JP2010048932A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

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Satoru Akiyama
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剛健 次井
Hiroyuki Tabuchi
浩之 田淵
Shuzo Nakayama
修造 中山
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和幸 花田
Yuuki Kusachi
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Abstract

【課題】ワックス染み出しが少なく、外添剤の付着が均一で、遊離ワックスや遊離外添剤が少ないことから、フィルミングや定着器巻き付き、部材汚染が起こりにくく、濃度ムラやカブリなどが抑制された鮮明な画像が得られる静電荷像現像用トナーを提供する。
【解決手段】バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂、電荷制御剤、着色剤及び離型剤を含む粉体を、熱気流中での浮遊状態における加熱架橋処理により、平均円形度が0.920〜0.980になるように球形化して得られたトナー母粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記電荷制御剤が、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物を少なくとも含むものであり、かつ前記離型剤として、融点60〜110℃の低融点ワックスを、前記トナー母粒子中に0.5〜8.0質量%の割合で含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ワックス染み出しが少なく、外添剤の付着が均一で、遊離ワックスや遊離外添剤が少ないことから、フィルミングや定着器巻き付き、部材汚染が起こりにくく、濃度ムラやカブリなどが抑制された鮮明な画像が得られる静電荷像現像用トナー、及びその製造方法に関するものである。
電子写真方式を利用した画像形成方法においては、感光体を一様に帯電させ、次いで感光体を露光して露光部分の電荷を消散させることにより静電荷的な潜像を形成し、静電荷像にトナーを付着させることにより可視化して現像し、可視化像を紙などの材料に転写し、転写された像を加熱などの手段により定着させる。このような方式に用いられる上記トナーは、静電荷像現像用トナーと呼ばれる。
ところで、最近のフルカラーの画像形成装置には、中間転写体を有する機種が多く、トナーの転写性能が重要となってきている。したがって、従来の混練粉砕トナーのような角ばった形状の粒子では、感光体や中間転写体との接触面積が大きくなり、トナーの付着力が大きいため、転写性の点で不利となる。さらに、現像ローラー上でもトナーの付着性が大きくなるために帯電量が不均一となり、適正な画像濃度が得られなかったり、白紙部のカブリが発生することがある。
一方、2本のローラー間で加熱定着を行う定着装置で定着する場合には、ホットオフセットや高印字率のフルカラー画像を形成する際に用紙が定着ローラーへ巻き付く、いわゆる定着器巻き付きが発生しやすい。これを回避するためにある一定以上の粘弾性をもつバインダー樹脂が求められる。
また、加熱処理を行う工程においては、バインダー樹脂の粘弾性が高いほど、トナーは熱変形しにくく、その結果加熱温度が上昇し、トナー同士のカップリングの発生も増加するために処理量があがらず加工費が上昇するなどの問題が生じる。
このように、静電荷像現像用トナーにおいては耐ホットオフセット性や耐定着器巻き付き性と加熱処理時の処理量など生産性を両立させることが課題となっている。
特許文献1においては、転写性能や画像濃度の持続性、カブリの抑制など画像品質を向上させる方法として、加熱処理によりトナーを球形化する手段が開示されている。この熱処理球形化方法では、熱処理によりトナーを球形化することで良好な現像ならびに転写特性が得られるが、球形化時にワックスが染み出し、トナー流動性の悪化、帯電不良、フィルミングなどが発生しやすいという問題があった。
このような問題を解決するために、例えば混練時にシリカ粒子を内添することで、ワックスの分散が向上し、熱による球形化処理を行う際にワックスの染み出しを抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献2及び3参照)。しかしながら、この場合、ワックスの含有量が多いと効果が不十分である。
また、ポリエチレンワックスの特性を制限することで、フィルミング、オフセット、ブロッキングを制御する技術が開示されているが(例えば、特許文献4参照)、特にバインダー樹脂がポリエステル系樹脂である場合には、ポリエチレンワックスの分散が難しく、球形化時のワックスのブリードは避けられないという問題がある。また、例えワックスの分子量を低く規定しても、ワックスが染み出すことで、帯電不良やフィルミングなどの問題が発生する。
さらに、球形化処理装置を工夫することにより、ワックスの染み出しを抑制する技術が開示されている(例えば、特許文献5参照)。しかしながら、この技術においても、融点の低いワックスを多量に添加した場合には、ワックスの染み出しを十分に抑制することができない。
