JP2010052534A - プリテンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】座席における乗員の着座位置やシートバックのリクライニングの状態等に応じてバックルやウエビングベルトの先端側を好適な向きに引っ張ることができるプリテンショナを得る。
【解決手段】シェアピン74にてアンカプレート52とバックル60が係止された保持プレート56とが相対回動不能に連結されている状態でのアンカプレート52及び保持プレート56の回動中心である支持シャフト54に対し、シート14に乗員66が深く腰掛けた通常着席状態ではワイヤ44が上方を通過し、シート14に乗員66が浅く腰掛けた前方着席状態やシートバック86を倒したリクライニング状態ではワイヤ44が下方を通過する。これにより、ワイヤ44が保持プレート56を引っ張った際の保持プレート56の回動方向を変えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、車両急減速状態等に、シートベルト装置のバックルやウエビングベルトの先端部を引っ張ってウエビングベルトの張力を増加させるプリテンショナに関する。
下記特許文献1に開示されているプリテンショナ(シートベルトプリローダ)では、バックルを保持する可動片が、ガイドプレートの長手方向一端側の近傍でガイドプレートに保持されている。また、可動片にはワイヤの一端が係止されている。ワイヤはガイドピレートの下端側に設けられたプーリに掛け回されてガイドプレートの前方側に設けられたプリローダシリンダ内のピストンに係止されている。プリローダシリンダに設けられたプリローダセンサが車両急減速状態を検出して、プローダセンサに設けられたガスジェネレータが作動すると、プリローダシリンダの内圧が上昇してプリローダシリンダ内でピストンが摺動する。
このピストンの摺動でワイヤが引っ張られると、可動片がガイドプレートによる保持に抗してガイドプレートの長手方向他端側へ移動し、可動片と共にバックルがシートの略下方側へ移動する。バックルには乗員の身体に装着されたウエビングベルトの長手方向中間部に設けられたタングが装着されているので、バックルがシートの略下方へ移動することで、ウエビングベルトの張力が増し、ウエビングベルトが乗員の身体を拘束する拘束力が増す。
また、この特許文献1の第4の実施の形態に開示されているプリテンショナは、ガイドプレートの他端部に形成された外歯と、ガイドプレートの下方に配置された外歯のギヤとが噛み合っている。さらに、このギヤに対して同軸的且つ一体的に形成されたプーリと、シートバックをリクライニングさせる際の回動中心軸に対して同軸的且つ一体的に設けられたプーリとがタイミングベルトで繋がっている。
これにより、シートバックの回動に連動してガイドプレートがシートの幅方向を軸方向とする軸周りに回動し、プリローダシリンダ内のピストンがワイヤを介して可動片を引っ張った際の可動片の移動方向を、シートバックの傾斜状態に応じた向きにすることができ、乗員の身体を拘束するウエビングベルトのうち、特に、乗員の腰部を拘束するラップベルトの拘束力が乗員の腰部を押し付ける向きを変えることができる。
特開平8−40205号の公報
しかしながら、特許文献1の第4の実施の形態に開示されたようなプリテンショナでは、上記のように、シートバックのリクライニングと、ガイドプレートの回動とを連動させるためにプーリやタイミングベルト等の機械的な回転力伝達機構を設けなくてはならず、装置全体が大型化してしまう。しかも、シートバックの回動角度が小さい場合、大きい場合の何れの場合にも、乗員の身体をラップベルトが効果的に拘束できる向きにガイドプレートを回動させようとすると、上記のような回動力伝達機構の構成は更に複雑で大型になる。
シートバックの回動中心軸の回動をガイドプレートに機械的に伝える機構を用いずに、シートバックの回動をセンサ等で検出して、その検出結果に基づきモータ等の駆動手段でガイドプレートを回動させれば上記のような問題は解消されるが、モータやセンサ、ECU等の制御手段を用いることになるので、コストが高くなる。
本発明は、上記事実を考慮して、座席における乗員の着座位置やシートバックのリクライニングの状態等に応じてバックルやウエビングベルトの先端側を好適な向きに引っ張ることができるプリテンショナを得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係るプリテンショナは、長尺帯状のウエビングベルトの中間部に設けられたタングが装着されるバックル又は前記ウエビングベルトの先端側が直接又は間接的に係止される係止部と、作動することで前記係止部を引っ張るプリテンショナ本体と、前記座席上での前記乗員の着座位置に応じて変化する前記タングと前記ウエビングベルトの先端部との間における前記ウエビングベルトの中間部の位置、及び、前記座席を構成する座部に対する背凭れの傾斜角度の少なくとも何れか一方に基づき、前記プリテンショナ本体が前記係止部を引っ張った際の前記係止部の移動方向を切り替える切替手段と、を備えている。
請求項1に記載の本発明に係るプリテンショナによれば、バックル又はウエビングベルトの先端側が係止された係止部は、切替手段を介してプリテンショナ本体に連結されており、プリテンショナ本体が作動するとプリテンショナ本体に引っ張られて移動する。このように係止部が移動することでウエビングベルトの張力が増し、ウエビングベルトが乗員の身体を拘束する拘束力が増す。
ところで、座席に着座した乗員の身体に装着されたウエビングベルトのうち、タングとウエビングベルトの先端部との間でのウエビングベルトの中間部の位置は、座席上での乗員の着座位置(例えば、座席を構成する座部上での乗員の臀部の位置)応じて変化する。ここで、本発明に係るプリテンショナでは、タングとウエビングベルトの先端部との間でのウエビングベルトの中間部の位置、及び、座席を構成する座部に対する背凭れの傾斜角度の少なくとも何れか一方の変化に基づいて、プリテンショナ本体が係止部を引っ張った際の係止部の移動方向を切替手段が切り替える。これにより、座席における乗員の着座位置やシートバックのリクライニングの状態等に応じてバックルやウエビングベルトの先端側を好適な向きに引っ張ることができる。
請求項2に記載の本発明に係るプリテンショナは、請求項1に記載の本発明において、前記係止部が設けられると共に、前記係止部よりも座席の後方で且つ下方に設定された取付部にて前記座席の幅方向を軸方向とする軸周りに回動可能に前記座席又は車体に支持された保持手段と、長尺状に形成されて、前記保持手段の前記係止部側に一端側が係止されると共に、一端側と他端側との間の中間部の前記取付部に対する通過位置を、前記取付部よりも前記座席の上方側及び下方側の何れかの一方から他方へ変更可能な連結手段と、を含めて前記切替手段を構成すると共に、前記保持手段に対する前記連結手段の一端側の係止位置よりも前記座席の後方で且つ下方に、作動することで前記連結手段の他端側を引っ張る前記プリテンショナ本体を設け、前記プリテンショナ本体が作動することにより前記連結手段に付与した張力で前記取付部周りに前記連結手段の前記通過位置に応じて異なる方向へ前記保持手段を回動させて、前記係止部の移動方向を切り替える。
