JP2010045181A - ウエハ加工用テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】テープをロール状に巻き取ったときの転写痕の抑制機能を維持しつつ、テープの加工時や使用時に、テープ両端部に形成された支持層が離型フィルムから剥離することを抑制可能なウエハ加工用テープを提供すること。
【解決手段】本発明のウエハ加工用テープ10は、離型フィルム11と、円形状の接着剤層12と、接着剤層12を覆い、且つ、接着剤層12の周囲で離型フィルム11に接触するように設けられた円形状の粘着テープ13と、離型フィルム11の幅方向両端部上に設けられた支持層20とを有し、支持層20は、支持接着剤層22と支持粘着テープ23とがこの順に積層された積層構造を有する部分と、支持粘着テープ23のみの単層構造を有する部分とを有し、該単層構造を有する部分は、少なくとも支持層20の幅寸法の最も小さい最狭部Nを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリカット加工により製造されるウエハ加工用テープに関し、特に、ダイシングテープとダイボンディングフィルムの2つの機能を有するダイシング・ダイボンディングテープに関する。
近時、半導体ウエハを個々のチップに切断分離(ダイシング)する際に半導体ウエハを固定するためのダイシングテープと、切断された半導体チップをリードフレームやパッケージ基板等に接着するための、又は、スタックドパッケージにおいては、半導体チップ同士を積層、接着するためのダイボンディングフィルム(ダイアタッチフィルムともいう)との2つの機能を併せ持つダイシング・ダイボンディングテープが開発されている。
このようなダイシング・ダイボンディングテープとしては、ウエハへの貼り付けや、ダイシングの際のリングフレームへの取り付け等の作業性を考慮して、プリカット加工が施されたものがある(例えば、特許文献1)。
プリカット加工されたダイシング・ダイボンディングテープの例を、図7に示す。図7(a)は、ダイシング・ダイボンディングテープ50の平面図であり、図7(b)は、図7(a)の線D−D断面図である。ダイシング・ダイボンディングテープ50は、離型フィルム51と、離型フィルム上に部分的に形成された円形状の接着剤層52と、該接着剤層52を覆い、且つ、接着剤層52の周囲で離型フィルム51に接触するように設けられた円形状の粘着テープ53とを有している。また、ダイシング・ダイボンディングテープ50の幅方向両端部上には、粘着テープ53と同じ組成からなる一対の支持粘着テープ63が設けられている。円形状の接着剤層52は、離型フィルム51の全面に接着剤層を形成した後、ウエハに対応した円形状に打ち抜き、その円形部分以外を除去する1次プリカット工程にて形成される(図8参照)。また、円形状の粘着テープ53及び支持粘着テープ63は、接着剤層52が形成された離型フィルム51の全面に粘着テープを貼り合わせた後、ウエハダイシング用のリングフレームの形状に対応する円形状に打ち抜き、その円形部分の周辺領域を除去する2次プリカット工程にて同時に形成される(図9参照)。
上記のようなダイシング・ダイボンディングテープ50においては、図7に示すように、接着剤層52と粘着テープ53の円形ラベル部が積層した部分(以下、積層体という)は、単層の支持粘着テープ63よりも厚い。このため、製品としてロール状に巻かれた際に、接着剤層52及び粘着テープ53の積層体と、支持粘着テープ63との段差が重なりあい、柔軟な接着剤層52表面に段差が転写される現象、転写痕(ラベル痕、シワ、又は、巻き跡ともいう)が発生する。このような転写痕の発生は、特に、接着剤層52が柔らかい樹脂で形成される場合や厚みがある場合、及びテープ50の巻き数が多い場合などに顕著である。そして、転写痕が発生すると、接着剤層と半導体ウエハとの接着不良により、ウエハの加工時に不具合が生じるおそれがある。
そこで、上記の転写痕の発生を抑制するために、図10に示す構成のダイシング・ダイボンディングテープが提案されている。図10(a)は、ダイシング・ダイボンディングテープ70の平面図であり、図10(b)は、図10(a)の線E−E断面図であり、図10(c)は、図10(a)の線F−F断面図である。図7に示す部材と同様の部材には同じ符号を付し、その説明を省略する。
図7で示したダイシング・ダイボンディングテープ50が、テープ両端部上の支持層が支持粘着テープ63のみからなる単層構造を有しているのに対し、図10で示すダイシング・ダイボンディングテープ70は、支持層80の一部が、接着剤層52と同じ組成の支持接着剤層82と、粘着テープ53と同じ組成の支持粘着テープ83との積層構造を有している。このような構成のダイシング・ダイボンディングテープ70は、図11に示す接着剤層の1次プリカット工程、及び、図12に示す粘着テープの2次プリカット工程を経て形成される。
