JP2010045169A - 化合物半導体装置とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】
隣接するAs系半導体層からのAsの拡散を防止できるP系化合物半導体層を成長する。
【解決手段】
化合物半導体装置の製造方法は、(a)化合物半導体基板上方に、第2のAs系化合物半導体層、第3のAs系化合物半導体層を形成する工程と、(x)第3のAs系化合物半導体層の上に、As濃度5×1017atoms/cm〜3×1019atoms/cmの範囲のAsをドーピングしつつ、V族元素がPである第1のP系化合物半導体層を形成する工程と、(y)第1のP系化合物半導体層の上にV族元素がAsである第1のAs系化合物半導体層を形成する工程と、を含む。
【選択図】 図4

Description

本発明は、化合物半導体装置とその製造方法に関し、特にV族元素としてAsを含む層とAsを含まない層とが積層された化合物半導体装置に関する。
GaAs基板、InP基板上にジンクブレンド結晶構造を有するIII−V族化合物半導体層を成長して種々の半導体装置が形成されている。異なるIII−V族半導体の層を積層したヘテロ構造を用いた半導体装置として、高電子移動度トランジスタ(HEMT)等の電界効果トランジスタ、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ、発光装置、多層膜光学フィルタ等が知られている。
例えば、半絶縁性(semi-insulating, si-)GaAs基板上に、必要に応じて真性(i型)GaAsバッファ層を介してi型GaAsまたはi型InGaAsのチャネル(電子走行)層、n型AlGaAsの電子供給層、n型GaAsまたはInGaAsのコンタクト層を順次エピタキシャル成長し、ゲートコンタクト領域のコンタクト層をエッチングして除去し、電子供給層上にショットキコンタクトするゲート電極、その両側のコンタクト層上にオーミックコンタクトするソース/ドレイン電極を形成してHEMTを作成することが知られている。チャネル層の上下に電子供給層を設けてもよい。電子供給層をn型層とその少なくとも一方の側に設けたスペーサ層で構成してもよい。
GaAs,AlGaAs,InGaAs等、V族元素がAsであるIII−V族化合物半導体を、III族元素に拘わらず、As系化合物半導体と呼ぶことにする。同様、V族元素がPであるIII−V族化合物半導体をP系化合物半導体と呼ぶことにする。
上述のHEMT構造において、As系化合物半導体であるコンタクト層とその下方のAs系化合物半導体である電子供給層との間に、P系化合物半導体であるGaInP層を挿入し、エッチングストッパとして用いることも知られている。例えば、リン酸、過酸化水素水、純水を1:1:12で混合した燐酸系エッチング溶液はAs系化合物半導体は高速でエッチングし、P系化合物半導体はほとんどエッチングしない。このようなエッチングストッパ層を用いてコンタクト層をエッチングすれば、エッチングストッパ層より下側の層をエッチングから保護することができる。
特開2001−93838号は、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)等の有機金属をIII族原料、アルシン(AsH),ホスフィン(PH)をV族原料とした気相成長において、AS原料の供給を停止してP原料の供給を行なっても、リアクタやチャンバ内に残留したAsが成長中のP系化合物薄膜中に混入して10〜30%のAsを含有したエッチングストッパ層を形成してしまい、燐酸系エッチング液でエッチされてしまうと指摘し、エッチングストッパ層を成長させる工程中、P原料のみの供給を行なう工程を一回以上設けることを提案する。
特開2008−153440号は、GaAs基板上に、アンドープAlGaAsバッファ槽、アンドープAlGaAs障壁層、n型AlGaAs電子供給層、アンドープAlGaAsスペーサ層、アンドープInGaAsチャネル層、アンドープAlGaAsスペーサ層、n型AlGaAs電子供給層、n型AlGaAsスペーサ層、n型InGaP第1挿入層、n型AlGaAsゲート形成層、n型InGaP第2挿入層をエピタキシャル成長し、レジストマスクを用いてn型InGaP第2挿入層を塩酸系エッチング液でエッチしてn型AlGaAsゲート形成層でストップさせ、燐酸系エッチング液でn型AlGaAsゲート形成層をエッチしてn型InGaP第1挿入層でストップさせる電界効果トランジスタの製造方法を開示する。
