JP2009088480A - ウエハ加工用テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】離型フィルム上に、接着剤層及び粘着フィルムを有するウエハ加工用テープをロール状に巻き取った場合に、接着剤層への転写痕の発生を充分に抑制することができ、しかも、温度変化に起因するボイドの発生を抑制することができるウエハ加工用テープを提供すること。
【解決手段】本発明のウエハ加工用テープ10は、長尺の離型フィルム11と;離型フィルム11の第1の面11a上に設けられた平面形状を有する接着剤層12と;平面形状を有するラベル部13aとラベル部13aの外側を囲むような周辺部13bとを有する粘着フィルムと;離型フィルム11の第1の面11aとは反対の第2の面11bであって、且つ、離型フィルム11の短手方向両端部に設けられた支持部材14とを有し、支持部材14の線膨張係数が300ppm/℃以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ウエハ加工用テープに関し、特に、ダイシングテープとダイボンディングフィルムの2つの機能を有するウエハ加工用テープに関する。
近時、半導体ウエハを個々のチップに切断分離(ダイシング)する際に半導体ウエハを固定するためのダイシングテープと、切断された半導体チップをリードフレームやパッケージ基板等に接着するため、又は、スタックドパッケージにおいては、半導体チップ同士を積層、接着するためのダイボンディングフィルム(ダイアタッチフィルムともいう)との2つの機能を併せ持つダイシング・ダイボンディングテープが開発されている。
このようなダイシング・ダイボンディングテープとしては、ウエハへの貼り付けや、ダイシングの際のリングフレームへの取り付け等の作業性を考慮して、プリカット加工が施されたものがある。
プリカット加工されたダイシング・ダイボンディングテープの例を、図4及び図5に示す。図4、図5(a)、図5(b)は、それぞれダイシング・ダイボンディングテープ50の斜視図、平面図、断面図である。ダイシング・ダイボンディングテープ50は、離型フィルム51と、接着剤層52と、粘着フィルム53とからなる。接着剤層52は、ウエハの形状に対応する円形に加工されたものであり、円形ラベル形状を有する。粘着フィルム53は、ダイシング用のリングフレームの形状に対応する円形部分の周辺領域が除去されたものであり、図示のように、円形ラベル部53aと、その外側を囲むような周辺部53bとを有する。接着剤層52と粘着フィルム53の円形ラベル部53aとは、その中心を揃えて積層され、また、粘着フィルム53の円形ラベル部53aは、接着剤層52を覆い、且つ、その周囲で離型フィルム51に接触している。
ウエハをダイシングする際には、積層状態の接着剤層52及び粘着フィルム53から離型フィルム51を剥離し、図6に示すように、接着剤層52上に半導体ウエハWの裏面を貼り付け、粘着フィルム53の円形ラベル部53aの外周部にダイシング用リングフレームRを粘着固定する。この状態で半導体ウエハWをダイシングし、その後、粘着フィルム53に紫外線照射等の硬化処理を施して半導体チップをピックアップする。このとき、粘着フィルム53は、硬化処理によって粘着力が低下しているので、接着剤層52から容易に剥離し、半導体チップは裏面に接着剤層52が付着した状態でピックアップされる。半導体チップの裏面に付着した接着剤層52は、その後、半導体チップをリードフレームやパッケージ基板、あるいは他の半導体チップに接着する際に、ダイボンディングフィルムとして機能する。
ところで、上記のようなダイシング・ダイボンディングテープ50は、図4及び図5に示すように、接着剤層52と粘着フィルム53の円形ラベル部53aとが積層した部分は、粘着フィルム53の周辺部53bよりも厚い。このため、製品としてロール状に巻かれた際に、接着剤層52と粘着フィルム53の円形ラベル部53aの積層部分と、粘着フィルム53の周辺部53aとの段差が重なりあい、柔軟な接着剤層52表面に段差が転写される現象、すなわち図7に示すような転写痕(ラベル痕、シワ、又は、巻き跡ともいう)が発生する。このような転写痕の発生は、特に、接着剤層52が柔らかい樹脂で形成される場合や厚みがある場合、及びテープ50の巻き数が多い場合などに顕著である。そして、転写痕が発生すると、接着剤層と半導体ウエハとの接着不良により、ウエハの加工時に不具合が生じるおそれがある。
上記転写痕の発生を抑制するためには、テープの巻き取り圧を弱くすることが考えられるが、この方法では、製品の巻きズレが生じ、例えばテープマウンターへのセットが困難となる等、テープの実使用時に支障を来すおそれがある。
また、特許文献1には、上記のようなラベル痕の発生を抑制するために、剥離基材上の接着剤層及び粘着フィルムの外方に、接着剤層及び粘着フィルムの合計の膜厚と同等又はそれ以上の膜厚を有する支持層を設けた接着シートが開示されている。特許文献1の接着シートは、支持層を備えることで、接着シートにかかっていた巻き取りの圧力を分散するか或いは支持層に集め、接着剤層と粘着フィルムの積層部分と粘着フィルムのみの部分との段差が他の接着剤層に転写されることを抑制している。