上記構成のダイシング・ダイボンディングテープ70によれば、積層構造の支持層80を備えることで、ダイシング・ダイボンディングテープ70がロール状に巻かれた際に、テープに加わる巻き圧を分散する、或いは、支持層80に集めることができるので、柔軟な接着剤層52表面への転写痕(ラベル痕、シワ、又は、巻き跡ともいう)の発生を抑制することが可能となる。
特開2007−2173号公報
上記のようにプリカット加工されたダイシング・ダイボンディングテープを、ウエハマウンターによりウエハに貼り合わせる際には、図13に示すように、ダイシング・ダイボンディングテープの離型フィルム51側から剥離用くさび(ピールプレート)91を押し当て、離型フィルム51をピールプレート91側へ鋭角に折り曲げ、離型フィルム51と接着剤層52及び粘着テープ53の積層体との間の剥離起点を得る。その後、接着剤層52及び粘着テープ53の積層体は、ロール92によってウエハテーブル93上に載置されたウエハW及びリングフレーム94へ貼り合わされる。一方、離型フィルム51の幅方向両端部上に設けられた支持層(不図示)は、離型フィルム51に接着したまま離型フィルム51とともに巻き取られていく。
ところが、上記のようにしてウエハへの貼合せを行う場合、ダイシング・ダイボンディングテープ70等の従来のプリカット加工が施されたダイシング・ダイボンディングテープでは、以下のような不具合が発生することが判明した。すなわち、一般に、接着剤層と離型フィルムとの間の接着力は、粘着テープと離型フィルムとの間の接着力よりも小さい。このため、図10に示すダイシング・ダイボンディングテープ70においては、接着剤層と同じ組成の支持接着剤層82と離型フィルム51との間の接着力が不十分となり、特に、支持層80の、離型フィルム51の幅方向と平行な粘着テープ53の直径(すなわち点aと点bとを結んだ直線)の延長線上に位置する幅寸法の最も小さい部分(以下、最狭部Nという)において、支持接着剤層82の離型フィルム51からの剥離が発生しやすい状態となる。そのため、ピールプレート91を離型フィルム51に押しつけて上記積層体の剥離起点を得る際に、最狭部Nで支持接着剤層82の浮きや剥離が発生し、移動するウエハテーブル93やウエハWに付着して巻き込まれるといった不具合が発生することがある。また、2次プリカット工程の打ち抜きの際にも、最狭部Nで支持接着剤層82の剥離が発生する場合があり、ダイシング・ダイボンディングテープの生産性が低下する原因となっている。
そこで、本発明の目的は、テープをロール状に巻き取ったときの転写痕の抑制機能を維持しつつ、テープの加工時や使用時に、テープ両端部に形成された支持層が離型フィルムから剥離することを抑制可能なウエハ加工用テープを提供することにある。
本発明の第1の態様は、長尺の離型フィルムと、前記離型フィルム上に設けられた円形状の接着剤層と、前記接着剤層を覆い、且つ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた円形状の粘着テープと、前記離型フィルムの幅方向両端部上に設けられた支持層とを有するウエハ加工用テープであって、前記支持層は、前記接着剤層と同じ組成の支持接着剤層と、前記粘着テープと同じ組成の支持粘着テープとがこの順に積層された積層構造を有する部分と、該支持粘着テープのみの単層構造を有する部分とを有し、前記単層構造を有する部分は、少なくとも、前記離型フィルムの幅方向と平行な前記粘着テープの直径の延長線上に位置する、前記支持層の幅寸法の最も小さい最狭部を含むことを特徴とするウエハ加工用テープある。
本発明の第2の態様は、前記第1の態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記支持層が、前記最狭部で前記単層構造になっており、それ以外の領域では前記積層構造になっていることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、前記第1又は第2の態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記単層構造部分の前記支持粘着テープの平面形状が、前記離型フィルムの幅方向の両端で非対称であることを特徴とする。
本発明の第4の態様は、前記第から第3のいずれかの態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記支持層が、前記離型フィルムの長手方向に沿って連続的に設けられていることを特徴とする。
本発明の第5の態様は、前記第1から第4のいずれかの態様にかかるウエハ加工用テープにおいて、前記円形状の接着剤層と前記支持接着剤層とは同じ膜厚を有し、前記円形状の粘着テープと前記支持粘着テープとは同じ膜厚を有することを特徴とする。
