JP2010048362A - 軸連結装置およびトルクリミッタ - Google Patents

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Abstract

【課題】液圧通路の両側にある溶接部が破壊しにくくて、寿命が長くて、信頼性が高い軸連結装置およびトルクリミッタと提供すること。
【解決手段】油圧拡張室26の軸方向の一方側において、第1溶接部60で、第1部70と第2部71とを接合し、油圧拡張室26の軸方向の他方側において、第2溶接部61で、第1部70と第2部71とを接合する。第1溶接部60において、径方向において第1部70と第2部71との間に位置する接合面80は、径方向において油圧拡張室26よりも径方向の外方に位置する一方、第2溶接部61において、径方向において第1部70と第2部71との間に位置する接合面81は、径方向において油圧拡張室26よりも径方向の内方に位置している。
【選択図】図2

Description

本発明は、液圧により筒部材の内周壁あるいは軸部材の外周壁を膨出させて、上記内周壁あるいは上記外周壁を他の部材に圧接して機械的結合を行う軸連結装置に関する。また、本発明は、トルクリミッタに関する。
従来、トルクリミッタとしては、特開昭62−159815号公報(特許文献1)に記載されているものがある。
このトルクリミッタは、軸部材と、この軸部材に外嵌した筒部材とを備え、筒部材は、環状の油圧通路を有する。
上記油圧通路は、軸部材の軸方向に延在している。上記筒部材は、筒状の第1部と、筒状の第2部とを有し、上記第1部の外周面は、油圧通路を介して第2部の内周面に径方向に対向している。
上記第1部と、上記第2部とは、油圧通路の一端に軸方向に隣接する第1箇所および油圧通路の他端に軸方向に隣接する第2箇所で溶接されて接合されている。軸方向の断面において、上記第1箇所および第2箇所の夫々において、溶接部は、軸方向に油圧通路から離れるにしたがって、油圧通路の中心軸を中心として径方向の上下方向の寸法が大きくなるような末広がりの形状を有している。
上記トルクリミッタは、上記環状の油圧通路に油を封入して、油圧通路を径方向に拡張することにより、上記筒部材の第1部の内周面を縮径して、この内周面を軸部材の外周面に押しつけて、筒部材と軸部材とを摩擦結合して、軸部材と軸部材との間でトルクを伝達するようになっている。
上記トルクリミッタは、筒部材と、軸部材との間に、所定以上のトルクが作用して、筒部材に対する軸部材の相対回転が生じた場合、上記油圧通路に連通している油抜き通路の油圧通路側とは反対側の密封された端部が、上記相対回転に起因して破断して、外部に対して開口するようになっている。このようにして、上記油圧通路内の油を外部に排出して、筒部材と軸部材との摩擦結合を解除して、筒部材と軸部材との間のトルクの伝達を遮断するようになっている。
特開昭62−159815号公報(第1図)
上記従来のトルクリミッタにおいては、トルクの伝達時に、油圧通路を径方向に拡張して、筒部材を、軸部材に押圧する構成であるから、トルクの伝達時に、上記油圧通路の両側の溶接部が、常時、股裂き方向である径方向に引っ張り応力を受けることになる。すなわち、上記溶接部の周辺が繰返し加圧による応力振幅を受けることにより、上記溶接部の周辺に疲労が起こって、上記溶接部が破壊することを避けがたい。
そこで、本発明の課題は、液圧通路の両側にある溶接部が破壊しにくくて、寿命が長くて、信頼性が高い軸連結装置を提供することにある。
また、本発明の課題は、液圧通路の両側にある溶接部が破壊しにくくて、寿命が長くて、信頼性が高いトルクリミッタを提供することにある。
この課題を解決するために、この発明の軸連結装置は、
軸部材と、
上記軸部材に外嵌した筒部材と
を備え、
上記筒部材および上記軸部材のうちの一方の部材は、
径方向に対向する環状の第1部と環状の第2部との間に位置して略軸方向に延在すると共に、上記一方の部材の周面を上記筒部材および上記軸部材のうちの他方の部材の周面に押し付けるための環状の液圧通路と、
上記液圧通路の軸方向の一方側において、上記第1部と上記第2部とを接合している第1溶接部と、