特開2001−93838号公報 特開2008−153440号公報
V族元素がPであるP系化合物半導体層とV族元素がAsであるAs系化合物半導体層を積層し、一方の層をエッチングストッパとして他方の層をエッチングすることがある。
P系化合物半導体層を形成することが望まれる時、P−As混合化合物半導体層が形成されてしまうと所望の機能が発揮できず、歩留まりが低下する原因になる。
本発明の目的は、隣接するAs系半導体層からのAsの拡散を防止できるP系化合物半導体層を成長できる化合物半導体装置の製造方法、および結果として得られるP系化合物半導体層を含む化合物半導体装置を提供することである。
本発明の他の目的は、十分薄く、かつエッチングスットッパとして十分機能するP系化合物半導体層を含む化合物半導体装置、およびその製造方法を提供することである。
本発明の1観点によれば、
As濃度5×1017atoms/cm〜3×1019atoms/cmの範囲のAsを成長時にドーピングされている、V族元素がPである第1のP系化合物半導体層と、
前記第1のP系化合物半導体層の上に形成され、V族元素がAsである第1のAs系化合物半導体層と、
を有する化合物半導体装置
が提供される。
本発明の他の観点によれば、
(x)As濃度5×1017atoms/cm〜3×1019atoms/cmの範囲のAsをドーピングしつつ、V族元素がPである第1のP系化合物半導体層を形成する工程と、
(y)前記第1のP系化合物半導体層の上にV族元素がAsである第1のAs系化合物半導体層を形成する工程と、
を含む化合物半導体装置の製造方法
が提供される。
本発明者らは、不純物濃度レベルのAsをドープしたP系化合物半導体層を成長すると、隣接するAs系化合物半導体層からのAsの拡散を抑制できることを見出した。
以下、本発明者らが行なった実験に沿って説明する。
図1A,1Bは、予備実験において作成したサンプルの構成を概略的に示すGaAs基板の断面図である。図1Aにおいては、GaAs基板21の上に、アンドープGaAsバッファ層22、アンドープGa0.5In0.5P層23を順次有機金属化学気相堆積(MOCVD)で成長させた。図1Bにおいては、GaAs基板21の上に、アンドープGaAsバッファ層22、AsドープGa0.5In0.5P層25を順次MOCVDで成長させた。
図1Cは、MOCVD装置の構成を示すブロック図である。反応炉RFは、ヒータHを備えた支持台SPを収容し、支持台SP上に成長用基板SUBを載置する。反応炉RFには複数のガス供給系GSが接続され、各ガス供給系GSには、マスフローコントローラと圧力計を含むガス制御装置GC。キャリアガス配管が接続されている。反応炉RFは真空排気ポンプVPによって所望圧力に維持され、徐害設備PRを介して排気される。
V族原料ガス供給系、III族原料ガス供給系は、それぞれのキャリアガス配管に、ガス制御装置を介してV族原料ガス源、III族原料ガス源が接続されている。V族原料ガスは、アルシン(AsH)とホスフィン(PH)である。III族原料ガスは有機金属であり、トリメチルアルミニウム(TMA),トリメチルガリウム(TMG),トリメチルインジウム(TMI)を用いた。
ドーピング原料DPは、n型不純物、p型不純物それぞれ独立に供給される。n型ドーピング源として、シラン(SiH)、セレン化水素(HSe)、p型ドーピング源としてジメチルジンク(DMZn)が設けられている。
さらに砒素が別配管で供給される。砒素のドーピング源として、水素で0.5%に希釈した希釈アルシンDILAsを用いた。
成長温度は760℃、成長圧力は10kPa、III族原料の反応炉への供給量は200μmol/minに保った。ドーピングする砒素濃度の制御に関して、反応炉に供給される砒素供給量(モル)とIII族原料の供給量(モル)の比からAs/III比を定義する。
図1Aにおいて、GaAs基板21の上に順次アンドープGaAsバッファ層22、アンドープGa0.5In0.5P層23を図1Cに示すMOCVD装置を用いて成長した。アンドープGa0.5In0.5P層23の成長は、V族原料の供給量を変化させて、V/III(モル)比を10〜450で変化させた。ここでのV族原料はホスフィンPHである。