本発明のウエハ加工用テープにおいては、少なくとも支持層の最狭部を支持粘着テープのみの単層構造とすることで、支持層の浮きや剥離の発生を抑制することができる。すなわち、粘着テープと離型フィルムとの間の接着力は、接着剤層と離型フィルムとの間の接着力よりも大きいことから、少なくとも最も剥離しやすい支持層の最狭部を支持粘着テープのみの単層構造とすることで、支持層の浮きや剥離の発生を効果的に抑制することができる。一方で、残りの部分を支持接着剤層と支持粘着テープとの積層構造とすることで、テープをロール状に巻き取ったときの転写痕の抑制機能を一定以上に維持することができる。
以下に、本発明の一実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態にかかるウエハ加工用テープ(ダイシング・ダイボンディングテープ)10の平面図であり、図1(b)は、図1(a)の線A−A断面図であり、図1(c)は、図1(a)の線B−Bによる断面図である。また、図2は、図1(a)の線C−C断面図である。図示のように、ダイシング・ダイボンディングテープ10は、長尺の離型フィルム11と、離型フィルム11上に設けられた円形状の接着剤層12と、接着剤層12を覆い、且つ、接着剤層12の周囲で離型フィルム11に接触するように設けられた円形状の粘着テープ13とを有している。そして、離型フィルム11の幅方向両端部上には、支持層20が設けられている。また、この支持層20は、円形状の接着剤層12と粘着テープ13との積層体の周囲を囲むように、離型フィルム11の長手方向に沿って連続的に設けられている。
支持層20は、支持接着剤層22と支持粘着テープ23とがこの順に積層された積層構造の部分と、支持粘着テープ23のみの単層構造の部分とを有する。本実施形態においては、図1及び図2に示すように、支持層20は、離型フィルム11の幅方向と平行な粘着テープ13の直径(すなわち、図1中、点aと点bを結んだ直線)の延長線上に位置する幅寸法の最も小さい最狭部Nにおいては、支持粘着テープ23からなる単層構造を有し、残りの部分においては、支持接着剤層22と支持粘着テープ23との積層構造を有する。図示の例では、製造コストの観点から、単層構造は最狭部Nのみとしているが、少なくとも最狭部Nが単層構造を有していればよく、最狭部N以外の他の一部が単層構造を有していてもよい。
上記のような構成の支持層20を有するダイシング・ダイボンディングテープ10によれば、支持層20の浮きや剥離の抑制に最も効果がある部分、すなわち支持層20の最狭部Nを、離型フィルム11に対する接着力の大きい支持粘着テープ23の単層構造とすることで、支持層の浮きや剥離の発生を効果的に抑制することができる。
以下に、本実施形態のダイシング・ダイボンディングテープ10の各構成要素について説明する。
(支持接着剤層)
支持接着剤層22は、少なくとも支持層20の最狭部Nには存在しないことを条件に、その平面形状、大きさについては限定されない。
支持接着剤層22は、後述する1次プリカット加工により、円形状の接着剤層12と同時に形成され、接着剤層12と同じ組成、同じ膜厚を有する。接着剤層12の組成及び膜厚については、後に詳述する。
(支持粘着テープ)
支持粘着テープ23は、少なくとも支持層20の最狭部Nにおいては、離型フィルム51に直接接触するように構成されること、すなわち図2に示すような長手方向の断面形状を有することを条件に、その平面形状、大きさについては限定されない。最狭部Nでの支持層20の浮きや剥離を十分に抑制する観点からは、支持粘着テープ23が離型フィルム11と直接する面積が大きくなるように、すなわち支持接着剤層22が存在しない支持粘着テープの単層部分の面積が大きくなるようにすることが好ましいが、テープをロール状に巻き取った際の転写痕の発生を十分に抑制する観点からは、積層部分の面積が大きくなるように構成することが好ましい。
支持粘着テープ23は、後述する2次プリカット加工により、円形状の粘着テープ13と同時に形成され、粘着テープ13と同じ組成、同じ膜厚を有する。粘着テープ13の組成及び膜厚については、後に詳述する。
(接着剤層)
接着剤層12は、半導体ウエハが貼合されダイシングされた後、チップをピックアップする際に、チップ裏面に付着しており、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。
接着剤層12としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂から選択される少なくとも1種を含む接着剤等を好ましく使用することができる。この他、ポリイミド系樹脂やシリコーン系樹脂を使用することもできる。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
(粘着テープ)
