/またはアルキレンイミンと尿素との縮合によって得られるポリウレアポリアミン;アルキレンイミンと無水フタル酸などの酸無水物との共重合によって得られるポリアミドポリエステルポリアミン;アリルアミン、ジアリルアミン、および/またはその塩酸塩の重合によって得られるポリアリルアミン;ジアリルアミンおよび/またはその塩酸塩と二酸化硫黄との共重合によって得られるポリジアリルアミン−二酸化硫黄共重合体;ジアリルアミンおよび/またはその塩酸塩とマレイン酸との共重合によって得られるジアリルアミン−マレイン酸共重合体;これらの各共重合体に含まれる活性水素含有アミノ基に対してアルキレンオキシドを付加重合した、ポリエーテル鎖を有するポリアミドポリアミン、ポリウレアポリアミン、ポリアミドポリエステルポリアミン、ポリジアリルアミン−二酸化硫黄共重合体、およびジアリルアミン−マレイン酸共重合体;
(iii)(ジ)メチルアミン、(ジ)エチルアミン、(ジ)プロピルアミン、(ジ)ブチルアミン、(ジ)ペンチルアミン、(ジ)ヘキシルアミン、(ジ)ヘプチルアミン、(ジ)オクチルアミン、(ジ)ノニルアミン、(ジ)デカアミン、(ジ)ウンデカアミン、(ジ)ドデカアミン等の、炭素数1〜12の直鎖または分岐アルキル基を有する1級アミン;異なる種類のアルキル基が混合された2級アミン類;炭素数6〜12のフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアルキル基、(アルキル)フェニル基で置換されたフェニル基、ナフチル基等のベンゼン環を有する芳香族基、炭素数2〜12のアルケニル基、または炭素数2〜12のアルキニル基を有する、1級または2級アミン類;N−メチル(ジ)エタノールアミン、N−エチル(ジ)エタノールアミン、N−プロピル(ジ)エタノールアミン、N−ブチル(ジ)エタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンに含まれる活性水素含有アミノ基および/または水酸基に対してアルキレンオキシドを付加重合したポリエーテル鎖を有するアミン類;
などが挙げられる。
B成分は、ポリオキシアルキレン系重合体である。B成分として、このような特定の化合物を採用することにより、A成分と組み合わせることで水硬性材料用収縮低減剤組成物とした場合に、硬化物の強度低下を抑制し得るとともに、優れた収縮低減機能を発現し得る。B成分は、1種のみのポリオキシアルキレン系重合体であっても良いし、2種以上のポリオキシアルキレン系重合体の混合物でも良い。
B成分であるポリオキシアルキレン系重合体とは、ポリオキシアルキレン基を有する重合体をいう。該ポリオキシアルキレン基は、炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基が平均付加モル数2〜300で付加した基をいう。
B成分であるポリオキシアルキレン系重合体は、好ましくは、一般式(1)で表される不飽和単量体を含む単量体成分を共重合して得られるポリオキシアルキレン系重合体である。
Figure 2010053027
一般式(1)中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、lは0〜2の整数であり、mは0または1であり、AOは炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基AOの平均付加モル数を表し、nは2〜300であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。
一般式(1)中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表す。
一般式(1)中、lは0〜2の整数である。
一般式(1)中、mは0または1である。
一般式(1)中、AOは炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表す。本発明の効果を一層発現させるためには、AOは炭素原子数2〜4のオキシアルキレン基であることが好ましい。AOの炭素原子数が大きすぎると、本発明の水硬性材料用添加剤組成物の水への溶解性が低下するおそれがある。
一般式(1)中、AOは1種のみでも良いし、2種以上を併用しても良い。AOが2種以上ある場合には、それらはランダム付加体となっていても良いし、ブロック付加体となっていても良いし、交互付加体となっていても良い。
一般式(1)中、nはオキシアルキレン基AOの平均付加モル数を表す。nは2〜300であり、好ましくは2〜280、より好ましくは3〜250、さらに好ましくは5〜200、さらに好ましくは5〜150、特に好ましくは10〜100、最も好ましくは10〜50である。nを上記範囲内に制御することにより、該A成分を収縮低減剤として適用した場合に、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持ち、高濃度でも使用可能な、水硬性材料用添加剤組成物を提供できる。
一般式(1)中、Rは水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。本発明の効果を一層発現させるためには、Rは、好ましくは水素原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基である。Rが炭化水素基の場合、炭素原子数が大きすぎると、B成分であるポリオキシアルキレン系重合体の疎水性が強くなりすぎて、良好な分散性を得ることができなくなるおそれがある。Rが炭化水素基の場合、好ましくは、飽和アルキル基、不飽和アルキル基である。これらのアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。
一般式(1)で表される不飽和単量体としては、mが0のときは、例えば、不飽和アルコールポリアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
上記不飽和アルコールポリアルキレンオキシド付加物としては、不飽和基を有するアルコールにポリアルキレングリコール鎖が付加した構造を有する化合物であれば良い。例えば、ビニルアルコールアルキレンオキシド付加物、(メタ)アリルアルコールアルキレンオキシド付加物、3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、イソプレンアルコール(3−メチル−3−ブテン−1−オール)アルキレンオキシド付加物、3−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−2−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−2−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物、2−メチル−3−ブテン−1−オールアルキレンオキシド付加物が挙げられる。