一方、特許文献6には、電荷制御剤として、芳香族オキシカルボン酸又はその塩と、ジルコニウムを含む化合物とから得られるジルコニウム化合物を含む電子写真用トナーが開示されている。このトナーにおいては、高帯電量化、カブリの抑制に効果がみられるが、熱処理により球形化せずに円形度が低いトナーでは転写率が低く、要求する画像濃度が得られないという問題がある。
特開2007−199579号公報 特開2007−334118号公報 特開2007−140368号公報 特開2004−85829号公報 特開2000−29241号公報 WO99/12941号パンフレット
本発明は、このような事情のもとで、ワックス染み出しが少なく、外添剤の付着が均一で、遊離ワックスや遊離外添剤が少ないことから、フィルミングや定着器巻き付き、部材汚染が起こりにくく、濃度ムラやカブリなどが抑制された鮮明な画像が得られる静電荷像現像用トナー、及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂と、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物を少なくとも含む電荷制御剤と、着色剤と、特定量の低融点ワックスとを含有する粉体を、平均円形度が特定の範囲になるように、浮遊状態で加熱架橋処理することにより得られたトナー母粒子を含有するトナーにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂、電荷制御剤、着色剤及び離型剤を含む粉体を、熱気流中での浮遊状態における加熱架橋処理により、平均円形度が0.920〜0.980になるように球形化して得られたトナー母粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記電荷制御剤が、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物を少なくとも含むものであり、かつ前記離型剤として、融点60〜110℃の低融点ワックスを、前記トナー母粒子中に0.5〜8.0質量%の割合で含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー、
[2]トナー母粒子の断面を透過型電子顕微鏡で観察した際に、表面に存在するワックスの粒子界面部の長さ/トナー粒子の周長比が、トナー母粒子50個の平均で0.3未満である上記[1]項に記載の静電荷像現像用トナー、
[3]芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物のトナー母粒子中の含有量が、0.1〜5.0質量%である上記[1]又は[2]項に記載の静電荷像現像用トナー、
[4]芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩が、サリチル酸又はその塩である上記[1]〜[3]項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー、
[5]低融点ワックスがエステル系ワックスである上記[1]〜[4]項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー、
[6]電荷制御剤が、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物以外に、少なくとも1種の他の電荷制御剤を含む上記[1]〜[5]項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー、及び
[7]バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂、電荷制御剤、着色剤及び離型剤を含む粉体を、熱気流中での浮遊状態における加熱架橋処理により、平均円形度が0.920〜0.980になるように球形化して、トナー母粒子を調製する工程を含み、かつ前記電荷制御剤として、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物を少なくとも用いることを特徴とする上記[1]〜[6]項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法、
を提供するものである。
本発明によれば、ワックス染み出しが少なく、外添剤の付着が均一で、遊離ワックスや遊離外添剤が少ないことから、フィルミングや定着器巻き付き、部材汚染が起こりにくく、濃度ムラやカブリなどが抑制された鮮明な画像が得られる静電荷像現像用トナー、及びその製造方法を提供することができる。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単にトナーと称することがある。)は、バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂、電荷制御剤、着色剤及び離型剤を含む粉体を、熱気流中での浮遊状態における加熱架橋処理により、平均円形度が0.920〜0.980になるように球形化して得られたトナー母粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記電荷制御剤が、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物を少なくとも含むものであり、かつ前記離型剤として、融点60〜110℃の低融点ワックスを、前記トナー母粒子中に0.5〜8.0質量%の割合で含有することを特徴とする。
[トナー母粒子]
本発明の静電荷像現像用トナーは、バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂、電荷制御剤、着色剤及び離型剤を必須成分とするトナー母粒子を含有する。