しかしながら、上記特許文献1の接着シートでは、剥離基板上の、半導体装置を製造する場合等に必要とされる接着剤層及び粘着フィルム以外の部分に、支持層が形成されることから、支持層の幅に制限があり、接着剤層及び粘着フィルムの外径に対して支持層の幅が狭く、転写痕の抑制効果が不十分である。
上記転写痕の抑制効果を高める対策として、特許文献2には、光ディスクの受光面にカバーシートを積層するために使用されている積層シートであって、長尺の剥離シートに、接着シートと、保護材とがそれぞれ異なる位置において積層され、保護材(支持部材)が、剥離シートの裏面幅方向両側部に設けられた積層シートが開示されている(図11参照)。このように支持部材を裏面側に設けた構成によれば、支持部材の幅の制限が少なくなり、支持部材の幅を広くすることができるので、転写跡の形成の効果的な抑制が期待できる。
特開2007−2173号公報 特開2004−35836号公報
しかしながら、ウエハ加工用テープは、保管時及び運送時の低温状態(例えば−20℃〜5℃)から使用時の常温状態に戻す際や、ウエハへ貼合する際の加熱時など、温度変化の大きい特殊な使用環境下におかれることから、単純に、離型フィルムの裏面側に支持部材を設けただけでは、ウエハ加工用途として適切でない。すなわち、温度変化の大きい使用環境下では、温度変化によって支持部材の寸法変化が大きくなり、離型フィルムと粘着フィルムとの間、及び、接着剤層と粘着フィルムとの間に空気が浸入してボイド(空隙)が発生し、ウエハに対する貼合不良が生じる虞がある。貼合不良が生じると、その後のウエハのダイシング工程やテープのエキスパンド工程、さらにはチップのピックアップ工程やマウント工程での歩留まりの低下をもたらす虞がある。
本発明の目的は、離型フィルム上に、接着剤層及び粘着フィルムを有するウエハ加工用テープをロール状に巻き取った場合に、接着剤層への転写跡の発生を充分に抑制することができ、しかも、温度変化に起因するボイドの発生を抑制することができるウエハ加工用テープを提供することにある。
本発明のウエハ加工用テープは、長尺の離型フィルムと、
前記離型フィルムの第1の面上に設けられた所定の平面形状を有する接着剤層と、
前記接着剤層を覆い、且つ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた所定の平面形状を有するラベル部と、前記ラベル部の外側を囲むような周辺部とを有する粘着フィルムと、
前記離型フィルムの、前記接着剤層及び粘着フィルムが設けられた第1の面とは反対の第2の面であって、且つ、前記離型フィルムの短手方向両端部に設けられた支持部材と
を有し、
前記支持部材の線膨張係数が300ppm/℃以下であることを特徴とするウエハ加工用テープである。
前記支持部材の線膨張係数と前記離型フィルムの線膨張係数の差が250ppm/℃以下であることが好ましく、また、前記粘着フィルムを構成する基材フィルムと前記支持部材との間の静摩擦係数が0.2〜2.0であることが好ましい。
また、前記支持部材は、前記離型フィルムの前記第2の面上の、前記第1の面に設けられた前記接着剤層の外側に対応する領域に設けられていること、前記離型フィルムの長手方向に沿って連続的に設けられていること、及び、接着剤層の厚さ以上の厚さを有することが好ましい。
さらに、前記支持部材は着色部材であってもよく、その場合、ウエハ加工用テープの種類や厚さに応じて着色されることが好ましい。
また、前記支持部材は、2層以上の積層構造を有していてもよい。
前記支持部材としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、及び高密度ポリエチレンからなる群から選択されるフィルム基材に粘接着剤を塗布した粘接着テープが好適に使用できる。
本発明のウエハ加工用テープによれば、接着剤層への転写跡の発生を充分に抑制する効果に加えて、温度変化の大きい使用環境下においても支持部材の寸法変化が少なく、ボイドの発生を抑制することができるといった優れた効果を得ることができる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1(a)は、本発明の実施形態に係るウエハ加工用テープ(ダイシング・ダイボンディングテープ)の平面図、図1(b)は、同断面図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、ウエハ加工用テープ10は、長尺の離型フィルム11と、接着剤層12と、粘着フィルム13と、支持部材14とを有する。
接着剤層12は、離型フィルムの第1の面11a上に設けられ、ウエハの形状に対応した円形ラベル形状を有している。粘着フィルム13は、接着剤層12を覆い、且つ、接着剤層12の周囲で離型フィルムに接触するように設けられた円形ラベル部13aと、この円形ラベル部13aの外側を囲むような周辺部13bとを有する。周辺部13bは、円形ラベル部13aの外側を完全に囲む形態と、図示のような完全には囲まない形態とを含む。円形ラベル部13aは、ダイシング用のリングフレームに対応する形状を有する。そして、支持部材14は、離型フィルム11の、接着剤12及び粘着フィルム13が設けられた第1の面11aとは反対の第2の面11bであって、且つ、離型フィルム11の短手方向両端部に設けられている。