上記液圧通路の軸方向の他方側において、上記第1部と上記第2部とを溶接している第2溶接部と
を備え、
上記第1溶接部において、径方向において上記第1部と上記第2部との間に位置する接合部は、径方向において上記液圧通路に対して上記他方の部材側とは反対側に位置する一方、上記第2溶接部において、径方向において上記第1部と上記第2部との間に位置する接合部は、径方向において上記液圧通路に対して上記他方の部材側に位置していることを特徴としている。
本発明によれば、溶接部の径方向の位置が、液圧通路の両側で液圧通路に対して互いに反対側にオフセットしているから、上記液圧通路に圧力液が注入されたり排出されたりした際、従来の構成と比較して、溶接部にかかる股裂き方向の力が、直接溶接部にかかることがなくて、溶接部にかかる股裂き方向の力を低減できる。したがって、溶接部に、液圧通路の周辺部の弾性変形に伴う破損が発生することを抑制できる。
また、本発明によれば、第1部の軸中心と第2部の軸中心とを一致させた状態で、第1部の軸方向の一端部における第2部側の周面と、第2部の軸方向の他端部における第1部側の周面との間に、径方向の隙間が存在する構成であるから、第1部に対して第2部を容易に嵌合させることができる。
また、一実施形態では、
上記第1部は、径方向において上記第2部よりも上記他方の部材側に位置し、
上記第1部は、上記液圧通路の径方向の上記他方の部材側を構成する第1周面と、
上記第1周面の軸方向の一方側の外方に連なると共に、上記液圧通路に軸方向に略重なる略円筒状の第2周面と、
上記第2周面の軸方向の外方に連なると共に、径方向において上記第2周面よりも上記他方の部材側とは反対側に位置する略円筒状の第3周面と、
上記第1周面の軸方向の他方側の外方に連なると共に、上記液圧通路に軸方向に略重なる略円筒状の第4周面と、
上記第4周面の軸方向の外方に連なると共に、径方向において上記第4周面よりも上記他方の部材側に位置する略円筒状の第5周面と
を有し、
上記第2部は、上記液圧通路の径方向の上記他方の部材側とは反対側を構成する第1周面と、
上記第1周面の軸方向の一方側の外方に連なると共に、上記液圧通路に軸方向に略重なる略円筒状の第2周面と、
上記第2周面の軸方向の外方に連なると共に、径方向において上記第2周面よりも上記他方の部材側とは反対側に位置する略円筒状の第3周面と、
上記第1周面の軸方向の他方側の外方に連なると共に、上記液圧通路に軸方向に略重なる略円筒状の第4周面と、
上記第4周面の軸方向の外方に連なると共に、径方向において上記第4周面よりも上記他方の部材側に位置する略円筒状の第5周面と
を有し、
上記第1部の第3周面と上記第2部の第3周面とが溶接され、上記第1部の第5周面と上記第2部の第5周面とが溶接されている。
上記実施形態によれば、第1部と第2部とで互いに当接する周面の形状が、略円筒状の形状であるから、液圧通路の軸方向の両側に位置する第1および第2溶接部の径方向の位置を、液圧通路に対して容易に、オフセットさせることができ、かつ、オフセット量も容易に所望の量に調整することができる。したがって、溶接部に、液圧通路の周辺部の弾性変形に伴う破損が発生する可能性を更に低くすることができる。
また、一実施形態では、
上記第1部は、径方向において上記第2部よりも上記他方の部材側に位置し、
上記一方の部材は、上記第1部の上記他方の部材側の周面に当接する当接周面と、上記他方の部材側に位置する環状の摩擦係合面とを有する環状部材を備え、
上記環状部材において上記液圧通路の軸方向の上記一方側に位置する部分の剛性は、上記環状部材において上記液圧通路の軸方向の上記他方側に位置する部分の剛性よりも小さい。
上記実施形態によれば、第1および第2溶接部の径方向の溶接位置を、液圧通路の径方向の位置に対してオフセットすることによって、第1部において肉厚が低くなって、第1部において剛性が小さくなる第1部の軸方向の他方側の端部を、環状部材の剛性が大きい環状部材の他端部でサポートしてバックアップすることができる。したがって、液圧通路の両側において、第1および第2溶接部の径方向の溶接位置を、液圧通路の径方向の位置に対してオフセットしたとしても、液圧通路の剛性が下がることが殆どなくて、液圧通路の強度の低下の心配がない。