図1Bにおいて、GaAs基板21の上に順次アンドープGaAsバッファ層22、AsドープGa0.5In0.5P層25を図1Cに示すMOCVD装置を用いて成長した。AsドープGa0.5In0.5P層23の成長は、V族原料の供給量を変化させて、V/III(モル)比を20〜450で変化させ、As/III比を1.0×10−4〜1.0×10−1の範囲で変化させて行なった。
作成したサンプルのエピタキシャルGa0.5In0.5P層中の砒素濃度を2次イオン質量分析(SIMS)により測定した。アンドープGa0.5In0.5P層23には、意図的なAsドープは行なっていない。しかし、アンドープGa0.5In0.5P層23中の砒素濃度分布は、アンドープGaAsバッファ層22との界面で高く、界面から離れるに従って減少し、AsがGaAs層から拡散したと考えられる。As濃度が母体であるGa0.5In0.5P層23のV族元素であるPの原子数に対して5%以下になる距離を拡散距離と規定して拡散距離を測定した。同様に、AsドープGa0.5In0.5P層25中のAs濃度分布を測定し、As拡散距離を測定した。
図2は、測定した砒素の拡散距離をV/III比の関数として示すグラフである。横軸がV/III比を示し、縦軸がAs拡散距離を単位nmで示す。アンドープGa0.5In0.5P層23中Asの拡散距離を■で示し、AsドープGa0.5In0.5P層25中のAsの拡散距離を□で示す。アンドープGa0.5In0.5P層23中Asの拡散距離が、AsドープGa0.5In0.5P層25中のAsの拡散距離より大幅に大きいことがわかる。アンドープGa0.5In0.5P層23中Asの拡散距離は、V/III比の低い領域で高く、V/III比の増大と共に急激に減少するが、V/III比10では120nm以上、V/III比20で約78である。V/III比を好適な値に選択してもAs拡散距離は45nm程度以上である。エッチングストッパとして機能するAs濃度5%以下のGa0.5In0.5P層23を形成するためには、厚さ50nm程度以上のGa0.5In0.5P層23を成長することが必要となろう。
アンドープGa0.5In0.5Pエッチングストッパ層を厚さ50nm程度以上形成すると、ソース/ドレインの抵抗成分が増大してしまう。
AsドープGa0.5In0.5P層25中のAsの拡散距離は16nm以下であり、V/III比に対する依存性も低い。広いV/III比の領域で10nm以下のAs拡散距離を実現可能である。厚さ十数nm以下のエッチングストッパ層を実現可能で、ソース/ドレインの抵抗成分増大を抑制することができる。次に、AsドープGa0.5In0.5P層25中のAsの拡散長のAs濃度に対する依存性を調べた。
図3は、Asの拡散長のAs濃度に対する変化を、V/III比をパラメータとして調べた結果を示すグラフである。横軸がAs濃度を単位cm−3で示し、縦軸がAsの拡散長を単位nmで示す。V/III比を20,40,60,80,130,350,450とした場合を一緒に示す。As濃度1×1018cm−3以下のAs濃度領域では、V/III比の増大と共にAsの拡散長が減少する傾向がみられる。As濃度1×1018cm−3以上の領域ではV/III比依存性はほとんど見られない。V/III比に拘わらず、As濃度3×1017atoms/cm〜5×1019atoms/cmの範囲においてAs拡散長は30nm以下であり、Asアンドープの場合のAs拡散長45nm程度以上と比べ、明らかに短いAs拡散長を実現でき、界面でのAs組成変化を吸収にできる。さらに、As濃度5×1017atoms/cm〜3×1019atoms/cmの範囲においてAs拡散距離は十数nm以下である。V/III比を適切に選択すれば、As濃度5×1017atoms/cm〜3×1019atoms/cmの範囲において、As拡散長は10nm未満にできる。