(ポリエステル系樹脂)
本発明においては、バインダー樹脂として、加熱処理時の形状制御の観点から、ポリエステル系樹脂が用いられる。このポリエステル系樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとを脱水縮合することによって製造することができる。
多塩基酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマール酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類などが挙げられる。これらの多塩基酸は、単独で用いることもでき、2種類以上を併用して用いることもできる。これらの多塩基酸の中でも、芳香族カルボン酸を使用するのが好ましい。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物などの芳香族ジオール類などが挙げられる。これらの多価アルコールは、単独で用いることもでき、2種以上を併用して用いることもできる。これらの多価アルコールの中でも、芳香族ジオール類、脂環式ジオール類が好ましく、芳香族ジオール類がより好ましい。
なお、多価カルボン酸と多価アルコールとの縮重合によって得られたポリエステル系樹脂に、さらにモノカルボン酸、及び/又はモノアルコールを加えて、重合末端のヒドロキシル基、及び/又はカルボキシル基をエステル化し、ポリエステル系樹脂の酸価を調整することができる。このような目的で用いるモノカルボン酸としては、例えば、酢酸、無水酢酸、安息香酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、無水プロピオン酸などが挙げられる。また、モノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、トリフルオロエタノール、トリクロロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール、フェノールなどが挙げられる。
ポリエステル系樹脂は、上記多価アルコールと多価カルボン酸とを常法に従って縮合反応させることにより、製造することができる。例えば、上記多価アルコールと多価カルボン酸とを、窒素等の不活性ガスの存在下で、通常150〜250℃程度に加熱し、副生する低分子化合物を連続的に反応系外に除去し、所定の物性値に達した時点で反応を停止させ、冷却することにより、目的とする反応物を得ることができる。
このようなポリエステル系樹脂の製造は、触媒を添加して行うこともできる。使用するエステル化触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキシドなどの有機金属や、テトラブチルチタネートなどの金属アルコキシド等が挙げられる。また、使用するカルボン酸成分が低級アルキルエステルである場合には、エステル交換触媒を使用することができる。エステル交換触媒としては、例えば、酢酸亜鉛、酢酸鉛、酢酸マグネシウムなどの金属酢酸塩;酸化亜鉛、酸化アンチモンなどの金属酸化物;テトラブチルチタネートなどの金属アルコキシド、等が挙げられる。触媒の添加量については、原材料の総量に対して0.01〜1質量%の範囲とするのが好ましい。
本発明においては、好ましいポリエステル系樹脂として、例えば、芳香族ジカルボン酸とアルキレンエーテル化ビスフェノールAとの重縮合ポリエステルなどを挙げることができる。
このポリエステル系樹脂は、酸価が2〜25mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。この酸価が上記範囲にあると、後述の電荷制御剤として用いられる芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物のバインダー樹脂に対するなじみがよく、分散性に優れ、該反応生成物のトナー母粒子からの脱落が防止され、帯電均一化と、帯電の耐久安定性を得ることができる。該酸価が25mgKOH/gを超えると、高湿下での帯電安定性が低下するおそれが生じる。より好ましい酸価は2〜15mgKOH/gの範囲である。
また、当該ポリエステル系樹脂のフロー軟化温度T1/2は100〜150℃の範囲にあることが好ましい。このフロー軟化温度が100℃未満では、ホットオフセットや定着器巻き付きが発生しやすく、一方150℃を超えると、球形化処理時の温度が上昇し、生産性の低下や定着不良が発生するおそれが生じる。前記フロー軟化温度T1/2は120〜140℃の範囲にあることがより好ましい。また、ガラス転移温度(Tg)は40〜75℃であることが好ましい。
なお、前記フロー軟化温度T1/2は、以下のようにして測定した値である。
<フロー軟化温度T1/2の測定>
JIS K 7199に規定するキャピラリーレオメータを用い、シリンダ内径11.329mm、キャピラリーダイ内径1mm、長さ1mmとし、シリンダ内に樹脂1.0gを充填し、ピストンに荷重98Nをかけ、50℃から5℃/分で昇温し、充填された樹脂の2分の1が流出したときの温度を、フロー軟化温度T1/2とする。
(電荷制御剤)
<有機ジルコニウム化合物>
本発明においては、電荷制御剤として、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物(以下、有機ジルコニウム化合物と略称することがある。)を、少なくとも用いることが必要である。