以下、本実施形態のウエハ加工用テープ10の各構成要素について詳細に説明する。
(離型フィルム)
本発明のウエハ加工用テープ10に用いられる離型フィルム11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系、ポリエチレン系、その他、離型処理がされたフィルム等周知のものを使用することができる。
離型フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、25〜50μmが好ましい。
(接着剤層)
本発明の接着剤層12は、上述のように、離型フィルム11の第1の面11a上に形成され、ウエハの形状に対応する円形ラベル形状を有する。
接着剤層12は、半導体ウエハ等が貼合されダイシングされた後、チップをピックアップする際に、チップ裏面に付着しており、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用されるものである。接着剤層12としては、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フェノール系樹脂から選択される少なくとも1種を含む粘接着剤等を好ましく使用することができる。この他、ポリイミド系樹脂やシリコーン系樹脂を使用することもできる。その厚さは適宜設定してよいが、5〜100μm程度が好ましい。
(粘着フィルム)
本発明の粘着フィルム13は、上述のように、ダイシング用のリングフレームの形状に対応する円形ラベル部13aと、その外側を囲むような周辺部13bとを有する。このような粘着フィルムは、プリカット加工により、フィルム状粘着剤から円形ラベル部13aの周辺領域を除去することで形成することができる。
粘着フィルム13としては、特に制限はなく、ウエハをダイシングする際にはウエハが剥離しないように十分な粘着力を有し、ダイシング後にチップをピックアップする際には容易に接着剤層から剥離できるよう低い粘着力を示すものであればよい。例えば、基材フィルムに粘着剤粘着剤層を設けたものを好適に使用できる。
粘着フィルム13の基材フィルムとしては、従来公知のものであれば特に制限することなく使用することができるが、後述の粘着剤層として放射線硬化性の材料を使用する場合には、放射線透過性を有するものを使用することが好ましい。
例えば、その材料として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、基材フィルムはこれらの群から選ばれる2種以上の材料が混合されたものでもよく、これらが単層又は複層化されたものでもよい。
基材フィルムの厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、50〜200μmが好ましい。
粘着フィルム13の粘着剤層に使用される樹脂としては、特に限定されるものではなく、粘着剤に使用される公知の塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を使用することができる。
粘着剤層13の樹脂には、アクリル系粘着剤、放射線重合性化合物、光重合開始剤、硬化剤等を適宜配合して粘着剤を調製することが好ましい。粘着剤層13の厚さは特に限定されるものではなく適宜に設定してよいが、5〜30μmが好ましい。
放射線重合性化合物を粘着剤層に配合して放射線硬化により接着剤層から剥離しやすくすることができる。その放射線重合性化合物は、例えば光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分量化合物が用いられる。
具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレ
ングリコールジアクリレートや、オリゴエステルアクリレート等が適用可能である。
また、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られる。
粘着剤層には、上記の樹脂から選ばれる2種以上が混合されたものでもよい。
光重合開始剤を使用する場合、例えばイソプロピルベンゾインエーテル、イソブチルベンゾインエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロチオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェ
ニルプロパン等を使用することができる。これら光重合開始剤の配合量はアクリル系共重合体100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましい。
(支持部材)
支持部材14は、離型フィルム11の、接着剤12及び粘着フィルム13が設けられた第1の面11aとは反対の第2の面11bであって、且つ、離型フィルム11の短手方向両端部に設けられている。このように、支持部材14を設けることで、ウエハ加工用テープ10をロール状に巻き取った際に、テープに加わる巻き取り圧を分散する、或いは、支持部材14に集めることができるので、接着剤層12への転写跡の形成を抑制することが可能となる。