P系化合物半導体の成長時に、Asを5×1017atoms/cm〜3×1019atoms/cmの範囲でその場ドープすると、下地層などから成長層中へのAsが高濃度に取り込まれることを抑制できると考えられる。結果として、界面近傍を除きAs濃度が5×1017atoms/cm〜3×1019atoms/cmの範囲であるP系化合物半導体層が得られる。界面近傍のAs濃度は、隣接層からのAs拡散等により、より高濃度となり得る。このような場合を含めて、「As濃度5×1017atoms/cm〜3×1019atoms/cmの範囲のAsを成長時にドーピングされている、V族元素がPである第1のP系化合物半導体層」と呼ぶ。
なお、As濃度5×1017atoms/cm以下の範囲では、As濃度の減少と共にAs拡散長が増大している。Asアンドープとの差が減少するためと考えられる。As濃度3×1019atoms/cm以上、特に5×1019atoms/cm以上の範囲では、As濃度の増大と共にAs拡散長が増大している。As濃度が組成レベルになり、新たな機能を生じて、Asの拡散を抑制する機能を失っていくと考えられる。
以上の実験結果から、以下のことが判る。P系化合物半導体にAsを適切な濃度で添加すると、P系化合物半導体へのAsの拡散を抑制できる。As濃度を対V族元素比で5%以下にするAs拡散長を十数nm以下に抑制することが容易であり、10nm未満にすることも可能である。エッチングストップ層としてP系化合物半導体を用いる場合を考えると、厚さ数nm〜十数nmでエッチングストッパ層としての機能を十分に備えたP系化合物半導体層が可能となる。
別の観点から見ると、As濃度分布の切り替えを急峻にすることができ、ヘテロ界面の境界を明確化できる。多層膜光学フィルタを形成する場合等、所望の光学的特性を有する多層膜を実現し易くなる。
図4A−4Cは、電界効果トランジスタ(HEMT)の製造工程を示す断面図である。
図4Aに示すように、半絶縁性(si-)GaAs基板1の上に、厚さ200nmのアンドープ(i−)GaAsバッファ層2、厚さ100nmのアンドープ(i−)Al0.2Ga0.8As障壁層3、シート濃度が3×1012cm−2のSiプレーナドープ層4、厚さ3nmのi−Al0.2Ga0.8Asスペーサ層5、厚さ20nmのi−Al0.85Ga0.15Asチャネル層6、厚さ3nmのi−Al0.2Ga0.8Asスペーサ層7、シート濃度が3×1012cm−2のSiプレーナドープ層8、厚さ20nmのi−Al0.2Ga0.8Asショットキコンタクト層9、厚さ10nmのi−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10、キャリア濃度3×1018cm−3、厚さ30nmのn型GaAsオーミックコンタクト層11を順次MOCVDで成長する。
i−Al0.85Ga0.15Asチャネル層6の下側に、Al0.2Ga0.8As障壁層3、Siプレーナドープ層4、i−Al0.2Ga0.8Asスペーサ層5で構成される電子供給層が配置され、i−Al0.85Ga0.15Asチャネル層6の上側に、i−Al0.2Ga0.8Asスペーサ層7、Siプレーナドープ層8、i−Al0.2Ga0.8Asショットキコンタクト層9で構成される電子供給層が配置されていると考えることができる。
n型GaAsオーミックコンタクト層11は、ソース/ドレイン電極のチャネル層6に対するオーミック接触形成を容易にするための層である。ゲート電極は、上側の電子供給層上にショットキ接触するように形成する。ゲート電極形成領域のn型GaAsオーミックコンタクト層11は除去する必要がある。n型GaAsオーミックコンタクト層11エッチング時に、上側電子供給層にエッチングダメージを与えないように、i−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10が挿入されている。
i−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10は、成長時にAsを種々の濃度でその場ドープして幾つかのサンプルを作成した。またAsアンドープにサンプルも作成した。
サンプルS1:Asアンドープ、
サンプルS2:Asドーピング量1.0×1018atoms/cm
サンプルS3:Asドーピング量5.0×1018atoms/cm
サンプルS4:Asドーピング量3.0×1019atoms/cm
サンプルS5:Asドーピング量8.0×1019atoms/cm