上記不飽和アルコールポリアルキレンオキシド付加物としては、より具体的には、例えば、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(3−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−3−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(2−メチル−2−ブテニル)エーテル、ポリエチレングリコールモノ(1,1−ジメチル−2−プロペニル)エーテル、ポリエチレンポリプロピレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(3−メチル−3−ブテニル)エーテルが挙げられる。
一般式(1)で表される不飽和単量体としては、mが1のときは、例えば、(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、ノニルアルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール等の炭素数1〜30の脂肪族アルコール類、シクロヘキサノール等の炭素数3〜30の脂環族アルコール類、(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、3−メチル−3−ブテン−1−オール等の炭素数3〜30の不飽和アルコール類のいずれかに、炭素数2〜18のアルキレンオキシド基を2〜300モル付加したアルコキシポリアルキレングリコール類が挙げられる。特に、アルキレンオキシドとしてエチレンオキシドを主成分として含むアルコキシポリアルキレングリコール類と(メタ)アクリル酸とのエステル化物が好ましく挙げられる。
上記(アルコキシ)ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステルの好ましい具体例としては、(アルコキシ)ポリエチレングリコール(ポリ)(炭素数2〜4のアルキレングリコール)(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
(アルコキシ)ポリエチレングリコール(ポリ)(炭素数2〜4のアルキレングリコール)(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレート、メトキシ{ポリエチレングリコール(ポリ)プロピレングリコール(ポリ)ブチレングリコール}モノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
B成分であるポリオキシアルキレン系重合体は、好ましくは、上記一般式(1)で表される不飽和単量体と一般式(2)で表される不飽和単量体(不飽和カルボン酸系単量体)を含む単量体成分を共重合して得られるポリオキシアルキレン系重合体である。
Figure 2010053027
一般式(2)中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、または(CH)pCOOZ’基を表し、Z’は水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表し、pは0〜2の整数であり、Zは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表し、COOZ’基とCOOZ基が合計で2個以上存在する場合はこれらの中の2個が無水物を形成していても良い。
一般式(2)中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、または(CH)pCOOZ’基を表す。
上記(CH)pCOOZ’基において、Z’は水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表す。一価金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子が挙げられる。二価金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子が挙げられる。有機アミン基としては、例えば、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が挙げられる。
上記(CH)pCOOZ’基において、pは0〜2の整数である。
一般式(2)中、Zは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表す。一価金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属原子が挙げられる。二価金属としては、例えば、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属原子が挙げられる。有機アミン基としては、例えば、エタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基や、トリエチルアミン基が挙げられる。
一般式(2)において、COOZ’基とCOOZ基が合計で2個以上存在する場合はこれらの中の2個が無水物を形成していても良い。
一般式(2)で表される不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、およびこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩;マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、およびこれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、または、それらの無水物;不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数1〜22個のアルコールとのハーフエステル;不飽和ジカルボン酸類と炭素数1〜22のアミンとのハーフアミド;不飽和ジカルボン酸系単量体と炭素数2〜4のグリコールとのハーフエステル;マレアミン酸と炭素数2〜4のグリコールとのハーフアミド;などが挙げられる。