前記電荷制御剤として、この有機ジルコニウム化合物を用いることで、バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂、電荷制御剤、着色剤、及び離型剤を含む粉体の球形化処理時において、該有機ジルコニウム化合物と、バインダー樹脂であるポリエステル系樹脂のカルボン酸との加熱架橋が生じる。球形化時の架橋は、トナー母粒子の表面近傍で起こりやすく、その結果得られるトナー母粒子の表面が増粘し、ワックスの染み出しが抑制され定着時の耐ホットオフセット性やヒートローラーへの耐巻き付き性が向上するものと考えられる。
本発明においては、トナー母粒子中の当該有機ジルコニウム化合物の含有量は、0.1〜5.0質量%の範囲が好ましく、0.1〜3.0質量%の範囲がより好ましく、0.3〜2.0質量%の範囲がさらに好ましい。この含有量が0.1質量%未満では、球形化時の架橋が充分に進行せず、ワックスの染み出しを抑制しにくい。一方、5.0質量%を超えると、バインダー樹脂との架橋が進みすぎ、バインダー樹脂の弾性が高くなることで、定着性の低下や、球形化処理時の生産性の低下を招くおそれが生じる。
当該有機ジルコニウム化合物の原料の1つとして用いられる芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩としては、例えば下記一般式(1)
Figure 2010048932
(式中、Arは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、Mは水素原子又はアルカリ金属、Rは炭素数1〜3のアルキル基を示す。)
で表される化合物を挙げることができる。
前記一般式(1)において、Arで示される置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいベンゼン−1,2−ジイル基及びナフタレン−2,3−ジイル基などを挙げることができる。また、該置換基としては、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基若しくはアルケニル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基などを挙げることができ、これらは芳香環上に1つ以上導入されていてもよい。
また、Mのうちのアルカリ金属としてはナトリウム、カリウムなどが挙げられ、Rで示される1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基を挙げることができる。
前記一般式(1)で表される芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩の具体例としては、サリチル酸、3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸、5−メトキシサリチル酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、3,5−ジイソプロポキシサリチル酸、3,5−ジ−t−ブチル−2−メトキシ安息香酸、6−ブチル−2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸、3−t−ブチル−2−メトキシ−5−メチル安息香酸、3,5−ジクロロサリチル酸及びそれらのナトリウム塩やカリウム塩などを挙げることができる。
本発明においては、これらの中で、サリチル酸又はそのナトリウム塩やカリウム塩を好ましく挙げることができる。一方、前記の芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と反応させる含ジルコニウム化合物としては、例えばZrOCl2、ZrOF2、ZrOBr2などのオキシハロゲン化ジルコニウム、あるいはZr(i−Pro)4(i−Pro=イソプロポキシ基)などのテトラアルコキシジルコニウムなどを用いることができる。
含ジルコニウム化合物として、前記オキシハロゲン化ジルコニウムを用いる場合には、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩1モルに対して、4/5モルのジルコニウム原子が導入されてなる、下記一般式(2)
Figure 2010048932
(式中、Lは、芳香族ヒドロキシカルボン酸におけるカルボキシル基の水素原子を除いた残基を示す。)
で表される有機ジルコニウム化合物が得られる。
具体的には、水媒体中において、水酸化アルカリ金属の存在下、芳香族ヒドロキシカルボン酸と、化学量論的量より若干過剰のオキシハロゲン化ジルコニウムとを40〜60℃程度で適当な時間反応させたのち、反応物をろ過、水洗、乾燥処理することにより、前記一般式(2)で表される有機ジルコニウム化合物を得ることができる。一方、含ジルコニウム化合物として、前記テトラアルコキシジルコニウムを用いる場合には、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩1モルに対して、1/4モルのジルコニウム原子が導入されてなる、下記一般式(3)
Figure 2010048932
(式中、Lは前記と同じである。)
で表される有機ジルコニウム化合物が得られる。
具体的には、トルエンなどの適当な有機溶媒中において、芳香族ヒドロキシカルボン酸と、化学量論的量より若干過剰のテトラアルコキシジルコニウムとを、100〜150℃程度の温度で適当な時間反応させたのち、反応物をろ過、洗浄、乾燥することにより、前記一般式(3)で表される有機ジルコニウム化合物を得ることができる。
<その他電荷制御剤>