また、支持部材を接着剤12及び粘着フィルム13が設けられた第1の面11aに形成する場合には、支持層の幅に制限があるのに対し、本実施形態の構成では、支持部材14の幅を広く確保することができ、より効果的に転写痕の発生を抑制できる。
さらに、支持部材14を離型フィルム11の第2の面11bに設けることで、支持部材14の位置ズレに対する許容度が大きくなるという効果が得られる。
支持部材14は、離型フィルム11の第2の面11b上の、第1の面に設けられた接着剤層12の外側に対応する領域、すなわち、第2の面11b上において、図1(a)に示すような、離型フィルム11の端部から接着剤層12までの領域Aに設けることが好ましい。このような構造により、テープ10を巻き取ったときに、接着剤層12と、離型フィルム11の第2の面11bに設けられた支持部材14とが重ならないので、接着層12に支持部材14の痕が付くことが防止される。
支持部材14は、離型フィルム11の長手方向に沿って、断続的又は連続的に設けることができるが、転写痕の発生をより効果的に抑制する観点からは、基材フィルム11の長手方向に沿って連続的に設けることが好ましい。
支持部材14の厚さとしては、離型フィルム11上における、接着剤層12と粘着フィルム13の円形ラベル部13aとの積層部分と、粘着フィルム13の周辺部13bとの段差に相当する厚さ、すなわち接着剤層12と同じか、又は、それ以上であればよい。図2は、接着剤剤層12よりも厚い支持部材14’の例を示す断面図である。
支持部材がこのような厚さを有することで、テープ10を巻き取ったときに、粘着フィルム13とその表面に重なる離型フィルム11の第2の面11bとが接触するか、又は、接触せずにこれらの間に空間が形成されるので、粘着フィルム13を介して柔軟な接着剤層12に離型フィルム11の第2の面11bが強く押し付けられることがない。よって、転写痕の発生をいっそう効果的に抑制することができる。
本発明の支持部材14は、300ppm/℃以下の線膨張係数を有する。ウエハ加工用テープは、例えば、保管時や運送時には、−20℃〜5℃程度で低温状態が保たれ、また、ウエハ加工用テープの接着剤層をウエハに貼り合わせる際には、接着剤を加熱軟化させて接着性を高めるために、ヒーターテーブルにて70〜80℃程度の加熱貼合が行われるなど、ウエハ加工用テープは温度変化の大きい環境下におかれる。温度変化により支持部材14の寸法が変化すると、離型フィルム11と粘着フィルム13との間、及び、接着剤層12と粘着フィルム13との間に空気が浸入してボイドが発生し、ウエハに対する貼合不良が生じ、その後のウエハのダイシング工程やテープのエキスパンド工程、さらにはチップのピックアップ工程やマウント工程での歩留まりの低下をもたらす虞がある。本発明においては、300ppm/℃以下の線膨張係数の低い支持部材を使用することで、接着剤層12への転写痕の発生を充分に抑制するとともに、温度変化の大きい使用環境下においても支持部材13の寸法変化が少なく、ボイドの発生を抑制することができる。
転写痕の発生及びボイドの発生をより効果的に抑制するためには、支持部材14の線膨張係数は、150ppm/℃以下であることが好ましく、70ppm/℃以下であることがより好ましい。線膨張係数の下限は特に制限はなく、通常0.1ppm/℃である。
また、支持部材14の線膨張係数と離型フィルム11の線膨張係数の差は、250ppm/℃以下であることが好ましい。線膨張係数の差が250ppm/℃より大きい場合には、保管時及び運送時の低温状態と使用時の常温状態の温度変化によって、支持部材14と離型フィルム11との寸法差が生じることから、以下のような種々の不具合がある。
(1)温度変化によって寸法差が生じると、上述のような、離型フィルム11と粘着フィルム13との間、及び、接着剤層12と粘着フィルム13との間にボイドが発生する虞がある。
(2)ユーザーがロール状でハンドリングする際に、巻きが崩れる可能性が増す。より詳細には、例え製造、出荷時に正常に巻かれていても、ユーザー側での冷蔵保管から常温使用の際、及び、常温使用から冷蔵保管の際に寸法差が生じ、巻きが崩れる可能性が増す。
(3)寸法差によってロール状に巻かれたシート間に隙間が生じ、ロール側面からの異物混入の可能性が増す。
(4)ウエハ加工用テープの巻き数が多い場合や製品幅が広い場合には、常温から冷蔵保管する際に、ロール芯側とロール外周側では冷却速度が異なる。このため、ロール芯側とロール外周側とで線膨張差に起因する支持部材14と離型フィルム11の寸法差が異なり、ロール全体での形状が変化する可能性が高い。
本発明において、線膨張係数とは、定圧下で温度を変えたときに物体の空間的広がりの増加する割合をいう。温度をT、その固体の長さをLとすると、その線膨張係数αは以下の式で与えられる。
α=(1/L)・(∂L/∂T)
また、本発明における線膨張係数の測定は、例えば、JIS K7197、プラスチックの熱機械分析による線膨張率試験方法に準拠し、熱機械的分析装置(TMA)を用いて、長さ15mm、幅5mm、チャック間距離10mmに切断した試料を取付け、引張荷重10g、昇温速度5℃/min、Nガス雰囲気下、測定温度範囲−20℃〜50℃の条件で測定することができる。