また、本発明のトルクリミッタは、
本発明の軸連結装置を備え、
上記液圧通路に封入した液体により上記液圧通路を上記一方の部材の径方向に拡張することにより、上記軸部材と上記筒部材とを摩擦係合する一方、上記液圧通路に封入された液体を上記液圧通路内から除去することにより、上記軸部材と上記筒部材との摩擦係合を解除することを特徴としている。
本発明によれば、液圧通路の軸方向の両側に位置する溶接部の強度を大きくすることができて、溶接部の破損を抑制することができる。
本発明の軸連結装置およびトルクリミッタによれば、液圧通路の両端の応力が、局所的に集中することがなくて、液圧通路の両端の溶接部の破損を抑制できる。
以下、この発明を図示の形態により詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の軸連結装置を用いたトルクリミッタの軸方向の断面図である。
このトルクリミッタは、他方の部材としての軸部材1と、一方の部材としての筒部材2と、シャーバルブ6と、玉軸受17および玉軸受18とを有する。
上記軸部材1は、略円筒状の外周面20を有する本体部8と、本体部8の外面から突出する断面略L字形状の係止部9とを有する。上記軸部材1の外周面20は、一つの螺旋形状の油封止防止用の溝35を有している。この螺旋形状の溝35は、軸部材1の外周面20の軸方向の両側に開口している。また、上記螺旋形状の溝35のピッチは、軸部材1の軸径(外径)の1/10以上1/5以下になっている。この溝35は、動力伝達時に、余剰な潤滑油(後述するトラクションオイル)を溝35の開口を介して外部に排出させる役割を果たしている。言い換えると、上記溝35は、動力伝達時に、余剰な潤滑油を排出することで、リリーストルクが所定値より大きく低下することを防止し、リリーストルクを略設計値にする役割を果たしている。
上記筒部材2は、環状部材としての第1の筒部材10と、第2の筒部材11とからなっている。上記第1の筒部材10は、軸方向の一方の側の端部のみに、環状のフランジ46を有している。また、上記第1の筒部材10は、軸部材1の外周面20に当接する略円筒状の内周面21を有している。上記軸部材1の外周面20と、筒部材2の内周面21との間には、焼付き防止用の潤滑油であるトラクションオイルが塗布されている。上記軸部材1の螺旋形状の溝35は、上記軸部材1の外周面20と、筒部材2の内周面21との当接部分の軸方向両端に開口している。
このトラクションオイルは、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基などの脂環族の官能基や、これら官能基の一部を不飽和結合としたものや、上記官能基の一部の炭素原子を、酸素原子、硫黄原子、窒素原子で置き換えた官能基、さらには、これらの官能基を架橋して形成された官能基や、これらの官能基を縮合した縮合環を有する官能基や、または、これらの官能基を用いて形成された多環式の芳香族の官能基、を有するナフタレン系合成油やナフテン系鉱油である。また、上記トラクションオイルの他の例としては、例えば、分岐型アルキルベンゼンやアルキルナフタレンや、または、フェニル基やシクロヘキシル基を含むポリオルガノシロキサンがある。また、上記トラクションオイルの更なる例としては、例えば、α−アルキルスチレン二量体やα−アルキルスチレン二量体の水素化物があり、また、F−(CF(CF)CFO)n−Cの構造式で表されるパーフルオロポリエーテルやこのパーフルオロポリエーテルの誘導体がある。
また、これらのトラクションオイルをパラフィン系鉱油、ポリαオレフィン油など炭化水素系合成油、ジエステルやポリオールエステルなどエステル油、ポリアルキルグリコール油、アルキルジフェニルエーテル油、シリコーン油、パーフルオロアルキルポリエーテル油等公知の潤滑油と混合することもできる。
実用性を更に向上する目的で、酸化防止剤、防錆剤、清浄分散剤、流動点降下剤、粘度指数向上剤、極圧剤、耐摩耗添加剤、腐食防止剤、消泡剤、金属不活性化剤、着色剤等の添加剤を適量添加しても良い。
