JP6362526B2 - ウエハ加工用テープ - Google Patents
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Description
本発明のウエハ加工用テープ10に用いられる離型フィルム11としては、ポリエステル(PET、PBT、PEN、PBN、PTT)系、ポリオレフィン(PP、PE)系、共重合体(EVA、EEA、EBA)系、またこれらの材料を一部置換して、更に接着性や機械的強度を向上したフィルム使用することができる。また、これらのフィルムの積層体であってもよい。
本発明の接着剤層12は、上述のように、離型フィルム11の第1の面11a上に形成され、ウエハの形状に対応する円形ラベル形状を有する。
本発明の粘着フィルム13は、上述のように、ダイシング用のリングフレームの形状に対応する円形ラベル部13aと、その外側を囲むような周辺部13bとを有する。このような粘着フィルムは、プリカット加工により、フィルム状粘着剤から円形ラベル部13aの周辺領域を除去することで形成することができる。
基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmが好ましい。
粘着剤層13の樹脂には、アクリル系粘着剤、放射線重合性化合物、光重合開始剤、硬化剤等を適宜配合して粘着剤を調製することが好ましい。粘着剤層13の厚さは特に限定されるものではなく適宜に設定してよいが、5〜30μmが好ましい。
粘着剤層には、上記の樹脂から選ばれる2種以上が混合されたものでもよい。
支持部材14は、離型フィルム11の、接着剤12及び粘着フィルム13が設けられた第1の面11aとは反対の第2の面11bであって、且つ、接着剤層12の離型フィルム11の短手方向における端部よりも外側の一領域r中に離型フィルム11の短手方向に複数設けられている。このように、支持部材14を設けることで、ウエハ加工用テープ10をロール状に巻き取った際に、テープに加わる巻き取り圧を分散する、或いは、支持部材14に集めることができるので、接着剤層12への転写跡の形成を抑制することが可能となる。
支持部材がこのような厚さを有することで、テープ10を巻き取ったときに、粘着フィルム13とその表面に重なる離型フィルム11の第2の面11bとが接触するか、又は、接触せずにこれらの間に空間が形成されるので、粘着フィルム13を介して柔軟な接着剤層12に離型フィルム11の第2の面11bが強く押し付けられることがない。よって、転写痕の発生をいっそう効果的に抑制することができる。
25mm(幅)×100mm(長さ)にそれぞれカットされた粘着フィルム13の基材フィルムと支持部材14の両フィルムサンプルを重ね合わせ、下側のフィルムを固定する。次いで、積層されたフィルムの上に重量200gのおもりを荷重Wとして乗せ、上側のフィルムを200mm/minの速度で引張り、滑り出す際の力Fd(g)を測定し、以下の式から静摩擦係数(μd)を求める。
μd=Fd/W
粘接着テープの粘着剤の組成及び物性については、特に限定はなく、テープ10の巻き取り工程及び保管工程において、離型フィルム11から剥離しないものであればよい。
(粘着フィルム1A)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100質量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを1質量部を加え、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184を0.5質量部、溶媒として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物を調製した。
続いて、調製した粘着剤層組成物を厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体基材フィルムに、乾燥膜厚が20μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、粘着フィルム1Aを作製した。
以下に示す離型フィルム2Aを用いた。
離型フィルム2A:厚さ38μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム
(接着剤層3A)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50質量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
これにアクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100質量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5質量部、キュアゾール2PZ(四国化成(株)製商品名、2−フェニルイミダゾール)2.5質量部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。
上記接着剤を離型フィルム2A上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が60μmのBステージ状態(熱硬化性樹脂の硬化中間状態)の塗膜を形成し、離型フィルム2A上に接着剤層3Bを形成し、冷蔵保管した。
上記接着剤を離型フィルム2A上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が120μmのBステージ状態(熱硬化性樹脂の硬化中間状態)の塗膜を形成し、離型フィルム2A上に接着剤層3Cを形成し、冷蔵保管した。
(支持部材4A)
アクリル樹脂(質量平均分子量:60万、ガラス転移温度−20℃)100質量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)10質量部を混合して粘着剤組成物を得た。
上記得られた粘接着テープを幅15mmに切断した以外は、支持部材4Aと同様にして、支持部材4Bを作成した。
上記得られた粘接着テープを幅25mmに切断した以外は、支持部材4Aと同様にして、支持部材4Cを作成した。
上記粘着剤組成物を厚さ40μmの低密度ポリエチレンフィルムに、乾燥膜厚が32μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、得られた粘接着テープを幅10mmに切断して、支持部材4Dを作製した。
上記得られた粘接着テープを幅15mmに切断した以外は、支持部材4Dと同様にして、支持部材4Eを作成した。
上記得られた粘接着テープを幅25mmに切断した以外は、支持部材4Dと同様にして、支持部材4Fを作成した。
上記粘着剤組成物を厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、乾燥膜厚が30μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、得られた粘接着テープを幅15mmに切断して、支持部材4Gを作製した。