B成分は、一般式(1)で表される不飽和単量体を必須に含む単量体成分を共重合して得られるポリオキシアルキレン系重合体であり、好ましくは、一般式(1)で表される不飽和単量体と一般式(2)で表される不飽和単量体を含む単量体成分を共重合して得られるポリオキシアルキレン系重合体であるが、該単量体成分には、本発明の効果を損なわない範囲で、他の任意の適切な単量体を含んでいても良い。他の任意の適切な単量体は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記他の任意の適切な単量体としては、例えば、以下の化合物が挙げられる。
スチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、メチルスチレン等のスチレン類;1,3−ブタジエン、イソプレン、イソブチレン等のジエン類;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸エステル類;ヘキセン、ヘプテン、デセン等のα−オレフィン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類。
不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜22個のアルコールとのジエステル、不飽和ジカルボン酸と炭素数1〜22のアミンとのジアミド、不飽和ジカルボン酸と炭素数2〜4のグリコールとのジエステル。
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート等の二官能(メタ)アクリレート類;ビニルスルホネート、(メタ)アリルスルホネート、2−(メタ)アクリロキシエチルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホネート、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルスルホフェニルエーテル、3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシスルホベンゾエート、4−(メタ)アクリロキシブチルスルホネート、(メタ)アクリルアミドメチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエチルスルホン酸、2−メチルプロパンスルホン酸(メタ)アクリルアミド、スチレンスルホン酸等の不飽和スルホン酸類、およびそれらの一価金属塩、二価金属塩、アンモニウム塩及び有機アミン塩。
(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアルキルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;アリルアルコール等のアリル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の不飽和アミノ化合物類;メトキシポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル等のビニルエーテル又はアリルエーテル類。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチルエチル(メタ)アクリレート、メトキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物類。
単量体成分中に一般式(2)で表される不飽和単量体が含まれる場合、一般式(1)で表される不飽和単量体と一般式(2)で表される不飽和単量体との割合は、重量比で、好ましくは、一般式(1)で表される不飽和単量体/一般式(2)で表される不飽和単量体=99/1〜30/70、より好ましくは、一般式(1)で表される不飽和単量体/一般式(2)で表される不飽和単量体=95/5〜40/60である。一般式(1)で表される不飽和単量体と一般式(2)で表される不飽和単量体との割合を上記範囲内に制御することによって、該A成分を収縮低減剤として適用した場合に、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持ち、高濃度でも使用可能な、水硬性材料用添加剤組成物を提供できる。
単量体成分中に一般式(2)で表される不飽和単量体が含まれる場合、単量体成分中の、一般式(1)で表される不飽和単量体と一般式(2)で表される不飽和単量体との合計量の含有割合は、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%、さらに好ましくは90〜100重量%である。単量体成分中の、一般式(1)で表される不飽和単量体と一般式(2)で表される不飽和単量体との合計量の含有割合を上記範囲内に制御することによって、該A成分を収縮低減剤として適用した場合に、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持ち、高濃度でも使用可能な、水硬性材料用添加剤組成物を提供できる。
単量体成分の共重合の方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、単量体成分と重合開始剤とを用いて、溶液重合や塊状重合などの任意の適切な重合方法により行うことができる。例えば、特許第3179022号公報、特許第3374369号公報、特許第3683176号公報に記載の方法が挙げられる。
B成分であるポリオキシアルキレン系重合体の分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」という)によるポリエチレングリコール換算での重量平均分子量(Mw)が、好ましくは500〜500000、より好ましくは1000〜300000、さらに好ましくは5000〜200000、特に好ましくは8000〜100000である。B成分の重量平均分子量(Mw)が500未満であると、本発明の水硬性材料用添加剤組成物の収縮低減性能が低下するおそれがある。B成分の重量平均分子量(Mw)が500000を超えると、本発明の水硬性材料用添加剤組成物の減水性能、収縮低減性能が低下するおそれがある。なお、本明細書中、重量平均分子量は、下記GPC測定条件により測定される値である。
〔GPC分子量測定条件〕
使用カラム:東ソー社製TSKguardcolumn SWXL+TSKge1 G4000SWXL+G3000SWXL+G2000SWXL
溶離液:水10999g、アセトニトリル6001gの混合溶媒に酢酸ナトリウム三水和物115.6gを溶かし、更に30%水酸化ナトリウム水溶液でpH6.0に調整した溶離液溶液を用いる。
打込み量:0.5%溶離液溶液100μL
溶離液流速:0.8mL/min
カラム温度:40℃
標準物質:ポリエチレングリコール、重量平均分子量(Mw)272500、219300、85000、46000、24000、12600、4250、7100、1470。