本発明においては、電荷制御剤として、前記有機ジルコニウム化合物以外に、少なくとも1種の他の電荷制御剤を含むことができる。前記有機ジルコニウム化合物以外の他の電荷制御剤としては、例えば、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ヒドロキシカルボン酸、他の含金属サリチル酸系化合物、ホウ素錯体化合物、カリックスアレーンなどを挙げることができる。
トナー母粒子に、このような電荷制御剤を含有させることにより、静電荷像現像用トナーの帯電特性を安定させ、カブリの発生を防止することができる。
本発明においては、電荷制御剤として、前記有機ジルコニウム化合物を1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、この有機ジルコニウム化合物1種以上と、前記のその他電荷制御剤1種以上とを併用してもよい。
当該電荷制御剤の配合量は、その種類にもよるが、前述のバインダー樹脂100質量部に対して、トナーの帯電特性を安定させ、カブリの発生を防止する観点から、通常0.2〜3.0質量部程度、好ましくは0.5〜2.0質量部である。
(着色剤)
本発明で用いる着色剤に特に制限はなく、無機又は有機の各種の顔料、染料などを用いることができる。黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、四三酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラックなどを挙げることができる。黄色顔料としては、例えば、パーマネントイエロー、クロムイエロー、キノリンイエロー、ベンジジンイエロー、黄色酸化鉄、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ソルベント・イエロー162などを挙げることができる。赤色顔料としては、例えば、ベンガラ、レーキレッド、ローダミン6B、キナクリドン、カーミン6B、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド184などを挙げることができる。青色顔料としては、例えば、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、アニリンブルー、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3などを挙げることができる。本発明において、静電荷像現像用トナー中の着色剤の含有量は1〜20質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることがより好ましい。着色剤の含有量が1質量%未満であると、必要な画像濃度が得られないおそれがある。着色剤の含有量が20質量%を超えると、トナーの定着性が低下するおそれがある。
(離型剤)
本発明において、トナー母粒子に用いる離型剤は、熱ロール定着時の離型性を良くする目的で使用されるものである。本発明においては、この離型剤として、融点が60〜110℃の範囲にある低融点ワックスを用いる。この融点が60℃未満では、高温下での保存時に、トナー母粒子同士の凝集が発生するおそれがあり、110℃を超えると離型剤としての効果が低下する。好ましい融点は70〜100℃である。
当該低融点ワックスの種類に特に制限はなく、例えばカルナウバワックス、ライスワックスなどの植物ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックス、モンタンワックス、キャンデリアワックスなどの鉱物ワックス、カーボワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレン−プロピレン共重合体ワックス、塩素化ナフタレンワックスなどの合成ワックス、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの高級アルコール、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドなどのアミド系ワックス、脂肪酸エステル、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレートなどの多価アルコールエステル、シリコーンワニスなどの中から、融点が60〜110℃の範囲にあるものを適宜選ぶことができる。これらのワックスは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできるが、バインダー樹脂に対する分散性が良好で、離型剤としての効果が高い観点から、エステル系ワックスが好適である。
エステル系ワックスとしては、例えば多価アルコールと長鎖モノカルボン酸から得られる合成エステルワックス類、カルナウバワックス、ライスワックスなどの天然エステル系ワックス類等を挙げることができる。
前記低融点ワックスの融点は示差走査熱量計(DSC)を用いる分析において、10℃/分で昇温したときの吸熱ピーク温度として求めることができる。
本発明においては、トナー母粒子中の低融点ワックスの含有量は、0.5〜8.0質量%であることを要し、1.0〜7.0質量%であることが好ましい。この低融点ワックスの含有量が0.5質量%未満であると、トナーの低温定着性が不充分となるおそれがある。低融点ワックスの含有量が8質量%を超えると、製造工程において粒子の付着や堆積が生じやすい、特に熱処理球形化の際にトナー表面にワックス成分が染み出しやすくなり、トナーの帯電性能を低下させる。また、トナーの流動性や保存性が低下するおそれがある。