請求項2に記載の本発明に係るプリテンショナによれば、バックル又はウエビングベルトの先端側が係止された係止部は切替手段を構成する保持手段に設けられており、この保持手段は、取付部にて車体又は座席に支持される。また、この保持手段の取付部よりも係止部の側には連結手段の一端側が直接、又は、バックルやウエビングベルトの先端側等を介して間接的に係止される。プリテンショナ本体が作動すると連結手段の他端側が引っ張られ、これにより、保持手段における取付部よりも係止部の側(すなわち、保持手段における連結手段の一端側が係止された部分)が引っ張られる。取付部にて車体又は座席に支持された保持手段は、座席の幅方向を軸方向とする軸周りに取付部を中心に回動可能であるため、上記のように、保持手段における取付部よりも係止部の側が、保持手段と共に切替手段を構成する連結手段、ひいては、プリテンショナ本体に引っ張られることで、保持手段は取付部周りの一方又は他方へ回動する。
ここで、連結手段の一端側と他端側との間の中間部は、保持手段の取付部(すなわち、保持手段と座席や車体との連結部分)よりも座席の上方側及び下方側の何れかの一方を通過し、しかも、この通過位置を取付部よりも座席の上方側及び下方側の何れかの他方に変更できる。
保持手段の係止部に対して取付部は座席の後方側で且つ下方側に位置しているので、保持手段の取付部に対する連結手段の中間部の通過位置が座席の上方側である場合には、プリテンショナ本体が連結手段に張力を付与すると、保持手段の係止部側を座席の後方側へ移動させるように保持手段が取付部周りの一方へ回動する。
これに対し、保持手段の取付部に対する連結手段の中間部の通過位置が座席の下方側である場合には、プリテンショナ本体が連結手段に張力を付与すると、保持手段の係止部側を座席の下方側へ移動させるように保持手段が取付部周りの他方へ回動する。
このように、本発明に係るプリテンショナでは、保持手段の取付部に対する連結手段の中間部の通過位置が座席の上方側である場合には、プリテンショナ本体が連結手段に張力を付与すると、保持手段の取付部に対する連結手段の中間部の通過位置を、座席の上方側及び下方側の何れかの一方から他方へ変更することで、保持手段の係止部、ひいては、係止部に係止されたバックルやウエビングベルトの先端側を引っ張る際の引張方向を変更できる。
しかも、本発明に係るプリテンショナでは、保持手段の取付部に対する連結手段の中間部の通過位置が座席の上方側(又は下方側)であれば、座席の状態や座席上での乗員の着座位置の変化等に関係なく保持手段の回動方向は同じである。このため、保持手段の取付部に対する連結手段の中間部の通過位置が座席の上方側である場合と下方側である場合の各々で、係止部に係止されたバックルやウエビングベルトの先端側が引っ張られる向きが安定しており、座席上での乗員の着座位置や座席の状態等の変化に対応するような調整が不要である。更には、座席上での乗員の着座位置を検出するための感圧センサ等の着座検出センサが不要であるため、コストも安価で、簡単な構成で実現が可能である。
なお、本発明では、連結手段の中間部が保持手段の取付部よりも座席の上方側及び下方側の何れかの一方を通過し、しかも、この通過位置を取付部よりも座席の上方側及び下方側の何れかの他方に変更できる構成であればよく、この通過位置を切り替えるための構成に関しては何ら限定されるものではない。
請求項3に記載の本発明に係るプリテンショナは、請求項2に記載の本発明において、前記係止部と前記取付部との間で前記保持手段に支点部を設定し、前記プリテンショナ本体が作動することで前記連結手段に付与された張力により、前記保持手段の前記支点部よりも前記取付部の側に対し、前記保持手段の前記支点部よりも前記係止部の側を前記座席の幅方向を軸方向とする軸周りに回動可能とし、更に、前記プリテンショナ本体が作動することで前記連結手段に付与された張力で前記取付部周りに前記取付部と前記支点部との間が回動した際の回動方向とは反対向きに前記支点部と前記係止部との間が前記支点部周りに回動するように前記保持手段における前記連結手段の一端側の係止位置及び前記プリテンショナ本体の位置を設定している。
請求項3に記載の本発明に係るプリテンショナによれば、保持手段の係止部と取付部との間には支点部が設定され、保持手段の支点部よりも係止部の側は支点部よりも取付部の側に対して支点部を中心に座席の幅方向を軸方向とする軸周りに回転できる。プリテンショナ本体が作動して連結手段に張力が付与されると、保持手段、更に詳細には保持手段の支点部よりも取付部の側が取付部を中心に回動するが、この回動に連動して支点部よりも係止部の側が支点部を中心に支点部よりも取付部の側の回動方向とは反対向きに回動する。
このように、取付部を中心とする支点部よりも取付部の側の回動方向とは反対方向に支点部よりも係止部の側が支点部を中心に回動することで、係止部に係止されているバックルの向きやウエビングベルトの先端の向きを大きく変えることなく座席の後方側や下方側へ引っ張ることができる。これにより、例えば、係止部にバックルが係止されている構成で、プリテンショナ本体が作動して保持手段が回動した際に、バックルに装着されたタングでのウエビングベルトの折り返し部分においてウエビングベルトが偏ることを防止又は効果的に抑制できる。
請求項4に記載の本発明に係るプリテンショナは、請求項2又は請求項3に記載の本発明において、前記取付部周り一方への一定角度以上の前記保持手段の回動により、前記取付部よりも前記座席の上方側及び下方側の何れかの一方から他方へ前記連結手段の通過位置が変更するように前記保持手段における前記連結手段の一端側の係止位置及び前記プリテンショナ本体の位置の少なくとも何れかの一方を設定している。
請求項4に記載の本発明に係るプリテンショナでは、取付部周りに保持手段が回動できる。保持手段の係止部にはウエビングベルトの先端側やバックルが係止されているので、座席に着座した乗員の身体にウエビングベルトが装着されると、ウエビングベルトの張力が保持手段の係止部を引っ張る。したがって、このウエビングベルトが保持手段を引っ張る向きに応じて取付部周りに保持手段が回動する。
ここで、本発明に係るプリテンショナでは、保持手段が取付部周りの一方へ一定角度以上回動すると取付部よりも座席の上方側及び下方側の何れかの一方から他方へ連結手段の中間部の通過位置が変更される。したがって、取付部に対する連結手段の中間部の通過位置を変更するための特別な操作を行なわなくても、プリテンショナ本体が作動して連結手段が保持手段を介してバックルやウエビングベルトの先端側を引っ張った際の引張方向を座席の後方及び下方の何れか一方から他方へ変更できる。
しかも、取付部周り一方へ保持手段が一定角度以上回動することで取付部に対する連結手段の中間部の通過位置が変わるように保持手段における連結手段の一端側の係止位置及びプリテンショナ本体の位置の少なくとも何れかの一方が設定されるだけであるので、保持手段の回動に連動して取付部に対する連結手段の中間部の通過位置を変更させるための特別な連動機構等も不要である。
請求項5に記載の本発明に係るプリテンショナは、請求項2から請求項4の何れか1項に記載の本発明において、前記連結手段の一端側と他端側との間の中間部を押圧して、前記取付部よりも前記座席の上方側及び下方側の何れかの一方から他方へ前記連結手段の通過位置を強制的に変位させる押圧手段を備えている。
請求項5に記載の本発明に係るプリテンショナによれば、取付部よりも座席の上方側及び下方側の何れかの一方を通過している連結手段が押圧手段に押圧されると、連結手段の中間部が強制的に変位させられ、これにより、取付部に対する連結手段の通過位置が取付部よりも座席の上方側及び下方側の何れかの一方から他方へ切り替わる。