図4Bに示すように、n型GaAsオーミックコンタクト層11上にゲートコンタクト領域に開口を有するフォトレジストマスクPRを形成し、n型GaAsオーミックコンタクト層11を燐酸系エッチング液(燐酸:過酸化水素水;純水=1:1:12)でエッチングした。このエッチング液はAs系化合物半導体に対して高いエッチングレートを示すが、P系化合物半導体装置はほとんどエッチングしない。従って、i−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10は、燐酸系エッチング液を用いたn型GaAsオーミックコンタクト層11のエッチングにおいて、エッチングストッパとして機能すべき層である。但し、i−Ga0.52In0.48PにAsが添加され、As濃度が高くなるとエッチングストッパとしての機能が低下する。上記サンプルのエッチングストッパ層は厚さ10nmで形成したので、隣接するAs系化合物半導体層からのAs拡散で、層全体のAs濃度が高くなる可能性がある。
次に、露出したi−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10を塩酸系エッチング液でエッチングする。塩酸系エッチング液は、P系化合物半導体に対しては高いエッチングレートを示すが、As系化合物半導体に対するエッチングレートは著しく低い。従って、塩酸系エッチング液を用いたi−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10のエッチングにおいて、i−Al0.2Ga0.8Asショットキコンタクト層9はエッチングストッパとして機能する。その後、フォトレジストマスクPRは除去する。
n型GaAsオーミックコンタクト層11のエッチング後、露出したi−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した。さらに、i−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10のエッチング後、i−Al0.2Ga0.8Asシショットキコンタクト層9表面もAFMで観察した。
サンプルS1においては、Asアンドープのi−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10の表面に孔状のエッチングダメージが高密度に観察された。さらに下層のi−Al0.2Ga0.8Asショットキコンタクト層9までもエッチングされ、同じく孔状のダメージを受けていることが判った。
サンプルS2においては、Asドープのi−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10の表面に孔状のエッチングダメージは観察されず、下層のi−Al0.2Ga0.8Asショットキコンタクト層9が保護されていることが判った。
サンプルS3,S4においても、Asドープのi−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10の表面に孔状のエッチングダメージは観察されず、下層のi−Al0.2Ga0.8Asショットキコンタクト層9が保護されていることが判った。
サンプルS5においては、Asドープのi−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10が全てエッチングで除去されており、さらに下層のi−Al0.2Ga0.8Asショットキコンタクト層9も全面にエッチングダメージを受けていることが判った。
図3を参照すると、i−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10がエッチングダメージを受けていないサンプルS2,S3,S4のAsドーピング量1.0×1018atoms/cm、5.0×1018atoms/cm、3.0×1019atoms/cmは、As拡散長を10nm程度以下に抑制できるAsドーピング量である。厚さ10nmのi−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10表面のAs濃度は5%未満となって、エッチングストッパ層の機能を十分果たしたと考えられる。サンプルS5のAsドーピング量8.0×1019atoms/cmは、As拡散長が50nm以上になるAsドーピング量である。厚さ10nmのi−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10は、全体のAs濃度が高くなり、エッチングストッパとして機能しなかったと考えられる。