本発明においては、トナー母粒子(球形化処理後)の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察した際に、表面に存在するワックスの粒子界面部の長さ/トナー粒子の周長比(以下、ワックス表面顕在率と称することがある。)が、トナー母粒子50個の平均で0.3未満であることが好ましい。このワックス表面顕在率が0.3以上であると、フィリミングやキャリア汚染が発生するおそれが生じる。このワックス表面顕在率は0.25以下であることがより好ましい。
図1は、トナー母粒子断面のTEM観察による模式図であって、1はトナー、2はトナーの粒子表面部を示し、その全長が周長であり、3はワックスの粒子、4はワックスの粒子界面部を示す。例えば、トナー粒子の表面部2の全長が30μm、ワックスの粒子界面部4の長さを5μmとすると、ワックス表面顕在率は5/30=0.167となる。
(任意成分)
本発明におけるトナー母粒子には、前述のバインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂、電荷制御剤、着色剤及び離型剤以外に、シリカ粉末などを含有させることができる。
<シリカ粉末>
トナー母粒子にシリカ粉末を含有させることにより、バインダー樹脂と親和性の低いワックスがシリカ粒子の凝集体に吸着され、バインダー樹脂中に均一に分散し、トナー粒子の表面への染み出しが抑制される。その結果、粉砕されたトナー粒子の流動性が向上し、製造装置内での付着と堆積が防止される。
本発明に用いるシリカ粉末の平均一次粒子径は0.005〜0.02μmであることが好ましく、0.007〜0.016μmであることがより好ましい。
このシリカ粉末に特に制限はなく、例えば、乾式法シリカ、湿式沈降法シリカ、湿式ゲル法シリカなどを挙げることができる。また、多数のシラノール基を有する親水性シリカ、シラノール基のトリメチルシリル化やシリコーンオイルなどにより疎水化処理した疎水性シリカのいずれをも用いることができる。これらの中で、疎水性シリカは、バインダー樹脂との親和性が大きいので、特に好適に用いることができる。
トナー母粒子中のシリカ粉末の含有量は、通常0.25〜5質量%程度である。シリカ粉末の含有量が0.25質量%未満であると、ワックスを吸着し保持する効果が十分に発現しないおそれがある。シリカ粉末の含有量が5質量%を超えると、トナーの定着性が阻害されると共に、カラートナーの場合は、トナーの透明性が低下するおそれがある。
内添剤として好ましい疎水性シリカ粉末の材料としては、四塩化ケイ素などのハロゲン化シランを、蒸気相酸化により生成され、ヒュームドシリカと称せられる乾式シリカ粉末、及び水ガラスなどから製造されるいわゆる湿式シリカ粉末のいずれも使用することができるが、表面及び内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3 -などの製造残渣の少ない乾式シリカ粉末が好ましい。
上記シリカ粉末の疎水化処理に用いられる処理剤としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラザン化合物、環状ジメチルシロキサン、シランカップリング剤などを挙げることができる。これらの中で、シリコーンオイル、シラザン化合物、環状ジメチルシロキサン、シランカップリング剤が好ましい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが、シラザン化合物としては、例えばヘキサメチルジシラザンなどが、環状ジメチルシロキサンとしては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどが挙げられる。シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
(トナー母粒子の作製)
本発明においては、トナー母粒子は、以下に示す方法によって作製することができる。
まず、バインダー樹脂、着色剤、電荷制御剤、離型剤及び所望によりシリカ粉末を溶融混練する。この溶融混練する方法に特に制限はなく、例えば、これらの材料をリボン型混合機、二重円錐型混合機、高速混合機、円錐型スクリュー混合機などを用いてあらかじめ混合したのち、バンバリーミキサー、二軸混練押出機などを用いて溶融混練することができる。
溶融混練物は、冷却後、粉砕される。用いる粉砕機としては、例えば、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャーなどの衝撃式粉砕機、ロッドミル、ボールミルなどの打撃式粉砕機、カウンタージェットミルなどの圧縮空気源を利用したジェット式粉砕機などを挙げることができる。粉砕された粒子は、分級することにより粗粒子と微粒子を除いて粒径分布の狭いトナー粒子とすることが好ましい。分級する方法に特に制限はなく、例えば、気流式分級装置などを用いて分級することができる。
本発明においては、分級により粒径分布が狭められた粉体をトナー母粒子として、浮遊状態で加熱処理することにより、粒子を球形化する。加熱処理に際しては、あらかじめシリカ粉末、好ましくは疎水性シリカ粉末を流動化剤として外添することにより、球形化工程の生産性を向上することができる。外添シリカの添加量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.1〜8質量部であることが好ましく、0.5〜6質量部であることがより好ましい。トナー母粒子を加熱処理する手段としては、本発明においては、熱気流中にトナー母粒子を分散させて表面を溶融させて球形化する熱風球形化装置などを用いることができる。加熱処理により、トナー粒子の平均円形度を0.920〜0.980の範囲にする。