そして、これらのトラクションオイルのうちでも、圧力粘度指数が大きいことが好ましい。本用途では、18GPa−1 (40℃)以上が好ましく、25GPa−1 (40℃)以上が更にこのましく、32GPa−1 (40℃)以上がさらに好ましい。このようなトラクションオイルでは、軸とスリーブとの間の接触面圧によりガラス化しやすく、駆動力を伝えやすく、また、軸とスリーブとの直接接触を減少させ、軸とスリーブの固着を防ぎ、油圧室の油圧が低下し液状になると、トルク開放を容易になすことができる。
上記第2の筒部材11は、第1の筒部材10の略円筒状の外周面23に当接する略円筒状の内周面24を有している。また、上記第2の筒部材11は、シャーバルブ取付穴30と、液圧通路としての略筒状の油圧拡張室26とを有し、油圧拡張室26は、第2の筒部材11の内周面24の軸方向の所定長さに亘って略軸部材1の軸方向に延在している。
上記シャーバルブ6は、シャーバルブ取付穴30に嵌入されている。上記シャーバルブ6がシャーバルブ取付穴30に嵌入されている状態で、シャーバルブ6の一端部は、第2の筒部材11の外周面よりも径方向の外方に突出している。また、上記断面略L字形状の係止部9は、略径方向に延びると共に、第2の筒部材11の端面に軸方向に対向する径方向延在部50と、この径方向延在部50につながっていると共に、第2の筒部材11の外周面に沿って軸方向に延在する軸方向延在部51とを有している。上記シャーバルブ6の上記一端部は、係止部9の軸方向延在部51によって、係止されている。
また、上記シャーバルブ6は、一端のみが開口したチューブ27を有している。このチューブ27は、シャーバルブ6がシャーバルブ取付穴30に嵌入されている状態で、略軸部材1の径方向に延在している。また、シャーバルブ6がシャーバルブ取付穴30に嵌入されている状態でチューブ27の閉鎖側の一端部は、第2の筒部材11の外周面よりも径方向の外方に突出している。また、上記チューブ27の閉鎖側とは反対側の開口は、油通路37を介して、油圧拡張室26の軸方向の一端部に連通している。上記油圧拡張室26のシャーバルブ6側は、密封空間になっている。
上記玉軸受17は、軸部材1の外面に外嵌固定された内輪40と、第2の筒部材11の内面に内嵌固定された外輪41と、内輪40の軌道面と外輪41の軌道面との間に配置された玉42とを有している。また、上記玉軸受18は、軸部材1の外面に外嵌固定された内輪44と、第1の筒部材10の内面に内嵌固定された外輪45と、内輪44の軌道面と外輪45の軌道面との間に配置された玉46とを有している。上記玉軸受17および18は、軸部材1が筒部材2に対して相対回転しているとき、軸部材1を筒部材2に対して回転自在に支持するようになっている。
図2は、上記第2の筒部材11の断面模式図であり、油圧拡張室26の溶接部の構造を解り易く説明するための図である。
図2に示すように、第2の筒部材11は、環状の第1部70と、環状の第2部71とを有し、第1部70は、第2部71よりも径方向の内方に位置している。
上記油圧拡張室26は、第1部70と第2部71との間に位置している。上記第2の筒部材11は、第1溶接部60および第2溶接部61を有し、第1溶接部60は、油圧拡張室26の軸方向の一方の側に位置する一方、第2溶接部61は、油圧拡張室26の軸方向の他方の側に位置している。
上記第1溶接部60および第2溶接部61は、油圧拡張室26の径方向の略中心に位置する環状面に対して径方向にオフセット配置されている。すなわち、上記第1溶接部60において、第1部70と第2部71との接合面80は、油圧拡張室26の径方向の外方に位置する一方、第2溶接部61において、第1部70と第2部71との接合面81は、油圧拡張室26の径方向の内方に位置している。
詳しくは、上記第1部70は、第1周面84、第2周面85、第3周面86、第4周面87および第5周面88を有している。
上記第1周面84は、油圧拡張室26の径方向の軸部材1側の周面を構成している。上記第2周面85は、略円筒状の形状を有し、第1周面84の軸方向の一方側の外方に連なっている。上記第2周面85は、油圧拡張室26の軸方向の外方に位置して、油圧拡張室26に軸方向に略重なっている。上記第3周面86は、略円筒状の形状を有し、第2周面85の軸方向の外方に連なっている。上記第3周面86は、径方向において第2周面85よりも軸部材1側とは反対側に位置している。