また、支持部材14と粘着フィルム13の基材フィルムとの間の静摩擦係数は、0.2〜2.0であることが好ましく、0.6〜1.6であることがより好ましい。ウエハ加工用テープをロール状に巻き取ると、離型フィルム11の第1の面11a側に設けられた粘着フィルム13の周辺部13aと、離型フィルム11の第2の面11b側に設けられた支持部材14とが接触することから、支持部材14と粘着フィルム13の基材フィルムとの間の静摩擦係数が0.2未満と小さい場合には、製造時や使用時に巻きズレが発生し易くなりハンドリング性が悪化する。一方、2.0より大きい場合には、粘着フィルム13の基材フィルムと支持部材14との間の抵抗が大きすぎて、製造工程でのハンドリング性が悪化したり、高速巻き取り時等に蛇行したりする原因となる。したがって、両者間の静摩擦係数を上記範囲に設定することで、ウエハ加工用テープ10の巻きズレを防止でき、高速巻取りを可能とし、巻取り数を増大させることができるといった効果が得られる。
本発明において、支持部材14と粘着フィルム13の基材フィルムとの間の静摩擦係数は、JIS K7125に準拠し、以下のような測定方法により得ることができる。
25mm(幅)×100mm(長さ)にそれぞれカットされた粘着フィルム13の基材フィルムと支持部材14の両フィルムサンプルを重ね合わせ、下側のフィルムを固定する。次いで、積層されたフィルムの上に重量200gのおもりを荷重Wとして乗せ、上側のフィルムを200mm/minの速度で引張り、滑り出す際の力Fd(g)を測定し、以下の式から静摩擦係数(μd)を求める。
μd=Fd/W
支持部材14としては、例えば、樹脂フィルム基材に粘接着剤を塗布した粘接着テープを好適に使用することができる。このような粘接着テープを、離型フィルム11の第2の面11bの両端部分の所定位置に貼り付けることで、本実施形態のウエハ加工用テープ10を形成することができる。粘接着テープは、一層のみを貼り付けてもよいし、図3に示すように、薄いテープを積層させてもよい。
粘接着テープの基材樹脂としては、上記線膨張係数の範囲を満たし、且つ、巻き圧に耐え得るものであれば特に限定はないが、耐熱性、平滑性、及び、入手し易さの点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、及び高密度ポリエチレンから選択されることが好ましい。
粘接着テープの粘着剤の組成及び物性については、特に限定はなく、テープ10の巻き取り工程及び保管工程において、離型フィルム11から剥離しないものであればよい。
また、支持部材14としては、着色された支持部材を用いてもよい。このような着色支持部材を用いることで、ウエハ加工用テープをロール状に巻き取った際に、テープの種類を明確に識別することができる。例えば、着色支持部材14の色を、ウエハ加工用テープの種類や厚さによって異ならせることで、容易にテープの種類や厚さを識別することができ、人為的なミスの発生を抑制、防止することができる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(1)粘着フィルムの作製
(粘着フィルム1A)
溶媒のトルエン400g中に、n−ブチルアクリレート128g、2−エチルヘキシルアクリレート307g、メチルメタアクリレート67g、メタクリル酸1.5g、重合開始剤としてベンゾイルペルオキシドの混合液を、適宜、滴下量を調整し、反応温度および反応時間を調整し、官能基をもつ化合物(1)の溶液を得た。
次にこのポリマー溶液に、放射線硬化性炭素−炭素二重結合および官能基を有する化合物(2)として、別にメタクリル酸とエチレングリコールから合成した2−ヒドロキシエチルメタクリレート2.5g、重合禁止剤としてハイドロキノンを適宜滴下量を調整して加え反応温度および反応時間を調整して、放射線硬化性炭素−炭素二重結合を有する化合物(A)の溶液を得た。続いて、化合物(A)溶液中の化合物(A)100質量部に対してポリイソシアネート(B)として日本ポリウレタン社製:コロネートLを1質量部を加え、光重合開始剤として日本チバガイギー社製:イルガキュアー184を0.5質量部、溶媒として酢酸エチル150質量部を化合物(A)溶液に加えて混合して、放射線硬化性の粘着剤組成物を調製した。
続いて、調製した粘着剤層組成物を厚さ100μmのエチレン−酢酸ビニル共重合体基材フィルムに、乾燥膜厚が20μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、粘着フィルム1Aを作製した。
(粘着フィルム1B)
基材フィルムとして、厚さ100μmで一方の面をブラスト処理したエチレン−酢酸ビニル共重合体基材フィルムを用いたこと以外は、粘着フィルム1Aと同様にして、粘着フィルム1Bを作製した。
(粘着フィルム1C)
基材フィルムとして、厚さ100μmで一方の面を離型処理したエチレン−酢酸ビニル共重合体基材フィルムを用いたこと以外は、粘着剤フィルム1Aと同様にして、粘着フィルム1Cを作製した。
(2)離型フィルム
以下に示す離型フィルム2A及び2Bを用いた。
離型フィルム2A:厚さ25μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルム
離型フィルム2B:厚さ25μmの離型処理したポリプロピレンフィルム
これら離型フィルム2A及び2Bの線膨張係数を、熱機械的分析装置(理学電気(株)製)で測定したところ、それぞれ60ppm/℃、120ppm/℃あった。
