JP2016111165A - ウエハ加工用テープ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明のウエハ加工用テープ10に用いられる離型フィルム11としては、ポリエステル(PET、PBT、PEN、PBN、PTT)系、ポリオレフィン(PP、PE)系、共重合体(EVA、EEA、EBA)系、またこれらの材料を一部置換して、更に接着性や機械的強度を向上したフィルム使用することができる。また、これらのフィルムの積層体であってもよい。
本発明の接着剤層12は、上述のように、離型フィルム11の第1の面11a上に形成され、ウエハの形状に対応する円形ラベル形状を有する。
本発明の粘着フィルム13は、上述のように、ダイシング用のリングフレームの形状に対応する平面形状であり、従来の粘着フィルム53のように、円形ラベル部53aの外側を囲むような周辺部13bを有していない。このような粘着フィルムは、プリカット加工により、フィルム状粘着剤から平面形状の周辺領域を除去することで形成することができる。
基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmが好ましく、70〜100μmが更に好ましい。
粘着剤層13の樹脂には、アクリル系粘着剤、放射線重合性化合物、光重合開始剤、硬化剤等を適宜配合して粘着剤を調製することが好ましい。粘着剤層13の厚さは特に限定されるものではなく適宜に設定してよいが、5〜30μmが好ましい。
粘着剤層には、上記の樹脂から選ばれる2種以上が混合されたものでもよい。
支持部材14は、離型フィルム11の、接着剤層12及び粘着フィルム13が設けられた第1の面11aとは反対の第2の面11bであって、且つ、離型フィルム11の短手方向両端部に設けられている。このように、支持部材14を設けることで、ウエハ加工用テープ10をロール状に巻き取った際に、テープに加わる巻き取り圧を分散する、或いは、支持部材14に集めることができるので、接着剤層12への転写跡の形成を抑制することが可能となる。
また、支持部材を接着剤層12及び粘着フィルム13が設けられた第1の面11aに形成する場合には、支持層の幅に制限があるのに対し、本実施形態の構成では、支持部材14の幅を広く確保することができ、より効果的に転写痕の発生を抑制できる。
さらに、支持部材14を離型フィルム11の第2の面11bに設けることで、支持部材14の位置ズレに対する許容度が大きくなるという効果が得られる。
転写痕の発生及びボイドの発生をより効果的に抑制するためには、支持部材14の線膨張係数は、150ppm/℃以下であることが好ましく、70ppm/℃以下であることがより好ましい。線膨張係数の下限は特に制限はなく、通常0.1ppm/℃である。
(1)温度変化によって寸法差が生じると、上述のような、離型フィルム11と粘着フィルム13との間、及び、接着剤層12と粘着フィルム13との間にボイドが発生する虞がある。
(2)ユーザーがロール状でハンドリングする際に、巻きが崩れる可能性が増す。より詳細には、例え製造、出荷時に正常に巻かれていても、ユーザー側での冷蔵保管から常温使用の際、及び、常温使用から冷蔵保管の際に寸法差が生じ、巻きが崩れる可能性が増す。
(3)寸法差によってロール状に巻かれたシート間に隙間が生じ、ロール側面からの異物混入の可能性が増す。
(4)ウエハ加工用テープの巻き数が多い場合や製品幅が広い場合には、常温から冷蔵保管する際に、ロール芯側とロール外周側では冷却速度が異なる。このため、ロール芯側とロール外周側とで線膨張差に起因する支持部材14と離型フィルム11の寸法差が異なり、ロール全体での形状が変化する可能性が高い。
α=(1/L)・(∂L/∂T)
また、本発明における線膨張係数の測定は、例えば、JIS K7197、プラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法に準拠し、熱機械的分析装置(TMA)を用いて、長さ15mm、幅5mm、チャック間距離10mmに切断した試料を取付け、引張荷重10g、昇温速度5℃/min、N2ガス雰囲気下、測定温度範囲−20℃〜50℃の条件で測定することができる。
25mm(幅)×100mm(長さ)にそれぞれカットされた粘着フィルム13の基材フィルムと支持部材14の両フィルムサンプルを重ね合わせ、下側のフィルムを固定する。次いで、積層されたフィルムの上に重量200gのおもりを荷重Wとして乗せ、上側のフィルムを200mm/minの速度で引張り、滑り出す際の力Fd(g)を測定し、以下の式から静摩擦係数(μd)を求める。
μd=Fd/W
粘接着テープの粘着剤の組成及び物性については、特に限定はなく、テープ10の巻き取り工程及び保管工程において、離型フィルム11から剥離しないものであればよい。
(粘着フィルム1A)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100質量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを1質量部を加え、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184を0.5質量部、溶媒として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物を調製した。
続いて、調製した粘着剤層組成物を厚さ70μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体基材フィルムに、乾燥膜厚が20μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、粘着フィルム1Aを作製した。
基材フィルムとして、厚さ70μmで一方の面をブラスト処理したエチレン−酢酸ビニル共重合体基材フィルムを用いたこと以外は、粘着フィルム1Aと同様にして、粘着フィルム1Bを作製した。
以下に示す離型フィルム2Aを用いた。
離型フィルム2A:厚さ25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム
(接着剤層3A)
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50質量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
これにアクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100質量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5質量部、キュアゾール2PZ(四国化成(株)製商品名、2−フェニルイミダゾール)2.5質量部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。