検量線次数:三次式
検出器:日本Waters社製 410 示差屈折検出器
解析ソフト:日本Waters社製 MILLENNIUM Ver.3.21
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物は、上記A成分およびB成分に加え、さらに、C成分としてAE剤、D成分として消泡剤を含有することが好ましい。C成分、D成分は、それぞれ、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
上記C成分とD成分の比率は、固形分換算での重量比で、好ましくは、C成分/D成分=99/1〜1/99、より好ましくは、C成分/D成分=90/10〜20/80、さらに好ましくは、C成分/D成分=80/20〜30/70である。上記C成分とD成分の比率が上記範囲内にあれば、他の混和材料との組み合わせを必要とせず、安価で、硬化物の強度低下を抑制し、優れた収縮低減機能によりコンクリート硬化体のひび割れ発生を抑制し、優れた減水機能を有し、さらにコンクリート硬化体中に良質な空気を連行させることにより、耐凍結融解性を付与することでコンクリート硬化体の耐久性を向上させることができる、汎用性の高い水硬性材料用収縮低減剤組成物を、一層効率的に提供することができる。
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物において、C成分としてAE剤、D成分として消泡剤を含有する場合、前記A成分とC成分とD成分の合計と前記B成分の比率は、固形分換算での重量比で、好ましくは、A成分+C成分+D成分/B成分=99.9/0.1〜50/50、より好ましくは、A成分+C成分+D成分/B成分=99.5/0.5〜60/40、さらに好ましくは、A成分+C成分+D成分/B成分=99/1〜60/40、特に好ましくは、A成分+C成分+D成分/B成分=98/2〜70/30である。上記A成分とC成分とD成分の合計と上記B成分の比率が上記範囲内にあれば、他の混和材料との組み合わせを必要とせず、安価で、硬化物の強度低下を抑制し、優れた収縮低減機能によりコンクリート硬化体のひび割れ発生を抑制し、優れた減水機能を有し、さらにコンクリート硬化体中に良質な空気を連行させることにより、耐凍結融解性を付与することでコンクリート硬化体の耐久性を向上させることができる、汎用性の高い水硬性材料用収縮低減剤組成物を、一層効率的に提供することができる。
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物に含有しうるAE剤としては、任意の適切なAE剤を採用し得る。例えば、樹脂石鹸、飽和または不飽和脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、ラウリルサルフェート、ABS(アルキルベンゼンスルホン酸)、LAS(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸)、アルカンスルホネート、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシエチレンアルキル(フェニル)エーテルリン酸エステルまたはその塩、蛋白質材料、アルケニルスルホコハク酸、α−オレフィンスルホネートが挙げられる。
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物に含有しうる消泡剤としては、任意の適切な消泡剤を採用し得る。例えば、
(1)燈油、流動パラフィン等の鉱油系消泡剤:
(2)動植物油、ごま油、ひまし油、これらのアルキレンオキシド付加物等の油脂系消泡剤:
(3)オレイン酸、ステアリン酸、これらのアルキレンオキシド付加物等の脂肪酸系消泡剤:
(4)グリセリンモノリシノレート、アルケニルコハク酸誘導体、ソルビトールモノラウレート、ソルビトールトリオレエート、天然ワックス等の脂肪酸エステル系消泡剤:
(5)(ポリ)オキシエチレン(ポリ)オキシプロピレン付加物等のポリオキシアルキレン類;ジエチレングリコールヘプチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン2−エチルヘキシルエーテル、炭素原子数12〜14の高級アルコールへのオキシエチレンオキシプロピレン付加物等の(ポリ)オキシアルキルエーテル類;ポリオキシプロピレンフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等の(ポリ)オキシアルキレン(アルキル)アリールエーテル類;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール,3−メチル−1−ブチン−3−オール等のアセチレンアルコールにアルキレンオキシドを付加重合させたアセチレンエーテル類;ジエチレングリコールオレイン酸エステル、ジエチレングリコールラウリル酸エステル、エチレングリコールジステアリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタントリオレイン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシプロピレンメチルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンドデシルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の(ポリ)オキシアルキレンアルキル(アリール)エーテル硫酸エステル塩類;(ポリ)オキシエチレンステアリルリン酸エステル等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミン等の(ポリ)オキシアルキレンアルキルアミン類;ポリオキシアルキレンアミド;等のオキシアルキレン系消泡剤:
(6)オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、アセチレンアルコール、グリコール類等のアルコール系消泡剤:
(7)アクリレートポリアミン等のアミド系消泡剤:
(8)リン酸トリブチル、ナトリウムオクチルホスフェート等のリン酸エステル系消泡剤:
(9)アルミニウムステアレート、カルシウムオレエート等の金属石鹸系消泡剤:
(10)ジメチルシリコーン油、シリコーンペースト、シリコーンエマルジョン、有機変性ポリシロキサン(ジメチルポリシロキサン等のポリオルガノシロキサン)、フルオロシリコーン油等のシリコーン系消泡剤:
が挙げられる。