上記第4周面87は、略円筒状の形状を有し、第1周面84の軸方向の他方側の外方に連なっている。上記第4周面87は、油圧拡張室26の軸方向の外方に位置して、油圧拡張室26に軸方向に略重なっている。上記第5周面88は、略円筒状の形状を有し、第4周面87の軸方向の外方に連なっている。上記第5周面88は、径方向において第4周面87よりも軸部材1側に位置している。
また、同様に、上記第2部71は、第1周面94、第2周面95、第3周面96、第4周面97および第5周面98を有している。
上記第1周面94は、油圧拡張室26の径方向の軸部材1側とは反対側の周面を構成している。上記第2周面95は、略円筒状の形状を有し、第1周面94の軸方向の一方側の外方に連なっている。上記第2周面95は、油圧拡張室26の軸方向の外方に位置して、油圧拡張室26に軸方向に略重なっている。上記第3周面96は、略円筒状の形状を有し、第2周面95の軸方向の外方に連なっている。上記第3周面96は、径方向において第2周面95よりも軸部材1側とは反対側に位置している。
上記第4周面97は、略円筒状の形状を有し、第1周面94の軸方向の他方側の外方に連なっている。上記第4周面97は、油圧拡張室26の軸方向の外方に位置して、油圧拡張室26に軸方向に略重なっている。上記第5周面98は、略円筒状の形状を有し、第4周面97の軸方向の外方に連なっている。上記第5周面98は、径方向において第4周面97よりも軸部材1側に位置している。
上記第1部70の第2周面85と、第2部71の第2周面95とは、接触し、第1部70の第3周面86と、第2部71の第3周面96とは、接触している。また、上記第1部70の第4周面87と、第2部71の第4周面97とは、接触し、第1部70の第5周面88と、第2部71の第5周面98とは、接触している。
上記第1部70の第3周面86と、第2部71の第3周面96とは、溶接され、また、第1部70の第5周面88と、第2部71の第5周面98とは、溶接されている。上記第1部70の第3周面86および第2部71の第3周面96は、第1溶接部60の接合面80を構成し、第1部70の第5周面88および第2部71の第5周面98は、第2溶接部61の接合面81を構成している。
尚、図2では示さないが、上記第2溶接部61の径方向のオフセットにより、肉厚が小さくなる第1部分70の他端部を、第1筒部材10(図1参照)の剛性が大きいフランジ46存在側に配置し、油圧拡張室26の剛性が低下しないようにしている。
上記構成において、軸部材1または筒部材2に所定値以下の負荷(トルクの伝達を行う範囲の負荷)がかかっている場合には、図示しないカプラを介して油圧拡張室26に注入されたのち密封された油圧拡張用の油で、第1の筒部材10の内周面21を縮径して内周面21を軸部材1の外周面20に押し付けて、軸部材1と筒部材2とを摩擦結合して軸部材1と筒部材2との間でトルクを伝達するようになっている。このとき、第1部70の第2周面85と第2部71の第2周面95との間やこの部分の軸方向の外方であって接合面80の軸方向の内方に形成された第1部70と第2部71との間の空間、第1部70の第4周面87と第2部71の第4周面97との間やこの部分の軸方向の外方であって接合面80の軸方向の内方に形成された第1部70と第2部71との間の空間にも、油圧拡張用の油は入り込んでいる。
一方、軸部材1または筒部材2に所定値以上の負荷(トルクの伝達を行う範囲よりも大きな負荷)がかかって、軸部材1の外周面20が、第1の筒部材10の内周面に対してスリップして、軸部材1と筒部材2の軸回りの位置が変化した場合、係止部9がシャーバルブ6の上記一端部(チューブ27の径方向の外方の端部)を切断して、油圧拡張室26内の油圧拡張用の油を、一端部が切断されたシャーバルブ6を介して外部に排出するようになっている。このようにして、第1の筒部材10の内周面21の軸部材1の外周面20に対する押圧力をなくして、軸部材1と筒部材2の摩擦結合を解いてトルクの伝達を遮断するようになっている。このようにして、軸部材1または筒部材2に過負荷が生じた場合において、トルクの伝達を遮断して、トルクリミッタに連結されている高価な機械を保護している。