上記接着剤を離型フィルム2A上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が120μmのBステージ状態(熱硬化性樹脂の硬化中間状態)の塗膜を形成し、離型フィルム2A上に接着剤層3Bを形成し、冷蔵保管した。
(支持部材4A)
アクリル樹脂(質量平均分子量:60万、ガラス転移温度−20℃)100質量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)10質量部を混合して粘着剤組成物を得た。
支持部材のポリエチレンテレフタレートフィルム厚さを95μmとした以外は支持部材4Aと同様にして、支持部材4Bを作製した。
冷蔵保管していた接着剤層3Aが形成された離型フィルム2Aを常温に戻し、接着剤層に対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下になるように調整して直径220mmの円形プリカット加工を行った。その後、接着剤層の不要部分を除去し、粘着フィルム1Aをその粘着剤層が接着剤層と接するように、離型フィルム2A室温でラミネートした。そして、粘着フィルム1Aに対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下となるように調節して接着剤層と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を行い不要部分は除去した。次に、離型フィルム2Aの接着剤層及び粘着フィルムが設けられた第1の面とは反対の第2の面であって、且つ、離型フィルム2Aの短手方向両端部に支持部材4Aを貼合して、図1に示す構造を250枚有する実施例1のウエハ加工用テープを作製した。
接着剤層を3Bに代えて粘着フィルムを1Bに代えて支持部材を4Bに代えたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2のウエハ加工用テープを作製した。
冷蔵保管していた接着剤層3Aが形成された離型フィルム2Aを常温に戻し、接着剤層に対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下になるように調整して直径220mmの円形プリカット加工を行った。その後、接着剤層の不要部分を除去し、粘着フィルム1Aをその粘着剤層が接着剤層と接するように、離型フィルム2A室温でラミネートした。そして、粘着フィルム1Aに対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下となるように調節して接着剤層と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を行い、円形ラベル部および周辺部を残し、その他の不要部分を除去した。次に、離型フィルム2Aの接着剤層及び粘着フィルムが設けられた第1の面とは反対の第2の面であって、且つ、離型フィルム2Aの短手方向両端部に支持部材4Aを貼合して、先行特許文献1の図1に示す構造を250枚有する比較例1のウエハ加工用テープを作製した。
接着剤層を3Bに代えて粘着フィルム1Bに代えて支持部材を4Bに代えたこと以外は比較例1と同様にして、比較例2のウエハ加工用テープを作製した。
実施例1、2及び比較例1、2のウエハ加工用テープを1ヶ月間冷蔵庫内(5℃)で保管した。その後、ウエハ加工用テープを室温に戻してからロールを解き、目視にて転写痕の有無を観察した。その結果を表1に示す。
実施例1、2及び比較例1、2のウエハ加工用テープについて、製品に巻き取った状態の重量測定を行った結果を表1に示す。
実施例1、2のウエハ加工用テープ及び比較例1、2のウエハ加工用テープをウエハへ貼合する際に、光学センサを用いて、直径290mmの円形プリカットされた層の外周部分を認識させる。認識させる方法として光学センサを製品断面方向(離型フィルムの短手方向側方)からあてて認識させる作業を50回行い、円形プリカットされた層の外周部分を認識できた回数およびセンサ認識の成功割合を調べ、センサ認識性の評価を行った。
11:離型フィルム
12:接着剤層
13:粘着フィルム
14,14’,14”:支持部材
Claims (3)
- 長尺の離型フィルムと、
前記離型フィルムの第1の面上に設けられた所定の平面形状を有する接着剤層と、
前記接着剤層を覆い、且つ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた所定の平面形状の粘着フィルムと、
前記離型フィルムの短手方向両端部に設けられた支持部材とを有することを特徴とするウエハ加工用テープ。 - 前記支持部材は、前記接着剤層の厚さ以上の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
- 前記支持部材は、2層以上の積層構造を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウエハ加工用テープ。
Priority Applications (1)
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JP2014246316A Pending JP2016111165A (ja) | 2014-12-04 | 2014-12-04 | ウエハ加工用テープ |
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JP7448442B2 (ja) | 2020-08-12 | 2024-03-12 | リンテック株式会社 | 保護膜形成用シートロールの製造方法 |
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JP2009088480A (ja) * | 2007-09-14 | 2009-04-23 | Furukawa Electric Co Ltd:The | ウエハ加工用テープ |
JP2012082285A (ja) * | 2010-10-08 | 2012-04-26 | Hitachi Chemical Co Ltd | 接着シート |
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2014
- 2014-12-04 JP JP2014246316A patent/JP2016111165A/ja active Pending
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