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物は、本発明の作用効果を奏する限り、必要に応じて、その他の成分を含んでいても良い。その他の成分としては、例えば、水溶性高分子物質、高分子エマルジョン、遅延剤、早強剤・促進剤、界面活性剤、防水剤、防錆剤、ひび割れ低減剤、膨張材、セメント湿潤剤、増粘剤、分離低減剤、凝集剤、他の乾燥収縮低減剤、強度増進剤、セルフレベリング剤、防錆剤、着色剤、防カビ剤、高炉スラグ、フライアッシュ、シンダーアッシュ、クリンカーアッシュ、ハスクアッシュ、シリカヒューム、シリカ粉末、石膏が挙げられる。これらは1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。しかしながら、本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物は、他の混和材料との組み合わせを必要とせず、安価で、硬化物の強度低下を抑制し、優れた収縮低減機能を有するという効果を発現できるので、上記に挙げたような他の混和材料は、必要でなければ、特に用いなくても良い。
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物の製造方法については、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、各成分を適宜混合して製造することができる。
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物は、優れた収縮低減機能と優れた減水機能を併せ持つ。本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物は、A成分及びB成分を高濃度に含有し、A成分及びB成分の経時安定性が優れており、分離沈殿することなく相溶性に優れ、水/セメント比の適用範囲が広く、水/セメント比(重量比)で、好ましくは60%〜15%のコンクリートまで製造が可能である。従って、汎用性が高く、種々の用途のセメント組成物に添加して用いることが可能である。
本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物を用いたセメント組成物とは、好ましくは、セメント、細骨材、および水から成るモルタル、さらに粗骨材から成るコンクリート等のセメント組成物に、本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物を所定の割合で添加したものである。
セメント組成物の製造に用いるセメントとしては、例えば、普通、低熱、中庸熱、早強、超早強、耐硫酸塩等のポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、エコセメント、シリカヒュームセメントが挙げられる。また、セメント組成物中の粉体として、例えば、シリカヒューム、フライアッシュ、石灰石微粉末、高炉スラグ微粉末、膨張材、その他の鉱物質微粉末等が挙げられる。細骨材としては、例えば、川砂、山砂、海砂、砕砂、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材が挙げられる。粗骨材としては、例えば、川砂利、砕石、重量骨材、軽量骨材、スラグ骨材、再生骨材が挙げられる。水としては、例えば、JIS A 5308付属書9に示される上水道水、上水道水以外の水(河川水、湖沼水、井戸水など)、回収水が挙げられる。
コンクリート組成物中には、任意の適切な添加剤を加えても良い。例えば、硬化促進剤、凝結遅延剤、防錆剤、防水剤、防腐剤が挙げられる。
コンクリート組成物の製造方法、運搬方法、打設方法、養生方法、管理方法などについては、任意の適切な方法を採用し得る。
セメント組成物における、本発明の水硬性材料用収縮低減剤組成物の添加量は、目的に応じて任意の適切な量を採用し得る。例えば、セメント100重量部に対して、0.5〜10.0重量%とすることが好ましい。また、セメント組成物100容量部当たりのセメント容量が14容量%を超える場合は、セメント100重量部に対して、好ましくは0.5〜10.0重量%、より好ましくは0.5〜6.0重量%とすることが好ましい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例には限定されない。なお、特に明記しない限り、実施例における部および%は重量基準である。
〔コンクリート配合に用いる各成分の固形分測定〕
コンクリート物性評価に用いる各成分の固形分測定は下記のように行った。
1.アルミ皿を精秤した。
2.精秤したアルミ皿上に固形分を測定する成分を載せて精秤した。
3.窒素雰囲気下、130℃に調温した乾燥機内に、上記2で精秤した成分を1時間入れた。
4.1時間後、上記成分を乾燥機から取り出し、デシケーター内で15分間放冷した。
5.15分後、乾燥後の上記成分をデシケーターから取り出し、アルミ皿と乾燥後の上記成分を精秤した。
6.下記式により、固形分を算出した。
固形分(%)={〔(上記5の精秤で得られた重量)−(上記1の精秤で得られた重量)〕/〔(上記2の精秤で得られた重量)−(上記1の精秤で得られた重量)〕}×100
〔コンクリート物性評価〕
≪フレッシュコンクリートのスランプ値、空気量の評価≫
得られたフレッシュコンクリートについて、スランプ値、空気量を以下の方法により評価した。
スランプ値:JIS A 1101−1998
空気量 :JIS A 1128−1998
≪乾燥収縮低減性の評価≫
得られたフレッシュコンクリートをゲージピン付の10×10×40cmの供試体型枠に入れ、2日間20℃にて封緘養生後脱型し、さらに5日間20℃の静水中で水中養生した後、乾燥収縮低減性の評価を開始した。
乾燥収縮低減性の評価は、JIS A 1129−3(モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法 第3部:ダイヤルゲージ方法)に準拠して実施した。
静水中で5日間養生した供試体の表面の水を紙タオルでふき取った後、直ちに測長し、この時点の長さを基準とした。その後、温度20℃、湿度60%に設定した恒温恒湿室内に保存し、適時測長した。この際、長さ変化比は、下記式で示されるように、収縮低減剤(A成分)を含まないコンクリート(基準コンクリート)の収縮量に対する、収縮低減剤(A成分)を添加したコンクリートの収縮量の比とした。値が小さいほど収縮を低減できることを示す。
長さ変化比={(収縮低減剤添加コンクリートの収縮量)/(基準コンクリートの収縮量)}×100
≪コンクリート圧縮強度の評価≫