上記得られた粘接着テープを幅25mmに切断した以外は、支持部材4Gと同様にして、支持部材4Hを作成した。
冷蔵保管していた接着剤層3Aが形成された離型フィルム2Aを常温に戻し、接着剤層に対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下になるように調整して直径220mmの円形プリカット加工を行った。その後、接着剤層の不要部分を除去し、粘着フィルム1Aをその粘着剤層が接着剤層と接するように、離型フィルム2A室温でラミネートした。そして、粘着フィルム1Aに対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下となるように調節して接着剤層と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を行った。次に、離型フィルム2Aの接着剤層及び粘着フィルムが設けられた第1の面とは反対の第2の面であって、且つ、且つ、離型フィルム2Aの短手方向両端部の領域rに互いの間隔を10mm空けて2本の支持部材4Aを貼合して、図1に示す構造を有する実施例1のウエハ加工用テープを作製した。
支持部材4Aに換えて支持部材4Gを用い、支持部材間の間隔を5mmとした以外は実施例1と同様にして、実施例2のウエハ加工用テープを作製した。
支持部材4Aに換えて支持部材4Dを、接着剤層3Aに換えて接着剤層3Bを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3のウエハ加工用テープを作製した。
支持部材4Dに換えて支持部材4Gを用い、支持部材間の間隔を5mmとした以外は実施例3と同様にして、実施例4のウエハ加工用テープを作製した。
接着剤層3Bに換えて接着剤層3Cを用いた以外は実施例4と同様にして、実施例5のウエハ加工用テープを作製した。
接着剤層に近い側に支持部材Gを、端部側に支持部材E用いた以外は実施例5と同様にして、実施例6のウエハ加工用テープを作製した。
冷蔵保管していた接着剤層3Aが形成された離型フィルム2Aを常温に戻し、接着剤層に対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下になるように調整して直径220mmの円形プリカット加工を行った。その後、接着剤層の不要部分を除去し、粘着フィルム1Aをその粘着剤層が接着剤層と接するように、離型フィルム2A室温でラミネートした。そして、粘着フィルム1Aに対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下となるように調節して接着剤層と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を行い、円形ラベル部および周辺部を残し、その他の不要部分を除去した。次に、離型フィルム2Aの接着剤層及び粘着フィルムが設けられた第1の面とは反対の第2の面であって、且つ、離型フィルム2Aの短手方向両端部に支持部材4Cを1本ずつ貼合して、先行特許文献1の図1に示す構造を有する比較例1のウエハ加工用テープを作製した。
接着剤層3Aに換えて接着剤層3Bを用いた以外は比較例1と同様にして、比較例2のウエハ加工用テープを作製した。
支持部材4Cに換えて支持部材4Hを、接着剤層3Aに換えて接着剤層3Bを用いた以外は比較例1と同様にして、比較例3のウエハ加工用テープを作製した。
支持部材4Cに換えて支持部材4Hを、接着剤層3Aに換えて接着剤層3Cを用いた以外は比較例1と同様にして、比較例4のウエハ加工用テープを作製した。
支持部材を設けなかった以外は比較例2と同様にして、比較例5のウエハ加工用テープを作製した。
実施例及び比較例のウエハ加工用テープを、円形形状の粘着フィルムの数が300枚になるように、ロール状に巻き取り、ウエハ加工用テープロールを作製した。得られたウエハ加工用テープロールを1ヶ月間冷蔵庫内(5℃)で保管した。その後、ウエハ加工用テープロールを室温に戻してからロールを解き、目視にてラベル痕の有無を観察し、以下の評価基準に従って、○、△、×の3段階でウエハ加工用テープの転写痕の抑制性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
○(良品):様々な角度から目視観察してもラベル痕が確認出来ない
△(許容品):ラベル痕は確認出来るが半導体装置の加工工程に影響を与えるほどではない
×(不良品):半導体装置の加工工程に影響を与える可能性のあるラベル痕が確認できる
実施例及び比較例のウエハ加工用テープを、円形形状の粘着フィルムの数が200枚になるように、ロール状に巻き取り、ウエハ加工用テープロールを作製した。得られたウエハ加工用テープロールを包装袋に入れ、1ヶ月間冷蔵庫内(5℃)で保管後、テープ表面が−50℃となるドライアイス雰囲気下にて3日間保管した。その後、ウエハ加工用テープロールを常温に戻してから包装袋を開封し、ロールを解き、目視にてエアの有無を観察し、エアが円形ラベル部の外側へ排出され、接着剤層と粘着フィルムの円形ラベル部との間にエアの巻き込みが無いものを○(良品)、エアが円形ラベル部の外側へ完全には排出されておらず一部残っているものの、接着剤層と粘着フィルムの円形ラベル部との間にはエアの巻き込みが無いものを△(許容品)、接着剤層と粘着フィルムの円形ラベル部との間にエアの巻込みが有るものを×(不良品)として、ウエハ加工用テープのエアの巻き込みの抑制性の評価をした。結果を表1及び表2に示す。
11:離型フィルム
12:接着剤層
13:粘着フィルム
13a:円形ラベル部
13b:周辺部
14,14',14":支持部材
Claims (3)
- 長尺の離型フィルムと、
前記離型フィルムの第1の面上に設けられた所定の平面形状を有する接着剤層と、
前記接着剤層を覆い、且つ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた所定の平面形状を有するラベル部と、前記ラベル部の外側を囲むような周辺部とを有する粘着フィルムと、
前記離型フィルムの、前記接着剤層及び粘着フィルムが設けられた第1の面とは反対の第2の面上であって、且つ、前記接着剤層の前記離型フィルムの短手方向における端部よりも外側の一領域中に前記離型フィルムの短手方向に複数設けられた支持部材とを有することを特徴とするウエハ加工用テープ。 - 前記一領域中に設けられた前記支持部材は、前記接着層に近い側の厚みが最も厚いことを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
- 前記支持部材は、それぞれの幅が10〜15mmであり、前記一領域中に設けられた前記支持部材同士の間隔が5mm以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウエハ加工用テープ。
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