このように、本発明に係るプリテンショナでは、押圧手段により連結手段の中間部を押圧し、又は、押圧手段による連結手段の中間部の押圧を解消することで取付部に対する連結手段の通過位置を変更できる。
請求項6に記載の本発明に係るプリテンショナは、請求項5に記載の本発明において、前記座席の座部に対する背凭れの回動に連動して前記連結手段の中間部に接離移動し、前記連結手段に対して接近することで前記連結手段の中間部を押圧し、前記連結手段から離間することで前記連結手段の中間部に対する押圧を解消する押圧部材を含めて前記押圧手段を構成している。
請求項6に記載の本発明に係るプリテンショナによれば、座席の座部(シートクッション)に対して背凭れ(シートバック)を回動させると、この回動に連動して押圧手段を構成する押圧部材が連結手段の中間部に対して接離移動する。押圧部材が連結手段の中間部に接近すると、連結手段の中間部は押圧部材に押圧され、連結部材の中間部が強制的に変位させられる。これにより、保持手段の取付部に対する連結手段の中間部の通過位置が座席の上方側又は下方側の何れかの一方から他方に変更される。
このように、本発明に係るプリテンショナでは、押圧部材が背凭れの回動に連動するので、保持手段の取付部に対する連結手段の中間部の通過位置を変えるための特別な操作を行なわなくても、乗員が所望の着座姿勢になるために背凭れの角度を調節した際に、保持手段の取付部に対する連結手段の中間部の通過位置を変えることが可能になる。
以上説明したように、本発明に係るプリテンショナは、座席における乗員の着座位置やシートバックのリクライニングの状態等に応じてバックルやウエビングベルトの先端側を引っ張る向きを変更できる。
<第1の実施の形態の構成>
図1には本発明の第1の実施の形態には本発明の一実施の形態に係るプリテンショナ10を適用したシートベルト装置12の構成の概略が斜視図により示されており、図2には更にプリテンショナ10の構成を拡大した斜視図が示されている。さらに、図4にはプリテンショナ10の構成をシート(座席)14の側方から見た正面図が示されている。
これらの図に示されるように、プリテンショナ10はプリテンショナ本体16を備えている。プリテンショナ本体16はシリンダ18を備えている。シリンダ18は筒形状(一例として有底又は無底の円筒形状)に形成されている。図3に示されるように、シリンダ18の内側には金属を鍛造成形することにより形成されたピストン20が収容されている。ピストン20はピストン本体22を備えている。ピストン本体22はシリンダ18の一端側(図3の矢印A方向の側)へ向けて漸次外径寸法が大きくなり、少なくとも、シリンダ18の先端側におけるピストン本体22の端部の外周形状は、鍛造成形されたワークを切削加工することでシリンダ18の内周形状に略等しい錐台形状とされている。
シリンダ18の他端側(図3の矢印B方向の側)におけるピストン本体22の端部には外周形状がシリンダ18の内周形状に略等しいフランジ部24が、シリンダ18の先端側におけるピストン本体22の端部に対して略同軸的に形成されている。このフランジ部24とシリンダ18の先端側におけるピストン本体22の端部とがシリンダ18の内周部に摺接しており、ピストン20はシリンダ18の先端と他端との間を摺動できる。
このフランジ部24よりもシリンダ18の軸方向一端側には複数のクラッチ球26がピストン本体22の外周方向に適宜な間隔をおいて配置されている。各クラッチ球26の直径寸法は、シリンダ18の内径寸法とピストン本体22のフランジ部24側の端部近傍におけるピストン本体22の外径寸法との差の1/2以下に設定されている。
図3の(B)に示されるように、シリンダ18の一端側からシリンダ18の他端側へピストン20が移動した際(すなわち、シリンダ18内を図3の矢印B方向にピストン20が摺動した際)、各クラッチ球26が慣性でピストン本体22の外周面(斜面)を移動すると、ピストン本体22の外周部とシリンダ18の内周部とにクラッチ球26が挟まれ、更に、この状態からピストン20が更にシリンダ18の他端側へ移動しようとすると、ピストン本体22の外周面がクラッチ球26をシリンダ18の内周面に押し付けて、クラッチ球26によってシリンダ18の内周面を変形させる。これにより、ピストン本体22の外周部とクラッチ球26との間の摩擦、及び、シリンダ18の内周部とクラッチ球26との間の摩擦が増大して、シリンダ18の基端側へのピストン20の摺動を規制する。
このようなピストン20が収容されたシリンダ18の他端(図3の矢印B方向側の端部)はベースカートリッジ30に装着されている。ベースカートリッジ30にはジェネレータ装着部32が形成されている。ジェネレータ装着部32は軸方向がシリンダ18の軸方向に対して交差した筒状に形成されている。ジェネレータ装着部32の内側はベースカートリッジ30の本体部分の内側を介してシリンダ18の内側に繋がっている。ジェネレータ装着部32の先端からはガス発生手段としてのガスジェネレータ34が装着されている。
ガスジェネレータ34の内部には燃焼することで瞬時にガスを発生するガス発生剤やガス発生剤を点火する着火剤、更には、図示しないECU等の制御手段から出力された着火信号に基づき着火剤を点火させる点火装置等が収容されている。着火装置が作動して着火剤が点火すると、点火した着火剤がガス発生剤を燃焼させる。これにより、ガスジェネレータ34にて発生したガスは、ジェネレータ装着部32の基端側でガスジェネレータ34の外部へ放出される。ガスジェネレータ34から放出されたガスはジェネレータ装着部32の内部、ベースカートリッジ30の本体の内部を通過してシリンダ18の側へ送られ、その圧力でピストン20をシリンダ18の一端側へ移動させる。
このようにガスジェネレータ34やシリンダ18が装着されたベースカートリッジ30は、図示しない締結手段によりシート14の後部近傍で且つ車両の床部近傍で、シート14のシートクッション(座部)36を下方から支持するシートクッションフレーム38や車両の床部(車体)等に固定されている(図1に示される本実施の形態では、シートクッションフレーム38にベースカートリッジ30を固定したものとして図示している)。
一方、上記のピストン20には貫通孔42が形成されている。貫通孔42はピストン20の軸心部分に沿って形成されてピストン20の両端にて開口している。この貫通孔42には切替手段を構成する連結手段としてのワイヤ44が通過している。ワイヤ44は、例えば、長尺紐状の金属素線を撚り合わせることで全体的に可撓性を有する長尺紐状に形成されている。シリンダ18の一端側(図3の矢印A方向側)の貫通孔42の端部からピストン20の外側へ抜け出たワイヤ44には貫通孔42がワイヤ44に対して一体的に取り付けられている。
ピース46は外形が貫通孔42の内径寸法よりも大きく、ピース46を通過することができない。これにより、ワイヤ44のピース46が取り付けられた側が貫通孔42を通過してベースカートリッジ30の側に移動することが規制されている。これに対して、貫通孔42のピース46とは反対側の端部から抜け出たワイヤ44は、ベースカートリッジ30の内部を通過して、更に、図1、図2、及び図4に示されるようにベースカートリッジ30の外部に延びている。