粘着テープ13は、半導体ウエハを個々のチップに切断分離(ダイシング)する際に半導体ウエハを固定するために使用されるものである。
粘着テープ13としては、特に制限はなく、ウエハをダイシングする際にはウエハが剥離しないように十分な粘着力を有し、ダイシング後にチップをピックアップする際には容易に接着剤層から剥離できるよう低い粘着力を示すものであればよい。例えば、基材フィルムに粘着剤層を設けたものを好適に使用できる。
粘着テープ13の基材フィルムとしては、従来公知のものであれば特に制限することなく使用することができるが、後述の粘着剤層として放射線硬化性の材料を使用する場合には、放射線透過性を有するものを使用することが好ましい。
例えば、その材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、基材フィルムはこれらの群から選ばれる2種以上の材料が混合されたものでもよく、これらが単層又は複層化されたものでもよい。
基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmが好ましい。
粘着テープ13の粘着剤層に使用される樹脂としては、特に限定されるものではなく、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。
粘着剤層の樹脂には、アクリル系粘着剤、放射線重合性化合物、光重合開始剤、硬化剤等を適宜配合して粘着剤を調製することが好ましい。粘着剤層の厚さは特に限定されるものではなく適宜に設定してよいが、5〜30μmが好ましい。
放射線重合性化合物を粘着剤層に配合して放射線硬化により接着剤層から剥離しやすくすることができる。その放射線重合性化合物は、例えば光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が用いられる。
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレ
ングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等が適用可能である。
また、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。
粘着剤層には、上記の樹脂から選ばれる2種以上が混合されたものでもよい。
光重合開始剤を使用する場合、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェ
ニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
(離型フィルム)
離型フィルム11は、ダイシング・ダイボンディングテープの製造時及び使用時にキャリアフィルムとしての役割を果たすものである。離型フィルム11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系、ポリエチレン系、その他、離型処理がされたフィルム等周知のものを使用することができる。
離型フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、25〜50μmが好ましい。
(製造方法)
次に、上記構成のダイシング・ダイボンディングテープ10の製造方法の一例について、図3及び図4を用いて説明する。
まず、離型フィルム11の全面に接着剤層を形成した後、接着剤層を所定形状に打ち抜く1次プリカット工程を実施する。この工程では、平面刃具等の打ち抜き部材を用いて、接着剤層を所定の形状に打ち抜き、その後、打ち抜き加工された接着剤層の不要部分を除去することで、図3に示すような、円形状の接着剤層12と、最狭部が除去された支持接着剤層22とが形成される。
次に、円形状の接着剤層12及び支持接着剤層22が形成された離型フィルム11の全面に、粘着テープを貼り合わせた後、粘着テープを所定形状に打ち抜く2次プリカット工程を実施する。この工程では、平面刃具等の打ち抜き部材を用いて、粘着テープを所定の形状に打ち抜き、その後、打ち抜き加工された粘着テープの不要部分を除去することで、図4に示すような、円形状の粘着テープ13と、支持粘着テープ23とが形成される。
以上の工程により、本発明のダイシング・ダイボンディングテープ10を得ることができる。
本発明のダイシング・ダイボンディングテープ10は、製品としてユーザーに提供される際には、ロール状に巻き取られた状態で提供されるが、このとき、支持層20の単層構造を有する最狭部N以外の領域が、全て支持接着剤層22と支持粘着テープ23との積層構造を有するので、テープをロール状に巻き取ったときの転写痕の抑制機能を一定以上に維持することができる。また、本発明のダイシング・ダイボンディングテープ10は、上述のように、支持層20の浮きや剥離の発生を抑制することができるので、ウエハへの貼合せを行う際に、剥離した支持層がウエハマウンター内の部材やウエハに付着して巻き込まれるといった不具合の発生を抑制することができる。