得られたフレッシュコンクリートを圧縮強度評価用の供試体型枠(直径10cm、高さ20cm)に入れ、密閉して20℃で保管し、初期養生を行った。1日後に脱型し、20℃で水中養生を行い、材齢7日および28日時点で圧縮強度の測定をJIS A 1108に準拠して実施した。この際、圧縮強度比は、下記式で示されるように、収縮低減剤(A成分)を含まないコンクリート(基準コンクリート)の圧縮強度に対する、収縮低減剤(A成分)を添加したコンクリートの圧縮強度の比とし、値が大きいほど、圧縮強度の低下が抑制されることを示す。
圧縮強度比
={(収縮低減剤添加コンクリートの圧縮強度)/(基準コンクリートの圧縮強度)}×100
≪気泡間隔係数の測定≫
AE剤および消泡剤を用いて所定の空気量(5.0±0.5%)のコンクリートを混練した後、6mm以上の骨材を取り除いたモルタルについてエアボイドアナライザー(AVA;商品名、ジャーマンインストゥルメンツ社製)にて耐凍結融解性の指標となる気泡間隔係数の測定を行った。
まず、20℃に調温したAVA測定用溶液250mlと水約2000mlを測定した。次に、カラムに充填した後、モルタル20mlを採取し、カラムの底部に注入した。注入後、モルタルを30秒間攪拌し液中にモルタルの連行空気を十分に液中に放出させた。放出された気泡を経時測定することにより、気泡間隔係数の計算を行った。気泡間隔係数の計算に際して、コンクリート全体積より6mm以上の骨材の占める体積を除いた値(モルタル容積率)を64.3%とした。
≪耐凍結融解性の評価≫
得られたフレッシュコンクリートを10×10×40cmの供試体型枠に入れ、2日間20℃にて封緘養生後脱型し、さらに28日間20℃の静水中で水中養生した後、耐凍結融解性の評価を実施した。
耐凍結融解性の評価は、JIS A 1148−2001中のA法に従い、30サイクルごとにJIS A 1127−2001に従い一次共鳴振動数および供試体重量を測定することにより実施した。
この際、30サイクルごとの耐凍結融解性は、下記式(1)で示されるように、凍結融解サイクル開始前(0サイクル)の一次共鳴振動数に対する、各サイクル終了時点の一次共鳴振動数から相対動弾性係数を算出して評価を実施した。凍結融解サイクルは最大300サイクルとし、300サイクル以前に相対動弾性係数が60%以下となった時点で評価を終了した。また、最終的な耐凍結融解性については、下記式(2)で示す耐久性指数を算出することにより評価を実施した。これらの値はいずれも100に近いほど良好な耐凍結融解性を有することを示す。
相対動弾性係数(%)=(f /f )×100 ・・・(1)
:凍結融解nサイクル後の一次共鳴振動(Hz)
:凍結融解0サイクル後の一次共鳴振動(Hz)
耐久性指数=(P×N)/300 ・・・(2)
P:凍結融解Nサイクル時の相対動弾性係数(%)
N:相対動弾性係数が60%以下となった凍結融解サイクル数、または300サイクルのいずれか小さいほう
〔製造例1〕:共重合体(1)、(2)の合成
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に水200.2gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25)225.2g、メタクリル酸44.8g、水450gおよび連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸2.2gを混合したモノマー水溶液を4時間、並びに5.2%過硫酸アンモニウム水溶液60gを5時間かけて反応容器に滴下し、5.2%過硫酸アンモニウム水溶液滴下終了後、さらに1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量22600の共重合体水溶液(共重合体(1))を得た。
温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に水200.2gを仕込み、攪拌下に反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で80℃まで加熱した。メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート(エチレンオキシドの平均付加モル数25)239.9g、メタクリル酸20.1g、水450gおよび連鎖移動剤として3−メルカプトプロピオン酸2.2gを混合したモノマー水溶液を4時間、並びに5.2%過硫酸アンモニウム水溶液60gを5時間かけて反応容器に滴下し、5.2%過硫酸アンモニウム水溶液滴下終了後、さらに1時間引き続いて80℃に温度を維持し、重合反応を完結させ、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0まで中和して重量平均分子量35600の共重合体水溶液(共重合体(2))を得た。
〔製造例2〕:ポリオキシアルキレン基とアニオン性基とを有する重合体PC−1の合成
製造例1で得られた共重合体(1)および共重合体(2)を、固形分換算の重量比で、共重合体(1)/共重合体(2)=30/70の割合で混合し、ポリオキシアルキレン基とアニオン性基とを有する重合体(B)に相当する共重合体水溶液PC−1を得た。
〔製造例3〕:共重合体(3)、(4)の合成
温度計、撹拌機、滴下装置、窒素導入管および還流冷却装置を備えたガラス製反応装置に、イオン交換水を14.66重量部、3−メチル−3−ブテン−1−オールにエチレンオキシドを平均50モル付加した不飽和ポリアルキレングリコールエーテル単量体(IPN50)を49.37重量部仕込み、撹拌下、反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、2%過酸化水素水溶液2.39重量部を添加し、アクリル酸3.15重量部およびイオン交換水0.79重量部からなる水溶液を3.0時間、ならびに、3−メルカプトプロピオン酸0.13重量部、L−アスコルビン酸0.06重量部、およびイオン交換水15.91重量部からなる水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて60℃に温度を維持した後、冷却して重合反応を終了させ、48%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調整し、重量平均分子量が37700の共重合体水溶液(共重合体(3))を得た。
一方、温度計、攪拌機、滴下装置、窒素導入管および還流冷却装置を備えた別のガラス製反応装置に、イオン交換水を42.43重量部、IPN50を49.37重量部仕込み、撹拌下、反応装置内を窒素置換し、窒素雰囲気下で60℃に昇温した後、2%過酸化水素水溶液4.12重量部を添加し、アクリル酸3.11重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5.90重量部、およびイオン交換水2.26重量部からなる水溶液を3.0時間、ならびに、3−メルカプトプロピオン酸0.33重量部、L−アスコルビン酸0.11重量部、およびイオン交換水15.91重量部からなる水溶液を3.5時間かけて滴下した。その後、1時間引き続いて60℃に温度を維持した後、冷却して重合反応を終了させ、48%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.0に調整し、重量平均分子量が31900の共重合体水溶液(共重合体(4))を得た。