一方、本プリテンショナ10は切替手段を構成する保持手段としてのアンカ機構50を備えている。アンカ機構50は厚さ方向が概ねシート14の幅方向に沿った細幅板状のアンカプレート52を備えている。アンカプレート52の長手方向一端部近傍には取付部としての支持シャフト54が設けられている。支持シャフト54はアンカプレート52の厚さ方向にアンカプレート52を貫通しており、シート14の後端部近傍にてシートクッションフレーム38の側部に支持されている。この支持シャフト54によりアンカプレート52は支持シャフト54周り、すなわち、シート14の幅方向を軸方向とする軸周りに回動自在に支持されている。
アンカプレート52の長手方向先端側(支持シャフト54が設けられた側とは反対側)は、支持シャフト54が設けられた部位に対してシート14の前方側で且つ上方側に延びている。このアンカプレート52の先端部近傍には保持プレート56が設けられている。保持プレート56は厚さ方向がアンカプレート52の厚さ方向に沿った細幅板状とされており、その長手方向一端部近傍にはバックル60が係止されている。バックル60には車両に設置されたシートベルト装置を構成する長尺帯状のウエビングベルト62の長手方向中間部に設けられたタング64を装着できる。
このタング64が設けられたウエビングベルト62の長手方向先端側はシート14を介してプリテンショナ10とは反対側で車両の床部(車体)やシートクッションフレーム38に直接又は間接的に保持されたアンカプレート(図示省略)に係止されており、シート14に着席した乗員66の前方側へウエビングベルト62を掛け回した状態でタング64をバックル60に装着すると、タング64よりもウエビングベルト62の長手方向基端側がショルダベルト68として乗員66の肩部から胸部を介して腰部近傍を拘束し、タング64よりもウエビングベルト62の長手方向先端側がラップベルト70として乗員66の腰部を拘束する。
また、図1、図2、及び図4に示されるように、保持プレート56の長手方向中間部には支点部としての連結シャフト72が設けられている。連結シャフト72は軸方向が保持プレート56及びアンカプレート52の双方の厚さ方向に沿っており、その軸方向中間部よりも一端側では連結シャフト72周りに保持プレート56が回転自在に軸支され、軸方向中間部よりも他端側では連結シャフト72周りにアンカプレート52が回転自在に軸支されている。これにより、アンカプレート52に対して保持プレート56が連結シャフト72周りに回動自在に連結されている。
また、保持プレート56の幅方向一端部近傍にはシェアピン74が設けられている。シェアピン74は軸方向が保持プレート56及びアンカプレート52の双方の厚さ方向に沿っており、保持プレート56とアンカプレート52とを連結している。これにより、アンカプレート52に対する保持プレート56の回動が規制されている。但し、アンカプレート52に対する保持プレート56の回動に基づきシェアピン74に付与される荷重が、シェアピン74をせん断できる程度の大きさであれば、シェアピン74がせん断されてシェアピン74によるアンカプレート52と保持プレート56との機械的な連結が解消され、アンカプレート52に対して保持プレート56が連結シャフト72周りに回動できる。
さらに、連結シャフト72を介してバックル60とは反対側では保持プレート56に係止ピン76が設けられている。ベースカートリッジ30を通過してガスジェネレータ34から抜け出たワイヤ44は、シリンダ18とは反対側でベースカートリッジ30に設けられたワイヤガイド78にガイドされた後、その先端(一端)が係止ピン76に係止されている。
ここで、図4に示される状態を、便宜上、本プリテンショナ10の初期状態と称する。このプリテンショナ10の初期状態で、ワイヤ44の長手方向中間部(すなわち、本実施の形態では、ワイヤガイド78と係止ピン76との間)でワイヤ44が支持シャフト54の上方(シート14の上下方向に沿った支持シャフト54の上方)を通過するように、シートクッションフレーム38における支持シャフト54の位置や、保持プレート56における係止ピン76の位置、更に、プリテンショナ本体16の設置位置等が設定されている。
一方、支持シャフト54よりもシート14の後方側には押圧手段を構成する押圧部材としてのプッシュバー82が設けられている。プッシュバー82の長手方向基端側にはシート14の幅方向に沿ってプッシュバー82を貫通するように支持シャフト84が設けられている。支持シャフト84はシート14のシートバック(背凭れ)86をリクライニングさせる際のシートバック86の回動中心から離れた位置で、シートバック86を支持するシートバックフレーム88の側部に保持されており、シート14の幅方向を軸方向とする軸周りにプッシュバー82を回動自在に支持している。
また、プッシュバー82の長手方向中間部の近傍にはプッシュバー82と共に押圧手段を構成するリンクプレート90が設けられている。リンクプレート90は厚さ方向が概ねシート14の幅方向に沿った細幅板状に形成されており、その長手方向基端部近傍にてシート14の幅方向を軸方向とする軸周りに回動自在にシートクッションフレーム38に支持されている。また、リンクプレート90の長手方向先端部近傍は、シート14の幅方向を軸方向とする軸周りに、プッシュバー82に対して相対的に回動自在な状態でプッシュバー82の長手方向中間部に連結されている。
このようにシートバックフレーム88に連結されたプッシュバー82が、シートクッションフレーム38に連結されたリンクプレート90に連結されていることで、支持シャフト84、リンクプレート90、シートクッションフレーム38、及びシートバックフレーム88によりリンク機構が構成されている。このため、シートクッション36に対するシートバック86の回動(リクライニング動作)に連動してプッシュバー82が支持シャフト84周りに回動する。
さらに、プッシュバー82の先端部は支持シャフト54よりも後方でワイヤ44の長手方向中間部の側方に位置している。リンクプレート90がシートクッションフレーム38との連結部分(回動軸)周りの一方へ回動すると、プッシュバー82の先端はワイヤ44の中間部に接近してワイヤ44に当接する。さらに、ワイヤ44の中間部に先端が当接した状態で更にリンクプレート90がシートクッションフレーム38との連結部分周りの一方へ回動すると、プッシュバー82の先端がワイヤ44をシート14の前方側で且つ下方へ押圧してワイヤ44の中間部をその押圧方向へ変位させる(図8参照)。
このように、プッシュバー82からの押圧力でワイヤ44の中間部がシート14の前方側で且つ下方へ一定量した状態では、プッシュバー82の当接部位と係止ピン76に係止された部位との間でワイヤ44が支持シャフト54の下側を通過するように、シートクッションフレーム38における支持シャフト54の位置や、保持プレート56における係止ピン76の位置、プリテンショナ本体16の設置位置の他、プッシュバー82の長さやシートバックフレーム88に対する支持シャフト84の取付位置、更には、リンクプレート90の長さやシートクッションフレーム38に対するリンクプレート90の取付位置等が設定されている。
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。
先ず、シート14への乗員66の着席姿勢に応じた本プリテンショナ10の動作に関して説明する。
(通常着席状態)
乗員66の臀部がシートクッション36の後端部近傍に位置するように乗員66がシート14に深く腰掛けた状態で乗員66がウエビングベルト62を身体に掛け回し、タング64をバックル60に装着した場合には、図4に示されるように、プリテンショナ10は上述した初期状態のままとなる。この状態では、ワイヤガイド78と係止ピン76との間でワイヤ44が支持シャフト54の上方を通過する。