なお、単層構造部分の支持粘着テープ23の平面形状、すなわち、最狭部Nにおける支持接着剤層22の除去部分の平面形状は、図1、図3及び図4に示すような、略長方形に限定されるものではなく、例えば、図5に示すような略台形や、図6に示すような離型フィルム11の両端で非対称な平面形状を採用することができる。
上述の1次プリカット工程において接着剤層を打ち抜く際には、平面刃具等の打ち抜き部材が幅方向にずれてしまう場合があるため、離型フィルム11の両端で対称な平面形状の場合には、そのずれが目だってしまい、製品の外観が損なわれるおそれがある。これに対し、図6に示す非対称な平面形状を採用することで、プリカットの幅方向のずれを目立たなくすることができ、外観上の問題を軽減することができる。
また、以上説明した実施形態においては、支持層20の最狭部Nのみを支持粘着テープの単層構造としたが、少なくとも最狭部Nが単層構造を有していればよく、最狭部N以外の他の一部が単層構造を有していてもよい。
図1(a)は、本発明の実施形態に係るウエハ加工用テープの平面図であり、図1(b)は図1(a)の線A−A断面図であり、図1(c)は、図1(a)の線B−B断面図である。 図1(a)の線C−C断面図である。 本発明の実施形態に係るウエハ加工用テープの1次プリカット工程後の状態を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るウエハ加工用テープの2次プリカット工程後の状態を示す平面図である。 本発明の他の実施形態に係るウエハ加工用テープの平面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るウエハ加工用テープの平面図である。 図7(a)は、従来のウエハ加工用テープの一例を示す平面図であり、図7(b)は、図7(a)の線D−D断面図である。 図7に示す従来のウエハ加工用テープの1次プリカット工程後の状態を示す平面図である。 図7に示す従来のウエハ加工用テープの2次プリカット工程後の状態を示す平面図である。 図10(a)は、従来のウエハ加工用テープの他の例を示す平面図であり、図10(b)は、図10(a)線E−E断面図であり、図10(c)は、図10(a)の線F−F断面図である。 図10に示す従来のウエハ加工用テープの1次プリカット工程後の状態を示す平面図である。 図10に示す従来のウエハ加工用テープの2次プリカット工程後の状態を示す平面図である。 ウエハ加工用テープをウエハに貼り付ける工程を説明するための図である。
符号の説明
10:ウエハ加工用テープ(ダイシング・ダイボンディングテープ)
11:離型フィルム
12:接着剤層
13:粘着テープ
20:支持層
22:支持接着剤層
23:支持粘着テープ

Claims (5)

  1. 長尺の離型フィルムと、
    前記離型フィルム上に設けられた円形状の接着剤層と、
    前記接着剤層を覆い、且つ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた円形状の粘着テープと、
    前記離型フィルムの幅方向両端部上に設けられた支持層と
    を有するウエハ加工用テープであって、
    前記支持層は、前記接着剤層と同じ組成の支持接着剤層と、前記粘着テープと同じ組成の支持粘着テープとがこの順に積層された積層構造を有する部分と、該支持粘着テープのみの単層構造を有する部分とを有し、
    前記単層構造を有する部分は、少なくとも、前記離型フィルムの幅方向と平行な前記粘着テープの直径の延長線上に位置する、前記支持層の幅寸法の最も小さい最狭部を含むことを特徴とするウエハ加工用テープ。
  2. 前記支持層は、前記最狭部で前記単層構造になっており、それ以外の領域では前記積層構造になっていることを特徴とする請求項1記載のウエハ加工用テープ。
  3. 前記単層構造部分の前記支持粘着テープの平面形状は、前記離型フィルムの幅方向の両端で非対称であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウエハ加工用テープ。
  4. 前記支持層は、前記離型フィルムの長手方向に沿って連続的に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のウエハ加工用テープ。
  5. 前記円形状の接着剤層と前記支持接着剤層とは同じ膜厚を有し、前記円形状の粘着テープと前記支持粘着テープとは同じ膜厚を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
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