(3)接着剤層3Aの形成
エポキシ樹脂としてクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキシ当量197、分子量1200、軟化点70℃)50質量部、シランカップリング剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5質量部、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン3質量部、平均粒径16nmのシリカフィラー30質量部からなる組成物に、シクロヘキサノンを加えて攪拌混合し、更にビーズミルを用いて90分混練した。
これにアクリル樹脂(質量平均分子量:80万、ガラス転移温度−17℃)100質量部、6官能アクリレートモノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート5質量部、硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネートのアダクト体0.5質量部、キュアゾール2PZ(四国化成(株)製商品名、2−フェニルイミダゾール)2.5質量部を加え、攪拌混合し、真空脱気し、接着剤を得た。
上記接着剤を離型フィルム2A及び2B上に塗布し、110℃で1分間加熱乾燥して、膜厚が20μmのBステージ状態(熱硬化性樹脂の硬化中間状態)の塗膜を形成し、離型フィルム2A及び2B上に接着剤層3Aを形成し、冷蔵保管した。
(4)支持部材の作製
(支持部材4A)
アクリル樹脂(質量平均分子量:60万、ガラス転移温度−20℃)100質量部、硬化剤としてポリイソシアネート化合物(日本ポリウレタン(株)製、商品名:コロネートL)10質量部を混合して粘着剤組成物を得た。
上記粘着剤組成物を厚さ75μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに、乾燥膜厚が25μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、支持部材4Aを作製した。
支持部材4Aの線膨張係数を、熱機械的分析装置(理学電気(株)製)で測定したところ、線膨張係数は60ppm/℃であった。
(支持部材4B)
上記粘着剤組成物を厚さ75μmのポリプロピレンフィルムに、乾燥膜厚が25μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、支持部材4Bを作製した。
支持部材4Bの線膨張係数を、熱機械的分析装置(理学電気(株)製)で測定したところ、線膨張係数は120ppm/℃であった。
(支持部材4C)
上記粘着剤組成物を厚さ50μmの高密度ポリエチレンフィルムに、乾燥膜厚が50μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、支持部材4Cを作製した。
支持部材4Cの線膨張係数を、熱機械的分析装置(理学電気(株)製)で測定したところ、線膨張係数は300ppm/℃であった。
(支持部材4D)
上記粘着剤組成物を厚さ50μmの低密度ポリエチレンフィルムに、乾燥膜厚が50μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、支持部材4Dを作製した。
支持部材4Dの線膨張係数を、熱機械的分析装置(理学電気(株)製)で測定したところ、線膨張係数は350ppm/℃であった。
(支持部材4E)
上記粘着剤組成物を厚さ50μmの超高分子量ポリエチレンフィルムに、乾燥膜厚が50μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、支持部材4Eを作製した。
支持部材4Eの線膨張係数を、熱機械的分析装置(理学電気(株)製)で測定したところ、線膨張係数は400ppm/℃であった。
(支持部材4F)
上記粘着剤組成物を厚さ75μmで一方の面をブラスト処理したポリプロピレンフィルムに、乾燥膜厚が25μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、支持部材4Fを作製した。
支持部材4Fの線膨張係数を、熱機械的分析装置(理学電気(株)製)で測定したところ、線膨張係数は120ppm/℃であった。
(支持部材4G)
上記粘着剤組成物を厚さ50μmで一方の面を離型処理した高密度ポリエチレンフィルムに、乾燥膜厚が50μmになるように塗工し、110℃で3分間乾燥し、支持部材4Gを作製した。
支持部材4Gの線膨張係数を、熱機械的分析装置(理学電気(株)製)で測定したところ、線膨張係数は300ppm/℃であった。
(実施例1)
冷蔵保管していた接着剤層3Aが形成された離型フィルム2Aを常温に戻し、接着剤層に対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下になるように調整して直径220mmの円形プリカット加工を行った。その後、接着剤層の不要部分を除去し、粘着フィルム1Aをその粘着剤層が接着剤層と接するように、離型フィルム2A室温でラミネートした。そして、粘着フィルム1Aに対して、離型フィルムへの切り込み深さが10μm以下となるように調節して接着剤層と同心円状に直径290mmの円形プリカット加工を行った。次に、離型フィルム2Aの接着剤層及び粘着フィルムが設けられた第1の面とは反対の第2の面であって、且つ、離型フィルム2Aの短手方向両端部に支持部材4Aを貼合して、図1に示す構造を有する実施例1のウエハ加工用テープを作製した。