(前方着席状態)
一方、乗員66の臀部がシートクッション36の後端部近傍に位置するように乗員66がシート14に浅く腰掛けた状態で乗員66がウエビングベルト62を身体に掛け回し、タング64をバックル60に装着した場合には、上記の通常着席状態よりもウエビングベルト62のラップベルト70がシート14の前方側で乗員66の腰部に掛かり、ウエビングベルト62が前方側へバックル60を引っ張る。これにより、図6に示されるように、保持プレート56の先端(バックル60が係止された部分の側)がシート14の前方側へ変位するように保持プレート56及びこの状態では保持プレート56と一体の連結シャフト72が支持シャフト54周りの一方(図6における左回り方向)に回動する。
保持プレート56におけるバックル60の係止位置は、その回動中心である支持シャフト54よりもシート14の上方側で且つ前方側に位置している。このため、支持シャフト54周りの一方への保持プレート56の回動は、保持プレート56をシート14の前方側へ変位させるのみならず、シート14の下方側へも変位させる。このように、保持プレート56がシート14の下方側へ変位することで、ワイヤ44の一端の係止部位である係止ピン76も下降する。これにより、支持シャフト54周りの一方へ保持プレート56の一定角度以上回動すると、ワイヤガイド78と係止ピン76との間でワイヤ44が支持シャフト54の下方を通過するようになる。
(リクライニング状態)
また、乗員66がシート14を操作してシートバック86を後方へ倒すと(すなわち、シートバック86をリクライニングさせると)、プッシュバー82を介してシートバックフレーム88に機械的に連結されているリンクプレート90がシートバック86の回動に連動して、その基端側でのシートクッションフレーム38との連結部分周りの一方(図8での右回り方向)へ回動する。
このようにリンクプレート90が回動すると、リンクプレート90の先端部がワイヤ44に接触してワイヤ44をシート14の下方側で且つ前方側へ押圧する。シートバック86が一定角度以上に後方へ回動し、これに連動したリンクプレート90が先端部でワイヤ44の中間部を押圧すると、図9に示されるように、リンクプレート90の先端部と係止ピン76との間でワイヤ44が支持シャフト54の下方を通過するようになる。
以上のように、本プリテンショナ10では、通常着席状態ではワイヤ44の中間部が支持シャフト54の上方を通過するが、前方着席状態やリクライニング状態ではワイヤ44の中間部が支持シャフト54の下方を通過する。次に、上記の各状態での本プリテンショナ10の動作結果を踏まえて、プリテンショナ本体16が作動した際の本プリテンショナ10の動作について説明する。
乗員66がシート14に着座してウエビングベルト62を装着した状態で、例えば、車両が急減速状態になったことを車両に設けられた加速度センサ等の検知手段が検出すると、ECU等の制御手段が着火信号を出力する。この着火信号がガスジェネレータ34内の着火装置に入力されると、着火装置が着火剤を点火させる。さらに、点火された着火剤はガスジェネレータ34内のガス発生剤が点火し、点火されたガス発生剤は短時間で燃焼して、急激にガスを発生させる。
このように発生したガスはガスジェネレータ34からジェネレータ装着部32の基端側に放出される。ジェネレータ装着部32の基端側に放出されたガスはベースカートリッジ30内を通過してシリンダ18内へ流れ込もうとし、このガスの圧力がピストン本体22を押圧してシリンダ18のベースカートリッジ30とは反対側(すなわち、図3の矢印A方向)へピストン本体22を摺動させる。このように摺動するピストン本体22はピース46をシリンダ18のベースカートリッジ30とは反対側(すなわち、図3の矢印A方向)へ押圧する。ピストン本体22に押圧されたピース46はワイヤ44を引っ張る。
ワイヤ44の一端は保持プレート56の係止ピン76に係止されているので、ピース46に引っ張られたワイヤ44は保持プレート56を引っ張る。この状態では、保持プレート56とアンカプレート52とがシェアピン74により連結シャフト72周りの相対回動が不能とされているので、ワイヤ44に引っ張られた保持プレート56は支持シャフト54周りに回動しようとする。
ここで、本プリテンショナ10では上記のように通常着席状態と前方着席状態及びリクライニング状態とでは、この状態での保持プレート56の回動中心である支持シャフト54に対する通過位置が異なるため、ワイヤ44に引っ張られた保持プレート56が回動しようとする向きが通常着席状態と前方着席状態及びリクライニング状態とで異なる。以下、通常着席状態、前方着席状態、及びリクライニング状態で分けて本プリテンショナ10の動作について説明する。
(通常着席状態の場合)
図4に示されるように、上記の通常着席状態では、ワイヤガイド78と係止ピン76との間でワイヤ44が支持シャフト54の上方を通過する。このため、この支持シャフト54よりもシート14の前方側で且つ上方側の係止ピン76にワイヤ44からの引っ張り力が付与されると、保持プレート56は支持シャフト54周りに図4の右回り方向へ回動しようとする。係止ピン76は支持シャフト54よりも前方側で且つ上方側に位置するので、図4の右回り方向に保持プレート56が回動することで、保持プレート56の先端側(すなわち、バックル60が係止された部分)はシート14の後方側で且つ上方側へ移動することになる。
次いで、ワイヤ44はピース46に引っ張られることで係止ピン76をワイヤガイド78に接近させようとする。但し、支持シャフト54周りの回動でシート14の後方側のみならず上方側へ保持プレート56が移動すると係止ピン76がワイヤガイド78から遠ざかる。本来、保持プレート56は連結シャフト72を軸にアンカプレート52に対して回動可能に連結されているので、上記の状態で係止ピン76を介してワイヤ44が保持プレート56を引っ張ると、アンカプレート52に対して保持プレート56が連結シャフト72周りに回動しようとし、これにより、機械的強度が弱いシェアピン74にせん断応力が集中する。
このようにシェアピン74にせん断応力が集中すると、シェアピン74が破断され、アンカプレート52に対する保持プレート56の連結シャフト72周りの回動が許容される。このようにアンカプレート52に対する回動が許容された保持プレート56は、図5に示されるように、ワイヤ44からの引張力により支持シャフト54周りのアンカプレート52の回動方向とは反対方向に連結シャフト72周りにアンカプレート52に対して回動する。
これにより、支持シャフト54周りに図4の右回り方向へバックル60が回動することに伴うバックル60の上動が防止されるうえ、ワイヤ44からの引っ張り力でバックル60はシート14の後方側へ引っ張られて移動しながらもシート14の下方側へ移動する。このように、本プリテンショナ10では、図4に示されるような通常着席状態でプリテンショナ本体16が作動すると、バックル60が主にシート14の後方側へ移動させられるので、乗員66の身体はウエビングベルト62、特に、ショルダベルト68によって更にシートバック86に押し付けられるように拘束され、例えば、車両急減速時の慣性により乗員66の上体が前方へ移動することを防止又は効果的に抑制できる。
(前方着席状態の場合)