この平均円形度が0.920未満では、トナーの転写性が低下したり、現像ローラー上で充分に帯電しないまま搬送されることで、カブリが発生したりする。一方、平均円形度が0.980を超えると、感光体あるいは中間転写体に付着したトナー粒子のクリーニングブレードによる掻き取りが困難となるおそれが生じる。好ましい平均円形度は0.945〜0.970である。なお、平均円形度の測定方法については後で説明する。
前記加熱処理において、電荷制御剤として用いられる前述した有機ジルコニウム化合物と、バインダー樹脂として用いられるポリエステル系樹脂のカルボン酸との加熱架橋が生じ、その結果得られるトナー母粒子が増粘し、定着時の耐ホットオフセット性やヒートローラーへの耐巻き付き性が向上する。
加熱処理により球形化したトナー粒子には、最終外添剤として、疎水性シリカ、酸化チタンなどの無機酸化物の微粒子や、ポリメタクリル酸メチルなどの有機樹脂微粒子を添加して、トナーの帯電特性や流動性の調整を行うことが好ましい。最終外添剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して0.1〜6質量部であることが好ましく、0.3〜5質量部であることがより好ましい。
本発明はまた、バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂、電荷制御剤、着色剤及び離型剤を含む粉体を、熱気流中での浮遊状態における加熱架橋処理により、平均円形度が0.920〜0.980になるように球形化して、トナー母粒子を調製する工程を含み、かつ前記電荷制御剤として、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物を少なくとも用いることを特徴とする、前述した本発明の静電荷像現像用トナーを製造する方法をも提供する。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における諸特性は、下記の方法に従って求めた。
(1)球形化トナー母粒子の平均円形度
フロー式粒子像分析装置[シスメックス(株)製、「FPIA−2100」]を用いて、円相当径3μm以上の粒子の平均円形度を求める。
円形度=(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の周長)/(粒子投影図の輪郭長さ)
(2)フロー軟化温度T1/2
明細書本文記載の方法に従って測定する。
(3)THF不溶分
トナーバインダー樹脂のテトラヒドロフラン(THF)不溶分を、以下に示す方法に従って測定する。
内径3.5cmの円筒状のガラスろ過器「1GP100」[柴田科学社製]に、「セライト545」[キシダ化学社製]を2g入れ、セライト545の層の高さが変化しなくなるまで、ガラスろ過器をコルク台に軽くたたきつけた。この操作を4回繰り返して、セライト545の層の高さがフィルター面から2cmとなるようにガラスろ過器へセライト545を充填した。このセライト545が充填されたガラスろ過器を105℃で3時間以上乾燥させて、その重さを秤量した(Yg)。次いで、サンプル約0.5gを三角フラスコ内に入れて精秤し(Xg)、次いでTHF50mLを加え、70℃のウォーターバスにて3時間加熱してサンプルを溶解させた。この溶液を上記セライト545が充填されたガラスろ過器へ投入し、吸引ろ過した。THF不溶分を捕捉したガラスろ過器を80℃で3時間以上乾燥させて、その重さを秤量し(Zg)、以下の式に従って、THF不溶分を算出した。
THF不溶分=[(Z−Y)/X]×100(質量%)
なお、このTHF不溶分は、ポリエステル樹脂中の架橋している成分量の目安となる。
(4)トナー母粒子のワックス表面顕在率
明細書本文記載の方法に従って測定する。
(5)定着性
ベタ印刷面にセロハン粘着テープを貼着したのち剥離し、剥離前後の画像濃度をマクベス濃度計[マクベス社]で測定し、次式により定着性を算出する。
定着性 =(テープ剥離後の濃度/テープ剥離前の濃度)×100(%)
○:93.0%以上
△:90.0%以上93.0%未満
×:90.0%未満
(6)定着器巻き付き性
用紙の定着器巻き付き性を、下記の基準で評価した。
○:良好
△:実用上問題ない
×:不良
(7)カブリ性
目視により、下記の基準で評価した。
○:良好
△:実用上問題ない
×:不良
(8)画像濃度
マクベス濃度計[マクベス社、RD−19]を用いて測定する。
○:1.11以上(良好)
△:1.05以上1.11未満(実用上問題ない)
×:1.05未満(不良)
(9)転写不良
転写工程で発生する文字の中抜けを目視により観察する。
○:良好
△:実用上問題ない
×:不良
(10)フィルミング
目視により、下記の基準で評価した。
○:良好
△:実用上問題ない
×:不良
実施例1
ポリエステル樹脂(Tg:61℃、フロー軟化温度T1/2:140℃)86.0質量部、カーボンブラック[キャボット社製、商品名「Black Pearls L」]5.0質量部、電荷制御剤[保土ヶ谷化学社製、商品名「TN105」、サリチル酸ジルコニウム系]1.0質量部と[オリエント工業社製、商品名「E−304」]1.0質量部、離型剤ライスワックス[ボーソー油脂社製、商品名「LAX−N−300A」、DSC吸熱ピーク:80℃]4.0質量部を、二軸押出機で溶融混練(湿練物の温度150℃)したのち、ジェット式粉砕機で体積平均粒径7.5μmに粉砕し、さらに粗粉と微粉を分級装置で分級して、粒度分布がシャープなトナー母粒子を得た。
このトナー母粒子100質量部に疎水性シリカ[キャボット社製、商品名「TS−530」]0.5質量部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合したのち、球形化装置[日本ニューマチック工業(株)製、機種名「SFS−3型」]を用い、熱風温度280℃、で球形化処理し、平均円形度0.960の球形化トナー母粒子を得た。この球形化トナー母粒子の体積平均粒径は8.1μmであった。