(実施例2)
支持部材4Aに代えて支持部材4Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2のウエハ加工用テープを作製した。
(実施例3)
離型フィルム2Aに代えて離型フィルム2Bを用い、且つ、支持部材4Aに代えて支持部材4Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3のウエハ加工用テープを作製した。
(実施例4)
支持部材4Aに代えて支持部材4Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のウエハ加工用テープを作製した。
(実施例5)
粘着テープ1Aに代えて粘着テープ1Bを用い、且つ、支持部材4Aに代えて支持部材4Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5のウエハ加工用テープを作製した。
(実施例6)
粘着テープ1Aに代えて粘着テープ1Cを用い、且つ、支持部材4Aに代えて支持部材4Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例6のウエハ加工用テープを作製した。
(実施例7)
粘着フィルム1Aに代えて粘着フィルム1Bを用い、且つ、支持部材4Aに代えて支持部材4Gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例7のウエハ加工用テープを作製した。
(実施例8)
粘着フィルム1Aに代えて粘着フィルム1Cを用い、且つ、支持部材4Aに代えて支持部材4Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8のウエハ加工用テープを作製した。
また、別途、実施例1〜8のウエハ加工用テープについて、各支持部材と粘着フィルムの基材フィルムとの間の静摩擦係数を測定した。結果を表1に示す。
(比較例1)
離型フィルム2Aに代えて離型フィルム2Bを用い、且つ、支持部材4Aに代えて支持部材4Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1のウエハ加工用テープを作製した。
(比較例2)
支持部材4Aに代えて支持部材4Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2のウエハ加工用テープを作製した。
(比較例3)
支持部材4Aに代えて支持部材4Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3のウエハ加工用テープを作製した。
(比較例4)
支持部材を設けなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4のウエハ加工用テープを作製した。
また、別途、比較例1〜3のウエハ加工用テープについて、各支持部材と粘着フィルムの基材フィルムとの間の静摩擦係数を測定した。結果を表2に示す。
[転写痕(ラベル痕、シワ、又は、巻き跡)及びボイドの抑制性評価]
実施例1〜8及び比較例1〜4のウエハ加工用テープを、円形形状の粘着フィルムの数が300枚になるように、ロール状に巻き取り、ウエハ加工用テープロールを作製した。得られたウエハ加工用テープロールを1ヶ月間冷蔵庫内(5℃)で保管した。その後、ウエハ加工用テープロールを室温に戻してからロールを解き、目視にて転写痕の有無を観察し、以下の評価基準に従って、○、△、×の3段階でウエハ加工用テープの転写痕とボイドの抑制性を評価した。その結果を表1及び表2に示す。
○:様々な角度から目視観察しても転写痕又はボイドが確認できない、
△:角度によっては、若干の転写痕又はボイドが確認できる、
×:どの角度から目視観察しても、フィルム上に転写痕又はボイドが確認できる。
[巻きズレ発生の有無]
実施例1〜8及び比較例1〜4のウエハ加工用テープについて、製造時、冷蔵保管時、及び常温使用時において巻きズレの発生の有無を確認した。結果を表1及び表2に示す。
[ハンドリング性及び生産性の評価]
実施例1〜8及び比較例1〜4のウエハ加工用テープについて、製造時、冷却保管時、及び常温使用時において、以下の評価基準にしたがって、◎、○、×の3段階でハンドリング性、生産性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
◎:非常に取り扱いやすく、ハンドリング性及び生産性に優れる。
○:取り扱いやすく、ハンドリング性及び生産性がよい。
×:取り扱い難く、ハンドリング性及び生産性に劣る。
Figure 2009088480
Figure 2009088480
支持部材をウエハ加工用テープの裏面に設けた実施例1〜8及び比較例1〜3では、いずれも転写痕は発生しなかったのに対し、支持部材を設けなかった比較例4では転写痕が発生し、支持部材により転写痕の発生を抑制できることがわかる。