図6に示されるように、上記の前方着席状態では、ワイヤガイド78と係止ピン76との間でワイヤ44が支持シャフト54の下方を通過する。このため、この支持シャフト54よりもシート14の前方側で且つ上方側の係止ピン76にワイヤ44からの引っ張り力が付与されると、保持プレート56は支持シャフト54周りに図6の左回り方向へ回動しようとする。係止ピン76は支持シャフト54よりも前方側で且つ上方側に位置するので、図6の左回り方向に保持プレート56が回動することで、保持プレート56の先端側(すなわち、バックル60が係止された部分)はシート14の下方側で且つ前方側へ移動することになる。
次いで、ワイヤ44はピース46に引っ張られることで係止ピン76をワイヤガイド78に接近させようとする。但し、支持シャフト54周りの回動でシート14の下方側のみならず前方側へ保持プレート56が移動すると係止ピン76がワイヤガイド78から遠ざかろうとする。このため、通常着席状態の場合でも説明したように、係止ピン76を介してワイヤ44が保持プレート56を引っ張ると、アンカプレート52に対して保持プレート56が連結シャフト72周りに回動しようとし、これにより、機械的強度が弱いシェアピン74にせん断応力が集中するとシェアピン74が破断され、アンカプレート52に対する保持プレート56の連結シャフト72周りの回動が許容される。
このようにアンカプレート52に対する回動が許容された保持プレート56は、図7に示されるように、ワイヤ44からの引張力により支持シャフト54周りのアンカプレート52の回動方向とは反対方向に連結シャフト72周りにアンカプレート52に対して回動する。これにより、支持シャフト54周りに図6の左回り方向へバックル60が回動することに伴うバックル60の前方移動が防止されるうえ、ワイヤ44からの引っ張り力でバックル60はシート14の下方側へ引っ張られて移動する。
このように、本プリテンショナ10では、図6に示されるような前方着席状態、すなわち、シート14に乗員66が比較的浅く腰掛けていることで全体的に乗員66の上体が通常着席状態よりも寝た状態でプリテンショナ本体16が作動すると、バックル60が主にシート14の下方側へ移動させられるので、乗員66の身体はウエビングベルト62、特に、ラップベルト70によって更にシートクッション36に押し付けられるように拘束される。このようにしてラップベルト70による特に乗員66の腰部の拘束を高めることでできることで、車両急減速時に乗員66の身体がシートクッション36に沈み込む所謂「サブマリン現象」を防止又は効果的に抑制できる。
(リクライニング状態の場合)
図8に示されるように、上記のリクライニング状態では、プッシュバー82の先端が上後方からワイヤ44の中間部を下前方へ押圧し、これにより、プッシュバー82が当接している部分と係止ピン76との間でワイヤ44が支持シャフト54の下方を通過する。このため、この状態の場合に保持プレート56がワイヤ44に引っ張られると、上述した前方着席状態の場合と同様に、保持プレート56は支持シャフト54周りに図8の左回り方向へ回動する。
さらに、前方着席状態の場合と同様に、保持プレート56がワイヤ44に引っ張られることで、アンカプレート52に対して保持プレート56が連結シャフト72周りに回動しようとするとシェアピン74が破断される。これにより、保持プレート56は、図9に示されるように、ワイヤ44からの引張力で支持シャフト54周りのアンカプレート52の回動方向とは反対方向に連結シャフト72周りにアンカプレート52に対して回動する。
このため、前方着席状態と同様に全体的に乗員66の上体が通常着席状態よりも寝たリクライニング状態でプリテンショナ本体16が作動すると、バックル60が主にシート14の下方側へ移動させられるので、乗員66の身体はウエビングベルト62、特に、ラップベルト70によって更にシートクッション36に押し付けられるように拘束される。このようにしてラップベルト70による特に乗員66の腰部の拘束を高めることでできることで、車両急減速時に乗員66の身体がシートクッション36に沈み込む所謂「サブマリン現象」を防止又は効果的に抑制できる。
以上のように、本プリテンショナ10では、通常着席状態と前方着席状態及びリクライニング状態とでバックル60を強制移動させる向きを異ならせて、ウエビングベルト62によってシート14での乗員66の着席姿勢に応じた効果的な向きに乗員66の身体をシート14に押し付けて拘束することができる。
しかも、本プリテンショナ10では、ワイヤガイド78と係止ピン76又はプッシュバー82の先端との間における支持シャフト54に対するワイヤ44が上方を通過しているか、下方を通過しているかで支持シャフト54周りの保持プレート56の回動方向が決まる。すなわち、ワイヤガイド78と係止ピン76又はプッシュバー82の先端との間における支持シャフト54に対するワイヤ44の通過位置が、支持シャフト54の上方(又は下方)であれば、回動開始前の保持プレート56の傾きの角度に関わらず同じ方向へ回動し、バックル60を同じ向きに引っ張る。このため、回動開始前の保持プレート56の傾きの角度等に応じたバックル60を引っ張る向きの調整をしなくても、好ましい向きへバックル60を引っ張ることができる。
さらに、支持シャフト54に対するワイヤ44の通過位置を変えるだけでウエビングベルト62が乗員66をシート14に押し付ける向きを変えることができるので、構成も簡単でコストも安価である。
また、前方着席状態の場合には、バックル60にタング64を装着することに伴う支持シャフト54周りのアンカプレート52及び保持プレート56の回動で支持シャフト54に対するワイヤ44の通過位置を変更でき、リクライニング状態の場合には、シートバック86を倒すことに機械的に連動してプッシュバー82の先端部がワイヤ44を押圧してワイヤ44の中間部を変位させる。このように、本プリテンショナ10では、支持シャフト54に対するワイヤ44の通過位置を変えるにあたりモータやソレノイド等の駆動力が不要であるので、モータやソレノイド等を制御するためのECU等の制御装置も不要であり、この意味でもコストを安価にできる。
なお、本実施の形態では、保持プレート56にバックル60を係止した構成であったが、例えば、ウエビングベルト62の先端側を保持プレート56に係止して、プリテンショナ本体16が作動することでワイヤ44に生じた張力により、保持プレート56を介してウエビングベルト62の先端側を引っ張ってシート14の後方側や下方側へ移動させる構成としても構わない。
また、本実施の形態では、アンカプレート52と保持プレート56とを連結シャフト72で連結した構成であったが、保持手段としてのアンカ機構50をアンカプレート52と保持プレート56の複数部品に分割する構成に限定されるものではない。例えば、細幅板状の一本の板材の長手方向中間部よりも一端側をアンカプレート52に相当する部位として、この板材の長手方向中間部よりも一端側を保持プレート56に相当する部位とし、更に、長手方向中間部の所定部位に、一端側及び他端側よりも機械的強度が低い脆弱部を係止して、この脆弱部を中心とする一端側に対する他端側の回動が、シェアピン74の破断後における連結シャフト72周りのアンカプレート52に対する保持プレート56の回動となるような構成としてもよい。