〔製造例4〕:ポリオキシアルキレン基とアニオン性基とを有する重合体PC−2の合成
製造例3で得られた共重合体(3)および共重合体(4)を、固形分換算の重量比で、共重合体(3)/共重合体(4)=30/70の割合で混合し、ポリオキシアルキレン基とアニオン性基とを有する重合体(B)に相当する共重合体水溶液PC−2を得た。
〔製造例5〕
攪拌機、圧力計、および温度計を備えた圧力容器中に、市販のトリメチロールプロパン120gおよび水酸化ナトリウム2.1gを仕込んだ。次いで、反応系を120℃以上まで昇温させた後、150±5℃に維持しながらエチレンオキシド1969.9gを添加し、トリメチロールプロパンの活性水素にエチレンオキシドがそれぞれ16.7モルずつ付加された化合物(以下、TMP50と称する)を得た。
〔製造例6〕
攪拌機、圧力計、および温度計を備えた圧力容器中に、900gのTMP50を仕込んだ。次いで、反応系を120℃以上まで昇温させた後、150±5℃に維持しながらエチレンオキシド1696.6gを添加し、トリメチロールプロパンの活性水素にエチレンオキシドがそれぞれ50モルずつ付加された化合物(以下、TMP150と称する)を得た。
〔製造例7〕
攪拌機、圧力計、および温度計を備えた圧力容器中に、600gのTMP50および水酸化ナトリウム0.4gを仕込んだ。次いで、反応系を120℃以上まで昇温させた後、150±5℃に維持しながらエチレンオキシド1979.4gを添加し、トリメチロールプロパンの活性水素にエチレンオキシドがそれぞれ75モルずつ付加された化合物(以下、TMP225と称する)を得た。
〔製造例8〕
攪拌機、圧力計、および温度計を備えた圧力容器中に、市販のソルビトール100gおよび水酸化ナトリウム0.8gを仕込んだ。次いで、反応系を120℃以上まで昇温させた後、150±5℃に維持しながらエチレンオキシド1450.8gを添加し、ソルビトールの活性水素にエチレンオキシドがそれぞれ10モルずつ付加された化合物(以下、SB600と称する)を得た。
〔製造例9〕:MBD100の製造
攪拌機、圧力計、および温度計を備えた圧力容器中に、市販のN−n−ブチルエタノールアミン100gおよび水酸化ナトリウム1.18gを仕込んだ。次いで、反応系を150℃まで昇温させた後、150±5℃に維持しながらエチレンオキシド2676.3gを添加し、N−n−ブチルエタノールアミンの活性水素にエチレンオキシドがそれぞれ50モルずつ付加された化合物(以下、MBD100と称する)を得た。
〔製造例10〕:MBD200の製造
攪拌機、圧力計、および温度計を備えた圧力容器中に、市販のN−n−ブチルエタノールアミン100gおよび水酸化ナトリウム1.18gを仕込んだ。次いで、反応系を150℃まで昇温させた後、150±5℃に維持しながらエチレンオキシド5407.3gを添加し、N−n−ブチルエタノールアミンの活性水素にエチレンオキシドがそれぞれ100モルずつ付加された化合物(以下、MBD200と称する)を得た。
〔実施例1〜8、比較例1〜4〕
≪コンクリート配合≫
以下に示すコンクリート配合割合により、練り混ぜ量が30Lとなるようにそれぞれの材料を計量し、パン型強制練りミキサーを使用して材料の混錬を実施した。なお、セメントは太平洋セメント社、住友大阪セメント社、および宇部三菱セメント社製普通ポルトランドセメント(比重3.16)を均等に混合して使用した。この際、細骨材には掛川産陸砂および君津産陸砂、粗骨材には青梅硬質砂岩をそれぞれ使用した。また、減水剤(B)、空気量調整剤(AE剤(C)および消泡剤(D))を使用してコンクリートのフロー値=310±20mm、空気量=4.5±1.5%となるように調整した。
<コンクリート配合割合>
単位セメント量:350kg/m
単位水量 :175kg/m
単位細骨材量 :841kg/m
単位粗骨材量 :905kg/m
(水セメント比(W/C):50.0%、細骨材率(s/a):49.0%)
≪材料の練り混ぜ≫
粗骨材および使用する半量の細骨材をミキサーに投入し5秒間空練り後、回転を止めセメントおよび残りの細骨材を投入し、さらに5秒間空練りを行った後再び回転を止めて、収縮低減剤(A)、空気量調整剤(AE剤(C)および消泡剤(D))および減水剤(B)を含む水を加え、90秒間混錬した後、ミキサーからコンクリートを取り出した。
≪評価≫
取り出したコンクリート(フレッシュコンクリート)について、スランプ値、空気量、乾燥収縮低減性、圧縮強度の評価を行った。使用した配合物を表1に示し、評価結果を表2に示した。
Figure 2010053027
Figure 2010053027
表2に示すように、所定の配合割合でA成分とB成分を使用した実施例1〜8ではA成分無添加の基準コンクリート(比較例3)に比べて10〜20%程度長さ変化比が低いことから良好な収縮低減性能を有していることが判る。一方、A成分/B成分が所定の比率よりも低い比較例1、2においては、A成分の添加量が著しく少なくなるため、十分な収縮低減性が得られないことが判る。
同様に、圧縮強度についても、実施例1〜8では各材齢において100以上の圧縮強度比を示していることから、所定量のA成分を使用することにより、圧縮強度が改良されていることが判る。一方、A成分/B成分が所定の比率よりも低い比較例1、2においては、A成分の添加量が少ないため、圧縮強度の向上がほとんど得られないことが判る。さらに、比較例3に示すように、分子内に1本のポリオキシアルキレン鎖しか持たないSRA−1を使用した場合、100より低い圧縮強度比を示しており、SRA−1を使用することにより圧縮強度が低下していることが判る。
〔実施例9〜11、比較例5〕
表3に示した配合で、実施例1〜8および比較例1〜4で行ったのと同様の方法で、フレッシュコンクリート(空気量=5.0±0.5%)を調製し、気泡間隔係数を測定した。結果を表3に示した。
Figure 2010053027
気泡間隔係数の値が小さいほど、コンクリート中に連行された気泡が細かく密に分散している(良質の気泡をコンクリート中に連行している)ことを示し、耐凍結融解性に優れていることを示す。
表3に示すように、いずれの組合せにおいてもコンクリート中に一定量の空気を連行させることはできるが、使用するA成分の種類およびC成分/D成分の配合比率により、気泡間隔係数にバラツキが見られた。