また、支持部材の線膨張係数が300ppm/℃以下である実施例1〜8では、ボイドが発生しなかったのに対し、支持部材の線膨張係数が300ppm/℃よりも大きい比較例1〜3についてはボイドが発生した。この結果、線膨張係数が300ppm/℃以下の支持部材を設けることで、温度変化に起因するボイドの発生を抑制できることがわかる。
特に、ボイドの発生が確認された比較例1〜3のうち、支持部材と離型フィルムの線膨張係数の差が250ppm/℃よりも大きい比較例2及び3では、ボイドが多く発生したことから、支持部材と離型フィルムの線膨張係数の差が大きい場合に、ボイドがより発生しやすいことがわかる。
また、粘着フィルムの基材フィルムと支持部材との間の静摩擦係数が0.2〜2.0の範囲にある実施例1〜6及び比較例1〜3では、ハンドリング性及び生産性が良好であるのに対し、0.2未満の実施例7と2.0超の実施例8では、ハンドリング性及び生産性に劣った。特に、静摩擦係数が0.2未満の実施例7の場合には、巻きズレも発生した。
以上の結果から明らかなように、本発明のウエハ加工用テープ(実施例1〜8)によれば、ロール形状に巻き取った場合において、転写痕の発生を十分に抑制することができるとともに、温度変化に起因するボイドの発生を抑制することができることが確認された。
(a)は、本発明の実施形態に係るウエハ加工用テープの平面図であり、(b)は、同断面図である。 本発明の他の実施形態に係るウエハ加工用テープの断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係るウエハ加工用テープの断面図である。 従来のウエハ加工用テープの斜視図である。 (a)は、従来のウエハ加工用テープの平面図であり、(b)は、同断面図である。 ウエハ加工用テープとダイシング用リングフレームとが貼り合わされた状態を示す断面図である。 従来のウエハ加工用テープの不具合を説明するための模式図である。
符号の説明
10:ウエハ加工用テープ
11:離型フィルム
12:接着剤層
13:粘着フィルム
13a:円形ラベル部
13b:周辺部
14,14’,14”:支持部材

Claims (11)

  1. 長尺の離型フィルムと、
    前記離型フィルムの第1の面上に設けられた所定の平面形状を有する接着剤層と、
    前記接着剤層を覆い、且つ、前記接着剤層の周囲で前記離型フィルムに接触するように設けられた所定の平面形状を有するラベル部と、前記ラベル部の外側を囲むような周辺部とを有する粘着フィルムと、
    前記離型フィルムの、前記接着剤層及び粘着フィルムが設けられた第1の面とは反対の第2の面であって、且つ、前記離型フィルムの短手方向両端部に設けられた支持部材と
    を有し、
    前記支持部材の線膨張係数が300ppm/℃以下であることを特徴とするウエハ加工用テープ。
  2. 前記支持部材の線膨張係数と前記離型フィルムの線膨張係数の差が250ppm/℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。
  3. 前記粘着フィルムは、粘着剤層と基材フィルムとを有し、
    前記粘着フィルムの基材フィルムと前記支持部材との間の静摩擦係数が0.2〜2.0であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウエハ加工用テープ。
  4. 前記支持部材は、前記離型フィルムの前記第2の面上の、前記第1の面に設けられた前記接着剤層の外側に対応する領域に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
  5. 前記支持部材は、前記離型フィルムの長手方向に沿って連続的に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ
  6. 前記支持部材は、前記接着剤層の厚さ以上の厚さを有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
  7. 前記支持部材は、着色部材であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
  8. 前記着色部材は、ウエハ加工用テープの種類に応じて着色されていることを特徴とする請求項7に記載のウエハ加工用テープ。
  9. 前記着色部材は、ウエハ加工用テープの厚さに応じて着色されていることを特徴とする請求項7に記載のウエハ加工用テープ。
  10. 前記支持部材は、2層以上の積層構造を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ
  11. 前記支持部材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、及び高密度ポリエチレンからなる群から選択されるフィルム基材に粘接着剤を塗布した粘接着テープであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のウエハ加工用テープ。
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