さらに言えば、本実施の形態では、アンカプレート52と保持プレート56とを連結シャフト72で連結し、保持プレート56が回動した際に、保持プレート56とは反対向きにアンカプレート52が回動することで保持プレート56が回動した際のバックル60の向きの変化を抑制できる構成であったが、基本的には保持プレート56が回動すれば、バックル60を後方又は下方へ移動させることができる。したがって、この意味では(すなわち、請求項1に記載の本発明の観点からすれば)、保持手段としてのアンカ機構50をアンカプレート52と保持プレート56とに分けずに、保持プレート56だけでアンカ機構50を構成しても構わない。
また、図10に示されるように、支持シャフト54周りの一方へ保持プレート56を付勢する引っ張りコイルばね102等の付勢手段を更に設けてもよく、このような構成とした場合では、例えば、支持シャフト54と係止ピン76とを結ぶ仮想直線上にワイヤ44が重なった状態でプリテンショナ本体16が作動してワイヤ44が引っ張られると、引っ張りコイルばね102(付勢手段)がその付勢方向に保持プレート56を回動させるので、確実に保持プレート56を回動させることができる。
さらに、上記の本実施の形態では、連結手段に可撓性を有するワイヤ44を適用したが、連結手段は可撓性を有していなくてもよく、各々が剛体として把握できるリンクやアーム、ロッド等を用いて連結手段を構成してもよい。以下、剛体として把握できる部材を用いて連結手段を構成した例を本発明の第2の実施の形態として以下に説明する。なお、この第2の実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
<第2の実施の形態の構成>
図11には本実施の形態に係るプリテンショナ120の構成が概略的な側面図により示されている。この図に示されるように、本プリテンショナ120はワイヤ44を備えておらず、代わりに連結手段としての連結機構122を備えている。連結機構122はロッド124を備えている。ロッド124は軸方向がシリンダ18の軸方向に沿った棒状に形成されており、その長手方向中間部よりも一端側はベースカートリッジ30のシリンダ18とは反対側の端部からベースカートリッジ30に入り込み、更に、ベースカートリッジ30を通過してシリンダ18の内側へシリンダ18に対して同軸的に入り込んでいる。
詳細な図示は省略するが、シリンダ18の内側でロッド124は前記第1の実施の形態におけるワイヤ44と同様にピストン20を貫通しており、ピストン20を貫通したロッド124の一端部又はその近傍にはピース46が装着されている。すなわち、ロッド124はワイヤ44とは異なり、基本的には剛体として把握でき、可撓性を有していないが、プリテンショナ本体16が作動した際にはシリンダ18の一端側(ベースカートリッジ30とは反対側)へ引き込まれる。
ロッド124の他端(すなわち、ベースカートリッジ30のシリンダ18とは反対側の外部へ突出した方の端部)の側にはロッド124と共に連結機構122を構成する中間アーム126が設けられている。中間アーム126は厚さ方向がシート14の幅方向に沿った細幅板状の部材で、その長手方向一端部はロッド124の長手方向他端部に、シート14の幅方向を軸方向とする軸周りに相対回転自在に連結されている。
この中間アーム126の長手方向他端側(中間アーム126のロッド124とは反対側)には先端アーム128が設けられている。先端アーム128は厚さ方向がシート14の幅方向に沿った細幅板状の部材で、その長手方向一端部は中間アーム126の長手方向他端部に、シート14の幅方向を軸方向とする軸周りに相対回転自在に連結されている。この先端アーム128の長手方向他端部(先端アーム128の中間アーム126とは反対側の端部)は係止ピン76にシート14の幅方向を軸方向とする軸周りに相対回転自在に連結されている。
一方、本プリテンショナ120は前記第1の実施の形態を構成するプッシュバー82を備えておらず、代わりに押圧手段を構成する押圧部材としてのプッシュバー130を備えている。プッシュバー130は厚さ方向がシート14の幅方向に沿った細幅板状の部材とされ、その先端部は中間アーム126及び先端アーム128の双方に対してシート14の幅方向を軸方向とする軸周りに回転自在に中間アーム126と先端アーム128との連結部分に連結されている。
これに対して、プッシュバー130の長手方向基端側には長孔132が形成されている。長孔132はプッシュバー130の厚さ方向に貫通して、長手方向がプッシュバー130の長手方向に沿った孔とされており、更に、長手方向及び貫通方向の双方に対して直交した向きの内幅寸法は支持シャフト84の外径寸法よりも僅かに大きく設定されている。長孔132の内側には支持シャフト84が入り込んでいる。このため、プッシュバー130は支持シャフト84周りに回動可能であると共に、プッシュバー130に長手方向端部に支持シャフト84が当接するまでプッシュバー130の長手方向にプッシュバー130が移動可能となっている。
図11に示されるように、本プリテンショナ120の連結機構122は、シート14に対する乗員66の通常着席状態で、先端アーム128の長手方向中間部がシート14の上下方向に沿った支持シャフト54の上方を通過し、しかも、この状態では、ロッド124、中間アーム126、及び先端アーム128が同軸的(直線的)に並ぶようにロッド124、中間アーム126、及び中間アーム126の各々の長さや、シリンダ18の軸方向の傾き等が適宜に設定されている。
<第2の実施の形態の作用、効果>
(通常着席状態の場合)
以上の本プリテンショナ120では、上記のように通常着席状態で先端アーム128の長手方向中間部がシート14の上下方向に沿った支持シャフト54の上方を通過する。このため、プリテンショナ本体16が作動することでロッド124がシリンダ18の内側へ引き込まれ、これにより、中間アーム126を介して先端アーム128がその長手方向一端側(先端アーム128の中間アーム126の側)引っ張られると、保持プレート56は支持シャフト54を中心に図11の右周り方向に回動させられる。これにより、バックル60は、先ずは、シート14の後方側へ移動させるように回動させられる。
(前方着席状態の場合)
一方、シート14に対して乗員66がシートクッション36の前方側に着席した前方着席状態となることで、バックル60が支持シャフト54周りにシート14の略前方側へ傾動すると、アンカプレート52及び保持プレート56と先端アーム128との連結部分である係止ピン76が支持シャフト54周りに図11の左周りに回動する。これにより、図12に示されるように、先端アーム128の長手方向中間部がシート14の上下方向に沿った支持シャフト54の下方を通過する。このため、プリテンショナ本体16が作動して先端アーム128がその長手方向一端側引っ張られると、保持プレート56は支持シャフト54を中心に図12の左周り方向に回動させられる。これにより、バックル60は、先ずは、シート14の下方側へ移動させるように回動させられる。
(リクライニング状態の場合)
一方、乗員66がシート14を操作してシートバック86を後方へ倒すと(すなわち、シートバック86をリクライニングさせると)、支持シャフト84が長孔132の長手方向に沿い適宜に移動するが、シートバック86を倒す角度が一定の角度を超えると支持シャフト84が長孔132の内周部を押圧して、プッシュバー130をその長手方向先端側へ移動させる。これにより、中間アーム126と先端アーム128との連結部分がシート14の下方に対して前方へ傾斜した向きに押圧される。このプッシュバー130からの押圧力を中間アーム126と先端アーム128との連結部分が受けると、中間アーム126がロッド124との連結部分を中心に図11の左周り方向に回動すると共に、先端アーム128が係止ピン76を中心に図11の右周り方向に回動して、中間アーム126と先端アーム128とがその連結部分にて屈曲する。