図2において、Asアンドープのi−Ga0.52In0.48P層中のAs拡散長は40nm以上である。サンプルS1の厚さ10nmのi−Ga0.52In0.48P層10は、エッチングストッパとして十分機能しなかったと考えられる。
サンプルS2,S3,S4のように、Asドーピング濃度1.0×1018atoms/cm〜3.0×1019atoms/cmのi−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層を用いれば、厚さ10nmでもエッチングストッパの機能を十分果たすことができることが判った。
図4Cに示すように、n型GaAsオーミックコンタクト層11、i−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層10のエッチング後、フォトレジストマスクPRは除去し、露出したi−Al0.2Ga0.8Asショットキコンタクト層9の上にショットキゲート電極13を形成し、n型GaAsオーミックコンタクト層11の上にソース/ドレイン電極14,15を形成する。このようにして、HEMTタイプの電界効果トランジスタが作成される。
図5は、GaAs基板上に、Asドーピング濃度1.0×1018atoms/cmのGa0.5In0.5P層を厚さ約1μmMOCVDで成長し、表面からのAs濃度をSIMSで測定した結果を示すグラフである。横軸が表面からの深さを単位μmで示し、縦軸が砒素濃度を単位atoms/cmで示す。GaAs基板表面から、成長層に向かってAs濃度が急峻に低下し、ほぼ拡散現象は生じていないことが判る。As系材料層とP系材料層を積層した時、界面での組成変化が急峻になることが示唆される。
図6は、As系化合物半導体層28、P系化合物半導体層29が積相された構成を示す。例えば、多層膜光学フィルタとして機能する。この場合は、単結晶膜でなく、多結晶膜や、アモルファス膜であってもよい。複数種類の半導体デバイスを形成するための母材であってもよい。この場合は、単結晶層であることが好ましいであろう。
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、MOCVDにおいて、III族原料としてトリエチルガリウム(TEG)等の他の有機金属や、V族原料としてターシャリブチルホスフィン(TBP)等の有機原料を用いてもよい。成長温度、成長圧力、III族原料の反応場への供給量等を種々変更することも可能である。GaInPエッチストッパ層にn型不純物をドープしてもよい。その他、種々の変更、置換、組み合わせ、改良等が可能なことは当業者に自明であろう。
図1A,1Bは、予備実験において作成した、GaAs基板上にバッファ層を介してエピタキシャル成長したAsアンドープとAsドープのGa0.5In0.5P層の構成を示す断面図、図1Cは用いたMOCVD装置の構成を示すブロック図である。 図2は、AsアンドープとAsドープのGa0.5In0.5P層で測定したAs拡散長のV/III比に対する関係を示すグラフである。 図3は、種々のV/III比のサンプルを用いて測定したAs拡散長のAs濃度に対する関係を示すグラフである。 図4A,4B,4Cは、電界効果トランジスタの製造工程を示す化合物半導体基板の断面図である。 図5は、GaAs基板上にAsドープGa0.5In0.5P層をエピタキシャル成長したサンプルの表面からの深さ方向のAs濃度分布を示すグラフである。 図6は、P系化合物半導体層とAs系化合物半導体層の交互積層構成を示す断面図である。
符号の説明
1 GaAs基板、
2 i−GaAsバッファ層、
3 i−Al0.2Ga0.8Asバッファ層、
4、8 Siプレーナドープ層、
5,7 i−Al0.2Ga0.8Asスペーサ層、
6 i−Al0.85Ga0.15Asチャネル層、
9 i−Al0.2Ga0.8Asショットキコンタクト層、
10 i−Ga0.52In0.48Pエッチングストッパ層、