比較例5に示すように、分子内に1本のポリオキシアルキレン鎖しか持たないSRA−1を用いた場合には、気泡間隔係数が大きいことから、コンクリート中に連行された気泡の質は良くないと言える。一方、実施例9〜11に示すように、A成分、B成分、C成分、およびD成分を所定の割合で使用することにより、空気量を保ち、かつ、気泡間隔係数の小さい、良質の空気をコンクリート中に連行できることから、耐凍結融解性についても改良されていると言える。
〔実施例12〜16、比較例6〜9〕
表4に示した配合で、実施例1〜8および比較例1〜4で行ったのと同様の方法で、フレッシュコンクリート(空気量=5.0±1.0%)を調製し、気泡間隔係数、耐久性指数を測定した。結果を表4に示した。
Figure 2010053027
表4の実施例12〜16に示すように、C成分/D成分の配合比率を所定の範囲に調整することにより、気泡間隔係数の小さい良質の気泡をコンクリート中に連行することができ、さらに高い耐久性指数を示すことから、良好な耐凍結融解性を付与できることがわかる。一方、分子内に一本のポリオキシアルキレン鎖しか持たないSRA−1を用いた比較例6およびC成分/D成分の配合比率が所定の範囲に調整されていない比較例7および比較例8では、気泡間隔係数が大きく、耐久性指数も低いことから、コンクリート中に連行された気泡の質および耐凍結融解性が低下していることがわかる。
〔実施例17〜22、比較例10〜12〕
≪コンクリート配合≫
以下に示すコンクリート配合割合により、練り混ぜ量が30Lとなるようにそれぞれの材料を計量し、強制2軸練りミキサーを使用して材料の混錬を実施した。なお、セメントは太平洋セメント社、住友大阪セメント社、および宇部三菱セメント社製普通ポルトランドセメント(比重3.16)を均等に混合して使用した。この際、細骨材には掛川産陸砂および君津産陸砂、粗骨材には青梅硬質砂岩をそれぞれ使用した。また、減水剤(B)、空気量調整剤(AE剤(C)および消泡剤(D))を使用してコンクリートのスランプ値=8±1cm、空気量=5±1%となるように調整した。
<コンクリート配合割合>
単位セメント量:301kg/m
単位水量 :160kg/m
単位細骨材量 :824kg/m
単位粗骨材量 :1002kg/m
(水セメント比(W/C):53.1%、細骨材率(s/a):46.0%)
≪材料の練り混ぜ≫
粗骨材および使用する半量の細骨材をミキサーに投入し5秒間空練り後、回転を止めセメントおよび残りの細骨材を投入し、さらに5秒間空練りを行った後再び回転を止めて、収縮低減剤(A)、空気量調整剤(AE剤(C)および消泡剤(D))および減水剤(B)を含む水を加え、90秒間混錬した後、ミキサーからコンクリートを取り出した。
≪評価≫
取り出したコンクリート(フレッシュコンクリート)について、耐久性指数、収縮低減性能を測定した。使用した配合物を表5に示し、評価結果を表6に示した。
Figure 2010053027
Figure 2010053027
表5および表6を見ると、本発明におけるA成分が存在しない場合(比較例10、比較例11)、耐久性指数は本発明におけるA成分が存在する場合と同等であっても、本発明におけるA成分が存在する場合に比べて収縮低減性能が悪くなっていることが判る。
本発明によれば、他の混和材料との組み合わせを必要とせず、安価で、硬化物の強度低下を抑制し、優れた収縮低減機能によりコンクリート硬化体のひび割れ発生を抑制し、優れた減水機能を有し、耐凍結融解性を有することでコンクリート硬化体の耐久性を向上させることができる、汎用性の高い水硬性材料用収縮低減剤組成物を提供することができるので、これらはセメント用の添加剤として有用である。

Claims (7)

  1. 下記A成分およびB成分を含有し、該A成分と該B成分の比率が固形分換算での重量比でA成分/B成分=99.9/0.1〜55/45である、水硬性材料用収縮低減剤組成物。
    A成分:トリメチロールエタンのアルキレンオキシド付加物、トリメチロールプロパンのアルキレンオキシド付加物、1,3,5−ペンタトリオールのアルキレンオキシド付加物、4価以上の多価アルコールのアルキレンオキシド付加物、ポリアルキレンイミンから選ばれる少なくとも1種。
    B成分:ポリオキシアルキレン系重合体。
  2. 前記A成分におけるアルキレンオキシド付加物中のオキシアルキレン基が炭素原子数2〜3のオキシアルキレン基である、請求項1に記載の水硬性材料用収縮低減剤組成物。
  3. 前記A成分におけるアルキレンオキシド付加物中のオキシアルキレン基がオキシエチレン基である、請求項2に記載の水硬性材料用収縮低減剤組成物。
  4. 前記B成分が、一般式(1)で表される不飽和単量体を含む単量体成分を共重合して得られるポリオキシアルキレン系重合体である、請求項1から3までのいずれかに記載の水硬性材料用収縮低減剤組成物。
    Figure 2010053027
    (一般式(1)中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子またはメチル基を表し、lは0〜2の整数であり、mは0または1であり、AOは炭素原子数2〜18のオキシアルキレン基を表し、nはオキシアルキレン基AOの平均付加モル数を表し、nは2〜300であり、Rは水素原子または炭素原子数1〜30の炭化水素基を表す。)
  5. 前記単量体成分が、さらに一般式(2)で表される不飽和単量体を含む、請求項4に記載の水硬性材料用収縮低減剤組成物。
    Figure 2010053027
    (一般式(2)中、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、または(CH)pCOOZ’基を表し、Z’は水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表し、pは0〜2の整数であり、Zは水素原子、一価金属、二価金属、アンモニウム基、または有機アミン基を表し、COOZ’基とCOOZ基が合計で2個以上存在する場合はこれらの中の2個が無水物を形成していても良い。)
  6. さらに、C成分としてAE剤、D成分として消泡剤を含有し、該C成分と該D成分の比率が固形分換算での重量比でC成分/D成分=99/1〜1/99である、請求項1から5までのいずれかに記載の水硬性材料用収縮低減剤組成物。
  7. 前記A成分とC成分とD成分の合計と前記B成分の比率が固形分換算での重量比でA成分+C成分+D成分/B成分=99.9/0.1〜50/50である、請求項6に記載の水硬性材料用収縮低減剤組成物。
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