上記実施形態のトルクリミッタによれば、第1溶接部60および第2溶接部61の径方向の位置が、油圧拡張室26の両側で油圧拡張室26に対して互いに反対側にオフセットしているから、油圧拡張室26に圧力液が注入されたり排出されたりした際、従来の構成と比較して、第1溶接部60および第2溶接部61に直接股裂き方向の力がかかることがなく、第1溶接部60および第2溶接部61にかかる股裂き方向の力を低減できる。したがって、上記第1溶接部60および第2溶接部61に、油圧拡張室26の周辺部の弾性変形に伴う破損が発生することを抑制できる。
また、上記実施形態のトルクリミッタによれば、上記第1部70の軸中心と第2部71の軸中心とを一致させた状態で、第1部70の軸方向の一端部における第2部71側の第3周面86と、第2部71の軸方向の他端部における第1部70側の第5周面98との間に、径方向の隙間が存在する構成であるから、第1部70に対して第2部71を容易に嵌合させることができる。
また、上記実施形態のトルクリミッタによれば、油圧拡張室26の軸方向の一方の側で、油圧拡張室26に軸方向に重なると共に互いに接触する、第1部70の第2周面85および第2部71の第2周面95が、円筒状の形状を有すると共に、第1部70の第4周面87および第2部71の第4周面97が、円筒状の形状を有し、かつ、油圧拡張室26の径方向の位置に対してオフセット配置させている第1溶接部60の接合面80および第2溶接部61の接合面81が、円筒状の形状を有するから、油圧拡張室26の軸方向の両側に位置する第1および第2溶接部60,61の径方向の位置を、油圧拡張室26に対して容易に、オフセットさせることができ、かつ、オフセット量も容易に所望の量に調整することができる。したがって、上記第1および第2溶接部60,61に、油圧拡張室26の周辺部の弾性変形に伴う破損が発生する可能性を更に低くすることができる。
また、上記実施形態のトルクリミッタによれば、第1および第2溶接部60,61の径方向の溶接位置を、油圧拡張室26の径方向の位置に対してオフセットすることによって、第1部70の肉厚が低くなって、第1部70の剛性が小さくなる第1部70の軸方向の他方側の端部を、環状部材としての第1の筒部材10のフランジ46側、すなわち、剛性が大きい側の他端部でサポートしてバックアップしている。したがって、上記油圧拡張室26の両側において、第1および第2溶接部60,61の径方向の溶接位置を、油圧拡張室26の径方向の位置に対してオフセットしたとしても、油圧拡張室26の剛性が下がることが殆どなくて、油圧拡張室26の強度の低下の心配がない。
尚、上記実施形態のトルクリミッタでは、油圧拡張室26の径方向の位置に対してオフセットすることによって、第1部70の肉厚が低くなって、第1部70の剛性が小さくなる第1部70の軸方向の他方側の端部を、環状部材としての第1の筒部材10のフランジ46側、すなわち、剛性が大きい側の他端部でサポートするようにしたが、この発明では、液圧通路の径方向の位置に対してオフセットすることによって、肉厚が小さくなる第1部の軸方向の他方側の端部を、環状部材の剛性が小さい側でサポートしてバックアップするようにしても良い。
また、上記実施形態のトルクリミッタでは、油圧拡張室26が、筒部材2の内部に存在していたが、この発明では、図3に示すように、油圧拡張室126が、軸部材101に存在していても良い。
また、上記実施形態では、液圧通路(油圧拡張室26)を備える軸連結装置を、過大な回転トルクの伝達を遮断するトルクリミッタに適用したが、この発明の軸連結装置は、実開平6−18733号公報に記載されているような装置であっても良く、詳しくは、軸部材と、環状のフランジとを備え、軸部材と環状のフランジとを、軸部材内またはフランジ内に設けた環状の液圧通路内に充填された液体の液圧によって、摩擦係合するような装置であっても良い。
本発明の第1実施形態のトルクリミッタの軸方向の断面図である。 上記トルクリミッタの第2の筒部材の断面模式図であり、油圧拡張室の溶接部の構造を解り易く説明するための図である。 本発明の変形例のトルクリミッタを示す軸方向の断面図である。
符号の説明
1,101 軸部材
2,102 筒部材
26,126 油圧拡張室
60 第1溶接部
61 第2溶接部
70,170 第1部
71 第2部