この分級トナー粒子100質量部に、酸化チタン粉末(BET:90m2/g)1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合したのち、目開き200メッシュのスクリーンを備えた超音波振動篩いを通すことにより、静電荷像現像用トナーを製造した。
このトナーを用いて、下記のように印字試験を行い、諸特性、すなわち定着器巻き付き性、画像濃度、カブリ性、転写不良、フィルミング及び定着性を評価した。
<印字試験>
2成分現像システムを備えた市販のカラーレーザコピアを用い、ブラックカートリッジに上記トナーを充填して50,000枚の印字試験を行った。
実施例2
実施例1における混練配合で、ライスワックスの量を7.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナーを製造し、印字試験を行い、諸特性を評価した。
実施例3
実施例1における混練配合で、TN−105の量を2.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナーを製造し、印字試験を行い、諸特性を評価した。
比較例1
実施例1における混練配合で、TN−105を用いないこと以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナーを製造し、印字試験を行い、諸特性を評価した。
比較例2
実施例1における混練配合で、ライスワックスの量を9.0質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナーを製造し、印字試験を行い、諸特性を評価した。
比較例3
実施例1における混練配合で、ワックスとして、DSC吸熱ピークが145℃であるポリプロピレンワックス4.0質量部を添加した以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナーを製造し、印字試験を行い、諸特性を評価した。
比較例4
実施例1において、トナー母粒子の球形化処理を行わなかった以外は、実施例1と同様にして、静電荷像現像用トナーを製造し、印字試験を行い、諸特性を評価した。
上記の実施例1〜3及び比較例1〜4における諸特性の評価結果を第1表に示す。
Figure 2010048932
本発明の静電荷像現像用トナーは、ワックス染み出しが少なく、外添剤の付着が均一で、遊離ワックスや遊離外添剤が少ないことから、フィルミングや定着器巻き付き、部材汚染が起こりにくく、濃度ムラやカブリなどが抑制された鮮明な画像を与えることができる。
トナー母粒子断面のTEM観察による模式図である。
符号の説明
1 トナー
2 トナーの粒子表面部
3 ワックスの粒子
4 ワックスの粒子界面部

Claims (7)

  1. バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂、電荷制御剤、着色剤及び離型剤を含む粉体を、熱気流中での浮遊状態における加熱架橋処理により、平均円形度が0.920〜0.980になるように球形化して得られたトナー母粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記電荷制御剤が、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物を少なくとも含むものであり、かつ前記離型剤として、融点60〜110℃の低融点ワックスを、前記トナー母粒子中に0.5〜8.0質量%の割合で含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. トナー母粒子の断面を透過型電子顕微鏡で観察した際に、表面に存在するワックスの粒子界面部の長さ/トナー粒子の周長比が、トナー母粒子50個の平均で0.3未満である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物のトナー母粒子中の含有量が、0.1〜5.0質量%である請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩が、サリチル酸又はその塩である請求項1〜3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 低融点ワックスがエステル系ワックスである請求項1〜4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 電荷制御剤が、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物以外に、少なくとも1種の他の電荷制御剤を含む請求項1〜5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
  7. バインダー樹脂としてのポリエステル系樹脂、電荷制御剤、着色剤及び離型剤を含む粉体を、熱気流中での浮遊状態における加熱架橋処理により、平均円形度が0.920〜0.980になるように球形化して、トナー母粒子を調製する工程を含み、かつ前記電荷制御剤として、芳香族ヒドロキシカルボン酸又はその塩と含ジルコニウム化合物との反応生成物を少なくとも用いることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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