11 n−GaAsオーミックコンタクト層、
PR フォトレジストマスク、
13 ショットキゲート電極、
14,15 ソース/ドレイン電極、
21 GaAs基板、
22 GaAsバッファ層、
23 アンドープGa0.5In0.5P層、
25 AsドープGa0.5In0.5P層、
28 As系化合物半導体層、
29 P系化合物半導体層。

Claims (13)

  1. As濃度3×1017atoms/cm〜5×1019atoms/cmの範囲のAsを成長時にドーピングされている、V族元素がPである第1のP系化合物半導体層と、
    前記第1のP系化合物半導体層の上に形成され、V族元素がAsである第1のAs系化合物半導体層と、
    を有する化合物半導体装置。
  2. 前記第1のP系化合物半導体層が、As濃度5×1017atoms/cm〜3×1019atoms/cmの範囲のAsを成長時にドーピングされている請求項1記載の化合物半導体装置。
  3. 前記第1のP系化合物半導体装置の下に、化合物半導体基板とその上方に順次形成された第2のAs系化合物半導体層と第3のAs系化合物半導体層とを有する請求項1または2記載の化合物半導体装置。
  4. 前記第2のAs系化合物半導体層が、GaAsまたはInGaAsチャネル層であり、前記第3のAs系化合物半導体層がn型不純物をドープされたAlGaAs電子供給層であり、
    前記化合物半導体装置が電界効果トランジスタを構成する請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物半導体装置。
  5. 前記第1のAs系化合物半導体層と前記第1のP系化合物半導体層とが前記第3のAs系化合物半導体層の所定領域上方でエッチング除去されて、前記第3のAs系化合物半導体層が露出しており、
    露出した前記第3のAs系化合物半導体層上に形成されたゲート電極と、
    前記第1のAs系化合物半導体層の上に形成されたソース/ドレイン電極と、
    を有する請求項4記載の化合物半導体装置。
  6. 前記第1のAs系化合物半導体層と、前記第1のP系化合物半導体層との積層が、繰り返し形成されている請求項1または2記載の化合物半導体装置。
  7. (x)As濃度3×1017atoms/cm〜5×1019atoms/cmの範囲のAsをドーピングしつつ、V族元素がPである第1のP系化合物半導体層を形成する工程と、
    (y)前記第1のP系化合物半導体層の上にV族元素がAsである第1のAs系化合物半導体層を形成する工程と、
    を含む化合物半導体装置の製造方法。
  8. 前記工程(x)が、As濃度5×1017atoms/cm〜3×1019atoms/cmの範囲のAsをドーピングしつつ、第1のP系化合物半導体層をけいせいする請求項7記載の化合物半導体装置の製造方法。
  9. (a)前記工程(x)の前に、化合物半導体基板上方に、第2のAs系化合物半導体層、第3のAs系化合物半導体層を形成する工程、
    を含む請求項7または8記載の化合物半導体装置の製造方法。
  10. 前記工程(a)、(x)、(y)が、有機金属気相堆積法でエピタキシャル層を成長する請求項9記載の化合物半導体装置の製造方法。
  11. (b)前記工程(y)の後に、前記第1のAs系化合物半導体層の所定領域上に開口を有するマスクと燐酸系エッチング液を用いて、前記第1のP系化合物半導体層をエッチングストッパとして、前記第1のAs系化合物半導体層をエッチングする工程、
    を含む請求項9または10記載の化合物半導体装置の製造方法。
  12. (c)前記工程(b)に続いて、前記マスクと塩酸系エッチング液を用いて、前記第1のP系化合物半導体層をエッチングする工程と、
    (d)露出した前記第3のAs系化合物半導体層の上にゲート電極を形成する工程と、
    (e)前記第1のAs系化合物半導体層の上にソース/ドレイン電極を形成する工程と、
    を含む請求項11記載の化合物半導体装置の製造方法。
  13. 前記工程(x)、(y)を繰り返し行う工程、を含む請求項7または8記載の化合物半導体装置の製造方法。
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