84 第1部の第1周面
85 第1部の第2周面
86 第1部の第3周面
87 第1部の第4周面
88 第1部の第5周面
94 第2部の第1周面
95 第2部の第2周面
96 第2部の第3周面
97 第2部の第4周面
98 第2部の第5周面

Claims (4)

  1. 軸部材と、
    上記軸部材に外嵌した筒部材と
    を備え、
    上記筒部材および上記軸部材のうちの一方の部材は、
    径方向に対向する環状の第1部と環状の第2部との間に位置して略軸方向に延在すると共に、上記一方の部材の周面を上記筒部材および上記軸部材のうちの他方の部材の周面に押し付けるための環状の液圧通路と、
    上記液圧通路の軸方向の一方側において、上記第1部と上記第2部とを接合している第1溶接部と、
    上記液圧通路の軸方向の他方側において、上記第1部と上記第2部とを溶接している第2溶接部と
    を備え、
    上記第1溶接部において、径方向において上記第1部と上記第2部との間に位置する接合部は、径方向において上記液圧通路に対して上記他方の部材側とは反対側に位置する一方、上記第2溶接部において、径方向において上記第1部と上記第2部との間に位置する接合部は、径方向において上記液圧通路に対して上記他方の部材側に位置していることを特徴とする軸連結装置。
  2. 請求項1に記載の軸連結装置において、
    上記第1部は、径方向において上記第2部よりも上記他方の部材側に位置し、
    上記第1部は、上記液圧通路の径方向の上記他方の部材側を構成する第1周面と、
    上記第1周面の軸方向の一方側の外方に連なると共に、上記液圧通路に軸方向に略重なる略円筒状の第2周面と、
    上記第2周面の軸方向の外方に連なると共に、径方向において上記第2周面よりも上記他方の部材側とは反対側に位置する略円筒状の第3周面と、
    上記第1周面の軸方向の他方側の外方に連なると共に、上記液圧通路に軸方向に略重なる略円筒状の第4周面と、
    上記第4周面の軸方向の外方に連なると共に、径方向において上記第4周面よりも上記他方の部材側に位置する略円筒状の第5周面と
    を有し、
    上記第2部は、上記液圧通路の径方向の上記他方の部材側とは反対側を構成する第1周面と、
    上記第1周面の軸方向の一方側の外方に連なると共に、上記液圧通路に軸方向に略重なる略円筒状の第2周面と、
    上記第2周面の軸方向の外方に連なると共に、径方向において上記第2周面よりも上記他方の部材側とは反対側に位置する略円筒状の第3周面と、
    上記第1周面の軸方向の他方側の外方に連なると共に、上記液圧通路に軸方向に略重なる略円筒状の第4周面と、
    上記第4周面の軸方向の外方に連なると共に、径方向において上記第4周面よりも上記他方の部材側に位置する略円筒状の第5周面と
    を有し、
    上記第1部の第3周面と上記第2部の第3周面とが溶接され、上記第1部の第5周面と上記第2部の第5周面とが溶接されていることを特徴とする軸連結装置。
  3. 請求項1または2に記載の軸連結装置において、
    上記第1部は、径方向において上記第2部よりも上記他方の部材側に位置し、
    上記一方の部材は、上記第1部の上記他方の部材側の周面に当接する当接周面と、上記他方の部材側に位置する環状の摩擦係合面とを有する環状部材を備え、
    上記環状部材において上記液圧通路の軸方向の上記一方側に位置する部分の剛性は、上記環状部材において上記液圧通路の軸方向の上記他方側に位置する部分の剛性よりも小さいことを特徴とする軸連結装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つに記載の軸連結装置を備え、
    上記液圧通路に封入した液体により上記液圧通路を上記一方の部材の径方向に拡張することにより、上記軸部材と上記筒部材とを摩擦係合する一方、上記液圧通路に封入された液体を上記液圧通路内から除去することにより、上記軸部材と上記筒部材との摩擦係合を解除することを特徴とするトルクリミッタ。
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