さらに、この状態からシートバック86が後方に倒されてリクライニング状態になり、係止ピン76周りの先端アーム128の回動角度が一定の角度を超えると、図13に示されるように先端アーム128の長手方向中間部がシート14の上下方向に沿った支持シャフト54の下方を通過する。したがって、上記の前方着席状態と同様に、プリテンショナ本体16が作動して先端アーム128がその長手方向一端側引っ張られると、保持プレート56は支持シャフト54を中心に図12の左周り方向に回動させられる。これにより、バックル60は、先ずは、シート14の下方側へ移動させるように回動させられる。
以上のように、本実施の形態は連結手段にワイヤ44を用いずに各々が剛体として把握できるロッド124や中間アーム126、先端アーム128を用いているが、通常着席状態、前方着席状態、及びリクライニング状態の各状態で、プリテンショナ本体16が作動した際にはアンカ機構50が前記第1の実施の形態と略同様に動作する。このため、本実施の形態の構成であっても基本的に前記第1の実施の形態と同様の作用を奏し、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態を説明する上で参照した図11から図13の各々では、例えば、プリテンショナ本体16がシート14から下方で且つ後方へ大きく離れていたりするが、これは各々が剛体として把握できるロッド124、中間アーム126、及び先端アーム128を連結手段として適用した場合、その構成や動作等をわかり易くするため、図示を適宜に誇張しているためである。したがって、本実施の形態を実際に車両のシートベルト装置に適用する場合には、車両への搭載等を適宜に考慮したうえで、上記のように動作するように本実施の形態を構成する各部材の寸法等を適宜に設定すればよいことを付言しておく。
本発明の第1の実施の形態に係るプリテンショナを適用したシートベルト装置の要部の構成の概略を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係るプリテンショナを構成の概略を示す斜視図である。 プリテンショナ本体の断面図である。 通常着席状態(初期状態)での本発明に係るプリテンショナの状態を示す側面図である。 プリテンショナ本体が作動した後の状態を示す図4に対応した側面図である。 前方着席状態での本発明に係るプリテンショナの状態を示す図4に対応した側面図である。 プリテンショナ本体が作動した後の状態を示す図6に対応した側面図である。 リクライニング状態での本発明に係るプリテンショナの状態を示す図4に対応した側面図である。 プリテンショナ本体が作動した後の状態を示す図8に対応した側面図である。 保持手段を付勢する付勢手段を用いた変形例を示す図1に対応した斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係るプリテンショナの通常着席状態(初期状態)を示す概略的な側面図である。 前方着席状態でのプリテンショナの状態を示す図11に対応した概略的な側面図である。 リクライニング状態でのプリテンショナの状態を示す図11に対応した概略的な側面図である。
符号の説明
10 プリテンショナ
14 シート(座席)
16 プリテンショナ本体
36 シートクッション(座部)
44 ワイヤ(連結手段、切替手段)
50 アンカ機構(保持手段、切替手段)
54 支持シャフト(取付部)
56 保持プレート(係止部)
60 バックル
62 ウエビングベルト
64 タング
66 乗員
72 連結シャフト(支点部)
82 プッシュバー(押圧部材、押圧手段)
86 シートバック(背凭れ)
90 リンクプレート(押圧手段)
120 プリテンショナ
122 連結機構(連結手段、切替手段)
130 プッシュバー(押圧部材、押圧手段)

Claims (6)

  1. 長尺帯状のウエビングベルトの中間部に設けられたタングが装着されるバックル又は前記ウエビングベルトの先端側が直接又は間接的に係止される係止部と、
    作動することで前記係止部を引っ張るプリテンショナ本体と、
    前記座席上での前記乗員の着座位置に応じて変化する前記タングと前記ウエビングベルトの先端部との間における前記ウエビングベルトの中間部の位置、及び、前記座席を構成する座部に対する背凭れの傾斜角度の少なくとも何れか一方に基づき、前記プリテンショナ本体が前記係止部を引っ張った際の前記係止部の移動方向を切り替える切替手段と、
    を備えるプリテンショナ。
  2. 前記係止部が設けられると共に、前記係止部よりも座席の後方で且つ下方に設定された取付部にて前記座席の幅方向を軸方向とする軸周りに回動可能に前記座席又は車体に支持された保持手段と、
    長尺状に形成されて、前記保持手段の前記係止部側に一端側が係止されると共に、一端側と他端側との間の中間部の前記取付部に対する通過位置を、前記取付部よりも前記座席の上方側及び下方側の何れかの一方から他方へ変更可能な連結手段と、
    を含めて前記切替手段を構成すると共に、
    前記保持手段に対する前記連結手段の一端側の係止位置よりも前記座席の後方で且つ下方に、作動することで前記連結手段の他端側を引っ張る前記プリテンショナ本体を設け、前記プリテンショナ本体が作動することにより前記連結手段に付与した張力で前記取付部周りに前記連結手段の前記通過位置に応じて異なる方向へ前記保持手段を回動させて、前記係止部の移動方向を切り替える請求項1に記載のプリテンショナ。
  3. 前記係止部と前記取付部との間で前記保持手段に支点部を設定し、前記プリテンショナ本体が作動することで前記連結手段に付与された張力により、前記保持手段の前記支点部よりも前記取付部の側に対し、前記保持手段の前記支点部よりも前記係止部の側を前記座席の幅方向を軸方向とする軸周りに回動可能とし、
    更に、前記プリテンショナ本体が作動することで前記連結手段に付与された張力で前記取付部周りに前記取付部と前記支点部との間が回動した際の回動方向とは反対向きに前記支点部と前記係止部との間が前記支点部周りに回動するように前記保持手段における前記連結手段の一端側の係止位置及び前記プリテンショナ本体の位置を設定した請求項2に記載のプリテンショナ。
  4. 前記取付部周り一方への一定角度以上の前記保持手段の回動により、前記取付部よりも前記座席の上方側及び下方側の何れかの一方から他方へ前記連結手段の通過位置が変更するように前記保持手段における前記連結手段の一端側の係止位置及び前記プリテンショナ本体の位置の少なくとも何れかの一方を設定した請求項2又は請求項3に記載のプリテンショナ。
  5. 前記連結手段の一端側と他端側との間の中間部を押圧して、前記取付部よりも前記座席の上方側及び下方側の何れかの一方から他方へ前記連結手段の通過位置を強制的に変位させる押圧手段を備える請求項2から請求項4の何れか1項に記載のプリテンショナ。
  6. 前記座席の座部に対する背凭れの回動に連動して前記連結手段の中間部に接離移動し、前記連結手段に対して接近することで前記連結手段の中間部を押圧し、前記連結手段から離間することで前記連結手段の中間部に対する押圧を解消する押圧部材を含めて前記押圧手段を構成した請求項5に記載のプリテンショナ。
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